闇夜と踊れ純粋な心
今日も隣でティーチェが裸で寝ている。ちょっと地味な女の子だけど世界で一番愛している僕だけの彼女。肩口までのショートで綺麗な黒髪、ちょっとおどおどした雰囲気のある弱気な性格。でも愛しい彼女だ。いつものように寝ている彼女の髪を軽く撫で上げた後に頬に触れる。くすぐったそうに身を捩る姿が可愛い。ふにふにした頬を突付いていると寝ぼけたまま布団の中に隠れてしまった。
「お寝坊さんなティーチェには・・・おしおき♪」
僕は布団の中に隠れたティーチェの控え目な胸を優しく揉んであげる。小ぶりのおっぱいは手にすっぽり収まる大きさだけど、まるで僕専用のようにしっかり馴染む。僕がティーチェのおっぱいを揉んでいると興奮してきたのかティーチェの顔が赤くなっていく。興奮してるティーチェを見た僕はおっぱいを揉む手を止めて先端の小さな蕾を親指と人差し指で解すように揉んだ。
「・・・・・んっ!!・・・ふんん・・」
捏ねるようにピンクの蕾を解しているとティーチェの息遣いが荒くなっていくのがわかる。
「・・・・さて、いつまで寝た振りしてるのかなぁ〜?」
僕は小さな蕾をぐりぐりと捏ねたり、時には指を押し込んだりして感触を楽しむ。これだけ弄ってもティーチェが起きない。どうやら我慢比べしたいみたいだ。
「そっかぁ〜、それじゃこうしたらどうなるかなぁ?」
僕は布団の中で寝たふりをしているティーチェの手にチンコを当ててやるとティーチェは観念したのか僕のチンコを優しく掴み瞼を開いた。
「レスさん・・、意地悪です・・・。でも、朝から求めてくれて嬉しいです・・♪」
「ティーチェおはよう♪」
「おはようございます、レスさん♥」
「それじゃ起きようか・・・ウッ・・。え、ちょっと・・ティーチェさん?何してますか・・?」
「ぇ?ぁ、・・・やだ・・ごめんなさい・・」
起きようとした僕のチンコを布団の中で上下に扱くティーチェ。あまりの事に僕は動けなくなってしまう。
「…あ、あの・・レスさんのオチンチン・・こんなに腫れちゃって苦しそうだったから・・」
「ティーチェってイヤらしい子なんだね。朝勃ちしたオチンチンを触りたいエッチな子だなんて」
少しだけ意地悪な事を言ってあげると顔を真っ赤にして俯いてしまう彼女が本当に可愛い。でも、あまり苛めると拗ねてしまって一人で不貞寝してしまうからそろそろ本番に入ろう。
「ね、ティーチェ・・・。腫れちゃった僕のオチンチン・・ティーチェのオマンコで優しく治してくれないかな〜?」
「ぁぅぁぅ・・・。そっそそそそれじゃぁ・・いいいいい・・・入れてくだしゃい・・・です・・」
布団の中で僕とティーチェは抱き合うとゆっくりとティーチェの中にチンコを挿入していく。
「ふぁぁぁぁ・・・、レスしゃんの・・オチンチン気持ちいいれしゅ・・」
「ティーチェの中もすごく・・気持ちいいよ・・」
僕は布団の中でティーチェに覆い被さりゆっくりと腰を動かす。ティーチェは小柄な体ながらも僕のチンコを根元まで美味しそうに咥え込み決して離すまいと膣壁を蠢動させ極上の快楽を僕に与えてくれる。
「レスさんのオチンチン・・奥まで入ってましゅ♥」
「あぁ・・、ティーチェの中・・すごくいいよ・・・」
僕が最奥を何度も突くとティーチェは僕の体に両腕両足を絡ませアイコンタクトで中出しを要求してくる。
「ティーチェ・・ティーチェ!!出すからね!!」
「はっ・・早く・・早く出してくだしゃい!!」
興奮が最高潮になった瞬間、僕はティーチェの子宮に大量の精液を流し込む。何度も何度も精液でティーチェの子宮を叩き卵子を犯し僕だけの色に染め上げていく。僕が射精している間、ティーチェは僕の体に抱き付いたまま絶対に離れようとしない。膣から一滴も零すまいと全て子宮で受け止めてくれる。
「はーっ・・はーっ・・、ティーチェ?あ、・・あのさ・・抱き締めてくれるのは嬉しいんだけど・・」
「ふぁぁ・・・、ふぁぃ・・?」
「い・・・イタイ・・です。背中に爪が食い込んじゃって・・」
「・・・・・?・・・・あぁっ!!ごめんなしゃい!ごめんなしゃい!」
自分がしていた事に驚いたのか、すぐに体を離そうとしたが僕はティーチェを逃がさない。
「だ〜め。引っ掻き傷を付けちゃう悪い子にはオシオキしなきゃね?」
逃げようとするティーチェの片脚を掴み軽く持ち上げて松葉崩しの格好にさせると僕は布団を剥がし腰に勢いを付けてティーチェの小さな穴を犯し始める。
「いやぁぁぁ・・・、この姿・・いやらしいですぅ〜」
「オシオキって言ったでしょう?だから・・ティーチェが苦手な体位で犯してあげるよ!」
ティーチェは御互いに抱き合うような対面座位や正常位は好むけど秘所を曝け出すような行為だけは恥ずかしがってなかなかしてくれない。
「んっ・・、どぅ?ティーチェのオマンコ・・ぱっくり開いて僕のチンコを美味しそうに味わってるよ?」
「いやぁぁ〜〜・・言わないでくだしゃい〜・・。恥ずかしいです・・」
「それじゃ、もっと恥ずかしい事しようか?」
そういうと僕はティーチェの背中に回り込み、後背側位状態からティーチェを持ち上げ僕の上でM字開脚にしてあげる。当然繋がったままで秘所を晒してあげた。
「やだぁぁーーー!こんな姿恥ずかしいですーー!」
「・・ああ、ティーチェ・・すごいよ。すごく締まってきて・・」
ティーチェは恥ずかしさの余り顔を両手で隠している。だけど僕はそんなティーチェに興奮し腰を突き上げティーチェの膣を子宮を下から何度も叩く。
「あっあっ・・レスさんのオチンチンが・・」
「オチンチンが・・何かな?・・はぁはぁ・・・」
「気持ちいい・・ところに・・当たってますぅ・・」
「そっか、・・んん・・それじゃ・・その気持ちいい場所に・・沢山出してあげるよ・・・ウウッ!!」
「んぁぁっぁぁぁ!!入ってきてりゅーーー!レスしゃんのオチンチンミルク入ってきましゅーーー♥♥」
まるで濁流のように僕はティーチェの子宮に精液を流し込む。大量に出された精液の大半が子宮に収まらず膣から溢れ布団に染みを作っていく。
「はぁーっ・・はぁーっ・・・・ぁ、・・・また布団洗わないと・・」
先日も精液が溢れるほど膣内射精して布団を汚してしまったというのに、また同じ事をしてしまった。
「あぁん♪・・・大丈夫・・です。んんっ・・、私が綺麗にしておきますね・・」
「ごめんね、何度も洗濯させちゃって・・」
僕がゆっくりとチンコを抜くと少しだけ寂しそうな顔をしたティーチェだったけど、布団を洗う為に僕を立たせテキパキと精液を処理していく。だけど・・・。
「・・・ティーチェ、綺麗にしてくれるのは嬉しいんだけど・・」
「は、はい!なんですか!?」
「・・・ティーチェの・・あの・・、オマンコから僕の精液が零れて布団に・・」
「・・・・?ひゃっぁぁっぁぁぁ!!」
ティーチェは顔を真っ赤にして秘所から精液を垂らしたままバスルームに飛び込んでいった。
「・・・気付いてなかったんだ・・」
バスルームからシャワーの音が聞こえてくる。きっと顔を真っ赤にしながら零れた精液を綺麗に洗い落としてるんだろう。
「んーーーっ!!・・・今日は天気もいいし、ティーチェと一緒に公園でも散歩するかな」
そして僕もシャワーで汗と精液でべとつく体を綺麗にしようとバスルームに入る。
「ひゃぅ!!レスさん・・私まだ洗い終わってませんよ〜・・」
「・・・・・・・・・」
「レス・・・さん??」
「ティーチェ・・・ごめん。・・・ティーチェがオマンコ洗ってるの見てたら我慢出来なくなってきた・・」
「ぇ・・?ちょ、・・ちょっと待ってください〜〜!」
我慢出来なくなった僕はシャワーを浴びながらティーチェを立ちバックで犯してしまった。
・・・・・公園に行くのが多少遅れてしまいそうだ。
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僕の名前は澪川 翠(れいかわ すい)。普段は皆から澪川の『れ』に翠の『す』でレスって渾名で呼ばれてる。この渾名は僕も気に入ってるので仲の良い友人にはレスって呼んでもらっている。でも、別の意味ではこの渾名は嫌いでも有り。英語に直して読むと・・・いや、なるべくなら説明したくない。意味通りに少ないというか、その部分だけ遅いというか劣ると言うべきか。昔から僕は何をしても恩恵が少ない、渾名通りの人生を送ってきた。好きな子に告白しようと思ったら前日に誰かに告白されてその人と付き合ってたり、傷心が癒えた頃に付き合ってみたいと思った子に告白しようと思ったら、僕の友人に告白した後だったりと何かにつけて一歩遅れる事が多い人生だ。そして今日こそ、と思って気になる子に告白しようと家を出たら直後に車に撥ねられ全治4ヶ月になったり。そんな運の無い人生を歩んで高校卒業後に社会人になって、1LDKで一人暮らしをするようになって二十歳を超えたというのに今日も一人寂しく部屋でマンガを読む。
「はぁ〜〜〜・・、何もする気が起きないなぁ」
折角の連休なのに何もする気が起きない。友人は居るが、皆が皆揃って彼女が居るので携帯を掛ける気がしない。掛けた所で『悪ぃ、彼女と一緒なんで後でいいか?』と言われるのがオチだ。そして返信は絶対に来ない。
「彼女、彼女、彼女か・・・、そんなに彼女が居るのが偉いんかねぇ・・」
情けない僻みにしか聞こえない呪詛を呟く。何をするにしてもワンテンポ遅れる僕には彼女が出来ないって事なのか。僕自身もわかっている、何故か昔から恋愛事に関してだけは運が無い。いや、運が無いんじゃなくて僕はいつもワンテンポ遅れて行動しているみたいで結果的に遅れてる間に片思いだった子は誰かと付き合ったり誰かに告白した後だったりと惨めすぎる結果に終わってしまう。おかげで僕自身からの告白は未だに誰にもした事が無い。失恋する気分も味わえない。
「暇だなぁ・・、もう本当に誰でもいいから付き合いたいよ・・」
誰でもいい、なんて言葉は最低で低俗なのはわかってるけど、やっぱり一人はなんとなく寂しく感じてしまう。こんな時に誰かが傍に居てくれたらと思うのも事実だし。
「どうせ暇だし、適当に何か食べに行こうかな・・」
ラフな服装に着替え、近所の行きつけのラーメン屋にでも行こう。何か食べて満腹になれば気分も多少は晴れるだろう。まぁ、一人で近所のおっさんが集まるラーメン店に行く時点で僕には彼女が出来ないだろうけど。もし彼女が居たら静かな湖で一緒に食事でもしたいな。こんな馬鹿げた妄想をしてる僕自身が悲しくなってきた。はぁ、さっさとラーメンでも食べて適当にふらつこう。
「おぅ、らっしゃい!!」
いつもの馴染みの店に入ると景気の良さそうな親父さんのいい声。なんだか羨ましい感じがする。
「チャーシュー麺と餃子2人前」
僕はそれだけを言うとカウンター席に座りテーブルの下の棚に置いてある週刊誌を読み始める。好きな漫画だけ読み、後は適当に飛ばす。そうこうしてる内に僕の前にチャーシュー麺と餃子が置かれる。
「あいよ。チャーシューと餃子2人前だ」
週刊誌をテーブル下の棚に置き僕は無言でラーメンを啜り、熱々のギョーザを頬張る。折角の休日なのにラーメンと餃子を食うだけで終わるなんて寂しい。だけど、何も宛てが無いのも事実。こういう時はいつも思ってしまう。彼女が居たらなぁ、と。
「ごちそうさま・・」
勘定した後、ふらふらと宛ても無く僕は気の向くままに歩き出した。出歩いた所で何かある訳じゃないが家に閉じこもっていても気が落ち込むだけだ。家に居ても漫画を読んで連休が終わるのが目に見えている。それだけはどうしても嫌だった。だけど僕はふらふらとした事を後悔した。どこに行ってもカップルだらけ。僕のように一人で居る人は休日でも働いている人か散歩してる老人ぐらいだ。
「帰ろう・・・」
気晴らし気分で出歩くんじゃなかったと後悔した。そして今日初めて、友人に教えて貰った言葉を心の中で呟く。
『リア充爆発しろ!!』と・・・。
家に戻るとポスト受けに一枚のチラシが入っていた。どうやら近くにパチンコ店が出来たみたいだ。だけど僕は行かない。だってそうだろう?一人身で寂しく戻ってきたばかりなのに、また一人で出掛けて一人寂しくパチンコ打つなんて。
「こんな物・・・」
くしゃくしゃに丸めて玄関に置いてあるゴミバコに投げ捨てる。結局僕は晩まで適当に漫画を読み部屋で怠惰の見本とも言えるような姿でごろごろと床に転がる。晩飯も悲しい事に戸棚にインスタント物やレトルト食品しか無かったのでそれで済ましてしまう。こんな時に彼女が居たら手料理を作ってくれるんだろうか。居たとしてもインスタント物しか無いので絶対無理だろうけどね。
晩飯も済ませ、いつものように部屋でゴロゴロしているとドアのポスト受けに何かが投函される音が鳴った。音の小ささから考えてきっと『水のトラブル解決します!!』とか『今週のモデルハウス紹介』のチラシだろう。どうでもいいチラシだけど前に『面倒だし放っておこう』と無視した時、一週間でポスト受けが満タンになって取り出すのがきつかった事を思いだしたのでゴミという名のチラシをポスト受けから渋々ながらも取り出す。
「ん、・・・?これ、さっきのパチンコ店のチラシじゃないか。ゴミゴミっと・・」
先ほどと同じように丸めて玄関のゴミバコに投げ捨てた。どうしてこの手のチラシは何度も来るんだろうか。今日はもう何もする気が起きないし、寝るには少し早いかもしれないけど寝てしまおう。このまま起きてても無駄に時間を過ごすぐらいならと思い、僕は風呂に入りさっさと寝てしまった。
そして翌朝、半分寝ぼけた頭で玄関のポスト受けから新聞を取ろうと蓋を開けたら、・・・新聞と一緒にあのチラシが一緒に入っていた。
「しつこいチラシだな。ま、どうせゴミバコ行きだけどね」
昨日と同じようにくしゃくしゃに丸めてゴミバコに入れようと・・。
「ぇ?・・・昨日確かに2枚捨てたはずなのに・・・」
玄関のゴミバコの中身を確認すると何も入って居なかった。昨日確かにパチンコ店のチラシを2枚捨てたはず。
「なんで入ってないんだ・・・」
寝ぼけていた脳内が一気に醒める。僕の両足がガクガクと震え、その場で腰が抜けてしまう。腰を抜かしながらも、もう一度だけゴミバコを確認した。
「やっぱり・・・入ってない」
ゴミバコには何も入ってない。目の前にある現実に体が僅かながら震えだす。僕は体中を震わせながらクシャクシャにしたパチンコ店のチラシを綺麗に開き恐る恐る目を通した。
『新規オープン♪貴方の出会いを後押しするパーラーDE☆A☆I♪貴方にも良き出会いを♥』
「・・・風俗じゃないよね?パチンコ店なのに謳い文句が怪し過ぎるよ・・」
『当店では、モンムスパラダイス・竜の峡谷・薫風・円卓の騎士・心の御宿等、盛り沢山の台を御用意しております。仕事に疲れた貴方?恋に破れた貴方?一度打ってみてはいかがでしょうか?』
「なんだかアヤシイけど・・・もし、これを捨てたら・・またポスト受けに入ってそうで怖いし」
それに気になる事が一つだけあった。それは『DE☆A☆I』だった。どうしてパチンコを打つだけで出会いに繋がるのかわからない。本当は裏で風俗紛いな事をしてるんじゃないだろうか、と勘繰ってしまう。
「気になるけど・・本当は風俗だったらどうしよう」
どうしようも無い葛藤が沸き起こる。だけど今日も何もしないまま一日が終わるのは嫌だ。僕は意を決してパチンコ店に行く事にした。チラシには御丁寧にも道順が載っていたので迷わずに行けた。
「・・・普通のパチンコ店だ。別に風俗っぽくないし」
チラシに書かれていた道順を頼りに僕はパチンコ店に着いた。別にこれと言った特別な雰囲気は感じられない。どこにでもありそうな店だ。
「勘繰りすぎたのかなぁ。入ってみればわかるかな?」
僕は自動ドアを通り店内に入ってみる。店内は結構小奇麗にされており自分の部屋と比べると悲しくなってくるほどの清潔さ。帰ったら部屋を片付けよう。店内を見回すとチラシに書かれていたパチンコ台が何台か確認出来た。
「おー・・。これがチラシに載ってた台なんだ」
「本日は当店に御越し下さいまして有難う御座います」
いつから居たのか真後ろに居る誰かに声を掛けられた。僕は驚いて振り返るが今度は別の意味で驚かされる。腰まで伸ばしたさらさらの銀髪、美しい切れ長の目、薄くルージュを引いた唇、見る人全てを惑わせるような慈愛に満ちた優しい顔付き、それにスタイルは男の理想そのままを現したかのような欲望を誘う体付き。僕は何も言えず固まってしまう。
「御客様、どうかしましたか?」
声も美しい。聞いているだけで心が溶けそうなほど魅了される。
「御客様?御客様?」
目の前の女性が僕の頬を軽く叩く。僕の頬に触れる手もすべすべして気持ちいい。って、そうじゃない。僕は我に返り緊張した声で生返事をしてしまう。
「ひっ・・い、いえ、ダイジョブですから!」
「そう?それなら改めまして、当パーラーに御越しくださいまして有難う御座います。本日は心イクまで御楽しみくださいませ」
心イクって何?それを言うならこころゆくまでじゃないのか?それとも僕の聞き間違いなんだろうか。僕はよくわからないまま店内の台を一台一台眺めていく。
「チラシに載ってた台ってこれか〜・・」
僕は興味津々で台を物色していく。色々とある中、打ちたい台が2種類あったけど、なかなか決められない。こんな時でさえ僕の決断は遅れてしまうのか。
「んーーー・・!これにしよう!」
僕はモンムスパラダイスに座る。見た目はどこかの犬や魚が沢山出てくるような台に似ているみたいだけど。
「ま、いいか。わかりやすそうだし」
僕はさして興味も無いパチンコを打ち始める。やはりあまり興味が無いせいか可愛らしいキャラクターが回っていても集中出来ない。
「やっぱり家で寝てるほうが良かったかな」
そんな僕だったけど、一つだけ気になったキャラクターが居た。全身がシルエットで隠された子が居た。たぶん女の子だろうけど、正体不明のその子が見える度になんとなく気になってしまっている。他のキャラクターのように見えていないから気になるだけなんだろうか。
「このキャラだけ見えないのは仕様かな?」
見えない子が何故か気になる。その子が画面に少しでも見えると妙に興奮してくる。だけど、なんで僕はパチンコのキャラで興奮しているんだろう。暫く回していると尻尾が二股にわかれた猫のキャラでリーチが掛かる。
「猫・・・だなぁ。尻尾が二本あるけど」
至って普通のリーチだった。何事も無く通り過ぎてしまうと画面の猫が寂しそうに鳴いた。その鳴き声は何故だか悲しい感じがした。
「猫なぁ・・、飼えるもんなら飼いたいけどウチはマンションだし」
その後もリーチが何度か掛かるが全く当たらない。犬みたいな子や包帯を全身に巻いた子、下半身が馬の可愛い子と色々なリーチが来たが当たってくれない。
「ここまで運が無いって清清しいよ・・・、キャラクターの子にさえ縁が無いなんて・・」
画面内で流れる子は皆揃って可愛い子達ばかり。そんなキャラクターにさえ無縁とは泣けてきそうだ。そう思いがっくりしていると、あの気になっていたシルエットで隠された子のリーチが掛かった。
「・・・あ、見えない子だ」
まじまじと見つめていると一瞬だけうなじが見えてシルエットじゃない事に気付く。
「ぁ、これってもしかして・・後ろ姿なのかな?」
後ろ姿の子が一周、二週と回っていく毎にチラリと見える白いうなじ。何故後ろ姿なのかわからないけど目が離せない。三週目を過ぎたところで画面の背景が深夜に変わり夜空には満月が輝く。
「え?なにこれ?画面真っ暗になったらキャラがぼやけて見えないじゃない」
1キャラ進む毎に月が欠けていき、後ろ姿の子が近づく寸前には月は新月へと変わろうとしていた。
「・・・真っ暗でほとんど何も見えないし」
月が欠け新月になり全てが闇に染まった瞬間、後ろ姿の子がゆっくりとこちらに振り返ろうとしてくる。
「ぁ、・・可愛いな・・」
少し伏し目がちで気弱そうな子がこちらに横顔を見せてきた。綺麗な黒髪を夜風に靡かせこちらを見る瞳はなんだか物悲しそうに思えた。それでも僕はその子に惹かれてしまう。
『闇夜で・・・逢いましょうね』
「え?何?」
先ほどまで真っ暗だった画面に月の光が射すと後ろ姿の子は顔を隠すように画面中央に揃っていた。その姿はなんだか恥ずかしがってるような姿だ。
「え、あ・・?当たってる・・」
僕は入賞口に玉をどんどん入れていくが出玉が出て来ない。機械トラブルかと思い渋々ながらも千円札を投入しようとしたけど受け付けない。
「ちょ、ちょっと・・、玉が無いってば・・!」
最後の玉も打ち出し全てが機械に飲み込まれた途端、受け皿に小さな金貨が放り出される。
「・・・?なにこれ?・・・メダル?いや、金貨かな??」
受け皿に出てきた金貨らしき物を僕は摘み上げた。金貨の表にはさきほどの女の子の後ろ姿が彫られている。そして裏にはティーチェと彫られた文字。名前だろうか。僕は出玉が出て来ない事よりも受け皿に出てきた金貨に目を奪われる。
「これ・・持って帰っていいのかな?」
訳もわからず僕が金貨を眺めているとあの美人の店員が近づいてくる。
「あら?おめでとうございます御客様♪やっとこの子にも春が訪れたのですね♪」
「は・・・はぁ・・?(何の事を言ってるんだろう?)」
「それでは、御客様。短い間でしたが・・また逢える事を願って・・」
店員がこちらにバイバイと手を振ると店内が歪んでいく。そして僕が立ってた場所が崩壊し僕は奈落の底へと落ちるような感覚に襲われた。
ウワァァァァァァアァァァアッァァァアァーーーー!!
「ほわぁっぁ!!」
僕は地獄に落ちたかのような感覚に襲われ大声を上げて起き上がる。
「・・・はぁ・・はぁー・・。あれ・・?なんで公園のベンチで寝てたんだ?」
辺りを見れば、近所の公園に居るのがわかった。なんで僕は公園のベンチで寝てたんだろう。
「ぅん??なんで此処で寝てたんだっけ?・・・あ!パチンコ打って!・・・打ってなんだっけ・・?まぁ、帰ろう・・」
パチンコ店での事を思い出そうとしたけど、なんだか曖昧な事しか思い出せなかった。思い出そうとすればするほど記憶が曖昧になっていく。
「あー・・、そうだー・・負けたんだったかな?」
なんとなく財布を覗いて所持金が減ってるのを確認し、きっと負けて此処で不貞寝でもしてたんだろう。そう結論を出そうとしたけど財布の中に何故か見慣れない金貨が一枚入っていた。
「これなんだっけ?貰ったんだったかなぁ??」
何故金貨を持っていたのかもわからないまま家に戻る。僕は家に戻るなり戸棚からレトルト食品を取り出しレンジでチンする。
「・・・はぁ、パチンコ負けたから今月は質素にしないとなぁ」
寂しくなった懐事情を考えながら温められた八宝菜を冷やご飯に掛けてもぐもぐと咀嚼する。傍から見れば悲しい食事だが、一人暮らしの食事はこんなもんだ。
「TVでも見て大人しくしてるかな・・」
−今日の特集・街角のカップルに聞いてみた二人の出会い特集−
・・・・ブツン
僕は無言でTVの電源を切り漫画を読み始める。いつものようにお気に入りの漫画を読み時間を無駄に潰していく。この無駄に消費する時間が気に入ってる。どうせ彼女も居ない僕にはこれしかする事がないし。
「・・・あ、そういえば、財布にあった金貨出しておかないと」
忘れかけていた財布の中の金貨を取り出しじっくり眺めてみた。見れば見るほど良くわからない何かに惹き込まれそうになってくる。
「うーん・・?なんだろうなー??ティーチェ・・名前かな?」
悩んでもしょうがないのでテーブルに置いておく事にした。そして日課のように漫画を読み漁る。そして気が付けば0時前になろうとしていた。本当に何も無い一日だった。いつもの事と思いながら風呂に入り寝ようと思ったらテーブルに置いた金貨が突然カタカタと震えだす。
「・・・!!な、なんで金貨が動いて・・!」
僕の目の前で金貨から黒い靄のような物が溢れだしてくる。その靄は次第に大きくなっていき大人一人を簡単に呑み込めるほどまで膨れ上がる。
「あぁっぁあっぁっぁぁっぁぁぁあ・・・・」
何がなんだかわからない。なんで僕の前で怪奇現象が起きているんだ。こんなの・・・こんなのって信じられない。益々膨れ上がる黒い靄に僕は為す術も無く両膝を震わせながら見ているだけしか出来なかった。
「・・んしょ・・、よっこいしょ・・・」
「・・・・!?」
黒い靄の中から女の子の声が聞こえてくる。そして右手、左手が現れ黒い靄の縁を掴み体を引っ張り出そうとしている。
「・・・!!(何かが・・出て来る!!)」
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜!!・・・・プハッ!!で・・出れましたぁ〜・・」
出てきたのは闇色のような髪をショートで切り揃え、髪の色と同じ色をしたワンピースを着た小柄な少女だった。
「・・・・。あ!そこはテーブルだから危ない!」
「ぇ?なんでしゅ・・きゃああああああ・・・・。プギュ!!」
テーブルの上に現れた少女は現れたと同時に足を踏み外し見事に顔面から床にダイブした。見てて痛々しい。床で蹲りながら鼻を擦っている少女を見て僕は思ってしまった。
(ドジッ子って・・本当に萌えるんだね)
「大丈夫・・?思いっきり打ったみたいだけど・・」
「はぅぅぅ〜〜〜・・・、らいじょうぶれふぅ〜・・」
痛む鼻を押さえながら話す少女。なんとも言えない雰囲気が辺りを包むが僕は恐る恐るにさきほどの黒い靄の事を聞いてみる。
「えっと・・、今・・・黒い靄の中から・・出てきた・・・よね?」
「ふぁぃ・・。あれはゲートれしゅ・・」
まだ痛いのだろうか、鼻声で質問に答えてくれる少女。よく見ると結構可愛い。可愛いどころか守ってあげたくなるような子だ。
「それで、ちょっと・・聞きたい事があるけどいいかな?」
「ふぁい・・な、なんで・・しょう・・」
ビクビクしながらこちらの質問を待つ少女。
「君はもしかして・・ティーチェって名前なのかな?」
「は、はい!ティティティ・・・ティーチェれす!」
なんだろう・・・この子、カミカミで喋ってる。緊張しているんだろうか。なんだか弄りたい気分になってくる。いや、そういう事じゃない。今はこの状況をなんとかしないと。
「それで、・・うーんと・・なんで此処に現れたの?」
「ははははは・・・はいいい!こここここれからも・・よろしゅくおねがいしましゅ!」
「ごめん・・言ってる意味がわかんないんだけど」
「ふちゅちゅか者でしゅが頑張りましゅ!」
「それを言うなら不束者じゃないの?」
「ぁぅぁぅ・・・」
なんだろう、話が噛み合っていない気がするんだけど。このまま話してると平行線のまま終わりそうな気がしたので質問を変えてみる。
「ところで、さっきの不束者だけど・・それだけを聞いてるとまるで結婚話みたいに聞こえるんだけど?」
「けけけけっけけっけ・・結婚でしゅか!がが・・頑張って3人は産みますので!」
また会話がずれる。この子は何を言いたいんだろう。
「ははっ・・、まるで僕の子供を作るような口ぶりだね」
とりあえず話しを合わせておこう。こうでもしないと会話がずれたまま戻らない気がしてきた。
「は、はい!こっこここ・・子供はやっぱり3人ですか!それとも4人ですか!」
頭が痛くなってきた。これほど話が噛み合わないのは苦痛だ。ドジッ子+ずれた感覚ってのは恐ろしいね。こういうのは漫画の世界だから萌えるのであってリアルで居るとこんなに厄介とは思わなかった。
「それでティーチェさんでしたっけ?とりあえず落ち着きましょうか?」
僕はテーブルの椅子を引き、そこに座るように促すとティーチェはビクビクしながらも座ってくれた。そして僕は向かいの椅子に座る。
「ティーチェさん、もう一度聞きますけど、どうして僕の前に現れたのですか?」
「えっと・・えっと・・・それは・・」
顔を真っ赤にしたと思ったら俯いて黙り込んでしまう。何か悪い事でも聞いてしまったのだろうか。もしかしたら何か言えない事情があるのかもしれない。
「ゴメン・・、言いにくい事って誰にでもあるよね・・」
「ち、違います!わ、私は・・そのぉ〜・・・あのぉ〜・・」
「ん、何?もし協力出来る事があるなら何でもするよ?」
「・・・!!ほ・・本当に・・何でもしてくれ・・ますか?」
ティーチェは顔をトマトのように真っ赤にしながらこちらに聞き返してきた。
「まぁ、出来る範囲ならね」
「そそそそそ・・・それじゃ・・、おおおお・・・・」
「おおお?何?」
「ティティ・・ティーチェを・・お嫁さんにしてくだしゃい!!!」
僕の頭の中に特大級の鐘の音が鳴り響いた。ここまでぶっ飛んだ会話って一生無いだろう。いや、一生どころか何度生まれ変わってもこんな経験はしないと思う。
「あのぉ〜、ティーチェさん?なんでお嫁さんかはわからないけど・・。そこは普通・・『付き合ってください』から始るのでは?」
「はぅぅぅ〜・・・」
こう言いながらも僕は内心嬉しかった。今まで告白も満足に出来なかった僕にこんな可愛い子が告白してくるなんて。でもちょっとばかり内容がぶっ飛んでるけど。
「こういう場合・・喜んで、と言えばいいのかな・・?いや、ちょっと待って・・付き合う前に結婚っておかしいよね?それ以前に結婚前に子供3人欲しいって・・」
僕が変な矛盾に悩んでいるとティーチェのお腹からキュ〜〜〜〜と可愛らしい音が聞こえてきた。
「あぅぅ・・、お腹・・空きましたぁ〜・・」
「それじゃあ、レトルトで悪いけど何か用意するよ」
「あああああの・・・、私は・・普通の食事では・・満足出来ないのでしゅ・・」
小声で控え目に答えてくれたけど普通の食事では満足出来ないってどういう意味なんだろう。その間にもティーチェのお腹はキューキューと鳴っている。
「あ・・あの!」
「は、はい!何!?」
突然大声を出すティーチェに驚いたけど、次の言葉に僕は唖然としてしまった。
「しぇしぇしぇしぇ・・・しぇいえき・・アナタの精液欲しいです・・」
え、この子は一体何を言ってるんだ。しぇいえきって、精液の事だよね。なんでお腹が空いたから精液を欲しいなんて言うんだろ。
「えと、・・ごめん。自己紹介もしていない僕が言うのもなんだけど・・。そういう事はあんまり言ってはダメだよ?」
「ぁ、・・・そうですよね。ごめんなさい・・」
項垂れるティーチェを見ていると罪悪感に包まれる。別に僕が悪い訳じゃないけどなんだか申し訳無い気分になってくるので軽く自己紹介しておこう。
「・・・僕の名前は澪川 翠だよ。皆からはレスって呼ばれるけどね」
「ぁ・・、れいかわ・・すいさん。ありがとうございます〜」
「別にレスでもいいよ?」
「そそそ・・それじゃ・・レレレ・・レスしゃん!」
うん、わかってた。たぶんカミカミになるだろうな、と。でも、そんなティーチェが可愛く思える。
「そ、それで・・ですけど。レレ・・レスしゃん・・、あのあの・・しぇ・・精液・・欲しいですぅ・・」
「さっきも言ってたけど・・なんで精液なの?」
「わた・・私達は・・男の人の・・・精液が無いと・・生きていけないの・・です・・」
その言葉を聞いた僕の鼻から生温かい液体が垂れ落ちる。
「ひゃっ!レ、レスしゃん!血が!」
「うぉっ!ちょ、ちょっと待ってて!」
「だ、大丈夫です!わた!私が治しましゅから!」
ティーチェが僕に近づき、舌で垂れた鼻血をそっと綺麗に舐め取ってくれる。おかげでますます血が溢れるんだけど。
「ぁぅ・・・、血の中の性が・・美味しいです・・。ヴァンパイアさんって毎日こんな感じなんでしょうか・・・」
「え!?ヴァンパイアって何!?吸っちゃうの!?」
「ちちち・・違います、ティーチェは・・ドッペルゲンガー・・ですから。血は吸いません・・」
ドッペルゲンガー?確かドッペルって言えば自分にそっくりな姿で現れて化けた相手の魂を刈り取る悪魔のはず。
「も、もしかして・・ティーチェは・・僕を殺しに・・」
「ち、違いましゅ!ティ、ティーチェは・・レスしゃんの・・レスしゃんのお嫁さんになりに来たのでしゅ!」
「は?でも・・ティーチェ・・君、どう見ても15〜6歳ぐらいにしか見えないんだけど・・」
「・・・27歳・・ですぅ・・」
わーぉ、僕より年上だったよ。どう見ても高校生、いやヘタすれば中学生に見られてもおかしくない姿だ。それなのに27歳だったなんて。まぁ、これで問題無く結婚してもいいわけだ。そうじゃない、なんで納得してしまったんだ。
「でも、どうして僕なの?」
「そ、それは・・、レス・・さんが・・、運命の人だから・・です」
「運命の人?どういう事なのか説明して欲しいんだけど?」
「は・・はい。えっとですね・・」
ティーチェの説明を聞いてる内に忘れていた、いや消されたというべきパチンコ店での事が思い出されていく。あの店が見える人は確実に魔物娘と結ばれる事、そして魔物娘は運命の人の精液を受け続けないと衰弱してしまう事。聞いてるだけで頭の中が沸騰しそうだ。率直に言えば、運命の人と毎日セックスしないと生きていけないという事らしい。
「ほ、本当に・・僕なんかでいいの?」
「ハイ!・・私は・・レス・・・さんの、赤ちゃん欲しいのです・・」
僕はドキドキしながらティーチェに軽く触れるだけのキスをした。触れるだけのキスなのに頭の中が蕩けそうになる。
「ん・・、レスさんのキス・・甘いです♪」
「ははっ・・、ありがと。初めてだから・・ヘタだったかもしれないけど」
「そ、そんな事ないです!と、とても甘くて美味しかったです!」
初めてだったのに、ここまで褒められると嬉しくなってくる。そして僕はもう一度ティーチェにキスをした。
「んっ・・ちゅ・・・、はぁ〜・・レスさんのキス、甘くて・・癖になりそうですぅ〜」
「・・・ねぇ、ティーチェ。ここじゃなんだから・・ベッドで・・・」
「・・・・はぃ♥」
僕はティーチェの手を取りベッドへと誘った。ティーチェもこれからされるであろう行為を今か今かと待ち望んでいるようだ。僕はベッドに腰掛けるなりティーチェを隣に抱き寄せ本当にするのか確認してみた。
「ティーチェ、・・・本当にいいのかい?今ならまだ止める事が出来るよ?」
「わ、私は・・、レスさんの・・・レスさんとしたいです・・」
「わかった、それじゃ・・脱がすよ?」
僕はティーチェのワンピースの裾を掴み、静かに上へ上へと上げていく。少しずつ見えてくるティーチェの白い肌が僕の目に焼き付く。
「綺麗な肌だね・・。真っ白な陶器のように綺麗だよ・・」
「はぅぅぅ・・・、恥ずかしいから説明しないでください〜・・」
そう言われてもつい口に出して褒めたくなるような綺麗な肌だった。ティーチェをバンザイさせるような格好にして一気にワンピースを脱がした途端、僕は無言になってしまう。
「・・・?レスさん・・どうしたのですか?」
「ぁ、ぃゃ・・。えと、なんで・・下着を着けてないの?」
そう、脱がして一番先に気付いたのはティーチェは下着を何も着用してなかった事だ。予想もしなかった事に僕は途惑ってしまう。まさか、ノーパン・ノーブラだなんて誰が予想出来ただろうか。女性の裸に免疫の無い僕はティーチェの小ぶりなオッパイと無毛でツルツルなアソコを凝視してしまう。
「やだ・・、レスさん。あまり見られると・・恥ずかしいです・・」
「ティ、・・ティーチェ。ごめん・・もう我慢出来ないよ・・」
僕はティーチェの小ぶりなオッパイを両手で鷲掴みにして昔に見たAVのように捏ねるように揉み解していく。
「やぁん、・・・レスさんの手つき・・なんだかイヤラシイです・・」
「ご、ごめん!でも・・我慢出来ないんだ!」
僕はティーチェのオッパイを執拗に弄る。時々、乳首を吸ったり甘噛みしたりと御互いの興奮を高め合う。
「ティーチェ・・、そ、・・その・・足を開いて・・」
ティーチェは恥ずかしがりながらも僕の前で少しだけ足を開いてくれる。僕は目の前に見える小さな筋に優しく指を這わせた後、少しだけ指を膣に沈める。
「んっ・・!レスさんの指が・・入って・・♥」
僕が指を少し動かす毎にティーチェは甘い嬌声を上げる。そして僕の指を伝って流れ落ちる愛液。粘り気のある液が僕の指を伝い手全体をティーチェの色に染め上げていくような感覚に陥る。僕は指を引き抜くと、その手をティーチェに見せつける。
「ほら見て、ティーチェの愛液が僕の手にべっとりだよ」
「やだぁ・・、見せないで〜・・」
僕はティーチェの目の前で自分の手に付いた愛液を美味しそうに舐めとる。
「美味しいよ・・。ティーチェのお汁、甘くて舌が蕩けそう・・」
真っ赤になって俯くティーチェ。そして僕はティーチェを押し倒し服を脱ぎ捨て全裸になる。ティーチェはベッドで仰向けになり、これからされるであろう挿入に備える為に固く目を閉じる。
「ほら・・、ティーチェ・・目を開けて」
そっと目を開くティーチェの前に僕の反り立つチンコを見せつける。
「これから・・入れるからね」
僕はティーチェの小さな筋にチンコを宛がいゆっくり中に沈めていくと、途中で何かに引っ掛かった。
「ティーチェ、破るからね・・ンッ!!!」
「んんんっーー!」
腰を一気に前に突きだしティーチェの最奥まで僕のチンコを捻じ込む。結合部からは処女の証である破瓜の血が漏れている。
「ティーチェ・・、痛いと思うから・・痛みが引くまで動かないでいるね」
「はぁはぁ・・、だ、だいじょうぶ・・です。痛みはありませんから・・だから・・動いてください・・」
やはり人間と違うせいか痛みは一瞬で収まったみたいだ。本当ならかなり痛いはずなのに破ってすぐに動いても大丈夫だなんて。だけど僕はティーチェにあまり負担を掛けないように優しく覆い被さり抱きつくようにして腰を動かす。これならティーチェに負担が掛からないだろう。
「あっ♥あっ♥・・・これ・・・この体位・・・好きぃ・・♥」
「はぁはぁはぁ・・、ティーチェ・・ティーチェ・・・・」
僕は出来るだけゆっくりと腰を動かしティーチェの膣全体を味わう。亀頭が膣内の襞に擦れる度に僕の意識が持っていかれそうになるが、僕は歯を食いしばって耐える。だけど、やはり人と違うせいか僕は呆気なくティーチェの子宮に射精してしまった。
「ウウッ!!・・・・ご、ごめん!中に!」
「ぁっ・・あぁん♪・・レスさんの・・レスさんのオチンチンミルクが・・・♥」
僕は急いで抜こうとしたが、ティーチェは抜かせまいと僕の体に抱き付きがっちりとホールドしてくる。
「ちょ、ダメだって!・・ああ・・ダメだ・・また出るぅ!!」
逃げ場を失った僕はティーチェの望むままにひたすら膣内射精をしてしまう。二度目の射精は一回目の射精を上回るような量だった。長く感じる膣内射精。ティーチェの最奥に流れ込む僕の精液。僕の下で子宮に精液が流れ込むのを感じながら娼婦のように妖艶に笑うティーチェ。
「ふぁぁぁぁ・・♥お腹いっぱいでしゅ〜・・♪」
「そ、そぅ・・。それは良かった・・」
ティーチェは嬉しそうに僕に抱きつくが、僕はそれどころじゃなかった。2度も膣内射精してしまったのだ。確実に妊娠してしまうかもしれない。そう考えただけで僕はこれからどうしようかと悩んでしまう。
「レス・・さん。考えてる事はなんとなく・・ですけど、わかります・・。大丈夫ですよ・・。私達は・・妊娠する確立は・・とても・・とても低いのですから・・」
「えっ!?ど、どういう事なの!?」
「私達は・・毎日膣内射精されても場合によっては、10年以上妊娠しない事もありますから・・」
寂しそうに説明するティーチェ。そう説明された時、僕は僕自身を殴りたくなった。望んでもなかなか授からない子を切に願う魔物娘達の事を思うと、自分の保身だけを考えた僕自身が許せなくなってくる。
「・・・・ティーチェ!」
「ひゃ!ひゃい!なんでしゅか!?」
「もう一度しよう!そして絶対に子供を・・作ろうな!」
「・・・・ハイ♪」
僕は結局、夜明けまでティーチェを抱き続けた。初めて膣内に出した時は妊娠を怖がってしまったけど今は違う。今は逆にティーチェを何度でも妊娠させたいと思っている。
夜が明け、御互いの体を洗って綺麗にすると僕は朝食の用意をする。そしていつものように戸棚を開けるが・・・。
「・・・あ、・・・レトルト食品ばかりだったんだ・・」
戸棚を眺め額に嫌な汗を掻く。これから二人で生活するんだから最低限の食糧を揃えないといけない。今までのようにインスタントやレトルトではティーチェが可哀想だ。
「ごめんティーチェ・・。インスタント食品ばかりで・・」
「・・・・??」
ティーチェは首をかしげている。何か可笑しな事でも言ってしまったのだろうか。
「あのぉ〜・・・、わ、わたしは・・レレレレ・・・レス・・さんの・・があれば・・」
そうだった。ティーチェは僕の精液だけで生きていけるんだった。でもやっぱりこれからは二人で食事したい。
「そうは言ってもなー・・・。やっぱり食事は二人一緒に楽しみたいし・・」
「二人・・一緒にですか・・・?」
「うん、そう!いくら精液だけで生きていけるって言ってもティーチェだって女の子なんだから甘い物とか食べてみたいでしょ?」
「甘い物・・・ほ・・欲しい・・でしゅ・・」
魔物娘って言ってもやっぱり女の子。甘い物には弱いみたいだ。
「それじゃ今日仕事帰りに何か買ってくるよ」
「ハ・・ハイ♥」
僕は一晩中ティーチェを抱いていたのに全く疲れも無く出掛ける準備をする。これが魔物娘って呼ばれる子の力なんだろうか。
「それじゃティーチェ!行ってくるよ!」
「は、はい♪いってらっしゃい・・ア・・アナタ♥」
「お寝坊さんなティーチェには・・・おしおき♪」
僕は布団の中に隠れたティーチェの控え目な胸を優しく揉んであげる。小ぶりのおっぱいは手にすっぽり収まる大きさだけど、まるで僕専用のようにしっかり馴染む。僕がティーチェのおっぱいを揉んでいると興奮してきたのかティーチェの顔が赤くなっていく。興奮してるティーチェを見た僕はおっぱいを揉む手を止めて先端の小さな蕾を親指と人差し指で解すように揉んだ。
「・・・・・んっ!!・・・ふんん・・」
捏ねるようにピンクの蕾を解しているとティーチェの息遣いが荒くなっていくのがわかる。
「・・・・さて、いつまで寝た振りしてるのかなぁ〜?」
僕は小さな蕾をぐりぐりと捏ねたり、時には指を押し込んだりして感触を楽しむ。これだけ弄ってもティーチェが起きない。どうやら我慢比べしたいみたいだ。
「そっかぁ〜、それじゃこうしたらどうなるかなぁ?」
僕は布団の中で寝たふりをしているティーチェの手にチンコを当ててやるとティーチェは観念したのか僕のチンコを優しく掴み瞼を開いた。
「レスさん・・、意地悪です・・・。でも、朝から求めてくれて嬉しいです・・♪」
「ティーチェおはよう♪」
「おはようございます、レスさん♥」
「それじゃ起きようか・・・ウッ・・。え、ちょっと・・ティーチェさん?何してますか・・?」
「ぇ?ぁ、・・・やだ・・ごめんなさい・・」
起きようとした僕のチンコを布団の中で上下に扱くティーチェ。あまりの事に僕は動けなくなってしまう。
「…あ、あの・・レスさんのオチンチン・・こんなに腫れちゃって苦しそうだったから・・」
「ティーチェってイヤらしい子なんだね。朝勃ちしたオチンチンを触りたいエッチな子だなんて」
少しだけ意地悪な事を言ってあげると顔を真っ赤にして俯いてしまう彼女が本当に可愛い。でも、あまり苛めると拗ねてしまって一人で不貞寝してしまうからそろそろ本番に入ろう。
「ね、ティーチェ・・・。腫れちゃった僕のオチンチン・・ティーチェのオマンコで優しく治してくれないかな〜?」
「ぁぅぁぅ・・・。そっそそそそれじゃぁ・・いいいいい・・・入れてくだしゃい・・・です・・」
布団の中で僕とティーチェは抱き合うとゆっくりとティーチェの中にチンコを挿入していく。
「ふぁぁぁぁ・・・、レスしゃんの・・オチンチン気持ちいいれしゅ・・」
「ティーチェの中もすごく・・気持ちいいよ・・」
僕は布団の中でティーチェに覆い被さりゆっくりと腰を動かす。ティーチェは小柄な体ながらも僕のチンコを根元まで美味しそうに咥え込み決して離すまいと膣壁を蠢動させ極上の快楽を僕に与えてくれる。
「レスさんのオチンチン・・奥まで入ってましゅ♥」
「あぁ・・、ティーチェの中・・すごくいいよ・・・」
僕が最奥を何度も突くとティーチェは僕の体に両腕両足を絡ませアイコンタクトで中出しを要求してくる。
「ティーチェ・・ティーチェ!!出すからね!!」
「はっ・・早く・・早く出してくだしゃい!!」
興奮が最高潮になった瞬間、僕はティーチェの子宮に大量の精液を流し込む。何度も何度も精液でティーチェの子宮を叩き卵子を犯し僕だけの色に染め上げていく。僕が射精している間、ティーチェは僕の体に抱き付いたまま絶対に離れようとしない。膣から一滴も零すまいと全て子宮で受け止めてくれる。
「はーっ・・はーっ・・、ティーチェ?あ、・・あのさ・・抱き締めてくれるのは嬉しいんだけど・・」
「ふぁぁ・・・、ふぁぃ・・?」
「い・・・イタイ・・です。背中に爪が食い込んじゃって・・」
「・・・・・?・・・・あぁっ!!ごめんなしゃい!ごめんなしゃい!」
自分がしていた事に驚いたのか、すぐに体を離そうとしたが僕はティーチェを逃がさない。
「だ〜め。引っ掻き傷を付けちゃう悪い子にはオシオキしなきゃね?」
逃げようとするティーチェの片脚を掴み軽く持ち上げて松葉崩しの格好にさせると僕は布団を剥がし腰に勢いを付けてティーチェの小さな穴を犯し始める。
「いやぁぁぁ・・・、この姿・・いやらしいですぅ〜」
「オシオキって言ったでしょう?だから・・ティーチェが苦手な体位で犯してあげるよ!」
ティーチェは御互いに抱き合うような対面座位や正常位は好むけど秘所を曝け出すような行為だけは恥ずかしがってなかなかしてくれない。
「んっ・・、どぅ?ティーチェのオマンコ・・ぱっくり開いて僕のチンコを美味しそうに味わってるよ?」
「いやぁぁ〜〜・・言わないでくだしゃい〜・・。恥ずかしいです・・」
「それじゃ、もっと恥ずかしい事しようか?」
そういうと僕はティーチェの背中に回り込み、後背側位状態からティーチェを持ち上げ僕の上でM字開脚にしてあげる。当然繋がったままで秘所を晒してあげた。
「やだぁぁーーー!こんな姿恥ずかしいですーー!」
「・・ああ、ティーチェ・・すごいよ。すごく締まってきて・・」
ティーチェは恥ずかしさの余り顔を両手で隠している。だけど僕はそんなティーチェに興奮し腰を突き上げティーチェの膣を子宮を下から何度も叩く。
「あっあっ・・レスさんのオチンチンが・・」
「オチンチンが・・何かな?・・はぁはぁ・・・」
「気持ちいい・・ところに・・当たってますぅ・・」
「そっか、・・んん・・それじゃ・・その気持ちいい場所に・・沢山出してあげるよ・・・ウウッ!!」
「んぁぁっぁぁぁ!!入ってきてりゅーーー!レスしゃんのオチンチンミルク入ってきましゅーーー♥♥」
まるで濁流のように僕はティーチェの子宮に精液を流し込む。大量に出された精液の大半が子宮に収まらず膣から溢れ布団に染みを作っていく。
「はぁーっ・・はぁーっ・・・・ぁ、・・・また布団洗わないと・・」
先日も精液が溢れるほど膣内射精して布団を汚してしまったというのに、また同じ事をしてしまった。
「あぁん♪・・・大丈夫・・です。んんっ・・、私が綺麗にしておきますね・・」
「ごめんね、何度も洗濯させちゃって・・」
僕がゆっくりとチンコを抜くと少しだけ寂しそうな顔をしたティーチェだったけど、布団を洗う為に僕を立たせテキパキと精液を処理していく。だけど・・・。
「・・・ティーチェ、綺麗にしてくれるのは嬉しいんだけど・・」
「は、はい!なんですか!?」
「・・・ティーチェの・・あの・・、オマンコから僕の精液が零れて布団に・・」
「・・・・?ひゃっぁぁっぁぁぁ!!」
ティーチェは顔を真っ赤にして秘所から精液を垂らしたままバスルームに飛び込んでいった。
「・・・気付いてなかったんだ・・」
バスルームからシャワーの音が聞こえてくる。きっと顔を真っ赤にしながら零れた精液を綺麗に洗い落としてるんだろう。
「んーーーっ!!・・・今日は天気もいいし、ティーチェと一緒に公園でも散歩するかな」
そして僕もシャワーで汗と精液でべとつく体を綺麗にしようとバスルームに入る。
「ひゃぅ!!レスさん・・私まだ洗い終わってませんよ〜・・」
「・・・・・・・・・」
「レス・・・さん??」
「ティーチェ・・・ごめん。・・・ティーチェがオマンコ洗ってるの見てたら我慢出来なくなってきた・・」
「ぇ・・?ちょ、・・ちょっと待ってください〜〜!」
我慢出来なくなった僕はシャワーを浴びながらティーチェを立ちバックで犯してしまった。
・・・・・公園に行くのが多少遅れてしまいそうだ。
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僕の名前は澪川 翠(れいかわ すい)。普段は皆から澪川の『れ』に翠の『す』でレスって渾名で呼ばれてる。この渾名は僕も気に入ってるので仲の良い友人にはレスって呼んでもらっている。でも、別の意味ではこの渾名は嫌いでも有り。英語に直して読むと・・・いや、なるべくなら説明したくない。意味通りに少ないというか、その部分だけ遅いというか劣ると言うべきか。昔から僕は何をしても恩恵が少ない、渾名通りの人生を送ってきた。好きな子に告白しようと思ったら前日に誰かに告白されてその人と付き合ってたり、傷心が癒えた頃に付き合ってみたいと思った子に告白しようと思ったら、僕の友人に告白した後だったりと何かにつけて一歩遅れる事が多い人生だ。そして今日こそ、と思って気になる子に告白しようと家を出たら直後に車に撥ねられ全治4ヶ月になったり。そんな運の無い人生を歩んで高校卒業後に社会人になって、1LDKで一人暮らしをするようになって二十歳を超えたというのに今日も一人寂しく部屋でマンガを読む。
「はぁ〜〜〜・・、何もする気が起きないなぁ」
折角の連休なのに何もする気が起きない。友人は居るが、皆が皆揃って彼女が居るので携帯を掛ける気がしない。掛けた所で『悪ぃ、彼女と一緒なんで後でいいか?』と言われるのがオチだ。そして返信は絶対に来ない。
「彼女、彼女、彼女か・・・、そんなに彼女が居るのが偉いんかねぇ・・」
情けない僻みにしか聞こえない呪詛を呟く。何をするにしてもワンテンポ遅れる僕には彼女が出来ないって事なのか。僕自身もわかっている、何故か昔から恋愛事に関してだけは運が無い。いや、運が無いんじゃなくて僕はいつもワンテンポ遅れて行動しているみたいで結果的に遅れてる間に片思いだった子は誰かと付き合ったり誰かに告白した後だったりと惨めすぎる結果に終わってしまう。おかげで僕自身からの告白は未だに誰にもした事が無い。失恋する気分も味わえない。
「暇だなぁ・・、もう本当に誰でもいいから付き合いたいよ・・」
誰でもいい、なんて言葉は最低で低俗なのはわかってるけど、やっぱり一人はなんとなく寂しく感じてしまう。こんな時に誰かが傍に居てくれたらと思うのも事実だし。
「どうせ暇だし、適当に何か食べに行こうかな・・」
ラフな服装に着替え、近所の行きつけのラーメン屋にでも行こう。何か食べて満腹になれば気分も多少は晴れるだろう。まぁ、一人で近所のおっさんが集まるラーメン店に行く時点で僕には彼女が出来ないだろうけど。もし彼女が居たら静かな湖で一緒に食事でもしたいな。こんな馬鹿げた妄想をしてる僕自身が悲しくなってきた。はぁ、さっさとラーメンでも食べて適当にふらつこう。
「おぅ、らっしゃい!!」
いつもの馴染みの店に入ると景気の良さそうな親父さんのいい声。なんだか羨ましい感じがする。
「チャーシュー麺と餃子2人前」
僕はそれだけを言うとカウンター席に座りテーブルの下の棚に置いてある週刊誌を読み始める。好きな漫画だけ読み、後は適当に飛ばす。そうこうしてる内に僕の前にチャーシュー麺と餃子が置かれる。
「あいよ。チャーシューと餃子2人前だ」
週刊誌をテーブル下の棚に置き僕は無言でラーメンを啜り、熱々のギョーザを頬張る。折角の休日なのにラーメンと餃子を食うだけで終わるなんて寂しい。だけど、何も宛てが無いのも事実。こういう時はいつも思ってしまう。彼女が居たらなぁ、と。
「ごちそうさま・・」
勘定した後、ふらふらと宛ても無く僕は気の向くままに歩き出した。出歩いた所で何かある訳じゃないが家に閉じこもっていても気が落ち込むだけだ。家に居ても漫画を読んで連休が終わるのが目に見えている。それだけはどうしても嫌だった。だけど僕はふらふらとした事を後悔した。どこに行ってもカップルだらけ。僕のように一人で居る人は休日でも働いている人か散歩してる老人ぐらいだ。
「帰ろう・・・」
気晴らし気分で出歩くんじゃなかったと後悔した。そして今日初めて、友人に教えて貰った言葉を心の中で呟く。
『リア充爆発しろ!!』と・・・。
家に戻るとポスト受けに一枚のチラシが入っていた。どうやら近くにパチンコ店が出来たみたいだ。だけど僕は行かない。だってそうだろう?一人身で寂しく戻ってきたばかりなのに、また一人で出掛けて一人寂しくパチンコ打つなんて。
「こんな物・・・」
くしゃくしゃに丸めて玄関に置いてあるゴミバコに投げ捨てる。結局僕は晩まで適当に漫画を読み部屋で怠惰の見本とも言えるような姿でごろごろと床に転がる。晩飯も悲しい事に戸棚にインスタント物やレトルト食品しか無かったのでそれで済ましてしまう。こんな時に彼女が居たら手料理を作ってくれるんだろうか。居たとしてもインスタント物しか無いので絶対無理だろうけどね。
晩飯も済ませ、いつものように部屋でゴロゴロしているとドアのポスト受けに何かが投函される音が鳴った。音の小ささから考えてきっと『水のトラブル解決します!!』とか『今週のモデルハウス紹介』のチラシだろう。どうでもいいチラシだけど前に『面倒だし放っておこう』と無視した時、一週間でポスト受けが満タンになって取り出すのがきつかった事を思いだしたのでゴミという名のチラシをポスト受けから渋々ながらも取り出す。
「ん、・・・?これ、さっきのパチンコ店のチラシじゃないか。ゴミゴミっと・・」
先ほどと同じように丸めて玄関のゴミバコに投げ捨てた。どうしてこの手のチラシは何度も来るんだろうか。今日はもう何もする気が起きないし、寝るには少し早いかもしれないけど寝てしまおう。このまま起きてても無駄に時間を過ごすぐらいならと思い、僕は風呂に入りさっさと寝てしまった。
そして翌朝、半分寝ぼけた頭で玄関のポスト受けから新聞を取ろうと蓋を開けたら、・・・新聞と一緒にあのチラシが一緒に入っていた。
「しつこいチラシだな。ま、どうせゴミバコ行きだけどね」
昨日と同じようにくしゃくしゃに丸めてゴミバコに入れようと・・。
「ぇ?・・・昨日確かに2枚捨てたはずなのに・・・」
玄関のゴミバコの中身を確認すると何も入って居なかった。昨日確かにパチンコ店のチラシを2枚捨てたはず。
「なんで入ってないんだ・・・」
寝ぼけていた脳内が一気に醒める。僕の両足がガクガクと震え、その場で腰が抜けてしまう。腰を抜かしながらも、もう一度だけゴミバコを確認した。
「やっぱり・・・入ってない」
ゴミバコには何も入ってない。目の前にある現実に体が僅かながら震えだす。僕は体中を震わせながらクシャクシャにしたパチンコ店のチラシを綺麗に開き恐る恐る目を通した。
『新規オープン♪貴方の出会いを後押しするパーラーDE☆A☆I♪貴方にも良き出会いを♥』
「・・・風俗じゃないよね?パチンコ店なのに謳い文句が怪し過ぎるよ・・」
『当店では、モンムスパラダイス・竜の峡谷・薫風・円卓の騎士・心の御宿等、盛り沢山の台を御用意しております。仕事に疲れた貴方?恋に破れた貴方?一度打ってみてはいかがでしょうか?』
「なんだかアヤシイけど・・・もし、これを捨てたら・・またポスト受けに入ってそうで怖いし」
それに気になる事が一つだけあった。それは『DE☆A☆I』だった。どうしてパチンコを打つだけで出会いに繋がるのかわからない。本当は裏で風俗紛いな事をしてるんじゃないだろうか、と勘繰ってしまう。
「気になるけど・・本当は風俗だったらどうしよう」
どうしようも無い葛藤が沸き起こる。だけど今日も何もしないまま一日が終わるのは嫌だ。僕は意を決してパチンコ店に行く事にした。チラシには御丁寧にも道順が載っていたので迷わずに行けた。
「・・・普通のパチンコ店だ。別に風俗っぽくないし」
チラシに書かれていた道順を頼りに僕はパチンコ店に着いた。別にこれと言った特別な雰囲気は感じられない。どこにでもありそうな店だ。
「勘繰りすぎたのかなぁ。入ってみればわかるかな?」
僕は自動ドアを通り店内に入ってみる。店内は結構小奇麗にされており自分の部屋と比べると悲しくなってくるほどの清潔さ。帰ったら部屋を片付けよう。店内を見回すとチラシに書かれていたパチンコ台が何台か確認出来た。
「おー・・。これがチラシに載ってた台なんだ」
「本日は当店に御越し下さいまして有難う御座います」
いつから居たのか真後ろに居る誰かに声を掛けられた。僕は驚いて振り返るが今度は別の意味で驚かされる。腰まで伸ばしたさらさらの銀髪、美しい切れ長の目、薄くルージュを引いた唇、見る人全てを惑わせるような慈愛に満ちた優しい顔付き、それにスタイルは男の理想そのままを現したかのような欲望を誘う体付き。僕は何も言えず固まってしまう。
「御客様、どうかしましたか?」
声も美しい。聞いているだけで心が溶けそうなほど魅了される。
「御客様?御客様?」
目の前の女性が僕の頬を軽く叩く。僕の頬に触れる手もすべすべして気持ちいい。って、そうじゃない。僕は我に返り緊張した声で生返事をしてしまう。
「ひっ・・い、いえ、ダイジョブですから!」
「そう?それなら改めまして、当パーラーに御越しくださいまして有難う御座います。本日は心イクまで御楽しみくださいませ」
心イクって何?それを言うならこころゆくまでじゃないのか?それとも僕の聞き間違いなんだろうか。僕はよくわからないまま店内の台を一台一台眺めていく。
「チラシに載ってた台ってこれか〜・・」
僕は興味津々で台を物色していく。色々とある中、打ちたい台が2種類あったけど、なかなか決められない。こんな時でさえ僕の決断は遅れてしまうのか。
「んーーー・・!これにしよう!」
僕はモンムスパラダイスに座る。見た目はどこかの犬や魚が沢山出てくるような台に似ているみたいだけど。
「ま、いいか。わかりやすそうだし」
僕はさして興味も無いパチンコを打ち始める。やはりあまり興味が無いせいか可愛らしいキャラクターが回っていても集中出来ない。
「やっぱり家で寝てるほうが良かったかな」
そんな僕だったけど、一つだけ気になったキャラクターが居た。全身がシルエットで隠された子が居た。たぶん女の子だろうけど、正体不明のその子が見える度になんとなく気になってしまっている。他のキャラクターのように見えていないから気になるだけなんだろうか。
「このキャラだけ見えないのは仕様かな?」
見えない子が何故か気になる。その子が画面に少しでも見えると妙に興奮してくる。だけど、なんで僕はパチンコのキャラで興奮しているんだろう。暫く回していると尻尾が二股にわかれた猫のキャラでリーチが掛かる。
「猫・・・だなぁ。尻尾が二本あるけど」
至って普通のリーチだった。何事も無く通り過ぎてしまうと画面の猫が寂しそうに鳴いた。その鳴き声は何故だか悲しい感じがした。
「猫なぁ・・、飼えるもんなら飼いたいけどウチはマンションだし」
その後もリーチが何度か掛かるが全く当たらない。犬みたいな子や包帯を全身に巻いた子、下半身が馬の可愛い子と色々なリーチが来たが当たってくれない。
「ここまで運が無いって清清しいよ・・・、キャラクターの子にさえ縁が無いなんて・・」
画面内で流れる子は皆揃って可愛い子達ばかり。そんなキャラクターにさえ無縁とは泣けてきそうだ。そう思いがっくりしていると、あの気になっていたシルエットで隠された子のリーチが掛かった。
「・・・あ、見えない子だ」
まじまじと見つめていると一瞬だけうなじが見えてシルエットじゃない事に気付く。
「ぁ、これってもしかして・・後ろ姿なのかな?」
後ろ姿の子が一周、二週と回っていく毎にチラリと見える白いうなじ。何故後ろ姿なのかわからないけど目が離せない。三週目を過ぎたところで画面の背景が深夜に変わり夜空には満月が輝く。
「え?なにこれ?画面真っ暗になったらキャラがぼやけて見えないじゃない」
1キャラ進む毎に月が欠けていき、後ろ姿の子が近づく寸前には月は新月へと変わろうとしていた。
「・・・真っ暗でほとんど何も見えないし」
月が欠け新月になり全てが闇に染まった瞬間、後ろ姿の子がゆっくりとこちらに振り返ろうとしてくる。
「ぁ、・・可愛いな・・」
少し伏し目がちで気弱そうな子がこちらに横顔を見せてきた。綺麗な黒髪を夜風に靡かせこちらを見る瞳はなんだか物悲しそうに思えた。それでも僕はその子に惹かれてしまう。
『闇夜で・・・逢いましょうね』
「え?何?」
先ほどまで真っ暗だった画面に月の光が射すと後ろ姿の子は顔を隠すように画面中央に揃っていた。その姿はなんだか恥ずかしがってるような姿だ。
「え、あ・・?当たってる・・」
僕は入賞口に玉をどんどん入れていくが出玉が出て来ない。機械トラブルかと思い渋々ながらも千円札を投入しようとしたけど受け付けない。
「ちょ、ちょっと・・、玉が無いってば・・!」
最後の玉も打ち出し全てが機械に飲み込まれた途端、受け皿に小さな金貨が放り出される。
「・・・?なにこれ?・・・メダル?いや、金貨かな??」
受け皿に出てきた金貨らしき物を僕は摘み上げた。金貨の表にはさきほどの女の子の後ろ姿が彫られている。そして裏にはティーチェと彫られた文字。名前だろうか。僕は出玉が出て来ない事よりも受け皿に出てきた金貨に目を奪われる。
「これ・・持って帰っていいのかな?」
訳もわからず僕が金貨を眺めているとあの美人の店員が近づいてくる。
「あら?おめでとうございます御客様♪やっとこの子にも春が訪れたのですね♪」
「は・・・はぁ・・?(何の事を言ってるんだろう?)」
「それでは、御客様。短い間でしたが・・また逢える事を願って・・」
店員がこちらにバイバイと手を振ると店内が歪んでいく。そして僕が立ってた場所が崩壊し僕は奈落の底へと落ちるような感覚に襲われた。
ウワァァァァァァアァァァアッァァァアァーーーー!!
「ほわぁっぁ!!」
僕は地獄に落ちたかのような感覚に襲われ大声を上げて起き上がる。
「・・・はぁ・・はぁー・・。あれ・・?なんで公園のベンチで寝てたんだ?」
辺りを見れば、近所の公園に居るのがわかった。なんで僕は公園のベンチで寝てたんだろう。
「ぅん??なんで此処で寝てたんだっけ?・・・あ!パチンコ打って!・・・打ってなんだっけ・・?まぁ、帰ろう・・」
パチンコ店での事を思い出そうとしたけど、なんだか曖昧な事しか思い出せなかった。思い出そうとすればするほど記憶が曖昧になっていく。
「あー・・、そうだー・・負けたんだったかな?」
なんとなく財布を覗いて所持金が減ってるのを確認し、きっと負けて此処で不貞寝でもしてたんだろう。そう結論を出そうとしたけど財布の中に何故か見慣れない金貨が一枚入っていた。
「これなんだっけ?貰ったんだったかなぁ??」
何故金貨を持っていたのかもわからないまま家に戻る。僕は家に戻るなり戸棚からレトルト食品を取り出しレンジでチンする。
「・・・はぁ、パチンコ負けたから今月は質素にしないとなぁ」
寂しくなった懐事情を考えながら温められた八宝菜を冷やご飯に掛けてもぐもぐと咀嚼する。傍から見れば悲しい食事だが、一人暮らしの食事はこんなもんだ。
「TVでも見て大人しくしてるかな・・」
−今日の特集・街角のカップルに聞いてみた二人の出会い特集−
・・・・ブツン
僕は無言でTVの電源を切り漫画を読み始める。いつものようにお気に入りの漫画を読み時間を無駄に潰していく。この無駄に消費する時間が気に入ってる。どうせ彼女も居ない僕にはこれしかする事がないし。
「・・・あ、そういえば、財布にあった金貨出しておかないと」
忘れかけていた財布の中の金貨を取り出しじっくり眺めてみた。見れば見るほど良くわからない何かに惹き込まれそうになってくる。
「うーん・・?なんだろうなー??ティーチェ・・名前かな?」
悩んでもしょうがないのでテーブルに置いておく事にした。そして日課のように漫画を読み漁る。そして気が付けば0時前になろうとしていた。本当に何も無い一日だった。いつもの事と思いながら風呂に入り寝ようと思ったらテーブルに置いた金貨が突然カタカタと震えだす。
「・・・!!な、なんで金貨が動いて・・!」
僕の目の前で金貨から黒い靄のような物が溢れだしてくる。その靄は次第に大きくなっていき大人一人を簡単に呑み込めるほどまで膨れ上がる。
「あぁっぁあっぁっぁぁっぁぁぁあ・・・・」
何がなんだかわからない。なんで僕の前で怪奇現象が起きているんだ。こんなの・・・こんなのって信じられない。益々膨れ上がる黒い靄に僕は為す術も無く両膝を震わせながら見ているだけしか出来なかった。
「・・んしょ・・、よっこいしょ・・・」
「・・・・!?」
黒い靄の中から女の子の声が聞こえてくる。そして右手、左手が現れ黒い靄の縁を掴み体を引っ張り出そうとしている。
「・・・!!(何かが・・出て来る!!)」
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜!!・・・・プハッ!!で・・出れましたぁ〜・・」
出てきたのは闇色のような髪をショートで切り揃え、髪の色と同じ色をしたワンピースを着た小柄な少女だった。
「・・・・。あ!そこはテーブルだから危ない!」
「ぇ?なんでしゅ・・きゃああああああ・・・・。プギュ!!」
テーブルの上に現れた少女は現れたと同時に足を踏み外し見事に顔面から床にダイブした。見てて痛々しい。床で蹲りながら鼻を擦っている少女を見て僕は思ってしまった。
(ドジッ子って・・本当に萌えるんだね)
「大丈夫・・?思いっきり打ったみたいだけど・・」
「はぅぅぅ〜〜〜・・・、らいじょうぶれふぅ〜・・」
痛む鼻を押さえながら話す少女。なんとも言えない雰囲気が辺りを包むが僕は恐る恐るにさきほどの黒い靄の事を聞いてみる。
「えっと・・、今・・・黒い靄の中から・・出てきた・・・よね?」
「ふぁぃ・・。あれはゲートれしゅ・・」
まだ痛いのだろうか、鼻声で質問に答えてくれる少女。よく見ると結構可愛い。可愛いどころか守ってあげたくなるような子だ。
「それで、ちょっと・・聞きたい事があるけどいいかな?」
「ふぁい・・な、なんで・・しょう・・」
ビクビクしながらこちらの質問を待つ少女。
「君はもしかして・・ティーチェって名前なのかな?」
「は、はい!ティティティ・・・ティーチェれす!」
なんだろう・・・この子、カミカミで喋ってる。緊張しているんだろうか。なんだか弄りたい気分になってくる。いや、そういう事じゃない。今はこの状況をなんとかしないと。
「それで、・・うーんと・・なんで此処に現れたの?」
「ははははは・・・はいいい!こここここれからも・・よろしゅくおねがいしましゅ!」
「ごめん・・言ってる意味がわかんないんだけど」
「ふちゅちゅか者でしゅが頑張りましゅ!」
「それを言うなら不束者じゃないの?」
「ぁぅぁぅ・・・」
なんだろう、話が噛み合っていない気がするんだけど。このまま話してると平行線のまま終わりそうな気がしたので質問を変えてみる。
「ところで、さっきの不束者だけど・・それだけを聞いてるとまるで結婚話みたいに聞こえるんだけど?」
「けけけけっけけっけ・・結婚でしゅか!がが・・頑張って3人は産みますので!」
また会話がずれる。この子は何を言いたいんだろう。
「ははっ・・、まるで僕の子供を作るような口ぶりだね」
とりあえず話しを合わせておこう。こうでもしないと会話がずれたまま戻らない気がしてきた。
「は、はい!こっこここ・・子供はやっぱり3人ですか!それとも4人ですか!」
頭が痛くなってきた。これほど話が噛み合わないのは苦痛だ。ドジッ子+ずれた感覚ってのは恐ろしいね。こういうのは漫画の世界だから萌えるのであってリアルで居るとこんなに厄介とは思わなかった。
「それでティーチェさんでしたっけ?とりあえず落ち着きましょうか?」
僕はテーブルの椅子を引き、そこに座るように促すとティーチェはビクビクしながらも座ってくれた。そして僕は向かいの椅子に座る。
「ティーチェさん、もう一度聞きますけど、どうして僕の前に現れたのですか?」
「えっと・・えっと・・・それは・・」
顔を真っ赤にしたと思ったら俯いて黙り込んでしまう。何か悪い事でも聞いてしまったのだろうか。もしかしたら何か言えない事情があるのかもしれない。
「ゴメン・・、言いにくい事って誰にでもあるよね・・」
「ち、違います!わ、私は・・そのぉ〜・・・あのぉ〜・・」
「ん、何?もし協力出来る事があるなら何でもするよ?」
「・・・!!ほ・・本当に・・何でもしてくれ・・ますか?」
ティーチェは顔をトマトのように真っ赤にしながらこちらに聞き返してきた。
「まぁ、出来る範囲ならね」
「そそそそそ・・・それじゃ・・、おおおお・・・・」
「おおお?何?」
「ティティ・・ティーチェを・・お嫁さんにしてくだしゃい!!!」
僕の頭の中に特大級の鐘の音が鳴り響いた。ここまでぶっ飛んだ会話って一生無いだろう。いや、一生どころか何度生まれ変わってもこんな経験はしないと思う。
「あのぉ〜、ティーチェさん?なんでお嫁さんかはわからないけど・・。そこは普通・・『付き合ってください』から始るのでは?」
「はぅぅぅ〜・・・」
こう言いながらも僕は内心嬉しかった。今まで告白も満足に出来なかった僕にこんな可愛い子が告白してくるなんて。でもちょっとばかり内容がぶっ飛んでるけど。
「こういう場合・・喜んで、と言えばいいのかな・・?いや、ちょっと待って・・付き合う前に結婚っておかしいよね?それ以前に結婚前に子供3人欲しいって・・」
僕が変な矛盾に悩んでいるとティーチェのお腹からキュ〜〜〜〜と可愛らしい音が聞こえてきた。
「あぅぅ・・、お腹・・空きましたぁ〜・・」
「それじゃあ、レトルトで悪いけど何か用意するよ」
「あああああの・・・、私は・・普通の食事では・・満足出来ないのでしゅ・・」
小声で控え目に答えてくれたけど普通の食事では満足出来ないってどういう意味なんだろう。その間にもティーチェのお腹はキューキューと鳴っている。
「あ・・あの!」
「は、はい!何!?」
突然大声を出すティーチェに驚いたけど、次の言葉に僕は唖然としてしまった。
「しぇしぇしぇしぇ・・・しぇいえき・・アナタの精液欲しいです・・」
え、この子は一体何を言ってるんだ。しぇいえきって、精液の事だよね。なんでお腹が空いたから精液を欲しいなんて言うんだろ。
「えと、・・ごめん。自己紹介もしていない僕が言うのもなんだけど・・。そういう事はあんまり言ってはダメだよ?」
「ぁ、・・・そうですよね。ごめんなさい・・」
項垂れるティーチェを見ていると罪悪感に包まれる。別に僕が悪い訳じゃないけどなんだか申し訳無い気分になってくるので軽く自己紹介しておこう。
「・・・僕の名前は澪川 翠だよ。皆からはレスって呼ばれるけどね」
「ぁ・・、れいかわ・・すいさん。ありがとうございます〜」
「別にレスでもいいよ?」
「そそそ・・それじゃ・・レレレ・・レスしゃん!」
うん、わかってた。たぶんカミカミになるだろうな、と。でも、そんなティーチェが可愛く思える。
「そ、それで・・ですけど。レレ・・レスしゃん・・、あのあの・・しぇ・・精液・・欲しいですぅ・・」
「さっきも言ってたけど・・なんで精液なの?」
「わた・・私達は・・男の人の・・・精液が無いと・・生きていけないの・・です・・」
その言葉を聞いた僕の鼻から生温かい液体が垂れ落ちる。
「ひゃっ!レ、レスしゃん!血が!」
「うぉっ!ちょ、ちょっと待ってて!」
「だ、大丈夫です!わた!私が治しましゅから!」
ティーチェが僕に近づき、舌で垂れた鼻血をそっと綺麗に舐め取ってくれる。おかげでますます血が溢れるんだけど。
「ぁぅ・・・、血の中の性が・・美味しいです・・。ヴァンパイアさんって毎日こんな感じなんでしょうか・・・」
「え!?ヴァンパイアって何!?吸っちゃうの!?」
「ちちち・・違います、ティーチェは・・ドッペルゲンガー・・ですから。血は吸いません・・」
ドッペルゲンガー?確かドッペルって言えば自分にそっくりな姿で現れて化けた相手の魂を刈り取る悪魔のはず。
「も、もしかして・・ティーチェは・・僕を殺しに・・」
「ち、違いましゅ!ティ、ティーチェは・・レスしゃんの・・レスしゃんのお嫁さんになりに来たのでしゅ!」
「は?でも・・ティーチェ・・君、どう見ても15〜6歳ぐらいにしか見えないんだけど・・」
「・・・27歳・・ですぅ・・」
わーぉ、僕より年上だったよ。どう見ても高校生、いやヘタすれば中学生に見られてもおかしくない姿だ。それなのに27歳だったなんて。まぁ、これで問題無く結婚してもいいわけだ。そうじゃない、なんで納得してしまったんだ。
「でも、どうして僕なの?」
「そ、それは・・、レス・・さんが・・、運命の人だから・・です」
「運命の人?どういう事なのか説明して欲しいんだけど?」
「は・・はい。えっとですね・・」
ティーチェの説明を聞いてる内に忘れていた、いや消されたというべきパチンコ店での事が思い出されていく。あの店が見える人は確実に魔物娘と結ばれる事、そして魔物娘は運命の人の精液を受け続けないと衰弱してしまう事。聞いてるだけで頭の中が沸騰しそうだ。率直に言えば、運命の人と毎日セックスしないと生きていけないという事らしい。
「ほ、本当に・・僕なんかでいいの?」
「ハイ!・・私は・・レス・・・さんの、赤ちゃん欲しいのです・・」
僕はドキドキしながらティーチェに軽く触れるだけのキスをした。触れるだけのキスなのに頭の中が蕩けそうになる。
「ん・・、レスさんのキス・・甘いです♪」
「ははっ・・、ありがと。初めてだから・・ヘタだったかもしれないけど」
「そ、そんな事ないです!と、とても甘くて美味しかったです!」
初めてだったのに、ここまで褒められると嬉しくなってくる。そして僕はもう一度ティーチェにキスをした。
「んっ・・ちゅ・・・、はぁ〜・・レスさんのキス、甘くて・・癖になりそうですぅ〜」
「・・・ねぇ、ティーチェ。ここじゃなんだから・・ベッドで・・・」
「・・・・はぃ♥」
僕はティーチェの手を取りベッドへと誘った。ティーチェもこれからされるであろう行為を今か今かと待ち望んでいるようだ。僕はベッドに腰掛けるなりティーチェを隣に抱き寄せ本当にするのか確認してみた。
「ティーチェ、・・・本当にいいのかい?今ならまだ止める事が出来るよ?」
「わ、私は・・、レスさんの・・・レスさんとしたいです・・」
「わかった、それじゃ・・脱がすよ?」
僕はティーチェのワンピースの裾を掴み、静かに上へ上へと上げていく。少しずつ見えてくるティーチェの白い肌が僕の目に焼き付く。
「綺麗な肌だね・・。真っ白な陶器のように綺麗だよ・・」
「はぅぅぅ・・・、恥ずかしいから説明しないでください〜・・」
そう言われてもつい口に出して褒めたくなるような綺麗な肌だった。ティーチェをバンザイさせるような格好にして一気にワンピースを脱がした途端、僕は無言になってしまう。
「・・・?レスさん・・どうしたのですか?」
「ぁ、ぃゃ・・。えと、なんで・・下着を着けてないの?」
そう、脱がして一番先に気付いたのはティーチェは下着を何も着用してなかった事だ。予想もしなかった事に僕は途惑ってしまう。まさか、ノーパン・ノーブラだなんて誰が予想出来ただろうか。女性の裸に免疫の無い僕はティーチェの小ぶりなオッパイと無毛でツルツルなアソコを凝視してしまう。
「やだ・・、レスさん。あまり見られると・・恥ずかしいです・・」
「ティ、・・ティーチェ。ごめん・・もう我慢出来ないよ・・」
僕はティーチェの小ぶりなオッパイを両手で鷲掴みにして昔に見たAVのように捏ねるように揉み解していく。
「やぁん、・・・レスさんの手つき・・なんだかイヤラシイです・・」
「ご、ごめん!でも・・我慢出来ないんだ!」
僕はティーチェのオッパイを執拗に弄る。時々、乳首を吸ったり甘噛みしたりと御互いの興奮を高め合う。
「ティーチェ・・、そ、・・その・・足を開いて・・」
ティーチェは恥ずかしがりながらも僕の前で少しだけ足を開いてくれる。僕は目の前に見える小さな筋に優しく指を這わせた後、少しだけ指を膣に沈める。
「んっ・・!レスさんの指が・・入って・・♥」
僕が指を少し動かす毎にティーチェは甘い嬌声を上げる。そして僕の指を伝って流れ落ちる愛液。粘り気のある液が僕の指を伝い手全体をティーチェの色に染め上げていくような感覚に陥る。僕は指を引き抜くと、その手をティーチェに見せつける。
「ほら見て、ティーチェの愛液が僕の手にべっとりだよ」
「やだぁ・・、見せないで〜・・」
僕はティーチェの目の前で自分の手に付いた愛液を美味しそうに舐めとる。
「美味しいよ・・。ティーチェのお汁、甘くて舌が蕩けそう・・」
真っ赤になって俯くティーチェ。そして僕はティーチェを押し倒し服を脱ぎ捨て全裸になる。ティーチェはベッドで仰向けになり、これからされるであろう挿入に備える為に固く目を閉じる。
「ほら・・、ティーチェ・・目を開けて」
そっと目を開くティーチェの前に僕の反り立つチンコを見せつける。
「これから・・入れるからね」
僕はティーチェの小さな筋にチンコを宛がいゆっくり中に沈めていくと、途中で何かに引っ掛かった。
「ティーチェ、破るからね・・ンッ!!!」
「んんんっーー!」
腰を一気に前に突きだしティーチェの最奥まで僕のチンコを捻じ込む。結合部からは処女の証である破瓜の血が漏れている。
「ティーチェ・・、痛いと思うから・・痛みが引くまで動かないでいるね」
「はぁはぁ・・、だ、だいじょうぶ・・です。痛みはありませんから・・だから・・動いてください・・」
やはり人間と違うせいか痛みは一瞬で収まったみたいだ。本当ならかなり痛いはずなのに破ってすぐに動いても大丈夫だなんて。だけど僕はティーチェにあまり負担を掛けないように優しく覆い被さり抱きつくようにして腰を動かす。これならティーチェに負担が掛からないだろう。
「あっ♥あっ♥・・・これ・・・この体位・・・好きぃ・・♥」
「はぁはぁはぁ・・、ティーチェ・・ティーチェ・・・・」
僕は出来るだけゆっくりと腰を動かしティーチェの膣全体を味わう。亀頭が膣内の襞に擦れる度に僕の意識が持っていかれそうになるが、僕は歯を食いしばって耐える。だけど、やはり人と違うせいか僕は呆気なくティーチェの子宮に射精してしまった。
「ウウッ!!・・・・ご、ごめん!中に!」
「ぁっ・・あぁん♪・・レスさんの・・レスさんのオチンチンミルクが・・・♥」
僕は急いで抜こうとしたが、ティーチェは抜かせまいと僕の体に抱き付きがっちりとホールドしてくる。
「ちょ、ダメだって!・・ああ・・ダメだ・・また出るぅ!!」
逃げ場を失った僕はティーチェの望むままにひたすら膣内射精をしてしまう。二度目の射精は一回目の射精を上回るような量だった。長く感じる膣内射精。ティーチェの最奥に流れ込む僕の精液。僕の下で子宮に精液が流れ込むのを感じながら娼婦のように妖艶に笑うティーチェ。
「ふぁぁぁぁ・・♥お腹いっぱいでしゅ〜・・♪」
「そ、そぅ・・。それは良かった・・」
ティーチェは嬉しそうに僕に抱きつくが、僕はそれどころじゃなかった。2度も膣内射精してしまったのだ。確実に妊娠してしまうかもしれない。そう考えただけで僕はこれからどうしようかと悩んでしまう。
「レス・・さん。考えてる事はなんとなく・・ですけど、わかります・・。大丈夫ですよ・・。私達は・・妊娠する確立は・・とても・・とても低いのですから・・」
「えっ!?ど、どういう事なの!?」
「私達は・・毎日膣内射精されても場合によっては、10年以上妊娠しない事もありますから・・」
寂しそうに説明するティーチェ。そう説明された時、僕は僕自身を殴りたくなった。望んでもなかなか授からない子を切に願う魔物娘達の事を思うと、自分の保身だけを考えた僕自身が許せなくなってくる。
「・・・・ティーチェ!」
「ひゃ!ひゃい!なんでしゅか!?」
「もう一度しよう!そして絶対に子供を・・作ろうな!」
「・・・・ハイ♪」
僕は結局、夜明けまでティーチェを抱き続けた。初めて膣内に出した時は妊娠を怖がってしまったけど今は違う。今は逆にティーチェを何度でも妊娠させたいと思っている。
夜が明け、御互いの体を洗って綺麗にすると僕は朝食の用意をする。そしていつものように戸棚を開けるが・・・。
「・・・あ、・・・レトルト食品ばかりだったんだ・・」
戸棚を眺め額に嫌な汗を掻く。これから二人で生活するんだから最低限の食糧を揃えないといけない。今までのようにインスタントやレトルトではティーチェが可哀想だ。
「ごめんティーチェ・・。インスタント食品ばかりで・・」
「・・・・??」
ティーチェは首をかしげている。何か可笑しな事でも言ってしまったのだろうか。
「あのぉ〜・・・、わ、わたしは・・レレレレ・・・レス・・さんの・・があれば・・」
そうだった。ティーチェは僕の精液だけで生きていけるんだった。でもやっぱりこれからは二人で食事したい。
「そうは言ってもなー・・・。やっぱり食事は二人一緒に楽しみたいし・・」
「二人・・一緒にですか・・・?」
「うん、そう!いくら精液だけで生きていけるって言ってもティーチェだって女の子なんだから甘い物とか食べてみたいでしょ?」
「甘い物・・・ほ・・欲しい・・でしゅ・・」
魔物娘って言ってもやっぱり女の子。甘い物には弱いみたいだ。
「それじゃ今日仕事帰りに何か買ってくるよ」
「ハ・・ハイ♥」
僕は一晩中ティーチェを抱いていたのに全く疲れも無く出掛ける準備をする。これが魔物娘って呼ばれる子の力なんだろうか。
「それじゃティーチェ!行ってくるよ!」
「は、はい♪いってらっしゃい・・ア・・アナタ♥」
13/09/23 02:18更新 / ぷいぷい
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