異isora空
綺麗な月だったのを覚えている
不思議な世界だった
水底を泳いでいる様な
天底を飛んでいる様な
月がふわふわと舞っている
幾つもの蒼い月が
夢の世界
夢の…
夢…
…
異isora空
こぽ…
私の口から泡が零れた
ああ
そうだった
私はここで生きてるんだった
「ようやくお目覚め?イソラちゃん。 相変わらず辛気臭い顔をしてるのね」
優雅な尾ひれで円を描くように泳ぐ彼女
美しい薄紅色の身体が通るたび白い泡が霧を作り彼女の鱗が反した光を受けて薄桃に輝く
辛気臭くは無いよ
残念ながら私はあなたの様に騒がしくなれないだけだよ
「ふふ。本当は羨ましいくせに」
安心して それは無い
あなたの様に生きていたら確かに悩みなんて浮かばないでしょうけどね
「あんたの悩みはいつになったら晴れるのかしら?それとも何で悩んでいるのかも分からなくなってしまった?」
本当にあなたは鋭いね
そんな事ばかり云ってるといつか私の様に友達をなくすよ
「安心して。あんたよりはずっと多いから」
そう…だったね
「はぁ。暗い暗い。ほんっと暗い。可愛い顔が台無しっ」
え?
愉快なメロウは肩を透かしたように拗ねたように言うと
私の腕を引っ張り仄暗い水底から太陽の光が乱れ反る水面へと泳ぎ出した
ちょっと、トゥナ どこにいくの?
「漁よ。好みの人間の1匹や2匹見つけてパァ〜っとやれば悩みなんて忘れられるわ」
ちょ… そんないきなり
「何?今さらそんなオボコみたいな事を云うの?あんた、ネレイスなんだから男の味もよく知ってるんでしょ?」
それはそうだけども…
そう 私はネレイス
人間の男と交わり、その精を得ねば生きていけない
そういう生き物なのだ
しかし私はネレイスの中では異端だ
私は昔人間だった らしい
“らしい” というのは 私は人間だった頃の事を何一つ覚えていない
でも、私に親はいない
だからきっとそうなんだと思う
それと、私は“食事”で普通ならば感じるべき快感を得た事がない
それ故に食事に興味も持てず
餌の人間にもさして興味がない
そのせいで私は仲間内から変人扱いされている
彼女等の言う通りなのかもしれない
私は少しおかしい
私は産まれた時 ネレイスとして生まれた時から
言い知れぬ不安と
解決できない悩みを抱えている 気がする
しかし、その不安も悩みも 彼女 トゥナの言う通り
その正体すら分からず、たぶん この先もずっと拭えないものなんだ
そんな私にこんな風に親しくしてくれるトゥナも少し変っているのかもしれない
ありがと…ね
「…/// …そのセリフ、少し頬を赤らめて上目遣いでもう一回いってもらえる?」
…え、 やだキモチワルイ
トゥナは少し変だ
トゥナに連れて来られたのは人間の港町のある辺りだった
「ちっ ムサい男しか居ない…」
男を漁りに来たんじゃなかったの?
「違うわよ 知ってるでしょ?私が好きなのは幼女よ!」
…まだ、治って無かったの… その性癖
「治るわけないでしょ!幼女は正義よ!無垢で純粋で穢れ一つない心!ぷにぷにですべすべの肌!腕の中にすっぽりと納まるコンパクトなボディ!あれは神が与えた至高の美なのよ!(チラ)」
……ハッ Σ(゚д゚ )
まさかあなた、私を幼女のカテゴリに!?
「あら?今頃気づいた?」
ガクガクブルブル(((゚д゚ )))
「大丈夫よ。あんたは私の友達だもの」
ハッ!?
っていうか私はそのカテゴリに入れられる事を断固拒否する!
「へぇ〜 アンタ、身長は?」
…ぅ ひゃ、162センチ(足ヒレ含み)
「カップは?」
… と AAA(トリプルエー)
「うんうん」
な、なんだその笑顔は…
「別に〜 ちょっと再確認出来て嬉しかっただけ」
何の確認だ!
「私の愛の再確認」
Σ
ちょっとおなかいたくなったからかえる
「ふふ。冗談よ。ほんっとあんたって可愛いわよね。人間の男にもそう言われるでしょ?」
言われない 言われたくない
「そお?それはその男達に見る目がないのね」
それに、私は餌を摂りに行く時はこの姿で陸に上がるから(ボフン)
私はそう言ってトゥナの前で人間の姿に化けて見せる
これでも人間に化けるのは上手い方だと思っている
実際、この姿で迫れば餌達はまず間違いなく誘惑される
しかし…
「…………あれ?私のイソラはどこ?薄幸系美幼女イソラたんはどこにいったの?」
…ここだ!
「あら?ハジメマシテ 人間のお姉さん(ババア)。結婚の申し込みなら10年ぐらい前にお願いします」
私だ!イソラだ!
「ごめんなさい。私バストが80センチ後半もある様な女性には興味がないのよ」
人間の大人の女性に変化した私を見ると酷く興味が無さそうにするトゥナ
私は仕方なく変化を解くことにした
くぅぅぅぅぅ!! (ボフン)
むぅ…
「(キュピーン!)きゃわいいいいい!!!!!!!ちょ、もうだめ!もう一回むくれて!お願い!もう一回「むぅ」ってして!」
いやだぁぁぁぁ!!離れろ変態!
変化を解いた私に猛然と抱きついてくるトゥナを私は力一杯引きはがした。
「ハァハァ。イソラたんかぁいいよぉイソラたん」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりしますおことわりします
「ちっ」
まったく… そんなんだからあなたはずっと帽子が外れないんじゃないの?
「ふ… そんなこと 幼女への愛の前では些細な事ですよ(淑女(ロリコン)スマイル)」
ダメダコイツハヤクナントカシナイト
「ふふ。どお?まだ悩み事は残ってる?」
え?
「どお?」
………
どうもトゥナにはペースを崩される
ちら とトゥナを見る
にっこりと まるで女神の様な笑顔を浮かべたメロウがそこには居た
ふふ
そうだね
なんかあなたといると悩んでいるのが馬鹿らしくなるね
「そうよ。何で悩んでいるのか私は知らないし、知ろうとも思わない。でも、あんたかわいいんだから、幸せにならなきゃだめよ。良い男見つけて幸せになりなさいよ。じゃないと、私がいつかあんたを襲っちゃうわよ」
最後のは全力でお断りするけど、ありがとね
結局その日私は手近な漁師の男を誘惑して浅瀬の浜辺で食事を摂った
男が若く精に溢れていたのがよかったのか、トゥナとの会話で気が紛れた事がよかったのか
それとも単に最近食事を摂っていなかったからなのか
どちらにしても、久方ぶりに私の身体は満足したようだった
でも、相変わらず性交による快感が私の中に巻き起こる事は無かった
「俺じゃあんたを満足させられなかったか?」
いいえ、あなたはたぶんとっても上手
でも、私はこういう身体なの
「そうか…。あんたは不幸な女性だ。なんだったら俺があんたのその身体、治療してやろうか?」
ふふ 遠慮しておくわ
それにあなた、本当の私を知ったらきっと私に幻滅する
「そうかい。あんた、よくここで男を誘っているのか?」
どうして?
「誘い方が手慣れてたからな。でも、娼婦には見えない。あんたには不思議な魅力がある。まるで魔物みたいだ」
ふふ だったら大変ね
あなた今頃骨と皮になるまで搾り取られてるわ
「ははっ。そりゃそうだ」
あなた、いい人ね
「おうよ。抱いた女はけして泣かせはしないぜ」
ふふ ありがと
「あ、そうだ。あんた家はどこだ?」
え? そうね この海のどこか と言っておこうかしら?
「かぁ〜!流石だね、あんた」
どうもありがと
「まぁ、何にせよ 海に近いなら気をつけるこった」
え?どうして?
「近いうちに嵐が来る。たぶんとんでもなくでっけぇのが」
へぇ どうもありがと
食事の後の気だるい身体で私は男を見送り、トゥナの姿を探した
「あぁん!だめです、お姉さま!わたしなんだかおかしいの!」
「うふふ。イクのね。いいわよ。ほら、自分の気持ちに正直になって。力を抜いて」
「やっ、お姉さまの指、冷たくて ひゃぁう!」
「うふふ。私は人魚だもの。ほら、冷たくて気持ちいいでしょ?」
「だめ、変な声が出ちゃうぅ!」
「大丈夫よ。ここならだれにも聞こえないわ。それに、聞こえたとしてもあなたが変態さんだってバレちゃうだけよ。大したことじゃないわ」
「いや、いやぁぁぁぁぁ!!イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
トゥナはすぐに見つかった
トゥナに抱かれて痴態を繰り広げていた幼い少女はまだ性も知らぬ様な幼い外見だったが、まるで熟練の娼婦の様な艶やかな瞳で名残惜しそうにトゥナに別れを告げると岩場に置き去りにされたクマの刺繍がされたパンツの存在も忘れて走り去っていった
その少女の後ろ姿を満足げな笑顔で見送るトゥナはそのパンツを拾うと流れる様な動きでそれを懐に仕舞った
ジト…
「さて、戦利品も手に入ったことですし、帰ると致しますか(賢者スマイル)」
夢を見た
幾度となく繰り返し見る夢
先程まで壁の様な波が立っていた海はまるで黒曜石の床の様に滑らかに静まり
気がつけば風の音も無くなっていた
私は裏返った船にしがみつくのもやっとで
次第に腕から力が抜けて行った
死ぬ
そう感じたけど
疲れから来る脱力感は私に不思議な安らぎをくれた
私は仰向けに穏やかな水面に浮かんでいた
お月さまが綺麗
ここが嵐の真ん中だって言う事がウソみたいに綺麗な星空
そして、少しずつ足の方から水の中に沈んで行った
私は真っ白な見慣れぬ服を着ていて
その服が鉛の様に重くなって
私を海の底へと引っ張っていく
身体は蝋人形になってしまったみたいに動かなくって
どれくらい沈んだんだろう
息なんてとうに吐き切ってしまった
息できない筈なのに苦しくない
私の身体がグルンってひっくり返って
そして
私は真っ暗な海の底
そこにもう一つの空を見た
…異空
誰か
知らない人の声が聞こえる
…んだ
…そこには空が二つある別世界がある…
…っと君も にいる…
…空と海 異なる空が… …異空…
…て父上は た…
…心配 で… …そこは理想きょ って…
…から、あっちについたらきっと だよ… …くても、きっとまた…
…してるよ …
知らない人
でも、なんだかとても落ちつく声
今にも泣き出しそうで でも温かい声
私は泣きながら
そっか
これが もう一つの空
イソラ
…ソラ!イソラ!起きて!」
私はトゥナの声で目を覚ました
「イソラ。大変よ!すごい騒ぎになってる」
なに?どうしたの?
「嵐よ」
嵐?
「そう。すっごい嵐。それで大きな船がいくつもひっくり返っていっぱい人間が海に落ちてきたの」
なに?それでかわいい女の子でも見つけたの?
「いえ。それはまだ。 って、そうじゃなくて シービショップとかネレイス ううん この辺に居る魔物が全部その人間達を奪い合って大変な騒ぎになってるわ」
そう それは大変だね
「あ、ちょっと!良いのイソラ!?もしかしたらあんたの眼鏡に叶う男もいるかもしれないわよ!?」
いいよ 今のところお腹いっぱいだし
どうせ私は人を好きになる事なんてできないから
「んもう!」
トゥナは私を促しながらも近くを魔物たちが通り過ぎて行く度にそわそわしてる
きっと自分も早くそこへ向かって自分好みの女の子を探したいんだ
トゥナ ありがと
私の事は良いからトゥナも早く行っといでよ
「…もう。後悔しても知らないわよ!」
私はトゥナの姿を見送ると再び海草のベッドに横になった
次の日の朝
海は大変な事になっていた
陸から流れ込んだ泥のせいで水は濁ってるし
昨夜の騒ぎのせいで微かに海水の中に人間の精や魔物たちの愛液の臭いが漂っていた
ここの所毎日のように私の所に来ていたトゥナも昨夜にいい女の子を見つけられたのか昼前になっても姿を見なかった
私は沖の方に向かって泳ぎ出した
水は濁ってはいたけれど波は穏やかで一蹴り毎に身体は滑るように海の中を進んで行った
何気なしに泳ぎ出したつもりだったけど
私はそれが気持ちよくってすいすいと泳いで行った
どれくらい泳いだだろう
ちょっと前から海の水は澄んできて
私は仰向けになって海面を眺めながら泳いでいた
不思議な色を放つ海面は定まりの無い様々な模様を作りだして
嵐が掃除していった澄んだ空から落ちてくる太陽の光は私の泳いでいる場所よりももっと深くまでを明るく照らしてくれていた
私が身体を反転させ海の底を覗くと
魚達は光の強い海面へと集まって泳いでいくのが見えた
その鱗に光が反射してキラキラと暗い海の底に星空を作っていく
その中を大きな魚がゆっくりと泳いでいる姿はまるで空を飛ぶ船みたいで
そのまま私は泳ぎ続けた
次第に海は浅く明るくなってくる
きっと島が近くなってるんだ
私は一気に海面に向かって泳いで行った
ぷはぁ
海面に上がって息を吸う
穏やかな風が私の肺に入ってくる
それと同時に私の首にあるエラから水がピュッと噴き出て
穏やかな風が気持ちよかった
その風を目で追いかけて行くとその先に島が見えた
私の寝床の辺りからは見えない島だ
私はなんとなくそちらに向かって泳いでいく
遠浅の砂浜にはたくさんの木片が転がっていた
きっと昨日の嵐で打ち上げられた船の破片だろう
中には大昔に打ち上げられて風化して丸くなった木片もたくさんあった
それが少し物悲しく思った
私は陸に上がるために人間の姿になると砂浜に上がった
服は創らなかった
こんな所に人間がいるとは思えなかったから
濡れた肌を風がくすぐる
それがとても心地よかった
私はそのまま砂浜をぐるりと歩いて行った
特に何をするってわけでもなかった
でも、私はなんとなくそうしたかった
小さな島
1時間もしないうちに裏側まで来てしまった
ぴょん
と岩場を飛び越えて行く
裏側は岩場になっているらしかった
人間の住む陸地から離れているためか
裸足で歩いても足を切る様な物は落ちてなかった
目の前に大きな岩があったから私はその岩をよじ登った
そして、見つけた
それは人間の若い男だった
人間は動いていなかった
それでも必死に木片にしがみついて浅瀬の岩場に打ち上げられていた
死んでるのかな?
死んでるなら 死体は海に流してあげよう
きっと魚達が喜んで食べてくれる
私は大きな岩から飛び降りて人間が浮いている浅瀬の一番近くの岩にたどり着いた
あなた、生きてる?
「……」
返事がない
私は仕方なく浅瀬に降りて 人間の肩を揺すってみた
ねぇ、生きてる?
「……ズミ…」
いつもの海だったら波の音で消されてしまうような小さな声
でも、人間はまだ生きているみたいだった
どうしよっか
生きてる時のこと考えてなかった
仕方ないから私は人間の身体を抱えて陸に上がった
重い
いくら私が魔物だからって死んだように動かない人間はすごく重かった
その上人間の着ていた見慣れない服はたくさんの水を吸っていてそれが人間の重さを更に増やしていた
それにこの服 同じ形のを何枚も重ね着してる 変な服
ネレイスの姿になって島を泳いで回り込めば楽だったって気づいたのは人間を砂浜までおんぶしてきた後だった
人間の濡れた服を砂浜に広げて風で飛ばない様に石を錘にした
たぶんこれで乾くと思う
ここは温かいし たぶん風邪も引かない、と思う
私は大きな葉っぱが傘の様に広がった木の下に人間を寝かせると手だけネレイスに戻しておでこの上に乗せてあげた
ネレイスの私の身体は人間と違って体温が低い
でも人間の頭は力が入って無いせいでごろんって横を向いてしまう
仕方ないから私は砂の上に座ってその腿の上に人間の頭を乗せてあげた
膝枕っていうやつだ
そうしてると静かな寝息が聞こえてくる
それを聞いているとだんだん私も眠くなってきた
きっと昨日の夜いきなり起こされたせいだ
私は木の幹にもたれ掛かるとそのまま目を閉じた
――ふぁさ
ん…
肩に何か触れた感覚で目を覚ます
空は綺麗なオレンジ色に染まっていた
「あ、ごめん 起こしちゃった?」
ん…あれ?
あなた、目が覚めたんだ
身体を起こそうとすると肩にかかっていた物が滑り落ちた
それは人間の着ていた服だった
私はそれを拾うと
人間に手渡した
ありがと
「あ、いや…その ごめん。それあげるからそれ着てて」
え?
あ、そうか 私服着てなかったんだ
でも、あなたはいいの?
「大丈夫だよ ここは温かいし肌着一枚で大丈夫だよ」
そう言えば何枚も同じようなのを重ね着してたね
変わった服だね
「これは俺の故郷の民族衣装なんだ。って言うか、君の服はその…流されちゃったのかな? あ、いや。そんなことはいいか」
え?
「君、だよね?俺を助けてくれたのって。ありがとう」
いいよ。別に
「そんなわけにはいかないよ。君のおかげで俺は助かったんだ」
ここに流れ着いたのってあなただけ?
「…わからない。でもよかった。俺以外に君も流れついたみたいで。一人だったら心細かったよ。みんな妖怪達に連れていかれたのかな?」
ヨウカイ?
「あ、ごめん。こっちでは魔物って言うんだったね」
魔物…
私もそうなんだけど
そう言おうとして気がついた
私今人間の格好をしてるんだ
眠ってる間に変化を解いてた右手も人間の手になっていた
右手以外全身人間に化けてたから勝手に右手も化けちゃったんだ
それでこの人間は私も同じようにこの島に流れ着いた人間だと思い込んでるんだ
「とにかく良かったよ。あ、そうだ。魚、獲ってみたんだ。今焼くから待っててね。お腹すいてるでしょ?」
(ぐぅぅぅぅ〜)
そう言って鳴ったのは人間のお腹だった
あなたの方がお腹すいてるみたいだね
「うう… 恥ずかしいね」
私はネレイスだから魚なんて食べてもあんまり栄養にはならないんだけど
でも、せっかく焼いてくれたみたいだし 黙っていた
そうして見ている間に人間は乾いた木の板と棒を使ってあっという間に火を起こしてしまった
「はは。なんだか懐かしいな」
なにが?
「子供の頃、こうして川で獲った魚を焼いておやつにしてたんだ」
へぇ そうなんだ
あなた、器用なんだね
「そうでもないよ。他の子よりも下手だったからいっぱい練習したんだ。そしたらいつの間にか出来る様になってた」
へぇ 私も練習すればできるかな
「どうかな?あ、でも、俺の故郷にはアマっていう女の漁師も居るんだ」
へぇ
あなたも漁師なの?
「はは、俺は違うよ。俺は…ちょっと故郷に居たくなくてね。家を出てこの国に渡ってきたんだ」
へぇ
あなた、積極的なのね
私とは大違い
私がそう答えると人間は少しさみしそうな顔をした
「君は、よく似てるね」
え?誰に?
「俺の…幼馴染に」
へぇ
「本当によく似てる。目を覚ました時、アズミが生き返ったのかと思った」
アズミ?
「俺の幼馴染だよ。俺が元服して間もない頃にいなくなったけど」
ゲンプク?
「ああ、ごめん。えっと…そうだな。俺の国では15になると大人として認められるって言う風習があるんだ」
へぇ
「でも、その年に天災が相次いでね、アズミはトヨタマヒメに選ばれてしまった」
トヨタマヒメ?
「古くから俺の故郷にあった伝統…みたいなものかな。いわゆる生贄ってやつだよ。天災を鎮めるために、神様に町から処女を一人選んで海に流すんだ。そうすることで処女は海の神様に嫁いで天災を鎮めてもらうんだ」
不思議な事をするんだね
「………トヨタマヒメに選ばれる事は名誉な事なんだ。……アズミは神様に娶られたんだから」
ふぅん じゃあそのアズミさんは運が悪かったんだね いや、良かったのかな
「…………………」
人間は俯いたまま黙ってしまった
ああ
そっか
きっとこの人間はそのアズミさんの事が好きだったんだ
大丈夫だよ
きっと神様の所で元気にしてるよ
私は元気づけようと言ってみた
「…そう…だといいね」
人間は泣いているみたいだった
パチパチ
焚き火の音だけが鳴っていた
あのね、
「…?」
この辺の海には神様がいるの
「……」
それでね、神様は海で溺れている人を助けてくれるんだって
「え?」
神様に助けられた人間は海の中でも生活できるようになるんだ
その代わり陸に戻る事が出来なくなっちゃう
「……」
きっとアズミさんもそうやって海の神様に助けられたんだよ
でも、陸に戻れないから会えないだけなんだ
きっと
私も、そうやってネレイスになった
んだと思う
それは黙って置いた
「……ありがと」
いいよ
「…ふふ。ごめんね。あ、ほら、そろそろ食べごろだ」
そう言って人間はいい具合に焼けた串に刺さった魚を渡してくれた
人間の食べ物を食べるのは初めてじゃない
でもかじってみた魚の味はお世辞にもおいしいとは言えなかった
でも、悪い気はしなかった
「うん。なかなか美味しいね」
そうだね
「あ、そういえばまだ名前を聞いて無かったね。俺はアマネ」
私はイソラ
「イソラ……そうか、これも何かの縁だね」
ん?
「ううん。ごめんね。いい名前だね」
そう…
「うん。綺麗な名前だ」
夜になるとアマネは何処からか拾ってきた大きな布を広げてそれを砂浜に引いてくれた
「ごめんね、1枚しか見つから無くて 不安だったら僕はそっちで寝るよ」
なんで
「その…俺は男だから」
べつにいいよ いっしょで
そう答えたら アマネは顔を赤くして
「じゃ、ね、寝ようか」
うん
私達は同じ布の上に寝そべった
空は満天の星空だった
「あの…えっと いつ助けが来るか分からないけど、一緒に生き残ろうね」
え?あ、うん
「はは。ちょっと重かったかな?」
ううん
そうだね がんばろ
この島から陸地まで私ならたぶん数時間とかからない
でも、人間のアマネにはとても泳いでいける距離じゃない
陸地は水平線のずっと向こうだ
「大丈夫。俺は男だから。君を守るよ」
少し声が震えてた
そうか
アマネは怖いんだ
普通、人間だったらこんな状況 まず助からない
だから
大丈夫だよ
私もいるから
そう言ってアマネの手を握ってあげた
「……ありがと」
アマネはそう言うと私の手を握り返した
どうしてだろう
悪い気はしなかった
・・.°。・゜ ・・.°。・゜・・.°。・゜・・.°。・゜
・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°
落ちて行く
夢に
空に
あの日見たあの空に
クラゲの月
眠る魚達の鱗に反る月光の星々
落ちて行く落ちて行く
星々を通り過ぎて
月の流星群をくぐって
私は落ちて行く
空の奥深くへ
もうずっと落ちている
星は見えなくなった
月は陰ってきた
浅い空を見上げると
空と空の境界に銀色のカーテンが見えた
少しその色が懐かしくなった
あっちに行けば戻れるのかもしれない
でも
私はあっちで生きる事を許されてない
そうして
カーテンも見えなくなると
神様がいた
え?
海の娘?
そう…
神様がお母さんになってくれるんだ
大丈夫
あれ?
私、どうして泣いてるんだろう?
うん
お母さんのお腹の中はとても気持ちがいい
でも、私おかしいの
どうしてかな
涙がね
止まらないんだ
サァァァ…….
まぶしい
起き上がって
あ、そうか
私 あのまま眠っちゃったんだ
隣を見ると アマネ
まだ眠ってた
お日さまは随分高かった
きっととても疲れてたんだね
どうしよう
このままここにアマネを残して帰ろうかな
でも きっと
そんな事したらアマネは死んじゃう
人間って弱いから
起き上がる
するっ
アマネからもらった服 肌蹴る
もう 邪魔だな
ちら とアマネを見る
あ、そっか
私はアマネを残して砂浜から出た
海の中
長い海草を千切って
ざばっ
出来た
あれ?
海草のベルトはすぐにほどけてしまう
力を入れて縛ると ぶちって音がして切れちゃった
ん〜
あっ
砂浜の向こうに見える森の木に絡みついてたツタが見えた
それを千切って縛ると服はヒラヒラしなくなった
ずるずる
腰から引きずってた余分なツタは千切って捨てた
うん
これでよし
さて、どうしよう
アマネ 起きない
何もする事無いなぁ
食べちゃおうかな
でも、一昨日食べたし
そんなにお腹すいてない
ふと足元を見ると
さっき捨てた海草
あ、そうだ
いひひ
そぉ〜っと
そっと
ぴた
「ひやぁぁぁ!!」
あ、起きた
「あ?え?あ、イソラ。おはよう」
それっ
ピタ
「ひやぁぁ!!」
くすくす
「ちょっと、わっ!やめて、なんかぬるぬるしてる!」
くすくす
「もう…。…っ!! わっ!イソラ…」
ん?どうしたの?
アマネ 急に顔を赤くして
クルって後ろ向いて
どうしたの?アマネ
「き、着物。透けてるよ」
あ、ほんとだ
服がベタって肌に張り付いてた
まぁ、気にしないで
すぐ乾くよ
「気にしないでって…。あ、そうだ。食べ物を探しに行こう。イソラ、ちょっと森に行ってくるよ」
じゃあ私も行く
「い、イソラは待っててよ。危ないから」
一人でいてもつまんないよ
「いいから!」
アマネは大きな声で言うと
逃げるみたいに森に入っていった
なんか悪い事したかな?
あっ
そうか
アマネはきっと した事無いんだ
だから恥ずかしがってるんだ
くすくす
アマネ かわいいな
背もちっちゃいし
髪も長いし 顔も街の男たちと違って女の子みたい
私が本気で誘ったらどうなるかな?
くすくす
私はアマネの入っていった森へ
アマネを追い掛けて行った
あ
みつけた
アマネ
低い木の陰に隠れてじっと何かを見てるみたいだった
くすくす
こっちに気づいてない
脅かしてあげよう
3
2
1
…
わっ!
「っ!!?」
――ギィィィィッ!
え?
「イソラっ!」
――ドッ
鈍い音がして
大きな猪が倒れた
びっくりした…
私は力が抜けてその場にへたり込んだ
「はぁ…。 ビックリしたのはこっちだよ!」
私の声にびっくりした猪が私の方に走ってきた
その瞬間
アマネがなんかしたみたいだった
そして猪は目を回して倒れちゃった
…アマネ、強いんだね
「まぁ、これでも一応武士…だったし」
ブシ?
「あ、えっと…そうだな。こっちで言うと騎士、みたいなもの?かな?」
へぇ〜
アマネ、ナイト様なんだ
「ん〜…なんか違う気もするけど。まぁ、似たようなもの…かな? ほら、立てる?」
あ、ありがと
アマネが手を差し伸べてくれる
その手を取って
アマネに引き上げられ
――ズルッ
「わぁ!」
キャッ
――ドシッ
いたた
「大丈…ぅ……」
私の下敷きになってしまったアマネが私を見て
また顔を赤くした
あ、おっぱいこぼれてた
アマネからもらった服が肌蹴て
私のおっぱいがでちゃってた
「ちょ…ぁぅ…ごめん!」
アマネは私をどけて走って逃げてしまった
くすくす
アマネ 本当に初心なんだから
砂浜に戻ってきた
う〜ん
アマネ 逃げちゃった
つまんないなぁ
あ そうだ
昨日アマネがやってたみたいに火を熾してみる
ギシギシ
キュコキュコ
う〜
だめだ 煙は出るけど
火なんて熾きない
もうっ
えいっ
魔法で火を熾した
パチパチ
焚き火は出来上がった
でも
またやる事無くなっちゃった
早くアマネ帰ってこないかな
パチパチ
焚き火を見てる
ぼぉ〜
パチパチ
モクモク
……
パチパチ
…
――ジューー!
っ!!?
大きな音でビックリして目を覚ました
「あ、ごめん。起こしちゃった?でも、もうすぐ出来上がるからね」
あれ?真っ暗
もう夜?
「ふふ。よく寝てたから」
――ジュー!
アマネが焚き火から木の棒を使って取りだした石をアマネが作ったらしい木の器に入ったスープに入れると大きな音がしてスープが煮立った
「一煮立ちしたら出来上がりだよ」
焚き火から少し離れた所にある平らな岩の上には昼間の猪のお肉と黒曜石で出来たナイフが置いてあった
「今日は大物が獲れたからね。干し肉にすればしばらくは食べ物に困らなさそうだ」
わぁ〜 良い匂い
アマネお手製の木の鍋から良い匂いが漂ってくる
アマネ すごいね
「はは。これも子供の頃、友達から教わったんだ」
アマネの故郷の?
「うん。この大陸の裏側にある島国なんだけど、自然の豊かないいところだよ」
へぇ〜 行ってみたいかも
「ふふ。そうだね。早くこの島から出て大陸についたら一緒に行こう」
うん
アマネが作ってくれた猪の肉と木の実や野草のスープはとってもおいしかった
「水、いる?」
ありがと
んくんく…
アマネがくれた水は味のしない真水だった
「森の奥に小さな湖があったんだ。良かった。これでしばらくはもちそうだね」
ん? 水なら海はすぐそこにあるよ?
「はは。海水はしょっぱすぎてとても飲めないよ」
あ そうか
人間は真水が無いと生きていけないんだ
ほんっと、人間って不便な生き物
「よし、明日からイカダを作ろう」
イカダ?
「うん。小さな船だよ。上手く行けば陸に着けるかもしれない」
ん〜
もう少し沖に出ると潮の流れが速い所があるからたぶん無理だと思うよ
「え?そうなの?」
うん
「そっか。じゃあ船が通りかかるのを待たなきゃだめか…」
うん
その方がいいと思う
「イソラ、この海に詳しいんだね」
そりゃあ この海に住んでるからね
「港町?」
あ そっか
えっと…そんなところ かな?
その夜も2人で一緒に寝た
アマネが枯れた草とかを拾ってきて式布の下に引いてくれたから
少しふかふかしてる
それでも海の中よりは寝心地が悪い
まぁ、仕方ないか
ん?何してるの?
「ああ。昨日の夜、沢山虫に刺されちゃったからね。行った事の無い土地の虫には良くない病気を持ってるやつもいるからね。虫よけに聞く薬草を取ってきて干しておいたんだ。後はこれを固めて火をつければ…」
緑の草の塊から白い煙が出てきた
不思議な臭いのする煙だ
煙は寝床の四隅から真っ黒な空に向かって真っすぐに上がっていく
高く登った煙は上空の風で揺らいで消えて行く
「あ、そうだ。明日から狼煙を上げよう」
ノロシ?
「うん。煙をたくさん炊くんだ。そうすれば遠くからでもよく見える」
お〜
「きっと近くを通りかかった船が見つけて助けてくれる。 きっと…」
…アマネ、怖いの?
「大丈夫…じゃ、ないかな… 確かに、怖い」
そっか…
「でも、イソラがいてくれたおかげでずいぶんと気は楽だよ」
そっか
「あ、でも…その…。イソラはもう少し、恥じらいを持った方がいいと思う」
え?
「これでも俺は男なんだから」
私に欲情したの?
「ぶっ! ちょっと。そう言う事ももっと歯に衣被せようよ…」
ふふ ごめん
アマネかわいいから つい、からかいたくなっちゃう
「もう… 大陸の女の子は皆そうなの?」
どう?
「えっと…その…。俺の故郷のジパングでは女性は奥手で淑やかな人が好まれるんだ。まぁ、魔物とかはすっごく積極的だけど」
ん〜 私も魔物だしなぁ〜
「え!?」
うふふ 冗談だよ
「もう… でも。それだったら少し安心したかな」
え?
「俺のいた村にも妖怪の女の人はいたけど、その人が言うにはさ、大陸の魔物はジパングの魔物よりずっと怖いって聞いてたからさ」
へぇ〜
「でね、海にも魔物がいて、海に落ちた男を攫って食べちゃうって言ってたんだ。だから、海に落ちた時はもうダメだと思ったよ」
うふふ 私が攫っちゃったからね
「ふふ。イソラは人間だよ。だって、こんなに優しいんだもの」
アマネを騙して 油断した所を食べちゃうのかも
「はは。それだったら俺が眠ってる間にとっくに食べられちゃってるよ」
きっと今はお腹がすいてないんだね
今日もいっぱいアマネの作ってくれたスープを食べたし
「あはは。だったら毎日たくさんご飯を作らなきゃね」
そうだよ
私お腹がすいたら アマネの事一口でぺろって食べちゃうからね
「おお、それは怖い。 でも、きっと大丈夫だ」
え? なんで?
「イソラが魔物だったとしても、きっと俺の事、殺して食べたりはしないと思う」
む…
アマネ、私の事 舐めてるね
「え?」
もう怒った
食べてやる!
私は隣で眠っていたアマネにのしかかった
「わっ!ちょっと!」
アマネの事食べてやる!
「ぎゃ!ちょっと、あたってる!イソラ、当たってるよ!」
当ててるの
ほら、昼間も私のおっぱい見て欲情してたんでしょ
「やめて!イソラ そんなことされたら」
――ピクン
あ、アマネのおちんちん大きくなってる
くすくす
アマネ、大きくなった
「ひゃ!ちょっと、だめだよ触っちゃ!」
くすくす
アマネ、おちんちんはおっきいんだね
「やめて!イソラ。我慢できなくなっちゃう!」
じゃあ我慢しなくてもいいよ
いただきま〜す
「あっ!だめだよ!汚い!」
汚くなんてないよ
アマネのだもん
ふふ
ぴくぴくしてる
かわいい
あむ…
「ぎゃあ!やめて、冗談じゃ済まなくなるよ!」
冗談でこんな事しないよ
ぺろぺろ
あむあむ
「うぅ…だめだ。我慢…できない」
だから しなくていいんだよ
私は不思議と今まで感じた事のない興奮を感じていた
他のネレイス達と違って私にとって性行為は単なる食事でしかなかった
人間達が食べ物を食べて興奮しないのと一緒で
私は行為の最中でも疲れた事こそあっても
快感や興奮を覚えた事は無かった
それでも行為が行えるよう秘部が濡れたりするのはネレイスの身体を持っているからこそだった
でも、今はなんか違う
楽しい
気持ちいい
アマネが歯を食いしばって快感に耐えている
その顔を見てゾクゾクとした興奮が湧きおこる
不思議
自分でもよく分からないけど アマネとしたい
そう思う
はむあむ
ちゅぱ…くちゅ…
「くぅ…いそ…らぁ…」
ふふ。男でもそんな声が出るんだ
とってもかわいいよ アマネ
「やめて…イソラ…くあぁっ!」
やだ
くちゅくちゅ
あむ ちゅぅぅぅ
「ひやぁぁぁ!やめて、だめだ…でるぅ…!」
いいよ
出して
私の口の中に出して
ちゅぅぅぅぅぅ
かりっ
「っ!あぁぁぁぁぁ!!」
カリ首を少し噛んであげたらアマネは私の口の中に精を吹きだした
んく こく…
っ!?
――ビクンビクっ…
え?なに?今の…
目の前、真っ白に…
ふぇ?
あれ?力が抜け…
「はぁ…はぁ… イソラが、イソラが悪いんだ…ゴメン もう、俺、我慢出来ない」
ゴロンって
アマネが私の上に乗って
すごい
今出したばっかりなのに もうギンギン
そういえば他のネレイスが言ってた
ジパングの男はおちんちんはちっちゃいけど、みんな絶倫だって…
…ごく
欲しい
アマネの 欲しい
…きて
「イソラ!」
アマネが入ってきた
ひあぁぁっ!?!?
何これ!?
こんなの知らない
身体が勝手にびくびくって
なにこれ?
これが気持ちいいって言う事?
すごい
こんなの
ずっと欲しいって思っちゃう
くひぃ
にゃにこれぇぇぇ!?
「ふふ。今度は俺の番だよ」
ひゃぁぁぅ!
あんっ だめっ えっ
「ん…く… イソ…ラ かわいい…」
くひゃ やっ だめっ
気持ちいい
きもちいいよぉ
だめ、こんなの
おかしくなっちゃう
「くぅ…イソラの中…別の生き物みたいだ…くっ……」
やっ あんっ あぁ あうぅ
気持ちいい
気持ちいい
すごい
すごいよぉ
こんなの
こんなセックスなら
毎日ほしくなっちゃうよぉ
やっ くる? なにこれぇ!?
なんかきちゃうよぉぉ!!
「くぁっ!」
――ビクビクビクぅ!
私の身体がしびれたみたいになって跳ねまわる
まるで自分の身体じゃなくなったみたいに
頭の中も真っ白
何も考えられない
ほしいよ…
もっと欲しい…
「ふふ。イソラ。自分から誘ったくせに」
はぁ…はぁ…
だって、こんなに気持ちいいって…思わなくってぇ…
「よかった。イソラも初めてだったんだね」
し、ちがうよぉ…
「ふふ。嘘ついてもだめだよ」
――ジュプッ
ひあぁっ!!
アマネのが
一気に奥まで入ってくる
おかしい
アマネよりもずっと大きくてすごいのも入れた事あるのに
アマネの
そんなのよりずっとずっと気持ちいい
きもちいいよぉ…
もっとしてぇ
「くっ!さっきよりキツく…。う…」
――ズジュ
あぁっ
アマネのが出て行く
私の中も一緒に引っ張られるみたいに
だめ、もっときて
「くぅ…あっ!ぅ…」
――ズン
ひゃはぁぁぁっ!
ひぃ!
いいよぉ!
「くっ…もっと、はやく…するよ?」
うん
うんっ!
一突き一突き
私の中にアマネのが入る度
私の身体
敏感になっていく
だめ
このままじゃきっと真っ白になっちゃう
空っぽになっちゃうよぉ
「うぅ!イソラの中、誘ってるみたいだ。くぅ…」
――ギュプジュプ
いいっ!
もっとぉ!
はひぃぃぃ!
いいよぉ〜
すごい
気持ちいい
ああ
もっと上の所も
「ここかっ?うっ!」
ひゃひぃぃ!
そこ
そこすごいぃ!
さっきから何度も何度もイってる
イった事も初めてなのに
気づいたら
私自分で胸もいじってた
こんなのおかしい
自分でしても感じたことなんてない
なのに今はこんなに気持ちいい
「くぅっ!もうダメだ…出る」
出して
いっぱいだしてぇ
「くあぁぁぁぁあああ!」
ひあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああん!!
――ビュクンビュクン!
あひっ!
あついぃ…
きもちいいよぉ…
真っ白の頭の中
目を開いてるのに
何も見えない
アマネの熱い精液が私の奥に流れてくるのが分かる
アマネの精が触れた所が全部クリトリスになったみたいに敏感になって
――ビクンビクン
私、馬鹿みたいにイキまくってた
気持ちいい
これが…セックスなんだ
ぼやって
真っ白だった視界が晴れて
アマネの優しい笑顔が見えた
アマネぇ
「イソラ」
ほろっ
ふぇ?
「イソラ?」
あれ?なんでかな?
「イソラ…いや、だった?」
ううん
違うの
すっごく気持ちよかった
すっごく嬉しかった
なのに
なんでかな?
涙が
ぐすっ
「イソラ……」
きゅっ て
アマネが抱きしめてくれた
あったかい
アマネの臭いが私を包む
嬉しい
温かい
なんだかとっても懐かしい気がする
「きっと、怖かったんだよ。俺だって怖いんだ。なのにイソラ。優しくて、明るくて。きっと無理してたんだね」
ちがう…よぉ…
…ぅ…ぇぐ…
私は魔物だもの
ネレイスだもの
怖いはずない
でも
どうしてかな
アマネから離れたくない
ずっとずっとこうやって抱きしめててほしい
アマネから離れるのが怖いよぉ
「大丈夫だよ。俺はずっとイソラの傍にいるよ」
うん
ずっといて
いっしょにいて
「イソラ…」
…くすん
ねぇ
「ん?」
私、本当に魔物だったらどうする?
「…くす」
…笑わないでよ
「ふふ。ごめんね。 大丈夫。イソラが魔物でも、きっと俺はイソラの事嫌いにならないよ」
ありがと…
その夜
昨日と変わらない綺麗な星空の夜
昨日と違って裸のまま抱き合って二人で眠る
アマネが着物を広げて掛けてくれた
アマネと触れ合ってる所がとっても温かくって
そこから私の中まで
温かいのが広がっていって
頭ボォってなるぐらい
でも、ちっとも嫌じゃなかった
すごく 嬉しかった
・・.°。・゜ ・・.°。・゜・・.°。・゜・・.°。・゜
・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°
ふわふわしてる
雲の上見たい
いつもの暗くて寒い空じゃない
すぅって下りて行って
アマネが見えた
優しい笑顔で何か喋ってる
でも
アマネ いつもより小さい
子供見たい
あ、そうか
これは子供の頃のアマネだ
隣に女の子がいる
アマネみたいな
黒くてきれいな髪
小さくて細い肩
背も子供のアマネより少し小さいくらい
小さな後ろ姿
アマネに何か話しかけてる
声は聞こえないけど
二人
仲良さそう
ちょっと悔しい
私は昨日アマネに会ったばかりだから
二人はずっと前から一緒だったみたい
ザァァァ って
雨が降り出した
あれ?アマネも女の子も少し大きくなってる
女の子 ネレイスの姿の私と同じくらいの背格好
え?
アマネ
悲しそうな顔してる
涙を我慢するみたいに
女の子に話しかけて
女の子も肩を揺すって
泣いてるみたい
もっと近づこう
――ザァァァァ
「アズミ…」
アズミ…
アマネの幼馴染って言ってた子だ
「…父上に聞いたよ。あっちはとてもいいところだって。異空。そう、異空っていうんだ。海の神様が住む所。そこには空が二つある別世界があるんだ。とっても綺麗な所なんだって。きっと君も気にいるよ。空と海の底、異なる空があって、それを異空って言うんだって父上は言ってたよ。神様はその二つの空に挟まれた楽園に住んでるんだ。君もそこに住むんだ。心配しないで。そこは理想郷だって言ってた。きっとこんな貧しい村よりもずっとずっといいところだよ。だから、あっちについたらきっと幸せになれるよ。それに、どんなに遠くても、きっとまた会える。人は死んだら海に帰っていくんだ。だから俺はきっとアズミに会いに行くよ。それで、海の中で、神様のもとで一緒に幸せになるんだ。だから、泣かないで。好きだよ。愛してるよ。アズミ」
え?
この声…
この言葉…
私
知ってる
どうして?
ほろっ
え?
どうして?
涙?
あれ?
私 泣いてるの
あれ?
違う
泣いてるの
私じゃない
アズミ
ふわって
私の身体
アズミの身体に吸い込まれて
「くす…うぅ…でも、でも…あっちにはアマネがいない」
アマネがいない所に行っても
「私はちっとも幸せなんかじゃないよ」
お願い
「アマネ…」
言えない
言えないよ
アマネは武士の子だもん
私と一緒に逃げてなんて言えない
あれ?どうして私そんな事知って…
「アズミ。ずっとずっと。愛してるよ。どこに居ても。ずっと」
アマネ…
「うん。私も」
毎日、海からアマネの事を想うよ
「絶対に忘れないから」
大好きだよ
「アマネ」
離れてく
私の身体
アズミの中から離れて行く
――バシャァッ
がぼぼ…
うっ
あれ?
ここ
海の中?
あ
黒い海
異空
空に沈んでいく
海の星が私の後ろに流れ落ちて行く
あ
神様
神様の中 様神すで嫌
あたたかい のいたり戻にうこ向、私
きもちいい のいた居に傍のネマア
解けて行く いなくたき行
消えて行く いなくたれ忘
私は は私
生まれ変わる いなくたに死
・・.°。・゜゚・・.°。・゜・・.°。・゜・・.°。・゜
・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°
・・.°。・゜ ・・.°
・゚・。゚
・
;
私は
私は…誰…だっけ
何かとても大切な思いを失くした気がする
でも
なんだっけ
わぁ…
きれい…
まるで空みたい
…異空…
イソラ…
綺麗な響き
そうだ
これを私の名前にしよう
私は
イソラ
空虚な空
・・.°。・゜ ・・.°。・゜・・.°。・゜・・.°。・゜
・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°
くす…くすん…
……うぅ…ひぐ…ふえぇ……
鳴き声が聞こえる
女の子の声
どこかで聞いた事のある声
どうしたの?
アマネに会いたいよ…
女の子と話して分かった
この子の声 私とそっくりなんだ
だから分かったんだ
あなたはとても似てるね
私に
うん
ねぇ 私と一緒に来ない?
いいの?
うん
私はアマネの事が好き
あなたも、そうなんでしょ?
うん 大好き
なら、きっと私達
一緒に生きていけるよ
アズミ
・・.°。・゜ ・・.°。・゜・・.°。・゜・・.°。・゜
・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°・゜°
目を覚ました
汗
びっしょり
全力で泳いだみたいに
息
乱れて
まだ頭の中ぐるぐるしてる
アズミの事を思い出した
アズミが私の中に融けていくの
そっか
私、ずっとずっと昔から
アマネの事、こんなに好きだったんだ
うん
あの時のアマネ とっても可愛かった
でも、今でも十分かわいいよ
うん
そうだね…
空は灰色だった
今にも雨が降りそう
アマネ
居ない
アマネの着物も無くなってる
また、食べ物取りに行ったのかな?
探してみよう
アマネに私の事
アズミの事
教えてあげたらどんな顔するかな
あ
私が魔物になったって知って傷ついちゃうかな
黙ってた方がいいのかな
え?
うん
そうだね
アマネは…
『大丈夫。イソラが魔物でも、きっと俺はイソラの事嫌いにならないよ』
そうだ
アマネはそう言ってくれた
うん
正直に話そう
魔物の姿で
ネレイスの姿で
それで嫌われちゃっても
きっと
きっと後悔はしない
きっと
大丈夫だから
アマネ〜〜!
森の中でアマネの名前を呼ぶ
どこ〜?
昨日よりも暗い森の中
不安が大きくなる
アマネは
ううん
きっと大丈夫
大丈夫
アマネは
…
見つけた
え!?
アマネ!
アマネっ!
どうしたの!?
アマネは居た
森の中で
倒れてた
アマネ!
「あ…イソラ。 あれ?俺はどうして寝てたんだろ…」
熱い
アマネの身体がすごく熱い
アマネ、どうしたの?
すごく熱いよ?
「ぅ…頭が痛い……風邪…引いたかな……」
アマネ!
アマネっ!!!
アマネは起きない
どうして?
どうして?
『昨日の夜、沢山虫に刺されちゃったからね。行った事の無い土地の虫には良くない病気を持ってるやつもいるからね』
あ…
そうか
魔物の私は大丈夫だったけど
アマネは人間だから
うそ
何で人間ってこんなに弱いの?
虫に刺されたくらいで何でこんなに…
とにかく、早く安全な場所で
静かな場所で眠らせないと
その時
嫌な音が空から降ってきた
――ざぁぁぁぁ
どうしてこんな時に
私は雨を防げるような所を探して森の中を走る
アマネを抱えた腕が痛くなってくる
でも、
そんな事言ってられない
だめだ
早くどこか…
そうだ
街に行けば
街には人間のお医者さんだっている
でも…
ううん
今はそんな事言ってられない
それしかないんだ
私は海へ走って行く
アマネの身体を抱えたまま海に飛び込む
そしてネレイスの姿に戻って
冷たかった海の水が心地好く感じるようになる
アマネに触れている肌が火傷しそうに熱く感じる
熱い
――トクン トクン
触れ合う身体からアマネの鼓動が聞こえる
アマネはまだ生きようとしてるんだ
急がなくちゃ
私は全速力で泳ぎ始めた
でも、水の中で息の出来ないアマネを抱えているから水面を泳ぐことになる
風が吹いてきた
波が高くて思うように進まない
だめ
こんなんじゃとても間に合わない
でも
行くしかない
アマネ
死なないで
アマネ
好きだよ
愛してるよ
私も
アズミも
どっちもアマネの事が大好きなんだよ
だから
死なせない
きっと
絶対
陸が見えてきた
もうすぐだよ
アマネ
…アマネ?
泳ぐのに一生懸命で
気づかなかった
アマネの身体
冷たくなってきてた
だめ!
ダメだよアマネ!
もうすぐだよ
私、生きてたんだよ!
姿は変わってしまったけど
あなたの為に生きてたんだよ!
あなたのせいでネレイスに成りきれないでいたんだよ?
ずっとずっとあなたの事
だから死なないで!
一緒に幸せになるんでしょ!?
――トクン……トクン
アマネの命の音
小さくなってく
やだ!
やだよ!
アマネ!
また私を一人にするの?
アマネが居ないせいで私ずっと寂しかった!
ずっと不安だった!
もうあんなの嫌だよ!
アマネ!
いやだ…
嫌…だよぅ…
…アマネ
――トク…… ……
アマネを抱きしめたまま
私達の身体
海の中に沈んで行った
真っ暗な海の底へ
その時
え?
かみ…さま?
え
助けて くれるの?
うん
うんっ!
いい!
それでもいい!
アマネが人間じゃなくなっても
アマネが生きてるならそれでいいの!
お願いします!
アマネを
アマネを助けて!
俺は
雨の中
立ちつくしていた
アズミは
神輿の船の上
櫂も舵もない船の上で
俺は
その後を追う事が出来なかった
アズミの決意を知っていたから
アズミが俺の事を想って何も言わずにいてくれている事を知っていたから
俺は
アズミを
見殺しにしたんだ
あの嵐の中
放り出された海の上
俺はそのまま死のうと思った
きっと海で死ねばアズミの所へ行けるって
でも
その時声が聞こえた
気が したんだ
アズミの声だった
「死なないで。すぐに会いに行くから」
そう言われた気がした
だから
俺は生き残った
そして
彼女に出会った
アズミとそっくりな魔物
イソラに
彼女が魔物だと気づいたのは目を覚ましてすぐだった
彼女の手が
人間の物とは明らかに違っていたから
俺がその手に触れると
彼女の手はすぅっと人間のそれになった
その後
彼女が人間だと思っているふりをしたのは何でなのか
自分でも分からなかった
でも
魔物だからといって彼女を嫌う事なんて出来なかった
彼女は
あまりにもアズミに似ていたから
きっとアズミが生きていて
成長していればこうなっていた
イソラはまさにアズミの生き写しだった
だから
アズミとイソラが別人だと思っても
彼女が迫ってきた時に
それを拒む事が出来なかった
あの時の様に
俺が家を出たのは父上が俺に結婚相手を連れてきたからだ
俺は何度も結婚などする気はないと言った
しかし世間体を気にする父上は言って聞かなかった
そして、その相手も俺に 家に取り入ろうと迫ってきた
俺はその女の身体を押しのけて拒んだ
そして、そのまま家を出てきた
そのまま国を出た
イソラと身体を交えて感じた
きっとイソラはアズミの生まれ変わりなんだって
いや
そう言って逃げたかったのかもしれない
でも
イソラの事を嫌いにはなれなかったんだ
いや
好きになってしまったんだ
イソラがアズミの生まれ変わりかどうか
人間かどうか
そんなことなんてどうでもいい
俺はイソラが好きだ
アズミの事も好きだ
比べる事なんてできない
俺は
俺は
ダメな男 なんだろうか
『大丈夫だよ』
え?
『アズミは、私は、アマネの事ダメだなんて思わないよ』
でも、俺は
俺はアズミの事、見殺しにしたんだ
『そんな事無いよ』
『私、分かってるよ。アマネ、辛かったんでしょ』
ああ
苦しかった
ずっとずっと 辛かった
俺のせいでアズミは死んでしまったんだ
俺があの時、家を捨ててでもアズミを追い掛けていれば
『大丈夫だよ。私は死んでない』
『ずっと、アマネと一緒だよ』
「う…あれ?ここは…」
アマネが目を覚ました
アマネ…あまねぇっ!
「え?アズミ?」
うん
そうだよ
でもね、今はイソラっていうの
「え?」
私ね、思い出したの
私 アズミだったの
それで、神様に助けられて
イソラになったの
「…イソラ。縮んでる…」
ふふ
アズミとそっくりでしょ?
これはね アズミとして死んだ時の姿
私はネレイスになったけど
それでも
私の中のアズミは死にたくないって思い続けてた
そのせいで私は何年もずっと姿が変わらず
あの時の
死んだ時の姿のまんまだった
人間に化けた時の姿
あれは、私の中のイソラの姿
生まれ変わって
大きくなった私の姿
「じゃあ…やっぱり」
うん
アマネ
愛してる
「アズミ」
今は イソラって呼んで
「うん。わかったよ。イソラ」
ねぇ
私が魔物でも いいの?
「うん。俺は、知ってたんだ。イソラが魔物だって」
え…
「騙すつもりじゃなかったんだ。自分でも分からないけど。たぶんアズミを、イソラを、魔物だからって線を引いて接したくなかったんだと思う」
嬉しい…
「イソラ。アズミ。愛してる。どんな姿になっても。ずっと、ずっと」
うん
私も
えっと…
あと…
ねぇ
「ん?」
私も謝らなくちゃいけない事があるの
「え?」
私 神様に頼んで
アマネの事
人間じゃなくしてもらったの
「あ、それで水の中なのに息が…」
でね…
その為には、儀式がいるの
「え?」
まわり…見てみて
「ん? …えぇ?えぇぇぇ!?」
アマネが周りを見て驚きの声を上げる
そして、アマネが私の中に入ってるってことにも気づいて2重で驚く
「イソラ…やっと幸せになったのね。くすんくすん。私の知らない所で大人になっちゃったのね。すんすん…。でも、私はあんたの事(体型)が大好きよ☆!(淑女スマイル)」
「あぁんおねぇさま。あたしのことは?ねぇねぇ?」
「僕の事は…」
トゥナが夫になった少年とその双子の姉でネレイスになった少女に囲まれながら祝福してくれている
正直彼女には儀式が終わるまでは知られたくなかった
でも、流石にメロウの情報網は早い…
「ちょっと、イソラ?何?これ…」
こういう儀式なんだよ
あ 恥ずかしいからって抜いちゃだめだよ
こうやって私の魔力を注ぎ込んでアマネの身体を作り変えてるんだから
「う…。ぅ…イソラの中、あの時よりずっと狭い…」
ふふ
この姿なら私も本気を出せるからね
今度は私がアマネの事泣かせちゃうぐらい感じさせてあげるからね
「あわわ。ちょっと待ってください。祝詞もお願いしますよぅ」
儀式を執り行うシー・ビショップがあわあわと言う
私とアマネはそれを無視して身体を交えた
「アズミ、ずっとずっと愛してた。イソラ、ずっとずっと愛してる。これからずっと、いっしょにいよう」
うんっ
私達は海の中の空にいる
そこから見上げる
もう一つの空を
その二つの空は
分かれているように見えて
決して切り離す事が出来ない物
鏡に映る像の様に
二つはきっと同じ物
だから離れていても
必ず一つになる
空を見上げながら空を泳ぐ
空を見下ろしながら空を飛ぶ
夢の様な世界で
あなたを見つける
異isora空 fin
12/04/07 10:06更新 / ひつじ