連載小説
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 俺とイヴが出会ったあの年。
 あれから十年の月日が流れた。
 イヴがテンタクルという魔物娘に成長した日に、俺もインキュバスとなっていた。触手植物状態のイヴも多少の魔力を持っていたみたいで、魔物娘に変わったのと同時に俺もインキュバスに引き上げられたらしい。
 だから、あれだけ激しい交わりをした後でも全然平気だった。お互いどっちのものかわからないほどの粘液や汁塗れになったが、感じるのは充足感と多幸感のみ。
「はぁ、すごかった……次はどんな感じでする?」
「次はここを犯してくれませんか? ご主人様の太くて硬いオチンポでオナホのように」
「……どこでオナホなんて言葉覚えたの?」
「内緒です♪」
 なんて一緒に寝ながらもう次のセックス内容について話し合うくらいだったからな。
 満足感はある。だけど、好きな人ともっとシたい。そんな飽くなき快楽を一緒に求め合う。それが魔物なんだと知った。
 本当にイヴと結ばれて良かったと、過去のことを思い出しては何度も思う。あのとき、種を育てずに捨ててしまっていたらと思うと……いや考えたくもないな。
 何はともあれ、あれから十年ほど。俺とイヴはいまも一緒にいる。取り巻く環境はかなり激変したけれど。
 まず、魔物娘の存在が世の中に完全に認知された。
 大規模術式とやらひとまずは成功したものの、掛かり切らなかった者もいたらしい。それに影響されてか、改変された記憶を取り戻す者も現れたそうだ。
 だけど、混乱はほとんど起きなかった。もうすでに魔物娘は浸透しきり、その存在がどれほど有益か否が応でも知ってしまっていたのだ。俺みたいに。
 綺麗だし、器量よしだし、最高のお嫁さんだ。女の人だって人間の頃よりも遥かに美人になれて、好きな人と結ばれやすくなる。
 さらには根本的な魔力の性質のおかげで世界の貧困は減少しつつあるそうだ。というかアンデッドの魔物娘もいるので、既存の死生観が完璧に崩されていた。そうでなくとも色々と世界規模で根回ししていたそうなので、混乱は起きなかった。
 俺たちとしてはもう隠れてこそこそする必要がなくなったので諸手を挙げて喜んだ。
 実は母さんがサキュバスになっていたことが、イヴが魔物娘になってすぐ判明したので、家ではすでに声を出しまくりのセックスになってたけど。
 どうやら以前飲ませてあげた蜜。あれに魔力が含まれていたため、サキュバスになってしまっていたそうだ。夜よく出かけていたのもラブホテルに行くためだったかららしい。大人は狡い。
 そんなこんなで俺とイヴの周りの環境も変わって過ごしやすくなった。周りの目を気にせずたっぷりとデートとセックスを楽しむことができるようになったのが一番大きい変化だろう。
 一応、高校は出たけど、進学はせずそのままキサラギの伝手で魔物娘の経営する会社でしばらく働いた。そして二年ほど前に結婚式を挙げると同時に退職し、俺とイヴはいまある公園にいる。

『触手の森公園』

 そう名付けられたこの公園は、俺とイヴが初めて一緒に出掛けたあの寂れた公園だった。
 そこはいま、イヴの前身であるテンタクル・ブレインやその他多種多様な触手が生息する日本初の触手の森となっている。
 鬱蒼とした木々と見紛う大きな触手が蠢いていて、少し中に入ればもう陽の光もほとんど届かない妖しげで淫靡な魔力の光が灯る世界となる。
 ここは俺とイヴが様々な人に協力してもらって作った森だ。
 最初の提案はイヴ。あちらの世界にある本場の触手の森をこちらにも作りたい、自分のように他の触手の娘たちにも、最愛の人を見つけて欲しいという想いからだった。
 なかなか突拍子もない提案だったけど、俺とイヴのように他の娘たちも良い出会いをして欲しいという想いは同じだった。
 でもやはり難しいかと思ったけど、とりあえずは予算も考えずにイヴの構想に色々と肉付けして、やりたいことできそうなことを練ってみた。企画の方向性は触手との恋愛。
 で、刑部狸のキサラギに相談してみたら速攻面白いと言われて、援助を申し出てくれた。
「資金面とかで援助する代わりなんすけど、お二人に公園の維持管理をお願いしたいっす。二人はテンタクル・ブレインと男性のカップルの理想みたいなものっすから。見本になってくださいっす」
 そうして仕事を続ける傍ら、キサラギの援助を受けて寂れた公園の土地を買い取り開拓。図鑑世界から持ち込んだものや、こちらで育てた触手植物たちを公園に植え、彼女たちの生息域敷地いっぱいに広げることにした。
 開拓の最中、魔力に影響されて色々な魔物娘が生まれたりと、なかなか面白い経験ができた。ドリアードなんかは森の精とやらが魔物娘化した存在だとか。こっちの世界にもそういう不思議な存在はいたということらしい。
 そうして彼女たちには開拓時のみならずいまでもお世話になっている。
 そんなこんなで結婚式を終えて退職したあと、俺たちは触手の森の入り口に建てた家で自営業を営むようになった。
 仕事は二つあって一つは触手の森の維持管理。とは言ってもそれはもう触手で公園内を満たした時点で完了している。彼女たちは賢いから公園の外に触手を出すこともないし、人間や魔物娘たちにも友好的で、放っておいても問題はない。
 もう一つの仕事の方が本業。触手の森に訪れた観光客に色々と紹介をする仕事。
 触手の良さを広めていく仕事だ。

「イヴー、森の調子はどう? 偏りは?」
「ちょっと待ってくださいね、あなた。えーっと。はい、北西地区の方にちょっと気性の荒い娘が集まってますね。激しくされたい人たちはそっちに案内するといいかもしれません。初めての人は南東地区方面の娘へ案内するといいと思います」
「了解」
 公園の地図が表示されたタブレットにタッチペンで打ち込んでいき、触手の森の状況を更新していく。
 触手たちにも異なる性格や、種類によって責めの質が異なるので、彼女たちの位置をテンタクル・ブレインを通じてイヴに教えてもらうのだ。どう会話しているのかはいまでもよくわかってないけど。
 ここは触手の森の入り口にある二階建ての一軒家。ドリアードとジャイアントアントの共同制作で建ててもらったもので、森に溶け込むような外観になっている。
 一階の半分は店になっていて、店の外に面する部分にカウンターを設けている。触手の森に入る客はだいたいこの前を通ることになる。
 図鑑世界の本場触手の森では、魔物のカップルが触手を交えた気持ちのいいセックスをするために訪れることがあるらしい。そこでは深部に行けば行くほど気性の荒い触手が生息するそうだが、ここはそこ程広くもなく、中心地点と呼べる場所もないので分布図が頻繁に変わってしまう。
 そこであちらの世界にはない付加価値を付けてみようと言うのがこの店と俺たち。
 常にイヴを通して彼女たち触手の動向を把握することで、カップルのニーズに合わせた触手の元へ案内することが可能となっている。触手のカタログなどもあって、好みの娘の元へピンポイントに案内もできる。
 図鑑世界の触手の森に比べて遥かに狭く、把握しやすい公園程度の広さだからこそ可能にできた。
「おはようございますー」
「お、いらっしゃい。早いね」
 やってきたのはサキュバスと男性のカップルだった。
「えへへ。今日はお仕事お休みなので朝から晩までたっぷり触手ちゃんたちと一緒に楽しもうかなって」
「俺もこいつもすっかり嵌っちまって。触手に絡まれてるときの膣の蠢きが半端なくていつもの倍くらい出たんっすよ」
「もう〜、言っちゃいやよー」
 まだ森の中に入ってもいないのに早速カウンター前でいちゃつく。最近では、週四くらいで通ってくれているお得意さんだ。
「あっ、おはようございますー」
「おはよう、イヴちゃん! メイド服っぽくしてるんだね、すごい似合ってる!」
「ありがとうございます! 稔さん好みのひらひらでいっぱいなんですよ」
 服と言っても触手の形状を変化させてそれっぽく見せたもので、イヴの身体そのものなんだけど。
「昔はご主人様ご主人様って呼ばれてたの思い出してさ。懐かしくなったんでイメチェンしてもらった」
「もう〜、そんな昔のこと言わないでくださいよ〜。恥ずかしいですから〜」
 ひらひらを揺らしながら、全身の触手をくねくねさせて、朱が差した両頬を両手の触手ブーケで覆い隠すイヴ。
 恥ずかしいという自覚あったんだな。いつの間にか、ご主人様から「あなた」か「稔さん」呼びに変わってたけど、そういうことか。
「えぇっと、こほん。それで今日はどうします?」
 惚気もほどほどにして仕事だ仕事。目の前の二人も早く楽しみたいだろうし。
「うーん、そうね、今日は最初から飛ばしちゃおうかしら?」
「そうだね。せっかくの休みだし、初挑戦、行ってみようか」
 二人は気性の荒い娘たちを選んだ。まぁ気性が荒いと言っても、別に危害は加えられない。ちょっと意識が失うまで気持ちよくなるだけだ。
 戻って来られないんじゃないかと思うくらいの快楽を、気絶してもなお味わわされるだけだ。
「じゃあ、案内用のはこの蜜っと」
 俺は脇の棚から親指くらいのサイズの小瓶を取り出す。
 これはイヴの体内で通常の蜜を特別に精製した蜜で、これを塗ることで目的の触手の元へ他の娘たちに阻まれることなく辿り着くことができる。
 ピンポイントで好みの娘に案内できるのはこれのおかげだ。
「他のものはどうしましょうか? 色々と効能のある蜜がありますよ」
「そうねぇ、感覚がすごく鋭くなるのとかあるかしら? 風が触れたくらいでイッちゃうようなの」
「はい。全身性感帯になるものや、ふふ、耳やおへそを犯されるとアソコくらい気持ちよくなっちゃうものもありますよ」
「「ソレも!」」
 二人仲良く即答だった。
 他には精力が増進するのと、身体中の汗や愛液などの体液が蜜のようにとろみがでて甘くなる蜜を購入していってくれた。両手で抱えなくてはならないほどの大瓶で。
 まぁローション代わりにも使えるし、飲まなくても肌に塗るだけで十分効果がある。触手を興奮させる作用のある蜜も渡したし、たっぷりと愉しんでいってくれることだろう。
 早朝はカップル客ばかりだった。この二年で触手の森もそこそこ有名になり、遠方から遥々来てくれる客もいる。
 ごくたまにだけど国外からも、さらには図鑑世界から来てくれる客もいる。それを飲めば必ず子供を授かれるという子宝宝樹の話も聞けたりしてなかなか有益だった。
「子宝宝樹ってどうやったらできるんだろうなぁ」
「どうやってできるんでしょうねぇ。イヴもこればかりはわかりません」
 昼食も終え、午後の仕事。朝の客入りと触手たちの分布図を更新しつつ、ふと呟く。
「あちらの世界は凄く広いみたいだけど、やっぱり相応の広さとか必要なのかな」
「見上げるほど大きい樹、のような触手の集合体ですからね」
 イヴがその光景を思い浮かべてか、蒼い空を見上げる。無意識か、側頭部の髪飾りの触手が手を伸ばしているようにも見えた。
 俺もイヴも絵ですら見たことがない子宝宝樹だけど、それはそれは圧巻なんだろうな。
「こっちでもできたらいいのになぁ。そしたら……」
 子供もできるのに。
 うん、十年ほど毎日何回もセックスをしているけど、なかなか俺たちは子宝を授かれずにいた。魔物が子供できにくいとは知っていたけど、まさかここまでとは。早く、イヴの孕んだ妊婦さん姿をみたいというのに。
「もう、あなた。鼻の下が伸びてますよ、ちゅっ」
「ん、ちゅっ、んちゅちゅ、ちゅぱっちゅっ、っぷは……いや、イヴの妊婦さん姿を妄想してたらさ。しかもメイド服」
 やばいエロすぎる。
「子宝宝樹があったらな。……待てよ、あっちの世界に行けば邪魔されることなく奥に行けるんじゃ……イヴなら触手に言うこと聞かせられるし」
「向こうの森の奥の触手さんたちはテンタクルのイヴでも言うことは聞かせられませんよ。ズルはめっ、です」
 残念無念。いっそ、奥に定住しようかと考えてみたのに。
「そんな子宝宝樹なんて使わなくても、あなたの逞しいオチンポを何度も突き挿しして孕ませてください」
「っ……」
 結婚してからますます、こう新妻というか人妻感の出てきたイヴの淫靡な流し目に、股間の膨らみが抑えられなくなる。俺の肩にしなだれかかって腕に絡みついてくる触手に、ますます情欲が刺激されて抑えが効かない。
「仕事中だけど、まぁヤりながらでいいか」
 業務中のセックスは日常茶飯事だ。客が来ても、見せつけながら接客するのもいつものこと。むしろ、お客にこれから自分がどうなるのかを見せつけられるので、実は評判が良かったり。
 それでも席を外さないといけない場合は、テンタクル・ブレインの中でもかなり知能が発達している娘に接客をお願いしている。
 その娘はもちろん喋られないけど、筆談ならできる。当時のイヴでもできなかったことをやってのける優秀な娘だ。
「さぁ、あなた。椅子に座ってくださいな。イヴが上からご奉仕させていただきますから」
 まぁそれでも俺にとっての最高は目の前のイヴだけだけど。
 メイドらしいご奉仕。イヴはスカートの裾を摘まんで、その中に蠢く無数の触手群を俺に見せつけた。
 そして俺の膝に圧し掛かり、スカートで俺の下半身を覆いつくした。ズボンのファスナーは一瞬で降ろされ、剥き出しにされたペニスに触手が襲い来る。竿に巻き付いてきたのはびっしりと吸盤が備わった触手。そして亀頭には厚い舌が数枚重なったような、肉厚で生暖かい触手だった。
「ふふ、ぺろぺろしちゃいますね。どうですか? 竿を吸い付かれながらオチンポの頭を舐めしゃぶられるのは」
「あぁ、最高だよ、イヴ……そこ、裏舐めてすじに沿って、いいっ」
「美味しい。裏筋から、お口までれろぉっと……ふふっ、まるで射精みたいにぴゅっぴゅって我慢汁たっぷり出ていますよ。射精、いつでもしてくださいね。イヴの触手のお口にどぴゅどぴゅってお漏らししてください。イヴはいつでもごくごく喉を鳴らして、あなたの精液をお飲みしますから」
「うあっ、イヴッ!」
「はあぁ出して、出してください、あなたっ! あなたの子種汁、イヴに飲ませてくださいっ! イヴの中にぶちまけてっ!」
 イヴの懇願とともに、舌触手が離れる。亀頭だけ解放された俺のペニスから、おびただしい量の精液が放たれるのを感じた。
 イヴのスカートの中の無数の触手群に浴びせるように吐き出したのだ。
「あぁ、広がっています。あなたの精液がイヴの中でぶちまけられて……ふふ、全部の触手に飲ませてくれるなんてさすがです……ちゅっ」
 舌を絡めてのキス。イヴの舌は気分によって触手のように長くもできるし、複数本にもできる。今回は喉奥にまで挿し込まれて蜜をたっぷり流し込まれた。
「ぷはっ、こっちもどうですか?」
「ちゅっ、れろっ、ちゅううううううっ」
「ああぁ、おっぱい吸われて、んんんっ、いっぱい蜜出ちゃっ、きゃんっ、んひっ、か、噛んじゃらめっ」
 甘噛みすればよりいっぱい蜜が出るのだから噛まない手はないだろう。
「もう、そんなことするいやらしい人には、一番奥のオマンコで……」
 イヴが本気で俺を攻めに来ようとしたタイミングだった。
「あ、あの……」
 カウンター越しの外から声をかけられた。しかし外を見たけど誰もいない。でも人の気配はする。もしやと思って、身体をカウンターに乗り上げてみると予想は的中した。
 少年がいた。それも小学生くらい、高学年に行くか行かないかの幼い少年が。
「こ、ここ、えっと、その、触手の森、ですよね?」
 上擦った声で緊張した面持ちの少年。なけなしの勇気を振り絞っているのがわかる。
 その言葉からここがどういうところなのかも理解しているのだろう。
 きっとここに対する興味が、羞恥を凌駕したのに違いない。
 俺とイヴは顔を向き合わせて笑った。俺たちがここに店を建てた理由がこれだ。
「イヴ、精通は?」
「はい、大丈夫なようです」
 魔物娘がやってきてから大人の身体という基準が変化した。精通を迎えているかどうかが、大人か子供かの違いになったのだ。
 なので男性はエッチなことは精通さえしていればしてもいい。魔物娘の女性に限って言えば、何歳であってもエッチなことをしてもいい。もちろん、双方の同意があることが大前提。
 ただしタバコやお酒は二十歳を越えてからというのは変わっていない。魔界産のものは特別な条件下では未成年でも使用してもいいことになっているが。
「いらっしゃい。そうだよ、ここが触手の森。今日はどんな用事があって来たのかな?」
「えっと、えっと」
 少年が興奮したように喉を鳴らした。ああ、堪らなくなっているんだな。わかるよ、その気持ち。性の近しくなった現代だからこそ、こんな小さな子でも、いや少年だからこそもう我慢ができなくなっているんだろう。
「しょ、触手さんと一緒になれるって聞いたんです! ぼくだけの、しょ、触手さんくださいっ!」
 頑張って絞り出した声に、胸がじんわりと熱くなる。
 ああ、イヴのあのときの提案は間違いじゃなかったとこの瞬間はいつも思う。
「いいよ。でもね、触手さんと一緒になる方法は色々あるんだ。中入って来て」
「う、うん」
 少年が店内に入ってくる。
 一階の半分が店となっているここ。カップルたちに目当ての触手へ案内するための蜜を売るだけの店ではない。
 店の中には幾つもの棚があって、そこには数えきれない種類の触手が鉢から伸びて並んでいた。他にも種々の効能があるイヴの蜜や、テンタクル・ブレインなどの触手を育てる上での解説書や育成アイテムなどがある。触手に関する様々なものを取り扱っている。
 そう。ここではテンタクル・ブレインを、触手に関する類のあらゆるものを取り扱っている。
 とはいえ、触手やその種自体に値段はなく、売るというよりは引き取ってもらうという形だが。お金がかかるのは鉢などの物品のみだ。
「わぁー……」
 当然、初めて見ると圧倒されることは間違いなしだろう。少年もぽかんと口を開けて店内に魅入っていた。触手たちを見て、目をキラキラさせて。
「将来有望そうです」
「だな」
 少年とテーブルを囲み、触手のカタログを見せつつ説明した。
 テンタクルを恋人にする方法は三種類ある。
 一番手っ取り早いのはもうテンタクルになっている娘を見つけること。とは言ってもそんな娘はだいたい夫を手に入れているので難しい。
 もう一つはテンタクル・ブレインと一緒になること。とても人懐っこい彼女たちだから、きっとすぐに打ち解けられる。
 そして最後は俺がイヴと一緒になったように、種から育てること。時間はかかるけど、その分じっくりと愛を育むことができる。
 どれも最終的にはラブラブになれるのでお好みで、という感じだ。この少年なら正直引く手数多だろう。こんな無垢そうな少年に触手の良さを教え込みたいと考えている娘たちなんて星の数ほどいるに違いない。
 まぁ、選択肢が多いが故にどれか一つを決めるというのはなかなか難しい。少年も例に漏れず悩んでいた。
 なので、店内のテンタクル・ブレインたちを見てもらうことにした。本場触手の森のテンタクル・ブレインから、品種改良されて触手の形状を幾分か変化させたものなど。成長度合いも色々と異なる。
 種の方には一応こう成長すると予想される絵があるが、育て方や精の与え方、なにより育て主の性的嗜好により容易く変わるので保証はできない。
 まぁ、この娘たちを見てもらって好みの娘を見つけるか、種から育てるか決めてもらおう。
 それまではカウンター傍で俺とイヴはゆっくりとしておく。見られながらだと決めにくいだろうし。
「あっ、おかえり」
 前を通りかかったのは、この店で働いてもらってるテンタクル・ブレインの娘だった。筆談ができるとても優秀な娘だ。
 形状は触手植物のときのイヴに近い。というのも、イヴが生んだ種から育った娘だからだ。ただ、単為生殖のようなもので俺の子供とは言わない。厳密にはイヴの子供というよりはもう一人のイヴ、もしくは姉妹のようなものだとか。
 いまの触手の森にもこのように、イヴの姉妹のテンタクル・ブレインが数えきれないほどいたりする。
 それで、この娘には俺たちが店にいるときは森を回ってもらって、現地でしかできない細かい調査をしてもらっている。
 性格はイヴよりもてきぱきとした感じ。そつなく仕事をこなしてくれる。大助かりなのだけども、早いところ好きな男性を見つけて欲しいところだった。
『…………?』
「ああ、新しいお客さんだよ。触手に興味があるんだって」
 なんでも少年は「のじゃロリ魔法少女バフォちゃん」でモブキャラが巨大暴走化した触手に犯されるシーンにとても興奮したのだとか。それで、隣町にこの公園があるとしてやってきたらしい。なかなかの行動力だ。
「あっ、あとでもいいけど、森の調査報告書まとめておいて」
 頷いて彼女は奥へ引っ込む。素直で良い子なんだけどな。ちょっと心配だ。最初期に生まれた他の娘があらかた男性と結ばれてるだけに。
 まぁテンタクル・ブレインの全部が全部、男性と結ばれることを望んでいるわけじゃないってのはわかっているけども。あくまで触手植物であって、魔物娘ではないし。
 ただあの娘はそうじゃないから。そうじゃないだけに心配であった。
「いらっしゃいませ。今日も同じのにしますか?」
 常連のお客さんがやってきてイヴが応対してくれる。
 ちなみに案内蜜や精力剤などの蜜一式はファミレス一食分よりも安い。まぁ、イヴと交わっていたら精製前の蜜がホルミルクのごとく溜まるので、手間賃みたいなものだ。公園への入園は誰でもいつでも可能なので、あくまで触手の森公園をより楽しむためのものとなっている。
 それでもこの二年間、業績はほぼ右肩上がりだ。それで嬉しいのはお金が入ってきているということよりも、触手の魔物娘と結ばれている人たちが増えていること、カップルたちが触手たちと楽しんでくれていることだった。
 触手たちの生きる糧は魔力。特に魔物娘と男性が交わった際に生じる魔力が最高らしい。俺たちと触手たちはいまウィンウィンの関係を築けている。これを俺とイヴは長く続けて、ゆくゆくは世界中に広がっていって欲しいと願っている。
 少し壮大すぎるかもしれないけど、別に俺たちが成し遂げるんじゃなくてもいい。ここに感化されて他の誰かがやってくれるのが、それで広がっていくのが、俺たちの理想だった。
「おっと」
 そんなことを考えてたらタッチペンを落としてしまった。転がったペンはカウンター下に落ちてしまう。
「拾いますよ」
「いいよ、自分で拾う」
 言うが早いか椅子から降りてカウンターの下に潜り込む。
「もう。イヴなら触手ですぐに取れますのに……きゃっ!?」
 ふふふ、わざわざイヴに手を借りなかったのはこっちが目的だ。
「もうあなたっ。お仕事中にスカートの中に潜り込むなんて……!」
「ダメだぞ、イヴ。きちんと接客しないとな。ほらもうすぐ来るぞ。くれぐれもバレないようにな」
 さっき少し遠くに客がこっちに来ているのが見えていた。くっくっく、メイドらしくご主人様の意地悪に付き合ってもらおう。
「こんにちは」
「こ、こんにちは、ここは初めてですか?」
 どうやら新規のお客だったらしい。好都合だ。
 触手の束を掻き分け、ついでにペニス型の触手をシコシコとしながら奥へ顔を突っ込んだ。イヴの奥の奥。触手の根本、つまり股の中央。そこに綺麗な桃色の割れ目があった。
 緑と濃紫と対比する充血した桃色の媚肉。媚肉全体から涎のように半透明の汁を滴らせて、甘酸っぱい雌の香りをこれでもかと漂わせている。
 男にとってこれ以上のごちそうはないと断言できる、イヴのオマンコ。ここがイヴが子供を孕むための入り口だった。
「えっと、この公園ではこのカタログ通り色々な触手があって、蜜を使用することでお好みの触手の元へ……んひっ!?」
 オマンコの割れ目に舌を這わせるとわかりやすくイヴが身体を跳ねさせる。ぷしゅぴぷしゅっと何度も愛液を噴き出していやらしい。
「ほ、他にも様々な効能がある媚薬入りの蜜もございまし……っっ!!」
 オマンコに舌を突っ込むとイヴは身体を痙攣させた。声を漏らさなかった辺り、口を手で塞いだな。とは言ってもこの反応は完全にイッている。お客さんは魔物娘のカップルだ。イヴがいまどういう状況に陥っているか完全に理解していることだろう。
 だからイヴの異変をまるで気にも留めずさらに接客を促してくる。ノリの良いお客さんでよかった。お礼に思う存分、イヴのイキ顔を見ていってもらおう。
 イヴのオマンコに指を突っ込みほじくり回す。三本一気に呑み込んで貪欲に吸い付いてくる。イヴのオマンコはまさに触手の集大成。
 吸い付き締め付け脈動流動蜜塗れに加えて熱々柔らか媚肉、精液を搾るために触手の全てをそこに集結させている。
 しかも形状を自由自在に変化でき、まるで柔らかい粘土に突っ込んだペニスをそのままこねくり回されるような未曽有の快感を味わえる。
 指ですらイッてしまいそうな気持ちよさ。挿入すれば待っているのは絶頂だけだ。
 まぁ今絶頂しまくっているのはイヴだけど。
「んっ、ぁっ、んひっ、は、はあぁ、こ、これぇで、しょ、触手さんのところに、いけ、いけましゅ」
 イヴがどんな顔をしているか容易に想像できる。
 羞恥と快楽が綯い交ぜになったイキ顔。魔物娘同士だから恥ずかしがる必要もないし、いつも見せているのだけど、こういうシチュエーションにしたせいかイヴは羞恥を感じてしまっているようだ。
 しかもバレていないと思っている。バレているなら我慢なんてしないで連続絶頂を繰り返していることだろう。
「あ、えっひょ、しょの……これを身体に塗って」
「こんな感じでしょうか?」
「んひぃ!?」
 お。イヴが感じた。もしかして、渡された蜜をお客さん、イヴに塗ったかな? ナイスアシストだ。オマンコの締め付けが一瞬かなりきつくなった。
「しょ、しょうれしゅ……お、おふたりの身体に塗ってぇ、んぎっ、森へいっへえぇ、いへええくらしゃいぃいい」
 もう限界だな。早く脇目も振らずイキたくて仕方ない声調になってる。
「わかりました。ありがとうございます。あっ、最後に」
 魔物娘のお客がイヴに言った。トドメの一言だった。
「オマンコ、いっぱい舐められたりほじられたりするの、気持ちいいですよね」
「っっっ!!」
 それは全てがバレていることを知らせる、イヴにとっては死刑宣告にも等しい言葉だったのだろう。
 イヴが抱く羞恥も何もかもが、全て快楽に塗り替えられるのをオマンコの収縮で悟った。
 完全に理性が振り切れたイヴに、俺の身体が触手全部で縛られ、顔面にオマンコを思い切り押し付けられる。
「おおおおっおおおおぉおおおおっおおおおっおおおおおおおお!!」
 獣の砲声とともに鉄砲雨のような愛液の蜜を俺の顔面に噴き付け、イヴは絶頂した。目の前のお客さんの目も憚らず、むしろ見せつけるように。
 そして俺は大量の雌臭に混じった蜜を飲まされ、ペニスが完全に臨戦態勢に移行した。さっきも少年が来たことで本番に至れなかったのだ。もう我慢なんてできない。
 スカートの中から這い出て、カウンターにイヴを押し倒し、背後からスカートをまくり上げる。犬のような後背位の体勢。お客さんはちょうどワーウルフのカップルだった。
「楽しんでいってくださいね。俺たちみたい、にっ!」
「んんぉおおおおっ! あ、あなたのオチンポぉ! オチンポいきなり子宮突いへえええ!?」
 お客さん二人とも我慢できなくなった表情で足早に触手の森へ入っていった。もうしばらくすれば二人の嬌声が響き渡ることだろう。
 触手の森では嬌声が止むことはない。森の中で葉擦れの音が止まないように。
 いまは俺たちもその一部になっている。
「はっ、はっ、イヴ! どう、だっ!? いいか? 俺はいいぞっ! お前の膣内、熱くてちゅうちゅう吸い付いて締め付けて、くぁっ、亀頭そんな風に舐められたら」
「いいんですっいいんですっ、あなたぁ! そうやってガンガン激しく突いてぇ! イヴの子宮ごりごり押しつぶしてぇ! んひぃい!!」
 イヴの針ほどの細さもない狭い膣を突きまくって柔らかい媚肉を堪能する。もうイヴのオマンコを味わって十年。飽きることもないし、締め付けが弱くなることもない。それどころか、こうやって犯す度にどんどん気持ちのいいオマンコに成長していっている。
 パンパンッと肉と肉がぶつかり合う饗宴。肉の棒と触手が絡みあい貪り合う俺たちの姿が、前を行く客たちに見られる。どれも羨望の眼差しばかり。これから自分が辿る姿を想起しているのだろうか。触手を犯す、もしくは犯される姿を想像しているのだろうか。
 ならそれは絶対に叶う。この場所は触手と触れ合える場所。犯し合える場所だから。
 イヴをこうして背後からオマンコ穴を犯して、またイヴに腰に触手を巻かれ犯させられているように。
「ほら、子供できたときのために乳搾りの練習しとかなきゃだなっ!」
「ああああっ、あなたっ、らめっいまおっぱい揉んじゃ、乳首摘まんじゃらめれしゅううぅ!」
 涙を流しながら突き出す舌に指を絡めて、イヴの口内に突っ込む。にゅるりとした熱いイヴの口の中。ペニスのように舐めしゃぶってくるイヴは、口で嫌がりつつも貪欲だ。
「こうやって子宮に、ねじ込まれながら乳首捻られるの好き、だろうっ!?」
「んひぁああっ、しょ、しょんにゃこりょおお」
「はぁはぁっ! 子宮の口こじ開けられて喜んで俺のペニス咥え込んでるじゃないか! きゅうきゅう締め付けて離したくないって下の口は言ってるぞ! ほら正直になれよっ、なったらもっと気持ちいいことしてやるからさっ!」
「おお、んひぃあ! 気持ちいいこと、気持ちいいこと、イヴしゅきぃ! しゅきぃぃ! 激しくされるのしゅきぃ! 乳首ひねりゃれてぇ! 口の中に指ちゅっこまれりゅのしゅきいい!」
「なんで好きなんだ!?」
「らってぇ! 使われたいんですもんっ、イヴはあなたに全部使われたいんでしゅう! オマンコもぉ触手もぉおっぱいもぉお口もぉ、この身体全部あなたのモノなのぉ! あなたの好きにされるのが好きなにょおおおっおっほおおおおぉっ!?」
 言いながら自分で興奮してオマンコの媚肉を隙間なくペニスに押し付けてくる。脈動して精液を啜るように真空状態の子宮で吸い付いてくる様はまさに魔性の穴。男を肉欲に狂わせる雌穴の権化だ。
「くぁっ! さすがにもう無理、我慢できないからなっ出すからなっ!」
「らしてぇらしてくらしゃいっ! イヴのオマンコ、あなたの子種汁でいっぱい満たして孕ませてぇ! あなたの赤ちゃん欲しいんれしゅうううっ!」
 決して離さないために根元を締め付け、最後の脈動。精液が塊が尿道を駆け上り、思考を真っ白に染め上げながらイヴの狭い子宮の天井に直接ぶちまけられた。
「んひぃいいいいいいいいいいいいいっ! き、きりゃあああ、子種汁いっぱいきりゃああっ!! 子宮に注がれてりゅう、いっぱい注がれて犯されてりゅう!!」
 子宮に精液をぶっかけられて絶頂しまくっているイヴの身体を起こし、椅子に座って背面座位にする。そして、後ろに振り向いた。
 そこにいるのはずっとテンタクル・ブレインを吟味していた少年。
 俺がイヴのオマンコをクンニし出したから、こっちのことを見ているだろうと思っていた。案の定、本番セックスし始めてからはもう完全にこっちに目を奪われていた。
「イヴ」
「……?」
「全部あの子に見られてたぞ?」
 耳元で囁く。全てを理解したイヴの顔は真っ赤に染まり、羞恥が快楽絶頂をもう一段回上へと押し上げた。
「……!! ……!! ……!!」
 声すら出せない、降りて来れない無限の絶頂。
 収縮するオマンコのせいで俺も何度もイカされ、精液を吐き出し、それがまたイヴを高見へと連れていく。
 終わらない絶頂地獄。
 一人の無垢な少年に全部見られていたことを知ってしまったイヴは、そこへ駆け上ってしまった。もちろん、俺もそれに付き合うことになってしまったのだが。
「しゅきぃ、あなたぁ……しゅきれすぅう」
「俺も好きだよ、イヴ。んっ、ちゅっ」
「ちゅっ、んちゅちゅっちゅぱっちゅあむっれろっ」
 背面座位のまま肩越しにキスを交わす。目の前の少年に見せつけるように。
 喉を鳴らす少年。覚悟は決まったみたいで、いや決めすぎたみたいでいきなりズボンを脱ぎだした。
「!?」
 そして驚く間もなく、少年は俺たちが交わっている間雑務処理をしていたテンタクル・ブレインのあの娘に、反り立った子供ペニスを擦りつつ抱き付いたのだ。
『…………!?』
 驚いて固まったのはテンタクル・ブレインの娘。少年に抱き付かれてペニスを蔓に擦り付けられ、慌てふためいているのが見て取れる。
「じ、実はさっき一目見たときから、僕、僕、お姉ちゃんがいいなって、思ったんだ!」
 一目惚れしたのだと告白する少年。困惑してなんとか少年を引き剥がそうとするテンタクル・ブレインだけど、自身も興奮を隠しきれていない。
 この娘がいつも男性に興味津々なことは知っていた。だけど仕事人間、もとい仕事触手だし、なかなか素直になれない娘だ。そして今日も、少年を一目見たときから実は気になっていたのだと、俺も多分イヴも気づいている。
 そこでやってきた絶好のチャンスだ。少年がピンポイントで欲しいと求めてくれたのだ。これを逃さない手はない。いいや、絶対にフイにさせるもんか。
「なぁ、イヴ」
「はい、あなた。ふふ、その大きくなったオチンチン、近くにある蕾のお口に入れると良いですよ」
「え?」
『…………!?』
「ふふ、素直になるんです。せっかく求めてくれているんですから、イヴたちテンタクルの種族は応えないと……ね?」
『…………』
「こ、ここ、ここだよね? ここでいいんだよね!?」
『…………!?』
 イヴの言葉に意識を割かれたのか、少年がもう腰のすぐ傍にあった蕾の口に、ペニスの照準を合わせていた事に、あの娘は気づけなかった。そして、気づいたときにはもう遅い。
「いくよ、お姉ちゃん!」
『…………!!』
 じゅぷっと蜜の弾ける音ともに、少年の子供ペニスが丸々根本まで蕾のお口に呑まれた。
 きっと最初は引き抜こうとしたのだろうけど、蕾がぱっくりと子供ペニスを咥え込んで離さない。自分でも驚いているみたいだ。
 こうなったらもう結末は変わらない。
「ああ、お姉ちゃんの触手さんの中すごいよぉ、手でするのと全然違うよぉ!」
 快楽に慣れていない少年はもう蔓にしがみついていることしかできない。最初の俺みたいだ。それくらい凄いのだ、イヴやこの娘みたいな触手の口の中は。
「気持ちよくなって、何かが出そうになったら出すんですよ。そしたらもうこの娘はあなたのモノです。もうあなたのオチンチンが忘れられないあなた専用の触手お姉ちゃんになりますから」
「うん、うんうん出す! 出すよっお姉ちゃん! 僕のモノになってお姉ちゃんっ!」
 すごい。腰動かしてる。このまましがみついていることしかできないと思ったけど、イヴの言葉にこの娘を確実にモノにするために本能的に身体を動かしている。本当に将来有望だ。
『…………!』
 そして、この少年のお姉ちゃんとなるテンタクル・ブレインのこの娘も。
 もう己の本能。雄への肉欲が抑えきれなくなった。
 少年を引き剥がそうとしていたさっきまでの蔓は少年の身体を覆いつくすように絡みつき、少年の腰振りをサポートしてより激しく振らせている。
 さらに頭部に当たる蕾を少年の口元に近づけ、その唇を奪った。幾本も伸びる細い触手が少年の口をこじ開け、大量の蜜を流し込み、自分の雌の身体の味を芯にまで覚え込ませていることだろう。
 少年のここへ訪れることにした最初の勇気。そして、一目惚れした娘へ告白することにした決意。それが二人の運命を決定づけた。
「んちゅっぷはぁあ、おね、おねえちゃっ、僕でちゃうっでちゃうよぉお!」
『…………!!』
「うあああああぁっ」
 少年が身体を弓なりに反らせ、子供ペニスを蕾のより深く奥まで挿し入れる。
 きっといま、蕾の奥でぴゅっぴゅっと子供らしい射精がされていることだろう。
 それでも、いま目の前にいる雌触手を、この少年のモノにするには十分すぎる。飲み下す少年の精液がとても美味しいのだと、うっとりと蔓を揺らめかせる彼女の姿ではっきりとわかったから。
 一通りイキ終わったあと、彼女と少年は奥へ引っ込んだ。ベッドを使って少年をたっぷりと犯すためだ。
 今日まで溜め込んだ彼女の情欲。それを全てぶつけられることになる少年はきっと気をヤるだろう。快楽に狂った獣の嬌声を上げることだろう。だけど、それがきっと今日ここへきた少年の目的なのだからまるで問題ない。
 明日、蜜と体液でドロドロに濡れた二人の姿を見るのがとても楽しみで仕方ない。
「ほっと一安心だな、イヴ」
「はい。ようやくあの娘にも無事愛しい人が見つかりましたから」
「じゃあお祝いってことで……」
 俺は下からイヴのオマンコを突きあげようとする。あの子たちにアンッという喘ぎ声を何度も聞かせるとしよう。
 そう、思っていたのだけど。
 がっしりと触手で全身を縛り上げられてしまった。腰どころかもう指一本動かせないくらい。
「ふふ、あなた。今度はイヴの番ですよ。いーっぱい、イヴの触手で気持ちいい声をあげさせてあげますからね」
 舌なめずりをして嗜虐的な笑みを浮かべるイヴ。ああ……こうなるともう逃げられない。
 そして責めがいつもと違うことに気づいた。ペニスを思い切り絞め付けてくるオマンコ。隙間なんてないはずのそこへ幾本もの触手が侵入してきた。
「んあっ、イ、イヴ、これってぇ!?」
「ふふ、すごいですよね? イヴだってあなたのために色々開発しているんです。オマンコで、んんっ、締め付けたところに触手を挿入すると、はぁああ、すごく強く擦れて気持ちいいですよね?」
 密着しているオマンコとペニスの隙間をほじくるように、細い触手、イボイボの触手、ワインオープナーのような触手で玉袋から竿まで揉みくちゃにされ擦られて、精液の増産を強制させられる。
「こうやって子宮の形も、ほらもぐもぐって敏感なあなたのオチンポ亀頭刺激して……ふふ、オチンポのお口にこじ開けちゃいます。ほじくっちゃいます。オチンポの外も中も触手でいっぱいにしちゃいます」
「く、ひっ、あ、がっ」
 あまりの快感に口から涎が、いや全身から体液が垂れ流しになる。それを全身に絡まっている触手に舐めとられ、俺はイヴに捕食されている。いや、まだ調理中だ。
 身体に絡みつく触手たち。それに生える微細な蜜針が、俺の毛穴に突き刺さり思考を蕩けさせる毒蜜を注いでいる。こうなると完全に完徹コース。俺が収まらない。イヴに精液を吐き出し続けないと、イヴに全身を食べてもらわないと狂ってしまうのだ。
 でもまだ出せない。尿道に触手を突っ込まれて栓をされ、精液を蓄えさせられている。濃厚でドロドロに濁った精液で子宮を一発で満タンにさせるために。
 ああ、出したい。出したい、ぶちまけたい! イヴの胎を孕ませたい。俺の精液で犯したい。イヴに犯されて、犯したい! 狂ってもいいから。快楽に脳髄を焼き焦がして、イヴを孕ませるためだけの存在になってもいいから!
「ああっ、出させて、イヴ、イヴ!!」
「ええ、あなた。いいえ、せっかくメイド服を着ているのですから……そうね、ご主人様と呼びましょうか?」
 イヴの上半身に余った触手たちがいやらしく巻き付き、身体の上で淫靡に蠢く。まるで餌を求めるように。
 そしてイヴは触手ブーケを生やした両の腕を背中に回し、俺を抱き締めた。触手の森となったイヴの身体へ誘うために。
 触手へと呑まれイヴの身体へと沈んでいく俺の顔と上半身。口元にイヴのおっぱいが触れ、唇をこじ開けられおっぱいを咥えさせられる。皮膚に張り付いていく触手に全身が溶かされていくような気持ちよさだった。
「さぁご主人様。ご主人様の全部、イヴを孕ませたいという欲望を注いでください。蕩けるような快楽でご主人様を天国へと誘って差し上げますから、ふふっ」
「……!」
 きゅぽんっと抜けた。
 尿道に入った触手が。
「ッッ! ッッッ!!」
 全身が痙攣する。それでもイヴの身体からは逃れることは叶わず、白濁した欲望をイヴの子宮に全てぶちまけた。
 愛情も欲望も全てをイヴへと垂れ流しにする行為に俺はひどく興奮し、それがまた更なる絶頂へと向かう刺激になり、終わらない無限ループを繰り返す。
 全身の感覚は融解し、唯一ペニスに感じられるイヴの触手責めのみが残る。俺という存在が触手に凌辱され、触手を孕ませるという動物的思考のみとなる。
 その事実があまり幸せで、幸せで、幸せで!!
 イヴがもたらす快楽とその触手に俺のペニスを預けた。
 イヴを孕ませ、その事実に更なる興奮と快楽を味わうために。
 ただただ、イヴを孕ませるための精液を吐き出し続けたのだった。


 で。
 その日の業務は完全に理性を溶かしてしまった俺とイヴのせいで滞ってしまった。
 お客さんいっぱい来てたけど完全に放置した。いつもなら代わり番をしてくれるあの娘も少年といっぱいヤッていたのでできなかったし。
 しかも俺たちの性行為で放出した大量の魔力に釣られ、入口の方まで触手たちが来てしまったらしく、公園に入ってすぐのところで色々なカップルたちが触手たちと愉しむことになってしまったそうだ。
 その様はまさに酒池肉林。触手と絡み合う男女の肢体。もう足の踏み場もないほど性の肉で埋め尽くされたそこは肉欲に塗れ、快楽を貪り孕ませ孕むことしか考えられない魔境と化していたそうな。
 俺たちもその一部だったのであとから聞かされた話だけど。
 他にも近所の一人身の青少年たちが触手の魅力に取り憑かれ、色々と悦ばしいことになったとか。おめでとう。
 そんなこんなで、今日も今日とて俺とイヴは仕事に励みながら、触手の魅力を伝えている。
 もちろん、俺たちが見本となるよう、セックス混じりの接客で。
 俺たちのセックスで触手にされることを妄想し、自分もシタいと思ってくれるならこれに勝る悦びは……まぁイヴとのセックスが一番か。
 ともかく。
「いらっしゃいませ。どんな触手の娘がお好みですか? この森にはきっとあなた好みの可愛らしい娘が見つかりますよ」
「森の中が怖いなら、買って家で育てることも可能だ。自分好みの娘に苗から、もしくは種からだって育てられる。俺のイヴみたいにな」
「うふふ。あなたを気持ちよく犯して、そしてあなたの子供を孕んでくれる触手、見つけてくださいね」
 そう言って張ったお腹を愛おしそうに撫でるイヴを、俺は背後から強く抱きしめる。
 イヴの前以上に膨らんだ乳房でビンビンに起つ乳首からは、乳白色の蜜が絶え間なく零れていた。
 もうすぐ開花の季節が訪れる。
18/05/13 21:46更新 / ヤンデレラ
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■作者メッセージ
本作は触手にエッチなことをされたいと願っているのは女性だけではない、という作品でございます(女性は全員触手好きなのかというツッコミはノーセンキュー)。
魔物娘図鑑は魅力的な娘が多いのでたまりません。身体が一つでは到底足りない!

本作のテンタクルさんは、無性生殖はテンタクル・ブレインの種を。有性生殖はテンタクルの赤子を孕むという設定になっております。
あくまで二次創作の設定であることを念頭に置いて頂けると幸いです。

それではまた。

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