『こ・く・り+1♪』

「…はぁ…またダメだったか…クソったれめ…」
そう呟く彼の座る椅子の前、テーブルの上にはどこかの企業の封筒の封が切られておりそこから出ていた手紙には「不採用」の文字があった。
その文字を見た彼は頭を抱えて重いため息を吐くと徐に立ち上がって冷蔵庫の中のビールを一本取り出して小気味良い音でプルタブをあけると一気にそれを喉奥まで流し込んで息を吐き出す。

「っぱぁ! …はぁ、これで68敗か…」
缶を持ったままテーブルの上の手紙をちらっと見やり続いて床に置かれた【手紙×】と書かれたプラスチックで出来た籠に眼を見やる。
…今にも箱から溢れて床に雪崩れ込みそうな量の封筒の山が出来ておりそれから眼をそらせた彼は遠い瞳で紅く染まり始めた太陽を見ながら涙していたのだった。
上京して早3年…それなりの大学を出てアルバイトをして金を貯めた彼はこの町で現在中流住宅マンションを借りて生活をしている。

「はは…俺ダメなヤツかもなぁ…そして、こんな時にはきっと…」
そう、彼は幾度と無く就職を受けにいくもそのことごとくが不採用にあってしまっていた。
その度に悔しい思いをした彼はその鬱憤を晴らすようにして様々な資格を取って自分を有利にしていったにも関わらず相変わらず続く不採用の輪廻に彼の神経は徐々にやつれていく。
しかし、彼には超えてはならない一線に到達することなく生きながらえている心の支えがあった。

それは…

ピンポーン!

「…やっぱり来たか。どうぞ! 鍵は開いているよ!」
来訪者を示すチャイムが彼へ来客を知らせるとすでに誰が来ているのか分かるのか来訪者の名を尋ねることなく彼はそのモノ達を自分の部屋へ引き入れようと声を大きくして入室の許可を与えると一拍置かずして扉が開いて3人の来訪者が彼のいるリビングへと足を運ばせてきた。

「(ガチャッ)よぉ! また落ちただろ?敦(あつし) 」
「こら! あきまへんよ、招(しょう)ちゃん! まずは敦はんを励まさんとっ」
「…いやいや葉仁(ようにん)? まず挨拶をしろ。すべての人との接点は挨拶から始まるというのをだな(ry」
「…よし、待てお前ら。人の家に入っていきなりゲームをはじめんな招っ! 説教しつつ俺の戸棚から手帳をチェックすんな葉仁っ! そして卯月(うづき)っ! テメェは何故キッチンに向かうっ!?」
ワラワラとそれぞれ思い思いの行動をするフリーダムな客に声を荒げる彼は先までの曇鬱な空気はもうどこかへ吹き飛んでいた。

そう、彼がこうして人生を諦める事無くいられる理由がこのフリーダム過ぎる彼女達である。

「えぇ〜、だって僕よりステージ進んでんじゃん? さっすがフリー! マジで時間分けてくんね?」
「うるせぇ、招っ! 好きで無職になったわけじゃねぇ! それにテメェは社長だから誰よりも早くゲームできんだろうがっ!!」
「あん?! なんでそれで特権を使うの? あんたバカなの? 死ぬの? …それにそんなことで一々会社使っていたら【古里瀬】の名が泣くわっ(キリッ」
ピコピコと動く耳と4本の尻尾で画面から離れない顔の変わりに彼とのやり取りを成立させているあたり彼らの慣れを感じる…。

一人目は古里瀬 招。
苗字で分かるとおり(※過去作参照)妖狐一家の一端である。
彼女は今現在有り余る知識を元に親から離れ同じ市内で別居し会社を立ち上げている。

「…敦はん、なんやこの…ほらここ。一体何にこんな使はりよったん?」
「…頼むからさ葉仁? 人の預金通帳あさらないでくれよぉ…」
「いややん。敦はんズボラやさかい、ウチが代わりに管理しておくんよ、ええか? それにウチに金管理まかしておくりはれば敦はんはかなり助かると思うんやけど? ほら、ウチぃ『霞ーかすみー』の宵ノ宮支店長兼支部長やさかい、その仕事ついでにチョチョイのチョイや♪」
こちらも耳に茶色の体毛がついてピコピコ動いて太くてフワフワした尻尾を一本揺らしながら、それでもやっぱり視線を通帳に固定したままコミュニケーションをとる…否取れる彼ら。

二人目は御門(みかど) 葉仁。
『霞ーかすみー』グループの支部長で刑部狸である。
その中でも特に商売に秀でていた彼女は今地元の西ジパングから離れてここ宵ノ宮で東ジパング初のスーパー『霞ーかすみー』を営業しており売り上げはうなぎのぼりである。

「…む? 敦、やたら肉が少ないんだが?」
「またお前は…昨日焼いて食ったよ。」
「なにっ!? 今日はすき焼きの予定だったのに…予定が狂ってしまったではないか!」
とダイニングキッチンから怒りの視線で彼をにらむ彼女は耳をぺたんと伏せて尻尾を暴力的にブンブンふって猛抗議をするその姿はとてもではないが…威厳がない。

そして最後の一人、役堂(えきどう) 卯月。
最近ジパング証券所にて頭角を現し一気に上り詰めている新進気鋭の貿易商
役堂 卯月(えきどう うづき)…アヌビス。最近売れ始めた新進気鋭の貿易商『黒狗信運(こくしんうん)』の令嬢の一人。
自身が令嬢という立場で納まるのはいやだと言い自分も売り上げに貢献するとしてこの宵ノ宮へ支部設立兼陸送拠点を作るために移住してきた。


「え、なに? 肉無いの?…じゃあ…篝(かがり)っ!」
『(ぽぅ)…はぁい、呼びました? 』
「肉買ってきて。ほい財布。」
肉無い発言を聞いた招はゲームをいったん止めて二人に向き直るといきなり大声を出し始める。
するとどうだろう、招の前の空間がいきなり明るくなったと思ったら狐火がぼんやりと姿を現したではないか!
その狐火に一同は驚くかと思いきや…

「ほな頼んます。」
「いつもゴメンな? 篝…」
「牛か豚のどちらかがいい。セール品でも構わんからすき焼き向けの薄切りをスウパック頼む。」

自然だった。

『はーい♪ それじゃあいってきまーす♪』
「ほいほい、いってらっしゃい…あ、ついでにドリンクも頼むわ」
『はーい♪ 招お嬢様♪』
…どうやら招の付き人扱いであるようだ。
その篝と呼ばれた狐火にほとんどお札しか入っていない財布を渡すと狐火は彼の部屋、高層マンション『KiTuNe-Fort II』の20階の彼のベランダからフヨフヨと地上へ降りていっきやがて姿が見えなくなった頃に招はベランダの窓を閉める。

「さて、どうしようかn…あれ? これ…」
「ん? どないしはりました?」
「なんだ? 」
「あっ! そ、それは…」
招が向き直って席に着こうとしたとき不意に視界の端にナニカをとらえてそちらへ歩を進めソレを持ち上げると招のその行動に気づいた他3人もゾロゾロと招の下へ集う。
招が耳をピンとさせて食い入るように見るソレとは…







『モフっ娘☆天国 vol.3 今日の気分は妖狐さん』
『ミミかぷっ! 私の耳はふわふわよ♪ 〜刑部狸編〜』
『ドキッ! 逆痴漢列車の罠! 〜やめてアヌビスお姉さん、僕もうでないよっ〜』
『幼女嗜好。 vol.6 狐火ちゃんと遊ぼう!』





『………(ゴクリ×3』

「のぉわぁぁぁーーーーーーーーーぁっっっっ!! み、みないでぇぇぇぇ!!!!」


…皆さんも【例のブツ】の管理はしっかりしましょうね♪

そんな顔から火が出るほど紅くなった彼の悲鳴に帰ってきていた篝がびっくりしてお肉を落としたのは言うまでもない。


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「…ご、ご馳走様」
「う、うん、ご馳走様」
「う、卯月はん、あ、相変わらず料理がうまいんな?」
「え、ぁ、あぁ…」
『…? どうなされたんです? 皆さん?』
あれから暫くして料理の準備を整えた卯月がリビングへ専用のなべつかみ(デフォのワンコの手が書かれている)で鍋を持ってくると皆静かに席について食事をし始める。

…彼がここに住み始めてすぐの頃からこうやってほぼ毎日彼女らがやってくるものだからすっかり慣れてしまっていた。
ゆえに彼の食卓に彼女らそれぞれに専用の茶碗を置いたりしている。

しかし先ほどのこともあって皆顔を赤らめたままほとんど無言で食事をするのでその様子を運ばれてくる食器を順次洗っていく篝はとても不思議そうな眼でキッチンから覗いている。
…そしてその沈黙中の彼女らの脳内はというと?

「…(うぅ…弟みたく思っていたのに…でもちゃんと僕たちを女としてみていたんだ…ちょっと…ううん…すごく嬉しいな♪)」

「…(う、うぅぅ、どないしよっ! ウチこんな色恋沙汰は初めてやけん…ど、どないすればエエんやろぅ…)」

「…(わ、わふぅ!? わふぅわふわふぅ!? わんわん、わんわんお!?)」

約一名先祖がえりをしつつもポーカーフェイスを貫いているものがいるが概ね彼への高感度は良好…否、振り切っている
そんな気まずい空気の中最も気まずいのは…

「…。」
そう、彼だ。

彼女らが目ざとく見つけた自分の性癖の悉くが彼女達に当てはまってしまっていたのでなおさらである。
なぜ彼女らの種族的なものがオカズになっていたのか?
それは…彼ら4人と1人で座っている中で床に唯一つま先立ちしている…ようは身長が低いことがコンプレックスになって彼女を作ることなんて無かった。
なのにこのマンションに引っ越してきてから怒涛の如く親睦を深めた彼女らに恋慕の念を抱いたのが彼女達である。

しかし彼にとって恋をするにあたり越えなければならない壁が2つあった。

1つは種族的なこと。
ただこれはもう周りを見れば薄っぺらいものである。

しかし問題は2つ目で…
彼女らは曲がりなりにもご令嬢、つまり大金持ちの部類に入る家系の一端なのだ。
対して彼はごく普通のごく平凡な家の出である…
そのことが彼の心の中でもっとも大きな壁になって立ちふさがっていた。

…しばしの沈黙の後、不意に招が顔を上げて彼に対してちょっと熱が籠められた視線を上目遣いで向けるととんでもないことを口にする。



「ねぇ、敦…エッチしない?」
『っっ!!』
「…は、ぇ、ぇあ?!」
言った本人は微笑んで敦に同意を求めようと首をかしげて片方の耳を伏せると4本の尻尾を柔らかに振らせて彼の返答を待つが、いきなりの誘惑に混乱して声が出ない彼はしどろもどろになり招以外のケモっ娘の皆も黙っていなかった。

「招はん! 何言うとるん!」
「そ、そうだぞ! か、仮にも私たちは…」
『ずるいですー、私も混ざりたいですー!』
当たり前といえば当たり前の反応だが(約一名除外。)抗議の声を上げるも招は…


「なんで? だって【思いが通じ合った仲】同士行き着くのはエッチじゃない?それにそこには令嬢とか、社長とか関係ないじゃん…ただ一匹のメスがオスをいとおしく思うのに何か問題でも?」
「あっ…」
「うっ…」
『さすが招お嬢様ー! 本能まっしぐらですー♪』


いかにも魔物娘らしいまっすぐな発言を聞いて黙ってしまう面々であった。
対して彼は招の台詞の一部分を聞いて呆けていた。

「…通じ合った? え、えっ!?」
「…式邊(しきべ) 敦さん、第一印象から決めていました。僕と一緒n」
嗜好の海にダイブしていた彼を姿勢を正し畏まった姿勢で向き合う招の呼びかけでいきなり現に戻った彼は小の告白を聞…こうとしたところで?

「その告白っ! 待ってもらうでっ!」
「当然待っててくれるよな? 招ぅ?」


すぐ間近から声を張り上げる声2つ。
そちらへ向き直ると尻尾を共に膨らませて耳をピンと立たせる2匹の魔物娘が…

「ウチだって…ウチだって敦はんが好きなんや! ウチにだって告白させたってや! …敦はん、ウチと一緒に生活してくれへんか? 絶対損なんてさせまへんからっ!!」
「おい葉仁私にも告白する機会を与えてくれっ!…んんっ…あー…あ、敦っ! その予定とだいぶ違うんだが…そ、そのぉ…お、お前さえ良ければ…わ、私の…ぅぅ…ご、ご主人様になってくれないかっ!!?」
葉仁、卯月の言魂の篭った愛の告白を聞いた彼は少し俯くも彼の様子を確認するより卯月が言った台詞に反応する妖狐が…

「ちょっと何? ご主人様って!? なら私はアナタって呼ぶわ!」
「なっ!? そ、そないならウチは旦那様言わせてもろうてもエエやろっ?!」
「待て待て待てっ! 私の一世一代の告白をネタに使うんじゃないっ!大体招がな… 」
コンコンポンポンキャンキャン煩くなり始めた外野を苦笑で傍観をしていた彼は一度眼を閉じて答えを考えている様子でそれに気づいた彼女らもいつの間にか静かになっていた。

やが彼が眼をあける。
はたして彼が出した答えは…





















「ゴメン……一人を選ぶなんて出来ないよ……」














まぁ考えても見ればそうである。見目麗しい女性3人からの突然の告白にいきなり選べというのが…

しかし彼女らは皆ショックを受けずに寧ろキョトンとして彼を見つめていた。

「…あ、あれ? 俺が言うのもなんだけどショックじゃないの??」
「…あ、あのね敦? ここ…宵ノ宮ってさ重婚認められているんだけど…というよりいつ『一人を選べ』ってなっていたの?」
「…ゑ?」
そう、この街では複数の妻を持つことも許可されさらには親子で関係を持っても良いとされている。
…禮前さん(市長)パネェっす!

「ウチら全員娶ってもらう覚悟やったんやけど…」
「まぁその抜けたところもイイんだがな…♪」
『…あはー♪ お顔がまっかっかー♪』
一人勘違いをしていたことに恥じてさっき以上に紅くなる彼だった。
そんな彼をほほえましく見ていた彼女らだったが招が一呼吸奥と笑顔のままで彼に尋ねる。

「…んで、返事は?」
「ぅぅ…スゥー、ハァー…俺でいいのか?」
彼女らの返答は勿論…



『当たり前♪』

全員一致だったのは言わずもがな。

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そして彼は自分の部屋…ではなく片付けて広くした客間の畳の上に3枚分の布団をひいていた。
それは勿論この後のことを踏まえて狭い自室より多少広い場所でということでこの場所になったのだが肝心の彼女たちは皆彼の部屋に備え着いている浴室にてバスタイムの真っ最中である。
このマンション、ケンタウロス種やアラクネ種も容易に住めるようにとほとんどの部分で大きめに作られており風呂場に関しても人間ならば6人で入っても余裕がある設計なのだ。

「…で…が…」
「ええの…ほな…」
「しかし…だなぁ…」
布団が引き終わった彼はただ待つだけだったが…やはり彼も男であり、オスであるので彼女達の風呂場で話す声が聞こえんか耳聡く聞き耳を立てるとかすかにだが聞こえてくるではないか。
普段と違う彼女達の声色にドキドキが抑えられない彼は徐々に鼻息荒く興奮してくると彼のその股間の体に対して規格外な息子がそれに付随して大きくなるのは明確である。
しかも人間の女性ではなく普段でさえ妖艶な彼女達が今自分の部屋の浴室で裸になっているという以前の彼からしたら想像も出来ないようなこの時間。

『じゃああとはー…くふふ♪』
何故か…そう何故か彼の体の内側から声が聞こえなくもないが…

「…(ハァハァ」
ついに我慢が出来なくなったのか彼は荒い息を吐いたまま立ち上がりフラフラと花に向かう蝶の如く浴室へと足を運ぶことにした。
数歩も歩くとついてしまう距離にも関わらず彼の心臓はまるで100mを全力疾走したかのように心臓が酷く煩く脈打つ。
しかも風呂場に近づくたびになおも心拍数は上昇していくのが彼自身把握できているという不思議な感覚に見舞われつつもとうとう彼は風呂場のドアの前についてしまっていた。

ガチャッ…キィィ…

ゆっくりと扉を開けて中を確認すると彼女達の衣類はまだ風呂場に設けたバスケットの中にあり且つ中からシャワーの音と共に彼女達の笑い声がする。
彼はそれらを確認すると足音を立てずにゆっくり、酷く緩慢にそこへ進入するとそれらバスケットの前を通り過ぎまさしく彼女達とドア一枚隔てた場所へとたどり着く。
そして中の話に耳をしばし傾ける彼であった。



※皆様も声だけで彼女達の会話を一時的に楽しんでください。



「はぁ、まさかの4Pとは…」

「うぅ…ウチ初めてやし…き、緊張するわー…」

「何言っているのよ葉仁。ここにいる僕含めて皆初めてに決まっているじゃない」

「そうだぞ葉仁。招の言うとおり私たちは初めてなんだぞ。…お前が緊張すると私まで緊張するんだが…」

「あぅ…えろぅすんまへん…」

「にしても…」

「あひゃぁ!? ちょ、ちょっと招はん! い、いきなり何しはるん!?」

「いやー…前々から思っていたけど葉仁って着やせするタイプなのね」

「…それはあれか? お前達は私に喧嘩を売っているのか?」

「ちゃ、ちゃうちゃう! そんなつもりや無いって!」

「うーん…卯月もあるほうだと思うよ?」

「「アンタが言うと嫌味にしかきこえん!!」」

「そう? …ねぇ敦? いい加減中に入ってきなよ? そこじゃ風引いちゃうから…僕達があっためてあげるよ♪」


…おやおや、彼の存在はばれていたみたいですね。
彼は自身を纏う布を近くにあった空いているバスケットへ放り込むとタオルも巻かずに彼女達の前へ姿を現した。

「っ…お、大きい…♪」
「きゃっ…っ、ビクンってしとる…♪」
「…わふぅ…なんて大きさだ…♪」
彼女たちは彼が入ってきて一番最初に目に付いた大きな、とても大きなそれに視線が釘付けになるが対して彼は視線が定まっていなかった。

「(…ぜ、全員でけぇ!?)」
そう彼女らの胸、所謂おっぱいを変わるがわる見ているのだ。
まず入り口に近い招を見る…ツンと立った乳首が誇張でもなんでもなく大きくそそり立ち且つ地盤の乳房は西瓜並みという他の二人から言わせれば規格外なおっぱい。
次に隣でジロジロと自分の息子を穴が開くほど見つめる葉仁は…陥没乳首であるがそのもの自体の大きさがメロンほどあり、どうしてこの大きさがあの服の中に入っているのか不思議なほどだった。
そして一番奥で胸をそのモフモフした手で隠している卯月はというと招の言うとおり決して小さい、ということは無くただ二人に比較しては幾分小さい小玉西瓜のような乳房にチラッと手の下から見える小粒でピンク色の乳首は情欲をそそるには十分であった。

「ん〜? 何ぃ〜、敦はおっぱいを見てこうなっているの?」
「ぅっ! 」
「う、ウチ…胸は自信ないんやけど…」
招が彼にしな垂れかかり抱き合うようにして右手を後ろに回しつつ左手で彼の竿を上からスッと撫でると彼は堪らず声を上げてしまう。
おっぱいにコンプレックスを抱いているのか葉仁はそのことが分かると途端に耳も尻尾もクタッと垂れてしまうがソレを横目で見ていた招は彼の耳元で悪魔の囁きを唱える。

「ねぇ敦…葉仁のおっぱいを見てどう思う?」
「ハァハァ…す、すごく…エッチで…好きだ…」
「…はぇ?」
甘い誘惑を囁く吐息は彼の耳へ心地よい刺激となって彼の耳にべったりと張り付くような快楽を彼に与える。
そしてその快楽に正直になった彼は葉仁のコンプレックスの塊であるおっぱいをほめると肝心のほめられた葉仁のほうはなんとも間の抜けた声を出してしまう。

「良かったじゃないか葉仁。ほめられたんだぞ?」
「そうよ、もっと自信もっていいんじゃない?」
「…うん、ウチ嬉しいわっ♪」
抱きつきを止めた招と卯月は葉仁の肩をそれぞれ持って励ますと二人にいい笑顔で返す葉仁は耳を立てて尻尾を大きくふれているのを見ると心底嬉しいのだろう。
そんな三人に関係なく招の抱きつきから開放された彼はフラフラと葉仁へと近づくと…

「う? 敦はんどないs…きゃふぅん♥」
「あー! ずるいっ! 」
「ぬぅ! 抜け駆けかっ!?」
立ったままの葉仁の胸へ顔を埋める様にして彼は葉仁の胸を揉みしだき彼女の乳首が埋まっている乳輪へ強烈な愛撫を開始したのだ。
その様を見ていた二人は羨望の眼差しと文句をたれてソレを抗議するも彼らはソレを決して止めなかった。

「あ、あぁぁ! あ、あかんっっ♥ ち、乳輪吸わんといてぇぇ♥ あぅぅ♥あ、敦はんにぃ、乳首ぃ吸い取られぇ…あひぃ♥」
「…よし、卯月。あんたは下からお願い」
「分かった。上は任せたぞ?」
愛しの彼に愛撫を避けているからか、はたまた元々感じやすいのか…葉仁は彼からの愛撫を一身に受けてまだ1分も経っていないがもうすでに彼女の下半身からはシャワーの水滴とはまた違う透明な筋が流れ始めている。
その彼女を他所に他の二人は二言三言話すとそれぞれのポジションにつく。

「っ! んぅっ!? んん!!」
「ハムッ…チュルルル…っぱぁ! ど、どうだ? 敦、気持ちいいか? ハムッ…♥」
「パクッ…ピチュピチャ…ジュルッ…んふふー♪上下同時口撃はどう?敦ぃ♥」
卯月は膝を折って器用に葉仁の股下から頭を出して彼のその凶器じみた息子に狙いを定めてソレを一気に銜え込みモフモフの肉急がついたてでその根元の玉をクニクニと弄り、上からは招が背後から抱きついて彼の耳を噛みながら己の体を彼にマーキングでもするかのように擦り付けて愛撫をする。
文字通り上下からの『口撃』に彼は快楽が葉仁の乳を弄っているだけの時の数十倍に膨れ上がった。
くぐもった彼の声を聞いて俄然やる気が出た彼女らは大きく各々の尻尾を一振りすると尚のこと彼への愛撫を強めていった。

「あ、あぁ、あかんっ♥ ウチ、ウチもぅ…おちてまぅぅ♥」
彼はその強力な口撃に耐えながら葉仁の乳輪を執拗に愛撫していくと感極まってきたのか葉仁の隠された乳首が少しずつ彼の口の中で大きくなっていく。
それを舌で敏感に感じ取った彼はソレを歯でやさしく銜えて…一気に引き上げるっ!

「あひゃぁぁぁ♥ (ブシャッ」
「ウブッ!? …んんっ! んぅんぅっ!…ヂュルルルッ! ヂュポッヂュポッヂュポッ!!」
「あらら…卯月が愛液でびっしょり…♪」
ポンっ、と効果音が付きそうな勢いで飛び出した敏感な葉仁のソレは外の空気を一気に感じとったことで彼女へとんでもない量の快楽を脳へ叩き込んだ。
その結果は…葉仁の潮吹きは彼女の股下から彼へ愛撫を行っていた卯月に一滴残らず引っ掛かってしまい卯月が彼の竿をズッポリ銜えながら下から睨む様に不満げな表情をすることでお分かりいただけるだろう。
上の安全圏にいた招はソレを見やって笑ってはいるが。

「はぁぁ…♥ っひゃぁん♥ え、え、ま、またなんかいなぁ!? ちょ、ちょっとやすまs…ひぃうん♥」
「っぱぁ! 人に愛液かけたお返しだ♪ ハムッ…チュッパ…ヂュルルルル!!」
「じゃぁじゃぁ僕は尻尾でイかせてあげる♥」
イッたばかりで呆けていた葉仁の今度は反対の乳輪にしゃぶり付く彼はさっき出た乳首を引っ込ませないように弄りながら再び愛撫を始める。
更に今度は頭から思い切り愛液をかけられたお返しと葉仁の腰を自慢の肉球でホールドして下の口に口撃を開始する卯月。
…その表情はとても嬉しそうである。
そして空いてしまった彼の竿の弄り役に今度は招が器用に尻尾を前に持っていき彼の息子を4本の尻尾をフルに使って扱きだす。

「ひゃぁぁ♥ ウ、ウチぃ♥ こ、こわれてまう♥ こわれてまぅぅ♥」
「いいよいいよっ! 壊れちゃいなよっ♥」
「チュルル…チュル…(ニヤッ)…コリッ
イったばかりということも相まって残る乳首はすぐに頭を乳輪の中心に出してきたのでやはりソレも彼は歯で甘く愛おしくやさしく噛み今度は一気に引き上げる出なくジワジワと首を絞めるように持ち上げていくと葉仁の尻尾がその度にビクン、ビクンと激しく跳ね上がる。
その様をみてニィィと不適な笑みを作る招は彼への愛撫を尚のこと早めていき、卯月に関しては愛撫中に立っていた葉仁の小さな下の突起を招と同じ笑みをして一番尖っている犬歯で軽く噛んだ。
勿論ソレは体の中でも有数の敏感な器官なので…

「あひぃぃぃぃぃぃぃ♥(プシャァァ」
彼女は首まで後ろにやる程大きく仰け反って舌を突き出し、全身の毛を逆立てて人生でもっとも大きな絶頂を迎え暫しの痙攣の後力なくその場で失神してしまいヘナヘナと倒れこむ葉仁であった。
…そしてまた愛液をどっぷりと浴びる卯月は葉仁に圧し掛かられてとても苦しそうであったのは後の笑い話。

「さて…次はどっちがいい? 敦ぃ?」
「どっちでも構わんだろ? …我々はもう敦のお嫁さんだからな、これからたっぷりと全員が妊娠するまでしっかり種付けしてもらうぞ? ご主人様♥」



暴走中の彼の中にある数少ない理性の記憶はその言葉を最後に記憶が途切れ彼が自我を取り戻したのはその3日後のことであった。


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「ご主人様、今日の仕事はコレで終わりです。ご苦労様でした」
「そか、ありがとう。…よし、この後皆で食事に出かけようか?」
『賛成ー!』
あの繋がった日からほんの一年。
彼らはあの後マンションの部屋をすべて引き払い新たに新居を構えることになった。
それと共に彼もなんとか就職することが出来たが…

「…いままで散々根回しされて俺が不採用になるようにしていたなんて…な(ギロッ」
『…〜♪』
実は彼が今まで悉く不採用だった原因は彼女達であった。
その理由もいたって簡単な理由で…

「離れたくなかった」
「もっと一緒にいたかった」
「もっと一緒に話したかった」

…だそうだ。
それで自分の家系をフルで使って妨害するのだから…性質の悪いことこの上ない。

あとあの日に交わった全員が妊娠が発覚しいまや彼女らは立派な母親になっていた。
ついでに言うとあの情事中消えていた篝だがもう一人の【篝に瓜二つ】の狐火を連れて彼らのところにいたのに誰も気づかなかったようで。
…そう、あの日彼女らのドサクサにまぎれて自分もちゃっかり参加していたのだ。

「…アナタ、どうしたの? そんな暗い顔して?」
「旦那様?」
「ん、いや、何。篝はちゃっかりしていたなぁ〜って思っていたところだ。」
頭痛で頭を庇う様にして額に手を当てる彼に心配な声を上げるも彼の返答を聞いて3人とも納得したようだ。

『えぇー、ひどくないですかー?』
「…あれ? また増えた??」
そして噂の元の篝はというとあの後もずっと彼に憑いて…ゲフン…ついてきており彼が寝ている間にだろうか精を貰い続けて今や姿がすっかり大人びた美人になったこと、さらには5人にまで膨れ上がった自身と彼との間の子供達まで出来ていた。

「篝、つまみ食いしたね?」
「うぅ…ずるぃわぁ…」
「私達も二人目がほしいところだが…」
チラチラと3人が痛々しいほどの視線を彼にぶつけるも彼は冷や汗をかきつつ視線を流し難を回避して…

「さぁ、食事に行こうか!」

ーーー世にも珍しい『狐狗狸』を妻に持つ後の超大手貿易商『式邊ーSIKIBE』の総帥はこうして美人な妻達と共に人生を歩み始めたのだった…


【完】

追記:普段の彼女らの服…
古里瀬 招(妖狐)…白いTシャツ、青いジーパン、紺のダウンジャケット。
御門 葉仁(刑部狸)…青基調の和服。
役堂 卯月(アヌビス)…黒スーツ、白ブラウス、赤ネクタイ。

どうもーjackryだよ!ww
さてさて、今日は世間一般では「部亜連対印」とよばれているそうだね?
・・・平日の間違いだろう?(吐血

・・・あ! よくよく見たらチョコ関係ないやww
あ、あとコレで登録SS通算80本目になりました…


刑部狸ちゃんが登場したおかげで実現することが出来た【狐狗狸】っ!
実を言うと…狐=妖狐、狸=刑部狸で決めていたんですが狗で迷った挙句アヌビスちゃんに決めました。

あと関西弁が編に聞こえる方! …ごめんなさいorz(←北関東の人間

いかがだったでしょうか?(´・ω・`)
感想お待ちしております。

12/02/15 11:51 じゃっくりー

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