初夜、俺は殺されるかと思った。
彼女は、確実に殺（と）りにきていた。

蝶のように華麗に舞い、蜂のように刺す。
もちろん、挿すのは俺なのではあるが。

今日の俺たちの結婚式は、田舎のもので、俺はどこぞのお殿さまにでもなったのではないかと言う豪勢さと、衣装に着られている感満載だった。そりゃあもう、みゆきちゃんの美しさと言ったらなくって、角隠しならぬ触覚隠しを被った白無垢の彼女は、まるで天女かと思うほどの現実感のなさだった。
地元の友人たちや両親、親戚一同の微笑ましいものを見る目は……、一生忘れられそうにない。

いや、うん、尻に敷かれるのは目に見えてるけれどもね。
あまりにも挙動不審な俺を、彼女はリードしてくれていた。

大恩人の友人にも囃し立てられた。

そうして小っ恥ずかしくも賑々しい結婚式が終わって、夜。
初夜だー、みゆきちゃんを抱けるぞー、といそいそ寝室に向かえばーー蜜を販売する女社長でもある彼女の家は、それはもう立派な日本家屋で、その奥座敷で準備すると言われていたーー、

心臓を、槍で突かれたかと思った。

「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
ほにゃっと微笑まれて、槍が追加された。
ぐふっと、エア吐血をしてしゃがみ込む。

え、え……？
何、そのスゲェエロい衣装。
童貞を殺すには、重装備過ぎますよ？
薄布なのに、重装備とはこれいかに。

彼女は、紫のスケスケベビードールに身を包んでいた。

足の間からは悩ましく膨れた虫の腹部が覗き、スラッとしつつも肉づきの良いおみ足、ベビードールの下には、これまた紫のショーツ。ふんだんに刺繍が施された下着も薄く、淡いヘアが透けている、というか膨らんでいる。
キュッとしまったくびれだと言うのに、豊満な胸部。それを覆っているのはブラではなくて、まるで包装リボンのような布一枚。乳首の形が盛り上がっている。

もう、ね。ひれ伏さずにはいられないと言うか、拝まずにはいられない、と言うか……。
それが俺の嫁だった。

「ぐふぅううッ」
「どうしたの！？ 春くん！」

幸せで死ねると言うことを初めて知った。

心配そうに俺を覗き込む、穏やかで可愛らしい顔。形の良い輪郭に、蜂蜜のような髪色。大きめの瞳に、頭の上にチョコナンと乗った触覚。そんな彼女の背中から広がる美しい色彩の蝶の羽は、まるで彼女が花から生まれたような、そうした包装がなされた、贈り物のようにも思えた。

その贈り物の相手は、俺。

「ふ、ふぉあああああああ！」
「春くんッ！？」
「ひっひっふー、ひっひっふー」
「な、何か生まれるの……？」
「大丈夫だ」喘ぐように言う。「みゆきちゃんを見て、こんなに幸せで良いのだろうか、って思ったんだ。みゆきちゃんは、俺にはもったいないくらいのお嫁さんだ、って……」

そんなことを言えば、はにかんだように笑われる。
「良いんだよ。だって……、春くんよりも、私の方が、幸せだもん。だから、ちょっとでも春くんを喜ばせてあげよう、って。春くんの本に載ってたこの服も選んでみて……でも、やっぱり恥ずかしいね」
頬を赤く染める彼女。

あ、らぁあああああああいッ！

嫁が可愛すぎて辛いです。
このまま彼女と暮らしていけるか心配です。

「この服、似合わない……？ だったらすぐ脱ぐけれど……」
「それを脱ぐなんてトンデモない！ すっごく似合ってるしすっごくエロい」
「嬉しい。……でも、脱がなくちゃ、デキないよ」

アっ、ふぁあああああい！

ビックリした。ビックリして射精したかと思った。

「ねえ、春くん……」彼女が身体をすり寄せてくる。「まるで夢みたい……、春くんと、こう出来るなんて……」
情欲に瞳を潤ませつつも、羞恥に頬を染める彼女。彼女の甘い香りが脳髄を痺れさせる。

「みゆきちゃん！」
「きゃっ」

思わず彼女を押し倒していた。
布団に広がる彼女の羽。美しい色彩は、羽まで興奮して、艶めいているようだった。

情欲に染まる、女の肌。
潤んだ瞳が、俺を見上げてくる。

「優しく、して欲しいな」
ちょっと、目を逸らせて恥じらってくる。

ごめん、それは無理そうです……。

たまらず彼女の唇に吸いつく。
「ン、……ふ……」
直（じか）に伝わる悩ましい吐息。
舌を絡める。お互いの熱い粘膜が触れ合う。蕩けてしまうのではないかと思うほどに甘く、いやらしい舌使い。
それだけで、腰が砕けそうだった。

「みゆきちゃん、うまくない……？」
「春くんのために、練習したから……」
ゴクリと唾を飲む。彼女の感触がまだ舌に残っていた。

「触っていい？」
視線は豊満なおっぱいに。
「うん、どうぞ、召し上がれ」
はにかんで笑う彼女。

心の中に、雷が落ちた。

いや、うん、もう、マジで……。
俺、最後まで死なずに出来るかな……。

荒い息で、薄いレース越しに、豊満なおっぱいを揉む。
「ン……ふぁ……」
滑らかで上質な布はサラサラとして、それが柔らかい極上の胸肉に沈み込んでいく。

す、すげぇ……。
何がすごいって、もう、すごいとしか言えないくらいにすごいわけで……。
柔らかさと言い、ボリュームと言い、手のひらに伝わる彼女の震えと言い……。

「やっぱり、おっぱい、好きなんだね」

そ、そんな慈愛を込めた瞳で見ないでくれェ……。

「で、でも、みゆきちゃんのおっぱいだから、こんなおっぱい触ったら、他のおっぱいなんて目じゃない」
おっぱいおっぱい連呼するのも何だとは思うが、連呼せずにはいられない。

「嬉しい」彼女は微笑んで、俺の頭を撫でてくる。
優しげな指使いに、身も心も蕩かされていく。

「直接、触らなくていいの？」
「さ、触らさせていただからっしゃッ……」
どこかのプロレスラーのようになってしまった。

「ふふ、緊張しなくて良いんだよ。だって、私はあなたのものなんだから……」
優しげな微笑み。

あと、俺のライフはどれだけ残っているのだろう……。
と言うか、もはや俺のライフはマイナスで、ここは天国なのかもしれない。ああ、うん。そうだ、ここはそもそも天国だった。

「じゃあ……」

するする、と。

彼女はためらいがちにレースをめくり上げていく。

ムッチリした太もも、くびれた腰つき、可愛らしいおへそ。彼女を構成するパーツが、順に露わになっていく。
胸の上までたくし上げると、リボンのような細い布で隠された乳首が膨れている。

「ふふ、春くゥん、なんだか目が怖いよぉ……」
そんなことを言いつつも、悪戯っぽい微笑み。その表情（かお）に、昔の彼女を思い出す。

何だか、ぞくりとした。

俺、本当にみゆきちゃんを抱いてるんだ……。
あの、懐いてくれていた彼女を。
グリーンワームの芋虫だった彼女は、今や俺を誘うパピヨンの蝶だった。

布をずらせば、ぷっくりと切なそうな乳首。雄を誘う花の蕾。

上の服を脱ぎ捨てる。
彼女の視線が絡みついてくる。

「春くゥん、男の人に、なったんだね……」
艶かしく、舐めるような視線に、背筋がゾクゾクする。

ち○ぽが痛いくらいガチガチだった。

「それで、私を……」
期待と情欲に濡れた雌の瞳。

込み上げてくる愛しさに、恐る恐る乳首に触れる。
「……ン、……ふぁ……」
ピクンと体を竦ませる彼女。

「だ、大丈夫？」
「大丈夫、春くんに触ってもらえるのが嬉しくて……」
背筋を駆け抜けるこの衝動はなんなのだろう。
転がって、バシバシ床を叩きたい衝動をねじ伏せる。

乳首を指の腹で摘んでみる。
「ンぁッ、ふやぁああ……」

同じ言葉を、俺も心の中で叫んでいた。
コリコリと、切ないくらいに固くなった乳首を転がせば、悩ましく彼女がよじれる。
彼女は太腿を擦り合わせ、指はシーツを掴む。

「春くゥん……、触るだけじゃなくってぇ……、ン、アァッ……」
乳首に吸いつく。
固くシコったそれは、彼女の汗で甘い。ドンドン増していっているらしい彼女の甘い体臭に、眩々（くらくら）する。まるで、彼女と言う花に包み込まれているかのよう。

平ぺったくした舌で、乳首を舐め上げ、ちうちう吸ってやる。
「ンゥ……、ふ……」
豊満な乳房を、下から揉み上げる。

「ふゃあン……」
このまま吸っていれば、蜜のような母乳が出てくるんじゃないかと思えた。

スベスベとした肌に手を滑らせて、ショーツの中に指を挿し入れていく。
淡いアンダーヘアは、すでにぐっしょりと濡れていた。

「興奮、してくれてるんだ……」
「うゥ……言わないで……」

男を誘う蝶の香りが強くなる。

ぷくっと膨れた恥肉が、まるで咥えるように指をを挟み込んでくる。
男とは違う女の体に、気持ちが昂ぶる。

「春くゥん……ンぅ……」
股の割れ目に指を這わせる。ぬるぬるとした粘膜は、火傷しそうなくらいに熱かった。そのまま、指を沈み込ませてみる。

ぬぷぅッ……。

「んやァ……這入って来るゥ、春くんの指が、這入って来るよぉ……」
熱い膣肉がきゅうきゅう締めつけてきて、絡みつく粘膜が、指をもっともっと奥へと招き入れていく。こんなものにち○ぽを入れたら、気持ち良すぎて死んでしまうだろう。

クィ、と指を慎重に曲げてみる。
「ンゥッ……ふ、ゥ……」
彼女は慌てて口を押さえていた。

その手を外す。
「みゆきちゃんのエッチな声が聴きたい」
「恥ずかしいよォ……」
いやいやと首を振りながらも、女の吐息は、甘くねだるようだった。

たまらなくなって、その吐息を吸い込んでみたくて、唇を重ねる。
「んゥ……んぶゥ……」
逆に、まるで貪られるかのように舌が侵入してきて、頬を押さえられる。

ちゅるちゅる、クチュクチュ……。

唾液が入ってきた。
濃厚な、彼女の味。
それを感じたいなんて一言も言ってないというのに、彼女はまるで俺の望みを知っていたかのように、味あわせてくれる。

濃厚な女の蜜の味に、抑えきれない劣情が込み上げる。

「みゆきちゃん……ッ、エロすぎだろ……」
情けなく肩で息しながら、彼女に訴える。

そこにあったのは優しげな笑みではなくて、悪戯っぽい、牝の顔。

「エッチな女の子は、嫌い？」

あぁあああ！
もうッ、この娘は……ッ！

「大好きだ。ああ、大好きさ。みゆきちゃんッ」
「ンふぅ……ンゥ……ン……、ハァ、春くゥん……」

強く抱きしめて、お互いに口を貪る。
胸でつぶれるおっぱいの、その先っちょがコリコリと擦れる。
女の足が絡みつく。俺の太ももに、ショーツが擦りつけられる。汗ではない汁で濡れている。

「みゆきちゃん、欲しいの？」
「〜〜〜〜ッ」

口の中で抗議する舌の動き。
唇を離せば、拗ねたような顔。

「だってェ、ずっと、待ってたんだから……」

もはや肉棒は暴発寸前。

彼女の下に回って、ショーツを脱がしていく。ぐっしょりと濡れた下着からは、牝のお汁（つゆ）が糸を引く。

「すっげぇ……」

ぷっくりと恥肉は膨れ、開いたラビアが物欲しそうにヒクついていた。

「そんなにジッと見られたらァ……。ふぅン……」

そうは言いつつも、その股は魅せつけるかのように開かれたままで、止めどない蜜が溢れてくる。

吸いついて、舌を這わせてみる。

「ヤァ……。そんなところ舐めちゃ、汚いよぉ……」
「美味しい……みゆきちゃんの濃厚な味がする」
「やぁン……。ンぅ……」

腰は微かに蠢いて、むしろ押しつけてくる。

甘酸っぱい雌の味。
みゆきちゃんの味。
俺が欲しくてたまらないと言う、肉欲の涎。

じゅる、ちゅルル、じゅぞぞぞぞ……。

「やァ……、ンぁッ、そんな、音を立てたら……、恥ずかしい……ンぅ……ッあ……」

止めどなく溢れてくる秘蜜の泉に、夢中になる。
舌に雌肉が絡みついてきて、火照った肉粒をなぞってやる。

目の前にあった肉豆の皮を剥いて、チョンとつつく。
「ふァッ！ やぁああ〜〜〜〜ッ！」

ジョッ、じょじょおッ。

潮をかけられた。 顎から滴る、彼女の蜜。

上気した肌、潤んだ視線を向けてくる雌の蝶。
豊満な乳房が大きく上下して、幽かな翅の羽ばたき。M字に開いた股の間から、虫の腹が横たわる。付け根の女陰から、コンコンと溢れる蜜。
それは物欲しげにヒクついていた。

悩ましい女の吐息が耳に届く。

「春、くゥん……。もう、私……、指とか、舌じゃなくて……」
潤んだ瞳に、自然、息が荒くなる。

「ナニが、欲しい……？」
ソレを言って欲しくて、そう問いかける。

彼女は拗ねた顔。

「意地悪ぅ……」
モジモジと股を開いたまま、腰をくねらせる牝の蝶。
こんなもの、男に選択肢など、あるわけがない。

焦らしているのは俺か、それとも彼女の方か。

羞恥に頬を染めていると言うのに、その瞳は悪戯っぽい光が浮いている。情欲に濡れ、姿形が変わっていると言うのに、昔の彼女のまま……。
俺にちょっかいをかけてきていた、愛しいグリーンワーム。

パピヨンに羽化した彼女は、股から涎を垂らし、ワザとらしく腰をくねらせる。虫の腹も蠢く。

甘い吐息が、睦言を紡ぐ。

「我慢、出来ないィ……。欲しいよぉ……、春くんの、おち○ぽ、春くんのおち○ぽで、みゆきのおまん○こ、慰めて……今までほっておかれたみゆきを、慰めてェ」

そんなことを言われたら、もはや彼女に従うしかない。

自分のズボンをずり下ろす。
まろび出た肉棒に、女の視線が絡みついてくる。
固く屹立して、先走り液をだらしなく垂らすそれは、視線だけで、イかされてしまいそう。

荒い息を吐いて、ふらふらと、彼女に近づく。
花に誘われる虫は、俺の方。

ムッチリしたマン肉に亀頭が触れる。熱く火照った雌肉に、咀嚼されるかのよう。そのままラビアに食（は）まれる。鋭敏すぎる快楽が刺さる。

ぬぷぅう……。

クゥ……。ヤバイだろ、これッ。
女の子のナカって……。

沈み込んでいく肉棒に、彼女はトロンと顔を蕩けさせて、もはや待ちきれないように腰が動き始める。
「ふぅ……や、ァあン……」

や、やめてくれ……。
そんなことをされたら、全部ハマる前に、出てしまう。

が、マン……。がまん……。奥ぅ、まで……。

歯を食いしばって耐え、絡みつく媚肉をかき分けて腰を進める。
蕩かすような膣ヒダ。
それは抱きつくようにきゅうきゅう締めつけてきて、何かひっかかるものに触れる。

これがーー処女膜。
しかし、彼女のはじめてをもらえる感動など、感じている暇はない。

「春くゥん……」
徐々に腰つきが淫らに大きくなっていく蝶は、はじめてだと言うのに、快楽しか感じていないらしい。

「はァ、う……」
男にのしかかられているのは彼女なのに、組み敷かれているのは俺の方に違いない。
覚悟を決めて、腰を進める。

ぷちィ……ッ。

「ンふぅううッ……」

破瓜を感じたと思えば、彼女の足が腰に伸びてきて、ギュウッと締めつけられる。
密着する腰。ウネリをあげる膣。
抱きしめてくる彼女とは反対に、あまりの快楽に、彼女にしがみつく。

爆ぜた、と思った。
彼女の奥にち○ぽを押しつけて、そのコブクロに向かって射精した。

「ンぅあああああ〜〜〜〜ッ」

耳元で響くあられもない嬌声。
しかし、きっと俺の声の方が大きかったはず。

ケモノの雄叫びのような声、尿道に脈打つ精を感じる。
金たまから根こそぎヌけていくような、圧倒的快感。

遠慮ないザーメンを注ぎ込まれていると言うのに、雌肉はまるで別の生き物のように蠢き、精を搾り上げていく。
尿道に残ったヤツまで絞り出され、まるで雲の上のような腰の浮遊感。

「ごめん、すぐに出て……」
うわ言のような俺の響きには、返ってくるものはなかった。

心配になって、喘ぎながらも彼女の顔を見れば、トロトロに蕩けていた。
だらしなく涎を垂らし、柔和は微笑みではなく、むしろ病んでると称してイイくらいの牝の顔。

「やっと、やっとォ、春くんのしぇーえきぃ……、注いでもらえたぁ」

ふるふると歓喜にわななく女体の、瞳の奥にはハートマークが見える気がした。

「ンぶぅ……ッ」
唇を奪われる。

ちゅるチュルチュル……レロぉ……くちゅくちゅ……。

貪るような舌遣いに翻弄される。いっそうしがみついてきて、腰がクネる。絡みついた足で、腰はガッチリ固定されている。背中に回された腕もキツく、胸がむぎゅむぎゅと潰れる。
彼女は一心不乱で俺の口を吸い、唾液を奪ってイく。

彼女の全身からほとばしる甘い香りがますます強い。
まるでハエトリソウに挟み込まれたような、彼女と言うジャングルに迷い込んでしまったような、そんな心地。しかし、絡みついてくるのは、極上の快楽の女体。

果てたはずの肉棒が、ムクムクと、彼女の中で、再び熱を持つ。

「あァン……大っきくなって来たァ……」
甘えた雌の声が、耳朶を苛む。

ぐぬぐぬうねる膣内。密着してくねる腰。肉ツブが、ち○ぽを擦り上げる。

「ちょっ、みゆきちゃん？ スゴッ、そんなことされたら、また、出……」
「いいよぉ、春くゥん……。このまま、このまま私が孕んじゃうくらいに、春くんのせーえき注いでェ……ゥうン。あ、また大っきくなったァ……。孕ませ……てェ」

耳を這う芋虫のような舌に、背骨の底から快楽の震えが迸る。
俺の牝になった女が、精をねだって来ていた。

「春ッ、くんッ、春ッ、くんッ、私、まだお腹空いてるの。イモムシだった時に、春くんから”ご飯”、もらえなかったからァ、お腹空いて、お腹空いて、もうゥ、我慢できないのォ」

蝶の羽が、もうこのまま飛び立ってしまってもおかしくないくらいにバッサバッサと蠢く。下半身だけではなく、絡みついた女の肌からも、爛れてしまうような快楽刺激。
いや増す彼女の香りは脳髄を痺れさせ、悩ましい女体の蠢きに、薄ら寒いものを感じていた理性は、ただ目の前の女を貪れと言う本能によって塗りつぶされていく。

「あ、がァッ……」
ケモノのような吠え声で、彼女の膣奥をえぐる。ぐりぐりと子宮口に打ちつける。
「ふぁッ……や……ッ、春くゥん、逞しいよぉ……。ンゥ……あっ、あっ、あっ……」

ぐちゅぐちゅ、ぐちゅぐちゅ。
淫らな水音は、ケモノの咀嚼音のようで、パツパツと、肉がぶつかる。

「ンひィん……ッ」
媚肉のうねりは、まるで肉棒を飲み込んでいく快楽の大渦。亀頭を包み込んでキスを振らせる子宮口に、ち○ぽはビクビクと震える。

「んァあ……春くんのおち○ちんが、おち○ちんがァ……。もっとォ、乱暴にして大丈夫だからァ……」
鼓膜に絡みつく女の吐息。

まるで千疋の芋虫が這い回っているじゃないかと言うほどの彼女の膣肉が、早く精（エサ）を寄越せと急かしてくる。

「出したいッ、みゆきちゃんの、みゆきちゃんの子宮に種付けしたいッ！」
「イイよぉ、春くゥん、みゆきに、春くんの赤ちゃん、ちょうだィぃ……」

「あァッ。がァあッ……」
ドクドクと、一度目の射精と同じ、もしくはそれ以上の量が噴射する。
あまりに壮絶な快楽に、理性だけではなく神経まで焼き切れるのではないかと思う。
あられもなく叫ぶ雌の蝶。

こんなに出したら枯れてしまう。
そう思っても、彼女は俺を離してくれない。
ヘコヘコと、ぬちゅぬちゅと腰を動かされる。

その動きに、体を包み込む彼女の香りに、肉棒は再びいきり立ち、射精したばかりで鋭敏な雄の生殖器は、雌肉にやわやわと包まれる。きゅうきゅう締めつけられる。

「ちょっ、みゆきちゃん……待って……」
「やぁ……春くんのおち○ちん、まだ元気なんだから、みゆきにもっともーっとザーメン飲ませて、おいひぃよぉ、お腹の中で逞ましいおひんひん、おいひぃよぉ……」

グニグニと膣が蠢き、精を搾りにかかる。
羽までも、俺を掴んで離すまいと、裏返って大きく包み込んでくる。

待って！？ 羽の動き方おかしくない！？

「ちょっ、ちょっと待った。これ、シャレになってなくないか？ 待ってみゆきちゃん、ちょっ、みゆき？ みゆきさまァあああ！？」

まるで貝の口のように閉じて光が消えていく視界に、戦慄を覚える。
だと言うのにそれは、彼女から与えられる快楽によって塗り替えられていく。
ち○ぽを包み込む雌肉に、肌に絡みつく極上の女体。豊満なおっぱいがむにゅむにゅと押しつけられ、ムッチリとした脚が絡みつく。甘えてねだるようなキス。
しかし、それはすべて貪るような貪欲さがあった。

これは、まるで彼女とともに蛹に戻っていくようだ、と思った。
まるで、会えなかった時をやり直すかのように。

光が消え、真っ暗になった視界で、彼女の肉体と快楽だけが、鋭敏に、艶かしく感じられる。閉じた蛹の中では、彼女の香りが充満していて、彼女と一つになるために溶かされていっているよう。
再び訪れた射精感に、ドロドロに溶けた自分が彼女のナカに還っていくことを幻視する。

包み込まれる母性。
男を求める雌肉。
快楽に従順な貪欲の蝶。

だと言うのに、それは交合の歓喜だけではなく、会えなかったことへの切なさや、俺を楽しませようとする、献身的な優しさが存在していた。
彼女をきつく抱きしめて、そのナカ奥深くに精をぶちまける。

遠い汽笛のような嬌声。

吠えているのはケダモノか、それとも俺なのか。

溶けていくのは、蕩かされているのはどちらなのか。

花に誘われる虫。花のような蝶。

何がなんだかわからなくなって来ていたが、ただ彼女の肉のいやらしさと、すがりつくような、包み込まれる優しさだけを感じていた。

俺たちは、快楽でドロドロに溶けていく。

/

「ごめんなさい、つい、やり過ぎちゃった」

テヘペロ、と可愛らしく舌を出す彼女だが、もうそれに騙されまいと固く決意する。

彼女の股からは俺の白濁が溢れ、その身体も白濁に汚されていた。

ぶっ倒れたまま荒い息を吐く俺は、彼女を放置することだけは、禁忌なのだと心に刻んでおく。

しかし、これだけ出したと言うのに、肉棒はまだまだ固いままで、そういや何か食事の時に商品の試飲とかさせられたなー、百倍濃縮パピヨンハニーとか言っていた気がする。
蝶なのかミツバチなのかハッキリして欲しいところだが、彼女は蝶でも蜂のように刺すことはわかった。

「まだ、固いまま……」

お前の策略だろうと言う言葉は口には出せない。
恍惚（うっとり）とした顔で肉棒を見つめる雌に、いい気にならないのは雄じゃあない。

「春くゥん、私、まだシたい……」

蕩けた瞳でおねだりされては、断れるわけがない。
しかし情けないことに俺の腰はもう動かない。

この淫蟲の体力と腰の持久力はどうなっているのか。

「じゃあ、跨ってしてくれ」
「えェ……恥ずかしい……」

そうして頬を染めるが、今さら何を言うんだと思う。
しかし、彼女は白濁で艶めく羽とともに立ち上がる。虫の腹はピンと立ち、尽きることのない欲情で膨らんでいる。

肉棒の上で股を開けば、精液混じりの彼女の蜜が滴る。
指で恥肉をくぱぁ、と開き、涎を垂らす肉食獣。
そろそろと腰をおろし、女陰にち○ぽが咥え込まれていく。
ぷにんとしたマン肉。火傷するくらいに熱い肉の粘膜。それはすでに精を貪ろうと、ぐにぐに蠢いている。

「はいったァ……、春くんのおち○ぽ、まだまだガチガチぃ……」

歓喜に身体を震わせれば、豊かなおっぱいがぷるぷると震える。
花に誘われる虫のように、俺もぷるぷると手を伸ばす。

「アッ……ん……」

ハリのある乳房をもみあげ、切なく震えるその先っちょを慰めてやる。くりくりと、乳首を弄ぶ。

「あァ……イイ……。春くんに揉まれると、気持ちイイ……。乳首ィ……もっとぉ……」

興奮した彼女の腰がクネり出す。体重をかけて、根元までずっぽりと咥え込まれた肉棒は、降りて来ている子宮を、グイグイ押し上げていた。

腰をくねらせる蝶の羽が、大きく羽ばたく。

蝶の舞う秘密の花園。そこに咥え込まれてしまった俺は、二度と出ることはできない。
だからせめてその蝶を、この肉棒で楽しませ続けられる蜂になろうと思うのだ。

もはや何度目かわからない精をナカに吐き出す。
身体を倒して来た彼女の乳首を感じ、舌を絡ませる。

「ずっと一緒だよ、春くん……」
「もちろんだ、みゆきちゃん……」

抱きしめて髪を撫でる。甘えた彼女が口を吸う。まるで蜜を吸う蝶のように唾液が吸われる。
俺たちは、まるでただ一匹の虫のように、蠢いていた。

■作者メッセージ
今の僕に出来るエロ可愛いは、これが精いっぱい……。