オチも何もない、ただただ甘い稲荷夫婦の一日の断片
「……これで良し、と」
午前七時。瓦屋根を持つ木造の和風家屋にて。
襖で囲まれた居間の真ん中を陣取るちゃぶ台の上に載せられた朝食を眺めながら、割烹着に身を包んだ六尾稲荷の『お宮』は満足げにうなずいた。
今日の朝食は炊きたての白米に豆腐と油揚げの味噌汁。白菜の漬け物に鯖の切り身の塩焼き。そして昨日の残りのほうれん草のおひたし。それらは純朴だが暖かくヘルシーな和の料理の顔ぶれであり、そしてそれらがずらりとちゃぶ台の上に並んでいる姿はまさに壮観とも言えた。
「ふう……我ながらつい本気を出してしまいました」
そう言って達成感溢れる顔を浮かべながら額の汗を拭ったお宮は、これらの朝食を今から一時間前に起きて一人で作ったのだった。だが彼女はそれを苦と思った事は一度も無かった。
「ふふっ、朝は一日の活力の源。これで旦那様も、今日一日をしっかりと乗り切る事が出来ますね♪」
お宮は今から二年前に一人の青年と結婚していた。そして結婚してから――正確には結婚する前、好き合った二人が同棲し始めてから今に至るまで、彼女はこうして朝食をサボる事なく作り続けてきたのだ。それも全て、お宮の旦那様に対する尽きる事の無い無限の愛が成せる業であったのだ。
「さて、それではあの人を起こしに行きましょうか♪」
そう言ってお宮は一度台所に戻って手拭いで両手を拭いた後、尻尾を揺らしつつルンルン気分で旦那様の眠る寝室へと向かった。
お宮の夫である南方秋人の眠る寝室は、件の朝食の並べられた居間から襖一枚隔てた所にあった。その薄暗い室内には布団は一つしか無く、秋人とお宮はそこで体を密着させて眠りについていたのだった。それは二人が同棲してからどちらかが風邪や怪我をしない限り一度も変わった事の無い習慣のような物であった。
「あらあら、今日もこんなに幸せそうに寝息を立てて……♪ 相変わらず可愛い寝顔ですこと♪」
そして、こうして秋人よりも早く起きて、愛する旦那様の愛しい寝顔を拝見する事もまた、お宮の習慣の一つであった。それも同棲してから彼女が始めた事であるのだが、最初から今まで、お宮がそれに飽きた事は一度も無かった。
相手は自分の初めてを捧げ、身も心も彼一色に染まりきった愛しの旦那様である。そんな大好きな大好きな旦那様に――それもとっても無防備で可愛い寝顔に飽きるだなんて、お宮にとっては到底信じられる事では無かった。
「そうです♪ こんなに可愛いお顔を見ていて飽きるだなんて、とても信じられません♪ こんな可愛くて愛らしい旦那様を飽きるだなんて、そんな――」
お宮の熱のこもった言葉は、そこで途切れてしまった。彼女の人間よりも敏感な鼻が、大好きな旦那様から香ってくるある匂いを捉えたからだ。
それはとても香ばしく、嗅いでいるだけでたちまち病みつきになってしまうような美味しい匂いだった。思わず尻尾も興奮で逆立ってしまう。
「こ、この匂いは……」
うわごとのように呟き、鼻をひくひくとさせながら視線をその匂いの源へと向けていく。やがてその視線は、腰より下のある一点を捉えたまま静止する。
「まあ――」
それは薄い毛布を肌着ごと押し上げるように垂直に屹立した、愛しい旦那様の逸物であった。
「……あらあら❤」
その『男』を声高に主張する威容を前に最初は驚きを見せていたお宮だったが、やがてすぐに平静を取り戻し、次いでその顔を快楽と羞恥でドロドロに溶かしていった。
「もう、旦那様ってば、朝からそんなに硬くしちゃって……❤ これは朝食前に、私が鎮めなければいけませんね……❤」
そうして期待と興奮で蕩けきった顔を浮かべながら、お宮は秋人を起こさないよう、慎重に毛布と下半身の肌着を剥いでいった。
「うん……」
下半身から伝わってくる、どこかムズムズした感覚によって、秋人は睡眠からの覚醒を迎えた。そしてすぐに頭のスイッチを入れ、その感覚の正体を突き止めようと上体を起こして顔を前に向けた。
下半身を視界に収めたその瞬間、秋人は一瞬だけその全思考回路を停止させた。
「じゅる……はあ……ぴちゅ、ちゅるるっ、あむ……ちゅっ❤」
自分の股間の位置に頭が来るようにうつぶせの姿勢になったお宮が、肌着をずらして露わになった自分の剛直を一心に舐めしゃぶっていたのだ。
「んっ、くちゅ……ぴちゅ、ちゅ、はあ……おいし……あん、んむっ……❤」
甘く、奉仕をするように。自らの愛情を全てぶつけんとするかのようにねっとりと行うその行為は、秋人に言語を絶する快楽と、ささくれ草臥れた心を癒やす安心感を同時に与えた。
「はあ、あ、んむううっ、ずちゅっ、ぴちゃ……あっ❤」
と、そこで秋人の視線に気づいたのか、お宮がそそり立つ肉棒から口を離した。そして口の端にべったりと貼り付いた自身の唾液や秋人の先走りを拭う事無く彼に向き直り、幸せに満ちた笑顔で優しく言った。
「ぷあっ……おはようございます、秋人様❤」
「あ、ああ……おはよう……」
愛する妻の扇情的な光景を目の当たりにして困惑の色を見せつつも、秋人がお宮に向けて言った。
「お前、いったい何してるんだ……？」
「何って、それはもちろん……」
そこで言葉を切り、夫の肉棒の亀頭に軽く唇を触れ合わせるようなキスを捧げた後、尻尾を揺らしながらお宮がとても幸せな顔で続けた。
「朝のご奉仕です❤」
そして秋人の了承を待たず、お宮が再びその肉棒を口いっぱいに頬張った。
「じゅるっ、くちゅ、あむ、じゅるじゅる、じゅぅぅぅっ❤」
「うっ……く……！」
その強烈な吸引を受けて、秋人が苦悶の表情を浮かべる。お宮はその苦しげな声を聞いて顔を興奮でさらに赤くしながら、今までよりも更に熱烈な奉仕を続けた。
「ず、じゅちゅっ、じゅるるっ、ぷはあっ❤ ……出したかったら、出しても、んっ❤ いいんですからね？ 我慢しないで、ほらほら……くちゅくちゅ、ぴちゃ、ちゅるっ……❤」
「ううっ……ミヤ、ミヤ……ッ！」
愛する嫁による朝からの奇襲。それを全て無防備に食らった秋人に、我慢が出来る筈も無かった。覚醒しきっていない脳にその許容量を超える桃色の快楽を一気に注がれ、一瞬にして絶頂にまで昇りつめられて行ってしまう。
「ミヤ、もう、だめだ……ッ！ 出すッ！ 出る……ッ！」
「くちゅ、じゅるるっ、ずちゅううっ……ぷはあっ❤ 出す、出すんですね❤ いいですよ❤ このまま、一気に……ッ❤❤」
「ミヤ……ッ！」
秋人が上体を起こし、お宮の顔を両手でガッシリと鷲掴みにする。そして自身の肉棒を咥えさせたまま、両手を激しく動かしてその顔を強引に上下させる。
攻守が一瞬にして逆転した。
「ん、ぐむうぅぅッ！？」
「ミヤ、飲めッ！ 飲んでくれッ！ 俺の、俺の……ッ！」
「ん、ふぁ、ふぁい……じゅる、じゅる、ずちゅううっ❤ ふあ、ふぁいっ❤ ほはふぇふぇっ❤ ほはふぇふぇ、ふふぁふぁぁいッ❤❤」
「ミヤ！ ミヤ！ ミヤ！ ミヤッ！」
嫁の名を叫びながら、本能にかまけてイマラチオの動作をより激しくしていく。お宮も瞳から涙を、口から唾液と肉棒から溢れる先走りを混ぜ合わせた物を垂れ流しながら、必死に夫の要求に応えんとする。
そしてお宮の喉に深く肉棒を突き刺したその時、秋人の頭が真っ白になた。
「ミヤ――ッ！」
衝動のままに、お宮の口内に白濁の塊をぶちまける。
「ふ、ふゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅん❤❤❤」
どぴゅっ！ どくっ！ どぷどぷっ！
勢いよく放たれ、口の中で乱暴に暴れ回るその欲望の塊を、お宮は躊躇う事無く喉を動かして嚥下していく。彼女にとってこの白濁は酒よりも刺激的で甘露よりも甘い、最高のご馳走なのだから。
味わうように。貪るように。うっとりとした表情で秋人の愛の証を飲み込んでいく。
「ん、ごく、んく、んく、んく……ぷはあっ❤」
そして精の放出が終わり、口の中に残った精液を全て飲み干した後、秋人の拘束も解かれていった。そしてお宮は自ら肉棒を口内から解放し、秋人に向けて笑顔を見せた。
「んふっ……❤ おはようございます、秋人様……❤」
その笑顔は酷く淫猥だった。それを見た百人の男全員が彼女に心を奪われるくらい、快楽に蕩けた扇情的な物だった。
だが、彼女がその顔を見せるのはこの世でたった一人。
「本当はこの後ももっとしていたいのですけれど……朝食の用意が出来ておりますから、まずはそれをいただきましょう❤」
「……ああ、そうだな」
秋人もその顔に疲労の色を見せながらも優しく微笑み、お宮の頭をそっと撫でてやる。
「じゃあ、行こうか」
「はい❤ 秋人様❤」
そしてその愛しい人の手の感触に目を細めながら、お宮と秋人は一緒に立ち上がり腕を組んで朝食の待つ居間へと向かっていった。
静かだが幸せな朝食の時間が終わり、正午になるまでの間、二人はそれぞれの仕事に取りかかった。
秋人は機織りの仕事。お宮は家の掃除洗濯である。
秋人がその仕事を選んだのは、当然ながら妻であるお宮と一緒にいられるからである。いくら稼ぎが良いからと言って、どこか遠くに外出してお宮と離ればなれになるなどとても考えられなかった。
そしてそれはお宮も一緒だった。二人はもう永い事同じ時を過ごしてきた。今更離ればなれになるくらいなら、このまま死んでしまった方がマシと考える程であった。
「じゅるっ、ぴちゅ、くちゅっ、あむっ❤」
そう、仕事を終えた自分への『ご褒美』として秋人の精を味わう事が出来なくなるなど、お宮にとっては到底受け入れがたい事であったのだ。
「あむっ、くちゅ……ふふっ❤ あなたのおちんちん、もうこんなに硬くなってる……❤」
家事を終えたお宮は今、嬉しげに尻尾を揺らしながらあぐらを掻いて作業している秋人の股ぐらに右側から俯せに潜り込んで着物をずらし、そこに硬くそそり立っていた彼の肉棒をしゃぶっていたのだ。
「ちゅる、じゅるる、くちゅ、ぴちゅっ」
その行為は朝にしたのと負けず劣らず情熱的で、かつ愛情をもって行われていた。お宮にとって秋人にご奉仕する事は、自分の人生の中で最も幸福な時間であるのだ。
「ちゅ、じゅるる、ずちゅ、ちゅっ」
「う……くあ……ッ」
対する秋人は苦しげにうめき声を上げようとするも、そのお宮の行為を止めようとはしなかった。秋人も彼女の行為を気に入っているし、それに何より、彼の仕上げようとしていたその織物はあと二日以内に仕上げなければならない物であったからだ。ここで自分の手を止める訳にはいかなかった。
「じゅる、くちゅ、ぴちゅ、じゅるるっ」
だがそれを良い事に、お宮はその執拗な責めに更に拍車を掛けた。口内で舌を円運動させ、頬張った肉棒の全体を丁寧に舐め回して行く。その時わざと水音を立てて、秋人の羞恥を増大させる事も忘れない。そうして出来た隙を突くように、更に舌の責めを加速させていく。
それは確かに奉仕ではあったが、同時に朝にリードを奪われた事に対するお宮なりの逆襲でもあった。期日を前に仕事を止める訳にもいかず、快楽と仕事の狭間で揺れ動く秋人の苦悶の気配を感じ取りながら、意地の悪い笑みを浮かべつつお宮が奉仕を続けていく。
「じゅちゅ、くちゅ、ぷあ、ちゅるっ」
「あ、うっ、ミヤ……！」
「じゅじゅ、くちゅっ、ぷはっ…❤ だめですよ❤ 今はまずその手を動かさないと❤ 依頼主さんから嫌われちゃうじゃないですか……❤」
「だ、だけど……お前の舌、とってもねっとりしてて、絡みついてて……！」
「私に任せてください❤ あなたはただ、仕事を続けていればいいのです……❤」
「う、くあああッ！」
言葉を切って再び肉棒に吸い付いたお宮を尻目に、秋人もまた仕事に打ち込み始めた。お宮の言葉が彼の尻に火を点けた格好となったのだが、彼の肉棒もまた火が点いたように真っ赤に膨張し硬直していった。
「ミヤ、ミヤ、もう……ッ！」
「ぴちゅ、くちゅ、じゅるるっ……ふぁい、だひて、だひてくらはい、わらひのなは……くちゅ、じゅちゅっ❤」
三度お宮が肉棒に吸い付く。それが彼に限界をもたらした。
「ぐ、うああああっ」
短い咆哮と共に、お宮の口に白濁をぶちまける。
「ぶ、んぶううううっ！？」
本日二度目の口内射精。だがお宮はそれを、変わらずうっとりとした表情で飲み干していった。
「ごく、ごく、ごくっ……ぷはあっ❤」
「はあ、はあ、はあ……」
精を全て飲み干してさっぱりした表情を浮かべたお宮とは対照的に、秋人はついに手を止めて激しく肩で息をしていた。
「秋人様、ごちそうさまでした❤」
「……ミヤ……」
そして満面の笑みでそう告げてきたお宮に対し、秋人は恨めしげな視線をぶつけてきた。
「……後で覚えていろよ……」
肩で息をしながら言い放たれた秋人の言葉に、だがお宮は怖がるどころか顔を蕩けさせ、自分の子宮をきゅうきゅう喜ばせるかのようにひくつかせた。
この台詞を言った秋人がどのような行動に出るのかをお宮は知っており、そしてその展開を心待ちにしていたからだ。
昼が過ぎ、陽が落ち、あっという間に夜となった。
それまでの間、二人は朝や午前中のように体を重ねようとはしなかった。二人とも夜の『その時』に備えて自身の欲望をため込んでいたからであり、そんな二人にとってその夜になるまでの時間はとても長い物に見えた。
そして夕食を済ませ、満月がでかでかと夜空に顔を見せるようになった頃。
「うん……あんっ……❤」
お宮は寝室で身ぐるみ剥がされた状態で全身を縄で縛られ、天井から宙吊りにされていた。
両手足を背中に回され、中央の一点で纏めて拘束され更にそこからシャンデリアよろしく吊り上げられていたのだ。
昼間、秋人の近況を知りつつ好き勝手やった狐に対するお仕置きである。
「ああ……やん、うぅん……❤」
だがお宮は全く嫌がってはいなかった。むしろ耳と尻尾を一日の中で特に強く左右に揺らし、興奮と期待によって全身から玉の汗を噴き出し、その秘裂からは愛液をしとどに垂れ流していた。
完全に『出来上がっていた』のだ。
「……あっ❤」
その時、お宮の鼻が愛する夫の匂いを嗅ぎつけた。それから間もなく、自分の後ろ側にある襖を開け開いて秋人がその姿を現した。
妻同様、彼もまた全裸であった。
「待たせたな」
雄々しく天にそそり立つ肉棒を見せつけるようにしながら、秋人がゆっくりとお宮の背後に立つ。お宮にはその姿が見えなかったが、彼の気配と彼の肉棒の放つかぐわしい精臭だけははっきりと感じ取る事が出来た。
そして、お宮はそれだけでもうイッてしまいそうだった。
「まだだ」
その気配を察したのか、秋人が逆さ吊りになった両腿を掴みながら釘を刺す。その手の感触だけでもイッてしまいそうだったが、これも我慢する。
「もう出来上がっているようだな」
背後に立った秋人が、自身の亀頭を使って割れ目の湿度を確かめる。その陰唇に亀頭が触れる度にお宮の全身に電流が走り、あっという間に絶頂を迎えてしまいそうだった。
だがそれも我慢する。旦那様の命令は絶対なのだ。
「ああ、秋人様……私、もう、もう待ちきれません……❤」
だがオネダリは出来る。むしろオネダリしなければ挿れてくれないのだ。
この時の秋人はやや鬼畜気味であり、そしてお宮は若干マゾ体質になるのだ。お似合いのカップルである。
「わ、私の……」
と、マゾ雌狐がここで戦端を開いた。
「私の、はしたない淫乱おまんこに、あなたのそのぶっといおちんちん、どうか挿れて、いれてください……！」
「だめだ」
だが必死のお宮の懇願を秋人が無慈悲にも切り捨てる。涙声になってお宮が返す。
「な、なぜなのですか！？ 私のおまんこはもうこんなに、こんなにせつなくなっていると言うのに……！ どうか、どうかその極太おちんちんを……！」
「必死さがたりない」
円を描くようにゆっくりと腰を動かし、割れ目に亀頭を擦りつけるように動きながら、秋人が冷たく言い放つ。
「もっと本気で、俺をその気にさせるように必死にオネダリしてみろ。出来るはずだ。ほれ、やってみろ」
「……ッ」
一瞬、お宮が躊躇うような気配が流れた。
だが逡巡も一瞬。
「お――」
すぐにお宮が口を開き、息を吐き出すかのように自身のあられもない欲望をぶちまけた。
「――おまんこ！ 私のおまんこに、淫乱メスギツネのおまんこに、あなたのおちんちんを入れてください！ あなたのおちんちんで私を壊して！ おまんこ、いっぱいじゅぽじゅぽしてえ！」
その告白を聞いて秋人が満足したように笑みを浮かべる。だが堤防の決壊したお宮の心はなおも気持ちの濁流を吐き出し続けた。
「おまんこ！ おまんこ！ 私のおまんこ壊してえ！ めちゃくちゃにしてえ！ おまんこおまんこおまんこおまんこおおおん！」
「……そうか。そんなにほしいのか」
「うんっ❤ うんっ❤❤ あなたのおちんちんほしいのっ❤ おちんちんを食べたいの❤ ああああん❤❤ おちんちんおちんちんおちんちんおちんちんおちんちんんんんん❤❤❤」
「なら」
秋人が腰の動きを止める。
「前戯は無しだ」
そしてそう告げると共に、その割れ目の中に肉棒を勢いよく突き入れる。
「――ッ❤❤」
お宮はもう声も出せなかった。挿れられただけでイッてしまったからだ。
「ッ❤ ッ❤ ッ❤」
そのまま秋人が腰を振り始めたが、お宮はそれに対して開いた口から舌を突きだしてはしたなくアヘ顔を晒し、声も出せない程の絶頂に打ち震えるだけであった。
その間も秋人の責めはなおも続く。
「このッ！ このッ！ 淫乱め、この淫乱狐め！」
パンッ！ パンッ！ パンッ！
腰と尻がぶつかる度にお宮の体が揺れ、その下に垂れ下がった豊満な乳房が体の動きに一泊遅れて前後に揺れる。お宮は呼吸をするので精一杯だった。
「あ、あ、あ、あ、あんッ❤ あんッ❤ うあああんッ❤」
「はははっ！ そうか、そんなに、声が出ない程気持ちいいか！」
「は、ひゃ、ひゃい、ひゃいいいいいいいいん❤❤」
「そうかそうか！ ならこのままイかせてやる！ 中に出してやる――！」
「な、なか――ッ？」
膣内に出す。その言葉がお宮の意識を正気に引き戻す。
「――いい」
そして彼女の精神を完全に崩壊させる。
「なかッ！ なかだしィィッ！ いいのッ！ あんッ❤ それっ、ああんッ❤ いいのッ！ なかだしお願いいぃぃぃぃッ！」
「ああ、出してやる、出してやるぞ――ッ！」
秋人が叫び、腰の動きを更に激しい物にしていく。が、彼の限界もまた間近に迫っていた。
「ああ、ミヤ、ミヤ！ 出すぞ！ だすぞ！」
「はい、はいぃぃぃッ！ だして！ しゃせーして！ めいっぱい、出してくださいぃぃぃぃぃッ！」
お宮の懇願を受け、秋人が今までよりも更に強く腰を打ちつける。
「ぐ――うあッ！」
その瞬間、白い欲望の塊がお宮の子宮に激突した。
「ひぎ――ッ❤」
体が粉々になる程の衝撃が、子宮を通して全身に伝わっていく。叫ぶどころでは無いその快楽の渦の前に、お宮はただ歯を食いしばって耐えるしかなかった。
「ひぎいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん❤❤❤」
そして歯を食いしばったまま、お宮は待ちに待った絶頂を心行くまで味わった。
「はあ、はあ……」
思う存分快楽を分かち合った後、二人は結合を解いて息を整え合った。秋人は二人の体液が混じり合った物が存分にぶち撒かれた畳の上にへたりこんだが、お宮は縛られたままであった。ほどく意志は二人にはなかった。
これで終わりでは無かったからだ。
「はあ、はあ……秋人様……」
「……ああ……」
お宮の言葉に応えるように、秋人がゆっくりと立ち上がる。その肉棒は未だ剛直を保っていた。
息も絶え絶えに、お宮がオネダリを再開した。
「私の……私の淫乱おまんこに、お情けを……❤ どうか、そのぶっといおちんちんで、どうか……❤」
「……ああ」
一度大きく息を吐き、呼吸を整えた秋人がお宮の尻肉を強引に掴む。
「やんッ❤」
「ミヤ……」
嬉しそうに嬌声をあげたお宮に、秋人が冷たく言い放つ。
「行くぞ――！」
そしてお宮の返答を待つ事無く、その濡れそぼってパッカリ開いた淫乱おまんこに自身の肉棒を突き入れていく。
「ひっ――うやああああああああああああん❤❤❤」
その不意打ちの一撃を前に、お宮は目を丸くし、歓喜の絶叫をあげた。
二人の夜は始まったばかりだった。
午前七時。瓦屋根を持つ木造の和風家屋にて。
襖で囲まれた居間の真ん中を陣取るちゃぶ台の上に載せられた朝食を眺めながら、割烹着に身を包んだ六尾稲荷の『お宮』は満足げにうなずいた。
今日の朝食は炊きたての白米に豆腐と油揚げの味噌汁。白菜の漬け物に鯖の切り身の塩焼き。そして昨日の残りのほうれん草のおひたし。それらは純朴だが暖かくヘルシーな和の料理の顔ぶれであり、そしてそれらがずらりとちゃぶ台の上に並んでいる姿はまさに壮観とも言えた。
「ふう……我ながらつい本気を出してしまいました」
そう言って達成感溢れる顔を浮かべながら額の汗を拭ったお宮は、これらの朝食を今から一時間前に起きて一人で作ったのだった。だが彼女はそれを苦と思った事は一度も無かった。
「ふふっ、朝は一日の活力の源。これで旦那様も、今日一日をしっかりと乗り切る事が出来ますね♪」
お宮は今から二年前に一人の青年と結婚していた。そして結婚してから――正確には結婚する前、好き合った二人が同棲し始めてから今に至るまで、彼女はこうして朝食をサボる事なく作り続けてきたのだ。それも全て、お宮の旦那様に対する尽きる事の無い無限の愛が成せる業であったのだ。
「さて、それではあの人を起こしに行きましょうか♪」
そう言ってお宮は一度台所に戻って手拭いで両手を拭いた後、尻尾を揺らしつつルンルン気分で旦那様の眠る寝室へと向かった。
お宮の夫である南方秋人の眠る寝室は、件の朝食の並べられた居間から襖一枚隔てた所にあった。その薄暗い室内には布団は一つしか無く、秋人とお宮はそこで体を密着させて眠りについていたのだった。それは二人が同棲してからどちらかが風邪や怪我をしない限り一度も変わった事の無い習慣のような物であった。
「あらあら、今日もこんなに幸せそうに寝息を立てて……♪ 相変わらず可愛い寝顔ですこと♪」
そして、こうして秋人よりも早く起きて、愛する旦那様の愛しい寝顔を拝見する事もまた、お宮の習慣の一つであった。それも同棲してから彼女が始めた事であるのだが、最初から今まで、お宮がそれに飽きた事は一度も無かった。
相手は自分の初めてを捧げ、身も心も彼一色に染まりきった愛しの旦那様である。そんな大好きな大好きな旦那様に――それもとっても無防備で可愛い寝顔に飽きるだなんて、お宮にとっては到底信じられる事では無かった。
「そうです♪ こんなに可愛いお顔を見ていて飽きるだなんて、とても信じられません♪ こんな可愛くて愛らしい旦那様を飽きるだなんて、そんな――」
お宮の熱のこもった言葉は、そこで途切れてしまった。彼女の人間よりも敏感な鼻が、大好きな旦那様から香ってくるある匂いを捉えたからだ。
それはとても香ばしく、嗅いでいるだけでたちまち病みつきになってしまうような美味しい匂いだった。思わず尻尾も興奮で逆立ってしまう。
「こ、この匂いは……」
うわごとのように呟き、鼻をひくひくとさせながら視線をその匂いの源へと向けていく。やがてその視線は、腰より下のある一点を捉えたまま静止する。
「まあ――」
それは薄い毛布を肌着ごと押し上げるように垂直に屹立した、愛しい旦那様の逸物であった。
「……あらあら❤」
その『男』を声高に主張する威容を前に最初は驚きを見せていたお宮だったが、やがてすぐに平静を取り戻し、次いでその顔を快楽と羞恥でドロドロに溶かしていった。
「もう、旦那様ってば、朝からそんなに硬くしちゃって……❤ これは朝食前に、私が鎮めなければいけませんね……❤」
そうして期待と興奮で蕩けきった顔を浮かべながら、お宮は秋人を起こさないよう、慎重に毛布と下半身の肌着を剥いでいった。
「うん……」
下半身から伝わってくる、どこかムズムズした感覚によって、秋人は睡眠からの覚醒を迎えた。そしてすぐに頭のスイッチを入れ、その感覚の正体を突き止めようと上体を起こして顔を前に向けた。
下半身を視界に収めたその瞬間、秋人は一瞬だけその全思考回路を停止させた。
「じゅる……はあ……ぴちゅ、ちゅるるっ、あむ……ちゅっ❤」
自分の股間の位置に頭が来るようにうつぶせの姿勢になったお宮が、肌着をずらして露わになった自分の剛直を一心に舐めしゃぶっていたのだ。
「んっ、くちゅ……ぴちゅ、ちゅ、はあ……おいし……あん、んむっ……❤」
甘く、奉仕をするように。自らの愛情を全てぶつけんとするかのようにねっとりと行うその行為は、秋人に言語を絶する快楽と、ささくれ草臥れた心を癒やす安心感を同時に与えた。
「はあ、あ、んむううっ、ずちゅっ、ぴちゃ……あっ❤」
と、そこで秋人の視線に気づいたのか、お宮がそそり立つ肉棒から口を離した。そして口の端にべったりと貼り付いた自身の唾液や秋人の先走りを拭う事無く彼に向き直り、幸せに満ちた笑顔で優しく言った。
「ぷあっ……おはようございます、秋人様❤」
「あ、ああ……おはよう……」
愛する妻の扇情的な光景を目の当たりにして困惑の色を見せつつも、秋人がお宮に向けて言った。
「お前、いったい何してるんだ……？」
「何って、それはもちろん……」
そこで言葉を切り、夫の肉棒の亀頭に軽く唇を触れ合わせるようなキスを捧げた後、尻尾を揺らしながらお宮がとても幸せな顔で続けた。
「朝のご奉仕です❤」
そして秋人の了承を待たず、お宮が再びその肉棒を口いっぱいに頬張った。
「じゅるっ、くちゅ、あむ、じゅるじゅる、じゅぅぅぅっ❤」
「うっ……く……！」
その強烈な吸引を受けて、秋人が苦悶の表情を浮かべる。お宮はその苦しげな声を聞いて顔を興奮でさらに赤くしながら、今までよりも更に熱烈な奉仕を続けた。
「ず、じゅちゅっ、じゅるるっ、ぷはあっ❤ ……出したかったら、出しても、んっ❤ いいんですからね？ 我慢しないで、ほらほら……くちゅくちゅ、ぴちゃ、ちゅるっ……❤」
「ううっ……ミヤ、ミヤ……ッ！」
愛する嫁による朝からの奇襲。それを全て無防備に食らった秋人に、我慢が出来る筈も無かった。覚醒しきっていない脳にその許容量を超える桃色の快楽を一気に注がれ、一瞬にして絶頂にまで昇りつめられて行ってしまう。
「ミヤ、もう、だめだ……ッ！ 出すッ！ 出る……ッ！」
「くちゅ、じゅるるっ、ずちゅううっ……ぷはあっ❤ 出す、出すんですね❤ いいですよ❤ このまま、一気に……ッ❤❤」
「ミヤ……ッ！」
秋人が上体を起こし、お宮の顔を両手でガッシリと鷲掴みにする。そして自身の肉棒を咥えさせたまま、両手を激しく動かしてその顔を強引に上下させる。
攻守が一瞬にして逆転した。
「ん、ぐむうぅぅッ！？」
「ミヤ、飲めッ！ 飲んでくれッ！ 俺の、俺の……ッ！」
「ん、ふぁ、ふぁい……じゅる、じゅる、ずちゅううっ❤ ふあ、ふぁいっ❤ ほはふぇふぇっ❤ ほはふぇふぇ、ふふぁふぁぁいッ❤❤」
「ミヤ！ ミヤ！ ミヤ！ ミヤッ！」
嫁の名を叫びながら、本能にかまけてイマラチオの動作をより激しくしていく。お宮も瞳から涙を、口から唾液と肉棒から溢れる先走りを混ぜ合わせた物を垂れ流しながら、必死に夫の要求に応えんとする。
そしてお宮の喉に深く肉棒を突き刺したその時、秋人の頭が真っ白になた。
「ミヤ――ッ！」
衝動のままに、お宮の口内に白濁の塊をぶちまける。
「ふ、ふゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅん❤❤❤」
どぴゅっ！ どくっ！ どぷどぷっ！
勢いよく放たれ、口の中で乱暴に暴れ回るその欲望の塊を、お宮は躊躇う事無く喉を動かして嚥下していく。彼女にとってこの白濁は酒よりも刺激的で甘露よりも甘い、最高のご馳走なのだから。
味わうように。貪るように。うっとりとした表情で秋人の愛の証を飲み込んでいく。
「ん、ごく、んく、んく、んく……ぷはあっ❤」
そして精の放出が終わり、口の中に残った精液を全て飲み干した後、秋人の拘束も解かれていった。そしてお宮は自ら肉棒を口内から解放し、秋人に向けて笑顔を見せた。
「んふっ……❤ おはようございます、秋人様……❤」
その笑顔は酷く淫猥だった。それを見た百人の男全員が彼女に心を奪われるくらい、快楽に蕩けた扇情的な物だった。
だが、彼女がその顔を見せるのはこの世でたった一人。
「本当はこの後ももっとしていたいのですけれど……朝食の用意が出来ておりますから、まずはそれをいただきましょう❤」
「……ああ、そうだな」
秋人もその顔に疲労の色を見せながらも優しく微笑み、お宮の頭をそっと撫でてやる。
「じゃあ、行こうか」
「はい❤ 秋人様❤」
そしてその愛しい人の手の感触に目を細めながら、お宮と秋人は一緒に立ち上がり腕を組んで朝食の待つ居間へと向かっていった。
静かだが幸せな朝食の時間が終わり、正午になるまでの間、二人はそれぞれの仕事に取りかかった。
秋人は機織りの仕事。お宮は家の掃除洗濯である。
秋人がその仕事を選んだのは、当然ながら妻であるお宮と一緒にいられるからである。いくら稼ぎが良いからと言って、どこか遠くに外出してお宮と離ればなれになるなどとても考えられなかった。
そしてそれはお宮も一緒だった。二人はもう永い事同じ時を過ごしてきた。今更離ればなれになるくらいなら、このまま死んでしまった方がマシと考える程であった。
「じゅるっ、ぴちゅ、くちゅっ、あむっ❤」
そう、仕事を終えた自分への『ご褒美』として秋人の精を味わう事が出来なくなるなど、お宮にとっては到底受け入れがたい事であったのだ。
「あむっ、くちゅ……ふふっ❤ あなたのおちんちん、もうこんなに硬くなってる……❤」
家事を終えたお宮は今、嬉しげに尻尾を揺らしながらあぐらを掻いて作業している秋人の股ぐらに右側から俯せに潜り込んで着物をずらし、そこに硬くそそり立っていた彼の肉棒をしゃぶっていたのだ。
「ちゅる、じゅるる、くちゅ、ぴちゅっ」
その行為は朝にしたのと負けず劣らず情熱的で、かつ愛情をもって行われていた。お宮にとって秋人にご奉仕する事は、自分の人生の中で最も幸福な時間であるのだ。
「ちゅ、じゅるる、ずちゅ、ちゅっ」
「う……くあ……ッ」
対する秋人は苦しげにうめき声を上げようとするも、そのお宮の行為を止めようとはしなかった。秋人も彼女の行為を気に入っているし、それに何より、彼の仕上げようとしていたその織物はあと二日以内に仕上げなければならない物であったからだ。ここで自分の手を止める訳にはいかなかった。
「じゅる、くちゅ、ぴちゅ、じゅるるっ」
だがそれを良い事に、お宮はその執拗な責めに更に拍車を掛けた。口内で舌を円運動させ、頬張った肉棒の全体を丁寧に舐め回して行く。その時わざと水音を立てて、秋人の羞恥を増大させる事も忘れない。そうして出来た隙を突くように、更に舌の責めを加速させていく。
それは確かに奉仕ではあったが、同時に朝にリードを奪われた事に対するお宮なりの逆襲でもあった。期日を前に仕事を止める訳にもいかず、快楽と仕事の狭間で揺れ動く秋人の苦悶の気配を感じ取りながら、意地の悪い笑みを浮かべつつお宮が奉仕を続けていく。
「じゅちゅ、くちゅ、ぷあ、ちゅるっ」
「あ、うっ、ミヤ……！」
「じゅじゅ、くちゅっ、ぷはっ…❤ だめですよ❤ 今はまずその手を動かさないと❤ 依頼主さんから嫌われちゃうじゃないですか……❤」
「だ、だけど……お前の舌、とってもねっとりしてて、絡みついてて……！」
「私に任せてください❤ あなたはただ、仕事を続けていればいいのです……❤」
「う、くあああッ！」
言葉を切って再び肉棒に吸い付いたお宮を尻目に、秋人もまた仕事に打ち込み始めた。お宮の言葉が彼の尻に火を点けた格好となったのだが、彼の肉棒もまた火が点いたように真っ赤に膨張し硬直していった。
「ミヤ、ミヤ、もう……ッ！」
「ぴちゅ、くちゅ、じゅるるっ……ふぁい、だひて、だひてくらはい、わらひのなは……くちゅ、じゅちゅっ❤」
三度お宮が肉棒に吸い付く。それが彼に限界をもたらした。
「ぐ、うああああっ」
短い咆哮と共に、お宮の口に白濁をぶちまける。
「ぶ、んぶううううっ！？」
本日二度目の口内射精。だがお宮はそれを、変わらずうっとりとした表情で飲み干していった。
「ごく、ごく、ごくっ……ぷはあっ❤」
「はあ、はあ、はあ……」
精を全て飲み干してさっぱりした表情を浮かべたお宮とは対照的に、秋人はついに手を止めて激しく肩で息をしていた。
「秋人様、ごちそうさまでした❤」
「……ミヤ……」
そして満面の笑みでそう告げてきたお宮に対し、秋人は恨めしげな視線をぶつけてきた。
「……後で覚えていろよ……」
肩で息をしながら言い放たれた秋人の言葉に、だがお宮は怖がるどころか顔を蕩けさせ、自分の子宮をきゅうきゅう喜ばせるかのようにひくつかせた。
この台詞を言った秋人がどのような行動に出るのかをお宮は知っており、そしてその展開を心待ちにしていたからだ。
昼が過ぎ、陽が落ち、あっという間に夜となった。
それまでの間、二人は朝や午前中のように体を重ねようとはしなかった。二人とも夜の『その時』に備えて自身の欲望をため込んでいたからであり、そんな二人にとってその夜になるまでの時間はとても長い物に見えた。
そして夕食を済ませ、満月がでかでかと夜空に顔を見せるようになった頃。
「うん……あんっ……❤」
お宮は寝室で身ぐるみ剥がされた状態で全身を縄で縛られ、天井から宙吊りにされていた。
両手足を背中に回され、中央の一点で纏めて拘束され更にそこからシャンデリアよろしく吊り上げられていたのだ。
昼間、秋人の近況を知りつつ好き勝手やった狐に対するお仕置きである。
「ああ……やん、うぅん……❤」
だがお宮は全く嫌がってはいなかった。むしろ耳と尻尾を一日の中で特に強く左右に揺らし、興奮と期待によって全身から玉の汗を噴き出し、その秘裂からは愛液をしとどに垂れ流していた。
完全に『出来上がっていた』のだ。
「……あっ❤」
その時、お宮の鼻が愛する夫の匂いを嗅ぎつけた。それから間もなく、自分の後ろ側にある襖を開け開いて秋人がその姿を現した。
妻同様、彼もまた全裸であった。
「待たせたな」
雄々しく天にそそり立つ肉棒を見せつけるようにしながら、秋人がゆっくりとお宮の背後に立つ。お宮にはその姿が見えなかったが、彼の気配と彼の肉棒の放つかぐわしい精臭だけははっきりと感じ取る事が出来た。
そして、お宮はそれだけでもうイッてしまいそうだった。
「まだだ」
その気配を察したのか、秋人が逆さ吊りになった両腿を掴みながら釘を刺す。その手の感触だけでもイッてしまいそうだったが、これも我慢する。
「もう出来上がっているようだな」
背後に立った秋人が、自身の亀頭を使って割れ目の湿度を確かめる。その陰唇に亀頭が触れる度にお宮の全身に電流が走り、あっという間に絶頂を迎えてしまいそうだった。
だがそれも我慢する。旦那様の命令は絶対なのだ。
「ああ、秋人様……私、もう、もう待ちきれません……❤」
だがオネダリは出来る。むしろオネダリしなければ挿れてくれないのだ。
この時の秋人はやや鬼畜気味であり、そしてお宮は若干マゾ体質になるのだ。お似合いのカップルである。
「わ、私の……」
と、マゾ雌狐がここで戦端を開いた。
「私の、はしたない淫乱おまんこに、あなたのそのぶっといおちんちん、どうか挿れて、いれてください……！」
「だめだ」
だが必死のお宮の懇願を秋人が無慈悲にも切り捨てる。涙声になってお宮が返す。
「な、なぜなのですか！？ 私のおまんこはもうこんなに、こんなにせつなくなっていると言うのに……！ どうか、どうかその極太おちんちんを……！」
「必死さがたりない」
円を描くようにゆっくりと腰を動かし、割れ目に亀頭を擦りつけるように動きながら、秋人が冷たく言い放つ。
「もっと本気で、俺をその気にさせるように必死にオネダリしてみろ。出来るはずだ。ほれ、やってみろ」
「……ッ」
一瞬、お宮が躊躇うような気配が流れた。
だが逡巡も一瞬。
「お――」
すぐにお宮が口を開き、息を吐き出すかのように自身のあられもない欲望をぶちまけた。
「――おまんこ！ 私のおまんこに、淫乱メスギツネのおまんこに、あなたのおちんちんを入れてください！ あなたのおちんちんで私を壊して！ おまんこ、いっぱいじゅぽじゅぽしてえ！」
その告白を聞いて秋人が満足したように笑みを浮かべる。だが堤防の決壊したお宮の心はなおも気持ちの濁流を吐き出し続けた。
「おまんこ！ おまんこ！ 私のおまんこ壊してえ！ めちゃくちゃにしてえ！ おまんこおまんこおまんこおまんこおおおん！」
「……そうか。そんなにほしいのか」
「うんっ❤ うんっ❤❤ あなたのおちんちんほしいのっ❤ おちんちんを食べたいの❤ ああああん❤❤ おちんちんおちんちんおちんちんおちんちんおちんちんんんんん❤❤❤」
「なら」
秋人が腰の動きを止める。
「前戯は無しだ」
そしてそう告げると共に、その割れ目の中に肉棒を勢いよく突き入れる。
「――ッ❤❤」
お宮はもう声も出せなかった。挿れられただけでイッてしまったからだ。
「ッ❤ ッ❤ ッ❤」
そのまま秋人が腰を振り始めたが、お宮はそれに対して開いた口から舌を突きだしてはしたなくアヘ顔を晒し、声も出せない程の絶頂に打ち震えるだけであった。
その間も秋人の責めはなおも続く。
「このッ！ このッ！ 淫乱め、この淫乱狐め！」
パンッ！ パンッ！ パンッ！
腰と尻がぶつかる度にお宮の体が揺れ、その下に垂れ下がった豊満な乳房が体の動きに一泊遅れて前後に揺れる。お宮は呼吸をするので精一杯だった。
「あ、あ、あ、あ、あんッ❤ あんッ❤ うあああんッ❤」
「はははっ！ そうか、そんなに、声が出ない程気持ちいいか！」
「は、ひゃ、ひゃい、ひゃいいいいいいいいん❤❤」
「そうかそうか！ ならこのままイかせてやる！ 中に出してやる――！」
「な、なか――ッ？」
膣内に出す。その言葉がお宮の意識を正気に引き戻す。
「――いい」
そして彼女の精神を完全に崩壊させる。
「なかッ！ なかだしィィッ！ いいのッ！ あんッ❤ それっ、ああんッ❤ いいのッ！ なかだしお願いいぃぃぃぃッ！」
「ああ、出してやる、出してやるぞ――ッ！」
秋人が叫び、腰の動きを更に激しい物にしていく。が、彼の限界もまた間近に迫っていた。
「ああ、ミヤ、ミヤ！ 出すぞ！ だすぞ！」
「はい、はいぃぃぃッ！ だして！ しゃせーして！ めいっぱい、出してくださいぃぃぃぃぃッ！」
お宮の懇願を受け、秋人が今までよりも更に強く腰を打ちつける。
「ぐ――うあッ！」
その瞬間、白い欲望の塊がお宮の子宮に激突した。
「ひぎ――ッ❤」
体が粉々になる程の衝撃が、子宮を通して全身に伝わっていく。叫ぶどころでは無いその快楽の渦の前に、お宮はただ歯を食いしばって耐えるしかなかった。
「ひぎいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん❤❤❤」
そして歯を食いしばったまま、お宮は待ちに待った絶頂を心行くまで味わった。
「はあ、はあ……」
思う存分快楽を分かち合った後、二人は結合を解いて息を整え合った。秋人は二人の体液が混じり合った物が存分にぶち撒かれた畳の上にへたりこんだが、お宮は縛られたままであった。ほどく意志は二人にはなかった。
これで終わりでは無かったからだ。
「はあ、はあ……秋人様……」
「……ああ……」
お宮の言葉に応えるように、秋人がゆっくりと立ち上がる。その肉棒は未だ剛直を保っていた。
息も絶え絶えに、お宮がオネダリを再開した。
「私の……私の淫乱おまんこに、お情けを……❤ どうか、そのぶっといおちんちんで、どうか……❤」
「……ああ」
一度大きく息を吐き、呼吸を整えた秋人がお宮の尻肉を強引に掴む。
「やんッ❤」
「ミヤ……」
嬉しそうに嬌声をあげたお宮に、秋人が冷たく言い放つ。
「行くぞ――！」
そしてお宮の返答を待つ事無く、その濡れそぼってパッカリ開いた淫乱おまんこに自身の肉棒を突き入れていく。
「ひっ――うやああああああああああああん❤❤❤」
その不意打ちの一撃を前に、お宮は目を丸くし、歓喜の絶叫をあげた。
二人の夜は始まったばかりだった。
12/09/25 00:12更新 / 蒲焼