ここは宵ノ宮市内の北居住区。
ここは口逢神社という有名な神社のある山の麓にあるがそのせいで一部の住宅では極端に日当たりが悪く、暗がりを好む魔物娘やその家族たちが多く住んでいる。
そんな住宅街の中でも日当たりが少し悪い程度の場所に住むとある銀行員のお話をしましょう。

ｶﾞﾁｬｯ…

「ただいまー…」
「あ、おかえり」
玄関を開けて帰ってきた男へねぎらいの言葉をかける彼女は御納戸色（おなんどいろ）の割烹着がとてもよく似合う物鬱げなハの字眉の女性である。
右手に杓文字、左手にお玉を持つ姿はソレをより一層映えさせるのだが…

「…また毒に染まっちゃったか」
「えへへ…うん…ごめん…」
と彼女が来ている割烹着を見た男の反応に彼女は気を害するどころか然も非が自分にあるかのように頭をへなっ、と靴を脱いで台所へ歩き出す男へ向けてたれる。
そして垂れた髪によって顔が隠れてしまった頭と共に頭上の触手をキチキチと左右対称に動かすのを見ると結構動揺しているようだ。
更に彼女の奥のほうでは掃除機が動く音がするが…

「…あー…百恵(ももえ)? 流石に夜に掃除機はダメだよ?」
「ふ、ふぇー…ごめんなさい日光(たいよう)ぅ…」
「いや、怒ってはいないんだ?　まぁいいや…ご飯にしよ?」
流石に一般家庭(人間基準)といえども夕飯時に掃除機はちょっと、とは男の談。
なので彼女は仕方なく愛しの彼の名を呼びつつ尻尾で器用に駆けていた掃除機を後ろの方の足を使って器用にスイッチを切ると共に片づけを始め、たかと思いきや体のほうはすっかり夕食の準備に専念しているという…何気に家事万能な彼女。

(…本当に大百足って器用だなぁ…ただ洗濯物だけは毒まみれになっちゃうけどねぇ…)

と上着を居間の欄間にかかっている開いているハンガーへと上着をかけるとダイニングのテーブルへ歩み彼女の下半身たちを踏まないように跨いで席に着く。
と同時に彼女は暖かな料理の数々を自身の体の一部を使ってまとめて持って来るという荒業を使って食卓の準備をあっという間に終わらせてしまったではないか。

「あ! またそんな楽しようとしてっ!」
「えへへ…えっへん!」
「いや、えっへんて…まぁいいか」
呆れ顔していてもしっかり口元が笑っている男に無い胸を張って控えめにでも誇らしげに腰(?)に手を当ててムフン、と息一つ吐いた彼女も何処か嬉しそう。
そのまま二人は隣り合うように座ると彼女の運んできた数々の和食へいただきます、と行儀よく挨拶して箸を進めていく。
笑顔が絶えない二人はまるで新婚ホヤホヤのようで嬉しさの余り彼女は下半身で彼の体へ動きを封じない程度で巻きついている。
そう彼女の下半身は人のソレではない。
かと言って巻きつく、という表現からラミアや白蛇のような蛇の体かといわれればソレではない。
ましてや妖狐や稲荷、刑部狸のような尻尾でもない。

彼女のソレは硬質な殻の鎧というものにつつまれその甲殻から出る二本の足。
そのセットが節を介して幾重にも連なるとその下半身の原種及び彼女の種族が示す通り百はあるのではなかろうか?
…まぁ実際はそんなに無いが。

そう彼女は大百足。
…だがちょっと待って欲しい。

図鑑どおりであれば【陰気、凶暴】なはずである大百足が何故人間の里で男に何もしないで…あ、性的な意味でという意味で何もしないで居られるのだろうか?



「…もぅ一年だね?」
「はむはむっ…ぅん? あ、そうか。もうすぐかぁ…懐かしいなぁ」
「あ! 今本当に最初の頃を思い出したでしょ!? や、やめて…恥ずかしい…」
あらら、彼女は真っ赤になって下半身まで丸まってしまいましたよ?
一体彼女は食事中に箸を止めて微笑みを向ける彼とはどんな出会いをしたのでしょうか…


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「ふぅ♪　やっぱり久々の登山はいいなぁ♪」
前述の幸せ家族時間を遡る事一年前。
彼、二荒　日光(ふたら　たいよう)は束の間の連休を己の趣味である登山に費やすためにとあるジパングの県の中でも有名な【アカーギサン】という山への登山手続きを済ませたところであった。
山を管理している非営利団体の建物の自動ドアをあけてそそくさと小走りにマイカーへと戻った彼。
少し型遅れになった一人で乗るには広すぎるRV車へ点くと荷物の確認をしっかりし不備が無いのを確認すると意気揚々と車の運転席へ回りこみ、エンジンをかけてすぐさまアクセルをあける。
少し気が早って速度オーバー気味にその敷地内から車を出した彼はそのまま目的地の山まで走り出した。

小一時間ほどお気に入りのラジオ番組を聞いて運転していたらアッという間に登山客用の駐車場へとついてしまった。
平日ということもありガラガラな駐車場の登山口に最も近い場所へ駐車をした彼は先程より浮かれた気分で中身がぎっしりと詰まったリュックを車から降ろし、靴を登山用に履き替えて彼は車に鍵をかける。
その完全防備の彼はそのまま登山口へ向かいまず山に向けて一礼。
はやる気持ちを宥めつつ深呼吸をして尚落ち着かせると彼は姿勢を正して歩き出す。
まずは一段一段しっかりと石段を登る。
途中途中ですれ違う方々への一礼も忘れない。

長いようで短い登山。
彼はすっかり時間も忘れて歩いて歩いて歩き通すと瞬く間に頂上へとついてしまったではないか。
彼にとっては軽い運動のようだったようで頂上の住んだ空気を肺いっぱいに溜め込んで一気に吐き出し堪りに堪った日ごろのストレスも吐き出す。

しかし時間は有限である。
午前の比較的早い時間で登ったとはいえ既に中天を越えた太陽が段々と高度を下げ始めると彼もちょっとの休憩をはさんで自身の高度を下げ始めた。

やがて登山道で唯一ある滑りやすい岩の剥き出しになった岩場の山道が立ちはだかるも先ほどの登山時と変わらぬペースでそこを通過する彼。
…岩の山道の片側には手綱代わりの鎖が、もう片方は緩やかに流れる川が下に見えるも鉄の手摺でしきられている崖。

勿論それなりの山道なので道幅は広い。
だが…

「ふぅ…あと半分くr」

その瞬間。
足に何かがとりついた感覚が…

「っあ!? な、なんだっ!?」
その岩場もあと少しというところで彼は急に足を動かせなくなった。
彼の意思に一向に反応してくれないその足へと視線を移せば何か…そう、金赤（きんあか）色した先の尖った万能ハンドみたいなものに彼は足の片方をばっちり挟み込まれており且つその挟み込まれている服の一部にいたっては本来ベージュだったものが御納戸色（おなんどいろ）にジワジワ変色していっている。

「えっ!? な、何こr」
その素敵過ぎる身に覚えの無いアクセサリーに驚き慌てているとそのアクセサリーが物凄い力で彼をぐっぐっぐっ、と緩急つけて引っ張り出した。

「うわあああぁぁぁぁぁぁ………」
ある程度引っ張られるとその緩急がなくなり一方的な、暴力的な引力によりひかれることとなる。
その力たるや確りと立っていたはずの彼に尻餅をつかせて、かと思ったらその倍の速さで彼を引きずり出す。その先は…


崖。


彼は手摺に捕まろうとするも今一歩、間接一つ分足りなく哀れがけ下まで…と思いきや岩の山道の直ぐ下に出来たものであろう大岩の空洞へ一息すらつかせぬ早業で物の見事に吸い込まれていった。
そして彼は明かりが心もとない岩の中を幾分か引き回されて後に引きずる勢いそのままで急にその拘束から解かれるものだから慣性で岩肌を滑るようにしてなんとかして止まろうとするも実際に止まれたのは苔が生えている地面になってからである。

「ぅっ…いつつ…」
泥まみれになった彼が腰と尻に手を当てて労わりながら腰を上げるとそこは岩の中そのモノであるが何処かから地下水が湧いているのか肌に衣服がまとわりつく位に湿気がある。
そして暗い。

後ろを振り向けば自分が引きずられたであろう道の先に唯一の明かりが見える。

「なんでここに…」
「…はじめまして…人間さん…ふふ…」
「っ!?」
そこで不意に聞こえる女性の声に体が瞬間的に痙攣してしまいその場にてちょっとした石化をしてしまうが恐る恐る声がした後ろを振り向こうとすると…

「あら不思議!　いつの間にか拘束された人間ができていましたぁ♪」
「…う、動けない」
その時には既に彼女の下半身によってグルグルの簀巻きにされていたっ!
残念、彼の冒険はここで終わってしまった!

ふわっ…

(ん? げっ!?…い、いや…気のせいだよな…)
そのとき岩窟内に風が流れ込んできたのだがその際彼女の後ろで彼から見て正面に一瞬、そう一瞬だけ風に漂うように【黄色い粉】が混ざっていた気がする。
しかし彼女はそんなことはお構いなしに彼を更に締めて身動きをとれなくすると恰も余裕を持って獲物にそうするかのように上半身をゆっくりと彼の眼前まで移動させる。

「どう? 暗い洞窟に妖怪に拘束される気分は? ねぇ…今どんな気持ち?」
「うぐ…はな…じで…っっ!? …ちょ、ちょっと待で! ば、離れでっ!!」
「ん?　何急に顔を背けちゃって…どうしたの? ほらコッチ向いてよ?」
彼女の顰め眉が少し緩やかになり捕食者的な笑みを男に向けると男はやや慌てるものの魔物娘には日常で常に一緒に仕事をしたりしているので特にそのことではなんとも思わない。

しかしまぁ男というのは得てして美人には弱いもので…

流石に一緒に仕事するといってもこんなに密着することは全く無い、いやあったとしても隣り合う机に居る上司のラミアから金銭管理等の書類を渡される時の過度の数瞬の接触程度だ。
そんな彼女へ抵抗をしようと言葉を紡いでいる最中、急に彼は鼻の中から大量の鼻水が出るのを不意に察知して彼女から慌てて顔をそむけ出し始めたではないか。
その慌てようには彼女もちょっと驚いた後何を勘違いしたのか呆け顔を微笑みに変えて彼の顔を覗き込もうと下半身はそのままで彼の正面に移動をする。
背ける彼。
追いかける彼女。
また背ける彼。
また追う彼女。
またまた背ける彼…しかしその瞬間はすぐにやってきてしまった。
行き成り先ほどまでの逃走劇の如く動きが一切なくなって肩が一瞬だけ化けしく上下し体を震わせる彼は小刻みに呼吸を吸い始めると段々口の大きさも少しずつ少しずつ大きくなっていく。
彼女は追っていた彼が急に動きを止めてそのような行動になっているのを先ほどとまでは違い心配げな表情で冷静に見やり思わず彼の顔を両手でホールドして彼女自身のほうへ向かせてしまった。
そして…

「は、はぁ…はっ…」
「は、はぁ、はっ?　どうしたの? 苦しいn」


「はっくしゅぉぉぉぃぃぃいい!!!」


ここ一番の大声と鼻水と唾液と涙と共に彼が避けようとしていた彼女へどっぷりとシャワー…否、ショットガンのようにそれらを浴びせてしまったのだ。

そう実は彼、【花粉症】である。
しかし山が好き。

そう、それはソバアレルギーの人が元々ソバが好きだったのと同じで花粉症は後から発症したものである。
なので彼は山登りの際、特にこの時期は花粉対策としてゴーグルとマスクを着用した上で登るという普通に考えたら物凄いハンディキャップになるような装備で臨んでいるのだが今回彼女の襲撃の際にまずゴーグルが先の穴に入る際に振り落とされてしまい穴ほ滑っている最中に今度はマスクが運悪くはがれてしまったのだ。
そしてスッピンになった彼へ天は嘲笑うかのように黄色い悪魔を彼と彼女がいる洞窟内へとバイオテロの如く風で送ってきたのである。

神様って酷いね…(←

「あ゛ぁ!? ご、ごべん?! だい゛じょうぶがい゛?!」
「……っっっっっぁぁ♪」
そんな彼は涙目で彼女を見やり鼻水が滝の如くの出るせいでくぐもった声で問いかけるも彼女は何故か俯いて体をずっと小刻みに揺らしていた。
怒らせたか、と直感で思った彼は彼女に謝罪の意を示そうと自由に動ける首だけを大きく縦に動かそうとしたところで行き成り彼女の上半身に抱きつかれてしまう。
ただその彼女の上半身による抱きつきには一切力が篭っていなく、言うなれば辛うじて抱きとめているくらいの…彼がもし足を一歩引こうものならそのまま前のめりになって倒れそうなほど弱弱しいものであった。
と、同時に今まで骨が折れる位に締め付けていた下半身も行き成りくたりと力が抜けて彼への呪縛が思わぬところで解放され余りのあっけなさに暫し呆けていた彼である。
しかし彼女が一向に顔を下に向けたままで時折痙攣してのた打ち回る下半身を見るからにどうやら普通の様子とは違うことを悟って彼は自由になった体を動かして彼女に意識があるか確かめ始めた。

「お、お゛ぃ?! だ、だい゛じょうぶが?!」
「ﾊｧﾊｧ…んくぅ♪…き、きもちよしゅぎぃ〜…ﾊｩﾝ♪」
「…???」
ぐしぐしと自分の服にあふれ出す鼻水を吸い取らせてポケットから予備のマスクを取り出すと彼女の両肩を掴んで無理やり起こしてその顔を覗き込むと…涎を垂らしてアヘっていた。
そんな艶っぽい彼女をちょっと観察すると顔や上半身の刺青(?)らしいところにこれでもかと彼自身が吐いた様々な体液がぶっかけ宜しくべっとりと付いており触手を見れば上下左右、更には前後と面白いほどに小刻みに絶えず揺れている。
胸へ視線を向ければ爪(?)がずれて小ぶりな…ペタンではないふっくらした双丘の天辺の桜色の突起は既に自己主張をしており刺青らしきものが青々と鈍い光を出しては蠢いていた。
…そしてふやけすぎて剥がれてしまった札が地面にある。

…ということは?

「…ｺﾞｸｯ」
「くぁぁ♪　あ、愛液ぃと、とまらにゃいぃぃ♪」
快楽一色に染まった彼女が絶えず絶頂をしているのもあってか彼女の虫と人のつなぎ目を見れば痛々しいほどに勃起している女性の突起にその割れ目からは絶えず間欠泉の如く女性の本気汁が湧き出して彼女の目の前の地面に池を作りそうなほどだ。
溢れ出る愛液が彼女の貝を漆塗りのように光らせて更に情欲をそそる。
…下半身の二本角からも愛液の如く群青色の毒液が絶えず流れ出ていてこちらも池を作りそうである。

力なく虚空を見つめるにごり硝子のようになった瞳を見ているとさながら強姦された女性のその後に見えなくも無い。
…そんな性欲を滾らすに十分な光景を見て流石の彼も雄らしく体の一部が痛いほどに反応を始めてしまう。

「ﾊｧﾊｧ…アムっ…ﾁｭﾙﾙﾙ…ﾚﾛｯ…」
「ﾁｭﾙｯ…ﾁｭﾊﾟｯ…っっ!! んっ! んぅぅぅ♪」
「んぅ!?」
花粉症のせいかはたまた劣情に負けたのか彼は息を荒くしたまま彼女を抱きとめて淡い桜色の唇に吸い寄せられるようにして彼女と唇を重ねると舌を絡めて彼女の唾液を啜り始めると彼女もすっかり出来上がっていたために彼の吸出しに負けぬ勢いのまま彼の口から唾液を本能的に吸いだして彼の愛撫を受けた。
だが次の瞬間には彼女の虚ろな瞳に光が戻ったと同時にまた蟲の体全体がまるで天敵に押さえつけられる中を逃げ出そうとするようにと激しくのた打ち回りその勢いのまま彼の首元へ尻尾の角をチクッと刺す。
その最初の鈍い痛みに体が驚いた彼だったが次第に体に変化が訪れる。
まず先ほどまで硬かった分身が更に大きさを増して尚も硬くなり例えるならば鋼のようになった。
ついで心拍数が心音が聞こえるほどに上昇し、次に感覚が…主に快楽のスイッチの感覚が一気に数倍の感度に跳ね上がった。

「んぅはぁぁぁっっ!!」
「ﾊｧﾊｧ…い、いっぱい…でたぁ…♪　私のぉ…痴態でぇ…いっぱいぃ…♪」
「ひぅっ?! な、や、やめっ…今はっ…っっ」
そしてその感度はそのまま彼の脅威の進化を遂げた分身にも当てはまりパンツを超えて上着とベルトで止めてあるはずのズボンの間から土筆のように亀頭がせり出して外気に触れたとたん、ちょうど彼女のへそ下近辺にたっぷりと白い子種汁をぶちまけてしまう。
普段のマスターベーションとは比べ物にならない快楽の波にあっさりと腰砕けになった彼に彼女はやっと頂から帰ってきたようで、その彼からの自身の評価の証を一掬いすると彼女は嬉しそうに目を細めて赤い頬のままそれを丁寧になめとり始めた。
徐々に無くなっていく子種汁が自身の腹からなくなると今だに鈴口から壊れた蛇口のよう絶えず出続け流れ出るそれに視線を固定し微笑んだ彼女は前かがみになって彼の分身を口に含んで乳飲み子が乳を求めるようにすぅっと吸い出すとその刺激だけでまた彼は一度目となんら勢いが違わない白い間欠泉を彼女の銜えた口の奥、喉という膣道へ大量に注ぎ込む。

「っぷ!?…んくっ♪…うんくっ♪…こくっ♪」
「ぅぁおぉ…」
しかし流石は魔物娘。彼女は大量に出された子種汁を何の苦も無く落ち着いて胃と言う名の子宮へとそれらを敷き詰めるために喉を扇動させて彼の分身の竿からそれを飲み下す。
しかもそれでも足りなかったのか彼の竿からさらによこせ、と息と共に彼の一物を大きく吸いこれがまた引き金となって彼女の喉へ再び発した。
流石に三度目になると快楽を倍化させる毒も抜けてきて普段通りのサイズへとなった分身は彼女も満足したのか口から開放され外気に晒され彼の一物がそれに萎縮して跳ねる。

「ﾊｧﾊｧ…おいしかった♪　ところで…」
「ﾊｧﾊｧ…な、何?」
「私は百恵、大百足の…百恵といいます。あなたの名前は?」
「ぼ、僕…かい? 僕は…二荒　日光っていう…んだ…」
未だに快楽が抜けきらない彼らは息も絶え絶えになりつつもそういえば名前を名乗らなかったことに今更ながら気付くと襲った側からの紹介に丁寧に彼も返す。
…彼はすっかり脱力しきって地面に足を投げ出して横たわり彼女の下半身によって支えられているような状態であるが。

「その…私、日光のことが気に入ったわ♪　だから貴方について行っていい?」
「ほへ? ついてくる?」
なんとも情けない返事であるが舌が辛うじて回るくらいの上体の彼である。
そして彼女の話を要約すると彼女は最近この場所に流れてきたばかり、上の登山道へ張り込んでいい雄が来ないか観察するも殆どが歳が行き過ぎたお爺さんや中年のおじさんばかりで辟易したところで彼が来た、そのままここへ招待した…とのこと。
要は一目惚れしたから離したくない、ということらしい。

「あぁ…んー…」
「ダメなら…このままここで暮らしt」
「よし、ウチにきなよ!」
流石にこんなにジメっとして利便性が皆無の岩窟では人である彼は堪ったものではない。
即答した彼の表情は…満更でもない様で?

………

……

…

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「…押しかけ女房宜しくやってきたよね…まぁ今では本当の出来た嫁だけど…な♪」
「もぅ…て、照れるじゃない…っ」
テーブルの椅子に腰掛けた彼に前からしな垂れかかり構図的に崩したお姫様抱っこで甘える彼女は何かを期待した眼差しで彼をジーッと見つめ続けると彼もそれに答えるべくして彼女の脇下と足側の適当な節に腕を通して抱えて立ち上がるとそのまま彼女をベットルームまで運んでいく。
…彼女の残りの足は彼にしっかり巻きついて。

ポフン!

「きゃっ♪」
「さぁて…まずはどうする?」
彼女が仰向けにベッドへ放り出されると上に覆いかぶさるようにして彼がのしかかりその彼に彼女の心情を表すように巻きつく足達。
…その先端の２本角は嬉しそうにギチギチとテンポよく揺れ動いている。
彼が彼女の肩上の場所のシーツに両手をつくと彼女からも彼の顔へ両手を伸ばして彼の顔を優しく触れると…

「まずは…キスしてっ♪」

ーーー彼らの夜は長そうだ…♪

【完】