最終話「時を犯す脳姦」
―1―
僕たちが洞窟から町へと帰ったのは一週間ほど経ってからだった。魔物となって帰ってきた僕たちに、皆がどんな反応をしたかは想像に難くないだろう。まあ色々だ。エイミーの両親は悲しんだし、ほかの町の人たちは魔物を殺そうと武器を手に取ったりもした。
だけど、そのあとどうなったかは、これもまた想像に難くないだろう。スーメルとエイミーが片っ端から町の人たちの脳みそを犯し、三十分とかからず、町を快楽の水底に堕としたのだ。住人全員を、だ。
その光景は壮観の一言に尽きた。町の端から端まで伸びる触手が、女性たちの脳みそを犯し、快楽本能に忠実にさせたのだ。半魔物と化した女性は、男性を犯し、無力化した。溢れてしまった未婚男性も問題はない。騒動を聞きつけたらしい色々な魔物娘たちが、その男性を食べてしまったからだ。もちろん性的な意味で。
平穏だった小さな町は、たった一刻で嬌声の絶えない魔物娘だらけの町へと変貌してしまったのである。改めてマインドフレイアの凶悪性(人間にとって)を理解して興奮したものだ。まぁ、町に攻めている間も常に、エイミーもスーメルもどちらのオマンコも犯していたのだけれども。興奮即射精だったけれども。
エイミーは特に自分の母親の脳みそを犯しているときが興奮したと言っていた。事実、そのときのオマンコの締めつけはいつも以上だった。五回くらいイカされた。反抗心を燃やしたスーメルにさらに五回イカされた。もう一度、エイミーに母親を犯して欲しいと思ったのは内緒だ。まぁすぐにバレて、二回戦に突入したのだけれども。
なんてことがあって、さらに半年。町はすっかり魔物娘だらけ。特にマインドフレイアばかりの町になった。魔界化自体もひと月でなった。いまではすっかり淫欲に満ちた濃い紫色の霧が常に町中に立ち込め、マインドフレイアの町にふさわしい淫夜の町へと遂げている。
しかし現在は結界を貼って、外からは普通の町に見えるよう細工している。理由は単純明快。外の人たちをおびき寄せるためだ。そして、マインドフレイアとなった外の人たちを元の町へと返すのである。そうすれば、あら不思議。第二のマインドフレイアの町へと早変わりである。
こんな感じで、二つほど隣町を堕とした。考えついたのはスーメルである。さすがいくつもの町を堕としてきた歴戦のマインドフレイア。その場から動かずとも勢力を増やすとは。
町の作物もだいたいが魔界のものに代わり、何故か蓄えていたお酒まで媚薬たっぷりの淫乱酒に変化していた。それを飲んでしまい、正気を失った僕がエイミーとスーメルをいつもより激しく犯し始めたのは、およそ二十日ほど前。
正気に戻ってきたのは最近。というかついさっきだ。
「んひぃ、いいっ! おっぱいぃ! いいにょおおお!」
「んはぁっ、ミルク出ちゃうぅ! 出ちゃうのぉおおお!!」
正気に戻った今もなお僕はいま、家の中の触手ベッドで二人を犯している。というか辞める理由がない。必要もない。正気も狂気も、二人とのエッチのスパイスでしかない。
僕はいつもと趣向を変えて、二人の乳房を犯していた。乳房というか、乳首だ。その乳腺だ。
プシャーーーー!!
ぶっとい触手ペニスを突っ込んだ、乳首の隙間から、乳白色のミルクがビュービュー吹き出る。エイミーとスーメル、二人同時にだ。
指で掬って舐めると、舌をも蕩けさせる甘い味がする。脳にまでミルクの味が染み渡るようだった。個人的にホルスタウロス印のよりも甘くておいしい。まぁ僕の妻のミルクなんだ。当然か。
「さぁ、僕も出すぞ。締め付けて」
「んんっ!」
「出してぇ! オチンポミルクぅ!」
「出るっ!」
ドピュドピュ!!
耳に届くほどの射精音を放ちながら、たっぷりとおっぱいの中に精液を注ぎ込む。入りきらなかった精液が逆流し、二人のミルクと一緒に溢れ出た。
それを掬い、今度は二人に舐めさせる。スーメルミルク混じりのをエイミーに、エイミーミルク混じりのをスーメルに互いに飲ませた。
「あまぁい……うふっ、お姉さまのミルク、甘くておいしいですぅ」
「エイミーのはコクがあって、とろりとしてるわねぇ。んくっ、舌に残っていつまでも味わえちゃう」
「僕のは?」
「「言うまでもないくらいおいしい」」
これは男冥利に尽きる。
僕は二人のお腹を頬でさすった。膨らんだ、二人のボテ腹をだ。
「もうそろそろかな?」
「人間とは身体の構造が違うから、もういつ生まれてもおかしくないわ」
「楽しみだね。カイトくんとの子供」
そう、二人の子宮の中には僕の子供がいる。なかなか子供ができにくいらしい魔物娘だが、二人揃って孕むことができた。スーメル曰く、エッチのしすぎじゃない? と言っていたが、まぁ納得できなくもない。寝ても覚めても、ご飯も食べずお風呂にも入らずにずっとエッチし続けてきたから。つまるところ、僕たちは現在進行形で淫獄に浸っているわけである。
「んっ、お腹蹴った……あはっ、オチンポミルク飲ませてってせがんでるよぉ」
「こっちも、イイッ……はぁはぁ、ザーメンミルクゴクゴクしたいって暴れてるわぁ」
「順調に咲いてるなぁ」
「将来が愉しみな淫乱さだね」
「ふふっ、名前はなんてしようかしら?」
「じゃあ、カイトくん?」
「私たちの子供に、栄養のあるミルクを注いでくれるかしら?」
なんて言いながら、二人はオマンコを広げる。こぽりと、熟れた赤い果肉から、甘ったるい匂いの濁った愛液が溢れる。
口では子供のためといいつつも、本当は自分も欲しいのだろう。
「「((わかってるなら……ね?))」」
耳に刺された触手を通じて、二人の声が聞こえる。あれ以来、一瞬たりとも離したことのない触手だ。
「まぁ、僕も、二人に、いや四人に精液飲ませたくて仕方ないんだけどね」
僕は乳首から抜いた触手を二人のオマンコにあてがう。もうこのペニスは自由自在だ。いつでも好きに変化させることができる。これもマインドフレイアの能力の恩恵だろう。人前では二人に強制的にイカの姿にされるが、まぁそれはそれで悪くない。
「カイトくん来てぇ……! オチンポぉ!」
「カイトくんのチンポぉ……私たちに食べさせてぇ!」
僕は二人のオマンコにペニスを挿入しようとした。
そのときだった。
「帰ったぞぉー!」
部屋の戸が開け放たれる。そこには黒髪で大柄な男性が、というか僕の父さんがノックもなしに入ってきたのだ。
「…………」
「…………」
硬直する親子の図である。が、父さんのほうは、案外と驚いていなかった。
「やっぱ、外もああなってたし、お前もこうなってると思ってたよ」
どこか呆れたように、父さんは言った。萎えるわけではなかったが、完全に二人に挿入するタイミングを失った形だ。
エイミーとスーメルも快楽の淵から上がってきて、触手ベッドから起き上がる。
「か、カイトくんのお父さん!」
「えっ!?」
エイミーがハッとしたように我に返った。エイミーは正座(あの足で正座と言えるか疑問だが)をして、触手ベッドに手をつく。
エイミーの言葉を聞いたスーメルは素っ頓狂な声をあげた。
「ああああ、あのっ、む、息子さんとはお付き合いさせて、いた、いただいてまう」
噛んだ。
「えええ、エイミーと申しますっ!」
「ん? ああ、“夢見亭”の娘っ子さんじゃないか。一瞬わからなかったぞ。ほうほう、そうかそうか。なんだ、カイト、うまいこと好きな子ゲットできたんだな」
「し、知ってたのかっ!?」
「はっはぁ、何年お前の親父をやってると思う。親父様はなんでもお見通しなんだよ」
ゲラゲラと笑う父さん。父さんにバレていたと思うと、なんだか腹が立ってきた。
「んで、そちらの娘さんは?」
スーメルの方を向いて、父さんは目を細める。
「わ、私も、息子さんとお付き合いさせていただいております、スーメルと申します」
こちらもエイミーを真似て正座で手をついた。何故、二人してそんなに緊張するというのか。
「お前さんもか? なんだぁ、カイト両手に花じゃねぇか。モテモテだなぁ」
「う、うるさいな」
「私とカイトくんは、スーメルお姉さまのおかげでこうして結ばれたんです」
「なるほど、二人のキューピッド&カイトのお嫁さんってわけか。がっはっは、こりゃいい」
スーメルには珍しい、生娘っぽく顔を真っ赤に染めて俯く。貴重なスーメルの恥ずかしがる顔を見れて、内心エイミーとハイタッチした。頭の中でスーメルに怒られた。
「で、用がないなら出ていってほしいだけど。さすがに親に見られながらはヤリにくい」
「まぁ待てや。お前に合わせたい人がいるんだよ」
合わせたい人?
父さんの後ろに人影が映る。触手を幾本も抱いた人影だ。
「ほら、恥ずかしがってないで出てこいって。五年ぶりなんだからな」
五年ぶり……?
後ろから姿を現したのは、体型を隠してしまうくらいの大きめのワンピースを着たマインドフレイアの女性だった。顔は、スーメルやエイミーよりもやや年上の女性に見える。
「え……?」
しかし、僕は目を疑った。信じられなかった。そのマインドフレイアの女性は、僕が、知っている人に違いなかったから。
忘れようがない、忘れられない、だけど二度と会うことのないと思っていた女性、その人。
「かあ、さん?」
「カイト……!」
恥ずかしそうに頭を垂れていたマインドフレイアの女性。いや、僕の母さんが、僕の顔を見るなり、たちまち目に涙をいっぱいたたえて僕へ向かって走る。そして、僕を、その両手で抱きしめてくれた。ギュッと力強く。もう離さないと言いたげに。
「母さん……」
「ああ、カイト……私の愛しい息子」
母さんだ、この暖かい手、母さんだ。姿は違って、母さんだ。いつも僕を慰めて、癒してくれた母さんの手とぬくもりだ。
「ずっと、あなたをこうやって、抱きしめてあげたかった。ごめんなさい、ごめんなさい、長いこと待たせてしまって……」
「ああ……」
嬉しいのに、言葉が出てこない。話したいことはたくさんあるはずなのに、僕の口から漏れ出るのは嗚咽ばかり。エイミーのこと、スーメルのこと、この五年間のことを伝えたいのに。
でも、それでも。たとえ言葉にできなくとも、僕は母さんと再び出会えたことの喜びを、まっすぐ抱き返すことで、母さんに伝えたのだった。
―2―
「あの村で隣国との戦争が起きたとき、私はまだ死んでいなかったの」
落ち着いた僕は、エイミーとスーメルとともにベッドに腰掛け、椅子に座る母さんの言葉に耳を傾けた。
「隣国の兵士に身体を切りつけられ、焼き討ちにあった家の中で私は確かに死にかけ寸前だった」
五年前、僕らがいた村は、突如進行してくる隣国との戦場となった。突然の開戦に、村の人たちは逃げることができなかった。僕らの家族もそうだ。
母さんは息も絶え絶えの状態で、火の手が回る家の中に閉じ込められ、父さんと僕は、助けに行くことができなかった。敵兵士も至るところにいて、どうしようもなく、惑う僕を連れて、父さんは家を、村をあとにしたのだった。
そうして身一つで流れ着いたのが、エイミーの住む町カストレアだった。父さんは酒造りに没頭した。まるで母さんの死から目を逸らすように。
「だけど、私は死ぬ寸前に、ひとりの魔物娘に助けられていたの。しかもその魔物娘によって、村の戦争は無理矢理集結させられたわ。全員を魔物娘とその夫に変えることによってね。そして、外からは普通に戦争が終わり、復興したのだと思わせるように細工して、村を出て行ったわ」
最初にいた村が復興したとの知らせは幾度となく届いていた。だけど、僕も父さんもそこへ帰ることはしなかった。できなかった。母さんが死んだと、認めたくなかったから。
だけど、五年経って、ようやく父さんは故郷へ帰る決心がついた。僕にはまだその決心がつかなかった。
そして、父さんは故郷へと帰った。
「私はその魔物娘によって、マインドフレイアにされたわ。この消えかけた命の灯火を絶やさないために」
「…………」
「だけど死にかけだったからか、記憶が混濁していたわ。昔のことを上手く思い出せなかったの。でも、五年経って、この人が来てくれて、全て思い出した。愛しい夫と息子のことを」
母さんは優しい目で、父さんを見る。しかしすぐに、マインドフレイアらしい情欲に満ちた淫靡な瞳で、うっとりと父さんを見据えていた。僕の見たことのない母さんの女の顔。
「それからは、ね。もう我も忘れて、五年分たっぷりと愉しんだわ」
「ああ、年甲斐もなく張り切っちまった。死んだと思ってた女房が、前よりべっぴんさんになって生きてて、しかもこれまたド淫乱になってるんだからな」
「ふふっ、枯れていたこの身体がどんどん若返っていくようでしたよ」
微笑む母さんと父さん。とても幸せそうだ。
エイミーは何故か涙ぐんで、触手で目尻を抑えている。対して、スーメルはぽかんとしていた。唖然と、信じられないとでも言いたげな表情だ。
その表情を見た母さんは立ち上がり、深々とスーメルにお辞儀した。
「あのときは、死の淵から私を救っていただいて、ありがとうございました」
「えっ?」
「えっ?」
「……信じられない」
今度は僕とエイミーが唖然とする番だった。一体全体どういうことなのか。
「あなたに助けていただいたおかげで、私は今こうして最愛の夫と息子と再開することができました」
「まさか、あのときの女性が、カイトくんのお母さんだったとはね……」
涙ぐみながら、スーメルは笑う。嬉しそうに、ホッとするように。
「そのあなたが、こうして私の息子と一緒になっていてくれる。これほど嬉しいことはありません。これからもカイトのこと、どうかよろしくお願いしますね」
敬愛する恩人を見るように、そして最愛の我が娘を見守るように柔和な笑みを浮かべて、母さんは頭を下げた。
「無駄じゃ、なかった……」
ぽつりとスーメルは呟く。
「ひとりで旅をしてきたこといままでのことは、無駄じゃなかった。これだけの、意味があった」
嬉しそうに、暖かなものを抱きしめるように、胸のうちに手を収めて、スーメルは涙を流す。その肩を僕は抱き寄せた。
「うっ、うぅ、うあああぁぁぁぁぁぁ!」
「ありがとう、スーメル。お前のおかげで、僕の過去は、救われたんだ」
「うぅ……うん、うんっ」
嗚咽を漏らしながら、何度もスーメルは頷いた。彼女の旅は無駄ではなくて、こうして僕とともに歩むことになるのは、きっと必然だったのだ。
「エイミーさん」
母さんが優しげな声で、エイミーに話しかける。
「は、はい」
「カイトのこと、この五年間、ありがとうございました」
「え?」
「あなたがいてくれたから、カイトはまっすぐ育ってくれたのだと思います。あなたの明るさに救われていたのだと、この人から聞きましたから」
父さん、本当に僕のこと、なんでも知ってるんだな。
「これからもずっと、カイトのこと、よろしくお願いします」
母さんがお辞儀をすると、エイミーはいままでの恥ずかしがっていた素振りを全く見せず、まっすぐ母さんを見据え、
「はい!」
と答えた。
僕はそのことが嬉しくて、たまらず、エイミーの肩を抱き寄せる。華奢な身体。だけど明るく暖かい。
「僕は、スーメルに過去を救われて、エイミーに今を救われた……」
全員に、宣言するように僕は言う。言うまでもないことだけど、言わずにいられない。言葉にしておきたい。
「だから、僕は、これからの未来はこの二人とともに歩むよ。ずっと。ずっとだ。絶対に離さない」
二人を抱きしめる。僕の過去と今を救ってくれた、最愛の女性たち。僕は彼女たちを絶対に手放さない。絶対に幸せにしてみせる。
「ふふっ、もうすぐ四人になりそうですけどね」
そう言って、母さんは微笑んだ。エイミーとスーメルのお腹を見ながら。
「え? そりゃ、どういう」
父さん、気づいていなかったのか。
「ふふ、すぐに孫が見られるということですよ」
「……!! なんだとおおおおおおお!?」
父さんうるさい。怒鳴らないでくれ。お腹の子に響くじゃないか。
「はは……こりゃめでてぇ。俺もついにお爺ちゃんか。そのくせ、カイトに妹ができるなんてなぁ!」
「……え?」
いもうと?
母さんがゆるゆるのワンピースをめくり上げる。そのお腹は、妊婦のように膨らんでいた。エイミーとスーメルと同じくらいだ。
「いもうとおおおおおおおおおおおお!?」
「きゃ!?」
「もう、いきなり叫ばないで!」
僕も叫んでしまっていた。やはり親子ということか。
「ふふ、もうそろそろかしらね。精液欲しいって、よくお腹蹴るのよ? あっ、いまも」
「うっし、じゃあ、ヤルか。俺も早くお前の身体が欲しくてたまんねぇよ」
「激しくしてくださいね。もうきっと産まれますから」
息子の前でもお構いなしでのろける両親である。
「ねぇ、カイトくぅん……私たちも途中だったし、ね?」
「そうよぉ、挿入れる寸前でお預け食らったんだからぁ」
「だな。ヤろうっか」
こっちもであった。こうなると、早く娘二人の顔が見たくて仕方ない。きっと可愛いに決まっている。
「お父様、お母様。よろしければ」
と僕らの寝るベッドの隣に、新しい触手ベッドをスーメルは作り出す。ってまさか。
「ふふ、いいでしょう? せっかくの親子が再開したのだもの。しかも出産寸前。お互いに、見せ合いましょう? エッチな姿を、子を産むところを。んっ、ちゅっ」
「私も賛成! んちゅっ、むちゅるっちゅっちゅっ!」
二人にベッドに押し倒されダブルキッスを受ける。こうなってしまえば、断りようがない。
そして向こうも乗り気なようで、隣のベッドに父さんと母さんは寝転がった。
「お前はやっぱり最高だ。行くぞッ!」
「来てぇ、あなたぁ!! んんんっ、太いィ。いいのぉ、これよぉ、これが欲しかったのぉぉ!」
早速父さんのペニスが母さんのオマンコへと挿し込まれる。太さだけなら僕以上のものを、なんなく受け止めて、母さんはよがっていた。
「カイトくんも負けていられないね」
「二人を相手するんだから、頑張りなさいね?」
そう挑戦的に言われては負けるわけにはいかない。今日で、その子宮の女の子を産ませてやる!
僕は触手のように伸びる二本の黒々とした剛直を、二人に深々と挿し入れた。
「んひぃおぉぉ!」
「キタぁあああ!!」
悦に入った二人の声を聞きながら腰を振るう。最近は子宮まで入れていなかったが、今日はもう辛抱たまらない。
亀頭で、子宮口を突くと、二人は嬌声を上げる。隣でも同じことをしているのか、母さんが喘ぎ声を脇目もふらず上げていた。
「あなたぁ! そこぉ! いいっ、膣内ゴスゴス削ってぇ、いいひぃ!」
父さんと目があった。
その程度か、と笑われているように思えて、僕はペニスに力を込める。
こうなったらとことんだ。二人とも、隣のことなんか忘れるくらい乱れさせてやる。
「んぎぃっ!? なにぃ、これぇ!」
「カリ……カリがいっぱいぃ! 重なってりゅう〜!」
触手変化の応用をペニスにも適応させた。しかもまだそれだけじゃないぞ。
「おっ? おっ、おっおおおうっ!?」
「んほぉおおおっ!? 裏筋ぃ、ブラシになっへりゅうううう!?」
「ゴシュゴシュって膣内擦ってるぅぅぅ!!」
これをさらにストロークさせれば……!
「んひぃぃぃ!?」
「ら、らめぇぇえええ! 刺激強すぎりゅううう!!」
二人して、アヘ顔晒して、悦んでいる。膣内が痙攣してイクのが止まらないのが、よくわかる。ああ、イイ。イキながら僕のペニスを責め立ててくる。カリ裏の弱いところとか、尿道口までオマンコの細かい肉ヒダ触手で的確に責めてくる。
最高だ、やっぱり二人は最高だ。もっと。もっと気持ちいいところ、オマンコのもっと奥、子宮に入れたい。
「はぁはぁ、挿入れるぞ」
いつもよりも狭い入口の子宮口。僕はそれをペニスでこじ開ける。グッグッと腰を押し込み、その隙間に僕のペニスをねじ込もうとする。子宮、僕の愛しい娘が眠るところに。
「あっあっ、こじ開け、んひぃ、られてりゅう!」
「わらひも、あっはぁ、破れりゅう、カイトくんのチンポで、赤ちゃん部屋こじ開けられりゃううう!」
「うっ、ああああっ!」
ブチュウウウウウ! ジョバーーーー!
キツく柔らかいものを破る感覚とともに生暖かい粘液がペニスに降り掛かり、オマンコの外へと流れ落ちていく。これは、薄紫色の羊水だ。
「破、れたぁ……あはぁ」
「出るよぉ、赤ちゃん、出ちゃうよォォ」
「んひぃぃ、あなたぁあああ! 子宮、チンポ突っ込んで、おっおっ!? 羊水こぼれりゅう!」
僕のペニスがついに、僕の娘が眠る孕みベッドの中へと侵入する。なんていう背徳なのだろう。わが娘のいる場所に、自身の欲望の権化を突き入れているのだから。
「っ!? なっ、うあぁっ!?」
突如、予想だにしていない刺激が僕のペニスに襲いかかった。
触手。何本もの細い触手が僕のペニスの亀頭に絡みついたのだ。
「あ、赤ちゃん、動いてるぅぅ!!」
「いいいっ! カイトくんのチンポ、直接舐めようとしてるぅ!」
「ぅあ、すごいっ!」
締め付けだけじゃない。小さな小さな、多分娘の口が、僕の鈴口に吸い付いたのだ。
しかも、エイミーの子とスーメルの子、両方ともに。
赤ちゃんとは思えない、快楽に熟知した、男をイカせることを熟知した濃厚な尿道フェラ。尿道の中に舌を入れてかき回し、触手でシュッシュと精液を搾り取ろうとする我が娘は、まさしくエイミーとスーメルの子供。僕をイカせることのできる立派なメスだった。
「はぁはぁ! やばいっ! もう、出るっ! まだ産まれてない娘に、イカされる!」
「あはっ! イっちゃえ! 変態カイトくん! 私たちの娘のお口に、たっぷりオチンポミルク飲ましてあげて!」
「娘にザーメンミルクぶっかけることに興奮しながら、イって! 変態カイトくん!」
「くぁっ!」
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!
「キタキタキタ、キタぁぁぁああああああ!!」
「ザーメンミルクたっぷり子宮に出たァああああああ!!」
「うあっ、くぅあっ! とまらないぃ! 気持ちいいっ! 子宮で、娘の口に射精するのすごくイイ!」
煮え滾ったドロドロのザーメン。それを全て二人の子宮に、二人の口に放っていく。溺れてしまわないか、なんて全く考えなかった。だって、娘は僕達の子だから。
「んぎっ!?」
「あっ、がっ! で、でてる……出ようとして」
「子宮口、こじ開けてりゅううう! しょ、触手でぇええええ!」
「んひぃぃぃ! 娘触手に子宮とオマンコ犯されてりゅうう!!」
這い出ようと娘が子宮から触手を伸ばして、オマンコの膣壁に触手を刺した。それで身体を引っ張り出そうとするのだ。僕のペニスに吸い付いて、今なお精液をごくんごくん飲み下しながら。
「んほぉ! オマンコぉ、広がってるぅぅ!!」
「オマンコ潜ってるぅぅ! あはぁぁ……」
僕も娘を応援するように、射精して、ペニスをゆっくりと引き抜く。
しっかりと僕のペニスを咥えた娘たちは、二人の母親のオマンコを犯しながら、産道を潜り抜ける。
「あああ、出るっ! 出る出る出る!!」
「来るぅ! わらひの娘くりゅううう!」
「「娘出産でオマンコ、イキゅうううううううううううううううううううう!!!」」
ジュッッポンッ!! ブシャーーーー!!
大量のおしっこを撒き散らしながら、ようやく、二人の娘が世界に「おはよう」をした。
僕のペニスに、まるで母親のおっぱいを飲む赤子のように咥え込んで。
「よく、産まれてきてくれたね」
僕は二人の頭を撫でる。人間の赤子のようには泣かなかったけど、くすぐったそうに目を細めて、ちゅぅっと僕の尿道に残る精液を啜った。
「はぁはぁ……カイトくん、見せて……私の、私たちの子供を」
「あなたとの、愛しい愛の結晶を」
「うん」
僕はペニスごと、ベッドに横たわる彼女たちの顔の前に寄せる。
「ああ、ふふっ、かわいい」
「一生懸命パパの精液吸ってる……」
「顔は二人に似てるね。すごくべっぴんさんだ」
生まれたばかりだけど、まるでエイミーとスーメル、二人を小さくしたかのような顔つきだった。とても愛おしい。まるで天使のようだった。
「目ももう開いてる……あっ、カイトくん見て笑ったよ」
「ふふっ、こっちは一心不乱に吸ってるわぁ。よっぽど好きなのね」
そう言いながら、僕のペニスごと、二人は娘を抱きかかえた。僕との、最愛の娘を。
父さんたちの方を見ると、あっちもどうやら生まれたみたいだ。母さんのおっぱいをちゅうちゅうと吸っている。その妹が、触手を僕の手元に伸ばしてきた。先をブンブンと振って、何かを求めている。
握手、すればいいのかな。
「……よろしくな。僕の娘とも仲良くしてくれよ」
その触手を手に取り、僕は親愛なる妹に挨拶をした。触手も優しく握り返してくる。向こうで、僕の妹が笑った気がした。
「「カイトくん」」
僕の最愛の妻に呼ばれる。二人は優しい顔つきで、僕を見上げている。女であり、メスであり、妻であり、母でもある。その全てに含まれる優しさを凝縮した表情。
「これからは五人で」
「病めるときも健やかなる時も」
「一緒に」
「歩んでいこう」
そう言葉を紡いだ。
「ああ」
僕もそれに応え、身体を震わす。
僕の最愛の妻、エイミーとスーメル。その二人にできた僕らの最愛の娘たち。
その四人に僕は、精液を放つ。紫色の肌をたっぷりと精液で染める。
精液でドロドロになりながら、妻と娘たちは微笑んだ。いやらしく、淫靡に、淫乱に。
これからは五人で生きていく。もっともっと淫らに堕ちていく。
僕達は、止むことのない快楽の中でともに、幸せに生きていくのだ
ずっと続く未来へと。
[Fin]
僕たちが洞窟から町へと帰ったのは一週間ほど経ってからだった。魔物となって帰ってきた僕たちに、皆がどんな反応をしたかは想像に難くないだろう。まあ色々だ。エイミーの両親は悲しんだし、ほかの町の人たちは魔物を殺そうと武器を手に取ったりもした。
だけど、そのあとどうなったかは、これもまた想像に難くないだろう。スーメルとエイミーが片っ端から町の人たちの脳みそを犯し、三十分とかからず、町を快楽の水底に堕としたのだ。住人全員を、だ。
その光景は壮観の一言に尽きた。町の端から端まで伸びる触手が、女性たちの脳みそを犯し、快楽本能に忠実にさせたのだ。半魔物と化した女性は、男性を犯し、無力化した。溢れてしまった未婚男性も問題はない。騒動を聞きつけたらしい色々な魔物娘たちが、その男性を食べてしまったからだ。もちろん性的な意味で。
平穏だった小さな町は、たった一刻で嬌声の絶えない魔物娘だらけの町へと変貌してしまったのである。改めてマインドフレイアの凶悪性(人間にとって)を理解して興奮したものだ。まぁ、町に攻めている間も常に、エイミーもスーメルもどちらのオマンコも犯していたのだけれども。興奮即射精だったけれども。
エイミーは特に自分の母親の脳みそを犯しているときが興奮したと言っていた。事実、そのときのオマンコの締めつけはいつも以上だった。五回くらいイカされた。反抗心を燃やしたスーメルにさらに五回イカされた。もう一度、エイミーに母親を犯して欲しいと思ったのは内緒だ。まぁすぐにバレて、二回戦に突入したのだけれども。
なんてことがあって、さらに半年。町はすっかり魔物娘だらけ。特にマインドフレイアばかりの町になった。魔界化自体もひと月でなった。いまではすっかり淫欲に満ちた濃い紫色の霧が常に町中に立ち込め、マインドフレイアの町にふさわしい淫夜の町へと遂げている。
しかし現在は結界を貼って、外からは普通の町に見えるよう細工している。理由は単純明快。外の人たちをおびき寄せるためだ。そして、マインドフレイアとなった外の人たちを元の町へと返すのである。そうすれば、あら不思議。第二のマインドフレイアの町へと早変わりである。
こんな感じで、二つほど隣町を堕とした。考えついたのはスーメルである。さすがいくつもの町を堕としてきた歴戦のマインドフレイア。その場から動かずとも勢力を増やすとは。
町の作物もだいたいが魔界のものに代わり、何故か蓄えていたお酒まで媚薬たっぷりの淫乱酒に変化していた。それを飲んでしまい、正気を失った僕がエイミーとスーメルをいつもより激しく犯し始めたのは、およそ二十日ほど前。
正気に戻ってきたのは最近。というかついさっきだ。
「んひぃ、いいっ! おっぱいぃ! いいにょおおお!」
「んはぁっ、ミルク出ちゃうぅ! 出ちゃうのぉおおお!!」
正気に戻った今もなお僕はいま、家の中の触手ベッドで二人を犯している。というか辞める理由がない。必要もない。正気も狂気も、二人とのエッチのスパイスでしかない。
僕はいつもと趣向を変えて、二人の乳房を犯していた。乳房というか、乳首だ。その乳腺だ。
プシャーーーー!!
ぶっとい触手ペニスを突っ込んだ、乳首の隙間から、乳白色のミルクがビュービュー吹き出る。エイミーとスーメル、二人同時にだ。
指で掬って舐めると、舌をも蕩けさせる甘い味がする。脳にまでミルクの味が染み渡るようだった。個人的にホルスタウロス印のよりも甘くておいしい。まぁ僕の妻のミルクなんだ。当然か。
「さぁ、僕も出すぞ。締め付けて」
「んんっ!」
「出してぇ! オチンポミルクぅ!」
「出るっ!」
ドピュドピュ!!
耳に届くほどの射精音を放ちながら、たっぷりとおっぱいの中に精液を注ぎ込む。入りきらなかった精液が逆流し、二人のミルクと一緒に溢れ出た。
それを掬い、今度は二人に舐めさせる。スーメルミルク混じりのをエイミーに、エイミーミルク混じりのをスーメルに互いに飲ませた。
「あまぁい……うふっ、お姉さまのミルク、甘くておいしいですぅ」
「エイミーのはコクがあって、とろりとしてるわねぇ。んくっ、舌に残っていつまでも味わえちゃう」
「僕のは?」
「「言うまでもないくらいおいしい」」
これは男冥利に尽きる。
僕は二人のお腹を頬でさすった。膨らんだ、二人のボテ腹をだ。
「もうそろそろかな?」
「人間とは身体の構造が違うから、もういつ生まれてもおかしくないわ」
「楽しみだね。カイトくんとの子供」
そう、二人の子宮の中には僕の子供がいる。なかなか子供ができにくいらしい魔物娘だが、二人揃って孕むことができた。スーメル曰く、エッチのしすぎじゃない? と言っていたが、まぁ納得できなくもない。寝ても覚めても、ご飯も食べずお風呂にも入らずにずっとエッチし続けてきたから。つまるところ、僕たちは現在進行形で淫獄に浸っているわけである。
「んっ、お腹蹴った……あはっ、オチンポミルク飲ませてってせがんでるよぉ」
「こっちも、イイッ……はぁはぁ、ザーメンミルクゴクゴクしたいって暴れてるわぁ」
「順調に咲いてるなぁ」
「将来が愉しみな淫乱さだね」
「ふふっ、名前はなんてしようかしら?」
「じゃあ、カイトくん?」
「私たちの子供に、栄養のあるミルクを注いでくれるかしら?」
なんて言いながら、二人はオマンコを広げる。こぽりと、熟れた赤い果肉から、甘ったるい匂いの濁った愛液が溢れる。
口では子供のためといいつつも、本当は自分も欲しいのだろう。
「「((わかってるなら……ね?))」」
耳に刺された触手を通じて、二人の声が聞こえる。あれ以来、一瞬たりとも離したことのない触手だ。
「まぁ、僕も、二人に、いや四人に精液飲ませたくて仕方ないんだけどね」
僕は乳首から抜いた触手を二人のオマンコにあてがう。もうこのペニスは自由自在だ。いつでも好きに変化させることができる。これもマインドフレイアの能力の恩恵だろう。人前では二人に強制的にイカの姿にされるが、まぁそれはそれで悪くない。
「カイトくん来てぇ……! オチンポぉ!」
「カイトくんのチンポぉ……私たちに食べさせてぇ!」
僕は二人のオマンコにペニスを挿入しようとした。
そのときだった。
「帰ったぞぉー!」
部屋の戸が開け放たれる。そこには黒髪で大柄な男性が、というか僕の父さんがノックもなしに入ってきたのだ。
「…………」
「…………」
硬直する親子の図である。が、父さんのほうは、案外と驚いていなかった。
「やっぱ、外もああなってたし、お前もこうなってると思ってたよ」
どこか呆れたように、父さんは言った。萎えるわけではなかったが、完全に二人に挿入するタイミングを失った形だ。
エイミーとスーメルも快楽の淵から上がってきて、触手ベッドから起き上がる。
「か、カイトくんのお父さん!」
「えっ!?」
エイミーがハッとしたように我に返った。エイミーは正座(あの足で正座と言えるか疑問だが)をして、触手ベッドに手をつく。
エイミーの言葉を聞いたスーメルは素っ頓狂な声をあげた。
「ああああ、あのっ、む、息子さんとはお付き合いさせて、いた、いただいてまう」
噛んだ。
「えええ、エイミーと申しますっ!」
「ん? ああ、“夢見亭”の娘っ子さんじゃないか。一瞬わからなかったぞ。ほうほう、そうかそうか。なんだ、カイト、うまいこと好きな子ゲットできたんだな」
「し、知ってたのかっ!?」
「はっはぁ、何年お前の親父をやってると思う。親父様はなんでもお見通しなんだよ」
ゲラゲラと笑う父さん。父さんにバレていたと思うと、なんだか腹が立ってきた。
「んで、そちらの娘さんは?」
スーメルの方を向いて、父さんは目を細める。
「わ、私も、息子さんとお付き合いさせていただいております、スーメルと申します」
こちらもエイミーを真似て正座で手をついた。何故、二人してそんなに緊張するというのか。
「お前さんもか? なんだぁ、カイト両手に花じゃねぇか。モテモテだなぁ」
「う、うるさいな」
「私とカイトくんは、スーメルお姉さまのおかげでこうして結ばれたんです」
「なるほど、二人のキューピッド&カイトのお嫁さんってわけか。がっはっは、こりゃいい」
スーメルには珍しい、生娘っぽく顔を真っ赤に染めて俯く。貴重なスーメルの恥ずかしがる顔を見れて、内心エイミーとハイタッチした。頭の中でスーメルに怒られた。
「で、用がないなら出ていってほしいだけど。さすがに親に見られながらはヤリにくい」
「まぁ待てや。お前に合わせたい人がいるんだよ」
合わせたい人?
父さんの後ろに人影が映る。触手を幾本も抱いた人影だ。
「ほら、恥ずかしがってないで出てこいって。五年ぶりなんだからな」
五年ぶり……?
後ろから姿を現したのは、体型を隠してしまうくらいの大きめのワンピースを着たマインドフレイアの女性だった。顔は、スーメルやエイミーよりもやや年上の女性に見える。
「え……?」
しかし、僕は目を疑った。信じられなかった。そのマインドフレイアの女性は、僕が、知っている人に違いなかったから。
忘れようがない、忘れられない、だけど二度と会うことのないと思っていた女性、その人。
「かあ、さん?」
「カイト……!」
恥ずかしそうに頭を垂れていたマインドフレイアの女性。いや、僕の母さんが、僕の顔を見るなり、たちまち目に涙をいっぱいたたえて僕へ向かって走る。そして、僕を、その両手で抱きしめてくれた。ギュッと力強く。もう離さないと言いたげに。
「母さん……」
「ああ、カイト……私の愛しい息子」
母さんだ、この暖かい手、母さんだ。姿は違って、母さんだ。いつも僕を慰めて、癒してくれた母さんの手とぬくもりだ。
「ずっと、あなたをこうやって、抱きしめてあげたかった。ごめんなさい、ごめんなさい、長いこと待たせてしまって……」
「ああ……」
嬉しいのに、言葉が出てこない。話したいことはたくさんあるはずなのに、僕の口から漏れ出るのは嗚咽ばかり。エイミーのこと、スーメルのこと、この五年間のことを伝えたいのに。
でも、それでも。たとえ言葉にできなくとも、僕は母さんと再び出会えたことの喜びを、まっすぐ抱き返すことで、母さんに伝えたのだった。
―2―
「あの村で隣国との戦争が起きたとき、私はまだ死んでいなかったの」
落ち着いた僕は、エイミーとスーメルとともにベッドに腰掛け、椅子に座る母さんの言葉に耳を傾けた。
「隣国の兵士に身体を切りつけられ、焼き討ちにあった家の中で私は確かに死にかけ寸前だった」
五年前、僕らがいた村は、突如進行してくる隣国との戦場となった。突然の開戦に、村の人たちは逃げることができなかった。僕らの家族もそうだ。
母さんは息も絶え絶えの状態で、火の手が回る家の中に閉じ込められ、父さんと僕は、助けに行くことができなかった。敵兵士も至るところにいて、どうしようもなく、惑う僕を連れて、父さんは家を、村をあとにしたのだった。
そうして身一つで流れ着いたのが、エイミーの住む町カストレアだった。父さんは酒造りに没頭した。まるで母さんの死から目を逸らすように。
「だけど、私は死ぬ寸前に、ひとりの魔物娘に助けられていたの。しかもその魔物娘によって、村の戦争は無理矢理集結させられたわ。全員を魔物娘とその夫に変えることによってね。そして、外からは普通に戦争が終わり、復興したのだと思わせるように細工して、村を出て行ったわ」
最初にいた村が復興したとの知らせは幾度となく届いていた。だけど、僕も父さんもそこへ帰ることはしなかった。できなかった。母さんが死んだと、認めたくなかったから。
だけど、五年経って、ようやく父さんは故郷へ帰る決心がついた。僕にはまだその決心がつかなかった。
そして、父さんは故郷へと帰った。
「私はその魔物娘によって、マインドフレイアにされたわ。この消えかけた命の灯火を絶やさないために」
「…………」
「だけど死にかけだったからか、記憶が混濁していたわ。昔のことを上手く思い出せなかったの。でも、五年経って、この人が来てくれて、全て思い出した。愛しい夫と息子のことを」
母さんは優しい目で、父さんを見る。しかしすぐに、マインドフレイアらしい情欲に満ちた淫靡な瞳で、うっとりと父さんを見据えていた。僕の見たことのない母さんの女の顔。
「それからは、ね。もう我も忘れて、五年分たっぷりと愉しんだわ」
「ああ、年甲斐もなく張り切っちまった。死んだと思ってた女房が、前よりべっぴんさんになって生きてて、しかもこれまたド淫乱になってるんだからな」
「ふふっ、枯れていたこの身体がどんどん若返っていくようでしたよ」
微笑む母さんと父さん。とても幸せそうだ。
エイミーは何故か涙ぐんで、触手で目尻を抑えている。対して、スーメルはぽかんとしていた。唖然と、信じられないとでも言いたげな表情だ。
その表情を見た母さんは立ち上がり、深々とスーメルにお辞儀した。
「あのときは、死の淵から私を救っていただいて、ありがとうございました」
「えっ?」
「えっ?」
「……信じられない」
今度は僕とエイミーが唖然とする番だった。一体全体どういうことなのか。
「あなたに助けていただいたおかげで、私は今こうして最愛の夫と息子と再開することができました」
「まさか、あのときの女性が、カイトくんのお母さんだったとはね……」
涙ぐみながら、スーメルは笑う。嬉しそうに、ホッとするように。
「そのあなたが、こうして私の息子と一緒になっていてくれる。これほど嬉しいことはありません。これからもカイトのこと、どうかよろしくお願いしますね」
敬愛する恩人を見るように、そして最愛の我が娘を見守るように柔和な笑みを浮かべて、母さんは頭を下げた。
「無駄じゃ、なかった……」
ぽつりとスーメルは呟く。
「ひとりで旅をしてきたこといままでのことは、無駄じゃなかった。これだけの、意味があった」
嬉しそうに、暖かなものを抱きしめるように、胸のうちに手を収めて、スーメルは涙を流す。その肩を僕は抱き寄せた。
「うっ、うぅ、うあああぁぁぁぁぁぁ!」
「ありがとう、スーメル。お前のおかげで、僕の過去は、救われたんだ」
「うぅ……うん、うんっ」
嗚咽を漏らしながら、何度もスーメルは頷いた。彼女の旅は無駄ではなくて、こうして僕とともに歩むことになるのは、きっと必然だったのだ。
「エイミーさん」
母さんが優しげな声で、エイミーに話しかける。
「は、はい」
「カイトのこと、この五年間、ありがとうございました」
「え?」
「あなたがいてくれたから、カイトはまっすぐ育ってくれたのだと思います。あなたの明るさに救われていたのだと、この人から聞きましたから」
父さん、本当に僕のこと、なんでも知ってるんだな。
「これからもずっと、カイトのこと、よろしくお願いします」
母さんがお辞儀をすると、エイミーはいままでの恥ずかしがっていた素振りを全く見せず、まっすぐ母さんを見据え、
「はい!」
と答えた。
僕はそのことが嬉しくて、たまらず、エイミーの肩を抱き寄せる。華奢な身体。だけど明るく暖かい。
「僕は、スーメルに過去を救われて、エイミーに今を救われた……」
全員に、宣言するように僕は言う。言うまでもないことだけど、言わずにいられない。言葉にしておきたい。
「だから、僕は、これからの未来はこの二人とともに歩むよ。ずっと。ずっとだ。絶対に離さない」
二人を抱きしめる。僕の過去と今を救ってくれた、最愛の女性たち。僕は彼女たちを絶対に手放さない。絶対に幸せにしてみせる。
「ふふっ、もうすぐ四人になりそうですけどね」
そう言って、母さんは微笑んだ。エイミーとスーメルのお腹を見ながら。
「え? そりゃ、どういう」
父さん、気づいていなかったのか。
「ふふ、すぐに孫が見られるということですよ」
「……!! なんだとおおおおおおお!?」
父さんうるさい。怒鳴らないでくれ。お腹の子に響くじゃないか。
「はは……こりゃめでてぇ。俺もついにお爺ちゃんか。そのくせ、カイトに妹ができるなんてなぁ!」
「……え?」
いもうと?
母さんがゆるゆるのワンピースをめくり上げる。そのお腹は、妊婦のように膨らんでいた。エイミーとスーメルと同じくらいだ。
「いもうとおおおおおおおおおおおお!?」
「きゃ!?」
「もう、いきなり叫ばないで!」
僕も叫んでしまっていた。やはり親子ということか。
「ふふ、もうそろそろかしらね。精液欲しいって、よくお腹蹴るのよ? あっ、いまも」
「うっし、じゃあ、ヤルか。俺も早くお前の身体が欲しくてたまんねぇよ」
「激しくしてくださいね。もうきっと産まれますから」
息子の前でもお構いなしでのろける両親である。
「ねぇ、カイトくぅん……私たちも途中だったし、ね?」
「そうよぉ、挿入れる寸前でお預け食らったんだからぁ」
「だな。ヤろうっか」
こっちもであった。こうなると、早く娘二人の顔が見たくて仕方ない。きっと可愛いに決まっている。
「お父様、お母様。よろしければ」
と僕らの寝るベッドの隣に、新しい触手ベッドをスーメルは作り出す。ってまさか。
「ふふ、いいでしょう? せっかくの親子が再開したのだもの。しかも出産寸前。お互いに、見せ合いましょう? エッチな姿を、子を産むところを。んっ、ちゅっ」
「私も賛成! んちゅっ、むちゅるっちゅっちゅっ!」
二人にベッドに押し倒されダブルキッスを受ける。こうなってしまえば、断りようがない。
そして向こうも乗り気なようで、隣のベッドに父さんと母さんは寝転がった。
「お前はやっぱり最高だ。行くぞッ!」
「来てぇ、あなたぁ!! んんんっ、太いィ。いいのぉ、これよぉ、これが欲しかったのぉぉ!」
早速父さんのペニスが母さんのオマンコへと挿し込まれる。太さだけなら僕以上のものを、なんなく受け止めて、母さんはよがっていた。
「カイトくんも負けていられないね」
「二人を相手するんだから、頑張りなさいね?」
そう挑戦的に言われては負けるわけにはいかない。今日で、その子宮の女の子を産ませてやる!
僕は触手のように伸びる二本の黒々とした剛直を、二人に深々と挿し入れた。
「んひぃおぉぉ!」
「キタぁあああ!!」
悦に入った二人の声を聞きながら腰を振るう。最近は子宮まで入れていなかったが、今日はもう辛抱たまらない。
亀頭で、子宮口を突くと、二人は嬌声を上げる。隣でも同じことをしているのか、母さんが喘ぎ声を脇目もふらず上げていた。
「あなたぁ! そこぉ! いいっ、膣内ゴスゴス削ってぇ、いいひぃ!」
父さんと目があった。
その程度か、と笑われているように思えて、僕はペニスに力を込める。
こうなったらとことんだ。二人とも、隣のことなんか忘れるくらい乱れさせてやる。
「んぎぃっ!? なにぃ、これぇ!」
「カリ……カリがいっぱいぃ! 重なってりゅう〜!」
触手変化の応用をペニスにも適応させた。しかもまだそれだけじゃないぞ。
「おっ? おっ、おっおおおうっ!?」
「んほぉおおおっ!? 裏筋ぃ、ブラシになっへりゅうううう!?」
「ゴシュゴシュって膣内擦ってるぅぅぅ!!」
これをさらにストロークさせれば……!
「んひぃぃぃ!?」
「ら、らめぇぇえええ! 刺激強すぎりゅううう!!」
二人して、アヘ顔晒して、悦んでいる。膣内が痙攣してイクのが止まらないのが、よくわかる。ああ、イイ。イキながら僕のペニスを責め立ててくる。カリ裏の弱いところとか、尿道口までオマンコの細かい肉ヒダ触手で的確に責めてくる。
最高だ、やっぱり二人は最高だ。もっと。もっと気持ちいいところ、オマンコのもっと奥、子宮に入れたい。
「はぁはぁ、挿入れるぞ」
いつもよりも狭い入口の子宮口。僕はそれをペニスでこじ開ける。グッグッと腰を押し込み、その隙間に僕のペニスをねじ込もうとする。子宮、僕の愛しい娘が眠るところに。
「あっあっ、こじ開け、んひぃ、られてりゅう!」
「わらひも、あっはぁ、破れりゅう、カイトくんのチンポで、赤ちゃん部屋こじ開けられりゃううう!」
「うっ、ああああっ!」
ブチュウウウウウ! ジョバーーーー!
キツく柔らかいものを破る感覚とともに生暖かい粘液がペニスに降り掛かり、オマンコの外へと流れ落ちていく。これは、薄紫色の羊水だ。
「破、れたぁ……あはぁ」
「出るよぉ、赤ちゃん、出ちゃうよォォ」
「んひぃぃ、あなたぁあああ! 子宮、チンポ突っ込んで、おっおっ!? 羊水こぼれりゅう!」
僕のペニスがついに、僕の娘が眠る孕みベッドの中へと侵入する。なんていう背徳なのだろう。わが娘のいる場所に、自身の欲望の権化を突き入れているのだから。
「っ!? なっ、うあぁっ!?」
突如、予想だにしていない刺激が僕のペニスに襲いかかった。
触手。何本もの細い触手が僕のペニスの亀頭に絡みついたのだ。
「あ、赤ちゃん、動いてるぅぅ!!」
「いいいっ! カイトくんのチンポ、直接舐めようとしてるぅ!」
「ぅあ、すごいっ!」
締め付けだけじゃない。小さな小さな、多分娘の口が、僕の鈴口に吸い付いたのだ。
しかも、エイミーの子とスーメルの子、両方ともに。
赤ちゃんとは思えない、快楽に熟知した、男をイカせることを熟知した濃厚な尿道フェラ。尿道の中に舌を入れてかき回し、触手でシュッシュと精液を搾り取ろうとする我が娘は、まさしくエイミーとスーメルの子供。僕をイカせることのできる立派なメスだった。
「はぁはぁ! やばいっ! もう、出るっ! まだ産まれてない娘に、イカされる!」
「あはっ! イっちゃえ! 変態カイトくん! 私たちの娘のお口に、たっぷりオチンポミルク飲ましてあげて!」
「娘にザーメンミルクぶっかけることに興奮しながら、イって! 変態カイトくん!」
「くぁっ!」
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!
「キタキタキタ、キタぁぁぁああああああ!!」
「ザーメンミルクたっぷり子宮に出たァああああああ!!」
「うあっ、くぅあっ! とまらないぃ! 気持ちいいっ! 子宮で、娘の口に射精するのすごくイイ!」
煮え滾ったドロドロのザーメン。それを全て二人の子宮に、二人の口に放っていく。溺れてしまわないか、なんて全く考えなかった。だって、娘は僕達の子だから。
「んぎっ!?」
「あっ、がっ! で、でてる……出ようとして」
「子宮口、こじ開けてりゅううう! しょ、触手でぇええええ!」
「んひぃぃぃ! 娘触手に子宮とオマンコ犯されてりゅうう!!」
這い出ようと娘が子宮から触手を伸ばして、オマンコの膣壁に触手を刺した。それで身体を引っ張り出そうとするのだ。僕のペニスに吸い付いて、今なお精液をごくんごくん飲み下しながら。
「んほぉ! オマンコぉ、広がってるぅぅ!!」
「オマンコ潜ってるぅぅ! あはぁぁ……」
僕も娘を応援するように、射精して、ペニスをゆっくりと引き抜く。
しっかりと僕のペニスを咥えた娘たちは、二人の母親のオマンコを犯しながら、産道を潜り抜ける。
「あああ、出るっ! 出る出る出る!!」
「来るぅ! わらひの娘くりゅううう!」
「「娘出産でオマンコ、イキゅうううううううううううううううううううう!!!」」
ジュッッポンッ!! ブシャーーーー!!
大量のおしっこを撒き散らしながら、ようやく、二人の娘が世界に「おはよう」をした。
僕のペニスに、まるで母親のおっぱいを飲む赤子のように咥え込んで。
「よく、産まれてきてくれたね」
僕は二人の頭を撫でる。人間の赤子のようには泣かなかったけど、くすぐったそうに目を細めて、ちゅぅっと僕の尿道に残る精液を啜った。
「はぁはぁ……カイトくん、見せて……私の、私たちの子供を」
「あなたとの、愛しい愛の結晶を」
「うん」
僕はペニスごと、ベッドに横たわる彼女たちの顔の前に寄せる。
「ああ、ふふっ、かわいい」
「一生懸命パパの精液吸ってる……」
「顔は二人に似てるね。すごくべっぴんさんだ」
生まれたばかりだけど、まるでエイミーとスーメル、二人を小さくしたかのような顔つきだった。とても愛おしい。まるで天使のようだった。
「目ももう開いてる……あっ、カイトくん見て笑ったよ」
「ふふっ、こっちは一心不乱に吸ってるわぁ。よっぽど好きなのね」
そう言いながら、僕のペニスごと、二人は娘を抱きかかえた。僕との、最愛の娘を。
父さんたちの方を見ると、あっちもどうやら生まれたみたいだ。母さんのおっぱいをちゅうちゅうと吸っている。その妹が、触手を僕の手元に伸ばしてきた。先をブンブンと振って、何かを求めている。
握手、すればいいのかな。
「……よろしくな。僕の娘とも仲良くしてくれよ」
その触手を手に取り、僕は親愛なる妹に挨拶をした。触手も優しく握り返してくる。向こうで、僕の妹が笑った気がした。
「「カイトくん」」
僕の最愛の妻に呼ばれる。二人は優しい顔つきで、僕を見上げている。女であり、メスであり、妻であり、母でもある。その全てに含まれる優しさを凝縮した表情。
「これからは五人で」
「病めるときも健やかなる時も」
「一緒に」
「歩んでいこう」
そう言葉を紡いだ。
「ああ」
僕もそれに応え、身体を震わす。
僕の最愛の妻、エイミーとスーメル。その二人にできた僕らの最愛の娘たち。
その四人に僕は、精液を放つ。紫色の肌をたっぷりと精液で染める。
精液でドロドロになりながら、妻と娘たちは微笑んだ。いやらしく、淫靡に、淫乱に。
これからは五人で生きていく。もっともっと淫らに堕ちていく。
僕達は、止むことのない快楽の中でともに、幸せに生きていくのだ
ずっと続く未来へと。
[Fin]
15/08/30 18:01更新 / ヤンデレラ
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