連載小説
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真っ赤な誓い
「ねえ、春くん、この木、覚えてる?」

木漏れ日の降る森、彼女に誘われて散歩をしていた。新緑の薫りは深く、春を謳歌する木々は、すでに夏へと向けた準備をしているようだった。

美しい色彩の翅を揺すり、はしゃぐ彼女の背中を追う。虫の腹が、ぷっくりと膨れている。

俺の妻は、パピヨンだった。
蝶の魔物娘。
俺のことを想って、俺の恩人たち(秘蔵コレクション)を勝手に食み、一人蛹になり、ドストライクの容姿に成長した元グリーンワーム。そうは言っても、昔の彼女だって好きだった。その写真を使ってヌけてしまうほどには……。

「ねぇ、聞いてる?」

反応がなくて、少し拗ねたように振り向く彼女。

「ああ、聞いてる。この木、昔よく俺たちが遊んでいた木だ」
「よかった。ちゃんと覚えててくれた」

まるで陽だまりのような笑顔。その暖かさにドキリとしながら、向き直った彼女の後ろ姿には、ギクリとする。

みゆきちゃん、それはワザとなのかい?

大きく膨らんだ虫の腹が、彼女のお尻の方から伸びている。いつもだったらその腹を通す、下着が見えないスカート、もしくは、下着が見えないように虫の腹を下げていると言うのに、今は大きく上げられ、扇情的なショーツが丸見えだった。
ほんわりした、可愛らしい容姿とは裏腹に、挑発的な赤。
しかも、布面積は小さくーーTバックではないもののーー尻肉に食い込んでいる。

それは秘蔵コレクションの一シーンだった。
そんなん見せつけられたら思い出に浸ってられるワケないやろッ!

と、ツッコミたかったがーー何を、とは云うまい、ナニを、とはーー暖かな笑顔を浮かべる彼女に、襲いかかることはためらわれるのだった。

「ねえ、春くん、一緒に、登ってみない?」

尻が喋った。
間違えた。
背を向けている彼女が喋った。

「この木に?」
「うん」

振り返った彼女は、やはり陽だまりのような笑顔だった。

でも、その服で登ったら汚れてしまうんじゃあ、と云えば、毎日ベトベトに汚すのは誰、と聞かれて何も云えなくなる。

「わかった。じゃあ、私が春くんを抱っこして飛べばいい?」
「まぁ、それなら良いかな」

きっと、彼女は俺を後ろから抱いて、パタパタと飛び上がるのだろう。
そう考えていた俺はみゆきさんを舐めていた。

お姫様抱っこされた。
ウチの奥さんはとても男前だった。
だと云うのにこれでもか、と豊満な胸に押し当てられ、もう、俺に勝てるところはないんじゃないのか、と思う。

パタパタパタ、と飛び上がり、彼女が降り立った枝は、かなり高さがあった。
俺はお姫様抱っこをされたまま、彼女の首にしがみついていた。

「もう、春くんってば、甘えん坊さんなんだから」
頬をすり寄せてくる。
「いやいやいやいや、そんな問題じゃないから。メッチャ高いから、と云うか、みゆきちゃん、わかっててやってるでしょ」
「さぁー、どうでしょー」
可愛らしく首を傾げるが、その眼に宿った悪戯っぽい瞳は、かつてのグリーンワームのものだった。

されっぱなしも癪だから、首筋に甘く歯を立ててやる。
「やぁん、食べられちゃう〜。……ンッ」
甘く震える彼女だが、こうして抱かれていると、彼女の甘い香りに包まれて、俺の方が食べられているよう。
それはもちろん、間違ってはいない。

「んしょっと」
彼女に下ろされ、意外と太くて頑丈らしい枝に跨る。

うん、そうするしかない。ここで彼女にナニをされようが、抵抗することなど出来るわけがない。今気がついたところで、後の祭りだった。

さぁ、俺はナニをされるのか。

あんなにも挑発的な下着を穿いてきた彼女なのだ。動けない俺を対面座位で咥え込んでもおかしくない。
股間が、いやでも(いやじゃない)膨らんでしまう。

でも、みゆきちゃんと云えば、俺の顔を見てふんにゃり微笑んだまま。

大きく開いた胸元から、蜂蜜色の谷間が見えている。見ているだけで、その柔らかさがわかる。もちろん、毎日揉んでいるのだから、その柔らかさは指が覚えている。

ま、まさか、これは噂に聞く生殺しプレイ……。
高所で動けない俺に見せつけて、劣情を膨れあがらせる、パピヨン殺法の一(いち)……。

そんなことを思っていれば、
「私ね、ここに春くんを連れてきたかったんだぁ」
それは微笑んでいたけれど、ちょっと、切なそうな瞳だった。

「ここでね、春くんがいなくなってから、私、一人で泣いてたんだ」
遠くを見るような瞳。その瞳に、胸が締めつけられる。彼女は、俺を責めるためにここに連れてきたのだろうか。いや、彼女のことだからそれはないとは思うけれどもーー。
「ごめん」思わず口に出していた。
「ううん、大丈夫」彼女は静かに首を振る。「別に、謝ってもらうつもりで連れてきたわけじゃないの」
彼女はモジモジとしだした。
何か、言いかねているようだった。

「どうしたの? みゆきちゃん」
「え、えーっとね、えーっとね、」
頬を染め、チラチラと、こちらに視線を向けてくる。
「何か、して欲しいの?」
そう尋ねれば、瞳を揺らし、耳まで真っ赤になりながらコクンと頷かれる。

「……て、欲しい」
「え?」
ぽしょぽしょ云う声は聞こえなかった。

「う〜〜……。……て、欲しい」
唸りだす彼女だが、やはり聞き取れない。
「ごめん、みゆきちゃん、ちゃんと云わないとわからない」
まだ唸っている彼女だが、意を決したようだった。

「春くん、ぎゅってしてぇ……。寂しかったぁ……。もう、大丈夫だ、って」

危うく木から落ちそうになった。
逸る心臓を抑える。

「抱っこして、くれないのぉ……?」
むずがるような上目遣い。

破壊力が上がった。

だ、抱っこしてあげたいのは山々なのだけれども、気を抜くと吐血どころか砂糖が噴射しそうだった。

だ、だが、むずがる嫁を放っておくことなど出来ない。

「も、もちろん……」

ずりずり慎重に腰を動かし、彼女の方へ向かう。途中で、木の枝がツルツルになっててビビったが、何とか彼女を抱きしめられた。大きな柔肉が胸で潰れ、華奢でありながらも、柔らかく肉づきの良い彼女の感触を包み込む。
甘い香り。彼女は俺を確かめるように、頬ずりしてきた。擦れる髪の感触がむず痒い。

「えへへぇ、春くんだぁ……」
「寂しい思いをさせて、ごめんな」
「ううん、大丈夫。今は春くん、いてくれるから……。これで、寂しい思い出、一つ更新出来た」

彼女の言葉に、そう云うことか、と納得した。

抱きしめる力を強くして、後ろ頭をかき抱きながら耳元で囁いてあげる。
「みゆきちゃん、他にもしたいことがあったら云ってくれ。俺は鈍いから、云ってくれないとわからない。俺の仕事は、みゆきちゃんを幸せにすることだ。寂しい思い出は全部、上書きしてやる」
抱きしめている彼女の体がピクンと動く。
「嬉しい……」
キュッと、背に回された手に力が籠った。

彼女の頭をよしよしと撫でて、ひとまずぎゅっ、を解いた。
目尻にたまった涙に、罪悪感とともに決意を強くする。

「え、……と、それでね、春くん……」
みゆきちゃんが何か言いかけていたが、俺は、俺たちが跨っている木の枝が、どうにもツルツルしていることが気になった。触ってみれば、やはりツルツルとしている。
まるで何かで擦り続けたような……。

その感触を確かめていると、何やらみゆきちゃんはあうあうと困っているようだった。

「どうしたの、みゆきちゃん」
「え、えーっと、あまり、擦らないで欲しいかな、って……」
「どうして?」

コスコス……。
何だかとても手に馴染んで、クセになる手触りだった。

「ぅう……」

何やらモジモジとしているみゆきちゃんだったが、どうにも腰が動いているよう。

「みゆきちゃん、トイレ行きたいの?」
「ふぇッ、何でそんなこと……」
彼女にしては珍しく、抗議するような目を向けられた。
「いや、だって、腰が動いて」
「あぁッ! つ、ついクセで……ここに来ると……。う、ううん、何でもない」
顔が赤かった。彼女の甘い香りが、強くなっていた。

それで、ピーンと来てしまった。
どこに、とは云わない。
だが、木をここまで磨きあげるまでには、何度すれば良いのだろうか、と戦慄を覚えなくもない。
おもむろに、コスコス擦ってから匂いを嗅いでみる。
「きゃぁあッ! なな、何を……」
「何、って、木の匂いを嗅いだだけだよ。嗅いじゃまずかった?」
鈍感なフリをして尋ねる。
「そ、そんなことは……、は、春くんなら……」
「あれれ〜ッ? これ、どこかで嗅いだことがある匂いがするぞ〜っ、どこだったかな〜」
「ひゃぅッ!」
コ○ンくんみたいな口調で云えば、彼女は肩を竦めていた。

すっげぇ可愛い。
クセになりそう……。

「は、春くんの意地悪……」
「ぺろっ」
「きゃぁあッ! な、舐めた……私の蜜が染みついた木の枝を触った手を……。うぅ、もう、お嫁に行けない……」
「大丈夫、もうみゆきちゃんは俺の嫁だから。だから、恥ずかしいことをしても大丈夫なんだ」
「そ、そうだけどぉ……」

ふるふる震える彼女にはもう少し意地悪したくなって来る。

「みゆきちゃん、みゆきちゃんの蜜って、どこから出る蜜? パピヨンって、体から蜜出たっけ?」
「はぁうッ……。そ、それは隠語って、云うもので……。私の、お股から……」
「見せてくれない?」
「見ッ、見ぃ!?」
みゆきちゃんは耳まで真っ赤だった。

「いやいや、だって、そんな蜜が出るなんて、パピヨンの神秘をこの目で見たくなったんだ」
「ま、毎日吸ってるクセにぃ……」
「見ーせーてー。みゆきちゃんの、エッチなところ見たいなー。俺の奥さんの、可愛くて淫乱なところが、見たいなー」
「ひぅッ、そんな、エッチ、とか、淫乱、とか……。でも、可愛いって……」

子供のような口調で云えば、どうやら彼女の琴線を刺激したらしかった。

「そ、そんな風におねだりされたら……」
モジモジしているみゆきちゃん。だが、その腰はすでに微かにでも動いていた。
「あれれ〜、みゆきお姉ちゃん〜、どうして腰動かしてるの〜? 僕、子供だからわかんなーい」
「ひぅッ、子供……。まだ子供の時の春くん……、みゆき、お姉ちゃん……。ン、んぅ……」

みゆきお姉ちゃんは、なんと、スカートをたくし上げてその下を見せてくれた。
そこはすでに、木の枝を蜜で濡らしていた。

と云うか、縮れ毛が見えるくらいの短いショーツ……。しかも赤……。
辛抱堪らんとです。

もはやキャラがわからなくなるくらい昂奮してしまうが、それでも子供キャラを続けることにする。

「みゆきお姉ちゃん、なんか、濡れてるよ〜、お漏らししたの〜? お姉ちゃんなのにー」
「う、ゥう……。違うの……。これが、蜜なの、女の子が、気持ちよくなった時に、股から溢れちゃう蜜……」

みゆきお姉ちゃんは答えながらも、スリスリと木の枝に股間を擦りつけている。
すでに溢れ出た蜜は、木の枝をいやらしくテラテラと濡らし、ムッチリした太腿までテラついていた。
ゴクリと唾を飲んで、子供のものではない、股間のモノが膨らむ。
だが、プレイはやめない。

「じゃあー、お姉ちゃんは、気持ちよくなってるのー? 気持ちよくなるって、なぁに〜?」
「そ、それは……」
「なぁに〜?」
「うぅ……」

精一杯純真な子供のフリをして、邪悪な大人の瞳で彼女を覗きこむ。
みゆきちゃんは恥ずかしがりながらも、腰の動きは強くなって来ているようだった。
小さな布切れのような赤いショーツに、膨らみを見つけた。お姉ちゃんはお豆さんを膨らませていた。

「え、エッチな気持ちになる、って、ことぉ……春くぅん、意地悪だよぉ……」
潤んだ瞳で見つめ返される。ぞくりとする。だが、誘われているのは俺の方に違いない。
「お、お姉ちゃんは、エッチ、なんだ……」
「ぅン……」

すりすり……。
そろそろ溢れ出した蜜の音が聞こえて来そうだった。木の枝に股を擦りつける、淫猥な嫁の姿に、俺の方が我慢出来なくなりそう。
咽喉を鳴らす。

「じゃあ、何を考えて、エッチな気持ちになるの?」
「春くん……」甘えた声。彼女の甘い体臭。頭がクラクラしてきた。「春くんに、キスされて、おっぱい触られて、吸われて……」
潤んだ瞳が俺から離れない。
ズボンにはすでに立派なテントが張られている。

「ンゥ……」彼女は片手でスカートをたくし上げ、右手で乳房を弄り出す。「……ァ……」
悩ましい吐息が背筋をくすぐる。
「みゆきちゃん……」
「春くぅン……」彼女は続きを口にしてくれる。小さな、花びらのような唇で。「春くんに、おっぱい弄られてぇ、お股触られて……クリちゃん摘まれて、キスされてぇ……、ン、おま○こにぃ……舌が、入ってぇ、くる、のぉ……」

腰をくねらせる痴態に、彼女のショーツだけではなく、間違いなく俺のパンツも汚れている。
「舌、だけ?」
「違ぁう……。指、もぉ……」
「他には?」
鼓動は速く、息も荒くなってしまう。

「おち○ちんもぉ……、みゆきのおま○こに、入ってくるのぉ……。入ってぇ、ずぼずぼしてくれるのぉ。それからぁ、ザーメン。ザーメンだけで孕んじゃったくらいに出されるの……。それからぁ、お口にも、濃ゆいザーメン、お尻、にも……ぉ……。アン……。春くぅん、切ないよぉ……」

もう、我慢出来そうになかった。

木の枝に股を擦りつける彼女のショーツに指を当てる。
「ひゃんッ、春くんのぉ、指、だぁ……。本物ぉ、嬉しい……」
トロンとした瞳に、愛しさがこみ上げてくる。

「みゆきちゃんッ!」
「……ン、春くぅん」

抱きしめて、唇を重ねる。切なく震える唇は柔らかく、舌を絡ませれば、甘い唾液が口内に広がる。夢中で吸いつく。

「ン、ふぅ……ぇろ……」
すがりつくような舌遣いに、脳髄がじーんと痺れてくる。豊満な胸に手を触れて、彼女の心に触れるように揉みほぐす。
「あぁ、ン……春くんの、手ぇ、あったかい……」
甘えた女の吐息が、理性を蕩かしてくる。
大きく開いた胸元から、おっぱいを無理矢理押し出す。
「んぅ……乱暴ぅ……」
そんなことを云いながらも、決して抵抗も憤ることもせず、彼女はむしろ嬉しそうに受け入れてくれる。
やがてたぐり寄せた薄桃色の乳首は、すでに固く尖っていた。同じくらい尖らせた舌先で、チョンっとつついてやる。
「あふッ、ン……」
艶やかな音色に、そのまま吸いついて舌で転がす。
「やぁ……。春くんにぃ、おっぱいィ、吸われてるぅ……。一人でシてた、ここで……。夢じゃ、なぁい……」
乳房から官能と歓喜の震えが伝わってくる。
そのまま右手をショーツの中に侵入させる。ぐっしょり濡れた茂み、切なく膨れた陰核。皮を剥く。
「ッふゃあん……」
彼女の身体に快楽が奔る。ふくりとした土手肉を、人差し指と薬指で挟み込み、陰唇に中指を沿わせる。ヒクつくラビアが、中指を咥えこもうとしてくる。手のひらに触れる陰核を擦るようにして、中指を折り曲げて彼女の膣内に侵入する。
「ンんんぁ……」
俺のシャツをぎゅっと握りしめて、声を押し殺していた。
ちゃッ、チャッ、チャッ。
ぐちゅぐちゅ肉壷をかき混ぜていれば、溢れ出した淫蜜が鳴く。
「やぁあ、音ぉ……」
「大丈夫、俺たちしかいないんだから……」
「イ、るぅ……ぅンッ」
ビクビクと肢体(からだ)を小刻みに痙攣させるみゆきちゃん。
「イっちゃった?」
「ぅう〜〜〜〜ッ」
抗議するように身体を押しつけてきて、唇を奪われる。拗ねたように、甘えるように、舌が絡みついてくる。彼女の手が、俺の股間に伸びていた。
「大っきぃ……」ウットリとした眼を向けられる。
「みゆきちゃんのエッチな姿を見てたら、当たり前だろ」
「じゃあ、お返ししてあげる」
もうスイッチが入っているらしい彼女は、頬を染めつつも、羞(は)ずかしがることなく、股間に顔を近づけてくる。ズボンの上から頬ずりされる。木の枝に腹ばいになり、豊満な胸が潰れている。情欲の炎に揺れる瞳は、まさしく牝の蝶だった。
極彩色の羽は愉しそうに揺れ、昂奮した虫の腹が、大きく天に向いている。

彼女は口でチャックを下ろしていく。舌で弄り、可憐な唇の卑猥な行為に、股間を固くしながら魅入っていた。
彼女は口だけを使ってち○ぽを取り出すと、赤黒く膨らんだ亀頭に舌を触れさせる。可愛らしい顔貌(カオ)の彼女にそんなことをしてもらって、背徳感がこみ上げてくる。
「春くんも、すごい濡れてる……ちゅ……美味しい……ぇろ……」
カリの結びを舌でなぞり、亀頭をワイプして撫でるように舐められる。鈴口をなぞられる。
「みゆきちゃん……ぅう……」
「気(ひ)持ち(ひ)イイ……?」
可憐な唇に、亀頭が埋まっていた。
「うん、すごく」
「よか(は)った(は)……ちゅ、ずず……」
肉棒が先端から順に、艶のある唇に飲まれていく。温かく湿った口内。ぴっちりと裏筋に舌が当てられ、波打つ動きに堪らない快楽が与えられていく。根元まで埋まった肉竿が、彼女の口内(ナカ)で甘えるように震える。
「んふ」と、眼だけで笑われる。悪戯っぽい表情(カオ)。グリーンワームの時から変わらない表情。
それに、当時に戻ったような心持ちになってしまう。
俺は子供で、パピヨンへと羽化した彼女にしゃぶられている。

「みゆき、お姉ちゃん……」
思わず呟いた言葉に、彼女は眼を見開いていた。そして、恍惚(ウットリ)と嗤う。
その眼は、お姉ちゃんに任せなさい、と云っているようだった。実際のところ、彼女の方が年下ではあったが、今の彼女は間違いなくお姉ちゃんだった。
子供の俺は、コクリと頷く。

ちゅ、ずずずずずずず……。

「うぐぅ……」
頬を窄めた下品な口淫顔貌(フェラがお)を見せるお姉ちゃんに、堪らず呻き声をあげてしまう。お姉ちゃんは俺の反応に気を良くしたようで、貌を激しく左右に振り始める。
じゅぱッ、じゅぽじゅぽ……。
大人のお姉さんの口淫に、子供が耐えられるワケなんてない。
「お姉ちゃん、僕、出るッ!」
ビクビクと肉竿が震える。口内(ナカ)に収めた肉棒の震えに、彼女は一気に喉奥まで飲み込むと、強く吸引した。
「うぐッ」
堪らず、腰を突き出しながら射精する。もちろん、子供ではなく、大人の、インキュバスの精液の量が彼女の喉奥に叩き込まれる。だと云うのに、お姉ちゃんに任せろと云った通り、彼女は細い咽喉(のど)をコクコクと上下させ、俺の汚液を飲んでいた。
射精後の敏感な肉棒はまだ彼女の口内(ナカ)で、ビクビクと震えていた。
舌で肉棒を押しつぶすようにされれば、残り汁がジョッと飛び出す。
「うぅ、う……」
呻く俺を見つめながら、口ま○こから、肉棒が抜き取られていく。
裏筋に舌が貼りついたまま、ズルズルと可憐な唇から、血管の浮く醜い肉棒が引きずり出されていく。彼女の唾液に濡れ、この上なく卑猥な光景。カリの引っかかりを引かれた時、もう一度残り汁が噴射された。ずるりと赤黒い肉頭が露わになり、可憐な唇が離れていく。
上目遣いで悪戯っぽく微笑み、彼女は口を開く。
舌に乗っかった黄色混じりの白濁、それと混じって糸を引く唾液、薄い膜が張ったような頬肉。この上なく淫猥な痴態を見せ、彼女は口を閉じる。
「ン……」
唇がクチクチと蠢き、舌でザーメンを転がして味わっているようだった。
「ンクッ」
可愛らしい嚥下で口を開けば、そこには何も残っていなかった。

「まだ、出したりないみたいだね」
卑猥な痴態を見せた同一人物とは思えないほどの、慈愛に満ちた微笑み。
だが、その瞳は情欲に濡れ、怒張したままの肉棒に向けられていた。
「じゃあ、次は……」
彼女は起き上がり、上体を反らしていく。乱れた胸元から溢れたままの桜色の乳首が震え、たくし上げられたスカートの下、真っ赤な布切れが見えた。もはや穿いていない方がいいのではないかと思えるほどにぐっしょりと濡れ、ワレメのスジがくっきりと浮いていた。
本当の子供になってしまったような俺は、ずりずりと近づいてくる大人のま○こを、呆けたように見ていた。
「ふふふ」
本当に年上のお姉ちゃんのような彼女が、肉肌に触れる。細い、小枝のような女の指に、肉竿はピクリと震えてしまう。みゆきお姉ちゃんはそのまま怒張を押し下げて、小さな布切れのようなショーツ、赤い秘布(ヴェール)の奥へとち○ぽを導いていく。
「んッ……」
陰核に肉先が触れて声を出しても、お姉ちゃんは優しく肉棒を陰唇に沿わせ、下の入り口へと導いてくれる。卑猥な膨らみがショーツに潜り込み、肉竿は土手肉に食まれていた。カリの上側が入り口に引っかかり、そのまま、跳ね上がるように肉頭は彼女の膣内(ナカ)へと潜り込んでいく。
「あぁッ、ン……」
とうとう悩ましげな声をあげた彼女。根元まで咥え込まれた肉棒には肉襞がぴっちりと絡みつき、芋虫が這うようなうねりが伝わってくる。子供には早い、大人の快楽。だが、俺たちは大人で、彼女が咥え込んだ男性器も大人だった。
俺も腰を動かし、肉先の子宮口をつつく。
「ンぅ、やぁッ……。春くゥん、お姉ちゃんが動くからぁ、春くんは動かなくてイイからぁ……」
腰を押しつけたままくねくね腰を動かし始めるみゆきちゃん。露わになった腹がいやらしく波打ち、官能的な大人の腰つきが、肉棒を愉しませてくれる。
「アッ、はぁん……」
エロ過ぎるお姉ちゃんに、堪らずぐい、と腰を押しつける。
「ンぅッ、だからぁ、私が動くってぇ……」
「大丈夫、俺も動くから、お姉ちゃんが休んでて」
挑発するように云ってやる。
「イイのぉ、私が動くのぉ……」
お互い上体を反らして、股だけ合わせて競い合う。どっちが相手をより気持ちよくさせられるか。子供じみたやり取り。だが、子供と云うには卑猥すぎる。
「んぅ、あっ、あっ、あっ、あっ」
「みゆきお姉ちゃん、気持ち良さそうな声出してるじゃん。俺の勝ちだな」
「違ぁうぅ、私の方が、春くんを気持ちよくするんだからぁ」
膣肉が別の生き物のように蠢き出す。
クゥッ、気持ち、イイッ!
「春くん、気持ち良さそうな貌してるぅ、私の方、……ン、が、気持ち良く出来てるね……ンぅ……」
「そう云うみゆきお姉ちゃんは、すごいエッチな貌をしてるじゃないか。トロンとした目で、涎も垂れてる」
「やぁあ、そんなこと云わないでぇ……」
だが、いやいやと振られる貌と裏腹に、彼女の膣内は悦んできゅうきゅう締めつけてくる。
「あぁ、春くんのおち○ちん、私の中で、膨らんだぁ、ンぅうッ、気持ちイイんだぁ……。早く、降参して、私の中で出しちゃってよ」
より強く腰をくねらせるお姉ちゃんの痴態に、負けじと腰を押しつけて揺する。肉胴の反りで、彼女の好きなところを擦ってやる。
「んぅう、アッ、アッ、アッ」
悦びに喘ぐ雌肉が、ぐねぐねと絡みついてくる。限界なのは事実。だが、彼女だってイきそうなのも事実だ。きゅんきゅん膣は締まって、全身が小刻みに痙攣し始めている。より強く腰を突き出して、子宮口をゴツゴツ抉ってやる。
「ンゥッ、んぁあ、クゥ……」
「みゆきお姉ちゃん、イきそうなんだろ。ちゃんとイく時はイくって云えよ。ズルはダメだぞ」
「春くんだってぇ、おち○ちんピクピクして、イきそうなんじゃない。春くんだって、イく時は、云わなくちゃ、ダメだよ」
腰をくねらせるみゆきお姉ちゃん。このままヤりあっていたかったけれども、尿道にこみ上げてくる射精衝動に、すでに肉竿は膨らんで、発射してしまう。
「あっ、ダメだ、イくッ」
ゴツンと腰を打ちつけて、膣奥に種付けしてやる。どくどくと肉胴が脈打ち、彼女の膣奥(ナカ)、子宮の中まで白濁で染め上げていく。子宮を精で穢される感覚に、彼女の膣内は痙攣していた。
「あぁッ、ダメ、せっかく勝ったのに、イ、イぐ、イっちゃうぅ〜〜〜〜ッ!」
咽喉を仰け反らせて、全身をガクガクと痙攣させるみゆきちゃん。膣内も痙攣し、その振動で俺は再び射精してしまう。
「や、やぁアッ、まだ、まだみゆきのナカで、出てるぅ……」
ビクンッ、ビクンッと震え、虚ろな瞳で涎を垂らすみゆきお姉ちゃんは、この上なく淫らで綺麗だった。気づけば彼女は、じょろろろろぉ、とお漏らしをしていた。
繋がったままの結合部から、黄色い液体が溢れ出していく。ツルツルの木の枝を濡らし、木漏れ日のように、黄色い雫が落ちていく。彼女の体臭とは違う香りが、新緑に混じっていた。

「俺の勝ちだな」
「違うもん、私の方がイかせるの早かったもん、春くんは二回イったでしょ」
「でも、みゆきちゃんはお漏らしするくらいイったじゃないか」
それを指摘すると、彼女は貌を真っ赤にさせる。
「そ、それを云わないでよぉ……」
羞恥に貌を染める彼女は可愛らしい。
その貌を見ていると、やっぱり負けたのは俺だと思ってしまう。
だから、素直に負けを認めておくことにする。
「俺の負けだ。みゆきちゃんのナカが気持ち良すぎて、俺が負けた。でも、今度は負けないからな」
そう云えば、ニッコリと笑ってくれる。
「私だって、今度も負けないもん。今度はお漏らししないし……」
最後はぽしょぽしょと、貌を赤らめて声が小さくなる。
「それは困る。みゆきちゃんのお漏らしはまた見たい。と云うか、普段も見せて欲しい」
「あぅ……。春くんの、変態……。あれには、そんな種類のもの、なかったじゃない……」
みゆきちゃんの云っているのは、彼女がパピヨンになるために喰った、俺の秘蔵コレクションのことだ。あれには雑誌だけではなく、DVDも含まれていたはずだがーー、それについては考えないことにする。
「みゆきちゃんのせいだ。俺にそんな趣味はなかったのに、まだち○ちん挿(い)れてるのに、おしっこをち○ちんにかけられて、その暖かさとか匂いとか嗅がされてーー」
「きゃぁあぁあッ! やめて、やめてやめてやめて、わ、わかったから、ま、またお漏らしするから、普段でもおしっこするとこ見せてあげるからぁ、そんなこと云わないでよぉ……と云うか、私、何をおかしなこと云って……」
頬を赤らめて貌を俯かせるみゆきちゃん。
可愛すぎる嫁だった。
「ありがとうみゆきちゃん」
「イイ貌してる……変態ぃ……」
「何を云うんだ。みゆきちゃんがおしっこの良さを教えてくれたんじゃないか。俺に新しい思い出をくれたんじゃないか」
「新しい、思い出……」それは彼女の心に届いたらしかった。
「そうだ。みゆきちゃん、他にヤりたいことがあればドンドン教えてくれ。寂しかった思い出を上書きして、楽しい思い出を作っていこう。それで新しい性癖が出来てしまっても、それは二人の思い出として受け入れればイイんじゃないのかな」
「二人の思い出……」
おしっこに関して何を云っているんだ、と云う話だったが、実際俺はそう思っていた。
みゆきちゃんも納得したようで、コクンと可愛らしく頷いてーー、おずおずと口を開いてくる。
「じゃ、じゃあ……。また、お姉ちゃん、って呼んでもらってもいい?」
どうやら、彼女も新しい扉を開いていたらしい。
「もちろん、みゆきお姉ちゃん」
「は、はぁうぅ……」
何だか、感極まったように震えていた。俺も子供プレイはハマってしまいそうだった。と云うことは、相手に教えた性癖の数でも彼女の勝ちだと云うことだ。
つくづく、叶わないなぁと思う。
「うん、春くん、二人の思い出、作っていこうね。新しい、思い出を……」
噛みしめるように微笑んで、腕にすり寄ってくる彼女は可愛らしい。

チラリと下げられた虫の腹を見る。行きとは違って、スカートの下が丸見えにならないように注意深くしている。彼女は下着を穿いていなかった。だが、俺の精液が溢れて来ないように、膣肉は筋肉制御しているらしい。さすが魔物娘。

その、彼女の蜜や俺の精液、彼女の尿でぐしょぐしょになった下着は、あの木の枝に結びつけてきた。あんなところに結びつけられた下着を見つける人なんていないだろう。みゆきちゃんのオナニーでツルツルにされた木の枝の、寂しい思い出が更新された、真っ赤な誓い。

寂しかった過去を忘れられるように、もっと、彼女を幸せにしようと思う。
俺たちは二人連れ立って、森を後にする。

しかしーー、
「でも、何か忘れてるような……。本当は、何か別の目的であの場所に行ったはずなのに……。あ”……」何かに気がついた様子のみゆきちゃん。彼女はサッと貌を青ざめさせて、「は、春くん、ごめん、待ってて……、私、急いで行ってくるからぁーッ!」
彼女は突然元来た道を戻り始めた。
慌て過ぎたせいでスカートが捲れあがり、留めていたはずの俺の精液が、むっちりとした太腿を伝うのが見えた。
「み、みゆきちゃん、どうしたの? み、みゆきちゃーんッ! あんまり急ぐと垂れてるの見えるからぁーッ!」
「きゃぁあーーーーッ!」
慌ててスカートを抑えつつも、走っていく彼女の後ろ姿を見送った。

「どうしたって云うんだろう?」
俺はただ、首を傾げるだけだった。
まだまだ俺の知らないことがあるらしい。
だが、また後で聞けばいい。
何せ、これからはずっと一緒にいるのだから。
若葉の匂いの濃い、夏の盛りに向かう森の息吹を感じ、葉擦れの隙間から降ってくる木漏れ日を、俺は、暖かく浴びていた。

後で聞けば、あの木にはドリアードさんが宿っていたらしい。オナニーをさせてもらいつつ、慰めてももらっていた彼女は、そのドリアードさんに結婚の報告とお礼を言いに来たらしい。
と云うことは、俺たちのあれはすべて筒抜けだったわけで……。今度、菓子折を包んで持っていこうと思った。ウチの嫁が大変お世話になりました、そして、夫婦ともどもたいへんな粗相をしてしまいました、ごめんなさい、と。
しかし、彼女は木なのだから、肥料とかの方が良いのだろうか。

そんなことを思った、今日一日だった。
18/04/15 21:57更新 / ルピナス
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■作者メッセージ
ドリアードさん
「この仕打ち、解せぬ……。私の体で散々オナった上に、成長してイチャイチャするとは……。クッ、動けなければ壁も殴れない……」

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33