後編
―7―
その週末、私はフィルに洗礼を与え、主神様の加護を授け勇者にした。
教会でのその儀式は、リミアとバラドア司祭の付き添いの元、滞りなく終わった。
その儀式までに残った問題も片づけた。最初に取り掛かったのはフィルの母親の件だ。
通常、天使が直接人の生き死に関わるのは良くないとされている。特に寿命に関してはそうだ。よほどの徳を積んだ人物か、これから先多くの者を救う者でなければ天使は助けない。それに人に施しを授けるのはエンジェルの役目であって、ヴァルキリーではない。
善行が報われるのはあって然るべきだが、事あるごとに助けていては、人が己が持つ命の尊さを忘れてしまうことにも繋がりかねない。
故にいままで手を差し伸べて来なかった。だがいまフィルの母親は、フィルが勇者となるための障害となっている。彼女が病に伏せったままでいるとフィルは町を出られない。
フィルは今後、多くの命を救い、世を平和に導くために必要不可欠な存在だ。だから彼女の病気を治した。病の元を聖素を注ぐことで消し去ったのだ。
人の定められた寿命を捻じ曲げるなど天使としてあってはならない行為だったが、「神の声」もリミアも、彼を勇者とするためには必要なことと赦してくれた。
そして、フィルの両親はフィルが勇者となることを認めてくれた。
「天使様、フィルをどうか、どうかお願いします」
その言葉は勇者に導いて欲しいというよりも、我が子の命をどうか守って欲しいと願う親の気持ちだった。
だからこそ、私は誠意を以て答える。
「フィルは私が責任を以て守り、育みます。きっと、世界を平和へと導く存在に彼はなるでしょう。そして、彼には必ずその世界で暮らしてもらいます」
そうして二人は私にフィルを託してくれた。
勇者となったフィルに、私は必要最低限の戦う術を教えた。剣の振り方、身のこなし方など、基本中の基本ではあるが。
加護を受ける前まではろくに剣も持ち上げられなかったことを考えれば、大きく前進していると言えよう。それでも魔物と戦うのはなかなか難しいが。
しかしまだ覚えるのは護身程度でいい。私もついているからな。最初のうちは弱い魔物を相手にすればいい。
「あぁっ!」
だがまぁ思った通り、予想通り、予定調和だったな。
フィルは手に持った剣を、無骨な棍棒で弾かれ手放してしまった。そのまま突進を受けて、地面に押し倒されてしまう。
そうしたのは、フィルと同じくらいの背丈の少女。普通の女の子にも見えるが、頭にはシンメトリーになった角が伸びている。彼女の正体はゴブリンという汚らわしい魔物だ。
魔物の中ではかなり弱い部類。しかも群れでこそ真価を発揮し、一匹ではさらに弱い。
そんなゴブリンになすすべもなく、ほぼ一瞬でフィルは無力化されてしまった。
ここは北の森の北端。私たちはリミアたちに見送られ旅に出た。目的地は北の森を越えた、直接的な支配こそされていないものの魔物に与する町だ。
フィルを手っ取り早く鍛えるにはこうした方がいいと思ったが案の定、あっさりと敗れてしまった。ふふ、敗れてしまったなぁ。
「うふふ、可愛い子だね、あんた。さぁ私のアジトに帰ってたっぷり愉しみましょ?」
「誰が誰と愉しむって?」
さてこのまま放置するわけにもいかない。私の勇者だからな、こんな小汚い魔物にくれてやるわけにはいかん。
「んー? まだ人がい、て……え?」
「ふふ。人がいて、なんだ?」
軽く聖素を放出させる。手に聖槍を具現化させた。
「はわわ、天使ぃ!? ご、ごめんなさーい!!」
いかに弱くとも、実力差を見抜けぬほど愚かではないらしい。
ゴブリンは武器を手放して、すぐさま遁走していった。
ふん、と私は矛を収める。今日の私は気分がいい。見逃してやるとしよう。
「ミュ、ミュリエラ様ぁ〜」
泣きべそかいているフィルを抱き起し、横向きに抱きかかえた。やれやれ、加護を得た勇者となっても弱いな。
「情けないな君は。あんな弱い魔物一匹にも勝てんとは」
「ご、ごめんなさい〜」
剣を拾い上げ、フィルを下ろさずそのまま森を歩き始める。
「うぅ一人で歩けますよ、ミュリエラ様」
「駄目だ。大きく尻もちを打っただろう。大人しく運ばれなさい。それから町に着いたらまた特訓だからな。さすがにあんな魔物一匹倒せないようでは駄目だぞ」
「は、はい……」
ふふふ、さて、どんな特訓をするとしようかな。
始まったばかりの、誰にも邪魔されない二人っきりの旅。
私は舌なめずりして、腕に収まる可愛いフィルを見下ろしていた。
―8―
結局、どんなに特訓してもフィルは魔物を一匹も倒せなかった。
私とリミアの見立て通り、フィルに戦いの才能はなかった。これはどれだけ磨いても光ようのない、単なる石ころだった。
それでも一生懸命フィルは不貞腐れず頑張っていたし、私も常に付き添って手取り足取り導いていたからその頑張りは知っている。
だが、だからこそ、フィルがこれ以上自身の貴重な時間を浪費することに私は耐えられなかった。
そして、そんなときだ。久方ぶりに「神の声」を聞いたのは。
『――――』
その内容を、私は歓喜を以て受け入れた。
そうだ。最初からそうすれば良かったのだ。それならば、そうすれば、世界を平和に導ける。フィルを真の勇者に、そして、最初のフィルの願いを叶えてあげることもできる。
「うふふ」
私は早速行動に移ることにした。
宿屋に借りている私の部屋にフィルを呼んだ。
「その、ミュリエラ様……今日は稽古をしてくださらないのですか?」
今日も訓練をするつもりだったのだろう。軽鎧を着て腰に剣を携えたフィルがいる。が、勇ましさとは程遠く、とても可愛らしい。それがいい。そこがいい。
もうフィルに剣など不要なのだから。
「今日は稽古はしない。いや、もうこれから先フィルが鍛錬する必要はない」
「え? それはどういう?」
「こっちに来なさい。剣など置いて、さぁ」
私はベッドに寝転がりながら艶やかに手招きする。
フィルは迷っているようだった。それに目のやり場にも困っている。
それはそうだろう。いまの私は、下着すら透けて見える、薄紅色のネグリジェを着ているのだから。それも露出度の高い、誘うようなだらしのないネグリジェだ。
「さぁ、早く」
「は、はい……」
しかし、フィルに私の言葉に逆らうような度量は持ち合わせていない。だから素直に剣を置いてゆっくりと近づいてくる。
ベッドの前まで来た彼の手を取り引っ張って、背中から抱き付いて私の腕の中に収めた。
「ミュ、ミュリエラ様!?」
「ふふっ、捕まえたぁ」
「あ……」
腰から抱きしめて胸を押し付けると、フィルは途端に口をつぐんで大人しくなる。ふふ、照れているのだな、本当に愛い奴だ。
「フィル……君はもう剣を取る必要はない。魔物と戦う必要はない」
「そ、それはどういうことですか?」
「君に戦う才能はない、ということだ」
私がはっきりとそう告げると、フィルはうな垂れた。悲哀が漂うが、しかし納得している風でもあった。きっと、訓練しながらも魔物と戦いながらも、自分に戦いの才能がないと悟っていたのだろう。
ああ、なんて可哀想なフィル。
「だけど心配はいらないよ、フィル。たとえ魔物と戦えずとも、君は立派な勇者となれる」
「それは……以前仰ってくださった、人々に勇気と希望を与える、ということですか?」
「それもあるなぁ」
私はねっとりと舌なめずりをする。
フィルの首筋に口元を這わせる。ふぅと息を吹きかけると、フィルは敏感に可愛らしく反応して見せた。
「あぅ、今日のミュリエラ様はどこか変です……お具合が悪いのですか?」
「いいや。そんなことはない。しかし、ありがとうフィル。心配してくれているのだな。私は嬉しいぞ」
もう駄目だ。我慢できない。早く告げてしまおう。
「フィル……私のことをまだ、好いてくれているか?」
「もちろんです」
即答だった。ああああああああ。あはぁ。
「あの日、悪い人から助けてもらったときから、ずっとずっと、いまも、これからもずっと、ミュリエラ様をお慕いしています」
なんて嬉しく、甘美な言葉。この言葉だけで蕩けてしまいそうだ。
「そうか。ならば、いま、ここでフィルの最初の望みを叶えてあげよう」
「え?」
「フィル。私と夫婦になろう」
ようやく私は告げた。フィルに、フィルが私にしてくれた愛の告白を。
フィルはトマトよりも顔を真っ赤にさせて慌てふためく。暴れるが絶対に離してあげない。
「ふふ、何をそんなに慌てている? 君が望んでいたことだろう?」
「そ、そうですが……でもミュリエラ様は僕のことを好きとも嫌いとも思っていないのでは?」
ああ、そんなことを言ってしまったこともあったな。
いま思えばなんて愚かなことを言ったのだろうと思う。
こんなにも可愛らしく、いじらしい、一途で優しい少年をどうとも思っていなかったなんて。
「人が変わるように天使も変わるのだよ。君に告白を受けてから、実はずっと君に惹かれていたんだ。最初はわからなかったが、君に悪魔から助けられたときにわかった。こんな私に一途に好意を寄せてくれる君に、慕ってくれる君に、優しい君に、私は心底惚れてしまったんだ」
フィルの耳元に口を寄せる。
「フィル……私は君のことを愛している」
「ふぁぁ……」
蕩けたような甘い声を漏らすフィル。可愛いなぁ。
「ふふ、どうだ? 私の告白、受け入れてくれるか?」
フィルが顔を上げる。その顔は蕩けたまま、歓喜に満ちていた。
「はい、ミュリエラ様ぁ。僕と夫婦になってくださいぃ」
「ああ。これで君と私は夫婦だ。愛し合う関係だ」
じゅるりと私は涎をすする。ごくりと生唾を飲み下した。
さて、ここからが本題だ。
「さて、先ほどの話の続きをしようか。君はいま勇者でもあり、そして私の夫でもある。わかるな?」
こくりと頷く。素直でいい子だ。
「だが戦いの才能は君にはない。到底魔王を倒すなど無理な話だ。それもわかるな?」
「はい」
「だが、案ずることはない。君に魔王を倒す力がないのならば、勇者を倒すことのできる存在を作ればいい」
「それはどういう?」
ピンと来ない表情を私に向けるフィルに、私は笑った。淫靡に。
「君が私に勇者を孕ませるんだ」
私の言葉にやはりフィルはピンと来ていなかった。
結婚のこともよく知らなかっただけあり、性知識も疎いみたいだ。これはいい。
私好みのフィルにできるのだから。私がフィルを導けるのだから。
「つまりだ。君の両親にとってのフィルを、私とフィルで作ろうということだ。フィル、私と子供を作ろう」
「えええ!?」
ようやく合点が行ったらしい。素っ頓狂な声をあげて驚いている。
だが何を驚く必要があるというのか。
「私と君は夫婦だ。愛し合う仲が子供を儲けるのはごく自然のこと。これは主神様も認めている。快楽に溺れるのが禁忌なだけで、子を成すための行為自体は悪ではない。もっと言えば、これは使命を果たすことでもある。君の心優しい人格と私の天使の力を引き継ぐ子を産むことができれば、その子は万夫不当の勇者となるだろう。そう。私と君で魔王を打倒する勇者を産む。これが私たちが主神様より賜った、崇高な使命なのだ」
そうですよね。主神様。ああ、はい。全ては主神様の御心のままに。このフィルを私は愛し抜き、この子の子を孕み産み育てます。
それが私の使命であり、何より、私が何に代えても行いたい願望なのだから。
「あう……でも僕、子供の作り方なんて」
「案ずるな。私が手取り足取り教えてあげるよ。ふふ、九歳にもなって子供の作り方も知らないんだな、君は」
「ごめんなさい」
「謝るな。むしろ嬉しい。私が教えてやれるのだからな。君を立派な勇者に導くことが私の悦びでもある。さぁ教えてあげよう。ここと、ここだ」
私はフィルの手を取り、私の股間へと導く。そして、私は空いた方の手でフィルの股間にズボンの上から触れた。
「ミュ、ミュリエラ様!?」
今日何度目かわからないフィルの驚いた声。
「ふぁ、ぁぁぁ……」
しかし、その声はすぐに快楽に塗りつぶされて、気の抜けた力のない声に変わる。
ふふ、ちょっとズボンの上から撫でられただけでこれか。期待できそうだ。
「フィルのオチンポ」
オチンポ。うふふ、オチンポって言ってしまった。なんて下品な言葉。でも、フィルをその気にさせるために必要なことなのだ。使命を果たすための一環。だから悪いことではない。オチンポ、オチンポ、フィルのオチンポォ。
「そして、フィルがいま触ってるここが私のオマンコだ。ほら、言ってみろ、オ・マ・ン・コ」
「オ、オマンコ……」
あはっ。フィルが下品な言葉を言ってくれた。
私の誰にも触れられていないところをネグリジェ越しに触りながら、オマンコって!
「そう。フィルのオチンポをだ、私のオマンコの穴にじゅぷって挿し入れるんだ。そしてコスコスと互いの粘膜を擦り合う……」
フィルの手を動かし、私のオマンコの入り口を上下になぞらせる。それに連動するように、私もフィルのオチンポを布越しに上下に擦った。
「するとオチンポからぴゅっぴゅって白いおしっこがいっぱい出てくる。それを私のオマンコの奥、子宮にごくごくと飲ませれば赤ちゃんができるんだ。君の子を、私が孕むことができるんだ。種付けだ」
「あ、あ、あ……ミュリエラ様ぁ……」
うふふ、ズボンの上から擦られただけで感じている。
それに意味もきっとほとんど理解できていないだろうに、本能的に私の言葉で興奮してくれている。
なんて嬉しいんだ。フィルが私の言葉と好意で気持ちを昂らせてくれているなんて。
それに、さっきまで柔らかかったオチンポが、ズボン越しでもわかるくらい固くなっている。ああ、苦しそうだな。解放してあげよう。
私はベルトを外し、フィルのオチンポをズボンから解き放ってやる。
むわぁと突如、精臭が私の鼻腔をくすぐった。
「ッ……」
なんと香しく、芳醇で甘美な匂い。これがオチンポ。フィルのオチンポの匂いなのか。
「あぅ、ミュリエラ様ぁ見ないでくださいぃ」
空いた手で顔を隠して、フィルは恥ずかしそうに顔を俯ける。
「何を恥ずかしがる必要がある。私たちは夫婦なのだ。互いの性器を見合うのは至極当然のこと。それに、ふふっ、私の親指よりちょっと長い程度で、尿道も見えないほど皮が被っていてとても可愛いぞ」
勃起状態でこれだ。なんと愛らしいことか。こんなものを見せつけられて我慢できるわけがない。
「あぅ、そんなミュリエラ様ぁ、汚いですから触っちゃ駄目ですぅ」
「君のオチンポが汚いわけなどあるか。それともなんだ? 私のオマンコも汚いというのか? 同じ性器だぞ?」
「そ、そういうわけじゃないです、けど」
「ふふ、なら君も触れ。ほら、君の意思で私の下着の中に手を入れろ」
「ぅぅ、はい……」
「あぁぁあっ!」
すごっ、すごいぃ、直接そっと触られただけで身体に電流が走ったみたいにっ!
「ご、ごめんなさいミュリエラ様!」
「いや、違う。もっとしてくれ。触ってくれ、私のオマンコを。私も君のオチンポを触るから」
背中から彼を抱いたまま、私はフィルのオチンポを、フィルは私のオマンコを触りっこし合う。
ふふ、小さなオチンポ。手にすっぽり収まってしまう。掌で先っぽを皮の上から撫でると、喘ぐような声を漏らして可愛い。
フィルのオマンコの擦り方もとても上手だ。彼の生来の優しさが伝わってくる、私を蕩け挿すような優しい撫で擦り方。蕩け果ててしまいそうだ。
しかし、このまま続けていても使命は果たせない。早速次のステップに進もう。
私は皮を被ったフィルのオチンポを大人チンポに変えてあげようと、竿を握って下に降ろそうとする。
「あぅぅ、ミュリエラ様ぁ」
快楽と痛みが入り混じった声をフィルが漏らし、すぐさま手を留めた。
「すまないフィル。痛かったか?」
「だ、大丈夫です……」
優しくフィルの亀頭を撫で撫でする。まだ剥いたこともないのだ。手だけで潤滑油もなく剥くのは性急すぎたみたいだ。
慌てちゃ駄目だ。フィルはまだ子供。私がしっかりと導いてあげないと。
『お口で舐めしゃぶってあげるのです』
「はい、主神様」
お導きに従い、私はフィルの服を全部脱がせてベッドに寝かせる。
筋肉なんてほとんどついていない、フィルの丸みを帯びた華奢な身体。その股間にオチンポがピンッと勃っている。毛もなくてつるつるで、とても小っちゃな愛くるしいシャルの分身に私は顔を寄せた。
「ミュリエラ様なにを?」
「案ずるな。私のこの口で、君のオチンポを立派な大人のオチンポに生まれ変わらせてあげるだけだ」
「そ、そんな、汚いですって!」
「ふふ、汚くなんてないさ。それどころか、とても美味しそうだ……ああ、このオチンポをしゃぶれる日が来るなんて、今日はなんて良い日だ」
「ミュ、ミュリエラ様ぁ」
「ふふ、可愛らしい声をあげて。そんなにされたくないのか? ほらぁ、私の口の中を見ろ。涎でいっぱいだろう? 舌がぐちゅぐちゅと蠢いているだろう? 手でさすさすされるよりもずぅっと気持ちいいぞ?」
「お手々よりも?」
びくんとオチンポが跳ねた。ふふっ、こっちはとても正直者だなぁ。
わずかな抵抗心も、お手々よりも気持ちいいという快楽の欲には逆らえなかったみたいだ。
それでいい。きちんと種を私の子宮に注ぐため、これは必要なことなのだ。決して快楽に溺れるためではない。
世界を平和へと導くための、崇高な行為なのである。
「あーんっむ」
ソーセージのような肉棒。フィルのオチンポを私は一気に根本まで咥えた。
途端、身体の芯まで刺し貫くような甘い精の香りが鼻腔を突き抜け、脳から下半身まで一気に駆け抜ける。
美味しいぃ……。
ただ咥えただけでこれ。ならば、もっと濃い匂いを放っている皮の中はどれほどのものなんだ?
ああ、我慢などするものか。
私は涎をたっぷりと滴らせた舌を、皮の隙間に挿入する。たっぷりたっぷり涎を染みださせて、べったり張り付いた皮を溶け剥がしていく。
「あぅぅぅぅ、ミュリエラ様ぁぁぁぁぁ……」
快楽に悶えるフィルの声が私の耳朶を犯す。興奮する。もっとしてあげたくなる。
舌を這わせる速度を上げた。チーズのようにべっとりとした恥垢を根こそぎ、舌で絡めとっていく。
美味しい美味しい美味しい! フィルのオチンポの味! 誰にも舐められたことのない。誰にも触れられたことのない、私が初めて味わうオチンポの味!
舌が蕩ける。脳味噌が蕩ける。こんな素晴らしいものをフィルは隠していたなんて!
イケナイ子だ。たっぷり舐めしゃぶって、もっともっと素直な子に、私に全てをさらけ出せる子に教育してあげないと。うふふ。
「じゅるじゅる、れろれろっ、じゅぷぷぷじゅる、んくんく、ちゅるるるるるるっ」
「ひゃうぁあああっ、ミュ、ミュリエラ様激しいですぅ……あ、あ、あ、何か変なのが昇ってっ」
ちょうど皮を完全に剥ききり、こべりついた汚れを舌で擦り取っているときだった。
そんな声をフィルは漏らし始めて、私は慌てて口をオチンポから離す。
「はぁはぁはぁ……ミュリエラ、様?」
切なそうな顔を浮かべるフィル。だが駄目だ。一番搾りは、もっとも濃い種汁は、私の子宮に注がないといけないのだから。お口で味わうのは余裕があるときにしよう。なぁに、機会なんて幾らでもあるさ。
「ふふ、立派な大人チンポに生まれ変わったなぁ」
頬撫でしながら、私はフィルのオチンポを両手で愛撫する。
つるつるの綺麗なピンク色をした亀頭。てっぺんの可愛らしいお口がぱくぱくと透明な涎を滴らせている。竿は穢れを全く知らない肌色で私の親指くらいの太さ。
大人チンポと言っても、成人男性のそれに比べれば全然まだまだ。とはいえフィル以外のペニスなど知識でしか知らないが。
「じゅるり……」
だが、わかる。
このオチンポは、私をしっかりと種付けしてくれると。
私を狂わせるほどによがらせてくれる、至高のオチンポだと。
あぁ、だがまだだ。私のここの準備はとうにできて、白濁した本気の涎を垂らしてベッドにシミを作っているが、それでもまだだ。
私も、フィルにしゃぶられたい。
「さぁ、次はフィルの番だ。今度は私を気持ちよくさせてくれ」
私はベッドに仰向けに寝転がて股を開き、髪色と同じ薄くヘアーのあるオマンコを指で開く。
こぷこぷと涎を垂らして、私のオマンコはフィルを誘っている。甘い匂いだ。食虫花の如く、フィルを惑わす肉花。
「さぁ、おいで」
「はいぃ……」
私の誘惑に、フィルは表情を蕩けさせながら這い寄ってくる。そして、私のオマンコにその小さな顔を近づけた。
「これが、ミュリエラ様のオマンコ、っていうんですね……」
「変じゃ、ないかな?」
「わかりません。初めて見ますから……でも、とっても綺麗で、ドキドキして、その、お舐めしたいと思ってしまいます」
ゾクゾクと快感が背筋を駆けのぼる。あぁあ、フィルがこんなことを言ってくれている。遠慮もなく私のオマンコを視姦して、願望を口にしてくれている。
嬉しいぃいい。
「舐めてくれ、フィル。私のはしたなく、誰にも触れられたことのない初オマンコ。君の舌で下品な音を立てて舐めしゃぶってくれぇ」
天使にあるまじきおねだり。だがこれでいいのだ。夫を昂らせることが妻の使命。それは天使であろうと関係ない。いや、むしろ天使だからこそもっと淫乱に夫を求めていかねばならないのだ。
それが愛するということなのだから。
「で、ではミュリエラ様。失礼します。あ、むっ……」
「あひぃんっ!?」
オマンコの入り口全体を覆うように大きく口に含まれた瞬間、電流が全身を駆け巡った。
心身を蕩けさせる甘い電流。すごぉい……。
「はぁはぁ、すごいっ、フィル、舐めるのやめないで、もっと、もっと舐めるんだ、私のオマンコを」
「ひゃ、ひゃぁい、あむ、れろっちゅちゅっちゅっ、ぴちゃぴちゃちゅっ、れろれろっ、ちゅぅぅう」
「くぅぅ、はぁああ、しゅごい……小さくて細い舌が私のオマンコの唇を掻き分けて、くふぅっ! あっ、れろれろって舐めてくれてるッ! イイ! フィルぅ! イイよぉ!」
私のオマンコに顔を埋めて無我夢中でしゃぶるフィル。ごくごくと私の愛液を飲んでくれている。天使の蜜を味わってくれている。
「フィル、ここも、ここも舐めてくれ。私が君にしてあげたみたいに、君の舌で、皮を剥いてくれぇ」
陰核。オマンコの上にある、一度も外気に触れたことのないクリトリス。
ああ! そうだ、そうだそれでいい。気持ちいい。ぺろぺろって子犬みたいに舐めてくれ。ああ、クリトリスそうだ。舌でこしこしして、ほじくって、そこだ。
「くぅうううううううっ!?」
小さなおちょぼ口に、私のクリトリスが食べられてっ!? ちゅうちゅうって!
「ちゅぅぅうううううううううっぷはっ!」
「あひぃんっ!!」
フィルの口の中が真空になってクリトリスが激しく弾かれる。
その突然の快楽に、私の淫らなオマンコからぶぴゅって白濁の汁が溢れ出た。
ちょっぴりだけイってしまった。なんてはしたない。フィルにはお預けさせたのに。
これはたっぷりとフィルにお礼をしないといけないな。
我慢させた分、しっかりどっぷりと子種汁を吐き出してもらわないと……。
「さぁ、待たせたな、フィル。前戯はおしまいだ。ここからが本番。子作りセックスだ」
「子作りセックス。ミュリエラ様と僕が……」
「そうだ。この、君がほぐしてくれたはしたなく涎をこぼしているオマンコに、私が大人チンポに生まれ変わらせてあげたそのオチンポを挿入するんだ。そして、私の子宮に君の濃厚な一番搾り。白濁の子種汁をたっぷりと注ぎ込み、私に君の子供を孕ませてくれ」
くぱぁとオマンコを開く。
我慢しすぎで白く濁った本気汁の涎を垂らし、湯気すら見えるオマンコ。外気に初めて触れたクリトリスはびんびんに勃ち、僅かな空気の流れすら敏感に快楽へと変換していた。
「はぁはぁ、ミュリエラ様ぁぁぁ……」
口からも、オチンポからも涎を垂らしたフィルが私に真正面から抱き付く。二つのおっぱいでフィルの頭を挟み、彼の華奢な身体を私の肉付きのいい身体でしっかりと抱き留めた。
「ミュリエラ様ぁミュリエラ様ぁミュリエラ様ぁあぁああ!!」
私の名前を蕩けた声で呼びながら一心不乱に腰を振るフィル。やり方はわかっていなくても本能でどう腰を振ればいいかわかっているみたいだ。
だが、まだ挿入はできていない。逸る気持ちを抑えられないのだろう。
それほどまでに、この私を求めてくれている。
私に種付けして、孕ませたいと想ってくれている。
なんと悦ばしいことだ。
ヴァルキリーとして、何より妻として、それに応えねばな。
「ここだ、フィル。こ・こ」
「あああ、ミュリエラ様ぁ、先っぽがぐにゅうって……!」
「そうだ。そこに挿し込め。私のオマンコでフィルのオチンポをぎゅうって抱きしめてあげるぞ」
ぐにゅ。じゅぷぅ。
「ミュリエラ様ぁ。ふわぁ、なにこれぇああ!」
「あああああああああっ、キタぁあああ!」
じゅぷぅってぇ、フィルのオチンポが私のオマンコの肉壺の中にぃ!
私の敏感なところいっぱいずりずりって削りながら押し込んできてるぅ!
「はうぅう、すごいぞ、フィルぅ。お前のオチンポ、気持ちいいっ」
ぎゅうっと抱きしめる。おっぱいと身体で包み込む。
「ふぁああ、ミュリエラ様ぁ、ああ、ああああ、あああ」
どうやら子供のフィルにはこの快楽は強すぎたらしい。突き入れただけでもう腰砕けになって、私の身体にしがみつくことしかできていない。
「あんっ、そんな強く揉んじゃあ」
ふふ、無意識かな。両手でおっぱいを好き勝手に揉みしだいている。
「ごめんなさいぃ、ごめんなさいミュリエラ様ぁ」
顔を上げて涙目なフィル。快楽の暴風に必死に耐えようとするいじらしさに、私の庇護欲の炎が一層燃え上がってしまう。
「謝るな。そうだ、もっと揉んでくれ。吸ってくれ、ほら」
「あむ、ちゅうちゅう、ぷはぁ、おっぱい……ママぁ、ちゅうちゅう」
あああああああ! なんて可愛らしい!
母が病に伏せっていたせいで、その上本人の優しさもあって甘えることなんてほとんどできなかったのだろう、フィルは。なんと不憫で、愛らしいか。
「いいぞ、もっと私に甘えろ。今日から私は君の天使であり、妻であり、もう一人の母だ。たんとおっぱいをお吸い。ミルクは……ふふ、孕ませてくれたら飲ませてあげよう。んんっ、ああっ、そう気持ちいいっ! 上も下もイイッ!」
背中を擦りながら、フィルのなすがままにされる。腰は動かさず、おっぱいだけをちゅうちゅうと吸ってくる。いまはこれでいい。最初は意識を色々なところに分けて、徐々に快楽に慣れていくことが大事だ。
「あっ、んんっ!」
あぁ、ちょっとだけ腰を動かしたな? ふふ、無意識に探っているな。腰砕けにならない強さでの腰の振り方。快楽に流されないよう、お互いが気持ちよくなれる加減を。
「ふふ、戦いの才能はなかったが、君にはこちらの才能が十二分にあるようだな。妻としては戦いの才能があるよりもずっとずっと嬉しいぞ」
「ちゅうちゅう、ママぁ、ミュリエラ様ぁ」
「ふぅふぅ、君は本当に、んひっ!? くぅ、ふ、はは、こっちの才能は計り知れないな」
小さいのに、短いのに、ここまで的確に私の気持ちのいいところを探ってゴリゴリって削ってるっ! それに合わせて、おっぱいを揉みしだき、乳首を吸う激しさはそれだけで気を遣ってしまいそうなほど。
最高だ。私の最高の夫だ。運命だったんだ。この子と私が結ばれるのは。こうやって愛を紡ぎ合うのは。
「ああ、そうだ、徐々にゆっくりと引いて……挿して! んひぃっ!」
「ミュリエラ様ぁ! ミュリエラ様ぁ! 腰がぁ、腰が止まらないよぉ! オチンチンが食べられてるのに気持ちいいよぉお!」
「あはっ、それでいいんだ! フィル! 腰を触れ、お前の思うがままに! 私のオマンコに食べさせてくれ、お前のオチンポをぉ!」
じゅっぷじゅっぷと粘膜が擦り立てる水音と、腰のぶつかり合う音が部屋に響き渡る。ベッドのスプリングとフィルの腰振りに合わせて、私も腰を振り、貪欲にフィルのオチンポを食べ始めた。
いいぞっ、フィル。すごいっ、もう腰をこんなに動かせている。私に甘美な快楽をもたらせてくれている。
もっとだ。もっと。もっともっともっと!
「もっとぉ! フィルッ! 私のオマンコにいっぱいオチンポをねじ込んでぇ! ずんずんってぇ!」
「ミュリエラ様ぁ! すごいよぉお、オチンチンがぐちゅぐちゅってぇ、もぐもぐってぇ、ミュリエラ様のオマンコの柔らかくてどろどろしたのでぇ、僕のオチンチン溶かされてるぅ、食べられてるぅ! ミュリエラ様ぁ!!」
「欲しいっ、欲しい! フィルのオチンポがもっとぉお!」
「ふぁああ、ミュリエラ様ぁ!?」
フィルの腰に足を回し、フィルの腰振りに合わせて足を動かした。オチンポを突くときの速度が上がって、激しく肉を擦り合う。気持ちよさが止まらなくなる。
さらにふわふわの穢れのない白い翼でお互いを包む。外の穢れた空気にフィルを触れさせたくない。フィルは私からもたらされる空気を吸って、匂いを嗅いで、私だけを見て生きればいい。
ああ、愛しい愛しいフィル。私のフィル。私だけの勇者。
お迎えしたい。もっと奥に。私の大事な、私の勇者にしか許さない秘所の奥の奥。
子宮に。
「あう!? ミュリエラ様ぁ、僕のオチンチンが何かにちゅうちゅうされてるぅ!」
ああ、あははっ、願いが叶った。私のオマンコ、私の願いに応えてくれた。なんて、なんて下品ではしたない淫乱なオマンコなんだ。
フィルのオチンポが欲しすぎて、自ら子宮を下ろすなんて。
それに飽き足らず、自らオチンポをしゃぶるなんて。
まるで、私そのものじゃないか!
「そこだぁ、フィルぅ。私の赤ちゃん部屋。君が種を注ぐ場所は! ほらぁ来るんだ。ずぶぅって挿し込むんだぁ!」
「ミュリエラ様ぁ!!」
じゅっぷぅぅ!!
「んひぃいいいいいっ!? き、キタぁあああああああああ!」
オチンポが子宮口を挿し貫いたのか、それとも子宮口がオチンポを喰らったのか。
どっちでもいい。少なくとも、フィルの熱々のオチンポの亀頭が丸々、私の子宮にすっぽりと収まったことだ。
「あぅぅ、食べられてぇ、抜けないよぉ」
「うふふ、もう逃れられないぞ、フィルぅ。君はもう、私に種付けをして、孕ませることしかできないんだ。ほら、ほらほら、ほらぁああ!」
腰を突き上げ、子宮でオチンポの亀頭を咥えたまま竿を扱いた。きゅっと膣を締め付ければフィルのオチンポの形が鮮明にわかる。どこが特に感じているかも、いつどの瞬間に我慢汁を漏らしたのかもわかる。
「はぁはぁはぁ、ミュリエラ様ぁ、僕もう、何か、来て……」
そして、たっぷりの精子が混ざった白濁汁がもう根本まで来ているのもわかる。
「ああ、いいぞっ! 出せ! 漏らせ! 私の子宮に、一滴も漏らさず全部吐き出すんだ!」
ラストスパート。腰が壊れるくらいに大きく振るい、下からフィルを浮かせるほどにずんずんと激しく動く。
私のおっぱいにしがみつくフィルの顔は完全に快楽に塗りつぶされ、もう恐れも何もない。
ただ私から与えられる快楽を享受し、最後のときを待っている。待ち望んでいる。
それでいい。それがいい。それが君の使命。私に子種汁を注ぎ、次代の勇者を孕ませることこそが、君の崇高かつ何にも優先される使命なのだ。
故に溺れろ。私に、快楽に、二度と這い登れぬ悦楽の坩堝に。
私たちの子を成すために、快楽を貪るのだ!
「ミュリエラ様ぁああああああああああああああ!」
「フィルぅううううううううううううううううう!」
膣の全てを貪る収縮と、腰を思い切り打ち付けるのは同時。そして、フィルが最後の力を振り絞って、私の子宮の天井をその逞しく膨らんだ亀頭で突いたのは同時だった。
視界を白濁に塗りつぶす快楽が、子宮を通し私の全身を駆け巡った。
どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅ!
そんな音が子宮からはっきりと聞こえてくる。尋常じゃない勢いの射精が子宮の天井を叩いてくる。
私の卵子を、フィルの精子の海が呑み込み、犯しているぅ……。
声にならない嬌声を私とフィルは共にあげた。天使でも人でもない。獣の嬌声。
その声をあげるのはとても気持ち良かった。もっともっと上げたい。この宿に住む、この町に暮らす者全員に聞かせたいほどに。
「あはぁ……フィルの子種汁、私の子宮に溜まってるぅ」
意識がまどろみに呑まれていく。
それでも断続的に、気をやるような快楽に襲われながら、私は最愛のフィルを抱き締めて、まどろみに沈んでいった。
「ミュリエラ様ぁ、僕、幸せですぅ……」
最後に聞こえてきたのは、フィルの蕩けた声だった。
今日より、私とフィルの使命は子作りとなった。
誰にも邪魔されることのない、甘く、蕩けるような日々が続くのだ。
私も幸せだよ、フィル。
―9―
町の路地裏。二人の情事を魔法で透視し、見届けたあと、私はふぅと息をついた。
傍らにはバラドア司祭がいる。
「無事、終わったようですかな?」
「はい、司祭様。ミューは無事堕ちました。残念ながら、私と“同じ”にはなりませんでしたが」
ヴァルキリーのリミアラこと私は、変化の術を解く。すると、私の金髪も肌も、そして天使の翼も途端にその色を変える。
金髪は妖しい輝きを放つ銀へ。肌は爛れた青白い淫靡な肌へ。そして翼は、欲望に塗れ、色欲に狂うドス黒い羽翼へ。
これがいまの私の真の姿。ダークヴァルキリー。私はもう堕ちていた。
ミューがフィルと初めて出会ったときにはすでに。
「ふふ、またまた御冗談を。どちらになっても良かったのでしょう? 天使様的には」
「司祭様は何でもお見通しなのですね」
私をこの身に堕としたのはリリム。ミューも出会ったとされるあのリリムだ。ほとんど抵抗なんてできないまま、快楽を教え込まれ、そして、バラドア司祭への愛情を抱かさせられた。
いや、気づかせてくれたと言うべきか。私がバラドア司祭に好意を抱いていたことに、あの御方は気づかせてくださったのだ。
そうして、ミューに気づかれないまま、バラドア司祭と私は結ばれた。愛欲の日々を重ねたのだ。
そんな日々を下さったあの御方の望みのまま、そして堕落神様のお導きのまま、私はミューに少しの堕落神の魔力を植え付けた。
本人が気づかないほど小さな、芽吹くかどうかもわからないほどの小さな小さな種を。
結果はこの通り。フィルに向けられた好意により、無事堕落の種は芽吹いた。本人が気づかぬままそれは全身を蝕み、彼女は主神との回路も経たれ、己が欲望の声の赴くまま、快楽を貪っている。
「ああ、美しいわ、ミュー」
しかし、これほどの欲望に塗れてもなお、ミューは白く気高い清廉な光を持ち合わせている。
彼女は信じ切っているのだ。自らの行いが崇高なものであると。勇者と快楽を貪り、交尾に耽る日々が使命を果たすことになると。本気で信じているのだ。
そんなミューの姿がたまらなく愛おしく、美しい。
綺麗な白のまま、私と同じくらいにドス黒く爛れているのだから。
「…………」
ふふ、さて、彼女はいつ気づくことになるでしょうね。
ミューが助けたフィルの母親。彼女は聖素を注いだと思っているだろうが、それは違う。
彼女が注いだのは魔力。堕落の魔力。
その結果は町の現在が物語っているわね。もうあそこに町はない。空っぽ。町には人っ子一人いない。
だってみんなもう堕落神様の元へ、「万魔殿」に旅立ったもの。
うふふ。いつそれを知ることになるかしらね。知ってどう思うかしら?
後悔? いいえ。きっと、羨ましい、でしょうね。
「さて、天使様。そろそろ」
「そうですね、司祭様」
「その司祭様という堅苦しい呼び名もやめましょうかな」
それは合図だった。私に天使ではなく、一匹の欲望に忠実な雌になれという。
「はいぃ、バラドア様ぁぁあ」
むせかえるような甘い匂いの含んだ堕落の魔力を全身から漏らして、私は猫なで声でバラドア様にしなだれかかる。初老であるにも関わらず彼は力強く私を抱き寄せ、卑猥な手つきで私のお尻を揉みしだいてくれる。
「さぁリミア、行こうか。向こうで終わることのない日々の中、存分に可愛がってあげましょう」
「はいぃ、私の穢れて淫乱になったこの肢体を、あひあひ鳴く雌犬のこの顔を、バラドア様のオチンポで真っ白にお清めくださいぃ」
「ふふ、中も外もたっぷりとしてあげますよ」
「嬉しいですぅ」
そうして私たちの姿は足元から闇に消えていく。転移するのだ。
向かう先は一つ。
時が止まった、堕落と退廃の園「万魔殿」。
私たちはそこで、堕落と快楽に塗れた欲望を際限なく貪りつくしていくのだ。
なんて、甘美な日々だろうか。
「またねぇ、ミュー」
次に会える日を楽しみに待っているわ。
白く眩い天使のまま、堕落の天国へ堕ちてくる、その日を。
―10―
今日も私たちは子作りに励んでいた。
最初に訪れた町で暮らし始めてから何日、何か月、いや何年経っただろうか。
第二子を孕み、お腹を大きく膨らませている私は今日も、フィルの股の上で大きく腰を振っている。
「ああんっ! いいのぉ! フィルの逞しいオチンポいいのぉおお!」
赤ちゃんが眠る子宮をずんずんと突かせながら嬌声を撒き散らしまくっていた。
セックスは良い胎教と聞いたので実践している形である。特に精液を赤ちゃんの子宮に注いでもらうと、赤ちゃんは立派にすくすくと育つようになるそうだ。これを試さない手はない。
第二子。そう、私はもうすでに一人、子を儲けていた。その子はいま目の前にいる。
「はぅう、お父さんのオチンポ私も欲しいよぉ〜! 私のロリマンコに種付けしてお母さんみたいに孕ませて欲しいよぉ」
私によく似た顔立ちの娘。父となったフィルの顔に跨って、いっぱいの涎を垂らしたオマンコを舐めてもらいながら、疼くオマンコを慰めていた。それでも舐めしゃぶってもらってイケば、天使の翼が快楽にピンっと張られる。もう立派な雌だ。
主神様の教えにおいて近親相姦は禁忌とされているが、いま行っていることは禁忌ではない。何故なら必要なことだからだ。
私は勇者となる人を孕むことができず、この娘を産んだ。恐らく天使としての血が濃すぎたためだろう。
だが、天使の血が薄まったこの娘ならば? この娘ならばもしかしたら私よりも高い確率で勇者となる子を孕めるかもしれない。そう思い、教育した。勇者に尽くすヴァルキリーとして。
いまではもう、私を押しのけようとすらする勢いで父親であるフィルのオチンポを求めている。当然、私との時間は少なくなってしまったが構わない。可愛いフィルとの娘だ。我慢できるし、フィルとまぐわう姿を見ていると胸が温かくなる。
それに、きちんとその分は愛してもらえている。フィルの愛は底なしなのだ。
「うふぅ……! はぁあぁあ……家族が増えたら部屋を広くしないといけない、なっ……!」
当然もう宿屋には住んでいない。町の人に相談して、空き家を一軒譲ってもらった。
この町の者は皆、優しい。最近では魔物も多く入ってきているが、これがなかなか話の分かる奴が多い。それに子育てなど右も左も知らない私たちに色々と教えてくれたりもした。胎教の件も魔物に教えてもらったことだ。
いずれ魔王は滅ぼさなければならないが、彼女らのような魔物たちは残さねばならないな。彼女たちも夫を大事にしているという点だけは、私と一緒なのだから。
夫婦の愛の営みのできる魔物は必ず残さねば。それが平和にも繋がるかもしれん。
まぁ使命も何もなく欲望に溺れているのだけはいただけないが。
「あああああっ! フィルぅ! そこっそこいいいぃっ!」
ぐりぐりと子宮口とオチンポの鈴口のディープキス。これは合図だ。もう射精するというフィルの合図。ああ、来る。来る来る来る。来るぅぅぅぅ!!
白濁の閃光が私の視界に迸った。
全身を挿し貫く甘い快楽に背を弓なりに反らせ、私は背中からベッドに倒れる。じゅぼっとオチンポがオマンコから抜け、白濁の子種汁がごぽりと漏れ出た。勿体ないのに、あまりに気持ちよくて動けない。
「うふふ、やったぁ、次は私の番っ! あんっ、あんっ! お父さんのオチンポ気持ちいいよぉ!」
そして娘がフィルのオチンポに飛び乗り、すぐさま腰を振って快楽を味わい始める。天使の身体に適応したフィルのオチンポは、何度射精しても萎えないほど立派で逞しいものになっていた。
「あ、ふふ、蹴ったなこいつめ」
私はお腹をたっぷりの愛情を注いで撫でる。第二子。私とフィルの子であり、いま目の前で腰を振っている娘の妹か弟。
でもどちらでもいい。元気に産まれてきさえすればそれで。
何せ時間はたっぷりある。それにヴァルキリーとして娘が産まれて来ても、その娘もフィルとまぐわえばいい。ヴァルキリーの使命を私たちとともに歩めばいいのだ。
いや、そうだな。別に一人勇者を産めたからとはいえやめる必要はない。
魔王を滅ぼすことのできるその日まで、ずっとずっと子を成すために、崇高な使命を帯びた交わりを行い続ければ良いのだ。
そう、終わらない。
何人でも産む。
愛しいフィルとの子を私は何度も、何度でも。
それが私の心からの望みであり、主神様より賜った崇高な使命なのだから。
[了]
その週末、私はフィルに洗礼を与え、主神様の加護を授け勇者にした。
教会でのその儀式は、リミアとバラドア司祭の付き添いの元、滞りなく終わった。
その儀式までに残った問題も片づけた。最初に取り掛かったのはフィルの母親の件だ。
通常、天使が直接人の生き死に関わるのは良くないとされている。特に寿命に関してはそうだ。よほどの徳を積んだ人物か、これから先多くの者を救う者でなければ天使は助けない。それに人に施しを授けるのはエンジェルの役目であって、ヴァルキリーではない。
善行が報われるのはあって然るべきだが、事あるごとに助けていては、人が己が持つ命の尊さを忘れてしまうことにも繋がりかねない。
故にいままで手を差し伸べて来なかった。だがいまフィルの母親は、フィルが勇者となるための障害となっている。彼女が病に伏せったままでいるとフィルは町を出られない。
フィルは今後、多くの命を救い、世を平和に導くために必要不可欠な存在だ。だから彼女の病気を治した。病の元を聖素を注ぐことで消し去ったのだ。
人の定められた寿命を捻じ曲げるなど天使としてあってはならない行為だったが、「神の声」もリミアも、彼を勇者とするためには必要なことと赦してくれた。
そして、フィルの両親はフィルが勇者となることを認めてくれた。
「天使様、フィルをどうか、どうかお願いします」
その言葉は勇者に導いて欲しいというよりも、我が子の命をどうか守って欲しいと願う親の気持ちだった。
だからこそ、私は誠意を以て答える。
「フィルは私が責任を以て守り、育みます。きっと、世界を平和へと導く存在に彼はなるでしょう。そして、彼には必ずその世界で暮らしてもらいます」
そうして二人は私にフィルを託してくれた。
勇者となったフィルに、私は必要最低限の戦う術を教えた。剣の振り方、身のこなし方など、基本中の基本ではあるが。
加護を受ける前まではろくに剣も持ち上げられなかったことを考えれば、大きく前進していると言えよう。それでも魔物と戦うのはなかなか難しいが。
しかしまだ覚えるのは護身程度でいい。私もついているからな。最初のうちは弱い魔物を相手にすればいい。
「あぁっ!」
だがまぁ思った通り、予想通り、予定調和だったな。
フィルは手に持った剣を、無骨な棍棒で弾かれ手放してしまった。そのまま突進を受けて、地面に押し倒されてしまう。
そうしたのは、フィルと同じくらいの背丈の少女。普通の女の子にも見えるが、頭にはシンメトリーになった角が伸びている。彼女の正体はゴブリンという汚らわしい魔物だ。
魔物の中ではかなり弱い部類。しかも群れでこそ真価を発揮し、一匹ではさらに弱い。
そんなゴブリンになすすべもなく、ほぼ一瞬でフィルは無力化されてしまった。
ここは北の森の北端。私たちはリミアたちに見送られ旅に出た。目的地は北の森を越えた、直接的な支配こそされていないものの魔物に与する町だ。
フィルを手っ取り早く鍛えるにはこうした方がいいと思ったが案の定、あっさりと敗れてしまった。ふふ、敗れてしまったなぁ。
「うふふ、可愛い子だね、あんた。さぁ私のアジトに帰ってたっぷり愉しみましょ?」
「誰が誰と愉しむって?」
さてこのまま放置するわけにもいかない。私の勇者だからな、こんな小汚い魔物にくれてやるわけにはいかん。
「んー? まだ人がい、て……え?」
「ふふ。人がいて、なんだ?」
軽く聖素を放出させる。手に聖槍を具現化させた。
「はわわ、天使ぃ!? ご、ごめんなさーい!!」
いかに弱くとも、実力差を見抜けぬほど愚かではないらしい。
ゴブリンは武器を手放して、すぐさま遁走していった。
ふん、と私は矛を収める。今日の私は気分がいい。見逃してやるとしよう。
「ミュ、ミュリエラ様ぁ〜」
泣きべそかいているフィルを抱き起し、横向きに抱きかかえた。やれやれ、加護を得た勇者となっても弱いな。
「情けないな君は。あんな弱い魔物一匹にも勝てんとは」
「ご、ごめんなさい〜」
剣を拾い上げ、フィルを下ろさずそのまま森を歩き始める。
「うぅ一人で歩けますよ、ミュリエラ様」
「駄目だ。大きく尻もちを打っただろう。大人しく運ばれなさい。それから町に着いたらまた特訓だからな。さすがにあんな魔物一匹倒せないようでは駄目だぞ」
「は、はい……」
ふふふ、さて、どんな特訓をするとしようかな。
始まったばかりの、誰にも邪魔されない二人っきりの旅。
私は舌なめずりして、腕に収まる可愛いフィルを見下ろしていた。
―8―
結局、どんなに特訓してもフィルは魔物を一匹も倒せなかった。
私とリミアの見立て通り、フィルに戦いの才能はなかった。これはどれだけ磨いても光ようのない、単なる石ころだった。
それでも一生懸命フィルは不貞腐れず頑張っていたし、私も常に付き添って手取り足取り導いていたからその頑張りは知っている。
だが、だからこそ、フィルがこれ以上自身の貴重な時間を浪費することに私は耐えられなかった。
そして、そんなときだ。久方ぶりに「神の声」を聞いたのは。
『――――』
その内容を、私は歓喜を以て受け入れた。
そうだ。最初からそうすれば良かったのだ。それならば、そうすれば、世界を平和に導ける。フィルを真の勇者に、そして、最初のフィルの願いを叶えてあげることもできる。
「うふふ」
私は早速行動に移ることにした。
宿屋に借りている私の部屋にフィルを呼んだ。
「その、ミュリエラ様……今日は稽古をしてくださらないのですか?」
今日も訓練をするつもりだったのだろう。軽鎧を着て腰に剣を携えたフィルがいる。が、勇ましさとは程遠く、とても可愛らしい。それがいい。そこがいい。
もうフィルに剣など不要なのだから。
「今日は稽古はしない。いや、もうこれから先フィルが鍛錬する必要はない」
「え? それはどういう?」
「こっちに来なさい。剣など置いて、さぁ」
私はベッドに寝転がりながら艶やかに手招きする。
フィルは迷っているようだった。それに目のやり場にも困っている。
それはそうだろう。いまの私は、下着すら透けて見える、薄紅色のネグリジェを着ているのだから。それも露出度の高い、誘うようなだらしのないネグリジェだ。
「さぁ、早く」
「は、はい……」
しかし、フィルに私の言葉に逆らうような度量は持ち合わせていない。だから素直に剣を置いてゆっくりと近づいてくる。
ベッドの前まで来た彼の手を取り引っ張って、背中から抱き付いて私の腕の中に収めた。
「ミュ、ミュリエラ様!?」
「ふふっ、捕まえたぁ」
「あ……」
腰から抱きしめて胸を押し付けると、フィルは途端に口をつぐんで大人しくなる。ふふ、照れているのだな、本当に愛い奴だ。
「フィル……君はもう剣を取る必要はない。魔物と戦う必要はない」
「そ、それはどういうことですか?」
「君に戦う才能はない、ということだ」
私がはっきりとそう告げると、フィルはうな垂れた。悲哀が漂うが、しかし納得している風でもあった。きっと、訓練しながらも魔物と戦いながらも、自分に戦いの才能がないと悟っていたのだろう。
ああ、なんて可哀想なフィル。
「だけど心配はいらないよ、フィル。たとえ魔物と戦えずとも、君は立派な勇者となれる」
「それは……以前仰ってくださった、人々に勇気と希望を与える、ということですか?」
「それもあるなぁ」
私はねっとりと舌なめずりをする。
フィルの首筋に口元を這わせる。ふぅと息を吹きかけると、フィルは敏感に可愛らしく反応して見せた。
「あぅ、今日のミュリエラ様はどこか変です……お具合が悪いのですか?」
「いいや。そんなことはない。しかし、ありがとうフィル。心配してくれているのだな。私は嬉しいぞ」
もう駄目だ。我慢できない。早く告げてしまおう。
「フィル……私のことをまだ、好いてくれているか?」
「もちろんです」
即答だった。ああああああああ。あはぁ。
「あの日、悪い人から助けてもらったときから、ずっとずっと、いまも、これからもずっと、ミュリエラ様をお慕いしています」
なんて嬉しく、甘美な言葉。この言葉だけで蕩けてしまいそうだ。
「そうか。ならば、いま、ここでフィルの最初の望みを叶えてあげよう」
「え?」
「フィル。私と夫婦になろう」
ようやく私は告げた。フィルに、フィルが私にしてくれた愛の告白を。
フィルはトマトよりも顔を真っ赤にさせて慌てふためく。暴れるが絶対に離してあげない。
「ふふ、何をそんなに慌てている? 君が望んでいたことだろう?」
「そ、そうですが……でもミュリエラ様は僕のことを好きとも嫌いとも思っていないのでは?」
ああ、そんなことを言ってしまったこともあったな。
いま思えばなんて愚かなことを言ったのだろうと思う。
こんなにも可愛らしく、いじらしい、一途で優しい少年をどうとも思っていなかったなんて。
「人が変わるように天使も変わるのだよ。君に告白を受けてから、実はずっと君に惹かれていたんだ。最初はわからなかったが、君に悪魔から助けられたときにわかった。こんな私に一途に好意を寄せてくれる君に、慕ってくれる君に、優しい君に、私は心底惚れてしまったんだ」
フィルの耳元に口を寄せる。
「フィル……私は君のことを愛している」
「ふぁぁ……」
蕩けたような甘い声を漏らすフィル。可愛いなぁ。
「ふふ、どうだ? 私の告白、受け入れてくれるか?」
フィルが顔を上げる。その顔は蕩けたまま、歓喜に満ちていた。
「はい、ミュリエラ様ぁ。僕と夫婦になってくださいぃ」
「ああ。これで君と私は夫婦だ。愛し合う関係だ」
じゅるりと私は涎をすする。ごくりと生唾を飲み下した。
さて、ここからが本題だ。
「さて、先ほどの話の続きをしようか。君はいま勇者でもあり、そして私の夫でもある。わかるな?」
こくりと頷く。素直でいい子だ。
「だが戦いの才能は君にはない。到底魔王を倒すなど無理な話だ。それもわかるな?」
「はい」
「だが、案ずることはない。君に魔王を倒す力がないのならば、勇者を倒すことのできる存在を作ればいい」
「それはどういう?」
ピンと来ない表情を私に向けるフィルに、私は笑った。淫靡に。
「君が私に勇者を孕ませるんだ」
私の言葉にやはりフィルはピンと来ていなかった。
結婚のこともよく知らなかっただけあり、性知識も疎いみたいだ。これはいい。
私好みのフィルにできるのだから。私がフィルを導けるのだから。
「つまりだ。君の両親にとってのフィルを、私とフィルで作ろうということだ。フィル、私と子供を作ろう」
「えええ!?」
ようやく合点が行ったらしい。素っ頓狂な声をあげて驚いている。
だが何を驚く必要があるというのか。
「私と君は夫婦だ。愛し合う仲が子供を儲けるのはごく自然のこと。これは主神様も認めている。快楽に溺れるのが禁忌なだけで、子を成すための行為自体は悪ではない。もっと言えば、これは使命を果たすことでもある。君の心優しい人格と私の天使の力を引き継ぐ子を産むことができれば、その子は万夫不当の勇者となるだろう。そう。私と君で魔王を打倒する勇者を産む。これが私たちが主神様より賜った、崇高な使命なのだ」
そうですよね。主神様。ああ、はい。全ては主神様の御心のままに。このフィルを私は愛し抜き、この子の子を孕み産み育てます。
それが私の使命であり、何より、私が何に代えても行いたい願望なのだから。
「あう……でも僕、子供の作り方なんて」
「案ずるな。私が手取り足取り教えてあげるよ。ふふ、九歳にもなって子供の作り方も知らないんだな、君は」
「ごめんなさい」
「謝るな。むしろ嬉しい。私が教えてやれるのだからな。君を立派な勇者に導くことが私の悦びでもある。さぁ教えてあげよう。ここと、ここだ」
私はフィルの手を取り、私の股間へと導く。そして、私は空いた方の手でフィルの股間にズボンの上から触れた。
「ミュ、ミュリエラ様!?」
今日何度目かわからないフィルの驚いた声。
「ふぁ、ぁぁぁ……」
しかし、その声はすぐに快楽に塗りつぶされて、気の抜けた力のない声に変わる。
ふふ、ちょっとズボンの上から撫でられただけでこれか。期待できそうだ。
「フィルのオチンポ」
オチンポ。うふふ、オチンポって言ってしまった。なんて下品な言葉。でも、フィルをその気にさせるために必要なことなのだ。使命を果たすための一環。だから悪いことではない。オチンポ、オチンポ、フィルのオチンポォ。
「そして、フィルがいま触ってるここが私のオマンコだ。ほら、言ってみろ、オ・マ・ン・コ」
「オ、オマンコ……」
あはっ。フィルが下品な言葉を言ってくれた。
私の誰にも触れられていないところをネグリジェ越しに触りながら、オマンコって!
「そう。フィルのオチンポをだ、私のオマンコの穴にじゅぷって挿し入れるんだ。そしてコスコスと互いの粘膜を擦り合う……」
フィルの手を動かし、私のオマンコの入り口を上下になぞらせる。それに連動するように、私もフィルのオチンポを布越しに上下に擦った。
「するとオチンポからぴゅっぴゅって白いおしっこがいっぱい出てくる。それを私のオマンコの奥、子宮にごくごくと飲ませれば赤ちゃんができるんだ。君の子を、私が孕むことができるんだ。種付けだ」
「あ、あ、あ……ミュリエラ様ぁ……」
うふふ、ズボンの上から擦られただけで感じている。
それに意味もきっとほとんど理解できていないだろうに、本能的に私の言葉で興奮してくれている。
なんて嬉しいんだ。フィルが私の言葉と好意で気持ちを昂らせてくれているなんて。
それに、さっきまで柔らかかったオチンポが、ズボン越しでもわかるくらい固くなっている。ああ、苦しそうだな。解放してあげよう。
私はベルトを外し、フィルのオチンポをズボンから解き放ってやる。
むわぁと突如、精臭が私の鼻腔をくすぐった。
「ッ……」
なんと香しく、芳醇で甘美な匂い。これがオチンポ。フィルのオチンポの匂いなのか。
「あぅ、ミュリエラ様ぁ見ないでくださいぃ」
空いた手で顔を隠して、フィルは恥ずかしそうに顔を俯ける。
「何を恥ずかしがる必要がある。私たちは夫婦なのだ。互いの性器を見合うのは至極当然のこと。それに、ふふっ、私の親指よりちょっと長い程度で、尿道も見えないほど皮が被っていてとても可愛いぞ」
勃起状態でこれだ。なんと愛らしいことか。こんなものを見せつけられて我慢できるわけがない。
「あぅ、そんなミュリエラ様ぁ、汚いですから触っちゃ駄目ですぅ」
「君のオチンポが汚いわけなどあるか。それともなんだ? 私のオマンコも汚いというのか? 同じ性器だぞ?」
「そ、そういうわけじゃないです、けど」
「ふふ、なら君も触れ。ほら、君の意思で私の下着の中に手を入れろ」
「ぅぅ、はい……」
「あぁぁあっ!」
すごっ、すごいぃ、直接そっと触られただけで身体に電流が走ったみたいにっ!
「ご、ごめんなさいミュリエラ様!」
「いや、違う。もっとしてくれ。触ってくれ、私のオマンコを。私も君のオチンポを触るから」
背中から彼を抱いたまま、私はフィルのオチンポを、フィルは私のオマンコを触りっこし合う。
ふふ、小さなオチンポ。手にすっぽり収まってしまう。掌で先っぽを皮の上から撫でると、喘ぐような声を漏らして可愛い。
フィルのオマンコの擦り方もとても上手だ。彼の生来の優しさが伝わってくる、私を蕩け挿すような優しい撫で擦り方。蕩け果ててしまいそうだ。
しかし、このまま続けていても使命は果たせない。早速次のステップに進もう。
私は皮を被ったフィルのオチンポを大人チンポに変えてあげようと、竿を握って下に降ろそうとする。
「あぅぅ、ミュリエラ様ぁ」
快楽と痛みが入り混じった声をフィルが漏らし、すぐさま手を留めた。
「すまないフィル。痛かったか?」
「だ、大丈夫です……」
優しくフィルの亀頭を撫で撫でする。まだ剥いたこともないのだ。手だけで潤滑油もなく剥くのは性急すぎたみたいだ。
慌てちゃ駄目だ。フィルはまだ子供。私がしっかりと導いてあげないと。
『お口で舐めしゃぶってあげるのです』
「はい、主神様」
お導きに従い、私はフィルの服を全部脱がせてベッドに寝かせる。
筋肉なんてほとんどついていない、フィルの丸みを帯びた華奢な身体。その股間にオチンポがピンッと勃っている。毛もなくてつるつるで、とても小っちゃな愛くるしいシャルの分身に私は顔を寄せた。
「ミュリエラ様なにを?」
「案ずるな。私のこの口で、君のオチンポを立派な大人のオチンポに生まれ変わらせてあげるだけだ」
「そ、そんな、汚いですって!」
「ふふ、汚くなんてないさ。それどころか、とても美味しそうだ……ああ、このオチンポをしゃぶれる日が来るなんて、今日はなんて良い日だ」
「ミュ、ミュリエラ様ぁ」
「ふふ、可愛らしい声をあげて。そんなにされたくないのか? ほらぁ、私の口の中を見ろ。涎でいっぱいだろう? 舌がぐちゅぐちゅと蠢いているだろう? 手でさすさすされるよりもずぅっと気持ちいいぞ?」
「お手々よりも?」
びくんとオチンポが跳ねた。ふふっ、こっちはとても正直者だなぁ。
わずかな抵抗心も、お手々よりも気持ちいいという快楽の欲には逆らえなかったみたいだ。
それでいい。きちんと種を私の子宮に注ぐため、これは必要なことなのだ。決して快楽に溺れるためではない。
世界を平和へと導くための、崇高な行為なのである。
「あーんっむ」
ソーセージのような肉棒。フィルのオチンポを私は一気に根本まで咥えた。
途端、身体の芯まで刺し貫くような甘い精の香りが鼻腔を突き抜け、脳から下半身まで一気に駆け抜ける。
美味しいぃ……。
ただ咥えただけでこれ。ならば、もっと濃い匂いを放っている皮の中はどれほどのものなんだ?
ああ、我慢などするものか。
私は涎をたっぷりと滴らせた舌を、皮の隙間に挿入する。たっぷりたっぷり涎を染みださせて、べったり張り付いた皮を溶け剥がしていく。
「あぅぅぅぅ、ミュリエラ様ぁぁぁぁぁ……」
快楽に悶えるフィルの声が私の耳朶を犯す。興奮する。もっとしてあげたくなる。
舌を這わせる速度を上げた。チーズのようにべっとりとした恥垢を根こそぎ、舌で絡めとっていく。
美味しい美味しい美味しい! フィルのオチンポの味! 誰にも舐められたことのない。誰にも触れられたことのない、私が初めて味わうオチンポの味!
舌が蕩ける。脳味噌が蕩ける。こんな素晴らしいものをフィルは隠していたなんて!
イケナイ子だ。たっぷり舐めしゃぶって、もっともっと素直な子に、私に全てをさらけ出せる子に教育してあげないと。うふふ。
「じゅるじゅる、れろれろっ、じゅぷぷぷじゅる、んくんく、ちゅるるるるるるっ」
「ひゃうぁあああっ、ミュ、ミュリエラ様激しいですぅ……あ、あ、あ、何か変なのが昇ってっ」
ちょうど皮を完全に剥ききり、こべりついた汚れを舌で擦り取っているときだった。
そんな声をフィルは漏らし始めて、私は慌てて口をオチンポから離す。
「はぁはぁはぁ……ミュリエラ、様?」
切なそうな顔を浮かべるフィル。だが駄目だ。一番搾りは、もっとも濃い種汁は、私の子宮に注がないといけないのだから。お口で味わうのは余裕があるときにしよう。なぁに、機会なんて幾らでもあるさ。
「ふふ、立派な大人チンポに生まれ変わったなぁ」
頬撫でしながら、私はフィルのオチンポを両手で愛撫する。
つるつるの綺麗なピンク色をした亀頭。てっぺんの可愛らしいお口がぱくぱくと透明な涎を滴らせている。竿は穢れを全く知らない肌色で私の親指くらいの太さ。
大人チンポと言っても、成人男性のそれに比べれば全然まだまだ。とはいえフィル以外のペニスなど知識でしか知らないが。
「じゅるり……」
だが、わかる。
このオチンポは、私をしっかりと種付けしてくれると。
私を狂わせるほどによがらせてくれる、至高のオチンポだと。
あぁ、だがまだだ。私のここの準備はとうにできて、白濁した本気の涎を垂らしてベッドにシミを作っているが、それでもまだだ。
私も、フィルにしゃぶられたい。
「さぁ、次はフィルの番だ。今度は私を気持ちよくさせてくれ」
私はベッドに仰向けに寝転がて股を開き、髪色と同じ薄くヘアーのあるオマンコを指で開く。
こぷこぷと涎を垂らして、私のオマンコはフィルを誘っている。甘い匂いだ。食虫花の如く、フィルを惑わす肉花。
「さぁ、おいで」
「はいぃ……」
私の誘惑に、フィルは表情を蕩けさせながら這い寄ってくる。そして、私のオマンコにその小さな顔を近づけた。
「これが、ミュリエラ様のオマンコ、っていうんですね……」
「変じゃ、ないかな?」
「わかりません。初めて見ますから……でも、とっても綺麗で、ドキドキして、その、お舐めしたいと思ってしまいます」
ゾクゾクと快感が背筋を駆けのぼる。あぁあ、フィルがこんなことを言ってくれている。遠慮もなく私のオマンコを視姦して、願望を口にしてくれている。
嬉しいぃいい。
「舐めてくれ、フィル。私のはしたなく、誰にも触れられたことのない初オマンコ。君の舌で下品な音を立てて舐めしゃぶってくれぇ」
天使にあるまじきおねだり。だがこれでいいのだ。夫を昂らせることが妻の使命。それは天使であろうと関係ない。いや、むしろ天使だからこそもっと淫乱に夫を求めていかねばならないのだ。
それが愛するということなのだから。
「で、ではミュリエラ様。失礼します。あ、むっ……」
「あひぃんっ!?」
オマンコの入り口全体を覆うように大きく口に含まれた瞬間、電流が全身を駆け巡った。
心身を蕩けさせる甘い電流。すごぉい……。
「はぁはぁ、すごいっ、フィル、舐めるのやめないで、もっと、もっと舐めるんだ、私のオマンコを」
「ひゃ、ひゃぁい、あむ、れろっちゅちゅっちゅっ、ぴちゃぴちゃちゅっ、れろれろっ、ちゅぅぅう」
「くぅぅ、はぁああ、しゅごい……小さくて細い舌が私のオマンコの唇を掻き分けて、くふぅっ! あっ、れろれろって舐めてくれてるッ! イイ! フィルぅ! イイよぉ!」
私のオマンコに顔を埋めて無我夢中でしゃぶるフィル。ごくごくと私の愛液を飲んでくれている。天使の蜜を味わってくれている。
「フィル、ここも、ここも舐めてくれ。私が君にしてあげたみたいに、君の舌で、皮を剥いてくれぇ」
陰核。オマンコの上にある、一度も外気に触れたことのないクリトリス。
ああ! そうだ、そうだそれでいい。気持ちいい。ぺろぺろって子犬みたいに舐めてくれ。ああ、クリトリスそうだ。舌でこしこしして、ほじくって、そこだ。
「くぅうううううううっ!?」
小さなおちょぼ口に、私のクリトリスが食べられてっ!? ちゅうちゅうって!
「ちゅぅぅうううううううううっぷはっ!」
「あひぃんっ!!」
フィルの口の中が真空になってクリトリスが激しく弾かれる。
その突然の快楽に、私の淫らなオマンコからぶぴゅって白濁の汁が溢れ出た。
ちょっぴりだけイってしまった。なんてはしたない。フィルにはお預けさせたのに。
これはたっぷりとフィルにお礼をしないといけないな。
我慢させた分、しっかりどっぷりと子種汁を吐き出してもらわないと……。
「さぁ、待たせたな、フィル。前戯はおしまいだ。ここからが本番。子作りセックスだ」
「子作りセックス。ミュリエラ様と僕が……」
「そうだ。この、君がほぐしてくれたはしたなく涎をこぼしているオマンコに、私が大人チンポに生まれ変わらせてあげたそのオチンポを挿入するんだ。そして、私の子宮に君の濃厚な一番搾り。白濁の子種汁をたっぷりと注ぎ込み、私に君の子供を孕ませてくれ」
くぱぁとオマンコを開く。
我慢しすぎで白く濁った本気汁の涎を垂らし、湯気すら見えるオマンコ。外気に初めて触れたクリトリスはびんびんに勃ち、僅かな空気の流れすら敏感に快楽へと変換していた。
「はぁはぁ、ミュリエラ様ぁぁぁ……」
口からも、オチンポからも涎を垂らしたフィルが私に真正面から抱き付く。二つのおっぱいでフィルの頭を挟み、彼の華奢な身体を私の肉付きのいい身体でしっかりと抱き留めた。
「ミュリエラ様ぁミュリエラ様ぁミュリエラ様ぁあぁああ!!」
私の名前を蕩けた声で呼びながら一心不乱に腰を振るフィル。やり方はわかっていなくても本能でどう腰を振ればいいかわかっているみたいだ。
だが、まだ挿入はできていない。逸る気持ちを抑えられないのだろう。
それほどまでに、この私を求めてくれている。
私に種付けして、孕ませたいと想ってくれている。
なんと悦ばしいことだ。
ヴァルキリーとして、何より妻として、それに応えねばな。
「ここだ、フィル。こ・こ」
「あああ、ミュリエラ様ぁ、先っぽがぐにゅうって……!」
「そうだ。そこに挿し込め。私のオマンコでフィルのオチンポをぎゅうって抱きしめてあげるぞ」
ぐにゅ。じゅぷぅ。
「ミュリエラ様ぁ。ふわぁ、なにこれぇああ!」
「あああああああああっ、キタぁあああ!」
じゅぷぅってぇ、フィルのオチンポが私のオマンコの肉壺の中にぃ!
私の敏感なところいっぱいずりずりって削りながら押し込んできてるぅ!
「はうぅう、すごいぞ、フィルぅ。お前のオチンポ、気持ちいいっ」
ぎゅうっと抱きしめる。おっぱいと身体で包み込む。
「ふぁああ、ミュリエラ様ぁ、ああ、ああああ、あああ」
どうやら子供のフィルにはこの快楽は強すぎたらしい。突き入れただけでもう腰砕けになって、私の身体にしがみつくことしかできていない。
「あんっ、そんな強く揉んじゃあ」
ふふ、無意識かな。両手でおっぱいを好き勝手に揉みしだいている。
「ごめんなさいぃ、ごめんなさいミュリエラ様ぁ」
顔を上げて涙目なフィル。快楽の暴風に必死に耐えようとするいじらしさに、私の庇護欲の炎が一層燃え上がってしまう。
「謝るな。そうだ、もっと揉んでくれ。吸ってくれ、ほら」
「あむ、ちゅうちゅう、ぷはぁ、おっぱい……ママぁ、ちゅうちゅう」
あああああああ! なんて可愛らしい!
母が病に伏せっていたせいで、その上本人の優しさもあって甘えることなんてほとんどできなかったのだろう、フィルは。なんと不憫で、愛らしいか。
「いいぞ、もっと私に甘えろ。今日から私は君の天使であり、妻であり、もう一人の母だ。たんとおっぱいをお吸い。ミルクは……ふふ、孕ませてくれたら飲ませてあげよう。んんっ、ああっ、そう気持ちいいっ! 上も下もイイッ!」
背中を擦りながら、フィルのなすがままにされる。腰は動かさず、おっぱいだけをちゅうちゅうと吸ってくる。いまはこれでいい。最初は意識を色々なところに分けて、徐々に快楽に慣れていくことが大事だ。
「あっ、んんっ!」
あぁ、ちょっとだけ腰を動かしたな? ふふ、無意識に探っているな。腰砕けにならない強さでの腰の振り方。快楽に流されないよう、お互いが気持ちよくなれる加減を。
「ふふ、戦いの才能はなかったが、君にはこちらの才能が十二分にあるようだな。妻としては戦いの才能があるよりもずっとずっと嬉しいぞ」
「ちゅうちゅう、ママぁ、ミュリエラ様ぁ」
「ふぅふぅ、君は本当に、んひっ!? くぅ、ふ、はは、こっちの才能は計り知れないな」
小さいのに、短いのに、ここまで的確に私の気持ちのいいところを探ってゴリゴリって削ってるっ! それに合わせて、おっぱいを揉みしだき、乳首を吸う激しさはそれだけで気を遣ってしまいそうなほど。
最高だ。私の最高の夫だ。運命だったんだ。この子と私が結ばれるのは。こうやって愛を紡ぎ合うのは。
「ああ、そうだ、徐々にゆっくりと引いて……挿して! んひぃっ!」
「ミュリエラ様ぁ! ミュリエラ様ぁ! 腰がぁ、腰が止まらないよぉ! オチンチンが食べられてるのに気持ちいいよぉお!」
「あはっ、それでいいんだ! フィル! 腰を触れ、お前の思うがままに! 私のオマンコに食べさせてくれ、お前のオチンポをぉ!」
じゅっぷじゅっぷと粘膜が擦り立てる水音と、腰のぶつかり合う音が部屋に響き渡る。ベッドのスプリングとフィルの腰振りに合わせて、私も腰を振り、貪欲にフィルのオチンポを食べ始めた。
いいぞっ、フィル。すごいっ、もう腰をこんなに動かせている。私に甘美な快楽をもたらせてくれている。
もっとだ。もっと。もっともっともっと!
「もっとぉ! フィルッ! 私のオマンコにいっぱいオチンポをねじ込んでぇ! ずんずんってぇ!」
「ミュリエラ様ぁ! すごいよぉお、オチンチンがぐちゅぐちゅってぇ、もぐもぐってぇ、ミュリエラ様のオマンコの柔らかくてどろどろしたのでぇ、僕のオチンチン溶かされてるぅ、食べられてるぅ! ミュリエラ様ぁ!!」
「欲しいっ、欲しい! フィルのオチンポがもっとぉお!」
「ふぁああ、ミュリエラ様ぁ!?」
フィルの腰に足を回し、フィルの腰振りに合わせて足を動かした。オチンポを突くときの速度が上がって、激しく肉を擦り合う。気持ちよさが止まらなくなる。
さらにふわふわの穢れのない白い翼でお互いを包む。外の穢れた空気にフィルを触れさせたくない。フィルは私からもたらされる空気を吸って、匂いを嗅いで、私だけを見て生きればいい。
ああ、愛しい愛しいフィル。私のフィル。私だけの勇者。
お迎えしたい。もっと奥に。私の大事な、私の勇者にしか許さない秘所の奥の奥。
子宮に。
「あう!? ミュリエラ様ぁ、僕のオチンチンが何かにちゅうちゅうされてるぅ!」
ああ、あははっ、願いが叶った。私のオマンコ、私の願いに応えてくれた。なんて、なんて下品ではしたない淫乱なオマンコなんだ。
フィルのオチンポが欲しすぎて、自ら子宮を下ろすなんて。
それに飽き足らず、自らオチンポをしゃぶるなんて。
まるで、私そのものじゃないか!
「そこだぁ、フィルぅ。私の赤ちゃん部屋。君が種を注ぐ場所は! ほらぁ来るんだ。ずぶぅって挿し込むんだぁ!」
「ミュリエラ様ぁ!!」
じゅっぷぅぅ!!
「んひぃいいいいいっ!? き、キタぁあああああああああ!」
オチンポが子宮口を挿し貫いたのか、それとも子宮口がオチンポを喰らったのか。
どっちでもいい。少なくとも、フィルの熱々のオチンポの亀頭が丸々、私の子宮にすっぽりと収まったことだ。
「あぅぅ、食べられてぇ、抜けないよぉ」
「うふふ、もう逃れられないぞ、フィルぅ。君はもう、私に種付けをして、孕ませることしかできないんだ。ほら、ほらほら、ほらぁああ!」
腰を突き上げ、子宮でオチンポの亀頭を咥えたまま竿を扱いた。きゅっと膣を締め付ければフィルのオチンポの形が鮮明にわかる。どこが特に感じているかも、いつどの瞬間に我慢汁を漏らしたのかもわかる。
「はぁはぁはぁ、ミュリエラ様ぁ、僕もう、何か、来て……」
そして、たっぷりの精子が混ざった白濁汁がもう根本まで来ているのもわかる。
「ああ、いいぞっ! 出せ! 漏らせ! 私の子宮に、一滴も漏らさず全部吐き出すんだ!」
ラストスパート。腰が壊れるくらいに大きく振るい、下からフィルを浮かせるほどにずんずんと激しく動く。
私のおっぱいにしがみつくフィルの顔は完全に快楽に塗りつぶされ、もう恐れも何もない。
ただ私から与えられる快楽を享受し、最後のときを待っている。待ち望んでいる。
それでいい。それがいい。それが君の使命。私に子種汁を注ぎ、次代の勇者を孕ませることこそが、君の崇高かつ何にも優先される使命なのだ。
故に溺れろ。私に、快楽に、二度と這い登れぬ悦楽の坩堝に。
私たちの子を成すために、快楽を貪るのだ!
「ミュリエラ様ぁああああああああああああああ!」
「フィルぅううううううううううううううううう!」
膣の全てを貪る収縮と、腰を思い切り打ち付けるのは同時。そして、フィルが最後の力を振り絞って、私の子宮の天井をその逞しく膨らんだ亀頭で突いたのは同時だった。
視界を白濁に塗りつぶす快楽が、子宮を通し私の全身を駆け巡った。
どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅ!
そんな音が子宮からはっきりと聞こえてくる。尋常じゃない勢いの射精が子宮の天井を叩いてくる。
私の卵子を、フィルの精子の海が呑み込み、犯しているぅ……。
声にならない嬌声を私とフィルは共にあげた。天使でも人でもない。獣の嬌声。
その声をあげるのはとても気持ち良かった。もっともっと上げたい。この宿に住む、この町に暮らす者全員に聞かせたいほどに。
「あはぁ……フィルの子種汁、私の子宮に溜まってるぅ」
意識がまどろみに呑まれていく。
それでも断続的に、気をやるような快楽に襲われながら、私は最愛のフィルを抱き締めて、まどろみに沈んでいった。
「ミュリエラ様ぁ、僕、幸せですぅ……」
最後に聞こえてきたのは、フィルの蕩けた声だった。
今日より、私とフィルの使命は子作りとなった。
誰にも邪魔されることのない、甘く、蕩けるような日々が続くのだ。
私も幸せだよ、フィル。
―9―
町の路地裏。二人の情事を魔法で透視し、見届けたあと、私はふぅと息をついた。
傍らにはバラドア司祭がいる。
「無事、終わったようですかな?」
「はい、司祭様。ミューは無事堕ちました。残念ながら、私と“同じ”にはなりませんでしたが」
ヴァルキリーのリミアラこと私は、変化の術を解く。すると、私の金髪も肌も、そして天使の翼も途端にその色を変える。
金髪は妖しい輝きを放つ銀へ。肌は爛れた青白い淫靡な肌へ。そして翼は、欲望に塗れ、色欲に狂うドス黒い羽翼へ。
これがいまの私の真の姿。ダークヴァルキリー。私はもう堕ちていた。
ミューがフィルと初めて出会ったときにはすでに。
「ふふ、またまた御冗談を。どちらになっても良かったのでしょう? 天使様的には」
「司祭様は何でもお見通しなのですね」
私をこの身に堕としたのはリリム。ミューも出会ったとされるあのリリムだ。ほとんど抵抗なんてできないまま、快楽を教え込まれ、そして、バラドア司祭への愛情を抱かさせられた。
いや、気づかせてくれたと言うべきか。私がバラドア司祭に好意を抱いていたことに、あの御方は気づかせてくださったのだ。
そうして、ミューに気づかれないまま、バラドア司祭と私は結ばれた。愛欲の日々を重ねたのだ。
そんな日々を下さったあの御方の望みのまま、そして堕落神様のお導きのまま、私はミューに少しの堕落神の魔力を植え付けた。
本人が気づかないほど小さな、芽吹くかどうかもわからないほどの小さな小さな種を。
結果はこの通り。フィルに向けられた好意により、無事堕落の種は芽吹いた。本人が気づかぬままそれは全身を蝕み、彼女は主神との回路も経たれ、己が欲望の声の赴くまま、快楽を貪っている。
「ああ、美しいわ、ミュー」
しかし、これほどの欲望に塗れてもなお、ミューは白く気高い清廉な光を持ち合わせている。
彼女は信じ切っているのだ。自らの行いが崇高なものであると。勇者と快楽を貪り、交尾に耽る日々が使命を果たすことになると。本気で信じているのだ。
そんなミューの姿がたまらなく愛おしく、美しい。
綺麗な白のまま、私と同じくらいにドス黒く爛れているのだから。
「…………」
ふふ、さて、彼女はいつ気づくことになるでしょうね。
ミューが助けたフィルの母親。彼女は聖素を注いだと思っているだろうが、それは違う。
彼女が注いだのは魔力。堕落の魔力。
その結果は町の現在が物語っているわね。もうあそこに町はない。空っぽ。町には人っ子一人いない。
だってみんなもう堕落神様の元へ、「万魔殿」に旅立ったもの。
うふふ。いつそれを知ることになるかしらね。知ってどう思うかしら?
後悔? いいえ。きっと、羨ましい、でしょうね。
「さて、天使様。そろそろ」
「そうですね、司祭様」
「その司祭様という堅苦しい呼び名もやめましょうかな」
それは合図だった。私に天使ではなく、一匹の欲望に忠実な雌になれという。
「はいぃ、バラドア様ぁぁあ」
むせかえるような甘い匂いの含んだ堕落の魔力を全身から漏らして、私は猫なで声でバラドア様にしなだれかかる。初老であるにも関わらず彼は力強く私を抱き寄せ、卑猥な手つきで私のお尻を揉みしだいてくれる。
「さぁリミア、行こうか。向こうで終わることのない日々の中、存分に可愛がってあげましょう」
「はいぃ、私の穢れて淫乱になったこの肢体を、あひあひ鳴く雌犬のこの顔を、バラドア様のオチンポで真っ白にお清めくださいぃ」
「ふふ、中も外もたっぷりとしてあげますよ」
「嬉しいですぅ」
そうして私たちの姿は足元から闇に消えていく。転移するのだ。
向かう先は一つ。
時が止まった、堕落と退廃の園「万魔殿」。
私たちはそこで、堕落と快楽に塗れた欲望を際限なく貪りつくしていくのだ。
なんて、甘美な日々だろうか。
「またねぇ、ミュー」
次に会える日を楽しみに待っているわ。
白く眩い天使のまま、堕落の天国へ堕ちてくる、その日を。
―10―
今日も私たちは子作りに励んでいた。
最初に訪れた町で暮らし始めてから何日、何か月、いや何年経っただろうか。
第二子を孕み、お腹を大きく膨らませている私は今日も、フィルの股の上で大きく腰を振っている。
「ああんっ! いいのぉ! フィルの逞しいオチンポいいのぉおお!」
赤ちゃんが眠る子宮をずんずんと突かせながら嬌声を撒き散らしまくっていた。
セックスは良い胎教と聞いたので実践している形である。特に精液を赤ちゃんの子宮に注いでもらうと、赤ちゃんは立派にすくすくと育つようになるそうだ。これを試さない手はない。
第二子。そう、私はもうすでに一人、子を儲けていた。その子はいま目の前にいる。
「はぅう、お父さんのオチンポ私も欲しいよぉ〜! 私のロリマンコに種付けしてお母さんみたいに孕ませて欲しいよぉ」
私によく似た顔立ちの娘。父となったフィルの顔に跨って、いっぱいの涎を垂らしたオマンコを舐めてもらいながら、疼くオマンコを慰めていた。それでも舐めしゃぶってもらってイケば、天使の翼が快楽にピンっと張られる。もう立派な雌だ。
主神様の教えにおいて近親相姦は禁忌とされているが、いま行っていることは禁忌ではない。何故なら必要なことだからだ。
私は勇者となる人を孕むことができず、この娘を産んだ。恐らく天使としての血が濃すぎたためだろう。
だが、天使の血が薄まったこの娘ならば? この娘ならばもしかしたら私よりも高い確率で勇者となる子を孕めるかもしれない。そう思い、教育した。勇者に尽くすヴァルキリーとして。
いまではもう、私を押しのけようとすらする勢いで父親であるフィルのオチンポを求めている。当然、私との時間は少なくなってしまったが構わない。可愛いフィルとの娘だ。我慢できるし、フィルとまぐわう姿を見ていると胸が温かくなる。
それに、きちんとその分は愛してもらえている。フィルの愛は底なしなのだ。
「うふぅ……! はぁあぁあ……家族が増えたら部屋を広くしないといけない、なっ……!」
当然もう宿屋には住んでいない。町の人に相談して、空き家を一軒譲ってもらった。
この町の者は皆、優しい。最近では魔物も多く入ってきているが、これがなかなか話の分かる奴が多い。それに子育てなど右も左も知らない私たちに色々と教えてくれたりもした。胎教の件も魔物に教えてもらったことだ。
いずれ魔王は滅ぼさなければならないが、彼女らのような魔物たちは残さねばならないな。彼女たちも夫を大事にしているという点だけは、私と一緒なのだから。
夫婦の愛の営みのできる魔物は必ず残さねば。それが平和にも繋がるかもしれん。
まぁ使命も何もなく欲望に溺れているのだけはいただけないが。
「あああああっ! フィルぅ! そこっそこいいいぃっ!」
ぐりぐりと子宮口とオチンポの鈴口のディープキス。これは合図だ。もう射精するというフィルの合図。ああ、来る。来る来る来る。来るぅぅぅぅ!!
白濁の閃光が私の視界に迸った。
全身を挿し貫く甘い快楽に背を弓なりに反らせ、私は背中からベッドに倒れる。じゅぼっとオチンポがオマンコから抜け、白濁の子種汁がごぽりと漏れ出た。勿体ないのに、あまりに気持ちよくて動けない。
「うふふ、やったぁ、次は私の番っ! あんっ、あんっ! お父さんのオチンポ気持ちいいよぉ!」
そして娘がフィルのオチンポに飛び乗り、すぐさま腰を振って快楽を味わい始める。天使の身体に適応したフィルのオチンポは、何度射精しても萎えないほど立派で逞しいものになっていた。
「あ、ふふ、蹴ったなこいつめ」
私はお腹をたっぷりの愛情を注いで撫でる。第二子。私とフィルの子であり、いま目の前で腰を振っている娘の妹か弟。
でもどちらでもいい。元気に産まれてきさえすればそれで。
何せ時間はたっぷりある。それにヴァルキリーとして娘が産まれて来ても、その娘もフィルとまぐわえばいい。ヴァルキリーの使命を私たちとともに歩めばいいのだ。
いや、そうだな。別に一人勇者を産めたからとはいえやめる必要はない。
魔王を滅ぼすことのできるその日まで、ずっとずっと子を成すために、崇高な使命を帯びた交わりを行い続ければ良いのだ。
そう、終わらない。
何人でも産む。
愛しいフィルとの子を私は何度も、何度でも。
それが私の心からの望みであり、主神様より賜った崇高な使命なのだから。
[了]
17/12/31 21:23更新 / ヤンデレラ
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