悪魔が口づけてくる
暖かな感触
そして、柔らかな舌が私の舌に絡みついてくる
熱い

「ん。ちゅ…。安心して。力を抜いて」
「あ…あ…ぁ…」

顎に力が入らない
気持ちいい
こんな…
口づけだけで…
ぴったりと付けた唇から
そして絡み合う熱い舌から
この美しすぎる悪魔から
私の中に膨大な量の魔力が注がれてくるのがわかる
死んでいたはずの体の感覚がまるで産まれるように再生していく
痛みなどは感じず、ただただ私という器に暖かなお湯が注がれていくように
冬の日にニアが作ってくれたチョコラテのように
胸から暖かさが広がって
指先までがぼぅっと熱く…

「そうよ。素直になって。私に。そして自分に…」
「あぁ……う……」

呆けた口からは言葉が出ない
ただ、悪魔が私の心を読み取ったかのように微笑み

――きゅ

抱きしめられた
あたたかい
やわらかい

気が付くと
私は動くようになったばかりの腕で、必死に悪魔にしがみついていた

――ぽろぽろ

涙が流れ落ちる
嫌な涙ではない
これは
私の喜びの涙
私の全てが受け止めてもらえた
その喜びに対する涙

「貴女の強さも優しさも。ぜんぶ私に分けて。私も、私の全部をあなたに分けてあげる」
「うん。欲しい。私もほしい…」

まるで幼子のような言葉
でも
私の心だった
これが
これが魔物の王の力なのか
私なんかが…
敵うはずがない
だからこそ、すべてを預けられる
だからこそ、すべてを曝け出せる
私は

――ちゅ

自分から悪魔に口づけた

――んちゅ…あむ……ん……

甘い
とろけそうなキス
暖かく温かく
私が融けていく

「今度は、あなたが私を受け入れて」
「うん…」

悪魔がささやきかける
天使のような声で
私は、嫌がる気持ちさえ起きなかった

――くちゅ

「ぁん…」
「大丈夫。痛くないから。きっととっても気持ちいいから」
「うん……」

私のそこに何かが触れる
熱い

――ずぷ

悪魔の尻尾
熱い思いが
入ってくる…

「んあぁ…」

――ちゅ
――んん…あむ……くちゅ…

唇
ついばむ様に
舌を絡ませて
熱い
甘い
唇から繋がる

――つぅ…

銀色の糸が

――つぷ

千切れて

「あぁぁぁ！」

身体の奥を雷が撃ったような快感が駆け巡る

「あ…あぁ……」

でも、それがじんわり温かく

「いい？動くよ？」
「うん…うん…」

私よりも一回り小さな体
でも、私は幼子のように彼女に抱き着いて

「んあっ！……あぁん！」

彼女の芽が私のそこに擦れて痺れる
熱い彼女の思いが私の膣内でのたうち

――…じゅく…じゅむ…

「ふあぁぁ…だ、めぇ………」
「んぁ…大丈夫よ。はぁ……ちゃんと感じてぇ。これが私の思い。あなたへの想い」

気持ちいい
全てが変わっていくような
全てがダメになってしまうような

「んはぁ…あん……」

これが魔に堕ちる感覚
これが魔に変わる快感
こんなの…

「だめぇ…きもちぃ…」

抗えもしない

「綺麗なおっぱい。真っ白な肌に、桃色。ふふ…れろ…。あむ…」
「ひ、ひゃぁぁぁん！…それ、だめぇ……」
「感じて。もっと…もっと……」

擦れあう肌
すべすべの彼女の肌

「ちゅぷ…あむ…ちゅぅぅ」
「んはぁぁ！」

吸い付かれる
彼女の舌が躍る
私の胸

「あぁん。しっぽ、気持ちいいよぉ…。あなたの中、とっても熱くて、とろとろで、とってもえっち…」
「やぁ、言わないで…んあぁぁ」

広がってくる
おへその奥から
彼女が呼びかける
だめ
でも
もう…

「あぁぁぁ！もうだめぇ、出ちゃう。んんっ…出す…出すよぉ！」
「だめ、だめぇぇぇぇ！！！」

――ビュク

大きく脈打って

「んはぁ「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！」」

重なる
声





私は
堕とされた






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「はぁ…はぁ……」

彼女が焦点の合わない目で必死に私を見据えてくれる
黒曜石のような瞳
濁りひとつない心
愛しい
愛しい、愛しい
これが人間

その人間が

――ドクン

今

――ビク、ビクッ

生まれ変わる

「ん、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

――ビクンビクン

彼女の身体が嬉しそうに跳ねる
白い肌が玉のような汗を流して
薄く桃色に色づいていく

――しょわぁ

透明な飛沫がそこからこぼれ出て
まるでお母さんが破水したみたい

「い、いやだ！私は…んあぁぁ！きもちいい。だめ…でもぉ…うあぁぁぁ！！」

私を見つめていた黒い瞳が、透き通るように紅くなって
彼女の美しい体が、目の前で縮んでいく
長くしなやかな手足が細くてかわいく
おまんこに生えていた黒い艶やかな毛も抜け落ちてすべすべとした柔らかそうなすじに
すっかり小さくなった足は形を変えていく

「や、ひゃぁぁぁ！あぁぁぁん！」

凛々しく私たちに笑いかけていたその声が
可愛らしく幼いものになっていく

「らめぇぇ！やだ、やらぁぁぁぁ！きもちいいよぉぉ！！！」

綺麗なおっぱいもきれいな形のまま平らに

「んはぁぁ！や、腕が…んあぁぁ！足もぉぉぉ！？！？」

小さくてかわいい真っ白な手足が絹糸のように細く滑らかな黒い毛に覆われていく

――ふわふわ

ふふ
子猫の肌みたい
あ、ふさふさの尻尾も…

「やぁ、しゃわるなぁ…」

――ぴくん
――ふぁさ　ふぁさっ

私から逃げるみたいに
長くて柔らかな毛が私の手をくすぐる
ふふ。なんてかわいいのかしら

「や、も…らめぇ………」

耳の上から生えてきた柔らかい角
大きく曲がって頭の上に
彼女の強さが形になったみたいな
太くて大きくて空に向かった硬い角
その下でピクピク動く大きくて可愛い耳

「んっ…指ぃ…」

ふさふさの毛皮に覆われた小さな足
そこから大きくて真珠色をした蹄が生えて足の形も変わっていく
ふふ
可愛いおててもふっくら大きくなって
ピンクの肉球が付いた三本指に

「ふふふ。かわいいバフォメットちゃんになったね…」
「あ…あぁ……」

気持ち良すぎてぼぉ〜っとしてる
少し眠そうにした紅い目
プルンとした小さなお口を

――ちゅ

「んぁ…あらひぃ…ろうなっらのぉ……」
「大丈夫よ。ちゃんとかわいいバフォメットちゃんになれたわ。ふふ。向こうのあんまりかわいくないバフォちゃんもきっと羨ましがるわ」
「そ…かぁ…」

可愛い女の子が
少し悲しそうに
でも、

「ふふ…」
「え？」
「そうか。わらひはばふぉめっとになったのか」

何故か嬉しそうに笑った
私も嬉しくて笑った
私の愛する人が
私の愛する人間が
可愛い笑顔で笑ってくれた

「あぁ…」

私の心に今まで感じたことがないくらいの満足感
そして体の中から暖かい気持ちが広がった
もっと
もっと人間を愛したい
こんなに素敵な人間たちを
もっと感じたい

彼女と一緒に
私も生まれ変わった気がした

■作者メッセージ
かわいいなぁ〜もう
どっちも抱きしめたい

はい
黒い勇者さんが黒いバフォメットさんになりました
角の形があんまりヤギっぽくないバフォメットさんになりましたよ
描写はされてませんが、髪型は武士娘っぽく前髪は切り揃って、少し隙の入ってる感じですね。
もみあげもエラ下ぐらいで切り揃ってて少し前にハネ気味のクセがついてます
後ろ髪は肩より少し長い感じのセミロングで、全体的に髪量は多めで髪を解くとふわっと横に広がる感じです
可愛くない方のバフォさんは図鑑のバフォさんまんまです
ツンテールのリリムさんは人間で言うと14,5歳ぐらいの見た目で年齢は20歳、おっぱいは大きくもなく小さくもなくで、どちらかというとスレンダーです
顔は童顔で大きなツリ目が特徴です

図鑑の挿絵じゃ見えないんですが、バフォ様って肉球あるのかな？
あるといいなぁ〜って思って書きました