カーラが屋敷の扉をドアノックで叩きます。
ドアノックは竜が輪を咥えた意匠で、それに気付いたヴェルメリオは少し気恥ずかしそうにしています。ご丁寧に色は深紅です。
「どなたでしょうか」
ドアに備え付けられた小窓が少し開いて、落ち着いた女性の声がしました。
「私だ。今帰った」
「カーラ様っ」
急いで鍵を開ける音がして、扉が開きます。
「流石はカーラ様、よくぞご無事で、はないようですね」
右手が禍々しい大剣に変わっているカーラを見て、メイドの女性が固まります。さらにカーラの傍にいるブレイブを目に止めると、
額に手を当てると、よよよ、と崩れ落ちます。
「とうとう過ちを犯してしまったのですね、カーラ様。以前より年下趣味がおありなのは存じておりましたが」
「本当に元からだったのですか！」
ヴェルメリオも額に手を当てたまま、立ちつくしてしまいます。
「だから言っただろう。私はあまり変わった気はしないと。それにヘレン、私はまだ過ちを犯してはいない、これから犯すのだ」
堂々と言い放つカーラにブレイブはもう逃げたくてたまりありません。
そして、カーラは確かにブレイブを犯してはいませんが、過ちといえばこの国の惨状は彼女が原因です。もはや存在自体が過ちになっているのではないでしょうか。
崩折れたままのヘレンの横をカーラはブレイブの手を引いて通り過ぎます。
「私の目の黒いうちはそんなことはさせませんよ」
ヴェルメリオが冷たい視線を浴びせながら続きます。

だから、ヘレンがほくそ笑んでいる顔を誰も見ることはできなかったのでした。



◆

「では、脱げ」
部屋に通すなりカーラが言い放ちます。
もちろんリビングアーマーをですが、瞳をぎらつかせながら見つめてくるカーラのせいで脱ぐことがためらわれます。
ヴェルメリオに縋るような上目遣いを向けてしまいます。そういった仕草が自らの首を徐々に締めて行っているのに気づかないのでしょうか。
「大丈夫ですよ。私もいますから」
息を飲みそうになったのを悟られないようにしつつ、ヴェルメリオは微笑みで返します。

それをヘレンが、ニヨニヨしながら見ていました。
ばっ。
ヴェルメリオがヘレンを見ますが、ヘレンは、どうかされましたか？、と素知らぬ顔です。
何か不快な視線を感じたの思ったのですが、気のせいだったのでしょうか。
ヴェルメリオは訝しがりますが、ブレイブがリビングアーマーを脱ぎ始めたので、気をそちらに戻しました。

そして、リビングアーマーを脱ぎ終えたると、ブレイブは一反木綿を体に巻きつけた姿になりました。
「君はそれをわかってやっていたのでしょうか」
「なんという、けしから、羨ましいことを」
「あら、まぁ。幼くとも流石は殿方ということですね。それと、カーラ様、本音と建前が逆なのではないでしょうか」
三者三様の反応を見せますが、ブレイブは何もわからずキョトンとしたままです。
ヴェルメリオが説明します。
「ブレイブ、君が身につけていた魔物娘はリビングアーマーだけではありません。その体に巻きつけている布も歴とした魔物娘なのですよ」

驚くブレイブを余所に、巻きついていた布が動き出します。
布の端はブレイブの股間に張り付いていて、そこから捲れていきます。するすると他の布も捲れてブレイブの顔の前に持ちがり、布に柔和な微笑みが浮かび上がります。
「うわわっ」
ブレイブはさらに驚きますが、まだ彼女の布の体は半分以上ブレイブに巻きついているので飛び退くこともできません。それどころか、先ほどまでは感じられなかった女性の柔らかな感触が布から伝わってきて、
「貴様、何故股間に顔をくっつけていた。ブレイブきゅんの股間に顔をぉ！」
カーラが力一杯叫びます。大事なことなので二回言いました。大剣も形成して今にも切りかからんばかりです。
「何故って、魔物娘さんだったら決まっているじゃないですか」
ねぇ、というヘレンに布も笑顔で返します。
「ぐぬぬぬぬ」
カーラが唸ります。
「それで、あなたは一反木綿ですね」
話が進まなくなりそうなので、ヴェルメリオが尋ねました。

「ええ、そうです。この身は一反木綿。私（わたくし）は一反木綿の白衣（びゃくえ）と申します。以後、良しなに」
下半身はブレイブに巻きつけたまま、白衣は丁寧に頭を下げました。
それにしても、一反木綿に発声器官はないはずなのに声が聞こえました。
「魔力で空気を振動させて会話を成立させるとは、なかなか器用なことをしますね」
ヴェルメリオは感嘆します。布という不安定な体で魔力の振動を声の波長に合わせる。見た目の穏やかさとは裏腹にかなりの力を持っていると見受けられます。
「いえいえ、私はこの体ですから。できることといえば魔力を扱うことと、旦那様に巻きつくことくらい」
ブレイブに巻きついた下半身がもぞもぞと動きます。ブレイブの皮膚の上を艶かしい足の感触が這い回り、ブレイブは真っ赤になってしまいます。

「だから、貴様。離れろ。ブレイブきゅんから今すぐにぃ」
「うふふ。かしこまりました」
大人しく白衣がブレイブから離れます。最後につま先にあたる部分でブレイブの股間をつつくのは忘れません。
「おやめください。カーラ様、部屋が壊れます」
暴れ出そうとするカーラを必死でヘレンが押さえます。

この娘も厄介そうですね、とヴェルメリオがまたため息をついています。
本当にため息ばかりついて、幸せが逃げて行っているのが見えてきそうです。
でも、次の子は多分大丈夫かも。さっきから隣のリビングアーマーは静かに座っています。
フルプレートタイプの中身のない鎧がきちんと椅子に座っているのはシュールです。
「さて、できればあなたの名前を教えてもらえないでしょうか」
ヘルムが頷いて、鎧の腰に就いている布でできた垂れを指差しました。
「オブシディアン、と言うのですね。鎧らしい名前だとは思いますが、呼びにくいかもしれませんね」
「じゃあ、アンちゃんって呼んでも良いかな？」
ブレイブが提案します。
それを聞いた途端、ヘルムが何度も頷きます。表情はわかりませんがとても嬉しそうな様子です。
「喜んでくれているみたいで良かった」
ブレイブも嬉しそうです。
「あら、ちゃん付けということはブレイブ君はリビングアーマーさんの姿が見えているのでしょうか」
「うん。僕より少し年上で。男の子っぽい顔だけど、鎧の隙間から、その、見えちゃって。ごめんなさい」
ヘレンの問いかけにブレイブが口ごもり、恥ずかしそうに答えます。
がしゃん、という音を立てて鎧が空いていた隙間を閉じて、体を抱いてもじもじしています。恥ずかしがっているようです。
「わざとか。わざとなんだな。わざとブレイブきゅんに肢体を見せたのか」
「あざといですね」
カーラとヘレンの言葉に鎧がいやいやと体を震わせています。
「恥じらいがあるのを見せつける。狙っているのだな」
「いい加減あなたは黙りなさい」
リバーブロー。とうとうヴェルメリオの拳がカーラの腹に入ります。抉りこむように打つべし。

ぐはっ。
まともに受けたカーラは堪らず膝をついてしまいます。
「大丈夫ですよ。あの大バカ者の言葉は聞き流してください」
ヴェルメリオはアンの手を取り、ヘルムに向けて微笑みを向けます。ようやく良識のある仲間を見つけられた嬉しさから3割り増しで輝いています。
ヴェルメリオもブレイブのことをとやかく言えはしませんね。そんな端正で涼し気なイケメンフェイスで微笑まれたら、いくら女の子同士でもドキドキせずにはいられません。
でも、目尻に涙をためつつもほんのりと頬を染めている、ボーイッシュでありながらも可愛らしいアンの顔はブレイブにしか見えてはいないのでした。



◆

日が傾く頃にはようやく外の喧騒も落ち着いてきました。大抵のカップルは自分たちの愛の巣に帰ってそれぞれ楽しんでいます。
未だに外でヤり続けているような人たちはそういった嗜好のある人達に限られてきました。
もちろん金髪の青年はまだ散歩を続けているでしょう。閑話休題です。


カーラの屋敷では、ヘレンが腕によりをかけて夕食の支度をしています。
ブレイブは今ままでの疲れが出たのでしょう、人心地がついてから眠り続けています。カーラが狙ってはいますが、ヴェルメリオとアンが許しはしません。
白衣は、絶対にブレイブに手を出さないという約束のもと、ブレイブの眠る布団のシーツになっています。実際に彼女の肌心地はよく、放出されている魔力を操作することによって快眠効果が抜群なのです。
自身の万能性を見せつけて、ブレイブと彼女たちの許可を取ったのでした。なんて恐ろしい子。
確かに、アンの鎧では硬くてダメですし、ヴェルメリオの凹凸のない体も下手すると鎧より硬いのでは、
おっと。彼女は勘が鋭いので、余計なことを考えていては危険です。ドラゴンのリバーブローなんて受けたくはありません。


夕食が出来上がり全員で食卓につきます。
ブレイブの両隣にはカーラとヴェルメリオが座ります。ヘレンも席に着いていました。この家では使用人も一緒に食事を取るようです。
白衣は椅子に座って？、掛かって？、います。アンはカーラを警戒して、ブレイブの後ろに控えています。ブレイブが寝ているときに何かあったのでしょうか。
美味しそうな食事を前に残念ながら白衣とアンは食べることは出来ません。けれども、二人ともそういった食事をしたことが無いので別段羨ましいとは思いませんでした。彼女たちに必要なのは精液、もとい魔力です。
でも、変ですね。白衣もアンもそこまでお腹が減っているようではありません。白衣に至ってはむしろ昼間よりも布に艶が出ているような。

「お前、本当に何もしていないのだろうな」
カーラがそんな白衣を訝しげに見ます。ヴェルメリオがカーラに厳しい目線を向けています。お前が言うな、と。
やっぱり何かありましたね。
「ええ、もちろんですよ。私は約束を破りません。ブレイブさんに誓ってもいいですが、私は何もしていません。私は」
強調された最後の言葉にまさか、と全員がブレイブを見ます。
「ち、違いますよ。僕は何もしていません」
慌ててブレイブが否定します。
「大丈夫ですよ。あれはブレイブさんの生理現象なのであなたのせいではありません。例え私にたっぷりと寝汗が染み付こうが、涎をたらされようが、寝相のせいでおっぱいをグリグリされようが、ましてや硬くなったおちんちんを押し付けられようが、決してあなたは悪くありません」
至福の時でした、と白衣がうっとりとしています。匂いが染み付いてしまったかも、と流し目さえ送ってきます。
ブレイブは恥ずかしさのあまり俯いてしまいます。

「やはり貴様は敵だ。成敗してやるぞ白衣ぇぇ！」
カーラが椅子から激しく立ち上がります。
そのまま相打ちになってしまえ。ヴェルメリオはもうとめません。
白衣は相変わらず柔和な笑みを浮かべながら、
「でも、アンさんだって変わらないでしょう。あなたもブレイブさんに装備してされている間、いくら私を間に挟んでいたとはいえ、装着されたリビングアーマーが使用者に何もしないわけありませんよね。汗を吸うなんてもちろん、霊体に近い体ならもっとナニカを吸えたのではないでしょうか」
矛先を向けられたアンは大慌てで手を振って否定していましたが、みんなの視線に晒されているうちにやがて両手の人差し指をちょんちょん合わせながら、モジモジし出すのでした。
「どいつも、こいつも。けしからん。ではブレイブきゅん。早速私のスープに君の唾液を垂らしてくれ、いや直接口にでも構わな」
「やめなさい」
ヴェルメリオとアンの手刀が同時にカーラの首に入ります。
ズドッ。あまり人体から出てはいけない音がカーラから上がります。
思わず見事に決まったツインアタックに二人は拳を合わせるのでした。若干、ヴェルメリオが涙を浮かべそうになっている気がします。
お疲れさまです。アンちゃんを大事にしてあげてください。苦労はこれからさらに増えるのですから。

「みなさん仲がいいのですね」
微笑ましく見守っていたヘレンが言います。
「カーラは昔からこうだったのでしょうか？」
「そうですね。確かに素直にはなられたと思いますが、根本的な所は変わられていないと思います」
ヴェルメリオはがっくりと肩を落とします。
私の思い描いていた武人は、好敵手（とも）は幻想だったのか。あの清廉で頑強で、諦念を知らない崇高な戦士は。
カーラが魔物化してから、ヴェルメリオはどんどん老け込んでいるように見えます。それこそ年相応に？
「カーラ様は良くも悪くも真っ直ぐなのです。あなたはカーラ様がずっと挑んでいたドラゴン様ですよね。あなたと出会ったからのカーラ様は、それはそれは楽しそうでございました。それまではお父上様との鍛錬も歯を食いしばり耐えられている様子でしたが、あなたに出会ってからというもの、お父上様よりも遠くを見て、鍛錬に向ける意気込みも上達の速さも見違えるほどでありました。そして、あなたに挑んで敗れて帰ってきたときも、今日は尾を避けた、今日は牙に当てられた、などと本当に嬉しそうに語っておられたものです。出発される時もまるで親友とところに遊びに行くようで」
「わかりました。少し待っていただいてもいいでしょうか」
ヘレンの話を聞いて気恥ずかしくなってきたヴェルメリオが話を遮ります。

カーラの昔の様子を聞いて、ヴェルメリオは聞かずかしくもあり、同時に嬉しくも思いました。カーラも自分と同じ気持ちだった。
めきめきと腕を上げて自分に挑みかかってくるちっぽけな人間。いつも真っ直ぐな目で自分を真正面に見て向かってきた。
ヴェルメリオを倒すだけならば、いくらでも応援を呼べばいい、騙して奇襲して、罠にかければいい。
もっともヴェルメリオには通じはしなかったでしょうが。
それでも、カーラは戦いには一人で赴き、正面から一対一で立ち向かいました。
カーラ加勢しようとした勇者を二人して撃退してしまったこともあります。確か金髪だったとか。
いくら元からこんなでも、今が欲望に忠実になって残念さが表面に出てきたとしても、二人で積み重ねてきた過去は決して色あせはしません。
そうして少し気が楽になったヴェルメリオはヘレンに、聞かなくても良かったことを聞いてしまうのでした。


「それで、カーラの趣味は元からなのでしょうか？」
「趣味とは？」
「その、年下が、しかも幼い少年が好きだという」
ヴェルメリオは言いにくそうに尋ねます。
「ああ。それは私の教育の賜物ですね」
ヘレンはなんでもない事のように言いました。
「は？、今なんと」
「ですから、カーラ様のショタコンは私の教育の賜物だと申し上げたのです。カーラ様の幼き頃より、ショタの良さを滔々と解き続けてきました。その甲斐あって、少年を見つめるカーラ様の目にいつしか怪しげな光が宿るようになったのです。数年前にこの街を訪れた少年の時なんて、もう拐かして来そうなくらい心が揺れておられるのがわかりました。さすがに今のように欲望を曝け出せはしなかったので、本当に攫ったりしませんでしたし、表面に出さないように耐えておられましたが。長年お使えしてきた私にはわかりました。自身の内で燻る葛藤に苦しむカーラ様。もしかしたら今日からお使えする主人が増えるのかもしれないと、これは使えて捗ると、内心ワクワクしていたのでございます」

「お前が黒幕か！」
ヴェルメリオは立ち上がって思わず槍を手に持ちます。ドラゴンである彼女の剣幕にも動じず、ヘレンは変わらず微笑んでいます。
すごい胆力です。人にしておくには勿体無い逸材です。
「お前の、お前のせいで」
カーラがブレイブの言葉に動揺してカースドソードを受けることになったのだし、カーラの知りたくもなかった本性を知ってしまったのだし。
私の体に凹凸が少ないのも、人型の時の挑戦者に実は女性の方が多かったのも、世界から争いが無くならないのも。
「お前のせいだー」
ヴェルメリオは彼女らしからぬ叫びを上げて切りかかります。

キィィィン。
金属の甲高い音が部屋に響きます。ヴェルメリオの槍をカーラが大剣で受け止めます。
「そこを退きなさい。そいつを私に殺させてください。そいつは、そいつだけは許せません。あなたのためにもそいつは息の根を止めなくてはいけない奴です」
「落ち着け、ヴェルメリオ。ヘレンは殺させないぞ。何せ、彼女のおかげでブレイブきゅんと出会えたのだからなぁ」
「だからです。退きなさいっ」
あらあら、部屋の中で物騒ですね。高そうな調度品が壊れてしまうではありませんか。
目の前で始まった死闘にブレイブ君はもう惚けているしかありません。

「さあさあ、野蛮な方々はほって置いて、私に包まれてお休みください。今度は汗だけでなくて精液も注いでいただけると嬉しいです」
この隙に白衣がブレイブを寝室へと促します。
「アン。ブレイブを守ってください。私はこのバカ者と語り合わなくてはいけません（物理的に）。そしてそこのメイドとも」
アンはすでに白衣を捕まえていました。
「アン、あなたも加わったらいいではありませんか。ブレイブさんに触られて自分の名前を連呼すればいいではありませんか。大丈夫、多分ブレイブさんにしか聞こえません」
鎧の色が変わるはずは無いのですが、羞恥に染まっているように見えます。
「いいぞ、ヴェルメリオ。ショタの良さを語り合おうではないか」
「僭越ながら私もお手伝いいたします」
「二人とも黙りなさいっ」
そうしてエルタニンの夜は更けて行くのでした。



◆

結局、ブレイブは寝室で眠り、彼女たちはリビングでお互いを監視しながら眠っていました。

ブレイブの寝室に続く廊下を誰かが進みます。音も立てず、明かりも持たず。その誰か以外起きているものはいません。
月明かりはありますが、彼女を照らし出すことは叶いません。
夜の闇よりも深い闇がブレイブの眠っている部屋に向かって、迷いなく進みます。


その誰かはブレイブの部屋に音もなく入り込み、ブレイブの顔を覗き込みます。
可愛らしい寝顔です。これだけでも一晩中オカズにし続けることもできますが、それだけで満足できるわけがありません。
こちらとしても我慢の限界なのです。ずっと目の前でイチャイチャされて。
リビングアーマーと一反木綿に包まれ続けて、至近距離でカースドソードとドラゴンの魔力を受け続けたブレイブ君。
街中にも、新しくできたカップルたちのピストン運動で発電された魔力がたっぷりと渦巻いています。
いくらまだインキュバスになっていないとしても。

さぞや濃ゆい精液が作られているでしょう。

想像するだけでたまりません。
誰か、の顔が劣情で淫らに歪みます。

この部屋には外部への音と魔力を遮断する魔法が施してあります。
どれだけブレイブが叫ぼうが、濃厚な魔力が撒き散らされようとも彼女たちに気づかれることはありません。

誰かはブレイブにのしかかって、腰を揺らして彼を起こします。

目を覚ましたブレイブは、寝ぼけ目ながら自分にのしかかっている誰かと目が合いました。
月明かりの中、彼女の目だけが鮮やかに輝いています。

「こんばんは」
驚きに目を見張る彼に向かって、私は微笑むのでした。

■作者メッセージ
このままエロシーンに突入できるかな。
次回、【リトルブレイバー】に続きます。