連載小説
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『"たこ焼きつぼまじん"にてたこ焼きを食す』
魔生長ければ感動は薄れるとか適当なことをほざく方々は尽きないけれど、そんなことはないわよ。どんな年であっても心は若いままでいたい、それが乙女心ってもので。
で、何でそんな回りくどいことを言っているかというと……ベルフラウ様からの手紙で、前に行った"豊泉"の店主が息子から数年ぶりに手紙を受けた、と知ったからだ。
『その時は店を開いておらず、ウチも別の店に行っておったからの。まさか和菓子屋の倅とは知らなんだ。で、まぐわった侭の二人の元を訪れて話を聞いてみたら……という流れじゃな』
「……ベルフラウ様マジパねぇ」
流石のバイタリティ。とはいえ、これであのおばちゃんは息子さんの無事を知ることが出来たわけね……ちょっと涙ぐんだわ。今頃返信用の手紙を記している頃でしょう。また行ってみようかしら……。
なんてジパング行きの算段を立てていると……突如掌の上に浮かび上がる封筒。その色は赤。よし、そういう時期か!
毎年恒例あの時期が来ちゃったのね!そう私は目を爛々と輝かせる、のと同時に持つ武器を脳内で見繕う。今回は――相手の動きを数時間止める魔法銃の拳銃型二つ!

「行くぞ皆の者、戦じゃあっ!てね!」

言うが早いか、私は窓からガラスをぶち破……らず開いて飛び出た。世界ではなくて視界が逆に回転するけど気にしない。
魔力で門を開いて、拳銃二つを取り出すと、そのまま地面に向けて構えて、回転を止めると――!

「――だらっしゃああああああっ!」

――落下位置周辺にいる魔界甲殻虫を一気に薙払い、貫いた!一部勢い良すぎて体液がぽたぽたじゅくじゅくと地面を汚すけど、まず間違いなく魔力浸食は気にしなくていいので問題なし。揮発からの淫気酔いは耐性のない魔物がなるものよ!
そのまま尻尾から飛ばされる魔力液の軌道を見切りながら、私は至近距離で二丁拳銃を放っていく。その様はハンスからは「ほとんど大道芸よねぇ♪」と尻尾ぽふぽふ言われるほどに常人には理解と真似は不可能な有様となっている。『カジトゥーム銃撃術』なる魔法銃を用いた近接格闘術だ。
……使っておいて、そもそも習得しておいてなんだけど、正直遠距離向けの魔導兵器を使っての至近距離格闘なんて何故開発したと思う。思わざるを得ない。まぁこうして……。

「Show Time!」

……雑魚散らしには役立っているけどねっ!正しい使い方は適地に単身乗り込んで敵対勢力を根刮ぎ魔物化させるのなんだけど。その辺りは魔刀使いさんにやってもらいましょう!
既に私が来たことで趨勢は決したようなもの!他の魔女はアジコほか数名のリーダー魔女が指示を出してまとめている。主戦場はここだ……。

「――アンタらに食わせる野菜はねぇっ!」

虐殺もいいところのリズムで、私は魔界甲殻虫が去るまでの間、ダンスと言うには少々乱暴なそれを、相手を全てハードラックに踊らすまで続けたのだった……。

―――――

「これ、佃煮に出来ますかねぇ!?」
戦いの後、協力してくれた魔女達に特別給を渡している私の前に、きらきらと目を輝かせて一人の魔女が近付いてきた……最近入った娘かしら。
言葉と共に向けられた視線の先は明らかに退治済の魔界甲殻虫に向かっている。まさかこの下手物を食さんとする娘が私以外にいるとは思わなんだ。つか佃煮?って事はジパング?
「……体の中にある若干甘ったるい魔力を抜きさえすれば試せるんじゃないかしら。お名前は?」
「リサ=カブラギです!ステーションシティからサバト研修生として入信してきました!」
見事にジパング姓だ。本当に、時折あの島の住民の食文化は耳と目を疑うわ……まぁ向こう側からしたら私達のそれに、私と同じ反応を示すんでしょうけど。
で、ステーションシティか。そう言えばあの町、まだ未開拓だったわね。あのコシの利いた饂飩の為に山道を歩いて、帰りも寄ったのはステーションシティの近くの街だったはずだし。あの話を聞いてから「鶏肉の甲羅煮」を作って食べたわ。炭酸がいい具合に肉をほぐしてくれるから美味しいの何の。糖分もとれるし。おかずには最適ね。
興奮が醒めないのか、そのままテンションを保ったままリサちゃんはまくし立てるように私に話し続ける。私はそれを耳にしつつ、まだ配っていない娘に特別給を渡していく。
「あぁ農家の生ける知恵としてもっと佃煮を広げるべきだと私は思うのですよだって虫を畑に仇なす敵として対峙して退治するだけじゃなくてこれからの栄養として美味しく頂けるのなら最高じゃないですかあぁあの砂糖醤油で煮込んでなおカリカリした虫の脚の食感に淡白な蛋白質の風味なんてもう筆舌に尽くしがたくてあぁもう涎が止まらないんですよだから色々な虫で佃煮を作ってみたくてサバトで情報を調べてみたら料理好きのリリムの元で畑作修行なんてあぁ何てジャストな案件があるんじゃないですかってあぁしかも今なら魔界甲殻虫が出るじゃないですかということは退治に関われるじゃないですかって応募したら案の定出現したからそりゃもう魔力抜きの絶好チャンスなわけで佃煮チャンスなわけであぁ全力全開で佃煮を布教したいサバトのみならず全ての虫退治で困る農家に布教したい布教するのは義務なんです布教するのは義務なんです布教するのは義務なんです美味しいことは義務ですよ」
何か思考脱線しているっつかどんだけ佃煮狂なのよこの子。そして私は変人を引き寄せる魅力を持っているのかしら。何この半端に使いづらい魅力。
「……はい、みんな有り難う!次回もよろしくお願いするわ!」
私の一声と共に彼女達は箒に跨って愛しの旦那の元へ帰っていったりサバト側の修行部屋へと戻っていったり……一名を除く。
「佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮佃煮」
「てい」
「イナゴォッ!」
私の、頭へのチョップに謎の叫び声をあげるリサちゃん。明らかに外見が見せられないよ!の領域だったから仕方ないね。何このどこぞの堕天使の納豆欲よろしい佃煮欲は。相手のゴールに打ち込まれそうよ?エキサイティンはベッドの上にしなさいよ。
「……はぁ、じゃあ、魔力抜きするわよ」
「ならば私は出汁を作ります!」
回復すげぇ。流石の私もこの愛には引くわー。どんだけよ……。

――でも、調理には手を抜かない!お手並み拝見と行きましょうか!

――――――

魔女やバフォメットなどの魔法使い系種族は鍋の使い方が上手い。売り上げが中堅所の鍋専門飲み屋だったら開けるレベルで鍋の扱いが上手い。
薬品を作ること自体がタイミングと分量調整と入れ方の試行錯誤、発生する不純物の除去の連続だし、自然と鍋をやる基本動作は出来ているわけで。
で、それが佃煮狂の手に掛かると……!

「ナーラさん!鍋の準備は完了しました!」
「こっちも魔力抜き及び殻剥ぎは完了!さぁ、入れるわよぉっ!」

火加減:完璧。
出汁の量:完璧。
鍋の種類:鉄鍋。
あとは放り込んで煮るだけなんて何て素晴らしいんでしょう!とんだ所に名手はいるもんだ……。後はこの鍋に、魔力抜きを完了し極度に硬い甲殻(歯じゃ噛みきれる気がしない)を剥いだ魔界甲殻虫を放り込み、煮詰まるまで茹でるだけ!
「待っていなさい!マァァァァァァァァァイスウィィィィィィィィィィィト佃煮っっ!」
どんだけ佃煮フリークなのよこの娘は。まぁそれでも私のやることは変わらない。甲殻虫を鍋の中に飛沫をあげないように入れ、沈める!
「……にしても、ねぇ……」
二体だけでも普通に数日は持ちそうな量よね。中身がどれだけ染みるかは未知数だけど、もし完全にしゅんだら細かく刻めば一週間はお世話になれそうよね。
「……うふ、うふふ、うふふふふふふ……」
いつの間にかかけている眼鏡を曇らせながら、大釜のような鍋を火力調整しながらぐるぐるかき混ぜる様は、他人から見たら紛う事なき旧時代の魔女だわこれー……。もしかしたらこの娘有名人?大陸シェフランキングとか開いたら上位に入っているんじゃない?"佃煮魔女リサ"みたいな何か微妙な二つ名と一緒に紹介されそうな気がする。
「あぁ……良い香りがしてきたよぉ……これがナイスな佃煮パフューム……♪」
首を傾け両手をそれぞれのさいどの頬に重ねて……何かウットリして怖いよー、という思いはあれど、他者からすれば私も大して変わらんじゃないかと思い直し、微笑ましく見つめるとしよう。かき混ぜるタイミング……あぁ、齟齬が露もないわ。妙なハイスペックもあったものね。私も言われる言葉だけど……『廃スペック』とでも言うべきか。
この分だと中々いい味の佃煮になりそうね……取り敢えず私はご飯を用意しておきますかね。美味しく頂くために、佃煮にはご飯。お米。松の丘の剣士も推奨しているわ。
始めちょろちょろ中ぱっぱ、ぶつぶついったら火を引いて、赤子泣いても蓋取るな……と。
……改めて見たら、畑のど真ん中で調理を始める私達って……どんな炊き出し要員よ。せめて城の厨房使うべきだったかしら。でも今の時間って、確か仕込みの時だから私らも入っちゃまずかったしねぇ……。

「――でぇきたぁっ!」
「――そこにばぁさま飛んできて、薪しべ一束くべましたっと!」

二人の完成の歓声が畑に響く!後はお椀を用意し……私はご飯をよそい、リサは佃煮を程良い大きさに魔力で刻んで乗っけていく。うん、修行の成果までばっちりね。
というわけで……実食。

「「――頂きますっ!」」

――――――

「……手間はかかるけど、中々美味しいモノだったわね、魔界甲殻虫の佃煮……」
下手物も良いところだから私自身は他の人や魔物に薦めるべきか迷うけど、そういうのが好きな人とかにはお勧めできるんじゃないかしら。懸念されていた巨大昆虫特有の肉の粘り、妙なスカスカ感、甲殻の堅さとかそういった不快を催す要素は抑えられて、適度に身が締まり噛めば噛むほど味が出る玄人好みの良い甘辛さがにじみ出ていく。まず炭水化物、さらに言うなら米が欲しくなる所よね。麦飯も可。
個人的に気に入ったのは尻尾辺りの部分。魔力液を飛ばすために強靱な筋肉に包まれているその部分は、筋繊維一つ一つに味が染み込んでいるようで、歯を入れるごとに濃縮された旨みが口の中を満たすのよ。これ一つで並盛り一杯はいけるんじゃないかしら。後はお茶漬け?とやらにするのも面白いかもね。
……まぁ、もしかしたらそもそも彼女の出汁が良かったのかもしれないけどね。ともあれ、彼女も気に入ったらしく「知り合いの刑部狸さんに売っても良いですか!?」と鼻息荒く迫ってきたりもして……当然許可したわ。で、その礼とばかりに貰った情報が……地元の名店。
「そして久方ぶりに到着、っと」
ステーションシティ、前に異様なまでにコシのあるど根性うどんを口にする際、転移座標に指定した街。ジパングの波止場街に飛ばす転移方陣、座標面倒なのよねぇ。
……っつか、でけぇ。波止場の街やそこと繋がる街は大概発展するのかしら。海と山が近いから、食が発展しやすいのは確かだから……。
私はナドキエ出版が出した『あなたと歩く親魔物領第一巻:大陸編その@』のP298を開いた。この厚さは何なのよ辞書なの?一巻でしょ?つまり二巻以上あってこの厚さなの?と思うけど、実際役に立つのよこの総集編は。いざとなったら武器にも防具にもなるし。何より載っている内容が国の成り立ちやら歴史やら礼儀やらルールやらが載っているからまだ行ったことがない場所に行くのには有り難いのよね。
さて、発展の経緯は、と。

『――南向きのこの領の北方には、旧時代のワイバーンを度々墜落させてきた乱気流が吹き荒れる、険しい山脈が三つもある。まず現在においてもここを通る空路は自殺行為とされ、領によって禁止されている。
山そのものも険しいことから、交易の都合上、ステーションシティが装備・道具の確実な最終補給地点となる。この領は地の利を生かし、発展してきた』

「成る程ねぇ……」
マーブック姉妹も言ってたわね。商売は天の恵みに地の利、人の知恵って。三者揃えば負けはないわけ、か。
……これは期待できるかもねぇ……♪
何せ、名店と太鼓判を彼女が押していた店は、最近その大陸に来たのにもかかわらず既に街の一大名物と化しているほどの盛況を見せているらしい。
それも無理からぬ事だろう。何せ、その店の店主の出身を考慮すれば、行列が出来るのは致し方ないことよ。

「『鬼爺』のお弟子さんか、そりゃ納得よね」

私はジパングの記憶を頭に浮かべつつ、入り口付近から指定された場所――商店地区へとゆっくり歩いていった。

――――――

『鬼爺』。
本名は不明のジパング人。
御年(多分)60は超えてなお筋骨隆々としたマッチョの親父さんである。もしかしたらもっと年は行っているかも知れない。
売る商品はただ一つ。出汁の染みた小麦生地を熱しながら蛸を包み込ませ、刻み葱に紅生姜、揚げ玉を撒き、球体に焼き上げ、ドロリソースを塗り上げ鰹節に青海苔を散らしたB級グルメ――たこ焼き。外はサクサク、中はトロトロという不思議な食感だったわ。でも何より心に残っているのは、職人による製造の風景だった。
いつぞやのお好み焼きもそうだけれど、一品にかける愛情、執念、そして鍛錬……熟練の経験というかノウハウというか。それが積み重なって出来たモノは味はどうあれ作る動作は美しいものだ。そして食べた時に美味しければ笑顔に倍ドン。頬綻ぶわ……。
如雨露のようなもので生地を凹んだ鉄板に敷き、時間が数刻経ったところで均等に切られた蛸を生地にキャッチさせていく。刻み葱に紅生姜、揚げ玉を撒いた後、木の取っ手の先に太い針を付けた道具を二つ、デススト……じゃなかったギルタブリルよろしく器用に使ってくるくると蛸入り生地をひっくり返して、弾いて竹で編む船の中に入れていく……その一連の、魅せる事を考えない、無駄のない流れるような動作。そのまま刷毛でソースを塗り、鰹節、青海苔を散らし……完成した竹船を渡すところまで、一切の仕草に無駄が見られなかったわ。
誰よB級がパッとやってサッと作ってグヂャッと食べるだけのとても料理と呼ぶに値しない物体とか抜かす輩は。誰しもに作れるからこそ、誰しもに作れないところまで昇華された技術が光るじゃない!
……とまぁ、私は一度食べたことがあるのだ。『鬼爺』の作る【頑固焼き】と名が打たれたたこ焼きを。その美味しさは今でも容易に思い出せる。あとソースの再現は諦めたわ。だって毎日手入れしないと独特の甘みと辛み、そして酸味の入り交じったどろり濃厚なそれは維持できないもの。あの店だから許されるのよ。
まさに秘伝のソースと言ってもいい出来かも知れないわね。……廉価版としてなら私が作ったそれもいけるかしら?職人に対する冒涜だし、止めといた方がいいか。

で、話はずれたから戻すけど、その『鬼爺』と呼ばれる理由はというと、当然それだけの実力と実績を持つ以上、憧れを以て彼の家の戸を叩く人がいるわけ。いわゆる弟子入りね。それも両指両足どころかクラーケンの吸盤の数でも足りないほどの人数が押し掛けたらしいけど……その修行の過程で脱落する確率が八割と。……それだけ厳しい扱きをすれば『鬼爺』呼ばわりも無理ないことなのよね。
まぁ、商品に『頑固』なんて付けている以上は、その人格は推して量るべし、ってところかしら。

――――――

で、そんなことを考えているうちに、到着しました商店区域。
「おいしいミルクパンが焼きあがりましたよ〜♪お一ついかがですか〜♪」
街行く人々に元気の源、パン屋さんの売り子をやっている幼ホルスタウロスが元気に声をかけている。それを見て何か一部の魔女から「くっ」って声が聞こえたけど意識しないようにしようか。
「特報!特報!あの道化公がお忍びでならず者の港町に入ってたって話だよ!こりゃ一波乱起こるかもねぇ!」
何をやっているんだ道化公。山賊と海賊、しかもウチの妹のような陽気なそれじゃなくて、平穏を乱す者には容赦ないガチのマフィアじゃ精神性が違うのよ?と号外の新聞を受け取りつつ思う。今の私、間違いなく苦い顔しているはずだ。
これが冬だったら美味い魚を食べにとか言えたかも知れないけど、春よ?まさか初鰹を頂きに来たとかいうつもりかしら?気になる……。
「……あの領主だし」
案外そういうこともあり得るかもしれない。何せ三十人に聞けば三十人が認めるアンタッチャブルだものあの領主……正確にはアンタッチャブルなのはその弟だけど。兄は剛胆ね。
何せリリムだと気付きながらも物怖じ一つ見せず商売してきたもの。面白いからついチーズを買ってしまったわ、とびっきり堅い事で有名な"スケアマウス"をね。鉋で削って食べるなんて斬新な事しちゃったっけ♪
『あ、姉御……すげぇ……』
何て周りに何故かいたラージマウスからは驚かれたというか呆れられたっぽいけど。美味のためなら仕方ない。
と、ふと足を止めて見た掲示板の貼り紙に、『待望の新作!ツィンギー=ルーラ女史による純なる乙女の恋愛短編集【渦は求め、思いは放たれる】を入荷しました!』との文字が。へぇ、エンプレスちゃんの新作か。ちょっと気になるわね。ってかボス、あーたどれだけ人気作家抱えてるのよ。原稿催促及び受け取りも確か雑務の子が抜けてから一人でやってなかったっけ?しかも取材に関しては万魔殿や暗黒魔界、マタンゴの森にローパー村、何より一部教会領に入るときはボス一人で取材してなかった?どんだけ働きマンなのよ彼女は……流石私より経験積んでいるだけあるわ。年齢は知らないし知るつもりもないけど。
「……おお、大道芸人とは珍しい」
商業地区の一角、店と店の間にある壁の前で一人のピエロがジャグリングをしていた。メイクと異様にだぼったい服の所為で性別は分からない……精の匂いが塗料にかき消えていたりしているけど、多分私のシックスセンスが予測するに多分男だ。
大道芸人は、しなる金属板二つの間に丸い金属パイプを入れ、上の金属板の上に両足を乗っけて、バランスを取りながら赤白のボールと、時折包丁を宙に放り投げてはキャッチしている。その横では小太鼓とシンバルといった楽器が並べてあり、そこにはもう一人のピエロが軽快なスキャットを歌いながらアコーディオンを奏でている。
「Ye〜Ra,LarRaraLarRaraLeiO,Lera,raLeiRoroLeiroroRela,raReio〜」
「……何となく、DJが思う存分音をいじりそうな気がするわ……」
意味がない音を切り貼りして独自のリズムを作るのが好きだからなぁ……DJ。つか私の喘ぎ声をサンプリングした数日後にはそれをさらに細かくして新曲に使ってきたからね。聴くだけで子宮がサンダーバードの電撃を食らったようにびくびくと震える擬似絶頂状態を作り出すって……本当に何者なのよDJ。
大道芸人の歌声(前にDJが言っていたヨーデルっぽい感じかしら?)とアコーディオンに合わせて、観客が手拍子を裏拍で行う。かと思うと、次の瞬間には止まった。ドラムロールの音と共に、観客に緊張が走る。
板の上の男は、何かを確認するように足を止め……手に持った玉の一つを宙に投げた次の瞬間、両足を同時に踏み出し、宙にジャンプした!そのままワーキャットの如く体を丸めて回りつつ、玉をキャッチし、そのまま何も敷いていない地面に軽やかに降り立った!

「――アーラァイッ!」

気合いの入った叫び声と共に振り上げられた両腕、思わぬ雄々しさに私は――いや、それを見ていた観客達は盛大な拍手と共に、お捻りを投げていくのであった……。
ちなみに私も銀貨三枚ほど包んだわ。やっぱり芸って良いものよね。リビングドールが操り人形の振りをして人(に見せかけた操り人形)に華麗なダンスを踊らされている芸もあったし、やっぱそれなりに栄えている町は違うわね〜。

―――――――

と、そんな賑わった商業地区を歩いていくと……私の鼻が、何か香ばしく、思わず舌なめずりしたくなるような香りを捉えた。この刺激的で、どこか喉が渇く香り……舌先だけで分かる強烈なビートの効いた味わいのあるそれ……近いわね。
少し先に見えるのは、屋台地帯。休日だからか、大小様々な屋台が、互いを尊重しつつも肩を並べて立っている。既に行列が出来ている屋台も幾つか在るのと……何故かイカ焼きとイカの姿焼きの屋台が肩を並べて販売しているのが印象深いわね。どっちも美味しいけど、如何せん前者はあんまり知られてないのよね……弾力があって美味しいのに。
『美容にもいいケバブー、ケバブあるよー♪』
『すっきり美味しいハルサメサラダは如何かなー♪』
『巷で有名なデスペラードバーガー!さぁチャレンジャーはまだかなっ!?』
『かぶりつけっ!これがドラゴン直伝"あの肉"だ!』
『キノコ焼き〜♪傘が美味しいよキノコ焼き〜♪』
相変わらず屋台の近くは活気がパねぇ。いや本当に。コカトリスが半径5mくらいに近付いては逃走を繰り返すくらいに力強いわ。そして誰かキノコ屋台を止めて差し上げて。明らかに入れちゃいけないキノコっつかマタンゴが混ざってますから!
そんなカオスな屋台の中で、行列が目立つ店の一つ……それが私の目的の店。行列に並びつつ、既に購入を終えた人達の食べっぷりを観察していると、あぁ、お腹がくぅくぅ鳴るものね。相変わらず刺激的なソースに、ふんわりとした生地の風味。そして……。

『この牛スジ旨いねぇ!』
『うん、タコとはまた違った味わいがあるわよね!』

「っ!?」
え、ちょ、牛スジ?あのビーフシチューよろしく煮込んでジバングマスタードもといカラシを付けてネギと共に頂く夜屋台のお供としてアカオニが好きな牛スジ?それがたこ焼きの中に?と言いますかそれってたこ焼きと呼んでいい代物なんだろうか。たこ焼きをツマミに酒を飲むアカオニだったら……あ、参考にならないわ。『こまけぇこたぁいいんだよ!』って背中をバシバシ叩かれるのが目に見えている。
さて……ケイなら『面白そうじゃニャいか!』と即座に注文するのが目に見えるわね。私は……よし、物は試しだ。どう注文できるかは分からないけど、いっちょやってみっか。
屋台の姿が見えるに従って、香ばしい匂いも辺りに広がっていく。帰り道にほくほくうまうまとたこ焼きを食べるカップルや男性を何人も横目で眺めながら、ずんずんずずんずん、っと。で、近付くにつれ、店主の姿が見えてきて……。

「――はいよっ!蛸牛お待ちっ!」

水色〜アクアマリンのストレートヘアーにソース色の褐色肌、腰回りを覆う壷に胸を覆う壷と同じ柄のスポーティブラ。そして両耳には腰のそれと同じ形状をした、握り拳サイズの壷。今まで私が見てきたつぼまじんの中でも別格にテンションアゲアゲの娘が店長をやっていた。営業スマイルの下で、正確無比に蛸や牛筋を切り分けては生地の入った鉄板の中にふわりと入れていく。洗練された動きにはリズムが感じられるってDJが漏らしていたけど、それも分かる気がするわ。
しかもちゃんと鉄板が分けられ、生地も二種類用意されている。これは期待できそうだ。
「いらっしゃい!ご注文は?蛸八つ!辛子マヨは?畏まりましたっ!――へいお待ちっ!」
注文を聞くのと同時にたこ焼きをクルクルと回転させ、八つ弾いていく。その落下点には竹で編まれた舟があり、そこに綺麗に八つ収まった。そのままいつの間にか持ち替えた刷毛でソースをさらりと塗り、鰹節と青海苔を散らす。最後にカラシマヨを糸状にしてかけて……カラシマヨ?え、そんな調味料あったの?寧ろそんな感じで混ぜていいの?
そんな頭の疑問とは裏腹に、欲望に忠実な私の口内では涎が溜まっていく。思わずごくりと飲み干してしまったわけで……旨そう、いや、旨い組み合わせだと本能レベルでは理解してしまったらしい。既に私の手には小銭袋が握られていたりして中でチャリチャリと銅貨の数を確かめていたり……。
一人、また一人と私の前の人が列からたこ焼きを持って退いていく。小麦粉とかの熱伝導を考えても完成するまでにさほど時間がかかっていないのにはびっくりする。見た感じ、どこぞのドラムのような要塞じみた鉄板の大群が存在するようには見られないのに、っつかそこまで鉄板は広くないはずなのに、どうしてこうも途切れない客捌きができるのかしら……!?

――その時、私の頭に電撃が走る……ッ!!

「――はいよっ!」
口と表情と、体の動きが全く別のそれだ。客に不快を抱かせない営業スマイルを見せつつ、手では両針を器用に動かしてたこ焼きをクルクルと回し、竹舟に放り込んでいく。
入れたと思ったらホルダーに針を納めて、片方の手はソースに伸び、もう片方の手はボサボサの太い筆のような何かに延びる。ソースをまるで背筋をなぞるような柔らかなタッチで表面に塗ると同時に、もう片方の手はたこ焼き穴に筆をつっこんでは回す作業を高速で行っている。
ソースを塗った刷毛はもう片サイドのソース入れに突っ込み、そのまま鰹節と青海苔を握り、華麗に蒔く。そして筆も同じようにもう反対サイドのそれに突っ込まれ、そのまま生地が入った入れ物の取っ手を握り、鉄の大地に黄土の海を広げていく。
生地を入れた手はそのまま生地の入れ物を対岸に置き、辛子マヨが入った容器から、ホイップクリームの原理で――でも穴は遙かに小さくして――辛子マヨを文字を描くようにかけおろしていく。もう片方の手は既にぶつ切りにされた蛸を掴み、黄土の海に丁寧に落としていく。
落とし終わると同時に手に付いた生地等をさっと消毒し、完成した舟をお客の元へと持つ。

「――牛八一丁!」

……この間、一分にも満たない。無駄を削いだ動きはどうしてこうも芸術的なんだろうか。食欲よりも感動を覚えるわ……。あぁ、目の前のお客さんもびっくりしてるし。さらにそのまま手を消毒して揚げ玉を蒔くのに+数秒。職人技って凄いわね。
で、金を払い、たこ焼きを受け取って列を開けた前の客……そして私の前に広がる、職人の戦場。
どれだけの技を磨いてきたのか、その職人技を発揮できるための環境はどんなものか、研鑽に研鑽を積んでようやく可能となる配置……見事としか表現しようがなかった。これは、味にも期待はかかるわね!
「――蛸一舟、牛一舟でお願いするわ」
ちゃりん、と小銭入れから銅貨をお釣りがないように取り出すと、指定された小銭置き場の中に置く。流し目で店主のつぼまじんは確認すると、そのままホルダーに入った針を手に取ると、鉄板の表面を撫でるように沿わせた。
「!?」
沿った場所からたこ焼きが自然とひっくり返っていく!?鉄板に広がる生地同士の繋がりを絶っただけなのに!しかもいつの間にか切れ端がたこ焼きの中に入っている!?早業ってレベルじゃないわよ!私の目が追えなかったってどんなレベルなのよ!やっぱり鍛えられた技術は裏切らないわね……。
くるりと回ったたこ焼きが鉄板の中に沈み、形が自然と整えられていく中、既に彼女の片手には舟が二つセットされている。そして何かを待っているかのように静まりかえる中……!

「――あらよっ!」

「――!?」
な、何をしたのだろう……。ただ、針で鉄板を軽く叩いただけのように見えた。けど、それだけで、鉄板の中で丸くなっていたたこ焼きが跳ね、次々と舟の中に入っていく。その数、計八つ……!
八つじゃない!いつの間にか反対側のたこ焼きも舟の中に入っている!計16のたこ焼き、位置は対岸、でも彼女の両腕が届く距離にある以上、そこは彼女のまな板の上も同然だった!
「はっ……せいっ!」
聞き取れるか聞き取れないかの小声で気合いの声を挙げながらリズムを取って、手に持つものを認識が難しい速度で変えていく店主。まるでDJが訳の分からない装置の摘みを高速でいじっているような……それよりも難しいことをしているような、そんな気さえさせられた……。
これは唖然とする他ないわ。確かに頑固焼きの店主も注文を受けてから直ぐに出したけれど、そこに技を組み入れるなんて……ラーメンの湯切りみたいなものかしら。もしかしたらこれよりもさらに早くなるかもしれない……って、これ以上に早くなったらどうなるんだろうか。そもそもたこ焼きの生地が焼き上がる速度が付いていけるんだろうか……。
などと考える私の前に――竹舟二つが差し出された。よく見ると舟に断熱用魔力が使われている。細かい気配りって大切ね。

「――あいよっ!蛸一牛一お待ちっ!またの来店、お待ちしてますぜっ!」

この魔物本当につぼまじんなんだろうか。確かあの種族臆病だったはずよ?修行で性格矯正でもされたのかもしれないけど、っとそんな考えはいいわ。
さて、実食といきましょうか。私は舟を持ちつつ、近くのベンチに座ると、そのままベンチに置いて、手を合わせた。

「――頂きます」

さて、まずここのたこ焼きはどちら系統かしら。確か頑固焼きはサクトロ系だったから、ここもそうかしら?と、楊枝の代わりに付いてきた割り箸を手に、一つ摘む。うん、硬い。この辺りはオリジナルを踏襲しているのね。さて、まずは蛸の方を頂きますか。
いつぞやのお好み焼きの時のように、鰹節が触手よろしくにょろにょろ動くのが可愛らしくてしょうがない。もう食べちゃいたいくらい可愛くてぱくりと鰹節だけ頂いちゃったり。
さて、ソースごとがぶりといきますか。湯気立つたこ焼きを箸で掴み、私は唇が熱を感じるのに構わず、両歯を噛み下ろした。

ザクッ!
「――!!!」

あ、熱っ!思いの外熱っ!霧の大陸産小籠包トラップジパング編やっちまったわよ!
でも……でもね……こうでもしなきゃたこ焼きの美味さは分からないのよ。だって……。
熱々の皮に包まれた、とろとろで甘い生地は熱によってその旨味を増し、濃ゆい出汁の風味は熱気から生じる湯気によって口内全域に瞬く間に広がっていく。
そして表面の硬い"殻"の中にある熱い生地によって見事に二度茹でされた蛸は、海鮮の臭みを消し去り、海の生き物の中でも独特の弾力性と柔軟性を歯に伝え――噛み切り、噛みしめる度に、内に秘める海の幸が凝縮した、塩気やや濃いめの蛸のエキスを存分に私の中に放つ!熱によって増した甘みは、生地の出汁の甘みと相性が良く、それを生地に入れられた揚げ玉の持つ脂の味わい、紅生姜の酸味に刻み葱の刺激……そしてツンと来る辛子マヨの味わい……!
足先から脳天までピン、と来るこの味わい……うん、塗れるわねぇ……♪
続いて二つ、三つ……はふはふと頬張りつつお茶を一杯……うん、やっぱり脂物にはジパングのお茶よねぇ。この渋みがたまらないのよ。
あぁ、熱いのに、熱いのに箸が止まらないわ。舌の上が燎原の炎に包まれてもきっと箸を止めることはないでしょうね私……。あぁ、アルスにこの熱のまま持って行きたい……あ、でもたこ焼きの高級化ってどうやるんだろうか。オリーブオイルにバジルでも使うのかしら?
「……さて、こっちはどうかしらね?」
一つの舟を平らげ、私はもう一つの舟、つまり牛筋入りのそれを手に取った。蛸入りのそれとは違い、かかっているのはソース、鰹節、青海苔のみ。しかもソースも心なしか薄い気がする。
「――」
ごくり、と私の喉が唾液を嚥下していく。薄い、というだけでまた違う何かを感じ取ったのかもしれない。あえて薄くした理由が、もしかしたら生地が違う理由にあるかもしれない……そんな予感がひしひしと私の中を巡り巡る。
心なしか、さっきより柔らかいたこ焼き。湿気った、と言うよりは元からそんな感じなのかしら……そんな感じね。箸からも伝わるもの、この熱気……収まりきらない熱気が威圧感として私の前に厳然として存在している事実。さぁ食らうがよい、と私に手招きしているその挑戦……受けて立つ!
「――あむっ!」

――その時、私に電流が走る――ッ!

「――ッ!?」
……ふと、私は何処か古ぼけた路地裏に来ていた。様々な、王宮ではまず出されないB級の品々を取り扱う飲み屋が建ち並ぶ一画。私はそこに吸い寄せられるようにふらふらと歩いていったのだ。
活気のある、がやがやとした声が店内から響くけれど、私の目的はそこじゃない。飲み屋の先にある、小規模の屋台だ。
「らっしゃい!」
と気のいい親父さんが私に声を掛ける、一台の木製移動式屋台。その前で私は立ち止まり、小銭を渡した
「あいよ、嬢ちゃん。笑顔が基本だぜ?」
手のひら二つで余りある大きさの小皿に、鉄鍋からドロリとした物が掬い出されよそわれていく。濃ゆい、何時間も煮詰めた甘みと辛み、酸味とそれらを纏め上げる旨味が多分に含まれた濃い香りが鼻腔を擽る。咽が渇くような感覚もあるが、それはきっと、クーラーボックスにある酒が癒す物なんだろう。
使い捨ての安い皿、そこに盛られた、外見的には汚いとすら思われる濃い茶色の物体。けどそこから放たれる暖かく甘い香りは、私の心にそれを頬張るように訴えかけてくる。
私はその心に素直に従い、口を開いて――!

「――っ」
ごく……んっ。
……味が、味に関する情報が、かなり濃縮されていた。今の幻影、何処かノスタルジックでありながら、その実一度も経験した覚えはない。
これだけの風景を私の中に思い起こさせる主な原因は――たこ焼きの生地に含まれる出汁と、蒟蒻だ。出汁が染み込んだ蒟蒻が生地の中に入ることによって、不思議な弾力とピリリと辛い風味が私の口の中で弾けるんだ。
紅生姜がない代わりに、ネギが多くなっているのも特徴的だ。シャキシャキとした触感と刺激的な野菜の辛みが私の目を見開かせ、もっと味わえとばかりに歯を動かさせる。
そして何より――牛筋の旨味。煮込まれたそれは舌先で蕩ける柔らかさと、噛めば噛むほど味が出る濃厚さという相反する性質を併せ持っていた。歯を入れた瞬間に生地と共に溢れ出す肉の味に、私は思わず箸から指を外し、ビール生中を持つように箸を握りしめていた……!
「――ハッ!?」
いけないいけない!何て強烈な誘惑なんだ……白昼堂々酒を求めるところだったわ……不覚。
ともあれ、これはソースが少ないのも納得だわ。濃い味同士が喧嘩しかねないもの。そしてもしかしたら、辛子を直に付けるとか、さっぱりとした別の出汁に付けて食べるとかしたら、さらに美味しいかもしれないわね。
何れにせよ――満足以上!最後のたこ焼きを食べ終えた私は、いつものように手を合わせたのだった……。

「――御馳走様でした」

――――――

そして数日後、私はナドキエ出版名義で手配した一室にいた。いつぞやの『黒羽同盟』の面々も厳選5名を呼んで。
「――だって"新作の品評をして欲しい"なんて舟の下に手紙を貼られちゃあ……ねぇ」
その前の文には彼女の夢と抱負が書かれており、大陸にたこ焼きを広めたいという彼女の思いが熱を込めて記されていた。
「で、先に"売れ筋"を食べた感想はどうだったのさ?」
「サナ、それは食べれば分かるわ。それに、私が食べてマズい物を、貴女達に薦めると思う?」
私の答えに、面々は期待の笑みを隠さない。そして私も笑みを隠すことはない。

「――さぁ、本気の品を出してきなさい。新作が美味しければ、それも含めて私らも本気で宣伝するわよ!」

既に熱気は向こうからも伝わってくる。新作が出てくるまで、私はどう適切に言葉をかけようか、頭を巡らせることにしたのだった……。

fin.
13/06/09 00:43更新 / 初ヶ瀬マキナ
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■作者メッセージ
おまけ:懲りないブーモーの面々は

オ1「あのリリムをぎゃふんと言わせたい!」
オ2「そうだ!リリムの姉がアイツの弱点だって聞いたぞ!そいつにアイツがアタシらに行ったことをバラせば……!」

規律風姫「……食堂での規律無き行動の数々、やはり妹の手に余りましたか。仕方ありません。私自らの手で指導して差し上げます」

1&2「ブッヒィィィィィィィィィィィィっ!」


流れの双剣士さんのリクエストでした。
どうも有り難う御座いました!

かりふわもとろふわも好きです。
あと……あの異様な値段の高さはどれだけ利益を積んでいるんだろうと思ってしまう。

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