連載小説
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第一章始話:初恋と密林:
「勇者様が召喚されましたぞ!」
オオオオォォォォォォォォォォ!!
豪華絢爛な場所に、雄叫びが響き渡る。圧倒的♂度。しかも、俺…、霧茅紀徒もそこに居る。
冗談じゃ、ねぇ。冗談じゃねぇよ。
冷静に、ただ、自らの周りを否定する。
まず目に付くのは赤い絨毯。次は、金の装飾が施された玉座。
そこに座るのは、長い白髭と豪華な服を来たオッサン。
頭には金色の王冠。それには、赤やら青やらの宝石が散りばめられていた。
何て見事な二次元的展開。だが、そんなモノを目の当たりにした俺の反応はこうだ。
「……あ、死んだな、うん」
はい死んだー、今死んでるよ俺ー。
だって仕方ないだろう? 屋上から落ち、気付いたらこんな場所に居たんだから。
全く持って常識的じゃあない。こんな等々に、夢が叶ってたまるかよ。
…まあ、死んだなら……。
けど、死んだって決まった訳でもない。
が、理解が追いつかない現状に少なからず困惑するのは、当たり前だろ?
現に今だって、勝手に話が進んでる。まるで、現実みたいに、だ。
「…でして、この国の西に群生する特殊な木々の生い茂る密林に魔物が―」
意味が分からない。つーか普通分からんだろう。
せめて定番のRPGみたいな説明があれば良いんだが……国とか魔物とか、もうぶっちゃけ意味分からん。
そんな、憧れても決して届かないモンがある訳なく。
…って。え? …いや、“魔物”…?
「…なぁ、オッサン。魔物ってーとアレか? 人とかを食う、バケモンの事―」
バケモンの事だよな? その言葉を言うより先に、
「ええ、その通りです“勇者様”。その魔物を、貴方に退治して頂きたく…」
hello、冥界。俺はもう帰る気はねぇ。断言してやる。
勇者様。その言葉。つまり、ヒーロー。
冥界=地獄っつうイメージはこの際ナシだ。ここは、パラダイス。
けどまあ…聞き間違いって可能性もある。
そう思い、オッサンの顔を見やる。
オッサンは、無言。
だが、その威厳たるモノ…は、まあ分からんけど、その自信に溢れた目は俺を勇者だと黙に語っている。
つまり、俺=勇者様。
念願の、勇者様である。今狂喜乱舞しないでいつするの! 今でしょ!
そんな言葉が頭の中をぐるぐるぐるぐる。
けど、これだけは言わせてもらう。
「オッサン、任せろ! 完全無敵のこの俺に! ふはははははははっ!」
瞬間、オッサンが微かに笑んだ気がしたが…気のせいだろう。
俺、勇者。いやっほぅ。
そう思う一方、舞い上がんなよ…つーか、怪しいだろ。と、脳内俺が言うが知った事か。
何故なら俺は勇者…!
俺になら出来る! だって勇者ッスから!!





そしてそれから2時間くらい経って、俺は密林とやらに放置された。
密林と言うだけあり、その湿度は信じられないモノであり…。
「ちょ…聞いて無いって、こんなの聞いてないって、ねぇ、ちょっと…」
と、ブツブツ文句を垂れ流す。
それも仕方ない。我が身可愛さで言ってんじゃなくて、本気で。
ちょっとマジで信じらんない。
あのオッサン…いや、ジジイ頭可笑しいって、いやマジで。
次に会ったらあのジジイは吊して鞭打ちした後尻を屈強な♂に掘らせてやる……!
…畜生、侮ってた。
普通RPGとかなら回復アイテムとか武器とか…まあ、何かをくれるものが殆どだ。
当たり前というか、常識。
だが、そんなモノ…存在しない。まあ、ゲームと現実は違うって事か。
goodbye、冥界。こんな世界間違ってる。世界の歪みは間違いなくジジイだ。
つーか何順応してんだよ俺、と脳内俺が言うがそれは無視。知るか。
そんでジジイ。俺に“素手で戦えと?” 無理無理、先ず俺はそんなに強くないし、それに…。
「…縛られてる意味が分からん」
何で俺縛られてんの? え? 普通縛って放置プレイとかしないだろ。
それがましてや魔物退治の勇者様に。
勇者様じゃなくて生贄の間違いじゃないのか。…本気でそう思う。
何、ちょっとマジ理解出来ない。
「…ッ、クソ…後、ちょっと…」
勿論縛られておく訳にはいかないので、身体をくねらせながら脱出を試みている。
端から見たら超絶に気持ち悪いと思うぐらいくねる。というかうねる。
すると、案外あっさりとほどけてしまう縄に「ないわー」と呟き、立ち上がる。
そして立て続けに「……時間の無駄だったんじゃね?」と溜め息を吐き出し、歩みを進めた。
…はぁ。
まあ…どうとでもなれば良いよ…はぁ…。
そう思い、未知の世界へ踏み込んで行った…。

…のは、良いものの……。


「…あー、クソ……あっぢぃ…」
暑い。超暑い。サウナ並みに暑い。
そして何より、水分が足りない。
蒸し暑い癖して、水分補給する場所が見当たらない。
極端な湿度のせいで、喉が潤いを失う事はないのだが、あまりにも極端過ぎてその温度で身体中の水分が汗となって抜けていく。
だから喉が潤いを保ちつつ、本能が水を求めるのだ。
…が。
勿論水分なんて持ってないし、右も左も木々が生い茂るこの場所で水分を補給するなんて、無理に等しい。
「…川でも、ありゃあ良いんだが……」
確か、サバイバル番組で木の幹を切ったら水が出るとか言ってたような…。
そう思っとた時。
…がさ。
不意に聞こえた音に、振り返る。今、何か動いたような……?
まさかプレデター!? 俺、シュワルツェネッガーじゃないから勝てません、はい。
けどまあ、気のせいだろう。
あれはSF。これは現実。
そんな、まるでこの世界が現実のように感じた自分が嫌になる。
……ぱき。 何かを踏むような音が聞こえる。
だが、その先には何もなくて。
冗談じゃない。姿の見えない何か…間違いなく、奴じゃねえか。
「……何か、居るのか…?」
声を出す。まあ、生粋のハンターとまでは行かなくても、何かヤバい生き物とかじゃ…。
少し怖いが、気になるのは当たり前で、音の鳴った方向へ足を運ぶ。
そして…気が付いてしまえばもう遅かった。
落ち葉を踏み締めるような音が背後から聞こえ、振り向くと、視界が回転した。
打ち付けられる背中が、痛い…、が。
そんな事は、すぐに気を止めなくなっていた。
何故ならそれは、目の前に居るその人が。
俺を見下ろすその人が、とてつもなく。
(かわっ、い……)
可愛かったのだ。要するにドストライク。
…いや、いきなり攻撃(?)された上に見ず知らずの人にそんな事思うのもどうかと思うけど。
そう思いながらも、そのヒトを見つめてしまう俺。
だが、彼女はそんな俺を気にとめる事も無く…、その腕についた鎌を振り上げた。
……鎌…?
ああ、ハンターさんでしたか。
っておいおいおいおいおいおいおいおいおい…っ!?
洒落にならんぞ!? どう見てもソレ、狩りの道具…っ
って腕から生えてませんか!? ちょっとカッコいいな!
何だかよく分からない興奮状態になりながらも、声を荒げる。
「ちょ、止め…っ…」
が、俺の制止など意に介す事はなく…鎌は、振り下ろされた。
…と、思ったが…別段、身体に傷が出来る訳ではなかった。
きっと俺が切り裂かれ…スプラッタな状態になるのだと思ったのだが、違う。
薄目を開けた俺の胸元から腰回りにかけてが…肌寒い。
…要するに、スプラッタになったのは…俺の服。
「……は? いや、え……? …え!?」
何故服を破かれにゃならんのか理解に苦しむ俺をよそに、彼女が手をのばしたのは俺の股間だった。
何故か、さっきから全く変わらない無表情で。
って、おい。
「何やってんの!? って痛い痛い…痛いってば!?」
ぎゅっと掴まれた男の子のシンボルを、ぐにぐにともんだり引っ張ったりされる。
勿論痛いのだが、そんな事を可愛い子にヤられたら嫌でも反応しちゃうと言うか何というか。
「…あ、えーと、その…」
立ち上がる、某機動戦士もといシンボル。
「………」
彼女はそれを確認すると、無言のまま俺の上に跨がり、腰を下ろしていく。
俺の胸元を押さえつけるように置かれた手の柔らかさとか目の前の光景とかが…なんというか、現実味がない。
…ない、のだが…。
やはり、俺も男のワケでして。流石に…色々と、ね?
一応短いスカートだと言えそうな服の下、そこに、俺の息子…ジョニーまたはブライソンが侵入していく。
(ちょっ、その先って…)
と、想像して、ますます猛る。
二次でしか見たことのない、禁断の、世界へ。
ドッキンコ、ドッキンコと高鳴る鼓動に時間を忘れ…ぴと。気がつくと、彼女の大切な場所へと到達していた。
下着越しだけども。
と、それに気付いたのは俺だけではなく、彼女も「………ぁ」と声を漏らし、その下着をずらして。
初めて聞いた彼女の声…少しだけ低い、落ち着くようなハスキーボイスに耳が犯された。
…そうとしか、言い様がない位に…透き通った声。
そして今度は、ずらした下着を確認したのか…くち。と、小さな水音を立てて再びそこへ到達する。
と、同時にその暖かさと湿っぽさでビクンっ、と俺のナニが跳ね…
「……!?」
同じくビクンっ、と反応する彼女。
だが、それも束の間。その腰を、一気に落とす。
…にゅるっ。
「…ぁっ!? …?」
が、温かな液体が潤滑油のようになって滑り、挿入らない。
だが、俺はもっとそれどころじゃない。
ぎゅっ、と一瞬だけ力が入って彼女の手だとか、身体に重なる他人の温度だとか…女の子っぽい甘酸っぱい匂いだとか…!
鼻腔を一杯に通ったイイ匂いや、身体中を擦れたような微妙な快楽が走る。
そして再び、…にゅるん。
「…っ…、?」
またしても挿入る事はなく、微妙な刺激だけが残った。
…にゅる。…にゅっ。にゅるん。
絶え間なく、不思議そうな顔をしながら挿入しようとする彼女。
少しだけ荒い息遣いや、さっきから鼻腔をくすぐる女の子の匂い。
そして、ジョニーに対しての微っっっ妙な刺激に我慢ならなくなっちゃうのは、男のサガなのか。
理性なんてモノは、とっくに壊れている。
…なので…彼女の肩を掴み、逆に押し倒す。
すると、キッ、っと威圧感のある目で睨まれるが、知るか。
(ヤってきたのは向こうなんだから、大丈夫だよ、な…?)
そう自分に言い聞かせて、ブライソンをそこへと…って、ふざけるのは置いときまして。
右手で位置を固定させたナニを、そこにあてがい…、一気に突く。
にゅぷぷぷ、と、キツい蜜壷を押し広げて行く。
だが、そんな事より何より、温かくて、キツいのに柔らかく蠢く肉壁に意識を全て持って行かれ…って、なんだ、これ!?
「…く、ぁ…やべ、ンだよ、これ…ッ」
腰ごともっていかれそうな快楽が、下半身どころか…全身に駆け回る。
ギチギチの肉壁を押し上げ、押し出され、押し出すくせに吸い付いて。
カリ首やら肉竿やら、まるで絞られてるみたいで、兎に角スゴい。
「…んっ…や、ぁ…あっ…!?」
俺の手首を掴んだ彼女が、突く度に喘ぎ、突く度にぎゅっとしてくるのも堪らない。
ほんのりと赤みがかった顔で、惚けた顔で、不思議そうに見つめられて。
(…それ、はん…そ、く…だろ…!)
ドキリ、と高鳴る胸…身体の赴くまま、腰を突き上げ、その唇を奪う…!
「…!? ちゅっ、ぁ…、ふぁ、ん…っ ♥」
最初は驚いたような仕草をしたものの、次の瞬間には…寧ろ、俺が襲われていた。
口内を満たす、自分以外の唾液の味に溶かされながらも、何回も、何回も唇を重ね合わせていく。
「ちゅっ、ちゅっ…や、ぁっ ♥♥んぁ、あっ♪」
れろ…ちゅっ、ちゅるる…れろ…れろ…。
舌を侵入させて、絡ませて、貪る様に口内をも犯し尽くす。
勿論下半身も、な。
「んぁあっ ♥やぁ、ふぁっ、あっ ♥♥んんんぅ…っ ♥」
にちゅにちゃ…にゅるん。…くちゅ…にゅる、にちゃにちゃ…。
いやらしい水音を響かせながら、腰を叩きつけ…一回抜き、またあてがい、押し入れる。
「ふぁ、あ… ♥あっ、ん…♥ぁっ、ん、あっ ♥」
突いていく度に快楽が溢れ、そして、その快楽をつなぎ止めている部分が。
「く…で、る……っ!」
決壊した。
「!!?!? やっ、あっ ♥ ♥んやぁ、あぁっ ♥ ♥ ♥」
ドクドクと脈打つモノから、大量の精液が解き放たれる。
しばらくヌいてなかったので、その量はよっぽどだ。
(う、わ…ナカに…やっちまっ、た…)
思うが、出すもん出しちまった後では無意味だ。
「…ぁ……ゃぁ…ん…っ ♥」
射精を終えたそれを抜くと、こぽり、と精液が溢れ出る。
「うわ…エロ…」
思わず口を出た言葉だが、まさにその通りである。
色んな体液でドロドロになった彼女が、地面に力無くへたり込んでいる姿にドキドキ感がもうやっべぇ。
「ぁ……」
じぃ…。
頬を赤らめて、ちらちらと見つめられるのも、堪らない。
そんな可愛い顔されたら、また…!
既に立ち上がってはいるんだけども。
「…く…もうヤケっぱちだ! お前が悪いんだから怒るなよ?」
…それが勇者様の言う台詞かよおい。
黙ってろ脳内の俺! 知るか! 俺だって男の子なの! ヤりたいの!
完全にヤケである。
「いくから、な…っ」
宣言して、いきなり挿入る。
「…ぇ、や……ぁっ ♥んっ、んっ、ふぁっっ ♥ ♥」
そして最初っからフルアクセルで跳ばすぜ…!
パン、パンと腰を打ち付ける音が響く。
激しく責め立てながら、空いている左手で、胸を強引に揉みしだく。
(う、わ…やわら、か…)
手にしっとりと張り付くような手触りと弾力、その先端部を摘むと、
「んやぁっ、あぁっ ♥ ♥ふぁ、あっ、あっ ♥ 」
と、結構強く反応する。…感度上々ってやつ?
腰を打ち付けながら、胸を責め立てる。
さっきから何度も痙攣し、何度も何度もビクビクと反応しながら堪えてる彼女に、告げる。
「そろそろ、出す、ぞ…っ!」
すると、今まで手首をぎゅっと掴んでいた手が、腕が、俺の頭へと伸びていき…。
ぎゅっ。…ちゅっ。
押さえつけられ、キスをされる。
そしてそのまま…。
「んやぁっ、あぁっ、あっ ♥ふぁ ♥んんんんんんぅ… ♥ ♥ ♥」
射精。
ビクビクと震えるモノを包む蜜壷が、胎内へ精液を誘うように一斉に蠢く。
射精後の敏感なモノに強烈な快楽と、二回、三回目の射精が始まる。
唇は離して貰えず、何度も、何回もキスを繰り返されて。
(あれ…? やばくね? 意識…朦朧としてきた…)
ただでさえ水分が足りずつらかったのに、わざわざ水分を失うような行為をしている…と、今更になってから実感する。
そして、そんな状態で……酸素が全く吸えないほど、キスをされたらどうなるのか。
答えは…。
(…やべ…し、ぬ…)
気を失う、だな。
まるで他人ごとのように…でも、当事者…その俺が、既に感覚のない脳ミソで考えた結果。
…良い身分だな、勇者様…はぁ、と、脳内俺が呟くだけだった。
例によってもソレを聞かなかったフリでやり過ごし、少し甘く感じる唾液を味わう。
そして、唇に当たる柔らかな感覚に幸せを感じて俺は…。
意識を、手放した。




…続く。
13/04/13 09:42更新 / 紅柳 紅葉
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■作者メッセージ




※あとがき※
どうもこんにちは、紅葉です。
あい・あむ・ひーろーの原作のプロットが自分のヘマのせいで殆どダメになってしまったので、どうせならリメイクしようぜ的な?
すみません、ホントすみません。
今度はプロット消さないようにノートに書き連ねたので、宜しければお付き合いして頂けると幸いです。
すみません、ホントすみません。

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