あの頃から君は眩しくて
無人駅に降り立つ
セミの鳴き声がうるさいくらいに響きわたっている
駅以外には田んぼがほとんどの視界を埋め尽くし、民家は小さく見えるぐらい
風景に全く合わず浮いてしまっている都会で見慣れたピカピカの自販機から購入したジュースのプルタブを上げ、ふと思い出す
自分が今ここで親の迎えが待っている理由を
自分が故郷の田舎から離れた理由は単純で、親が都会の方へ転勤になったからである
まだまだ幼い自分にとっては衝撃的なイベントであったが、それに逆らうことなんてできるはずもない
数少ない友達や近所の人に盛大な送別会をしてもらい、俺はこの土地を離れることになった
電車を乗り継ぎようやく着いた都会は田舎から出てきた自分にとっては新鮮なもので満ち溢れていた
田舎じゃ考えられないほどの量の人や車、商品が沢山並んでいるお店
ぐるぐる回る歯車のような街の雰囲気は最初の頃には受けいれられなかったが、それも徐々に慣れていった
中学、高校、大学と進むにつれて田舎のことなどすっかり忘れ、都会の色に染め上げられた頃、転機が訪れた
なぜだかわからないが、大学を卒業するまで就活が上手くいかず、どうにもならなくなったのだ
濁った目で面接や試験に向かい、どんよりオーラをまとわせて帰ってくる、そんな息子の様子を見かねた両親にとある提案をされた
お父さんがまた転機になって田舎に戻ることになったんだがついてくるか？
このまま都会で終わりの見えない就活を続けるのも嫌になってきていた俺はどうにでもなれとヤケクソ気分でそれを了承した
田舎の方が仕事は無いのは分かっているのだが気分転換にはなるだろうという甘えも混ざってはいるけれど
予約してある面接がまだ残っていたので両親に遅れて都会を出て10年ぶりぐらいに長い旅路に出発した
汗を拭い、ジュースを飲みながら思い出に浸っていると視界の端に都会ではほとんど見ることのなかった軽トラがこちらに向かって走ってくるのが見えた
小さい頃に幼馴染と荷台に乗ってはしゃいでいたことを思い出し、なんだか懐かしい気分が込み上げてくる
すっかりうろ覚えになってしまった小さい頃に過ごした日々を思い出していると小さかった車の影がもう目の前に来ていた
手回し式の窓越しに見える父親の姿を確認すると助手席に乗り込んだ
「このあたりは全然変わってなかったな、懐かしいだろ」
父の言葉に苦笑いを浮かべつつ頷く
汗をかいた若者としわが出てきたおじさんを蒸し暑い車内に乗せて軽トラは走り出す
ガタガタ揺れる車内から窓の外に流れる田んぼばかりの風景をぼんやり眺めていると父親が何か思い出したかのように口を開いた
「そういえばお前が小さい頃に仲良くしていた美咲ちゃん、まだこのあたりに居るそうだから顔でも出して来たらどうだ？」
懐かしい思い出がよみがえる名前を出す父に俺はジト目で無言という名の返事をする
10年程度も接していない人に今更なんて言って会えばいいか分からないだろう、それ以前に相手は異性なのだから会っても共通の話題を振れる自信もないので気まずくなるだろうと思う
……可愛らしくて元気いっぱいだった彼女の事だ、もう良い人を見つけているだろうしな
幼い時に過ごしていた家も出てきた時と特に変わらずなんだかタイムスリップでもしたような感覚に陥る
昔ここに寝泊まりしていた時の出来事が次から次に脳裏に浮かんでは消えて行ってを繰り返す
何もかもが輝いて見えて毎日が宝物のような日々、元気いっぱいで一緒に色々なことをしてくれた幼馴染が居たあの日々
それに比べて上手くいかない現実に色々なものが色あせていくような毎日と面接と履歴書の作成に追われて友人の遊びの誘いを断り続ける自分自身のという差に胸の辺りがモヤモヤしてくる
どうやら部屋に漂う畳と木と少し埃っぽい匂いと外から入ってくる草と土の匂いのせいかノスタルジックな気分になっているようだ
こうやってすっかり小さくなってしまった自分の部屋で横になっていては何かを始めるまで思考が無限ループに入ってバグりそうなので外で散歩でもしようか
そんな風に頭の中のマイナス部分を振り払うように立ち上がると唐突に部屋のドアが勢いよく開いた
「望！久しぶり！こっちに帰って来たって聞いたから遊びに来たよ！」
思わずビクっと震えてしまったが自分を驚かせた本人にはもっと驚いた
幼い頃、一緒にあちこち走り回っていた幼馴染本人がかつてと同じように自らやってきたのだから
変わらぬ背丈と平たい胸、モフモフな毛に覆われた獣の腕と山羊のような蹄
唯一成長しているささくれた角と少し明るい茶髪
背丈に合った白いワンピース姿
バフォメットの八重葉美咲
「あっ、間違えた！望、久しぶりなのじゃ！」
「間違えたって……お母さんの真似事？」
かつて世話になった彼女の母親のような口調を聞いて、思わず出てしまった言葉に彼女はあからさまに不機嫌な顔をする
「真似事ってなにさー！魔物（ひと）がせっかく一人前になろうと頑張ってるのにー！」
先ほどの口調はおそらくバフォメットとして、次期サバトの長になるための一環なのだろうか
小さい頃に彼女の母親が口調に対して指導のような物をしていたのをみたことがあるが、この歳になるまで定着しなかったのでは中々難しいのではないか
あまり変化が見られないものの、彼女なりに背伸びをしているような様子が何故だか面白く思えて笑いが込み上げてくる
「むー！笑わないでよー！」
「ごめんごめん、ほらほら口調を戻さないとまたお母さんに叱られちゃうよ」
「うるさいのじゃー！」
あの日々と変わらないやり取りに心のどこかに安堵と喜びを感じ、嫌なことを忘れさせてくれた
さて、せっかく彼女から遊びに来てくれたんだ、存分に楽しもう
遊ぶと言っても都会の様に遊ぶための施設や場所は当然無く、大人に足を突っ込んでいるような年齢にもなってかつてと変わらない遊びをすることになった
ちょっとした距離でのかけっこ、すっかり小さくなってしまった「ひみつきち」へ集合、農水路でのザリガニ釣り等々
初めの頃はこの歳になってはつまらないのだろうと思っていたものの、あまり変わらない彼女の様子と景色のおかげか夢中になって楽しんでしまっていた
小さく感じてしまう彼女の背中と景色とは反対に大きくなった割には都会暮らしで体力が衰え、ついていくのも大変だったりしたりもした
かつてと変わらない川原の日陰、当時と同じように大きな石に座って休憩
「ふふん、都会に行ってすっかり衰えちゃったの、望よ」
ドヤ顔でこちらを見る美咲に対抗して彼女の頭をポンポンと叩く
彼女が自分の膝ぐらいある大きな石の上に座っていても、俺の方が身長は高いので簡単に手が届く
「そっちは逆にちんちくりんなままだし、一人前にもまだまだじゃないのか」
売り言葉に買い言葉
いつものようなやり取りのつもりで返したのだが、ろうそくの火を吹き消したかのように彼女の顔から楽しそうな表情が消える
自分が都会に行ってから見るようになった、うまくいっている友人が時折見せる「大人としての表情」になる
「そうｄ……じゃな、ナリはともかく中身もそれほど変わってない私じゃ、おか……母上のような立派なサバトの主にもまだまだなれないね……のじゃ」
目を細めて悔しそうに口調を訂正しながらつぶやく彼女は変わっていないように見えていたけれど、自分よりもっと先に進んでいるのだ
あれこれ言い訳をつけて俯いて足踏みしている自分なんかよりも、上を向いて重い足を引きずりつつも歩んでいる彼女の方が前に居るのである
彼女と再会し、払拭したと思っていたドス黒い物に捕らわれる感覚に陥りながらも彼女にだけはこの面を見せまいと無理矢理笑みを作る
「ゴメン言い過ぎた、頑張っているみたいだし、目指して頑張っている美咲なら大丈夫だよ」
「…………」
言葉選びを間違えたか、今度はつまらない物を見るようなジトっとした視線を俺に送ってくる
そんな表情のまま無言で石から飛び降りる
大小バラバラな石だらけの不安定な足場で体勢を崩すことなく上手に着地し、俺の真横に背丈は小さくとも大きく見えるオーラを纏わせて立つ
「……望、せっかくここまで来たんだし泳ごうか！」
フッと無邪気な表情に戻り、眩しい笑顔をこちらに向けてくる
……そういえば彼女と遊びだした頃もこんな笑顔を向けてくれたんだっけか
物心がついたばかりの本当に幼い頃は弱虫だったのであまり外で遊びたがらなかったのだが、ある日から美咲が部屋に居た俺を連れだし、外を一緒に駆け回るようになったのだったかな
「ほら、ボサっとしてないで服を脱ぐのじゃ！」
もたもたしている俺にイラついたのか彼女は汗の張り付いたＴシャツを引っ張るが身長が足りないために腹のあたりまでしか脱がすことができない
「もー！！さっさと脱いでよー！！！」
急かす彼女を若干うっとおしく感じつつも背を向けて渋々上着を脱ぎ、汗で張り付くズボンを何とか下ろしてパンツ一丁になる
水着なんか持ってきてないのでこのまま泳ぐ
このクソ暑い夏場であればしぼって少し置いておけば乾くので問題ないのである
軽く伸びをしてから彼女の方を振り返ると、当然彼女もお気に入りのワンピースを脱いでいるのだが……
「都会で鈍った望が私に勝てるかな？」
ブラどころかパンツも無い見事なすっぽんぽんになっていた
……そういえば昔からそうだったっけか、正直この歳になったのならもう少し恥じらいを持ってほしい
驚き半分呆れ半分で固まっていると彼女はニヤニヤと笑みを浮かべた
「にゅふふ、望、私の身体にメロメロになったかの？」
「未だに裸ワンピースのスタイルのままなのと、この歳になってもそのことに恥じらいを持っていないのにびっくりしただけだ」
こつんと彼女の頭を軽くノックしてやり、念のためストレッチを行う
……自分はロリ属性なかったよなぁ、危うく欲情する所だった
雑念を払うようにストレッチを終え、川の浅いところに立つ
流れる水が足を冷やし、不規則な石が足裏を刺激する
「どぼーん！！」
背中に衝撃を受けて深いところまで吹き飛ぶ
口の中に水が入り込んで息ができず、足も付かず軽くパニックに陥りそうになるがどうにか体勢を立て直して浮上する
……こんな所まで成長していないとは思ってもみなかった
突撃してきた当の本人はというと少し離れた所でぷかぷかと浮かんで笑っている
「ふっふー、やっぱり今のを避けれないってことは鈍っているのじゃ、望よ」
妙に自信満々で反省の色が見えない彼女の態度に妙にイラっときて彼女の側に向かうべく泳ぎ始める
彼女も俺が怒っているのを察したのか逃げるように泳ぎだす
水泳おいかけっこの始まりだ
日陰に戻って休憩
ある程度風が吹いているのでこの場所に居ても濡れた下着は乾くだろう
家に戻ったらアイスでも食べようかと考えながら石に背もたれていると美咲がキョトンとした顔でこちらを見ているのに気が付いた
「ん……どした？」
「むー、そこでぼーっとしているよりあそこらへんにパンツを置いておいたら早く乾くのじゃ」
彼女が指差した方を見ると他の場所よりも木々の隙間が大きく直射日光によって熱されている中くらいの石がごろごろと並んでいた
確かにそのあたりに置いておけばここに居るよりはるかに素早く乾くだろう
……しかしこの下着は魔物を前にした男の最後の砦なのだ、いくら気の知れた幼馴染と言えども油断はできない
決して体を乾かすために曝している彼女の裸体を瞳に映しているのが原因で勃ちかけているわけでは無い
「別に良いだろー」
適当にはぐらかそうとするも彼女はどうやら早く乾かして次の遊びをやりたくてうずうずしている様子である
「むー！なら無理矢理にでも脱がしちゃうのじゃ！」
彼女が何かを呟くと俺の両腕に光の輪のようなものがまとわりつき、動かせなくなる
そっちの方はからっきしで詳細は分からないが拘束用の魔術をかけられたようだ
……こんな用途で勉強中の物を利用するなよと言いたい
「にゅふふ〜♪それでは御開帳〜」
美咲がニヤニヤしながら下着をずり下ろす
……こいつわかっててやりやがったな
「ほうほう……ここもそれなりに成長してるんじゃなぁ♥」
もはや半勃ちになってしまっている愚息が彼女の眼前に曝される
彼女も魔物の一端なのである、待っていましたと言わんばかりに得物を狙う肉食獣のような眼になる
「童貞臭いこの匂い……まさかまだ初物とは思わなかったのう」
すんすんと軽く匂いを嗅いだ後、チュッと先端に口づけをする
少し触れられただけなのにゾクゾクとした感触が下半身から伝わってくる
「んん〜♪いい反応をしてくれるねー♥いただきまーす」
彼女は口を大きく開け、パクッという効果音でも付きそうな勢いで俺の逸物を咥える
半勃ちとはいえ俺のモノは彼女の口には大きかったようで半分程度までしか口内には入っていない
しかし、半分とはいえ彼女の口内に飲み込まれたイチモツからは先ほどよりも強力な快楽が伝わってくる
「んちゅ……んちゅ……きもひいいれひょ♥」
頬張りながら悪戯っぽくしゃべる彼女は楽しそうだが、こちらはそれどころではない
温かな彼女の口内とぬめりを帯びた彼女の舌が巻き付いてくるせいで余裕などないのだ
これまでは気にしないようにしていた彼女の凹凸の少ない肢体も興奮材料となり、視覚的にも釘付けになってしまう
「んむぅ……んふ……んむ……」
半分ほどしか口内に収まっていなかったのだが、美咲が顔を横に向けて押し込むと3/4ほどまで入ってしまった
無理に押し込んだ分彼女の頬を膨らましてしまっているが
「じゅる……んじゅ……じゅ……」
徐々に徐々に動きが早くなっていく彼女に合わせて射精感が込み上げてくる
……早いとは自分でも思うけれども、魔物が蔓延ってきた世の中なのに碌に異性と触れ合ったことの無い男の子なのだ、仕方があるまい
気が付けば手が動かせるようになっているので楽しそうに……おいしそうに頬張る彼女の角を掴み、こちらへ顔を引き寄せる
「らひてひいよ♥」
嬉しそうに目を細める彼女にも同意を得られたことなので遠慮せずに彼女の口内へ射精する
今までにないほどの快楽によって引き出された射精も同じくインキュバスではないはずなのだが大量に吐き出す
しかし美咲は嬉しそうに喉を鳴らしてそれを飲み込み、モノに舌を這わせ、吸い上げて更に貪欲に求める
1分にも達してしまうであろう時間を射精し続けたのだが、尿道に残留してしまうはずの分まで彼女は吸い上げた
「んく……んく……うん、ごちそうさま♪」
彼女は顔を軽く拭うと満足そうな笑顔を浮かべた
大量に出したにも関わらず未だに萎えていない愚息と荒い息を吐いて興奮とワクワク感を隠す気の無い彼女の様子に溜息を吐く
「……お粗末様」
美咲は近くの大きい石に手を付けるとプリンとした小ぶりのお尻をこちらに突き出してきた
丸見えになっている彼女の秘所からはだらだらと涎のように愛液が漏れ出し、木漏れ日によってキラキラと反射している
顔をこちらに向けた彼女の表情は悪戯気にニヤついているものの頬は赤く染まっている
「望の為にとっておいた私の初めて……食べたくない？きっとおいしいのじゃ♥」
彼女の言葉に思わず胸がドキっとしてしまう
据え膳食わぬは男の恥、昔から好いていた相手ならば尚更だ
俺は彼女の腰に手を回し、ガチガチに固くなった分身を押し当てる
「……本当にいいの？」
ヘタレと思われてしまうだろうが最後の理性を振り絞って彼女に尋ねる
彼女は俺の言葉に対して面白い事を思い付いたように山羊のような耳がピクンと動く
「良いのじゃ……よっと♥」
にゅるん、と効果音でも付ければいいのだろうか
そんな具合に俺の愚息が飲み込まれた
何故かって？答えは簡単
彼女が腰を動かして密着していた愚息を挿入したからである
「油断大敵……んっ♥……だよ♥」
彼女の膣内は挿入する時こそすんなりと受け入れたものの、今は離さないと言わんばかりにガッチリとホールドしている
びりびりと視界がぶれてしまうほどの快楽が股間から伝わり、情けない声が口から洩れてしまう
「ふふ……望……こんなに良いモノ私に突っ込んでいるのに……♥……可愛い声出してる……♥」
ガクガクと足が震え、彼女にしがみ付きながら腰を震わせる
彼女の膣内は止まっているときには両手で握りしめているかのようにガッチリと掴んでいるものの、こちらが動かそうとするとローションをぶちまけたかのようにヌルヌルとすべりが良くなる
それゆえにガクガクと腰を震わせてしまっている現状では彼女の膣内を激しくかき回すような形になってしまい、更に快楽が加速してしまう
「んっ……んっ……んっ……もう♥望、もう少し……んっ……ゆっくりできないの……」
彼女の言葉に腰に力を入れるものの、あまりの快楽に未だプルプルと震えてしまう
そんな状態ながらもゆっくりと腰を引く
抜けるギリギリの所まで引き抜くと彼女の膣は逃がさないと言わんばかりに再び締め付けてくるのでゆっくりと突き入れる
つぷっつぷっと静かな水音が奏でられ、自分と美咲の息遣いが混ざるも川の流れる音にかき消される
「そうそう……いい感じ……じゃっ……♪」
ゆっくりと、ゆっくりと彼女の奥に突き入れ快楽を更に高めていく
本能的な部分で彼女を求めている
感情的な部分で彼女を愛しく感じている
あぁ、彼女が好きなんだ、美咲が好きなんだ
止まらぬ想いを込めて彼女に自らの分身を突き入れる
「ビクビクしてっ……るっ……♥……」
辛うじて耐えていたものの、射精が近づきつつある
それでも彼女の為にとゆっくり突き入れている
彼女の方もなされるがままではなく自ら誘導するように腰を動かしてくれている
一つになれている実感が湧いてきて嬉しくて嬉しくてたまらない気分になる
「うんっ……くぅっ……でてっ……♥」
彼女の最奥に突き入れると同時に自分の想いと欲望を吐き出す
ビクビクと身体ごと震わせて吐き出していると、彼女も同じように達したのか身体を震わせている
キュゥゥっと彼女の狭い膣内が更に締まり、イッている最中なのに快楽が再び頂点まで引き上げられる
視界がバチバチと白み、口から息が漏れる
無限にも感じる天国のような地獄のような状況に陥ってしまうものの、徐々に意識が戻っていく
初めて味わった感覚に驚きつつもこれが魔物と交わることなのかと実感する
対する彼女も体をピクピクと震わせて先ほどの快楽を反芻しているようにも見える
しばらくは２人して荒い息を吐いていたがどちらともなく身体をすり寄せる
空っぽになるぐらいまで彼女の中に吐き出したつもりなのにいまだに愚息は元気なのである
葉っぱの屋根を挟んで太陽は未だに地上を焼いているので時間はまだまだあるはずだ
すっかり暗くなった夜道を美咲を背負って歩く
街灯なんて物は駅の周辺にしかないので月と星の明かりしかない
暗くて見えにくいものの昔と変わらぬ道なので迷わずに歩けている
「にゅふふ〜望〜♪」
人の背中に乗りつつ小さな幼馴染はご機嫌に呼びかけてくる
自分も夢中になって交わっていた癖に、いざ帰るとなると散々犯したのだからおぶって行けと言ってきたのである
散歩を拒否する犬のように意地でも動かなさそうだったので仕方なしにこうしているのである
「……何？」
「なんでもないのじゃ〜♪しかし望の背中は大きくなったのぅ！」
そう言う彼女の身体はかつてからとても軽く、小さく感じてしまう
こんなことを言えるような立場ではないのだが、守ってあげたくなるような気持ちになる
「なぁ、美咲」
「何かの？」
「やっぱ俺お前の事が好きだわ」
ぶっきらぼうでも一世一代の大告白
彼女を背負っている状態でなければできなかったかもしれない
「わた……わしも……望の事が好きだｙ……じゃよ♪」
口調が戻りかけている辺り動揺しているのも分かるけれど、彼女も同じ気持ちでいてくれたらしい
思わず顔がにやけてしまうけれど、暗いし、そもそも背中に乗っている彼女からは見えまい
「これで恋人同士じゃの〜♪」
彼女が俺の背中に顔を押し付けてグリグリしてくる
悪くない気分ではあるが、彼女の角がゴツゴツと当たって地味に痛い
……これからも頑張らないとなぁ
職探しに加えて仕事が見つかるまでのアルバイト、引っ越しの手伝い、美咲の事を両親に話す事、彼女の両親（主に親父さん）への説得
今まで以上に大きなことや小さなことが山積みだけれど、なんとかなるような気がする
背中に乗っている彼女が行くべき方向を照らしてくれているような気がするから
セミの鳴き声がうるさいくらいに響きわたっている
駅以外には田んぼがほとんどの視界を埋め尽くし、民家は小さく見えるぐらい
風景に全く合わず浮いてしまっている都会で見慣れたピカピカの自販機から購入したジュースのプルタブを上げ、ふと思い出す
自分が今ここで親の迎えが待っている理由を
自分が故郷の田舎から離れた理由は単純で、親が都会の方へ転勤になったからである
まだまだ幼い自分にとっては衝撃的なイベントであったが、それに逆らうことなんてできるはずもない
数少ない友達や近所の人に盛大な送別会をしてもらい、俺はこの土地を離れることになった
電車を乗り継ぎようやく着いた都会は田舎から出てきた自分にとっては新鮮なもので満ち溢れていた
田舎じゃ考えられないほどの量の人や車、商品が沢山並んでいるお店
ぐるぐる回る歯車のような街の雰囲気は最初の頃には受けいれられなかったが、それも徐々に慣れていった
中学、高校、大学と進むにつれて田舎のことなどすっかり忘れ、都会の色に染め上げられた頃、転機が訪れた
なぜだかわからないが、大学を卒業するまで就活が上手くいかず、どうにもならなくなったのだ
濁った目で面接や試験に向かい、どんよりオーラをまとわせて帰ってくる、そんな息子の様子を見かねた両親にとある提案をされた
お父さんがまた転機になって田舎に戻ることになったんだがついてくるか？
このまま都会で終わりの見えない就活を続けるのも嫌になってきていた俺はどうにでもなれとヤケクソ気分でそれを了承した
田舎の方が仕事は無いのは分かっているのだが気分転換にはなるだろうという甘えも混ざってはいるけれど
予約してある面接がまだ残っていたので両親に遅れて都会を出て10年ぶりぐらいに長い旅路に出発した
汗を拭い、ジュースを飲みながら思い出に浸っていると視界の端に都会ではほとんど見ることのなかった軽トラがこちらに向かって走ってくるのが見えた
小さい頃に幼馴染と荷台に乗ってはしゃいでいたことを思い出し、なんだか懐かしい気分が込み上げてくる
すっかりうろ覚えになってしまった小さい頃に過ごした日々を思い出していると小さかった車の影がもう目の前に来ていた
手回し式の窓越しに見える父親の姿を確認すると助手席に乗り込んだ
「このあたりは全然変わってなかったな、懐かしいだろ」
父の言葉に苦笑いを浮かべつつ頷く
汗をかいた若者としわが出てきたおじさんを蒸し暑い車内に乗せて軽トラは走り出す
ガタガタ揺れる車内から窓の外に流れる田んぼばかりの風景をぼんやり眺めていると父親が何か思い出したかのように口を開いた
「そういえばお前が小さい頃に仲良くしていた美咲ちゃん、まだこのあたりに居るそうだから顔でも出して来たらどうだ？」
懐かしい思い出がよみがえる名前を出す父に俺はジト目で無言という名の返事をする
10年程度も接していない人に今更なんて言って会えばいいか分からないだろう、それ以前に相手は異性なのだから会っても共通の話題を振れる自信もないので気まずくなるだろうと思う
……可愛らしくて元気いっぱいだった彼女の事だ、もう良い人を見つけているだろうしな
幼い時に過ごしていた家も出てきた時と特に変わらずなんだかタイムスリップでもしたような感覚に陥る
昔ここに寝泊まりしていた時の出来事が次から次に脳裏に浮かんでは消えて行ってを繰り返す
何もかもが輝いて見えて毎日が宝物のような日々、元気いっぱいで一緒に色々なことをしてくれた幼馴染が居たあの日々
それに比べて上手くいかない現実に色々なものが色あせていくような毎日と面接と履歴書の作成に追われて友人の遊びの誘いを断り続ける自分自身のという差に胸の辺りがモヤモヤしてくる
どうやら部屋に漂う畳と木と少し埃っぽい匂いと外から入ってくる草と土の匂いのせいかノスタルジックな気分になっているようだ
こうやってすっかり小さくなってしまった自分の部屋で横になっていては何かを始めるまで思考が無限ループに入ってバグりそうなので外で散歩でもしようか
そんな風に頭の中のマイナス部分を振り払うように立ち上がると唐突に部屋のドアが勢いよく開いた
「望！久しぶり！こっちに帰って来たって聞いたから遊びに来たよ！」
思わずビクっと震えてしまったが自分を驚かせた本人にはもっと驚いた
幼い頃、一緒にあちこち走り回っていた幼馴染本人がかつてと同じように自らやってきたのだから
変わらぬ背丈と平たい胸、モフモフな毛に覆われた獣の腕と山羊のような蹄
唯一成長しているささくれた角と少し明るい茶髪
背丈に合った白いワンピース姿
バフォメットの八重葉美咲
「あっ、間違えた！望、久しぶりなのじゃ！」
「間違えたって……お母さんの真似事？」
かつて世話になった彼女の母親のような口調を聞いて、思わず出てしまった言葉に彼女はあからさまに不機嫌な顔をする
「真似事ってなにさー！魔物（ひと）がせっかく一人前になろうと頑張ってるのにー！」
先ほどの口調はおそらくバフォメットとして、次期サバトの長になるための一環なのだろうか
小さい頃に彼女の母親が口調に対して指導のような物をしていたのをみたことがあるが、この歳になるまで定着しなかったのでは中々難しいのではないか
あまり変化が見られないものの、彼女なりに背伸びをしているような様子が何故だか面白く思えて笑いが込み上げてくる
「むー！笑わないでよー！」
「ごめんごめん、ほらほら口調を戻さないとまたお母さんに叱られちゃうよ」
「うるさいのじゃー！」
あの日々と変わらないやり取りに心のどこかに安堵と喜びを感じ、嫌なことを忘れさせてくれた
さて、せっかく彼女から遊びに来てくれたんだ、存分に楽しもう
遊ぶと言っても都会の様に遊ぶための施設や場所は当然無く、大人に足を突っ込んでいるような年齢にもなってかつてと変わらない遊びをすることになった
ちょっとした距離でのかけっこ、すっかり小さくなってしまった「ひみつきち」へ集合、農水路でのザリガニ釣り等々
初めの頃はこの歳になってはつまらないのだろうと思っていたものの、あまり変わらない彼女の様子と景色のおかげか夢中になって楽しんでしまっていた
小さく感じてしまう彼女の背中と景色とは反対に大きくなった割には都会暮らしで体力が衰え、ついていくのも大変だったりしたりもした
かつてと変わらない川原の日陰、当時と同じように大きな石に座って休憩
「ふふん、都会に行ってすっかり衰えちゃったの、望よ」
ドヤ顔でこちらを見る美咲に対抗して彼女の頭をポンポンと叩く
彼女が自分の膝ぐらいある大きな石の上に座っていても、俺の方が身長は高いので簡単に手が届く
「そっちは逆にちんちくりんなままだし、一人前にもまだまだじゃないのか」
売り言葉に買い言葉
いつものようなやり取りのつもりで返したのだが、ろうそくの火を吹き消したかのように彼女の顔から楽しそうな表情が消える
自分が都会に行ってから見るようになった、うまくいっている友人が時折見せる「大人としての表情」になる
「そうｄ……じゃな、ナリはともかく中身もそれほど変わってない私じゃ、おか……母上のような立派なサバトの主にもまだまだなれないね……のじゃ」
目を細めて悔しそうに口調を訂正しながらつぶやく彼女は変わっていないように見えていたけれど、自分よりもっと先に進んでいるのだ
あれこれ言い訳をつけて俯いて足踏みしている自分なんかよりも、上を向いて重い足を引きずりつつも歩んでいる彼女の方が前に居るのである
彼女と再会し、払拭したと思っていたドス黒い物に捕らわれる感覚に陥りながらも彼女にだけはこの面を見せまいと無理矢理笑みを作る
「ゴメン言い過ぎた、頑張っているみたいだし、目指して頑張っている美咲なら大丈夫だよ」
「…………」
言葉選びを間違えたか、今度はつまらない物を見るようなジトっとした視線を俺に送ってくる
そんな表情のまま無言で石から飛び降りる
大小バラバラな石だらけの不安定な足場で体勢を崩すことなく上手に着地し、俺の真横に背丈は小さくとも大きく見えるオーラを纏わせて立つ
「……望、せっかくここまで来たんだし泳ごうか！」
フッと無邪気な表情に戻り、眩しい笑顔をこちらに向けてくる
……そういえば彼女と遊びだした頃もこんな笑顔を向けてくれたんだっけか
物心がついたばかりの本当に幼い頃は弱虫だったのであまり外で遊びたがらなかったのだが、ある日から美咲が部屋に居た俺を連れだし、外を一緒に駆け回るようになったのだったかな
「ほら、ボサっとしてないで服を脱ぐのじゃ！」
もたもたしている俺にイラついたのか彼女は汗の張り付いたＴシャツを引っ張るが身長が足りないために腹のあたりまでしか脱がすことができない
「もー！！さっさと脱いでよー！！！」
急かす彼女を若干うっとおしく感じつつも背を向けて渋々上着を脱ぎ、汗で張り付くズボンを何とか下ろしてパンツ一丁になる
水着なんか持ってきてないのでこのまま泳ぐ
このクソ暑い夏場であればしぼって少し置いておけば乾くので問題ないのである
軽く伸びをしてから彼女の方を振り返ると、当然彼女もお気に入りのワンピースを脱いでいるのだが……
「都会で鈍った望が私に勝てるかな？」
ブラどころかパンツも無い見事なすっぽんぽんになっていた
……そういえば昔からそうだったっけか、正直この歳になったのならもう少し恥じらいを持ってほしい
驚き半分呆れ半分で固まっていると彼女はニヤニヤと笑みを浮かべた
「にゅふふ、望、私の身体にメロメロになったかの？」
「未だに裸ワンピースのスタイルのままなのと、この歳になってもそのことに恥じらいを持っていないのにびっくりしただけだ」
こつんと彼女の頭を軽くノックしてやり、念のためストレッチを行う
……自分はロリ属性なかったよなぁ、危うく欲情する所だった
雑念を払うようにストレッチを終え、川の浅いところに立つ
流れる水が足を冷やし、不規則な石が足裏を刺激する
「どぼーん！！」
背中に衝撃を受けて深いところまで吹き飛ぶ
口の中に水が入り込んで息ができず、足も付かず軽くパニックに陥りそうになるがどうにか体勢を立て直して浮上する
……こんな所まで成長していないとは思ってもみなかった
突撃してきた当の本人はというと少し離れた所でぷかぷかと浮かんで笑っている
「ふっふー、やっぱり今のを避けれないってことは鈍っているのじゃ、望よ」
妙に自信満々で反省の色が見えない彼女の態度に妙にイラっときて彼女の側に向かうべく泳ぎ始める
彼女も俺が怒っているのを察したのか逃げるように泳ぎだす
水泳おいかけっこの始まりだ
日陰に戻って休憩
ある程度風が吹いているのでこの場所に居ても濡れた下着は乾くだろう
家に戻ったらアイスでも食べようかと考えながら石に背もたれていると美咲がキョトンとした顔でこちらを見ているのに気が付いた
「ん……どした？」
「むー、そこでぼーっとしているよりあそこらへんにパンツを置いておいたら早く乾くのじゃ」
彼女が指差した方を見ると他の場所よりも木々の隙間が大きく直射日光によって熱されている中くらいの石がごろごろと並んでいた
確かにそのあたりに置いておけばここに居るよりはるかに素早く乾くだろう
……しかしこの下着は魔物を前にした男の最後の砦なのだ、いくら気の知れた幼馴染と言えども油断はできない
決して体を乾かすために曝している彼女の裸体を瞳に映しているのが原因で勃ちかけているわけでは無い
「別に良いだろー」
適当にはぐらかそうとするも彼女はどうやら早く乾かして次の遊びをやりたくてうずうずしている様子である
「むー！なら無理矢理にでも脱がしちゃうのじゃ！」
彼女が何かを呟くと俺の両腕に光の輪のようなものがまとわりつき、動かせなくなる
そっちの方はからっきしで詳細は分からないが拘束用の魔術をかけられたようだ
……こんな用途で勉強中の物を利用するなよと言いたい
「にゅふふ〜♪それでは御開帳〜」
美咲がニヤニヤしながら下着をずり下ろす
……こいつわかっててやりやがったな
「ほうほう……ここもそれなりに成長してるんじゃなぁ♥」
もはや半勃ちになってしまっている愚息が彼女の眼前に曝される
彼女も魔物の一端なのである、待っていましたと言わんばかりに得物を狙う肉食獣のような眼になる
「童貞臭いこの匂い……まさかまだ初物とは思わなかったのう」
すんすんと軽く匂いを嗅いだ後、チュッと先端に口づけをする
少し触れられただけなのにゾクゾクとした感触が下半身から伝わってくる
「んん〜♪いい反応をしてくれるねー♥いただきまーす」
彼女は口を大きく開け、パクッという効果音でも付きそうな勢いで俺の逸物を咥える
半勃ちとはいえ俺のモノは彼女の口には大きかったようで半分程度までしか口内には入っていない
しかし、半分とはいえ彼女の口内に飲み込まれたイチモツからは先ほどよりも強力な快楽が伝わってくる
「んちゅ……んちゅ……きもひいいれひょ♥」
頬張りながら悪戯っぽくしゃべる彼女は楽しそうだが、こちらはそれどころではない
温かな彼女の口内とぬめりを帯びた彼女の舌が巻き付いてくるせいで余裕などないのだ
これまでは気にしないようにしていた彼女の凹凸の少ない肢体も興奮材料となり、視覚的にも釘付けになってしまう
「んむぅ……んふ……んむ……」
半分ほどしか口内に収まっていなかったのだが、美咲が顔を横に向けて押し込むと3/4ほどまで入ってしまった
無理に押し込んだ分彼女の頬を膨らましてしまっているが
「じゅる……んじゅ……じゅ……」
徐々に徐々に動きが早くなっていく彼女に合わせて射精感が込み上げてくる
……早いとは自分でも思うけれども、魔物が蔓延ってきた世の中なのに碌に異性と触れ合ったことの無い男の子なのだ、仕方があるまい
気が付けば手が動かせるようになっているので楽しそうに……おいしそうに頬張る彼女の角を掴み、こちらへ顔を引き寄せる
「らひてひいよ♥」
嬉しそうに目を細める彼女にも同意を得られたことなので遠慮せずに彼女の口内へ射精する
今までにないほどの快楽によって引き出された射精も同じくインキュバスではないはずなのだが大量に吐き出す
しかし美咲は嬉しそうに喉を鳴らしてそれを飲み込み、モノに舌を這わせ、吸い上げて更に貪欲に求める
1分にも達してしまうであろう時間を射精し続けたのだが、尿道に残留してしまうはずの分まで彼女は吸い上げた
「んく……んく……うん、ごちそうさま♪」
彼女は顔を軽く拭うと満足そうな笑顔を浮かべた
大量に出したにも関わらず未だに萎えていない愚息と荒い息を吐いて興奮とワクワク感を隠す気の無い彼女の様子に溜息を吐く
「……お粗末様」
美咲は近くの大きい石に手を付けるとプリンとした小ぶりのお尻をこちらに突き出してきた
丸見えになっている彼女の秘所からはだらだらと涎のように愛液が漏れ出し、木漏れ日によってキラキラと反射している
顔をこちらに向けた彼女の表情は悪戯気にニヤついているものの頬は赤く染まっている
「望の為にとっておいた私の初めて……食べたくない？きっとおいしいのじゃ♥」
彼女の言葉に思わず胸がドキっとしてしまう
据え膳食わぬは男の恥、昔から好いていた相手ならば尚更だ
俺は彼女の腰に手を回し、ガチガチに固くなった分身を押し当てる
「……本当にいいの？」
ヘタレと思われてしまうだろうが最後の理性を振り絞って彼女に尋ねる
彼女は俺の言葉に対して面白い事を思い付いたように山羊のような耳がピクンと動く
「良いのじゃ……よっと♥」
にゅるん、と効果音でも付ければいいのだろうか
そんな具合に俺の愚息が飲み込まれた
何故かって？答えは簡単
彼女が腰を動かして密着していた愚息を挿入したからである
「油断大敵……んっ♥……だよ♥」
彼女の膣内は挿入する時こそすんなりと受け入れたものの、今は離さないと言わんばかりにガッチリとホールドしている
びりびりと視界がぶれてしまうほどの快楽が股間から伝わり、情けない声が口から洩れてしまう
「ふふ……望……こんなに良いモノ私に突っ込んでいるのに……♥……可愛い声出してる……♥」
ガクガクと足が震え、彼女にしがみ付きながら腰を震わせる
彼女の膣内は止まっているときには両手で握りしめているかのようにガッチリと掴んでいるものの、こちらが動かそうとするとローションをぶちまけたかのようにヌルヌルとすべりが良くなる
それゆえにガクガクと腰を震わせてしまっている現状では彼女の膣内を激しくかき回すような形になってしまい、更に快楽が加速してしまう
「んっ……んっ……んっ……もう♥望、もう少し……んっ……ゆっくりできないの……」
彼女の言葉に腰に力を入れるものの、あまりの快楽に未だプルプルと震えてしまう
そんな状態ながらもゆっくりと腰を引く
抜けるギリギリの所まで引き抜くと彼女の膣は逃がさないと言わんばかりに再び締め付けてくるのでゆっくりと突き入れる
つぷっつぷっと静かな水音が奏でられ、自分と美咲の息遣いが混ざるも川の流れる音にかき消される
「そうそう……いい感じ……じゃっ……♪」
ゆっくりと、ゆっくりと彼女の奥に突き入れ快楽を更に高めていく
本能的な部分で彼女を求めている
感情的な部分で彼女を愛しく感じている
あぁ、彼女が好きなんだ、美咲が好きなんだ
止まらぬ想いを込めて彼女に自らの分身を突き入れる
「ビクビクしてっ……るっ……♥……」
辛うじて耐えていたものの、射精が近づきつつある
それでも彼女の為にとゆっくり突き入れている
彼女の方もなされるがままではなく自ら誘導するように腰を動かしてくれている
一つになれている実感が湧いてきて嬉しくて嬉しくてたまらない気分になる
「うんっ……くぅっ……でてっ……♥」
彼女の最奥に突き入れると同時に自分の想いと欲望を吐き出す
ビクビクと身体ごと震わせて吐き出していると、彼女も同じように達したのか身体を震わせている
キュゥゥっと彼女の狭い膣内が更に締まり、イッている最中なのに快楽が再び頂点まで引き上げられる
視界がバチバチと白み、口から息が漏れる
無限にも感じる天国のような地獄のような状況に陥ってしまうものの、徐々に意識が戻っていく
初めて味わった感覚に驚きつつもこれが魔物と交わることなのかと実感する
対する彼女も体をピクピクと震わせて先ほどの快楽を反芻しているようにも見える
しばらくは２人して荒い息を吐いていたがどちらともなく身体をすり寄せる
空っぽになるぐらいまで彼女の中に吐き出したつもりなのにいまだに愚息は元気なのである
葉っぱの屋根を挟んで太陽は未だに地上を焼いているので時間はまだまだあるはずだ
すっかり暗くなった夜道を美咲を背負って歩く
街灯なんて物は駅の周辺にしかないので月と星の明かりしかない
暗くて見えにくいものの昔と変わらぬ道なので迷わずに歩けている
「にゅふふ〜望〜♪」
人の背中に乗りつつ小さな幼馴染はご機嫌に呼びかけてくる
自分も夢中になって交わっていた癖に、いざ帰るとなると散々犯したのだからおぶって行けと言ってきたのである
散歩を拒否する犬のように意地でも動かなさそうだったので仕方なしにこうしているのである
「……何？」
「なんでもないのじゃ〜♪しかし望の背中は大きくなったのぅ！」
そう言う彼女の身体はかつてからとても軽く、小さく感じてしまう
こんなことを言えるような立場ではないのだが、守ってあげたくなるような気持ちになる
「なぁ、美咲」
「何かの？」
「やっぱ俺お前の事が好きだわ」
ぶっきらぼうでも一世一代の大告白
彼女を背負っている状態でなければできなかったかもしれない
「わた……わしも……望の事が好きだｙ……じゃよ♪」
口調が戻りかけている辺り動揺しているのも分かるけれど、彼女も同じ気持ちでいてくれたらしい
思わず顔がにやけてしまうけれど、暗いし、そもそも背中に乗っている彼女からは見えまい
「これで恋人同士じゃの〜♪」
彼女が俺の背中に顔を押し付けてグリグリしてくる
悪くない気分ではあるが、彼女の角がゴツゴツと当たって地味に痛い
……これからも頑張らないとなぁ
職探しに加えて仕事が見つかるまでのアルバイト、引っ越しの手伝い、美咲の事を両親に話す事、彼女の両親（主に親父さん）への説得
今まで以上に大きなことや小さなことが山積みだけれど、なんとかなるような気がする
背中に乗っている彼女が行くべき方向を照らしてくれているような気がするから
15/06/19 21:49更新 / 錆鐚鎌足