第五話 生きる
気付いたら、僕は施療院にいた。
どうやってきたのかは全く覚えてないけど、苦しそうに息をするイリヤの声が耳から離れない。
真っ青な顔で、きれいに掃除された施療院の床を見つめて僕はずっと動かずに待っていた。
二人きりで家族皆に彼女のことをどうやって紹介するか話していたら、いきなりイリヤが倒れて。
そこから記憶が抜けてるけど、たぶん僕は彼女を抱えてここまで来て、そしてフレッド先生かハルトに彼女の身柄を預けたんだと思う。
視界がぐらぐら揺れている、いや違う、これは僕が震えているんだ。
そう認識すると、恐怖が頭にのしかかってきた。
ただひたすらに怖かった、彼女の声をもう聴けなくなるかもしれないことが、彼女のために仕立ててもらった服が、着る人も現れることなく僕の目の前にくる瞬間が。
怯えて怯えておびえ続けて、椅子の上で小さくなりながらやっと理解できた。
夜が待ち遠しかった理由を、僕が彼女に我儘を押し付けてしまった理由を。
僕は彼女のそばに居たいんだ、彼女にとってのたった一人でありたいんだと。
イリヤの隣を生きていられる時間がすごく温かかったから、だからこんなにも失う恐怖に心が震えるんだと。
つまり僕は、姿の見えなかった少女に、僕のことを思ってくれた少女にいつしか恋をしてしまったんだ。
「ロナルドさん、祖父ちゃんが呼んでます。」
気付いたら、フレッド先生の孫ノーティが僕の隣に立っていた。
「え?」
「やっと反応しましたか、これ五回目ですよ?」
呆れた顔でノーティが言うけど、僕はそんなことは気にならなかった。
「イリヤは? 大丈夫なのか!?」
ノーティにつかみかかるようにして、僕は尋ねた。
「僕は知りません、詳しくは祖父ちゃんに聞いてください。」
あくまで落ち着いた返答をくれる。
ノーティから手を放すと、すぐに僕は病室に駆け込む。
そこにはベッドに寝た状態で点滴を受けているイリヤと、神妙な面持ちで僕を出迎えてくれたフレッド先生がいた。
イリヤの顔色は悪いままだけど、いくらか改善はされている。
「先生! イリヤは」
「病人の前では静かにせい。」
医術書の角で殴られた。
「……すいません、で…イリヤは?」
こめかみを殴られたので結構痛く、そこをさすりながら尋ねる。
フレッド先生は蓄えた白いあごひげをいじると、気まずそうに目をそらす。
「治るも治らんもお主次第と言ったところじゃな。」
「どう言う意味ですか?」
「この娘の症状は、極度の飢餓じゃ、今は点滴で持ち直したが、あと十分遅かったら命はなかったじゃろう。」
きょくどのきが
極度のきが
極度の飢餓
フレッド先生の言葉の意味を理解するのに少しかかってしまった自分が情けない。
「この娘、魔物じゃろう?」
「ああはい、ドッペルゲンガーです。」
目を閉じて浅く呼吸しているイリヤを指差してフレッド先生は言う。
「ドッペルゲンガーの主食は人間の男の精じゃ、お前が与えてやればこの娘は生き残れるし、与えてやらんならおそらく死ぬだけじゃ。」
ひどく冷めた口調でフレッド先生は告げる。
「……空いてる病室で、人が来そうにないところってありますか?」
躊躇は、抱かなかった。
彼女に悪いとも、後悔することになるかもしれないとも思わなかった。
ただ僕はイリヤを喪いたくなかったから、そのことに頭がいっぱいだった。
お膳立ては先生に手伝ってもらった、一番奥の病室のベッドを借りて、そこにイリヤを寝かせる。
「イリヤ、起きてくれ。」
イリヤの細い肩に手を置いて、軽く揺さぶる。
イリヤが目を開く。
「あれ? えっと……ロナルドさん?」
イリヤが怯えた感じで僕の目を見る。
やっぱり怖い顔しちゃってるんだなぁ、まぁこれからしようとすることを思ったら明るい顔していられる奴の方が僕からしたらどうかしてるけど。
イリヤの上に乗るようにして、彼女の細い腕をつかむ。
「君はついさっき、飢餓で倒れたんだ、だから僕がここまで運んできて、フレッド先生に一命を取り留めてもらった。」
事情を説明しようなんて思ってなかったのに口から言葉が出た。
やっぱり僕はどうにも躊躇しているようだ。
そりゃ当り前なのかもしれない、僕みたいな小心者が、
「君がどうしてそれを黙ってたのかとか、そういうことは聞かない、けど僕は君を死なせたくないから、だから今から君を犯す。」
こんな、一人の女の子を壊すような大それたことをやろうとしてるんだから。
心臓の鼓動がやけに煩い。
父さんに見られたら、たぶん殴り殺されてるよなぁ。
イリヤの右手首をつかむ左手に自然に力がかかってしまう。
痛いのもあるし、怖いのもあるだろう、イリヤの前髪から覗く大きな瞳は明らかに怯えていて、それとともに体も小刻みに震えている。
ドッペルゲンガーが、男の力に勝てるかと言えばおそらくほぼない。
だからだろう、イリヤは怯えていても暴れることはしない。
暴れるだけの体力が残ってないだけかもしれないけど。
黒いワンピースのすそを右手でつまむと、そのまま捲り上げる。
中に隠されていたのは純白のショーツ。
一瞬だけ、自分がやろうとしていることの重さを、ひどさを突き付けられたように感じて手が止まるけれど、すぐにその躊躇は消える、打ち消す。
軽く指先を舐めて湿らせてから、イリヤの秘部をショーツの上から撫でる。
すりすりっ しゅりしゅりしゅりしゅり
優しく小刻みに撫でまわすと、少しだけ反応していることが分かる。
人間の精を主食とする魔物は、飢餓状態に陥ると男を求めて体が敏感になり、感じやすいものになる。
堪えるように、イリヤは唇を結びかたく目を閉ざして耐える。
けれど、いくら彼女が大人しくて弱気でも魔物の本能に勝てるわけじゃない。
しゅしゅしゅる ぬちっ
乾いていた音に濡れた響きが混じり、それとともに
「ン……あぅ………はぁ……」
イリヤの口からは甘い声が漏れ始める。
あわてて空いていた右手で口をふさいだけど、もう遅い。
しゅるしゅるしゅるするっぐにぃいいいい
数度指を這わせてから、秘部を上から圧迫する。
「……! ふ………!」
必死に口を抑えるイリヤ。
けれど、
ぬちっ ぴちゃぴちゃぴちゃっ
少し指を這わせてみればすぐにわかるくらい、股間は湿っている。
これくらい濡れてれば、十分かな?
「逃げちゃダメだよ?」
そう言いながら、僕は彼女の右腕を解放すると服を脱ぐ。
その間中ずっと、イリヤはその光景を大人しく見ていた。
服を全部脱ぎ終えると、もう一回彼女に向き直る。
いつの間にかベッドの端まで移動している、音がしなかったあたり大したものだ。
「あ……あの……」
おずおずとイリヤが口を開く。
「何? 嫌と言っても僕は聞く気ないよ?」
「違います…初めてですから……優しくしてください……」
イリヤが顔を真っ赤にして言う。
そっかー、初めてだったのかー。
「って、そんな訳ないだろ、だって僕たち初めて会った時」
「あれは……ネリスさんのサキュバスの体でしたから……」
本当の体ではノーカウントってことなのかな。
「って言うか……何で僕たちこんな普通に会話してんの?」
あれおかしいな、凌辱犯と犯される可哀そうな女の子の構図になるはずだったんだけど。
「すいません……私が告げてればこんなことにならなかったのに……怒ってますよね?」
「そりゃすごく怒ってたけど……」
今はもう一気に萎えてどうでもよくなってしまった。
どうして黙ってたんだとか、どうして気付いてあげられなかったんだとかそういう怒りがない混ぜになって、それを彼女にぶつけようとしていたことが一気にどうでもよくなる。
「言いだしづらかったんです。 だって『私を抱いてください』ですよ!? 私こんなに胸平らでネリスさんみたいに美人でもないのに!」
「抱く理由を言ってくれたらすぐ納得した! あとイリヤは美人だ! それとそもそも君が美人じゃなくても僕は君を抱いた!」
バカみたいな口論が始まってしまうけど、そこは譲れない。
空気がしらけるって、多分こんなことを指すんだと思う。
まぁでも、
ため息をついてから気持ちを整理する。
「本題に戻ろう。優しくしてあげるよ、出来る限りでは。」
やることに代わりはない、イリヤの体をこの手で抱くことには。
合意のもとで行為に及ぶのか、それとも無理やりするのかの違い。
イリヤの両足をつかむと、開かせながら持ち上げる。
僕に向けて股をひらき、下着を惜しげもなくさらした姿勢にさせるわけだ。
そのまま両足を右手だけで抑えると、今度僕が手をかけるのは真っ白なショーツ。
改めてみるとイリヤの肌って綺麗だな、シミ一つないし手触りもいいしきめ細やかだし。
そう思いながらショーツをある程度まで脱がし、秘部を露出させる。
確かな湿り気を帯びていることは分かるんだけど、でもまだ足りないかな?
でももたもたしてるとイリヤの体に良くないし……
そうやって僕がためらっていると、イリヤは背中を押すように
「大丈夫ですから……来てください。」
自分の指で秘部を少しだけ開いて見せる。
やっぱり湿り気が少ないことを再認識させられる。
あいている左手をイリヤの口元に持っていく。
「咥えて。」
ある程度予想していたのかイリヤは僕の指を口に含む。
けど、そのあと取った行動は僕の予期していたものとは全然違った。
ぢゅる ねぶっちゅるちゅるちゅぷ れろぉっ
水音を立てて、イリヤの口の中で僕の指が転がされる。
可愛い舌が絡みついて指の腹を舐めまわし、小さな歯が痛くない程度に噛みついて第二関節のあたりを刺激する。その上で唇まですぼめて抑え込み……
要するに指をフェラされているわけだ、それも本能なのか盗んだエロ小説「亀頭門」の第一章を読んでこの技術を習ったのか、やたら上手。
ちゅぷっれろろろろろっ あむあむっ ぺろっ
指が性感帯になったようにやたら気持ちいいんだけど、違う。
「あのさ、イリヤ、目的間違ってるんだけど」
夢中で僕の指をしゃぶっていたイリヤが、その言葉と同時に動きを止める。
「え……? 違ったんですか?」
「うん。」
気持ち良かったんだけどね、結構気持ち良かったんだけどね。
「痛いだろうから、これを噛んでてほしかったんだよ。」
涎でべとべとになった指を示して言う。
「失礼しました。」
そう言いながらイリヤは僕の指をおちょぼ口で咥える。
「行くよ。」
彼女の秘部に狙いを定めて、
ずぐぐぐぐ ぷちん
「――――――――――――――ッッ!!!!」
処女膜を破ったんだと思わせる感触がして、それと同時にイリヤが僕の指を力いっぱい噛みしめる。
ぐぐぐ ごつん
血が出そうな左手の痛みに構わず、奥まで押し込む。
「ぅう……入りましたぁ……」
顔に脂汗をにじませながら、イリヤが言う。
膣の大きさは体に比例するものなのか、「ネリスの体」よりも膣はとても狭くてきつい。
おまけにまだあんまり湿ってないんだから、かなり痛いだろう。
僕の息子をつたって、血が流れ出てくる。
「大丈夫?」
見た目全然大丈夫じゃないし聞いてもイリヤが返してくる答えなんて簡単に予想ができたけど、それでも一応礼儀として聞いておいた。
「大丈夫……です、どうにか。動いていいですよ?」
やっぱり見栄張った。
ずっぐぐぐぐぐ ずぶぶぶ ごつん!
気を使うことがなんだか煩わしくて申し訳なかったから、ゆっくり腰を引いて、打ち込む。
イリヤの体が一瞬跳ねて、またすぐに戻る。
生存本能もあってかイリヤの膣はぎゅうぎゅうに締めつけてきていて、あまりの気持ち良さに気を抜いたら一気に絞り取られそうなくらいだ。
今度はワンピースをほとんど全部脱がせて、首にちょっとかかっている程度にする、露出した胸部分にも下着がついてる物と思い込んでいた僕は、
「うわっと。」
コンニチワした二つのつつましやかなお山にちょっと驚く。
「ブラしてると思ってた。」
「要らないと判断してました……」
いやそんなに大きくないけど要らないようなサイズじゃないよこれ。
真っ白なおわん形のお山の上に、ピンク色の可愛い乳首がついている。
その魅力に一瞬で負けた僕は、とりあえず、
きゅむっ
左手で右を失礼していた。
「ああんっ」
イリヤが明らかにいやらしく喘ぐ。
もみもみもにゅむみゅ
胸が弱いんだと判断した僕は、優しく揉みほぐすように彼女の胸を揉む。
足を抑えていた右手も放し、イリヤの左胸に添える。
きゅむっもみゅむにゅくにゅぐに
時に激しく、時に優しく、緩急をつけて僕はイリヤの胸を愛でる。
きゅむっもみっ むにゅくりくりぐにゅっ
「あっあっ ふやぁっ! はァン!」
声を抑えることすら忘れて、イリヤは僕の稚拙な攻めに喘ぐ。
だんだん濡れてきてるのが分かる、よっぽど気持ちいいんだろう。
「胸が敏感なんだね。」
口に出して言うと、イリヤの膣が締まる。
「そういうこと……言わないで…」
恥ずかしそうに顔を隠しながら、イリヤが言う。
「恥ずかしがるよりも、素直に感じた方がいいと思うよ?」
そう言いながら、胸への攻めを一段階強める。
具体的には、徐々に起ってきていた頂点の小さな突起を、
きゅっ!
指でつまむ。
「いひゃぁっ!?」
イリヤが目に見えて大きな反応をする。
本当に胸が弱いんだな、特に乳首は敏感みたいだ。
きゅるむみゅっ くりくりくりっ くんっ
片方では胸全体をほぐすように揉みながら、もう片方の手は乳首を苛める。
「あっ やぁっ! こんなっ こんなのダメっ! 気持ち良過ぎて」
「これで参ってたら、この先持たないよ?」
そう言いながら素早く腰を引き、一気に突きこむ。
じゅぅうううう じゅぽん
「ふにゃぁああああああっ!!」
全く予想していなかった方向からの刺激に快感に耐える用意すらできなかったらしく、とびきり可愛い嬌声を上げながらイリヤが絶頂する。
ぷしゃあああああ
潮を僕の体に吹きかけ、必死に顔を隠しながら四肢を突っ張らせてイく。
やがて彼女の体から力が抜ける。
「はーっ はーっ」
荒く息をしている。
体調悪いのに、いきなりイかされちゃ当たり前か。
絞り取らんがばかりに締めつけて来る膣はさらに細かな蠢動を始めていて、まるで膣だけ別の生き物に代わってしまっているかのようだ。
「ひどいです……ロナルドさん…」
「ごめんごめん、あんまりにも可愛いから苛めたくなっちゃった。」
「優しくするって言いましたよね?」
指の間から非難がましい目を向けて来る。
「本当にごめん、僕いじめっ子なのかもしれない。」
何となく顔を隠されていることが気に入らなくて、乱暴に腕をつかむと無理やり隠していた顔を露出させる。
「うわぁ……」
そこに居たのは、本当にイリヤかと思うほどとろけた顔をした女の子だった。
顔は艶っぽく紅潮して、口は半開きのまま涎をわずかに垂らしていて、全体的に何か顔の締まりが悪くなっている。
「見ないでください……見ないで……」
もぞもぞと抵抗するように動くけど、いかんせん力に差がありすぎる。
「別にいいじゃないか、恋人なんだし。」
何気なくはなった僕の一言に、イリヤの紅潮していた顔がさらに赤く染まる。
「こい…びと?」
「そう、恋人。」
確認するように僕を見ながらイリヤが呟いた言葉に迷わず返事をする。
その言葉だけで、イリヤの膣の締め付けがさらに良くなる。
もはや食いちぎらんばかりの強烈な締め付け。
「君が倒れて、君を喪うかもしれないって思ったらすぐに気付いたんだ、僕は君に恋してるんだって。」
それまで気づくことすらできなかったあたりが情けない話だけど。
でも自覚できたからこそ、僕は彼女に自信を持って言うことができた。
「それだけで恋人って……まぁ私は別にかまいませんが…」
イリヤは顔を真っ赤にして言う。
「構わないなら良いじゃないか、じゃ、続き。」
ぐっ ぱちゅん ずちゅん ごちゅん ぬちゅん
「あっ! あんっ んぁあっ!」
強烈に締めつけてくるけれど同時に結構に濡れたイリヤの膣は、性経験に乏しい僕でも問題なく動かせるほどに滑りが良くなっている。
そしてそれでも襞がこすれて、僕の物に強い快感を与えてくれる。
ずちゅ ずにゅ ごちゅ ぱぢゅ
「あひゃぁっ ひぃん ほぉおっ!」
ゆっくりとストロークを繰り返すたびに、イリヤは顔をとろけさせて気持ちよさそうにあえぐ。
あまりの気持ち良さに僕も限界を迎えて、
「――――出るっ! イリヤの中にっ!!」
どびゅるるるるるるるるるる
ここ最近たまっていた精液が、堰を切ったようにイリヤの中に流れ込む。
「ふひゃあああああああっっ! 熱いの来てますぅ!!」
イリヤがまた激しく体を震わせながら絶頂する。
「はぁ……」
「んっ、気持ち良かったです……」
照れたような笑顔で彼女が言う、やっぱり魔物だけあってエッチへの順応性は高いみたいだ。
「どうする? 続ける?」
「はいっ」
ちょっと嬉しそうな顔で言うイリヤが可愛くて、思わず頭をなでていた。
ずにゅ ずんっ!
素早く引き抜いて、一気に奥まで押し込む。
「ひゃぁんっ!」
一発でもかなり気持ちいいらしいので、それを繰り返す。
そうしながらイリヤの胸にもう一度手を伸ばして、
むにゅ もみもみもみくりっむぎゅうううううう
たまに乳首もいじめながら優しく揉みほぐす。
見たところあまり大きな胸ではないけれど、見た目よりはある。
着やせするタイプなんだろうか。
「あっやっ ふにゃぁっ やぅん!」
ずぐっずぐっずぐっずぐっ
きゅむむにゅむにくりっ むにむにむにくんっ
腰は一定のリズムでピストンしながら、胸は不規則なリズムで苛める。
意外に難しくなくて、むしろやり易いのは僕がひねくれてるんだろうか。
「ひにゃぁっ! んぁあ! はっヒィっ!」
さっき以上にきつく締めあげて来るイリヤ。
しかし口はだらしなく半開きのままになってしまい、小さな刺激が加えられるだけでも涎と甘くとろけた声がそこから漏れだしてくる。
目は潤んで半分焦点を失っていて、かろうじて僕の顔を見つめている瞬間がある程度だ。
だらしないアヘ顔をさらしながら、イリヤは僕の為すがままになっている。
「ふあぁっらめっりゃめなのぉっ!」
「イきそうなんだ、わかるよ。」
イリヤの膣が本当に僕の息子を潰してしまいそうなくらいぎゅうぎゅうに締めつけて来る。
たまらないくらい気持ちのいいその締め付けに、僕ももう限界が近い。
「ロナルドさんも、イっちゃいそうなんですね。」
「うん、だから、一緒に……」
「はいっ。」
じゅぶじゅぶじゅぶごりゅ
むにぃぐにっくりきゅぅうううう
双方合意のもとで同時にオーガズムを相手から受け取ることを決めると、すぐに僕はイリヤに対する責めを激しくして、同時にイリヤも僕に返してくる締めつけや淫欲を誘う表情をより淫らなものにする。
「ふやぁっ もうダメっ! イきゅ、イきゅ!」
「僕ももう……限界!」
「出して! 中にあふれるくらい出してぇっ!」
そのイリヤのおねだりに答えるように、僕の限界が訪れる。
どぼびゅるるるるるるるるるるるるるる!!
「あ゙っああ゙ァ―――――――――――――――――――――ッッ!!!」
全身を雷に打たれたように激しく痙攣させながら、背を弓なりにのけぞらせて大声を出して潮まで吹いて、子宮まで飛びこんで縦横無尽に暴れ回る僕の精液を嬉々として受け止める。
最後の一滴まで出つくすと、のけぞっていたイリヤの体も徐々にまっすぐに戻る。
ぐぽん
堅さを半分ほど失った僕の息子が、イリヤの中から出てくる。
「あハ♪ ハァっ……しゅごかったれすぅ……」
まだ生まれて初めて迎える潮を吹くほどのオーガズムの余韻に小さく体を震わせながら、イリヤは心の底から嬉しそうな表情でつぶやく。
「イリヤ。」
僕はと言うと、激し過ぎるセックスの後とは思えないほど落ち着いていた。
とりあえず、鼻をつまむ。
「痛い痛い痛い痛い痛い! やめてくだしゃいよぉ!!」
「これから二度と死ぬ危険があるような我慢はしないこと、次は本当に犯すからね。」
今回はなんだかグダグダになって有耶無耶だったけど、次は本気で犯す自信がある。
「だって……恥ずかしいんですよぉ…」
泣きそうな声でイリヤが言い訳をする。
「羞恥心と命とどっちが大事なわけ?」
命あっての物だねなんだから、死んだら意味もない。
「……命です…死んだらロナルドさんの隣に居られませんから。」
そんな理由で命の方が大事なんだ……魔物ってたまによくわからない。
「まぁそんな理由でも良いや。」
「そんな理由って何ですか! 私にとっては人生全部かける価値のある理由ですよ。」
「そんな大きな声で僕への愛を叫ばなくていい。」
恥ずかしいから、嬉しいんだけどね。
「そうそう……皆に君を紹介するための方法を決めないと。」
その話の途中だったことを今更ながらに思い出す。
「あの、ロナルドさん。」
「ん?」
一瞬だけイリヤが言葉をためてから、眩しいくらいの笑顔で言う言葉は、
「大好きです♪」
うん知ってる。
だから、彼女に向けて返す言葉はすぐに口から勝手に出てきた。
「僕もだよ、イリヤ。」
どうやってきたのかは全く覚えてないけど、苦しそうに息をするイリヤの声が耳から離れない。
真っ青な顔で、きれいに掃除された施療院の床を見つめて僕はずっと動かずに待っていた。
二人きりで家族皆に彼女のことをどうやって紹介するか話していたら、いきなりイリヤが倒れて。
そこから記憶が抜けてるけど、たぶん僕は彼女を抱えてここまで来て、そしてフレッド先生かハルトに彼女の身柄を預けたんだと思う。
視界がぐらぐら揺れている、いや違う、これは僕が震えているんだ。
そう認識すると、恐怖が頭にのしかかってきた。
ただひたすらに怖かった、彼女の声をもう聴けなくなるかもしれないことが、彼女のために仕立ててもらった服が、着る人も現れることなく僕の目の前にくる瞬間が。
怯えて怯えておびえ続けて、椅子の上で小さくなりながらやっと理解できた。
夜が待ち遠しかった理由を、僕が彼女に我儘を押し付けてしまった理由を。
僕は彼女のそばに居たいんだ、彼女にとってのたった一人でありたいんだと。
イリヤの隣を生きていられる時間がすごく温かかったから、だからこんなにも失う恐怖に心が震えるんだと。
つまり僕は、姿の見えなかった少女に、僕のことを思ってくれた少女にいつしか恋をしてしまったんだ。
「ロナルドさん、祖父ちゃんが呼んでます。」
気付いたら、フレッド先生の孫ノーティが僕の隣に立っていた。
「え?」
「やっと反応しましたか、これ五回目ですよ?」
呆れた顔でノーティが言うけど、僕はそんなことは気にならなかった。
「イリヤは? 大丈夫なのか!?」
ノーティにつかみかかるようにして、僕は尋ねた。
「僕は知りません、詳しくは祖父ちゃんに聞いてください。」
あくまで落ち着いた返答をくれる。
ノーティから手を放すと、すぐに僕は病室に駆け込む。
そこにはベッドに寝た状態で点滴を受けているイリヤと、神妙な面持ちで僕を出迎えてくれたフレッド先生がいた。
イリヤの顔色は悪いままだけど、いくらか改善はされている。
「先生! イリヤは」
「病人の前では静かにせい。」
医術書の角で殴られた。
「……すいません、で…イリヤは?」
こめかみを殴られたので結構痛く、そこをさすりながら尋ねる。
フレッド先生は蓄えた白いあごひげをいじると、気まずそうに目をそらす。
「治るも治らんもお主次第と言ったところじゃな。」
「どう言う意味ですか?」
「この娘の症状は、極度の飢餓じゃ、今は点滴で持ち直したが、あと十分遅かったら命はなかったじゃろう。」
きょくどのきが
極度のきが
極度の飢餓
フレッド先生の言葉の意味を理解するのに少しかかってしまった自分が情けない。
「この娘、魔物じゃろう?」
「ああはい、ドッペルゲンガーです。」
目を閉じて浅く呼吸しているイリヤを指差してフレッド先生は言う。
「ドッペルゲンガーの主食は人間の男の精じゃ、お前が与えてやればこの娘は生き残れるし、与えてやらんならおそらく死ぬだけじゃ。」
ひどく冷めた口調でフレッド先生は告げる。
「……空いてる病室で、人が来そうにないところってありますか?」
躊躇は、抱かなかった。
彼女に悪いとも、後悔することになるかもしれないとも思わなかった。
ただ僕はイリヤを喪いたくなかったから、そのことに頭がいっぱいだった。
お膳立ては先生に手伝ってもらった、一番奥の病室のベッドを借りて、そこにイリヤを寝かせる。
「イリヤ、起きてくれ。」
イリヤの細い肩に手を置いて、軽く揺さぶる。
イリヤが目を開く。
「あれ? えっと……ロナルドさん?」
イリヤが怯えた感じで僕の目を見る。
やっぱり怖い顔しちゃってるんだなぁ、まぁこれからしようとすることを思ったら明るい顔していられる奴の方が僕からしたらどうかしてるけど。
イリヤの上に乗るようにして、彼女の細い腕をつかむ。
「君はついさっき、飢餓で倒れたんだ、だから僕がここまで運んできて、フレッド先生に一命を取り留めてもらった。」
事情を説明しようなんて思ってなかったのに口から言葉が出た。
やっぱり僕はどうにも躊躇しているようだ。
そりゃ当り前なのかもしれない、僕みたいな小心者が、
「君がどうしてそれを黙ってたのかとか、そういうことは聞かない、けど僕は君を死なせたくないから、だから今から君を犯す。」
こんな、一人の女の子を壊すような大それたことをやろうとしてるんだから。
心臓の鼓動がやけに煩い。
父さんに見られたら、たぶん殴り殺されてるよなぁ。
イリヤの右手首をつかむ左手に自然に力がかかってしまう。
痛いのもあるし、怖いのもあるだろう、イリヤの前髪から覗く大きな瞳は明らかに怯えていて、それとともに体も小刻みに震えている。
ドッペルゲンガーが、男の力に勝てるかと言えばおそらくほぼない。
だからだろう、イリヤは怯えていても暴れることはしない。
暴れるだけの体力が残ってないだけかもしれないけど。
黒いワンピースのすそを右手でつまむと、そのまま捲り上げる。
中に隠されていたのは純白のショーツ。
一瞬だけ、自分がやろうとしていることの重さを、ひどさを突き付けられたように感じて手が止まるけれど、すぐにその躊躇は消える、打ち消す。
軽く指先を舐めて湿らせてから、イリヤの秘部をショーツの上から撫でる。
すりすりっ しゅりしゅりしゅりしゅり
優しく小刻みに撫でまわすと、少しだけ反応していることが分かる。
人間の精を主食とする魔物は、飢餓状態に陥ると男を求めて体が敏感になり、感じやすいものになる。
堪えるように、イリヤは唇を結びかたく目を閉ざして耐える。
けれど、いくら彼女が大人しくて弱気でも魔物の本能に勝てるわけじゃない。
しゅしゅしゅる ぬちっ
乾いていた音に濡れた響きが混じり、それとともに
「ン……あぅ………はぁ……」
イリヤの口からは甘い声が漏れ始める。
あわてて空いていた右手で口をふさいだけど、もう遅い。
しゅるしゅるしゅるするっぐにぃいいいい
数度指を這わせてから、秘部を上から圧迫する。
「……! ふ………!」
必死に口を抑えるイリヤ。
けれど、
ぬちっ ぴちゃぴちゃぴちゃっ
少し指を這わせてみればすぐにわかるくらい、股間は湿っている。
これくらい濡れてれば、十分かな?
「逃げちゃダメだよ?」
そう言いながら、僕は彼女の右腕を解放すると服を脱ぐ。
その間中ずっと、イリヤはその光景を大人しく見ていた。
服を全部脱ぎ終えると、もう一回彼女に向き直る。
いつの間にかベッドの端まで移動している、音がしなかったあたり大したものだ。
「あ……あの……」
おずおずとイリヤが口を開く。
「何? 嫌と言っても僕は聞く気ないよ?」
「違います…初めてですから……優しくしてください……」
イリヤが顔を真っ赤にして言う。
そっかー、初めてだったのかー。
「って、そんな訳ないだろ、だって僕たち初めて会った時」
「あれは……ネリスさんのサキュバスの体でしたから……」
本当の体ではノーカウントってことなのかな。
「って言うか……何で僕たちこんな普通に会話してんの?」
あれおかしいな、凌辱犯と犯される可哀そうな女の子の構図になるはずだったんだけど。
「すいません……私が告げてればこんなことにならなかったのに……怒ってますよね?」
「そりゃすごく怒ってたけど……」
今はもう一気に萎えてどうでもよくなってしまった。
どうして黙ってたんだとか、どうして気付いてあげられなかったんだとかそういう怒りがない混ぜになって、それを彼女にぶつけようとしていたことが一気にどうでもよくなる。
「言いだしづらかったんです。 だって『私を抱いてください』ですよ!? 私こんなに胸平らでネリスさんみたいに美人でもないのに!」
「抱く理由を言ってくれたらすぐ納得した! あとイリヤは美人だ! それとそもそも君が美人じゃなくても僕は君を抱いた!」
バカみたいな口論が始まってしまうけど、そこは譲れない。
空気がしらけるって、多分こんなことを指すんだと思う。
まぁでも、
ため息をついてから気持ちを整理する。
「本題に戻ろう。優しくしてあげるよ、出来る限りでは。」
やることに代わりはない、イリヤの体をこの手で抱くことには。
合意のもとで行為に及ぶのか、それとも無理やりするのかの違い。
イリヤの両足をつかむと、開かせながら持ち上げる。
僕に向けて股をひらき、下着を惜しげもなくさらした姿勢にさせるわけだ。
そのまま両足を右手だけで抑えると、今度僕が手をかけるのは真っ白なショーツ。
改めてみるとイリヤの肌って綺麗だな、シミ一つないし手触りもいいしきめ細やかだし。
そう思いながらショーツをある程度まで脱がし、秘部を露出させる。
確かな湿り気を帯びていることは分かるんだけど、でもまだ足りないかな?
でももたもたしてるとイリヤの体に良くないし……
そうやって僕がためらっていると、イリヤは背中を押すように
「大丈夫ですから……来てください。」
自分の指で秘部を少しだけ開いて見せる。
やっぱり湿り気が少ないことを再認識させられる。
あいている左手をイリヤの口元に持っていく。
「咥えて。」
ある程度予想していたのかイリヤは僕の指を口に含む。
けど、そのあと取った行動は僕の予期していたものとは全然違った。
ぢゅる ねぶっちゅるちゅるちゅぷ れろぉっ
水音を立てて、イリヤの口の中で僕の指が転がされる。
可愛い舌が絡みついて指の腹を舐めまわし、小さな歯が痛くない程度に噛みついて第二関節のあたりを刺激する。その上で唇まですぼめて抑え込み……
要するに指をフェラされているわけだ、それも本能なのか盗んだエロ小説「亀頭門」の第一章を読んでこの技術を習ったのか、やたら上手。
ちゅぷっれろろろろろっ あむあむっ ぺろっ
指が性感帯になったようにやたら気持ちいいんだけど、違う。
「あのさ、イリヤ、目的間違ってるんだけど」
夢中で僕の指をしゃぶっていたイリヤが、その言葉と同時に動きを止める。
「え……? 違ったんですか?」
「うん。」
気持ち良かったんだけどね、結構気持ち良かったんだけどね。
「痛いだろうから、これを噛んでてほしかったんだよ。」
涎でべとべとになった指を示して言う。
「失礼しました。」
そう言いながらイリヤは僕の指をおちょぼ口で咥える。
「行くよ。」
彼女の秘部に狙いを定めて、
ずぐぐぐぐ ぷちん
「――――――――――――――ッッ!!!!」
処女膜を破ったんだと思わせる感触がして、それと同時にイリヤが僕の指を力いっぱい噛みしめる。
ぐぐぐ ごつん
血が出そうな左手の痛みに構わず、奥まで押し込む。
「ぅう……入りましたぁ……」
顔に脂汗をにじませながら、イリヤが言う。
膣の大きさは体に比例するものなのか、「ネリスの体」よりも膣はとても狭くてきつい。
おまけにまだあんまり湿ってないんだから、かなり痛いだろう。
僕の息子をつたって、血が流れ出てくる。
「大丈夫?」
見た目全然大丈夫じゃないし聞いてもイリヤが返してくる答えなんて簡単に予想ができたけど、それでも一応礼儀として聞いておいた。
「大丈夫……です、どうにか。動いていいですよ?」
やっぱり見栄張った。
ずっぐぐぐぐぐ ずぶぶぶ ごつん!
気を使うことがなんだか煩わしくて申し訳なかったから、ゆっくり腰を引いて、打ち込む。
イリヤの体が一瞬跳ねて、またすぐに戻る。
生存本能もあってかイリヤの膣はぎゅうぎゅうに締めつけてきていて、あまりの気持ち良さに気を抜いたら一気に絞り取られそうなくらいだ。
今度はワンピースをほとんど全部脱がせて、首にちょっとかかっている程度にする、露出した胸部分にも下着がついてる物と思い込んでいた僕は、
「うわっと。」
コンニチワした二つのつつましやかなお山にちょっと驚く。
「ブラしてると思ってた。」
「要らないと判断してました……」
いやそんなに大きくないけど要らないようなサイズじゃないよこれ。
真っ白なおわん形のお山の上に、ピンク色の可愛い乳首がついている。
その魅力に一瞬で負けた僕は、とりあえず、
きゅむっ
左手で右を失礼していた。
「ああんっ」
イリヤが明らかにいやらしく喘ぐ。
もみもみもにゅむみゅ
胸が弱いんだと判断した僕は、優しく揉みほぐすように彼女の胸を揉む。
足を抑えていた右手も放し、イリヤの左胸に添える。
きゅむっもみゅむにゅくにゅぐに
時に激しく、時に優しく、緩急をつけて僕はイリヤの胸を愛でる。
きゅむっもみっ むにゅくりくりぐにゅっ
「あっあっ ふやぁっ! はァン!」
声を抑えることすら忘れて、イリヤは僕の稚拙な攻めに喘ぐ。
だんだん濡れてきてるのが分かる、よっぽど気持ちいいんだろう。
「胸が敏感なんだね。」
口に出して言うと、イリヤの膣が締まる。
「そういうこと……言わないで…」
恥ずかしそうに顔を隠しながら、イリヤが言う。
「恥ずかしがるよりも、素直に感じた方がいいと思うよ?」
そう言いながら、胸への攻めを一段階強める。
具体的には、徐々に起ってきていた頂点の小さな突起を、
きゅっ!
指でつまむ。
「いひゃぁっ!?」
イリヤが目に見えて大きな反応をする。
本当に胸が弱いんだな、特に乳首は敏感みたいだ。
きゅるむみゅっ くりくりくりっ くんっ
片方では胸全体をほぐすように揉みながら、もう片方の手は乳首を苛める。
「あっ やぁっ! こんなっ こんなのダメっ! 気持ち良過ぎて」
「これで参ってたら、この先持たないよ?」
そう言いながら素早く腰を引き、一気に突きこむ。
じゅぅうううう じゅぽん
「ふにゃぁああああああっ!!」
全く予想していなかった方向からの刺激に快感に耐える用意すらできなかったらしく、とびきり可愛い嬌声を上げながらイリヤが絶頂する。
ぷしゃあああああ
潮を僕の体に吹きかけ、必死に顔を隠しながら四肢を突っ張らせてイく。
やがて彼女の体から力が抜ける。
「はーっ はーっ」
荒く息をしている。
体調悪いのに、いきなりイかされちゃ当たり前か。
絞り取らんがばかりに締めつけて来る膣はさらに細かな蠢動を始めていて、まるで膣だけ別の生き物に代わってしまっているかのようだ。
「ひどいです……ロナルドさん…」
「ごめんごめん、あんまりにも可愛いから苛めたくなっちゃった。」
「優しくするって言いましたよね?」
指の間から非難がましい目を向けて来る。
「本当にごめん、僕いじめっ子なのかもしれない。」
何となく顔を隠されていることが気に入らなくて、乱暴に腕をつかむと無理やり隠していた顔を露出させる。
「うわぁ……」
そこに居たのは、本当にイリヤかと思うほどとろけた顔をした女の子だった。
顔は艶っぽく紅潮して、口は半開きのまま涎をわずかに垂らしていて、全体的に何か顔の締まりが悪くなっている。
「見ないでください……見ないで……」
もぞもぞと抵抗するように動くけど、いかんせん力に差がありすぎる。
「別にいいじゃないか、恋人なんだし。」
何気なくはなった僕の一言に、イリヤの紅潮していた顔がさらに赤く染まる。
「こい…びと?」
「そう、恋人。」
確認するように僕を見ながらイリヤが呟いた言葉に迷わず返事をする。
その言葉だけで、イリヤの膣の締め付けがさらに良くなる。
もはや食いちぎらんばかりの強烈な締め付け。
「君が倒れて、君を喪うかもしれないって思ったらすぐに気付いたんだ、僕は君に恋してるんだって。」
それまで気づくことすらできなかったあたりが情けない話だけど。
でも自覚できたからこそ、僕は彼女に自信を持って言うことができた。
「それだけで恋人って……まぁ私は別にかまいませんが…」
イリヤは顔を真っ赤にして言う。
「構わないなら良いじゃないか、じゃ、続き。」
ぐっ ぱちゅん ずちゅん ごちゅん ぬちゅん
「あっ! あんっ んぁあっ!」
強烈に締めつけてくるけれど同時に結構に濡れたイリヤの膣は、性経験に乏しい僕でも問題なく動かせるほどに滑りが良くなっている。
そしてそれでも襞がこすれて、僕の物に強い快感を与えてくれる。
ずちゅ ずにゅ ごちゅ ぱぢゅ
「あひゃぁっ ひぃん ほぉおっ!」
ゆっくりとストロークを繰り返すたびに、イリヤは顔をとろけさせて気持ちよさそうにあえぐ。
あまりの気持ち良さに僕も限界を迎えて、
「――――出るっ! イリヤの中にっ!!」
どびゅるるるるるるるるるる
ここ最近たまっていた精液が、堰を切ったようにイリヤの中に流れ込む。
「ふひゃあああああああっっ! 熱いの来てますぅ!!」
イリヤがまた激しく体を震わせながら絶頂する。
「はぁ……」
「んっ、気持ち良かったです……」
照れたような笑顔で彼女が言う、やっぱり魔物だけあってエッチへの順応性は高いみたいだ。
「どうする? 続ける?」
「はいっ」
ちょっと嬉しそうな顔で言うイリヤが可愛くて、思わず頭をなでていた。
ずにゅ ずんっ!
素早く引き抜いて、一気に奥まで押し込む。
「ひゃぁんっ!」
一発でもかなり気持ちいいらしいので、それを繰り返す。
そうしながらイリヤの胸にもう一度手を伸ばして、
むにゅ もみもみもみくりっむぎゅうううううう
たまに乳首もいじめながら優しく揉みほぐす。
見たところあまり大きな胸ではないけれど、見た目よりはある。
着やせするタイプなんだろうか。
「あっやっ ふにゃぁっ やぅん!」
ずぐっずぐっずぐっずぐっ
きゅむむにゅむにくりっ むにむにむにくんっ
腰は一定のリズムでピストンしながら、胸は不規則なリズムで苛める。
意外に難しくなくて、むしろやり易いのは僕がひねくれてるんだろうか。
「ひにゃぁっ! んぁあ! はっヒィっ!」
さっき以上にきつく締めあげて来るイリヤ。
しかし口はだらしなく半開きのままになってしまい、小さな刺激が加えられるだけでも涎と甘くとろけた声がそこから漏れだしてくる。
目は潤んで半分焦点を失っていて、かろうじて僕の顔を見つめている瞬間がある程度だ。
だらしないアヘ顔をさらしながら、イリヤは僕の為すがままになっている。
「ふあぁっらめっりゃめなのぉっ!」
「イきそうなんだ、わかるよ。」
イリヤの膣が本当に僕の息子を潰してしまいそうなくらいぎゅうぎゅうに締めつけて来る。
たまらないくらい気持ちのいいその締め付けに、僕ももう限界が近い。
「ロナルドさんも、イっちゃいそうなんですね。」
「うん、だから、一緒に……」
「はいっ。」
じゅぶじゅぶじゅぶごりゅ
むにぃぐにっくりきゅぅうううう
双方合意のもとで同時にオーガズムを相手から受け取ることを決めると、すぐに僕はイリヤに対する責めを激しくして、同時にイリヤも僕に返してくる締めつけや淫欲を誘う表情をより淫らなものにする。
「ふやぁっ もうダメっ! イきゅ、イきゅ!」
「僕ももう……限界!」
「出して! 中にあふれるくらい出してぇっ!」
そのイリヤのおねだりに答えるように、僕の限界が訪れる。
どぼびゅるるるるるるるるるるるるるる!!
「あ゙っああ゙ァ―――――――――――――――――――――ッッ!!!」
全身を雷に打たれたように激しく痙攣させながら、背を弓なりにのけぞらせて大声を出して潮まで吹いて、子宮まで飛びこんで縦横無尽に暴れ回る僕の精液を嬉々として受け止める。
最後の一滴まで出つくすと、のけぞっていたイリヤの体も徐々にまっすぐに戻る。
ぐぽん
堅さを半分ほど失った僕の息子が、イリヤの中から出てくる。
「あハ♪ ハァっ……しゅごかったれすぅ……」
まだ生まれて初めて迎える潮を吹くほどのオーガズムの余韻に小さく体を震わせながら、イリヤは心の底から嬉しそうな表情でつぶやく。
「イリヤ。」
僕はと言うと、激し過ぎるセックスの後とは思えないほど落ち着いていた。
とりあえず、鼻をつまむ。
「痛い痛い痛い痛い痛い! やめてくだしゃいよぉ!!」
「これから二度と死ぬ危険があるような我慢はしないこと、次は本当に犯すからね。」
今回はなんだかグダグダになって有耶無耶だったけど、次は本気で犯す自信がある。
「だって……恥ずかしいんですよぉ…」
泣きそうな声でイリヤが言い訳をする。
「羞恥心と命とどっちが大事なわけ?」
命あっての物だねなんだから、死んだら意味もない。
「……命です…死んだらロナルドさんの隣に居られませんから。」
そんな理由で命の方が大事なんだ……魔物ってたまによくわからない。
「まぁそんな理由でも良いや。」
「そんな理由って何ですか! 私にとっては人生全部かける価値のある理由ですよ。」
「そんな大きな声で僕への愛を叫ばなくていい。」
恥ずかしいから、嬉しいんだけどね。
「そうそう……皆に君を紹介するための方法を決めないと。」
その話の途中だったことを今更ながらに思い出す。
「あの、ロナルドさん。」
「ん?」
一瞬だけイリヤが言葉をためてから、眩しいくらいの笑顔で言う言葉は、
「大好きです♪」
うん知ってる。
だから、彼女に向けて返す言葉はすぐに口から勝手に出てきた。
「僕もだよ、イリヤ。」
11/06/09 23:04更新 / なるつき
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