連載小説
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猫ババをする
一つ目の角を曲がったところで
「さっさと私の鞄持ちなさい、この愚図!だからアンタはいつまでたってもモテないのよ!」
と関係のないところまで罵倒しながら美羽は鞄を渡してきた。
「へいへい」と受け取る俺も俺なんだが…。

「お前の鞄重いんだよ、教科書なんか学校に置いとけ。」

「健司とは違って私は優等生だからね〜。やっぱり頭の良さは鞄の重さに比例するんじゃないのかな〜?」
と空の俺の鞄をパンパンと叩きながら言った。

悔しいが美羽は学年トップクラスで、俺はお世辞にもいい成績とは言えない。
だがな!そんなお前でもこれにはうまく返せないだろ!

「そんなことで頭が良くなるんだ!さっそく全教科持って帰ってみるか!」


「…え?ああ、そうね」
「テメ、今ぜってー聞いてなかったろ!?何、俺ってボケちゃ駄目なの!?」

物凄くクールに返してきました。



そんなバカみたいな掛け合いをしているうちに大通りにでた。
ここら辺から他の学生がちらほら見えだすから美羽は俺の持っている自分の鞄を引ったくると

「あら?今美羽が鞄を引ったくったように見えたんだけど…」
と同級生のラミアである白川沙耶がその白く綺麗な髪と鱗を輝かせながら近づいてきた。

こ、これは美羽の悪事を世に知らしめるチャンスだ!!

「そうなんだよ、コイツが持てっ「伊藤君がいたずらっ子で困っちゃうよね!」…とまあこれがコイツの本性なんだ」

「なんだ、伊藤が盗ったの?」

「ちょ、まっ」
「いいの沙耶さん、これが幼なじみとしての義務だし、それにもう慣れっこよ」

「そう、優しいのね」

「だから違うって、コイツが強制て「あっ、でも私が伊藤君に持たせてたってことにしておいて!でないと、伊藤君が…」

「そうね、もしこれが貴方のファンに聞かれたら伊藤の命が、ね…」

「本当のことなのに、この歯痒さは何なんだぁ!!ってか、どんだけコイツのファンは過激派なんだよ!?」

悪が息づくこの社会に一石を投げるため、いつも息荒く美羽を見つめるファンから逃げるため俺は2人を残して学校へと走った。

アイツ、マジで他人から見えるところはだけは完璧だよな、このクソッたれ!!



2人から逃げるように下駄箱に着いて、靴を脱いでいると自分の上履きの上にあるものに気が付いた。
10/09/05 01:50更新 / 迷える子執事
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■作者メッセージ
世の中って解らないですよね

何が正しいのか、何が誤りなのか


でも、これだけは言えます


可愛いは正義である!、と

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