連載小説
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二匹目。〜誑かし欺き騙す蛇〜後編

ーーーーーコトナの家ーーーーー

「どうして毒入りだとわかったのかしら?」

「さぁ?
顔に書いてたからだと思いますよ」

「本当に変わった人ね」

「魔物は人を殺さないと聞きましたが?」

「えぇ、そうね」

「なるほど、『蛇狩り』の方でしたか」



ーーーーー『蛇狩り』ーーーーー



殺戮集団『蛇』を狩る為に
魔王が選んだ魔物娘達による
対蛇用討伐部隊。

魔王は既に蛇の九人が
それぞれどのような存在か
だいたい情報を掴んでいる

そこから討伐できそうな
種族を選び抜いた組織。

それが『蛇狩り』



「激しい抵抗をみせるなら
殺してもいいらしいわよ?
流石、世界を敵に回しただけの事はあるわね」

「えぇ、光栄です」

「まったくだわ」

「で、毒殺の次はなんです?」

「そうねぇ、じゃあ」


ルーゴはすぐさま筆と紙を
取り出した


「それが、貴方の『呪い』?」

「そこまで知られているのですか」

「信じてなかったのだけれど」

「そうですか」

「詩で創れるというは本当のようね
まやかしのルーゴさん?」

「そこまで知られているとは」

「情報収集はこっちの十八番よ?」

「そうですか、では」

『貴方はそこから動けない』

「・・・」

「これは使いたくありませんでしたが
お世話になりましたコトナさん」

「・・・、ねぇ、今の効いてないわよ」

「おや?どうしてでしょう?」

「どういうつもり?」

「言ったでしょ?
お世話になりましたって」

「は?」

「一時的とは言え
アナタにはお世話になった
そんなアナタに僕の呪いは効かない」

「貴方...」

「それに僕の「呪い」は
そんな大層な物じゃありません
ただ作った詩が実現する
それだけのことです」

「でも...!」

「確かに貴方は僕を殺しに
かかってきました」

「しかし毒を入れるまでは
確かにアナタは僕の為に
本気で料理を作ってくれていました」

「だから僕は何もしませんし何もできません」

「なら、殺すなら今のウチね?」

「そうなりますね」

「貴方...まだ何か隠してないかしら?」

「いいえ?」

「だったらどうして」

ーーーーーそんなにも笑顔なの?ーーーーー

「これが、僕の望んだ結果だからです」

「なんですって?」

「これ以上は喋れませんね
どうしますか?
僕を殺すか、逃がすか」

「・・・」

「〜♪」

「...食えない人ね
いいわ、貴方を逃がす
ただし、付いて行かせてもらうわ」

「へぇ」

「貴方の詩とやらを
もっとよく見てみたいもの」

「なるほど」

(もしかすると...この人)

「では、行きましょうか」

「ねぇ、最後に聞いてもいいかしら?」

「はい?」

「貴方のさっき作った詩って...」




ーーーーーとある居酒屋ーーーーー



「ってな事があったのよ」

彼は仲間の一人で、ここで偶然会った。

「大変だったんですね」

そんな他愛もない話をして、彼と別れた。


「お久しぶりですね『団長』」

「そうだな」

「殺戮集団団長の次はバーのマスターですか」

「...フン」

「そろそろ僕も...
そうだ、ここへはもう何人来ました?」

「...五人だな
オマエとさっきのと
庭師と忍者と放火魔がな」

「ここに来れたという事は
パートナーがいるという事ですよね」

「そうなるな」

「では、僕も行きます
これで失礼。」

「また来い」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「あれが貴方のお仲間?」

「えぇ」

「随分賑やかな人達ね」

「変わり者が多くて」

「で?この後はどうするの?」

「しばらくは僕もこの辺りに
居たいな〜と」

「さっき普通の宿を見つけたけど?」

「では、そこへ行きましょう」

「今日も続きを聞かせてね♪」

「えぇ、良いですよ」

「ふふっ♪楽しみだわ♥」




〜〜〜〜あの日あの時あの場所で〜〜〜〜



「さてと、仕事もしますかね
食べ物がないのは困りますし」

「〜♪」

これは切ない恋の詩

ある港町で起こったお話

そこで二人は出会いました

男は旅人、娘はそんな彼に一目惚れ

しかし娘は男を狙う殺し屋で

娘は男を誘い出す

娘は迷いながらも死を運ぶ

しかして男に見抜かれて

娘は男にますます惚れ直す

男は娘に選ばせる

娘はオトコニ付いて行く

そうして二人は結ばれて

何度何度も交わり合う

そして幸せなりましたとさ



これで、『呪い』を使うのは
最後にしましょうかね
16/02/28 11:46更新 / 紫酔染香*・ω・)ゞ
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■作者メッセージ
雑になりがちですいません
途中何回か文が消えて泣きかけました(笑

伏線を張りながら書くのは難しいですな(´-ω-`)

よければ感想などください_|\○_

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