魔王が別荘とか言ってたけどこの家でどんなプレイしてたんだよ!!
「あー…ソピアちゃん?絶対暴れないでよ?」
「うん!えへへ…。」
心配だ、すこぶる心配だ。ソピアが今居るのは頭の上、正確には肩車してる状況。何でこんな状況になってるかって?想像してみろよ、多分合ってるから。
「パパ♪」
「あ、こら入ってなさい!」
先刻とは打って変わってご機嫌な綿毛娘が、胸ポケットから顔を出した。いやホントやめて、両手塞がったこの状態だと微風でも洒落にならないから!因みに、あっしは今白衣を上着にしてます。…え、何でそんなの着てんのか?
………仕方ねぇだろ!?クローゼットん中にこれしか無かったんだよ!何なんだよ、何でクローゼットの中に白衣とジーンズしか入ってないんだよ!?しかも大量に!魔王が別荘とか言ってたけどこの家でどんなプレイしてたんだよ!!まぁ想像なんざしたくないけどさ!
「ぅ?」
「いーから、早くポケットの中に入んなさい。」
「あいっ!」
はい、お手て上げて元気良くお返事出来ました。…返事はいいからさ、中入ってくんないかなー。お父ちゃん心配なんだよ、アンタが吹き飛ばないか。
「おにいちゃん、はやくいこう?」
「あ、うん。…暴れないでね?」
「うん!」
……うん、もう良いや。聞き分けてくれるよね。
「レッツゴー!」
「ごー。」
ね…?
「よし、出発!」
「おー!」
「おー。」
掛け声と共にソピアの足を持つ手の片方を離し、扉を思いっきり開ける。と、同時にあっし達を出迎えたのは春のような麗らかな日差しと広大な緑に覆われた庭、そして………。
でら強い風、しかも横殴り。
「きゃーっ!?」
「シエルー!」
庭の目の前の街道らしき道をハーピー種らしき人影が一瞬で横切り、その彼氏らしき人間が必死にそれを追いかけて行った。
…………………………。
「…OK、ソピア!絶対に手ぇ離すな!!チビっ子!出るな、ポケット入れ!!それかしっかり縁掴んでろ!!」
「はいッ!」
「あい。」
さっき戻って本当に良かった…!白衣でもあって良かった…!!…よし、行こう。ここで怯んでても仕方ない。…つか、何で買い物一つでこんなにも覚悟しなくちゃならんのだ…。まぁ、とりあえず…………。
「よし、Go!」
庭の芝生の間を一気に駆け抜け、出口の扉を軽く踏み込んで飛び越えるッ!そしてッ!レンガで作られた街道に着地ッ!この間約15秒!ドヤァッ!
「おにいちゃんすごーい!」
「伊達に年食ってませんから。」
「ねーねーもっかい、もっかいやって?」
やです。疲れるしお向かいさんが怪しい目でめっちゃ見てるし。…見ないで…ちょっと今までのストレスを発散したかっただけなんだ…。
「さ、行こ行こ。商店街はどっちだ?」
うん、何事も気にしてちゃ出来ないよね!死活問題だったんだし、セーフセーフ。
…にしても、本当にどっちだろうか。右も左も同じように家が立ち並んでいるだけ。下手に動くのも危ないしな…。
「ふんふーん♪」
お、ラッキー。あの人(魔物)に聞こう。
「あのー…。」
「ウホッ、いい男。」
「あ、すいませんナンデモナイデスサヨウナラ。」
相手がそれ以上のアクションを見せる前に直様左へ直進する。ヤバイヤバイ、あの魔物未婚だわ間違いねぇ。…ま、いいや。進んじまったら行くしかねぇやな。つか戻れば危ないし。主にあっしが。
「こっちに商店街があるに3000ペリカ!」
「ペリカ?…おにいちゃん、ペリカってなぁに?」
「ん?あぁ、ペリカって言うのはあっしの世界にあった本の中のお金の事。」
「ふぅん…。じゃあ、わたしもおにいちゃんといっしょにする!」
「うー!」
「はは、皆一緒じゃ賭けの意味ないなー。」
時折吹き荒ぶ突風に二人が飛んで行かないように気を付けつつ、アスファルトとはまた違うレンガの硬い感触を足で踏みしめて何処へなりと続いているだろう街道を歩いて行った。…まだ見ぬ発見を心のどこかで待ち侘びながら。
ーーーーーー
「…お、あれが商店街かな?」
街道をひた歩くこと約3分、前方から賑やかしい声が聞こえて来た。声のする方向に向かってみると、武器や野菜などと英語で書かれた看板が軒先にぶら下がっている。どうやらこっちで合ってたらしい。つか武器て。
「すごーい、おしろのまちみたい。」
「へー、城下街ってこんな賑わってんだ。」
「?えほんのなかのおしろのまちだよ?」
あ、そですか。完全な箱入り娘なのね…。
「あれ兄さん、ここいらで見掛けへん顔やなぁ。」
「へ?」
足を止めて声をかけられた方向に首を向けると、耳が生えている金色の髪を靡かせた着物姿の女性が少し先の店先に立っていた。耳の形からして妖狐か稲荷かな…?まぁワーウルフではないよな、尻尾四本あるし。
「あっしですか?」
「せやせや、頭に小っちゃい子乗したあんさんの事や。最近引っ越して来はったん?」
「そ、そう言う訳じゃないんですけど…。」
「あれ、それは失礼したわぁ。まぁ立ち話も何やさかい、うっとこの店でのんびりしておくれやす。」
「え、あ、ちょ…。」
そう言って、稲荷か妖狐っぽい女性は今立っていた店の中へさっさと入っていってしまった。…ぼ、ぼったくりバーとかじゃないよな?入ったら最後、搾り切るまで出されないとかそんなのやだぞ?
「?兄さん、どうしはったん?」
「い、いえ…あの…。」
「安心しぃ。取って喰うたりなんやせえへんよし。休憩や思てゆっくりしはって。」
「…パパ?」
「…は、入ってみるか。悪い人じゃなさそうだし…。」
ま、大丈夫…だよな?
「うん!えへへ…。」
心配だ、すこぶる心配だ。ソピアが今居るのは頭の上、正確には肩車してる状況。何でこんな状況になってるかって?想像してみろよ、多分合ってるから。
「パパ♪」
「あ、こら入ってなさい!」
先刻とは打って変わってご機嫌な綿毛娘が、胸ポケットから顔を出した。いやホントやめて、両手塞がったこの状態だと微風でも洒落にならないから!因みに、あっしは今白衣を上着にしてます。…え、何でそんなの着てんのか?
………仕方ねぇだろ!?クローゼットん中にこれしか無かったんだよ!何なんだよ、何でクローゼットの中に白衣とジーンズしか入ってないんだよ!?しかも大量に!魔王が別荘とか言ってたけどこの家でどんなプレイしてたんだよ!!まぁ想像なんざしたくないけどさ!
「ぅ?」
「いーから、早くポケットの中に入んなさい。」
「あいっ!」
はい、お手て上げて元気良くお返事出来ました。…返事はいいからさ、中入ってくんないかなー。お父ちゃん心配なんだよ、アンタが吹き飛ばないか。
「おにいちゃん、はやくいこう?」
「あ、うん。…暴れないでね?」
「うん!」
……うん、もう良いや。聞き分けてくれるよね。
「レッツゴー!」
「ごー。」
ね…?
「よし、出発!」
「おー!」
「おー。」
掛け声と共にソピアの足を持つ手の片方を離し、扉を思いっきり開ける。と、同時にあっし達を出迎えたのは春のような麗らかな日差しと広大な緑に覆われた庭、そして………。
でら強い風、しかも横殴り。
「きゃーっ!?」
「シエルー!」
庭の目の前の街道らしき道をハーピー種らしき人影が一瞬で横切り、その彼氏らしき人間が必死にそれを追いかけて行った。
…………………………。
「…OK、ソピア!絶対に手ぇ離すな!!チビっ子!出るな、ポケット入れ!!それかしっかり縁掴んでろ!!」
「はいッ!」
「あい。」
さっき戻って本当に良かった…!白衣でもあって良かった…!!…よし、行こう。ここで怯んでても仕方ない。…つか、何で買い物一つでこんなにも覚悟しなくちゃならんのだ…。まぁ、とりあえず…………。
「よし、Go!」
庭の芝生の間を一気に駆け抜け、出口の扉を軽く踏み込んで飛び越えるッ!そしてッ!レンガで作られた街道に着地ッ!この間約15秒!ドヤァッ!
「おにいちゃんすごーい!」
「伊達に年食ってませんから。」
「ねーねーもっかい、もっかいやって?」
やです。疲れるしお向かいさんが怪しい目でめっちゃ見てるし。…見ないで…ちょっと今までのストレスを発散したかっただけなんだ…。
「さ、行こ行こ。商店街はどっちだ?」
うん、何事も気にしてちゃ出来ないよね!死活問題だったんだし、セーフセーフ。
…にしても、本当にどっちだろうか。右も左も同じように家が立ち並んでいるだけ。下手に動くのも危ないしな…。
「ふんふーん♪」
お、ラッキー。あの人(魔物)に聞こう。
「あのー…。」
「ウホッ、いい男。」
「あ、すいませんナンデモナイデスサヨウナラ。」
相手がそれ以上のアクションを見せる前に直様左へ直進する。ヤバイヤバイ、あの魔物未婚だわ間違いねぇ。…ま、いいや。進んじまったら行くしかねぇやな。つか戻れば危ないし。主にあっしが。
「こっちに商店街があるに3000ペリカ!」
「ペリカ?…おにいちゃん、ペリカってなぁに?」
「ん?あぁ、ペリカって言うのはあっしの世界にあった本の中のお金の事。」
「ふぅん…。じゃあ、わたしもおにいちゃんといっしょにする!」
「うー!」
「はは、皆一緒じゃ賭けの意味ないなー。」
時折吹き荒ぶ突風に二人が飛んで行かないように気を付けつつ、アスファルトとはまた違うレンガの硬い感触を足で踏みしめて何処へなりと続いているだろう街道を歩いて行った。…まだ見ぬ発見を心のどこかで待ち侘びながら。
ーーーーーー
「…お、あれが商店街かな?」
街道をひた歩くこと約3分、前方から賑やかしい声が聞こえて来た。声のする方向に向かってみると、武器や野菜などと英語で書かれた看板が軒先にぶら下がっている。どうやらこっちで合ってたらしい。つか武器て。
「すごーい、おしろのまちみたい。」
「へー、城下街ってこんな賑わってんだ。」
「?えほんのなかのおしろのまちだよ?」
あ、そですか。完全な箱入り娘なのね…。
「あれ兄さん、ここいらで見掛けへん顔やなぁ。」
「へ?」
足を止めて声をかけられた方向に首を向けると、耳が生えている金色の髪を靡かせた着物姿の女性が少し先の店先に立っていた。耳の形からして妖狐か稲荷かな…?まぁワーウルフではないよな、尻尾四本あるし。
「あっしですか?」
「せやせや、頭に小っちゃい子乗したあんさんの事や。最近引っ越して来はったん?」
「そ、そう言う訳じゃないんですけど…。」
「あれ、それは失礼したわぁ。まぁ立ち話も何やさかい、うっとこの店でのんびりしておくれやす。」
「え、あ、ちょ…。」
そう言って、稲荷か妖狐っぽい女性は今立っていた店の中へさっさと入っていってしまった。…ぼ、ぼったくりバーとかじゃないよな?入ったら最後、搾り切るまで出されないとかそんなのやだぞ?
「?兄さん、どうしはったん?」
「い、いえ…あの…。」
「安心しぃ。取って喰うたりなんやせえへんよし。休憩や思てゆっくりしはって。」
「…パパ?」
「…は、入ってみるか。悪い人じゃなさそうだし…。」
ま、大丈夫…だよな?
13/08/20 15:03更新 / 一文字@目指せ月3
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