読切小説
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〜クッキンバフォドル〜ワシだってやれるんじゃ☆
「さー兄様、今度こそちゃんとお昼の時間じゃ。」

『ああそうだな、しかしどんだけ楽しみにしてたんだよ。出発前、現地到着、それから何回飯にしようとした?』

「18回なのじゃ!」エヘン

『威張るんじゃありません』

「そんなことよりもうお腹ペコペコなーのーじゃー、はーやーくーたーべーたーいーのーじゃー!!!!」ジタバタ

『はいはいわかりました、ではここでお昼にしましょう。これで満足か?』

「うむ、じゃさっそく食べるのじゃ!ぐふふふふ、見て驚くでないぞよ、ワシお手製の[すぺしゃるべんとぅー]なのじゃほうれぃっ☆」



メニュー

おにぎり(梅)(鮭)(昆布)
卵焼き
目玉焼き
ウインナー


『 』(普通だ、しかも卵がダブってる)

「ん、どうした兄様?嬉しくて言葉も出ないのであろうか?」

『・・・ん、あ・・・ああ。あまりの衝撃にだ・・・な・・・・。』

「そうであろうそうであろう♪まあとにかく見てるだけでは腹も膨れんから食べることにするのじゃ☆」

『じゃあ・・・まあ・・・いただきます・・・』

「ゆっくりめしあがってね!」





『・・・』もぐもぐ

「・・・」ニコニコ

『バフォ様よ・・・』

「バフォイッ!!」

『目玉焼きを作る時はな、ある程度白身が固まったら水を入れてフライパンに蓋をして蒸すと黄身にも熱が行き渡っていい感じなるんだよ・・・。』

「そうなのじゃ?」

『これは強火で焼いただけで黄身が半熟なのはいいが白身が焼きすぎてだな・・・』

「・・・これは、兄様にはおいしくなかったのじゃ?」

『そりゃおめえ・・・』

「・・・・」ウルウル

『や・・・焼けてカリっとなった白身は美味いに決まってるだろう・・・』

「よかったのじゃー☆」

『・・・・』



『さて次はおにぎりでも・・・』

「それには梅が入ってるのじゃー」

『・・・・』もぐ・・・もぐ・・・

「どうなのじゃお味は?」

『梅ねえ・・・、一般的にはおにぎりに入れる梅は砂糖漬けにしたものではなく塩に漬けたもののほうが好ましいのだが・・・』

「おいしくなかったのかじゃぁ・・・」ジワ

『・・・・』
『これは・・・これはこれで美味しいと思うのが居るだろうからその視点でみれば美味しいと思うぞ・・・』

「うわーいなのじゃー☆」



『さて次のおにぎりは・・・と』

「それは鮭おにぎりなのじゃー」

『・・・・・・』もぐ…

『サーモンだな・・・』

「そうなのじゃー鮭なのじゃー☆」

『・・・・これならおにぎりの具ではなくカルパッチョで食べてもうまいだろうな』

「!」
「ならば今日の夕食はサーモンカルパッチョにするのじゃー☆」

『・・・・・』




『次はウインナー・・・』

「ハムエッセンのをさ〜〜〜〜っとボイルしてみたのじゃ」

『・・・・・・・・』もにゅ・・・もにゅ・・・

『こんなヘルシーなのは初めてだが丁寧に切れ目が入ってるな・・・』

「さすがに慣れてる鎌以外の刃物は使いが難しかったのじゃー」

『刃物の扱いは十分注意するようにな・・・』

「バフォイッ!」

『危ないから次からは切れ目無しで茹でようね』

「そうするのじゃー」

(油と旨味も抜けないしな・・・)




『・・・・・卵焼き』もぐ・・・・・・・・・・・・・・もぐ・・・・・・・・・・

「ワシの一番の自信作なのじゃ☆」

『いい感じに焼けていて卵本来の味が100%していて実によろしい』

「えへへへ・・・//」

『プレーンな味だけではなく砂糖や醤油、だし汁・バター・生クリーム等も混ぜて焼くのもいいだろう』

「次からやってみるのじゃー」

『・・・・・』





『ラスおにぎり・・・・』

「昆布なのじゃー」

『・・・・・・・・』もぐ・・・・バリッ・・・・

「実は梅の果肉もついてて梅昆布なのじゃ☆」

『                                      乾物ェ・・・』
















「あー今日はホントに楽しかったのじゃー☆」

『・・・・・』

「また機会があったら行こうぞな、兄様?」

『あ、ああ・・・・・また行こうな・・・・・』

「ふわああぁぁ・・・・今日は朝早かったからもう眠いのじゃ・・・すまんがワシはもう寝るでな、おやすみなのじゃ兄様」

『ああ・・・おやすみ』
















『おいちゃん開いてる?』

「へいらっしゃい!」

『ラーメン1丁・・・』

「へい!・・・・・・・・・・・・はいよっ、ラーメンお待ち!」

『・・・・・』ズズッ

「〜♪〜〜♪」

『・・・・・』ジワッ

「!?お、お、お客さん!いったいどうしやした!?なに泣いてるんで・・・」

『うめえ・・・うめえよ、おっちゃん・・・・・』ポタポタ

「いやあ、泣きながら美味しいだなんてそんなこと言われたの初めてでさあ…」

『おっちゃん・・・・俺、頑張る』

「くぅ〜っ、なにがあったか知りやせんが兄さん頑張っておくんなせえ。そのラーメンはアッシの奢りにしやしょう!」

『俺・・・頑張る。がんばるよおれ・・・・ガンバルカラ・・・・・オレ・・・・・』

11/02/02 23:53更新 / 羽村コ〜ジ

■作者メッセージ
携帯の奥に眠りし駄作が発掘された

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