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「……あむあむ」 タイトルに突っ込む気も最早失せた私――ラン・ラディウスは、ジョイレイン地方で行われた『絡繰祭』で売っていた『カシオレクッキー』をつまみながら、準備を終えた宿の番台で一人だれていた。 懐かしい味がした。私の田舎では在り来たりな家庭菓子ではあったんだけど、それを懐かしく感じるほどに、長く故郷を離れたんだなぁと染々感じてしまう。 ちなみにカシオレの実は、地元の銘酒の原料でもあったりする。熟した身に酵母をまぶしてからいろいろあってお酒になるんだけど、甘くて美味しいお酒になる。これは地元の特産品みたいな感じで売られているかな。教会の人しか飲めなかったりもするし。 「私が飲んだのも、ここに来てからだしなぁ……」 背中で尻尾が、所在無さげにパタリと揺れる。既に……八本。あと少しで九本。手触り感が気持ちの良い毛束がポフポフと動く度に、とりきれなかった隅の埃が微妙に舞い上がる。寄生虫の心配はない。流石に妖狐の魔力は害虫にも毒らしい。 「……ふぅ」 ここまで一気に増えたのも、最近にかけて……というより尻尾が一本増える度に段々とオーナーの責めが自重を欠いてきているせいだったりする。 『獣式百八手をやろ〜よ〜♪』と、九尾の狐限定で人間に対して行われる交わり方を私相手にぶっ通し五周やったり、『焦らしプレイっていいよね〜♪』と、体の自由を奪いながら、触れるか触れないかのところを行ったり来たり、触れてからも連続寸止めをされたり、『オトコノコ、してみる〜?』と尻尾を一本オトコダケに変えられて秘所の上に生やされてハメられたり……。 ……逝った回数は、一日に十回より先は覚えてない。むしろ覚える余裕がない。人間なら廃人になりかねない、いや、絶対に廃人になるくらい濃度が酷い、オーナーの魔力がだだ漏れの状況で、換気用の設備があるが決してオーナーは使用しない密室で、店を準備することも出来ず、助けを呼ぶことも出来ず、下手をしたら朝から三日後や四日後の夜まで犯されキスされナメナメされ揉まれ撫でられモフられハグされすぼすぼされ穴という穴に入れられ交わり続け、ありったけの魔力を自重無しの勢いで注がれ続けた。 その結果……体のあらゆる部位は徹底的に開発され、快楽に慣れたが故に常に快楽を求めるようになり、男は愚か人間を見れば、どう犯そうか頭で考えてしまうようになり、番台をやっている最中も、気を抜けば尻尾が一本、しゅるっと生えてきて股間をまさぐる始末……。あぁ……きっと頬も熱ってるんだろうなぁ……。 ちなみにだれている理由としては、この時間に客が来ることはない。来るとしたら数分後であるということが十分判明しているからだ。所謂、同伴出勤の子達が来るまで、完全に暇になるわけで。 八尾になってから、私のスキルはますます上昇して、人間だったときの五倍以上の効率で店の設定を行えるようになった。オーナーの言う店の問題点や疑問点も理解できるようになった。確実に個人のスペックが上昇している。これも妖狐になったからだろう。 ……。嬉しいやら悲しいやら。 「あら、番台さん。ふふふ……お味の方は如何でしたか?」 暇潰しに帳簿の方を三度確認している私に話し掛ける、おっとりとした声。私が顔をあげると、そこに居たのは長い髪を金の簪で纏め、蜘蛛や蜘蛛の巣が描かれた、紺に白絣の着物を身に付けた、白い肌がとても艶やかで綺麗な、源氏名'ゲイシャ'さん。 「有り難う御座います、ゲイシャさん」 「あらあら……他の方はいらっしゃらないのですから、私の事は源氏名で呼ばなくても宜しいのですよ」 ふふふ、と奥ゆかしそうに、袖で口許を隠す'ゲイシャ'――ミナエ=ジョウレンさん。ミナエという名前は『オミナエシ』という花からとったらしいけど……彼女の種族から考えた可能性もある。 女郎蜘蛛である彼女の下半身は……分かりやすくはっきりと言えば巨大な蜘蛛だ。本来、蜘蛛にとっての顔と口にあたる位置には、女体の象徴である一本の筋が控え目に入っているが、それは着崩された着物の前掛け部分で隠れている。 八本の足を覆う甲羅は武器にもなるらしく結構固い。その代わりに柿の実状に膨れた蜘蛛の腹部や胴体はふよふよと柔らかい。時折'エンプレス'様や'ドーター'、あと'アリス'ちゃんが飛び乗ってふかふかもふもふしていたりする(ちなみにその三名は私の尻尾もふかもふしている)。 オミナエシ――女郎花はこう書く事から、女郎蜘蛛がつける簪にはよくその紋様が刻まれることが多いらしい。花言葉は『約束を守る』と言うことも、彼女達に伝わる伝説を考えればぴったし合っているし。 ……話が逸れた。そんな、『デルフィニウム』で働く女性の中でも比較的常識人な彼女、ミナエさんは源氏名でだけ呼ばれるのがあまり好きではないらしく、こうして私的な話の場では、本来の名前で(無論真名ではない)呼ばせるのだ。当人がそれで喜ぶなら、と私も彼女の事を名前で呼ばせてもらっている。 ちなみに私は……オーナーを除いてはランちゃんと呼ばれることはない。もう'番台さん'が愛称と化しているのだ。……私も慣れたし。 「そうですか……なら、ミナエさん。懐かしい味でしたよ。久々に故郷の地を踏んだみたいに……」 実際、カシオレクッキーは私の村では、親が娘に教える最初の菓子みたいな扱いだ。だからこそ、生活の一部として根付いている。風味が記憶にあるそれと比べて濃厚なのは、多分出店用でありお客さんの食べやすいようにするためだろう。うちのクッキーは割りと味が薄目だった筈だし。 「そう言っていただけると、私としても買ってきた甲斐がありますわ。オーナーなんて、麩菓子を硬化させて下の口で味わっていましたから、普通に味わう方の言葉は嬉しいのですよ……どうなさいました?」 思わず番台に突っ伏した私に向けて、ミナエさんが不思議そうに声をかける。いや、不思議そうにされても困るんだけど。 いや、だって……お菓子よ?しかもお土産よ?わざわざ遠路遥々買ってきたものを、しかも柔らかくて口どけのあっさり感を楽しむためのお菓子に、何故わざわざ硬化の術をかけてバイブがわりにしますか。そりゃあ目の粗い表面のザラザラ感が、肉襞や膣と絡み合って何とも言えない快楽を産み出すんだろうけど……それで奥まで突っ込んで……糖分が溶けた愛液を……来たお客様に舐めてもらって……奥に……もっと舌を奥に……って!? 「……本当に番台さん、どうなさったんですか?」 番台に頭を二三回ぶつける私に、訝しむような目線を投げ掛けながらナミエさんが訊いてきた。このまま夜の彼女はドSモードに変化して、有らん限りの語彙で丁寧に罵るんだけど、幸い今は夕方。Sになるにはまだ早かった。 「……い、いや、何でもないのよ……」 痛みで何とか性欲が沸き立つのを抑えた私は、息を荒くしながら彼女に何とか返事をした。……まさか一瞬とはいえ本気で、麩菓子プレイも良いかな、なんて考えてしまうとは……恐ろしすぎる。 これも尻尾増加の影響だったりする。あらゆる物品のエロ利用とそこから繋がる斬新なプレイを思い付き、良いなと思えてしまう心理変化。多分今の私なら、どんな変則的プレイでも受け入れてしまうのだろう……。現に数日前も、番台の角を使ってお〇んこを擦り合わせたら、あるいはお〇ん〇んの裏筋を擦ったらどれだけ気持ち良いかな〜、なんて考えて、危うく本当に生やすところだったからね……。 もしこれが夜モードの彼女だったら、私は確実に言葉責めを受けるMモードになっていただろう……恍惚とした表情を彼女に見せて……ぅぁぁ。 「?」 不思議そうな顔をする彼女に、私は取り繕うように捲し立てた。 「とっ、ところでっ」 「……はい?」 「た、頼んでおいたシーツは、あとどのくらいで出来そうかしら?」 うちの店で使うベッドのシーツやバスローブは、その大半が彼女製作のものだったりする。本来は彼女が自らの着る着物を作る片手間に作成していたものだったが、その肌触りが好評だったことから(女郎蜘蛛だから当たり前らしいけど)、給料を弾む代わりに一定数作ってもらっているのだ。 洗濯する立場としても、香りが染み込みづらくてわりと丈夫な繊維をしている、彼女特製のシーツが一番洗いやすかったりする。肌触りも良くて……ね。流石に数は頼めないけれど……。 「シーツ、ですか……ふふっ。おおよそ、後三日ほどで納品出来ますわ。だって……」 ……あ。何か踏んだかも。 徐々に、つり上がる彼女の眼尻。もしやと思って時間を確認すると……そろそろ日が暮れる頃合いだった。つまり、ミナエさんに、ドSの神が降臨する時間――! 「……だって、だらしのない旦那様が三日三晩私と突き合い付き合うなんて、身の程知らずも良い事を仰るのですもの……ふふふ……最初はその粗末な物を私の糸でほんのちょっとカリを縛るだけでぴぃぴぃとまるで蝉のように喧しく鳴きながらよがり狂って精をぴゅるぴゅる吐き出すだけだったあの旦那様が、ほんの一日ほど、相当量手加減していた私に犯され続けても平気になられただけで、御自身が随分立派になられたと勘違いなさって……ふふふふふっ……宜しいですわ。思う存分縛って、包んで、貫いて、吸って、吸われて、鳴かせて、放たせて、嵌め込んで、犯して、犯して、存分に犯して差し上げますわ……身も、心も、全て私に捧げてしまうほどに……。どれだけ御自身が惨めで哀れな変態でいらっしゃるか、思い知らせて差し上げますわ……ふふふ……ふふふふふ……♪」 「……」 ……おお、こわいこわい。 取り敢えず三日後、お客様が無事に帰れることを祈ろう。そう私は、生命力強化の札を彼女の部屋に貼ることを決めたのだった……。 ―――――――――――――― 開店準備を終わらせた私は、オーナーに報告した後で、一人番台で客の出迎えるための準備をしていた。準備と言うのは……私自身の対策。 オーナー曰く、「そんな事するのはランちゃんだけよぉ♪」らしいけれど、流石に自らの職務を考えると……ねぇ。 「……んんっ……んあふぁっ……」 と言うわけで私は、発情抑制と魔力漏れ防ぎの札を、それぞれ陰唇と尾てい骨の辺りに貼っていた。これだけしておかないと、客が来て早々私が襲われかねないし。でも……理性を忘れて、荒々しく私を蹂躙してくれる殿方も中々素敵なのよね……ふふ……その殿方の全身を尻尾でよがり狂わせてあげられ――っ! 勢いをつけて左右に首を振る私。何を考えてるのよ!あぁもぅ本当に妖狐はエッチなんだからっ!しかも段々と心が変化してるし! ……あぁ……気付いたら陰唇に貼った札が愛液でくしゃくしゃに……また張り直しだ。ぅぅ。 十数回の試行錯誤の後に、何とか貼り終えた私は、急いで女中用の服に着替え、番台へと向かった。 予約数を考えると、相当捌かなきゃならないな……これは。もうっ!仕方ないとはいえみんなどうしてあんなにエッチなのよっ!男6対従業員1とかどんな野獣チックなレイプよ!あと何でお客に女性が混ざっているのよ!撮影!?当店は幻影絵巻の使用は禁止されているのよ!? ……色々と考えると疲れてくる状態なので、私はそれらの思考を一切排して、お客様を捌く事に集中することにした。 開店時間。きぃ、と音を立てて、店のドアが開く――。 ―――――――――――――― 「……今日も、何とか終わった……」 空気の浄化を常に行っているにも関わらず、酷く性臭のする部屋。そこに積み上げられ乱されたシーツを運び、洗い、干す。 店のオーダーを締め切って数時間後の午前八時頃。客を帰した部屋だけを巡り、私はいつものように洗濯物を干していた。一時期は収まっていた発情も、尻尾の数が増えたことで復活。正直股間の札が無いとやってられません。だって一枚干す度に性交の様子がありのままに眼前に示されて……って、いつの間にサイコメトリング能力が追加されたんだろう、私……。 全てのシーツを干し終えて、本日の帳簿を受け取ったか確認しに行く私。階段を昇るとき、明らかに股間の札がぴらぴらと揺れているのが分かる。どれだけの魔力をオーナーが持っているかが、体に十分感じられる……本当に、体に。 実質、プチ羽毛擽りだ。魔力によって振動するその先端が、皮膚に触れるか触れないかのところではためく呪符は、私の股間に言い様の無い痛痒感をもたらす。痒みと思って馬鹿にすることなかれ。その痒みのもどかしさは、性交の焦らしに近しい感覚を私にもたらすのだ。特に、体の隅々まで快感に染め上げられたことのある私にとっては――! 「……うぁぁ……っ、ぃひぅぅ……ひゃっ!……んぁぅぅ……」 ――このように、毒の床かバリアーの上を歩く勇者一行よろしく、私の精神耐久値にダメージを与え続ける。 正直、今すぐ剥がしてしまいたい。でも、剥がしたら剥がしたでまた、とくとくと沸き上がってきて、ぷしゃっ、て溢れちゃって……この辺りがいいかおりになるんだよねぇ……うふふふふ……うふふふふふふふふふ……はっ! 無意識に股間に伸ばしていた手を何とか押し留めた。いけないいけない。また掃除のやり直しになっちゃう……。 気を抜けば淫らな妄想を考えてしまう私。気を保たなければ、今頃は階段の手摺にほとを擦り寄せていたかもしれない……ツルツルに磨がれた木の手摺は、陰唇を傷つけないで……おまめさんをやさしくなでてぇ……きゅんってもどかしくぅ……あぁもぉっ!やっぱりオーナーの魔力が近すぎる! もうだめ……多分そろそろ呪符の文字も愛液で滲んでいるころだし……早く……はやくぅ……っ。 内股気味になりながら、私は速足でオーナーの部屋に向かったのだった……。 「……はふぅ……はふぅ……」 帳簿はしっかりと印がつけられていた。最近は訂正も少なくなってきている。私も賢くなっているのかもしれない……けど、それに嬉しさはあまり感じない……だって。 「……ひぅっ!」 本日幾度目かの絶頂。何をしたわけでもないし、寧ろ何もしていない。……原因はオーナーの魔力と私の、妖狐としての本能。それが見事にかち合って、耐えているのに勝手に絶頂に達しているのだ。 自室に着いた私は、早々に、早々に女中用の服を脱ぎ、下着も脱いで、金盥の上に座り、ひたすらに衝動か収まるまで耐えていた。理由?手を出したら――それこそ仕事前までずっと自分を慰める嵌めになってしまうから……。 「……んはぁ……ぁひゅぅ……」 段々と、衝動が収まっていく。とくん、とくんと、子宮の疼きが収まっていく。金盥には……二センチほどの愛液溜まりが出来ていた。オーナーはこれを精製して、媚薬にしているみたいだけど……これが売られているなんて……。 コンコン、と戸が軽やかな音を立てた。何とか疼きを抑えた私は、愛液に濡れるお尻や太股をナミエさん製のタオルで拭き取ると、女中の服に早着替えし、戸を開け――! しゅるるるるん♪ 「……あ……」 ……全然予想もしてませんでした。まさか戸を開いたら大量の尻尾に絡まれることになるなんて。しかも明らかに――オーナーの部屋に繋がっているなんて。そもそも予想出来る人はいるの?これ。 ――ドアの向こうは、素敵な部屋でした♪ 「っていやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんむぐっ♪」 無数のふかふかする尻尾に巻き取られた私の、絶叫をあげる口の落下点。それは恒例の――オーナーの豊満な乳房。マシュマロのような柔軟性にゼリーのような弾力性を兼ね備えたそれは、私の顔を受け止めるのと同時に、密着するように形を変えた。 すっ、と私の両腕の横から伸びる腕。同時に体全体がオーナーの方に押し付けられていく感覚。濃密な魔力が自重無く放出され、肌から服を通り抜けて肌へと吸収されていく……。 もふもふふさふさした尻尾が、まるで繭のように私とオーナーの体を包み込んでいく……。同時に何本かが、私の服の中に入り込んで、優しく脱がしていく……。 「んんんむんんんっ!んんっ!んおんんんん〜〜っ!」 叫んだところで、その声はすべてオーナーのたわわに実った水桃に吸収され、熟れた甘く深い味わいの媚香に姿を変え、私の中へと放たれていく。意図的に鼻は外されているため酸欠で朦朧とすることはないが、その代わりに空気に混じったオーナーのフェロモンを、過大に吸収してしまう事になり、そのせいで頭がふわふわしていく……。 瞳の光が緩みかけた頃、オーナーは心底嬉しそうに私に話しかけてきた。 「んふふっ♪ランちゃん、こぉんなに喜んじゃってぇ……♪おねぇさん嬉しいわ♪」 喜んでないんですけど。しかもいつ私が妹になりましたかオーナー。 「どんどん、あなたが甘えたいと思うままに甘えていいのよぉ♪」 甘えたくないんですけど。寧ろ抜け出したいんですけど。 「ふふふっ♪綺麗な肌ぁ……♪食べたくなっちゃう♪」 あぁ……剥かれていく……オーナーの意のままに服が剥かれて、肌がさらけ出されていく……っ!? 「んひゃむんっ!」 さらけ出された肌をなぞるように、柔らかな狐尾が波打った!ほどけた筆のように、繊維の一本一本が明確な意思を持って私の体を這い回り、覆い被さっていく。 痒さともこそばゆさともとれる刺激に私は背を反らせ叫んだが、直ぐ様オーナーに引き寄せられ、胸をくわえさせられてしまう。同時にぴゅ……と漏れ出す母乳。濃く深い糖の味を私の脳が意識したとき、既に尻尾は腰回りまで私の服を脱がしていた。 「ふふふ……♪辛いんでしょお……♪ずっと耐えて、我慢してたんでしょお……♪」 毛束に混ざって、オーナーの手も踊り始めた。髪を鋤いて、首筋から背筋まで、仄かに爪を立てながらつつ……と、指でなぞっている。もう片腕は、私をオーナー自身の尻尾と一緒に抱き締めている。柔らかくて暖かい毛布、むちむちとして暖かいオーナーの肌、双方から塗りたくられるほどに吹き付けられる妖狐の魔力に、私の意識は次第に朦朧とし始めていた。 「んんっ!んむんっ!」 かと思うと、這い回る指と尻尾が私に刺激を与え、一瞬の覚醒を促す。刺激――痛みではない。寧ろちりちりと私の理性を焼くような――もどかしい快感。それに敏感になった私の体がびくびくと反応しているのだ。その度に私の顔は胸に盛大に特攻し、甘露である母乳を絞り出していく。震えが止まると母乳が効いてくるのか、再び私の意識が遠くなっていく……まるで揺りかごの中にいるかのように……。 しゅるしゅると、何かが外されていく音がする。同時に、腰回りにオーナーの尻尾の感触。腰の帯を完全に外してしまったらしい。 今や私の全身の後ろ半分は、オーナーの尻尾が占拠してしまっていた。背筋に沿ってちろちろと、脚に沿ってくしゅくしゅと、首筋をもふもふと……、人間なら、あまりの擽ったさに大声で笑っているところだろう。実際、私も笑っていた。 ただし――余りの気持ちよさに浮かべるそれだったが。 「ふふふっ♪ランちゃん、今、解いてあげるわねぇ……っ♪」 いつの間にか、オーナーの愛撫の対象が、私の臀部へと移行していた。どちらかと言えばむっちりしていた私の臀部は、オーナーが撫でるのにさぞ具合が良かったのだろう。さわさわと軽く撫でつつ、菊門を擦り(――ッ!)、割れ目に沿って爪をほんのり立てつつ、尻たぶを揉み、そのまま尾底骨へ――っ!? 「えいっ♪」 何の予告もなくオーナーは、貼り付けてあった魔力漏れ防止の札を剥がしたのだった。 「〜〜〜〜〜っ!んむああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアああああああアアアアアアっ!」 体の中に、突如として発生した大量の熱が、手足や皮膚を突き破って出ていこうと荒れ狂っている!痛さよりも、何処までももどかしい感覚が強い。 まるで殻を破ろうともがく成虫みたいだ。外に出せと叫んで叫んで暴れている。熱が内側から私の体に火傷を負わせていく。その部位がじくじくと疼くのを、私は叫びながら耐えることしか出来なかった。 やがて――熱源は尾底骨と頭部を突き破るように解き放たれる! しゅるるるるるんっ♪♪ 「んはぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ………♪♪」 体の中に辛うじて抑えられてきた魔力と同時に、ふさふさな尻尾が八本と、三角の耳が飛び出してきた。解き放たれる快感に、私の全身はがくがく震え、もはや押さえるものがなくなった股間から、愛液がとくとくと垂れ落ちていく。 オーナーはその愛液を――私の陰唇を擦って手に取り(ひゃああああああああっ♪)……吹き掛け、びしょびしょに濡れた手を舐めとっていった。 「ん〜っ♪お・い・し♪やっぱりランちゃんのラブジュースは、ジュースって言うだけあるわぁ……♪ あぁ……吹き付けてくる魔力も、ねっとりぬっとりして気持ちいいわぁ……まるでローパーの娘とくんずほぐれつやってた時みたい♪」 どんな例えですか、と普段の私なら言っていたに違いない。言って……多分尻尾を触手に変えてくんずほぐれつやっていただろう。寧ろ以前ヤられた。オーナーに自重の二文字はないのだ。 そもそもの問題として、私は今言い返せる状態になかったりする。あまりにも……おきつねさんのすがたが……きもちよくてぇ……っ!いけないいけない!また――!? 「ひぃああああぁぁあああっ!」そんな私の考えを解きほぐすかのように、オーナーは私の尻尾を三つほど、逆立てるように撫でた!しばらく触れられていなかった器官は、オーナーの魔力の影響で感度が遥か上にまで登り詰めており、背筋に悪寒にも似た電流が走る!それすらも快感として私の体は捉え――こ、心が、理性がぁっ! 「だめよぉ……ランちゃん♪我慢したらめっ♪もっと素直になって……そう、気持ちよくて気持ちよ〜くてぇ♪ふわふわした気持ちになっていいのよぉ……♪」 オーナーの、アルラウネの蜜のごとく濃密でねっとりとした声が私の耳元で響く。崩された心の障壁の隙間から、少しずつ声が染み込んでいく……。 「ほぉらぁ……♪」もみもみ 「んひゃあぁぁぁぅぅ♪」 理性が……。 「ねぇ……♪」さわさわ 「ひぅああああぁぁ♪」 少しずつ……。 「ふふ……♪」すりすり 「んはぁぁぁぁぁぁぁ♪」 瓦解、していく……。 執拗に尻尾を弄るオーナー。毛束に手を埋め、逆立つように、まるで男を扱くように擦り、指先で玩ぶ。その度に敏感になった私の体はあちらこちらに跳ねていく。それをオーナーの尻尾が受け止め、さらに私の体をくしゅくしゅもふもふと擽り纏う。 「ふふふ♪ランちゃん、ぼぉ〜っとしてきたよぉ……♪いい顔だわぁ……んむんっ♪」 全身が脱力した私の体を尻尾で支えつつ、オーナーは唇を私のそれに合わせてきた。同時に舌を割り入れ、私のそれに絡めてくる。 「んぅっ……んむんっ……んんぅっ……♪」 手では愛撫を加えつつ、口の中にも淫らな愛撫を加えるオーナー。貪るように唇を押し付けつつ、舌であらゆる箇所を蹂躙していく。口内粘膜を削ぎ取り、自身の唾液を塗り付けていく。歯茎から歯の表面、親知らずから歯間、歯の裏側まで、一切を自らの領土にしていくように……。 私も自然と、オーナーの舌に向けて自分の舌を伸ばしていた。だって……きもちよくなりたいから……。 「んんぅ……んんんっ♪」 それに応えるように、オーナーも私に向けて舌を伸ばしてきた。二匹の赤い蛞蝓のラブダンスが、私の口の中で行われている。執拗に体をくっつけては離して……。 オーナーは、私の舌を今度はオーナーの口の中に招いた。同時に、私の口の中を吸引していく。まるで魂すら抜いてしまいそうな口使いに、私はただ……気持ちよさに瞳を細め、股間から愛液をとろとろと垂らすだけだった。 「んんむんっ……ぷはぁっ♪ふふふ……いいお顔……♪」 オーナーが口を離した時、いつの間にか私はオーナーに押し倒されていた。ふさふさもふもふした私達の尻尾が、柔らかく背中に当たって、まるで高級な毛布の上にいるような、暖かな感触を伝えてくる……。 「ふふふっ♪ランちゃんか〜わい〜♪」 にっこりとした笑顔でそう告げると、オーナーは尻尾を何本かぞわぞわと逆立てて……? ずぽおおぉぉっ! 「そーれ、こちょこちょこちょ〜♪」 「!!!!ひぁぁああああああぁあああああああぁあぁああああああっ♪♪♪」 私の両耳の穴の中に、柔らかな毛束を持っている尻尾が入り込んだ!毛羽立った先端が、私の鼓膜を直にちろちろとまるで乾いた蛇の舌のように擽っていく! 「うふふ〜♪ランちゃんの耳掃除ぃ〜♪」 楽しげに宣言する最中も、オーナーが尻尾を止めることはなかった。毛が抜けることはないので耳が毛だらけになることはないけど、なってしまうかもしれないと思わせるほどに激しく尻尾は蠢く。 ふさふさの毛束が、私の三半規管を揺さぶるほどに回転し、耳垢を全て削り取ってしまうかと思われた。それでいて、痛みは全くなかった。寧ろ、ポンポンで耳垢を取ってもらっているような、どこか暖かな感情すら浮かんできたほどだ。 「いああ!あいああああぁああぁぁぁぁぁぁんっ♪」 同時に背中への愛撫も続けられ、過敏になった触覚が逐次脳へと快感のシグナルを送信し続けている。 びくん、びくんと跳ね回る体。こそばゆさと気持ち良さの狭間で、私はただオーナーに刺激を与えられるままに動いていた……。 既に理性は働き者にならなかった。代わりに抑えられてきた本能が、オーナーにラブコールを発している。 「――んはぁぁんっ♪」 私の尻尾がひとりでに動いて、オーナーのそれを逸物よろしく扱き始める。感じたオーナーは、さらに耳に入れた尻尾の動きを激しくして――っ!? 「んああああああああああああああああああああっ♪」 ぷしゃっ!という音が、絶頂を迎えた証拠として耳に届いた。どうやら潮を吹いてしまったらしい。オーナーの体に、私の愛液がまぶされる……!? 「あぁあんっ♪ランちゃん♪もっと……もっと気持ちよくなろうよぉっ♪」 発情しきった甲高い声でそう叫びつつ、オーナーは――私の陰唇にオーナー自身のそれを重ねてきた! 「んあっ♪んんはぁぁっ♪」 ぐちゅり、ぐちゅりと貪欲に食いついてくるオーナーの'唇'。先程上の口でしてきたような、過剰に相手を求め合うそれが、下でも同様に行われていた。 流し込まれる、オーナーの愛液。それは私の中で撹拌され、オーナーの膨大な魔力を私の中へと送り込んでいく。 両脚で私の脚を挟み込んだまま、オーナーは腰を前後に振っていく……! 「んあっ♪んあぁああぁああぁあっ♪あぁあんっ♪」 自然に、私もオーナーに合わせて腰を振り始めた。押し付けるときは一気に押し付けて、引き離すときは一気に引いて……気付けば、私とオーナーの間に、無数の愛液の糸が引かれていた。まるで二人を引き離させないように……。 「あんっ♪ぁああんっ♪いぃっ♪いぃわぁっ♪んんっ♪んぁっ♪」 最早私は、何がどう犯されているのか、理解の範疇を越えた世界にいた。耳をずっと擽られ、背中を愛撫され、体はずっと愛撫を続けられていて、そして股間は――っ! 「あぁんっ♪ランちゃんっ♪いこうっ♪いっしょにいこうよぉ♪んああぁああああんっ♪」 感極まったオーナーの言葉。それと同時に――! すぼぼぉぉっ! ――私の尻尾が、オーナーの陰唇を割いて奥へと差し込まれたのと同時に、オーナーの尻尾が、私の陰唇に差し込まれた。 私の尻尾は――貫いただけで止まったけど、オーナーの尻尾は――っ!? 「……ひ……」 下腹部から、振動が全身に伝わっていく。ある一点で発生した多大なる情報の波が、一気に全身を巡り、脳へと殺到する。 情報の正体は、快楽と刺激。して、その原因は――! 「――ひぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ♪♪♪」 ――オーナーの尻尾が、魔力とフェロモンと快感によって包皮が剥けて剥き出しになった私のクリトリスを、一気に刺し貫いたのだ。 感度が限界点にまで引き上げられた私は、伝えられる刺激に脳が耐えることが出来なくなり――そのまま背を反らせながら果てた。 ふわふわとした無数の……でも実際は多分十四本の尻尾が、優しく体を受け止めていた……。 ……その後、オーナーに魔力を注がれて、何とか体力的には復活した私。でも……普通に頭の中がほわほわして、何も考えられない……。 「ランちゃん♪私は……おねぇさまよ♪」 だから……。 「……おねぇさまぁ……」 「そうそう、私は貴女のおねぇさま♪」 「……おねぇさまぁ……」 「そうそう♪もっと……呼・ん・で♪」 「……おねぇさまぁ……♪」 「あぁんもぅ♪何て可愛いのっ♪ランちゃん大好きぃっ♪」ぎゅっ! 「!!おねぇさまぁ……♪だい……しゅきぃ……っ♪」ぎゅ…… ……このようにして、私の催眠学習は進んでいくのだった……。 ―――――――――――――― 「と言うわけで、ラミアムの所に行くわよ♪」 「は……はい、お、おね……オーナー」 大きな舌打ちが聞こえたけれど気にしない。ごめんなさいオーナー。それを崩すと私の中で何かが崩れそうなので勘弁してください。 ラミアム、と言うのは私達の商売相手だ。前に言ったように、この『デルフィニウム』には、軽度の筋肉弛緩や発情効果は言うに及ばず精力増強や精の良質化、体力回復等の効果があるに事欠かない。そのアイテムを外部に売ったりすることもある。買う相手がいるのか?魔物の店でしょ?その辺りは蛇の道は蛇と言いますか、狐の道は狐と言いますか……売る相手には困らない。世の中どこかおかしいと思ってしまう。 まぁそんなことよりも兎に角、そんなわけで私達は定期的に、商売相手の所に出掛けたりしているのだ。別に魔物共通硬貨なるものがあるわけではない。普通に――周辺国の硬貨だ。 「行ってらっしゃいまし……」 私達を見送るのは'マイコ'はん。'ゲイシャ'さんは今日もお客さん(曰く、だらしない旦那さん)と交わっている。多分このまま二日は交わり続けるのだろう。 抜け目ないおね、オーナーは、しばらく店を臨時休業する事をお客に伝えている。それでも来た客は……専属の娘がお相手する……割り増し料金で。 その分、目一杯サービスするみたいだけど……みんな、目が爛々としすぎだよ……。一応、体力増加の札は渡しておいたけど、貼るの忘れて襲っちゃったりとか……しないわよねぇ……まさか。 不安は尽きないけれど、おねぇ……オーナーは至って気にしない質らしく、オールオッケーらしいことを言っていた。さすが……わたしのおねぇさま……ハッ! 「……ふふふっ♪」 心を読まれたのか、隣のおねぇ……あぁもうっ!オーナーが私を眺めて愉快そうな表情をしている……いや、魔力放出やフェロモンは自重してください。荷馬車の馬が暴走しますから。 「ならぁ……ランちゃん、抱かせて♪」 「駄目です。私を抱いたらおねぇ……オーナーは魔力を抑えるのを止めてしまうでしょう?流石に仕事中は恙無く行きましょうよ……」 「むぅ〜」 「頬を膨らませて拗ねても駄目です」 「良いじゃなぁい♪収益はずっと黒字だしぃ♪ちょっと……ちょっと荷馬車が遅れるだけだからぁ♪」 その'……'は何ですか。どれだけ遅らせる気ですかおねぇさま……あぁっ!もうっ! 「千里の堤も蟻の穴から、ですよ。目の前の懸念事項が優先です」 「ぶ〜ぶ〜」 無視。しかし何て子供っぽいブーイングなんだろう。気にしてもしょうがない……え? 「馬車が止まったわねぇ♪」 おね……オーナーの発言が最後まで響く前に、咄嗟に馬車の戸を掴み脱出する私。危ない危ない。このまま止まったことを良いことに犯されかねない。そうそう犯されて……いいかもしれないけど……きもちいいけど……ってだから私!しっかりしてよ! 一先ず、馬車が止まった切っ掛けを前に行って確認すると……。 「行き倒れかしらぁ♪」 「っていつの間に!」 どうして!?私、おねぇさまより前に出たわよねぇ!?転移の術は使えないって……まさか、あの葛藤中に……ぁぁ、不覚。 自分という生物が変化してしまった事実に悲しくなりつつも、私は目の前に倒れている人物に視線を移した。 魔物……ではない。人間だ。性別は、男性のようにも見えるけれど……女性。年齢は……多分十かそれより少し上。……着ている服は上も下もボロボロ。あちこちに傷を負っているみたいだけど……。 と――、私は少女が身に付けていたアクセサリに、何かが彫られているのに気が付いた。名前か、創ったクラフトマンの名前か、何れにしても調べてみる必要があるし……。 「手当てもしたいし、荷馬車に乗せちゃお♪」 オーナーの提案に、私は直ぐ様頷いた。否定する必要もないし……ね。 ―――――――――――――― 「ご主人様ですね、ご案内致しますので、私の後ろにいらして下さい。道をお作り致しますので」 ……毎度の事とはいえ、壮観だ。目の前に広がる、超巨大なスライムプール。所々男性が埋め込まれて、気持ち良さそうな喘ぎ声をあげているのが気になったとはいえ……おね……オーナー、どれと交わろうかなんて品定めしないで下さい。 俗称、'スライムの国'――そこに住むのは、愛し合う男性か、スライムのみという何とも凄まじい国だ。当然俗称なのには訳があって……これ全部、ラミアムさんの体だったりする。で、前を案内してくれているメイドさんも、ラミアムさんの一部なのだ。性格を違えているのは、どうもラミアムさんの趣味らしい。まぁ、確かに同じ性格に同じ顔の従者ばかり……っていうのも、なんか怖いし。 クイーンスライム……それがラミアムさんの種族だ。ただし……わりと規模は大きい。前来た時点で『デルフィニウム』の土地面積と良い勝負だったから、多分今は……どれだけ大きくなっているのやら。 件の少女は、流石に荷馬車に放置するわけにもいかないので、オーナーがおぶさって行くことになった。私は、品物類を運んでいる。大半のものはスライムメイド達が運んでいたとはいえ、一部は流石に自分達で運ばなきゃ相手に失礼だろう。 妙に弾力がある道を、荷物を背負って進む狐二人。もちろん私達は体は人間に化けているわけだけど。おねぇ……オーナーは胸元と太股が強調されるチャイナドレスを身に付けているわけで。失礼な格好?いえいえ、男性相手にはこれは有効で、女性相手にも、極端な潔癖性な相手以外には大体有効な服だったりする。で、極端に潔癖性な相手には、相手の地方風俗に合わせた服を身に付けた私が出向くことになる。 ……でも商売柄、私が出向くことが少ないのは言うまでもない。 「……っと」 ようやく、ご主人――ラミアムさんの場所に辿り着いた私は、目の前の玉座に腰掛けて、男を誘い掛けるように脚を組み、豊満な胸をたゆんたゆん揺らす、ロングの髪が魅力的な女性に視線を移した。 「ほほほ……よく来たわね、ハンス、そしてランちゃん」 「やっほ〜、ラミー♪また大きくなったんじゃない?胸とかぁ♪」 私はちゃんまでで一つの名前らしい。まぁそれは兎も角として、おねぇさま……オーナーは目の前にいるラミアムさんにいつもの調子で話しかける。 「当然よ。みんなで毎日愛し合っていれば……ねぇ?ラム」 ラミアムさんがそう、近くに侍らせていたメイドさんに熱い視線を送る。先程まで私達を案内していたメイド――ラムさんは、その視線にやや恥じらいをもって答える。 「ええ……私のご主人様など、私の愛情を飽和させるほどの懸命なご奉仕に、悦びの声を挙げながら褒美を下さって……それも何度も……♪」 恥ずかしさから俯いてしまうラムさんに、ラミアムさんはやや意地の悪い笑みを浮かべた。 「ほほほ……気道を確保しながらの貫通プレイに、蛇のような形に舌を変えての舌戯、乳腺責めに尿道責めをしている貴女が、何を今さら恥ずかしがっているのやら」 「やぁぁ……おっしゃらないで下さい、女王様ぁ……。私はただ、ご主人様に至福の時を味わっていただきたいのです……」 「その割にノリノリだったじゃないの……『ふふっ……分かりますか?今、私が何処に居りますのか……ふふふっ♪』なんて……体内清浄もスライムメイドの勤めなんて教え、私はしてないのに……」 「そろそろ話を進めても良いかしらぁん?ラミー」 このままだとずっとラミアムのターン!でラムさんを弄り倒しそうだったので、痺れを切らしたおねぇ……オーナーがラミアムさんに話し掛けた。 「あ、ごめんねぇ。ラムがあまりにも可愛いから、いつもの調子でついやっちゃうんDA☆」 羞恥のあまり体をびくんびくんさせているラムさんを尻目に、ラミアムさんは平然と言ってのけた……恐ろしい。 「ちょっと待ってね」と一声、ラミアムさんは体内から何かを取り出して……財布。それもわりと大きな財布。いつ見ても……何処に保管してあるんだろう……それ。 ラミアムさんは領収書をしげしげと眺めながら、札束と金硬貨数枚を取り出した。 私はそれを受け取り、レートを計算しつつ、お釣りとなる分の硬貨を返す。 「いつも有り難うね♪貴女達の'九尾湯の素'は、本当に体から淫らになれるから素敵なのよ……ね♪」 ぼふんっ! 「あ」 ラムさんから湯気が……そのままぽすん、って床に倒れ込んで、そのまま沈み込んでいく……。 「あらあら、しょうがない娘ね……自分でやって来たプレイを思い出して、恥ずかしさと気持ちよさに倒れちゃうなんて……。後でたぁっぷり、躾てあげなくっちゃ♪ほほほほほ……」 椅子と一緒に私達が持ってきた商品を沈めつつ、手に鞭を具現化するラミアムさん。……明らかに、この後ラムさんに対して振るうのだろう。 というか、'九尾湯の素'で一体何をしたんだろう……。 「ふふふっ♪駄目よぉラミー♪それじゃラムちゃんにとって御褒美になっちゃうじゃない♪」 それもそうね、と鞭を仕舞うラミアムさん。決断してからの行動がこうも早いものとは。……でも多分、今度は放置プレイでもするんじゃなかろうか。 「じゃ、今度は二十時間ほど放ってみるわね……ほほほ、どんな反応を見せてくれるのかしら……♪」 やっぱり……。至って分かりやすい結論に、私は溜め息を吐いた。 「あ、そうそう♪放置プレイで思い出したんだけど……♪」 あ、そう言えば彼女。目の前の風景に呆気にとられて忘れていたけど……さっき行き倒れていた女の子。……お願いだから思いだし方が酷いなんて言わないで。 おねぇさま……オーナーは彼女を背中から降ろすと、ラミアムさんに見える位置に置いた。実際、何処に置いてもラミアムさんは彼女を捉えられるらしいけれど、単に気分だろう。 「?この人間は?」 訝しむラミアムさんに、おねぇさ……オーナーは何の気無しの言葉で返す。 「ここに来る途中で拾ったのよぉ♪ねぇラミー……。 ……この辺りで、最近大きな争いとかあった?あるいは、魔物反対派の勢力が増長したとか」 でも、語られる内容は至極真面目なものだ。彼女の怪我……それは草木によって裂かれたにしては断面が妙に綺麗すぎたのだ。恐らく剣か、それに類する刃物。あるいは鎌鼬かによるもの。 魔物は一部を除いては襲わない。少なくとも野盗がやるような乱雑な方法では。もっと搦め手――尻尾でもふもふとさせたりフェロモンや精神感応の術を使うはずだ。……少なくとも私が魔物だったらそうする。おねぇさま……オーナーでもきっとそうするだろう。 魔物でないこの子が、肉体的にいたぶるように襲われる理由としては……まず大半は抗争に巻き込まれたと考えるのが妥当だ。他に思い当たる理由は例外として、人間嫌いの魔物が嗜虐願望を満たすためにやったか……野盗か。 でも、と私は否定する。元々、この子の服装は質的にボロボロであった。それこそ、町の娘の平均的服装よりも遥かに。そんな娘を、わざわざ野盗が狙うだろうか?まさか意図的にぼろを着せている?あり得るの? 「お姫様が亡命……してきたにしては、服もアクセサリもお粗末だしねぇ……。そんな安物ネックレスじゃ、町の男の子一人振り回せないでしょうに……ねぇ」 少し悲しげに呟きつつ、おねぇ……オーナーはその女の子からネックレスを外し、ラミアムさんの眼前に示す。ラミアムさんはそれをしげしげと見つめると……メイドを一人呼んだ。 ぐごぽっ、と床が粘体の塊となって盛り上がると、それが徐々に人の……メイドの形を取り始める。ラムさんよりもやや小柄な……何処か性格がキツそうな縦ロールの女性は……、完全に体が形成されたところで目を開いた。 「……お呼びですか?ラミアム様。今日は私、一日プライベートの筈なのですが……」 何処か苛立たしげに尋ねる声を、ラミアムは完全にスルーした。 「ウル、この玩具のネックレスは何処のものかしら?」 「言ったらすぐ還してもらえますか?」 「ええ。わざわざ呼んでごめんね」 全く……と愚痴を呟きつつネックレスを手に取るウルさん。横に書かれている文字を読み取って……溜め息を吐いた。 「よりにもよって現在内乱中の場所じゃない……」 そのままラミアムに耳打ちすると、私達にサヨナラの一言も言わずに、ウルさんは床に沈んでいった。後に残されたのは、溜め息を吐くラミアムさんだけ。 現在内乱中……とそこまで考えた時、既におねぇさま……オーナー……、おねぇさまは場所の目星がついたらしい。視線を交わす二人。ラミアムさんがその視線に頷いた。 「……ええ、ここから北西に数十キロ程にある国ね。あぁ、ついにやっちゃった……」 ついに?という私の疑問に、おねぇさまは直ぐに耳打ちしてくれた。 「あそこね、前々から国内が分裂状態だったのよ。魔物賛成派と反対派でね。両者とも軍を持っていたから、いつ爆発するか分からない状況だった。で――今、それが爆発している……哀しいわねぇ。チーニャ、ワラーバ、オウフ、ウボア、ブラー……あの子達が来ないのも、そういうわけだったのねぇ……」 何処か悲しそうに呟くおねぇさま。指折り数えている名前は、その国から来た男性の名前……なんだけど、何処と無くやられ臭がするのは何でだろう。 「多分この子、その国から一人で逃げ出してきたのよ。右も左もなく……あるいは親に逃がされたか……いずれにしても……はぁ」 再び溜め息を吐くラミアムさん。保護者の生存は……絶望的。 ……採れる手段は、ここでは一つ。それが唯一無二の方法だろうし。 「……あの……おねぇさま……」 私の言葉に、皆まで言わずとも、と手で制すおねぇさま。そのままおねぇさまは、続きを告げた。 「分かってるわぁ、ランちゃん。 ――ラミアム、この子、うちで預からせてもらうわね。本当は、貴女に任せた方が教育衛生上良いんだけどねぇ……」 「流石に……そういうわけにもいかないしね」 クイーンスライムである彼女が女性を預かると、まず間違いなく自分の一部へと変えてしまう。或いは――新たなクイーンスライムに。それを望むには、ラミアムさんは大きく、賢くなりすぎていた。少なくとも、目の前の狐二人が、何を考えているのか、それを理解できるほどには。 「ありがとう。私達の思いを分かってくれて」 おねぇさまは私を見る。普段の蕩けた気配が全く感じられない瞳には、ありありとこう描かれていた。 『ランちゃん、子育て宜しく(・∀・)』 ……なぜ絵文字が出ているのかは不明として、私はおねぇさまの指令を受け入れた。そのまま、少女の身柄を預かる。 くぅくぅと静かに眠る少女。いまだに起きる気配はない。どれだけの時間、彼女は走っていたのだろう……。 「……」 私は彼女をおぶると、再びラミアムさんの元に向き直り、深々と頭を下げた。 「どうも、有り難う御座いました」 ラミアムさんは、大切にね、と笑顔で返したのだった。 「では、『デルフィニウム』を今後ともご贔屓にぃ♪」 おねぇさまの元気の良い声と共に、私達は馬車に乗って宿に帰ることにした。見送ってくれたのはラムさん。……服装が完全に羞恥プレイ用ボンテージに変わっていたけど。 にしても……。 「……く〜……」 私とおねぇさまの隣で、すやすやと寝息を立てている少女を眺めながら、私は少女の居たであろう国を思い、重い溜め息を吐く。 件の国は、ほぼ崩壊してしまっているらしい。他国が進攻するのも時間の問題か。おねぇさまは、交わった人達を悼んでいる。生き長らえて欲しい……そう願いつつも、無理だろう事は重々承知しているんだろう。 戦いの激しさを、遠目を使って知ってしまったから。 「……」 時間があれば、彼女の親を探しに行こう、そう私とおねぇさまは心に決めていた。今はまず、この子を回復させるのが先……。 そしてその後は、この子を――。 「――危ないっ!」 唐突に向けられる殺気、それに反応したおねぇさまは、私を子供ごとドアから蹴り出し、自身も馬車から飛び出る。ドアから転げ降りる瞬間、風を切る音と共に矢が幾本も荷台を貫き、客室の壁に突き刺さった。 「――っ!」 何とか子供は守ったが、受け身がロクにとれない体勢だったため、背を強か打つ羽目になった。痛みに顔をしかめつつ辺りを見回すと、そこには両手で数えてなお余りあるほどの――魔物反対派の軍勢。 取り囲まれた!よりにもよって、手負いの子供を一人抱えている状態で――! 「……」 相手に、交渉をする気など一毫もないらしい。既に第二波を浴びせようと、弓を構えている。狙いは……この子。 遮蔽物として使えるものは、馬車。だが、それすら貫いてくるだろう。 彼女を捨てれば、私は生きられる……わけがない。恐らく次には射たれているだろう。そもそもそんな選択肢が私の中にある筈もない。 最早万事休す……。避けられないなら、せめて――! 私は覚悟して、少女を庇うように伏せた。一瞬遅れて、弓を引く風切り音が響き――! 「『壁符・土火』」 「――え?」 凛とした、女性の声。それと同時に、私と矢の射線上に、無数の土板が隆起し、矢を塞き止めた。 それよりも、この符……いや、この声――! 「……おイタが過ぎるわよぉ、反対派のみ・な・さ・ん♪」 「……」 色々と台無しである。 屋根の上で、スリットからすらりとした脚を覗かせつつ、変身をすっかり解いたおねぇさまは、怪訝そうな目で見つめる敵達を、『蔑みの目』を用いて見下ろしていた。……口調がアレとはいえ、本気だ。 「ふふ……ふふふふふふ……っ♪随分と冷たいアタックじゃないかしらぁ♪冷たいだけの殿方はやぁよぉ?」 ……おねぇさまの言葉に混ざって、多数の弓の音が響いている。でも……当たってない。全部風に軌道をずらされているらしい。 ふわぁ……と、まるで特殊な香を焚いたような香りが、徐々に辺りに広がり始める。私は簡易の結界を、少女の周りに張った。これで、彼女は安全……。 土の壁に囲まれているせいで、辺りの風景は目にすることは出来ないけれど、周りの音から現状の予想はついた。――弓を構えることが出来ずに、何とかフェロモンを吸わないように口と鼻を塞いでいるのだろう。 風を切る音が、段々と減っていく……。 「あん……もう♪もっと情熱的に……私だけを狙って……そう、そうよぉ……もっと……もっと私だけを見てぇ……私だけを考えてぇ……♪」 おねぇさまの声が、段々と、艶を増して色が濃くなっていく……。弓の音が減り、代わりに呼吸が――荒い呼吸が響き始める。 一種の催眠音波だ。いつの間にやら張られていた広範囲の結界の中で、フェロモンは濃度を増し、それに合わせて声にはエコーがかかり、サラウンドで響くようになっていた。 少女には、それすらも届かないような結界を張ってあるので問題はないけど……。 「……はぁっ……はぁっ……」 私の中を、チリチリと焼く炎がある。その炎は少しずつ、けれど確実に私の心にその領域を広がっていく……。 少女を見て、彼女を淫欲の淵底にまで落として思うままに貪りたいと願ってしまう自分がいる……。いつの間にか、八本の尻尾と狐耳が、私から生えていた。同時に、私の中からもフェロモンが溢れ出していく……おねぇさまとはまた違った……カシオレの実を熟したような香り――。 いつしか……弓の音は聞こえなくなっていた。代わりに……ぱたりぱたりと……弓を取り落とす音が聞こえてくる。結界内にいる反対派の兵士達は……口や鼻を押さえれば耳からおねぇさまの声が……耳を押さえれば口や鼻からおねぇさまのフェロモンが……それぞれ体を巡るようになって……一人、また一人と……脱落していったんだろう。 「――!おい!どうし――」 正気な人が……フェロモンにやられた人を正気にしようとしている……仕方無いんだろう……この子達からしたら……ね。でも……。 「……ダメだよ……♪」 おねぇさまが、楽しみたがっているんだもん……♪ふかふかのふあふあにして、どっぴゅどっぴゅってみんなを解き放ってあげたいって。 他人の好意は……素直にうけとるものだって……知っているでしょ?おねぇさまはただ……みんなと気持ち良くなりたいだけなんだから……♪ 「……ふふ……♪」 土の壁のそとで、おねぇさまが17Pを楽しんでいる……おしりと……まんまんと……口……それに両手に両足に……九本の尻尾。すべてフル活用して……みんなを楽しませてあげている……♪ 「……ふふふふふふふ……♪」 いいなぁ……おねぇさまぁ……。わたしぃ……わたしもぉ……♪ 「……甘い時間を、貴方達にあ・げ・る♪」 ――気付けば、土の結界を抜け出していた。そこに、何の躊躇いもなかった。ただ――今は――。 オ・ト・コ・ガ・ホ・シ・イ♪ 「――なぁ……ぁっ……」 おねぇさまのフェロモンにとろとろになっちゃった彼。おねぇさまばっかり見てちゃやぁよ♪私を見て……私を感じてぇ……♪ 「……ふふふふふ……♪」 彼の顔に、私は大きくなった胸を被せた。ちょうど谷間の位置に、彼の鼻が来るように……。胸の間で濃縮された汗が、私の中にある雌のフェロモンをふんだんに溜め込んで、彼の体についた瞬間に弾けるの。ふふふ……っ♪ 段々、彼の動きが鈍くなっていく……それと一緒に、彼の体のある一部分が、存分に自己主張を始める……。息苦しそうにズボンに身を擦り付けているそれは、私が鍵を外すとまるでビックリ箱のように飛び出てきた。 「……はぁ……ぁ……ぁっ……」 息苦しさから解放された彼は、でも息が荒いままだった。視線はやや混濁ぎみだったけれども、ずっと私を見つめている。ふふふ……もう、私のトリコね♪ 弱々しく伸ばす腕を、私に向かって伸ばす彼。私はそんな彼の腕を背中の方に誘導しつつ――♪ ぐぢゅぶにゅっ! 「〜〜〜っ♪はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ♪ 一気に私の中に招き入れた!既に受け入れ準備が万端となっている私のお〇んこは、過剰なまでのラブジュースを吐き出しながら、反り立つ肉棒に絡み付く。歯の無い口が咀嚼するように、固く凝った肉を多重に揉み解し、ズブズブと奥に沈み込ませていく……♪ 「あぁ……ぁぁあぁっ!」 彼は……ふふっ♪気持ち良かったのか、腰を私に押し付けて、どんどん、ぱんぱんって打ち付けてくるの……♪くにゅくにゅしてるのにかったい肉の棒が、私の中にある熟れた果実をぐにゅぐにゅ崩してくれて……んはぁぁっ♪ 次第に私の腰も、彼のそれを扱き立てるように激しく上下に動いていった。腰同士が打ち付けられる度に、私の中には情欲の熱が灯り、フェロモンとなって放出されていく……♪ 「……♪!!♪っ♪」 彼の逸物が、盛大に震え、脈をうち始めた!私は歓喜に震えながら、さらに腰の動きを激しくする!早く……早く解き放ってほしいから……んっ♪ 腰を捻り、深く落とし込み、そのまま股間に力を入れて締め付け、包皮を再び被せるように竿を擦りあげる。 「んあぐっ!……っあぁっ!」 いよいよ震えが激しくなった。恐らくあと少しで放出されるのだろう。私は歓喜の表情で、激しく震え、脈打つその肉棒を――根本まで飲み込み――締め付けた! びゅるるるるるるるるるるるるるぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ! 「♪!♪んはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああんっ♪♪♪」 どれだけ溜め込まれていたのか、それとも短時間でこんなにも精製されたのか……。一度の射精では本来有り得ないほどの大量の精液が私の胎内に流れ込んできた。暖かくて、甘くて、そして優しいエナジーが、私の中で吸収、拡散されていく……。 一滴も逃さないように、私は膣を締め付け、逸物を更に押し潰していく。柔らかな無数の肉襞は、彼の逸物のありとあらゆる場所に絡み付き、取り零しがないように快楽を与え、脈動を更に激しくしていく……んんっ♪んはぁ……♪ ごぽり、ごぷりって、精が私の中に流れ込む度に……私の記憶に、段々とある風景が浮かんでくる。どんどん……はっきりと……♪ それは体の記憶。おねぇさまが私に乗り移って、村の子達と7・8Pをやったときのもの……♪ 「……ぁぁんっ……ふふ♪」 彼のザーメンが私の中に精気となって駆け巡るのを感じながら、私は喜悦の表情を浮かべつつ、辺りを見回した。残りの彼らは……最早正気の人間はここにはいなかった。全員、ズボンを破り捨て、その雄々しい逸物を惜し気もなく晒して――。 「……ねぇ……♪」 そんな素敵な風景を前にして……私がすることは、ただ一つ。 「……キモチイイコト、しましょ♪」 私の誘いかけるような眼差し、声が響くのと同時に――兵隊だった男の子達は、私の元に野獣のごとく飛びかかってきたのだった……♪ ―――――――――――――― 「んむんっ♪んむむんんっ♪んむぅぅぅぅぅんんっっ♪♪♪」 体の中に差し込まれた肉棒は、現在三つ。それぞれお〇んこ、ア〇ル、そしてお口。 私を狙う肉棒は、現在四つ。両手両足にあるそれの先端が、私の顔を目掛けて立ち上がっている。 そして、それ以外が八つ。それは全部、私の尻尾が優しくふぁふぁに包み込んで……んんんっ♪ 「んんん〜〜〜〜〜〜〜っ♪」 ごぷりっ、どぷりっ、びゅるんっ、こぷん……びゅっ♪びゅるるっ♪びゅくんっ……ぴゅくっ♪ いろんな音を立てて、マラオーケストラが素敵な音楽を奏でてくれている。私に向けられているのが、私には十分分かった。だって……こんなに暖かくて、美味しい白蜜で私を染めてくれるんだもん♪ 「むんっ(えいっ)♪」 「!!!!!!!!」 体をちょっと捻る度に、私のお〇んことア〇ルの中にびゅくんびゅくんって注ぎ込んでくれる。舌も動かすと、喉の奥にも一杯くれる。 その気持ち良さに思わず両手両足を動かすと、彼らは白蜜で私を染めてくれる……ふふっ♪私を美味しく食べてくれるかしら♪こぉんなに、美味しいシロップがかかっているんですものぉ……♪ 同時に尻尾も、残りの彼らの白蜜をまぶされていく。……ふふふ……っ♪段々素敵になっていくわね、私……♪ その嬉しさにまた体を捻って、びゅくびゅくって注がれて、嬉しくって扱いて、ぶっかけられて、嬉しくって体を捻って――♪ 「んむぅぅぅぅぅぅううんっ♪」 向こうでは、おねぇさまも白蜜に染まっていた。辺りには……精が尽き果てた男の子が一杯。蜜でつやつやしたおねぇさまは……素敵で素敵でたまらなかった。 私も、おねぇさまみたいになりたい……♪まっしろく、きれいに、そまって……♪ 私の中で、情欲の炎に混ざって、私の根元を司る炎が産み出され、体を一気に駆け巡った。それは、絶頂にも近い感覚を私の中から呼び覚まし、脳に直接叩き込んだ。防衛本能が、次々に実行許可のゴーサインを出していく。その度に、私の思考は徐々に高みに押し上げられていった。 体の外では、総勢15名による私との乱交。あらゆる肉膜を貫かれながらも、あらゆる肉棒を刺激し、性欲の虜としながら快楽を与えるという征服感、同時に刺激を与えられ続ける満足感に、私は明らかな興奮を覚えていた。それこそ身が焼けるような、強烈なそれを――。 体の内側では、性交の最終段階へと導くスイッチが、今まさに入れられようとしていた。体内の指令による意識防御の停止は、根元の炎の勢いを強めていく――。 やがて、身を焼く情欲の熱は、身の内の根元の炎と混ざり合い――♪ 「――んぅぅぅうううううううぅぅぅうううううううぅぅぅうううううううぅぅぅうううううううんっ♪」 ――私の尾底骨から、最後の尻尾の形をとって、具現化した。 丁度それは、私の中に男の子達の最後の精が――私に向けて放たれた瞬間でもあった。 ―――――――――――――― 「〜〜〜〜っはぁ……♪っはぁ……♪」 快感のあまりぺたりと座り込んだ私の中から、ちっちゃくなったコックがずるりと抜け出していく。愛液や腸液と精液が混ざり合ったそれは、私の中にあったときの雄々しさなど見る影も無いほどに縮み上がっていて、まるで子供のそれのようだった。 ヤり疲れて気絶した兵士達。おねぇさまは彼らを綺麗に横一列に並べていた……何で?多分美的感覚で何か触れたものがあったのかもしれない。……手を胸の前に組ませて……それは祈りの姿に似ていた。 「……ふぅっ♪」 どこか艶々とした顔に満面の蕩けそうな笑みを浮かべながら、おねぇさまは額の汗を拭うような仕草をした。……けど、拭ったのはどう見ても精液です本当に有り難う御座いました。 そのままおねぇさまは兵士達を並べ終わると、リーダー格らしき男の人の額に利き手を置いた。と思うと、その指が光り出す。 記憶を調べてるんだ。多分――この少女に関するものを。何故狙われているかなんて。 一秒ごとにコロコロ変わるおねぇさまの表情。泣いたり怒ったり……笑うことはなかったけれど。 「……なるほどねぇ……」 記憶を読み終えたおねぇさまは、そのままぱちん、と指を鳴らした。多分、記憶を改竄したんだろう。 「……行こっか♪」 そしてさも何もなかったかのように、私に誘い掛けて馬車に乗り込んだ。地面に寝転がる、兵士達の体を避けて……。 ――もう、快楽の余波など中になかった私は、女の子の結界を解いて抱き抱え、同じように馬車に乗り込んだのだった……。 ――この子を殺した後で、私達も殺し、その際に呪いを受けたが、弱かったらしく直ぐ様解除された――と言う記憶にした、とおねぇさまは馬車の中で私に告げた。 ――同時に、この子の父親も母親も、既に殺されている事も、おねぇさまから知らされたのだった。 ……揺れが酷い馬車の中、私は知らず、女の子をぎゅっと抱き締めていた。まだ目が覚めない少女。このまま覚めないでいる方が、彼女にとって幸せなのかな?そんな冷たい考えも私の中にはあった。 けれど、覚めない夢はない。 それは、夢を見せる私達が一番分かっていること……。 ―――――――――――――― それ以降は、何の災害もアクシデントも無く『デルフィニウム』に到着して……っ!? 「――なっ!?」 唖然とするしかなかった。店の入り口、そこがもう……異世界の夢の国よろしく豪勢に飾り付けられていて、ライトがやけにぴこーんぴこーん光り輝いている。昼なのに。 宿自体が若干改装されている辺り、この辺りのジャイアントアントを呼び寄せて建て直したんだろう。 そして何より目を引いたのが――。 【ランちゃん、番台三周年記念!いつもいつも有り難うパーティ!】 などと書かれた垂れ幕が、女郎蜘蛛の糸(多分ミナエさんの)で吊るされていたのだ。 「……」 私は隣にいるおねぇさまの方に視線を向けたけど……って居ない!いつの間に消えたの!?しかもあの子の姿までっ!? 慌てて馬車から飛び降り、代金をチップ含みで多目に払いつつ宿に入ると――! パァンパァパァンンパンッ! 「「「ランちゃん、いつもいつもありがと〜〜っ♪」」」 大量のクラッカー(小規模な破裂が起こるような魔法式が組まれた円錐状の物体)が打ち鳴らされ、中に入っていた紙の紐が私に向けて飛び出してくる。……同時に店の子達も何名か飛び出して――うわわぁっ! 「イャッホォォォォォォウ♪ランちゃあん♪三周年おめでとうっ♪♪♪」 「うふふ……私の蜜を飲んで……是非骨を休めてくださいね♪」 「疲れたときにはヤるのが一番Da♪というわけでや ら な い か ♪」 「ちょ、ちょっとぉぉぉっ!ひぅっ!ひゃあああああっ!」 押し倒されていきなり服をひん剥いてきた!自重無く這い回る手、足、触手、蔦、尻尾……。荒々しいように見えて、快感のツボははっきりと掴んでいる。流石この店の子達……。 「うふふ……ランちゃんも九尾になったから、どんどん気持ちよくなっているでしょう……♪魔物って、下限が人より低いけど、上限が人より遥かに高いから……うふ、うふふふふ……♪」 「あぁ〜んっ♪はだもつやつやして……Ka♪Wa♪Wi♪Wi♪つ〜い食べたくなっちゃうんDa☆」 「やっ!やみっ!みん、みんなぁぁっ♪やっ、やめっ、や、や――おねぇさまぁっ!」 剥かれて舐められてはむはむ甘噛みされて撫でられて揉まれて逆毛立てられて摘ままれて挟まれて埋められて――あまりにもフリーダムな店の子達の動きに、私は思わずおねぇさまに助けを求めたが――!? 「あ、ランちゃぁん♪私はこの子を安全な場所に置いておくから――その時まで耐えてねぇ♪」 ――私の両目が絶望の色に染まったのは言うまでもない。逃げた。明らかに逃げた。そして戻って来たら襲う。絶対私を襲うだろう娘とも容易に想像ついた。 けど、その絶望すら、先程までの感傷や決意すら吹き飛ばす勢いで、彼女達は私を組み敷きながら、自らの欲望のままに蹂躙していく――。 「あははっ♪らんちゃんのおちちおいしー♪」 「らんしゃまぁ、私の部屋でしっぽりと甘い時間を……♪」 「あー!抜け駆け反対〜!あたしもランとヤリたいよ〜♪だってランちゃんの体、気持ち良いし♪」 「前々から味わってみたかったのよねぇ……アナタ♪」 ……あぁ……もう……ダメだ……。 奥から漂う、妖艶にして濃厚なフェロモンの香りが鼻に感じられた頃――私は考えることを止めた。 ―――――――――――――― その後、孤児となった少女――ニカを私達は育てていくことになるのだけど……それはまた、別のお話。 愛欲の花、デルフィニウムは、来る人全てに――様々な形で愛を与えるのだ。 fin.
10/02/05 13:17 up
色々な意味で話題になった二作目です。 ランちゃん……大丈夫。君は宿の中での常識人という立ち位置は変わらないから。 ただ確実に、オーナーの横ではごろにゃんするようになるでしょうな(笑) 攻めは前回よりパワーアップ……しているといいな(笑) なんというか……オーナー、やっぱり自重しないでくださいお願いします(笑) 色々とスピンオフさせていきたいと思っております。 初ヶ瀬マキナ
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