二話 ………イラッ♪
―――――― 下界 東ヒレク地方・ハクラト
…ヒャッホー!下界だぁー!
遂に来たぜ人間界!!
いやあ、少し田舎っぽいけど良さそうな街だな。
空気も天界とは違って味があるって言うか…。
とにかく、コーヒーうめぇ!!
「ねーねーお母さん、あの人何してるの?」
「しっ!見ちゃいけません!」
…はしゃぎ過ぎたかな。
ん?あれは…。
「…………。」
「…………。」
おお、早速アベック発見。幸先良いぜ。
男の方は普通の人間だな…。女は…あれ、何て種族だっけ?一つ目に蒼い肌…あ、思い出した。サイクロプスだ。
「…………。」
「…………。」
公園のベンチに二人して並んで、いい雰囲気だな。
「…………。」
「…………。」
ハハハ、恥ずかしがってんのか?初だなぁ。見ててにやけてくるぜ。
―――――― 五分後
「…………。」
「…………。」
…進展しねぇな。いくら何でも一言くらい言えよ。
―――――― さらに十分後
「…………。」
「…………。」
…………イラッ♪
(いつまで黙ってんだてめぇら!!特に男!お前からしっかりリードしてやれよ!!)
迂闊に声には出せない為、心の中で叫ぶ俺。こんな時あの鏡呼び出せればなぁ!!一言言ってやれんのによぉ!!
「あ、あの…!」
お、サイクロプスの子から話し掛けた。
「そ、そこのカフェに…行きません…か?」
ほう、しっかりしてるな。あの嬢ちゃん。
「は…はい!」
…やっと進展か。って、こっち来んのかよ!!
お、おい姉ちゃん!会計宜しく!!
「はい、コーヒー一杯で銅貨二枚になります。」
はいよ。
空っぽのポケットをまさぐり、此方の世界で言う金を手の中で造り出し、取り出す。そして、「れじがかり」という店員に渡す。
「ありがとうございました〜。またのお越しを。」
店員に見送られ、カフェを後にする。
天界にも、カフェありゃあな〜…。日々の激務にも気合いが入るんだが…。
ま、そんな事より仕事仕事っと…。とっとと終わらせて、のんびりしなくちゃな。せっかくの休みだし…ん?待てよ?何で俺がヴィー(ヴィーナス)の仕事してんだ?
あいつ、最近ウキウキで仕事してたよな…。楽だからって受けたけど、よくよく考えてみたらおかしい。
おっさん、何か企んでんのか?
…ま、いいや。おっさんも何か考えての事だ、どうにでもなんだろ。
(…あーあー、聞こえるか〜?)
『…ええ。先程の愚痴ごと、確りと聞こえてます。』
軽く念じると、つい最近聞き知った声が頭に響いてきた。
(おい新人。取り敢えず、あの二人の運命を教えてくれ。)
『私の名前はエリーって言うんです!!新人を名前みたく言わないで下さいっ!!』
(はいはい、分かったから早く調べろ新人。)
『…くすん。分かりましたよぅ。………二人はこの後、話が続かずに今日は別れちゃうみたいです…。』
(ふーん…。)
『ふーん…って…。』
(ま、それは俺も困るから動くけどな。んじゃ、また後でな。エリー。)
『…!了解ですっ!!』
言い終わると同時に、新人の声が途絶える。
…さて、次にどうなるか判ってりゃ後は楽だ。カフェに居るんだったな、あの二人。
俺は右目の千里眼を使ってカフェの様子を覗き見る。
「…………。」
「…………。」
ベンチの時と何ら変わらない空気が対面に座ってる二人の周りを支配している。
何してんだよ!折角カフェ行ったんだからもっと進もうぜ!!
…仕方ねぇ、あのチキンな男に一言助言してやっか…。
再度千里眼でカフェに居る二人を覗く。そして男の方にほんの少しズームアップする。すると、男の頭の上に文章の様なものが浮かび上がった。
これは人の近い未来を記した文章、通称アカシック・レコードと呼ばれるもんだ。俺は運命神だからな、見るくらい人間の体動かすより楽なんだよ。
『…誰に説明してるんですか?』
何々?…なるほど、コイツ裏路地に行くのか。大方、何も話せなくてうじうじ悩みながら歩き回るんだろうな。
…さて、先回りして待っとくか。
にしても姐さん、何が人間相手よりは楽だよ…。十分面倒じゃねぇか…。
…ヒャッホー!下界だぁー!
遂に来たぜ人間界!!
いやあ、少し田舎っぽいけど良さそうな街だな。
空気も天界とは違って味があるって言うか…。
とにかく、コーヒーうめぇ!!
「ねーねーお母さん、あの人何してるの?」
「しっ!見ちゃいけません!」
…はしゃぎ過ぎたかな。
ん?あれは…。
「…………。」
「…………。」
おお、早速アベック発見。幸先良いぜ。
男の方は普通の人間だな…。女は…あれ、何て種族だっけ?一つ目に蒼い肌…あ、思い出した。サイクロプスだ。
「…………。」
「…………。」
公園のベンチに二人して並んで、いい雰囲気だな。
「…………。」
「…………。」
ハハハ、恥ずかしがってんのか?初だなぁ。見ててにやけてくるぜ。
―――――― 五分後
「…………。」
「…………。」
…進展しねぇな。いくら何でも一言くらい言えよ。
―――――― さらに十分後
「…………。」
「…………。」
…………イラッ♪
(いつまで黙ってんだてめぇら!!特に男!お前からしっかりリードしてやれよ!!)
迂闊に声には出せない為、心の中で叫ぶ俺。こんな時あの鏡呼び出せればなぁ!!一言言ってやれんのによぉ!!
「あ、あの…!」
お、サイクロプスの子から話し掛けた。
「そ、そこのカフェに…行きません…か?」
ほう、しっかりしてるな。あの嬢ちゃん。
「は…はい!」
…やっと進展か。って、こっち来んのかよ!!
お、おい姉ちゃん!会計宜しく!!
「はい、コーヒー一杯で銅貨二枚になります。」
はいよ。
空っぽのポケットをまさぐり、此方の世界で言う金を手の中で造り出し、取り出す。そして、「れじがかり」という店員に渡す。
「ありがとうございました〜。またのお越しを。」
店員に見送られ、カフェを後にする。
天界にも、カフェありゃあな〜…。日々の激務にも気合いが入るんだが…。
ま、そんな事より仕事仕事っと…。とっとと終わらせて、のんびりしなくちゃな。せっかくの休みだし…ん?待てよ?何で俺がヴィー(ヴィーナス)の仕事してんだ?
あいつ、最近ウキウキで仕事してたよな…。楽だからって受けたけど、よくよく考えてみたらおかしい。
おっさん、何か企んでんのか?
…ま、いいや。おっさんも何か考えての事だ、どうにでもなんだろ。
(…あーあー、聞こえるか〜?)
『…ええ。先程の愚痴ごと、確りと聞こえてます。』
軽く念じると、つい最近聞き知った声が頭に響いてきた。
(おい新人。取り敢えず、あの二人の運命を教えてくれ。)
『私の名前はエリーって言うんです!!新人を名前みたく言わないで下さいっ!!』
(はいはい、分かったから早く調べろ新人。)
『…くすん。分かりましたよぅ。………二人はこの後、話が続かずに今日は別れちゃうみたいです…。』
(ふーん…。)
『ふーん…って…。』
(ま、それは俺も困るから動くけどな。んじゃ、また後でな。エリー。)
『…!了解ですっ!!』
言い終わると同時に、新人の声が途絶える。
…さて、次にどうなるか判ってりゃ後は楽だ。カフェに居るんだったな、あの二人。
俺は右目の千里眼を使ってカフェの様子を覗き見る。
「…………。」
「…………。」
ベンチの時と何ら変わらない空気が対面に座ってる二人の周りを支配している。
何してんだよ!折角カフェ行ったんだからもっと進もうぜ!!
…仕方ねぇ、あのチキンな男に一言助言してやっか…。
再度千里眼でカフェに居る二人を覗く。そして男の方にほんの少しズームアップする。すると、男の頭の上に文章の様なものが浮かび上がった。
これは人の近い未来を記した文章、通称アカシック・レコードと呼ばれるもんだ。俺は運命神だからな、見るくらい人間の体動かすより楽なんだよ。
『…誰に説明してるんですか?』
何々?…なるほど、コイツ裏路地に行くのか。大方、何も話せなくてうじうじ悩みながら歩き回るんだろうな。
…さて、先回りして待っとくか。
にしても姐さん、何が人間相手よりは楽だよ…。十分面倒じゃねぇか…。
11/12/04 16:28更新 / 二文字(携帯版一文字)
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