連載小説
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前編
薄暗〜い、ベタな牢屋。

???「さて、半ば覚悟していたとはいえ、ついに捕まってしまったか。しかし、わざわざ牢屋に入れられるとは意外だったな。てっきり、いきなry」

牢番「おい、何を壁に向かって何をブツブツ言っている。おとなしくこっちを向いていないと、犯すぞ!」

???「まあ、牢番に関しては予想通りのあほなんだがorz」

牢番「アホとはなんだ、アホとは(怒)私はいたって真面目だ!」
???「どこの世界に、鉄格子に股間擦りつけてオナニーしてる牢番がいるかよ!!!」
牢番「オ、オ、オナニーではないわ?!これは、我が一族に伝わる『不思議な踊り』で、敵の素早さを下げるという。母上もこの秘技で父上を・・・」

???「どう考えても下ネタじゃねーか。バカ、バーカ、トカゲ頭。」
牢番「バカとは何だバカとは。バカって言ったほうがバカだって父上が言っていたぞ。」
???「そもそも、そんな技に引っかかる、お前の親父がバカだ。」
牢番「貴様、父上を愚弄するつもりか?許せん、今すぐ牢を開けて、お前を犯してやる。」
ガチャガチャ

副官「やめんかドアホウ!!!!!」
ゴチーーーーーーン



???「中身が無いせいか、イイ音がしたな・・・おう副官さん、助かったわ。しのびねえ。」
副官「構わんよ、ってそうではない。捕虜の身でも相変わらず、緊張感のない。こんな変人に我々は4年間も(´Д⊂グスン」
???「おいおい、泣くなよ、美人が台無しだぞ。」
参謀「十中八九アナタのせいです。そんなことより、将軍がお呼びです。一緒に来てもらいます。」
???「へいへい。さて、どうなることやら・・・」




所変わって、大広間。

将軍「フハハハは!無様だな、ヘルメス。いかにお前といえども、その鎖の前では、手も足も出まい。」

???改め、ヘルメス(以下、ヘルメス)
「ん?この鎖って特別製なの?」
参謀「その鎖は、魔王軍技術開発部(サバト)特性で、勇者の持つ聖なる力が強ければ強いほど、強固になります。」
ヘルメス「ふ〜ん(このままでいいかな)。」
副官「今のお前は、赤子も同然。煮るなり焼くなり食うなり我々の好きということだ。私的には最後のがオススメだぞ。」

将軍「おい、アリエス。抜け駆けは許さんぞ。決定権はもちろん我にだな、、、」
副官「いやいや、実際コイツを捕まえたのは私ですから、いかにリエル姉様の命令といえど、、、」
将軍「いやいやいや、、、、」
副官「またまたまた、、、、」

あーだこーだどーだそーだ

ヘルメス「お〜〜い、お二人とも。素が出てますよ〜。完璧に無視されてるなこりゃ。」
参謀「もう、転職したいです。」
ヘルメス「でも、参謀さん今日は落ち着いてるじゃん。いつもだったら、二人の暴走に、テンパリわんこになるのに。」
参謀「わんこではありません。アヌビスです。って失礼な人ですね。私はいつも冷静です。」
ヘルメス「ワンワンキャウーン」
参謀「マミーの呪いでよろしいでしょうか?」
ヘルメス「すいませんでした。」
参謀「アナタこそもう少し、焦ったりしたらどうなんですか?」
ヘルメス「いや〜、あれを見せられてもね・・・」

あ〜だこ〜だ終了。


将軍「はぁ、はぁあ。アリエス、とりあえず、この話は後だ。」
副官「はぁ、はぁ、はぁ、御意。」

参謀「チェックメイト。」
ヘルメス「え〜、もう少し手加減してよ。」
参謀「駄目です。これで私の3連勝。頭がきれる割にゲームは弱いですね。」
ヘルメス「ルールが決まってるのは苦手なのよ。」

将軍・副官「・・・・・・・・・・・・・・・・」

参謀「なるほど、ゆえに戦場でのあの振る舞いですか。」
ヘルメス「まあね〜。よし、もう一回やろう。」
参謀「弱い割に勝負が好きなところも、そのままですね。」

将軍・副官「・・・・・・・おい、ウルス」

ヘルメス「ん?終わったの?」
参謀「はわっ!?リエル様、アリエス様、こ、これはですねえええΣ(´∀`;)」
将軍「ウルス、我等をおいてイチャイチャするとは抜け駆けか?貴様も我を出し抜きたいのか????」
副官「流石、知略のウルスというべきか」ゴゴゴゴゴゴゴ(なんかチャージ中う)

ヘルメス「もう、このくだり止めようよ・・・・」


〜〜仕切り直し〜〜


将軍リエル(以下、リエル)
「ということでだ。今のお前を、煮ようが焼こうが食べようが、我々の思うがままだということだ。どうだ、命乞いしたくなっただろう。」
ヘルメス「わー、おたすけー(棒」
副官アリエス(以下、アリエス)
「非力な人間の身で逆らうのが悪いのだ。ほれほれ、もっと泣き叫べ。人間は我々の大好物だからな。」
ヘルメス「えーん、えーん、助けて(棒」

リエル・アリエス「ハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」

参謀ウルス(以下、ウルス)
「上司二人が、頭空っぽ、かつバカにされているのに気づかなくて辛いです。」

リエル「しかし、多少(4年間…)手を煩わせたとは言え、我等の手にかかれば勇者もこのざまよ。」
アリエス「なにせ、我々は魔王軍の中でも若手のエリート。次世代のエースですからね。」
リエル「我の美貌とカリスマ性に、」
アリエス「私の武力があれば。」
リエル・アリエス「ちょろいちょろい、ハッハッハッハッハッハッハッハッハ(笑)(笑)(笑)」

ヘルメス「実際そうなの?」
ウルス「まあ、一応そういうことになっています。そもそもですね・・・」



説明しよう!
リエル、アリエス、ウルスの三人は、魔王軍士官学校で出会った義姉妹である。
一応、リリム最大の武器である美しさ(確かに美人)、将の器(常に自信に溢れ、偉そう)を備える、リエル。(親はもちろん魔王)
一対一、集団戦、共に士官学校創設以来の最高記録を叩きだした、アリエス。(親は魔王軍騎士大臣)
一般入試ながら、知略、軍略、品行方正(魔王軍だと意外と大事)で教師の最高評価と、ある意味魔物娘らしくないが、超優秀士官、ウルス。(意外と平民の出)
士官学校寮にて同室になったよしみもあり(アホな二人のお目付け役にウルスが付けられた)、義姉妹の契り(と言う名の、独身飲み)を結んだ三人はセットで、魔王軍侵略の先兵を任されていたのだった。


ヘルメス「ふ〜ん。本当に期待のエリートだったんだ。」
ウルス「過去形にしないで下さい。しかし、赴任した戦場にはアナタと言う障害が、ということです。」


さて、意気揚々と赴任した三人娘。
当初は、まさにエリートらしく、魅力・武力・智力を駆使し、破竹の勢いで進撃を繰り返していた。
(そもそも、魔物娘のスペックは高いので、普通に進軍しても十分なのだが)
このままのいけば、十分な戦果を挙げた上で、一時休暇(結婚相手を見つけた場合支給される)に入るのも過去最速かと思われていた。
しかし、その進軍を「止めた」のが、ヘルメスである。

いや、正確に言うと「緩めた」のである。


ウルス「長い目で見れば進軍は進んでいますが、その速度は通常の半分以下。我々の従軍期間は絶賛最長記録を更新中(´Д⊂ヽ」
アリエス「蹴散らそうにも不利と判断するや逃げられ、戦略を削ごうにもむしろこちらの将が減る(行方不明?)始末。」
リエル「さらには、如何なる主神の加護かは分からないが、我の魅力にも屈せぬとは、お前は化物畜生の類か!?」

ヘルメス「いやいや、それはあなた達でしょうが。」

ウルス「しかし、苦節4年。(珍しく)策がハマり、アナタを捕らえることができました。」
アリエス「ウルスの策が良かったとはいえ、一対一に持ち込めば私のモノよ(そういやマトモに戦ってくれたのこれが初だったか?まあいいや!)。」
リエル「(さらっと『私のモノ』とか言うな(# ゚Д゚))後は、我によって食われるのみ(食っちまえばこっちのもの!)。」

リエル・アリエス「「さあ、覚悟しろ!!!!」」
ヘルメス「あ〜〜〜れ〜〜〜〜(流石に覚悟決めるか)」

???「ちょっと、まったーーーーーーー。」

パリーーーーーーーーーーーーン
シュタッ

???「そこまでだよ!」

続く
12/12/27 18:34更新 / S.L.サンチェス
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■作者メッセージ
初投稿です。
どうも長くなってしまうな。

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