連載小説
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第二話「愛を犯す脳姦」

―1―

「すぅー、はぁー」

 酒屋「ブルーリカー」を営む親父の一人息子カイトこと僕は、酒場「夢見亭」の裏口前で深呼吸をした。胸の高鳴りをどうにか押さえ込む。
「夢見亭」に来るときはいつもこうなる。表面上平静を取り繕うために、深呼吸して身体の緊張を解さねばろくにしゃべることもできないくらいだ。
裏口が人通りに面してなくて助かる。こんなところ見られたら不審者と思われても仕方ない。まぁ、お酒の納品という大義名分があるのだから、そうビクビクする必要なんてないのだけれども。
 ビクビクはしないけれどもドキドキはする。心臓がバクバクする。その原因となっているのがこの「夢見亭」の看板娘ことエイミーだ。いや、原因というと悪く聞こえるかもしれないけれど、そうじゃなくて。僕の煮え切らない一方的な彼女に対する思慕のせいで、僕の心情は注ぎたてのビールのように泡立ち、落ち着かないのである。

 要するに、僕はエイミーのことが好きなのだ。
 
 いつも溌剌とした明るい表情。笑顔のときに浮かべる白い歯を映えさせる、セミショートの若草色の髪。その髪とディアンドル衣装のスカートを踊り姫のように舞わせながら店内を回る姿は、仕事中だというのを忘れて見蕩れてしまうくらい、美しかった。
 しかし、僕が彼女に告白することなんてできるわけもなく。酒屋の息子と酒場の娘の関係が続いている。この町に僕が来たのが五年前、この気持ちに気づいたのが二年前。微妙な関係だ。エイミーにはもっと長い付き合いの幼馴染がいて、彼女のことが好きな人もいるのだろう。多分、その人たちには敵わない。……気持ちで負ける気はないけど。

「……」

 今日はいつも以上に気が落ち着かない。いや、わかっている。理由なんて明白だ。一昨日の晩の夢のような出来事のことだ。
 エイミーが僕の家を訪ねてきて、僕を押し倒して、その、秘部を僕の口に擦りつけて、そして僕のペニスを舐めしゃぶった。
 まるで夢のような出来事。いや、いまでも現実とは思えない。いつの間にか僕はベッドで眠っていたし、行為による汚れとかもなかった。……夢精もしてなかった。
だから多分夢なのだろうけど、僕はそこまで欲求不満だったのかと思うと羞恥心でたまらなくなる。かといって、あれが本当の出来事だったとするとあのエイミーがあんなエッチな行為をするなんて信じられないし、彼女の口の中に精液を幾度も放ってしまったという罪悪感でたまらなくなる。
どちらにしても、今の僕がエイミーに会うのはたまらなく恥ずかしかった。どんな顔して会えばいいというのか。はぁ。

「かと言って、ここでいつまでも突っ立ってるわけにもいかないか。よし……」

 僕は頬をパチンと叩いて気合を入れ、裏口の戸を開いた。

「こんにちはー、ブルーリカーですー!」

 エイミーが来るかと思って身構えてしまったが、意外なことにやってきたのは彼女の父親だった。ヒゲをたっぷりと蓄えた強面な人で豪気だが、五年前にカストレアへ移り住んできた僕と父の酒屋から酒の納品を頼んでくれた懐の広い人だ。おかげで僕達父子はこの町に早く慣れ親しむことができた。感謝してもしきれない。

「おう、カイト、いつもあんがとな! 今日はエイミーちょっと出てるから、俺が引き取るわ」
「外に出てるんですか?」
「おう。最近、よく薬草採りに行っててなぁ。その割に体調悪いとかで最近あんまし店手伝いやがらねぇ。まったく。カイトは働き者で偉ぇな」

 おじさんの話を聞きながら、僕は納品する酒の積み荷を降ろしていく。
 最近、酒場の仕事休みがちだったんだ。体調悪いのかな? でも薬草摘みには行ってるみたいだし、そんなに気にするほどでもないのかな。

「まぁ年頃の娘だ。父親には言いたくねぇこともあんだろ。寂しいがな。だがカイト、お前さんになら、エイミーも何か話してくれるかもな」
「僕にですか?」
「おうよ、エイミーもお前のこと悪く思ってねぇみてぇだしな」

 エイミーが? いや、いやいや、悪くないと言っているだけで良いというわけじゃない。早とちりはいけないぞ、僕。

「俺もお前さんは信用できるやつだって思ってるしな。心配しちゃいねぇよ。がっはっは!」

 認められてる、のかな? まぁ素直に喜ぼう。
 おじさんに手伝ってもらって、いつもより早く納品し終える。いつも納品するのは「夢見亭」が最後。というのも仕事終わりに「夢見亭」で昼食、夕食を食べるのが常となっているからだ。今日もそれは変わらない。
エイミーが不在みたいだから、彼女の手料理を食べられないのは残念だけども。納品を最後にしているのは彼女の手料理が目的だから、というのは内緒だ。

「よし、これで終いだな。いつも助かるぜ、カイト。親父さんはいい仕事するな」
「こっちこそありがとうございます。おじさんとこのおかげで安定した収入得られてますし」

 前回納品時のケースを荷車に積む。これで納品は完全におしまいだ。

「はっはっは。……親父さんは前にいた村に帰っているんだったか?」
「はい、ようやく行く決心がついたとかで。昔馴染みのところに行ってます。帰ってくるのは一週間後くらいですね」

 あとは、母さんの墓参りだ。

「そうかそうか。ま、帰ったらたまにはうちに飯でも食べに来いって、言っておいてくれよ」
「ええ。言っておきます」

 といったところで僕の腹が鳴った。すっかり昼も過ぎてようやく仕事も終わったので、お腹も昼食モードに入ったらしい。

「おう、今日もうちで飯食っていくか?」
「はい、今日もいただきます」

 僕が頷くと、思いついたように頷いておじさんが僕へと向き直る。

「そうだ、カイト。外にエイミー呼びに行ってくれや。手間賃として昼飯代おごってやるからよ」
「いいんですか?」
「おうよ。場所はだいたいわかるよな? 町出てすぐの森ん中だ。大声で呼べばすぐに飛んでくるだろ」
「飛んでくるんですか、ね?」
「飛んでくるぜ、きっとなぁ」

 意味深に笑うおじさん。きっと変な意味じゃないはず。何度も言うけどうぬぼれちゃダメだ僕。

「わかりました。じゃあ、ひとっ走りしてきます」
「おう、飯は仕込みだけしといてやるよ。どうせならエイミーの作ったやつの方がいいだろ?」

 これにはもう顔を赤くして苦笑いするしかなかった。

―2―

 町の外に出てすぐの森の中。お世辞にも整備されているとは言えないけれど、エイミーを探すのに支障が出るほど道が荒れているわけでもなかった。土の上に浮き出た木の幹などに気をつけさえすれば、足元を掬われることもないだろう。

「エイミーはいつもここらで薬草摘みをしているんだ」

 風の音、虫の声、枝葉の衣擦れ、そして木漏れ日が森全体を幻想的に包み、合唱しているようでもあった。
 息を深く吸い込めば、肺全体が清涼感の空気で満たされ、頭がすっきりと鮮明になる。ただ森の中を歩いているだけというのに、心地が良かった。
 ここをエイミーと一緒に散策すればそれだけでどれほど綺麗な観光所めぐりをするよりも楽しいことだろう。まぁ、彼女と一緒に散策なんて夢のまた夢だろうけど。
 とはいえ、エイミーと酒場まで戻るまでは森の中を一緒にいられる。短いとはいえこれも一緒に散策しているようなもののはず。
 よし、そうと決まれば、早くエイミーを見つけないと。

「エイミー! いるかー!? エイミーッ!」

 声を森へと響かせる。少しの間耳を澄ませるが返事はなかった。すれ違い、とは思いにくい。町から森へはまっすぐに来たし、一応は周囲に視線を送らせながら森の中を歩いてきた。エイミーが遠回りして森を抜けた可能性も否定できないけれど、今回はその可能性は置いておこう。

「結構奥まで行ってるのかな? おーい、エイミー!」

 再び声を張る。耳を澄ます。返事はない。しょうがない、返事が来るまで声を張り続けるしかないか。
 と、深く息を吸い込み、声をあげようとしたところで。

 ピチョン……ピチョン……ピチョン……。

 水音が地面に落ちる音が耳元に届いた。だけど周囲に水場は見当たらないし、どこかにあったとしてもこうまではっきりと耳元まで届くのは不自然だ。それに、奇妙なくらいに粘性のある、ねっとりとした水音だった。耳にこべりついて離れなくなるような、脳みそに刻み込まれるかのような水音だ。

「……」

 音の方角はわかる。音の方へ行くのはあまりいい予感がしなかったけど、エイミーもそこに行っている可能性は無きにしも非ずだ。一応確認だけしに行こう。
 ここは、崖下か? 森の中にこんなところがあったんだ。それに崖下に洞窟がある。森の中に洞窟があるなんて話は聞いたことがない。

「……! これ、エイミーの背負い籠か?」

 森の入口の脇に置かれた大きな籠。おじさんの話だとエイミーは薬草摘みに来ていた。なら、これはエイミーのものに違いない。だけどどうしてだ?

「薬草が全く入ってない」

 ここへ来るまでに少なくとも十五分、二十分は歩いた。なら、薬草の一つや二つは拾っていてもおかしくないはず。なのに籠には全く何も入っていない。これが意味するところは……。

「最初からここへ来るために森に入った?」

 おじさんの話だと最近薬草摘みに何度も森へ行っていると言っていた。もしも本当の目的は薬草ではなく、この洞窟だとしたら?
 さらに思い出す。
 一昨日の昨晩の夢。それが実際にあったことで、彼女の変調はこの洞窟と何か関係があるとしたら?
 背筋にぞわぁっと嫌な予感が走る。

「エイミー……!」

 僕はほとんど無意識に洞窟へと走っていた。嫌な予感に駆られ、早くエイミーを見つけなければと、冷静な判断ができなくなっていた。

 僕がここで冷静でいられれば、一人で行くのではなく、誰か助けを呼んでいれば。
 僕もエイミーも、そして町の人たちも、人間を辞めずに済んだのかもしれない。

―3―

 今まで見たことのない不思議な洞窟だ。特殊な物質の含有した鉱石なのかな、壁や天井、地面に至るまで淡く白色発光している。しかも奥へいけば行くほど光量は増していく。ひんやりと肌寒いけど、上着を羽織るまでじゃない。
 そして、音。ピチョンピチョンという水音。さらに、それに混じってクチュクチュと粘液のこねる音まで聞こえてきた。それは奥へ進めば進むほど、鮮明に露骨に耳元へ届いてくる。
 単なる妄想かもしれない。だけど、僕にはこの音が、人の情欲を誘うような煽情的な音に聞こえた。
 ただ、やっぱり、エイミーはこの先にいるような気がする。確信にも似た予感がする。どうしてここにエイミーが来ているのかはわからない。でも、それを確認しなければならない、そんな思いを僕は抱いた。
 しばらく幅の狭い洞窟を歩いていくと開けたところに出た。天井までエイミーの酒場の屋根くらいありそうだ。

 クチュクチュ……ヌチュヌチュ……。

 そして、音の発生源が視界に入った。それだけじゃない。

「んんっ、あはぁ……ぁん、ふぁ〜……」

 声。しかも、これは喘ぎ声。それにこの声は……。

「……エイミー?」

 僕はほとんど無意識に話しかけていた。同時に、声の主の姿を視認した。
 自分の目を疑った。

「あれぇ、カイトくん? あはぁ、あははははぁ……来て、くれたんだぁ……?」

 そこにエイミーがいた。おおよそ猛毒という言葉が似つかわしい赤紫の触手に、服の中を四肢を巻き取られたエイミーが。
 二の腕ほどはありそうな太く猛った触手はエイミーのディアンドル衣装の中に潜り込み、土に潜るおぞましい巨大ミミズのように浮き出ている。袖やスカートから侵入した触手は、また裾やスカートさらには胸元からいやらしく生え、鎌首をもたげていた。
 その触手がエイミーをどうしているか、考えたくもなかった。
 そして、おそましい触手どもに絡まれているのに、どうしてエイミーが蕩けた表情で悦んでいるかなんて、知りたくもなかった。

「くっ、エイミー……!」
「こんにちはぁー、カイトくん」

 エイミーを助けるために駆けようとしたときだ。エイミーの顔の後ろから、一人の女が顔を覗かせたのは。

「初めまして、かしらね。私は彼女の頭の中で何度も会ってるけど。私の名前はスーメル。混沌たる快楽を広める伝道師よ」

 スーメルと名乗った女は人間じゃなかった。顔は人間の女性のものだ。それも絶世の。触れることすらためらわれるほどの整った顔立ちだ。だけど、その綺麗さと相反するように、彼女の頭髪や首元、よく見れば腹部や下半身に至るまで、まるで癒着しているかのように触手が生えていた。肌の色も触手の色を薄めたような紫色の肌だ。
彼女は、人間の姿を持った魔物。人間ではない。

「あんっ、んあああ、いいぃ、カイトくんに見られてぇ、いいっ!」

 スーメルのイカの吸盤のような触手が、エイミーの肌に吸い付くように張り付きながら、ディアンドル衣装の中を泳いでいるようだ。その度に、エイミーは、彼女のものとは思えない蕩けた声を漏らした。

「くっ、エイミーを離せ!」
「あらあら、勇ましいのね。私の姿を見て逃げ出さないなんて」
「……っ!」

 正直、怖い。相手は魔物で、こっちは主神様の加護もなにも受けていないただの一般人。しかも武器もなにも持っていない。
 だけどここで逃げたら、エイミーはどうなる。意識が混濁したエイミーをこのままあの魔物の手元に置かせておけば、さらにおかしくなってしまう。そんなことはさせられない。

「あは、優しい子。エイミーのこと、とっても大事に思ってるのね」
「お前は、エイミーをどうするつもりだ」

 じりじりと距離を詰めながら、スーメルの一挙手一投足を見定める。少しでも隙を見せてくれれば、エイミーを引き剥がして逃げ帰るんだ。

「さっきも言ったわ。私は混沌たる快楽を伝えるための伝道師。エイミーには、その味を知ってもらったわ。見て、この顔。愛らしいでしょう?」

 エイミーは、目尻を垂らし、だらしなく開いた口からはとめどなく涎を垂らしていた。とてもエッチな表情で、それを見て僕は生唾を飲み込んでいた。

「っ!?」

 何を考えているんだ、僕は? エイミーがあんな表情をさせられて、いいと思ってしまうなんて。集中しろ、エイミーを助けるんだ。

「エイミーには才能があるわ。淫乱に快楽を貪り、脳みそを蕩かせるほどの悦楽に塗れる才能が。人も魔物もみんな、見ただけで発情して理性を失ってしまうくらいの、淫蕩な交尾をする才能が」

 見定めろ、この女の隙を、見定めるんだ。

「でも、そうなるにはエイミーにはまだ一つ足りない。とっても単純で、もっとも重要な要素が」

 よし、一瞬で飛びかかれる距離だ。あとは、スーメルの隙だ。

「その要素はエイミーにとってもっとも大切なもの」

 スーメルの視線がエイミーの顔に向いた。それが一瞬の、一番の隙だった。
 今しかない、そう思った。僕が、そう思っただけだった。
 エイミーに飛びかかって、すぐにそれが間違いだと気づいた。
 否、この洞窟に来たこと自体がすでに間違いだったのだ。

「あなたがここに来てくれて手間が省けたわ。エイミーの一番大切なもの――カイトくん」
「なっ!?」

 エイミーに絡みついていた触手が、そのまま僕へと伸びる。僕の手足を縛り上げ、一瞬で身動きを取れなくさせた。

「くぅっ! 離せ!」
「本当は今日か明日にでもあなたの家にお邪魔するつもりだったの。エイミーと一緒にね。もうエイミーの仕上がりは最終段階。あとは最後の一線を自分の意思で超えさせるだけ」
「おま、え……何を、言っているんだ」

 僕の家に行くつもりだった? どういうことだ。それに最終段階って。

「わからない? そうよね、わからないわよね。なら説明してあげる」

 ゾッとした。凄惨に嗤うスーメルに、僕はただただ背筋が凍えた。

「エイミーは外見を除いて私と同じ、マインドフレイアとなっているの。味覚嗅覚触覚聴覚視覚。外部から得る全てを性快楽に変換することのできる、素晴らしい身体になったのよ」
「おま、え! なんてことを!」
「ふふふ、怒らないで。あなたにも仕事があるのだから」
「なに?」
「さっき言ったでしょ? 最終段階だって。最後の一線を超えることで、彼女は完全なマインドフレイアとなれる。そう、五感だけでなく、最愛の人との愛情からも快楽を得られる完全な身体となれるのよ」

 言っている意味がわからない。この女は何を言っているんだ? 僕に何をさせたいんだ?

「エイミーの一線は、自らの身体を以て、最愛の人。そう、カイトくん、あなたを犯すことよ」
「え?」

 いま、なんて。エイミーの最愛の人が、僕?

「さぁ、エイミー。好きにしなさい。好きに、あなたの最愛のカイトくんを犯しなさい。そうすれば、あなたを完全なマインドフレイアにしてあげる。カイトくんのことを五感で、心で、愛で快楽を味わい、味わわせることのできる身体にしてあげる」
「……はい、スーメルお姉さま」

 先程まで黙っていたエイミーが、僕のことを見る。瞳孔の開いた瞳に上気した表情、息を荒くして、まるでご馳走を前に正気を失った人の顔をしていた。とても、いやらしく見えた。

「カイトくんはじっとしてていいからね。何も考えられなくなるくらい精液搾り取っちゃうから」
「エイミー、やめろ……!」

 くそ、離せよこの触手。このままじゃあ、エイミーに犯されて、エイミーが人間じゃあなくなってしまう。

「あは、見てぇ、カイトくぅん。私のここ、もうドロドロだよ。ここでカイトくんのオチンポもぐもぐして、精液ごくごくするんだよぉ」

 触手にスカートを捲らせて、エイミーは僕にオマンコを見せつける。見ちゃいけない。見ちゃいけないのに、目が離せない。
まるで生き物のように、喘ぐようにヒクヒクとさせるエイミーの陰唇は、ナニカを求めているようだった。ナニカなんて、わかりきっている。だけど、それは絶対に与えちゃいけないものだ。

「エイミーっ!」
「ふふ、カイトくんのオチンポ見せてね……わぁ、すっごい……この前見たときよりもおっきぃ。ビンビンですっごく反り返ってるよ。私まだ何もしてないのに」

 触手で強引に服を全て破り捨てられる。エミリーの後ろでスーメルがクスクスと笑った。

「この洞窟のおかげね。ここは私お手製の魔力でできた洞窟なの。ここにいるだけで気づかないうちにエッチな気分になっちゃうのよ」

この不思議な光を放つ鉱石はやはりスーメルの仕業だったのか。くそ、ここに来た時点で僕はもう。
 エイミーが僕の背中に手を回す。繊細な指の感触が背中に、柔らかなおっぱいの感触が、胸に押し付けられ、言葉が詰まる。抵抗できない。

「もうビンビンだから舐め舐めチュパチュパしなくても大丈夫だよね。皮まだ被ってるけど、私のオマンコで優しく剥き剥きしてあげる。オチンポチーズもきれいに食べてあげるよ、カイトくん」

 唇が触れそうなくらいの距離で、焦点の合わない虚ろな目で僕を見ながら、エイミーが囁く。
エイミーの淫語を耳にするたびに、抵抗の意思がだんだんと萎えていく。まるで声で脳みそを犯されているみたいだ。抵抗の意思を触手で縛り犯し堕とされているようにさえ錯覚した。そして、心の中で欲望の渦がくすぶってくる。

「じゃあ、入れるよ。我慢も何もしなくていいからね。すぐにイって、精液ドピュドピュしてね」
「エイミー、やめ……」

 その言葉が本心なのか、僕にはわからなかった。

「っ!」

 エイミーがさらに密接してきて、腰を降ろす。
プチッ、と紙一枚を破くような軽い抵抗。
そして、僕のペニスに刺激が降りかかる。

「あはぁっ、気持ちいいっ! 私、初めてなのに! 初エッチなのに! 挿入れただけで脳みそトロトロだよぉ!」
「くぁ、なんだ、これ……すごい、熱いっ、熱くて、ドロドロで……んぁ!」

 すごい、締め付けてくる。しかも、ただ締め付けてくるんじゃない。鈴口、亀頭からカリ裏、竿全体、根元まで、順番にあるいはランダムに、まるで無数の指でもみくちゃにするように締め付けてくる。
 自分でスるのと比べるべくもない。こんなの、数秒と保たない!
 グチュヌチュブチュヌチュヌチュブチュグチュ……。

「んひぃっ! カイトくんのおひんぽ! わたしのイイところ突いてるよぉ! ゴンゴンって赤ちゃん部屋の入口ノックしてるよぉ! あひぃ!」

 目の前でエイミーが一心不乱に乱れている。白目剥いて、舌を突き出して、涙も涎も鼻水さえも出して、こんなにもエッチに、僕のペニスを求めてくれている。

「オマンコのヒダヒダがオチンポで全部削られてりゅう! ジュルッジュルッてジュプッジュプッてエッチ音出しながらオマンコ削ってるぅぅ!」

 パンッパンッ! ジュップジュップ! 

「っ……エイミー……!」

 もう本当に自分のものかわからないくらいペニスが怒張している。エイミーの小さなオマンコが破れてしまってもおかしくないくらいだ。
 なのにエイミーは嬉々として僕に抱きつき腰を振りまくっている。ドロドロのオマンコで僕のペニスを舐めしゃぶっている。

「んんっ! あっはぁ……出たぁ、カイトくんのオチンポ、我慢汁ドピュってしたぁ」

 くぅ、まずい……エイミーの中が気持ちよすぎる。休む暇もなく、常にペニスを攻めてくる。弱いところもどこも関係ない。ペニス全てを包み込んで気持ちいい場所にして、それを全て攻めている。精液を搾り取ろうと、ペニスに刺激を与え続けている。それに、ジュプジュプという卑猥な淫音。耳まで犯されているみたいだ。
歯を食いしばって、なんとか耐えているけど、こんなの長く保つはずがない。オマンコが気持ちいいから、っていうのもある。だけど、それ以上にいま僕はエイミーとセックスをしているんだ。いまがどんな状況であれ、エイミーが僕に好意を抱いてセックスしているんだ。それを考えると、耐え切れるはずなんて、ない。

「だ、めだ、エイミー……このままじゃ……」
「いいんだよ、カイトくん。欲望に素直になろ? カイトくんも私のこと好きだったんでしょ? 私も好きだったよ、カイトくんのこと。でも、お互い何も言えなかったよね」

 それは、そうだ。僕にはエイミーに告白する勇気なんてなかった。

「だけど、私はスーメルお姉さまに会って、魔物娘の素晴らしさを教えられて素直になれた。カイトくんに素直な欲望をぶつけられるようになったの」
「……主神様は、そんな欲望だけの、人生を良しとしな――っ!?」

 パンッ!!

 エイミーが強く腰を振るった。瞬間、言おうとしていたことが吹き飛んだ。

「あはぁ、すごいよぉ、カイトくんのオチンポ、きもひいいぃ」

 アヘ顔を晒して、エイミーは僕にしなだれかかる。

「ね? いらないんだよ、主神様の教えは。だって、魔物娘になればエッチしてればそれだけで暮らせるんだもん。私がカイトくんのオチンポを食べて、カイトくんが私のオマンコを食べる。何もかも吹き飛んじゃうくらい気持ちいい思いをして、お互いを求め合うんだ。すごいでしょ? 最高でしょ? 幸せでしょ? ねぇ、カイトくん」

 エイミーは僕を見た。その顔は真剣そのものだった。顔は蕩け、快楽に塗れていたけど、本気で言っていた。

「私は、カイトくんと幸せになりたいよ。ずっと、一生、死ぬまで、ううん、死んでもずっと」

 そして、エイミーの顔が迫る。唇を塞がれた。
 固く閉じていたはずの僕の唇を、ニュルリとした柔らかい舌が崩していく。侵入した、舌は僕の舌を絡め取り、まるで唾液を擦りつけるように絡ませ、まるでペニスのように扱いた。

「んぅ、あむ、じゅる、じゅるるるる……」

 そして、長く伸ばした舌を僕の喉の奥へ奥へ入れていく。唾液を、甘いドロドロの唾液を僕の喉へと流し込んでいく。
 美味しかった。キスなんて味も何もしないはずなのに。甘く、思考が蕩けてしまった。
 オマンコでペニスを犯され、卑猥な音で耳を犯され、甘い唾液と舌で口を犯され、そしてエイミーのエッチな愛おしい表情で目を犯される。

「ぁ……」

 抵抗なんてできるわけがなかった。愛しいエイミーに求められて、それを突き放すなんて真似、もとより僕にできるはずがなかったのだ。
 ごめん、エイミー。もう、我慢できない……!

「くっ……! ダメだ、イク!」
「っ!? イイよ! キてぇ! 私の膣内に! カイトくんのオチンポミルク、いっぱいドピュドピュ注いでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「んぁ!」

 世界が瞬いた。瞬間、僕は一線を超えた。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!

「んひぃぃぃいいいいいいい!!」

 瞬く視界の中、エイミーの喘ぎ声が耳を犯す。白く明滅する視界にはエイミーの、イキきった表情しかなかった。すごく、愛らしく、美しく、可愛らしかった。

「あはぁ、カイトくんのオチンポミルクゥ……子宮がごくごく飲んでるよぉ。卵子マンコがいっぱいの精液に溺れて、ぷすぷすって精子チンポで犯されてるよぉ、あははぁ」

 どこまでも貪欲にエイミーのオマンコは僕のペニスから精液を搾り取ろうと脈動を繰り返した。
根元から亀頭まで、鈴口に残る最後の一滴の精液まで、エイミーのオマンコは啜り取った。
 全てを根こそぎ吸い取られたかのような虚脱感。だけど身を包むのは心地よい浮遊感だ。
この快楽さえあれば何もいらないとまで思えるくらいの多幸感で、僕は身を委ねるように目を瞑る。

 そのときだ。

「さぁ、仕上げに入りましょう」

 悪魔の囁きが背後から聞こえた。

「スーメル……」

 同時に頭の中が非常にクリアに、鮮明になってくる。
 僕は、なんてことをしてしまったんだ。これで、エイミーは人間じゃない存在になってしまうのに!

「最後の一線を超えたわ。これで彼女の精神は完全にこちら側となった。最愛の男性の精の味をその身で、心で覚えてしまったわ。もう忘れることはない。たとえその身が滅びても。心が砕け散っても。輪廻転生を果たしても」

 僕の背後で、まるで呪禁のように言葉を紡ぐスーメルに、僕は言いようのない焦燥に駆られる。

「やめろ……」

 スーメルの触手が、僕の前で快楽に打ち震えるエイミーに向かう。

「やめてくれ……」

 その先は耳だった。二本の触手。まるで注射針のように尖った触手。その先から緑の炎のようなものを灯した赤紫の触手が、エイミーの耳へと向かう。

「祝福よ、エイミー。これであなたは、常にカイトくんと共にある」

 刺さる。

「っ!?」

 触手が耳に刺さった瞬間、ビクンッとエイミーの身体は震えた。惚けたように舌を垂らし、穴という穴からその体液をダラダラと零す。
 そんな姿に僕は黙っていられるはずがなかった。

「スーメル! もうやめろ! やめてくれっ……こんな、こんなの、やめてくれよ!」
「それは聞けないわね。これが彼女の望みだもの。私の望みでもあるけどね。ふふっ、やっぱりこの娘の精神は良質だわ。すっごく……おいしい」
「っ!?」

 スーメルもエイミーと同じように蕩けた表情を浮かべる。まるで最上の料理を口にしているかのような、涎をダラダラとこぼして、ビクンビクンと身体を揺らしていた。
 だけど、こんな状況になっても僕を縛る触手の力は緩みやしない。絶対に離さないと言われているかのようで、どうにもできない自分に腹が立つ。

「エイミー! しっかりしろ、こんな触手に負けるな!」
「カイト、くん?」

 反応した。よし、このまま正気に戻れば……。

「やっと、生まれ変われるよ」

 ニコリと、エイミーが笑顔を浮かべたその瞬間だった。

「あは、あはは、あははははははははははは! 来たぁ、来たよぉ、私の本当の身体、来てるよぉ!」

 水の中に朱の絵の具を垂らしていくかのように、じわぁっとエイミーの瞳が爛れた朱に塗り替わっていく。

「あはぁ、いい、なにこれぇ、わかるよぉ、カイトくんのことがわかる。カイトくんが匂いでわかる。カイトくんだけわかる。鮮明にわかっちゃうよぉ」
「エイ、ミー」

 瞳の色から広がるように、肌の色も変わり始めた。スーメルと同じ毒々しい赤紫の触手と同じ色。それにエイミーの髪色である新緑の若草色の模様が、肌の至るところに浮かび上がっていく。

「これは珍しいわ。生まれたてで淫紋が浮かび上がるなんてね」

 紫は肌から髪にまで侵食し、その髪は一部を残して纏まっていく。スーメルと同じだ。髪が裏に吸盤を持った触手へと変わってしまった。

「んひぃ、なぁにこれぇ……きもひいいぃ、匂い嗅いでるだけで頭おかひくなるうう!」

 それだけじゃない。触手の広がりは首から下へと降りていく。ただの服だったはずのディアンドル衣装。それまでも触手の呪いは侵食した。形状はそのまま、だけど、その繊維一つ一つが細かい触手で出来たかのような恐ろしくおぞましく、自らの意思を持っているかのように蠢く淫猥な服へと変わっていく。袖口からは手だけじゃなく触手までも幾本か伸び、誘うようにウネウネと左右に揺らしている。

「っうぁ!」
「ッ!? か、変わってるっ! わらひのオマンコ! オマンコ、カイトくん専用のメスマンコにかわってりゅうううううううう!?」

 変化がスカートにまで伸び、裏が触手繊毛に覆われたものに変わった途端のことだった。
 いまなお僕のペニスを咥え続けるエイミーのオマンコに変化が起きた。
 ただ包み込み縦に脈動するだけだったはずが、縦だけでなく左右斜めに至るまで、まさに縦横無尽というべき脈動をし始めたのである。

「こ、こんなのっ、うぁ……!」

 そして、この状態でエイミーはまだ何もしていない。ただ身の変化に悦び戸惑っているだけだ。オマンコで僕のペニスを犯そうとは思っていないのである。

 ぐちゅ、ぬちゅり、むちゅ、ぬりゅ……。

 挿入しているだけの状態で、まるで蠢く触手の絨毯の中にペニスを挿し込んだかのような気持ちよさだ。もしも本気で、身体を動かしてまでエイミーが僕を犯しかかりに来たらどうなるか。

「期待しちゃった?」
「っ、スーメルッ……!」
「全然違うでしょ、人間の頃のと。これが魔物娘の身体。マインドフレイアとなったエイミーのオマンコの味よ。……ほぉら、最後の変化よ」

 促され足元を見ると、肌の色の変化とともにエイミーの両足が癒着するようにくっつき、幾本もの触手がエラで繋がり纏まったような、一本の触手のような足へと変貌した。

「エイミー、そんな」
「おめでとう、エイミーちゃん。どう? 生まれ変わった気分は」

 エイミーが蒸気した顔をスーメルに向ける。だけど、その表情には違和感があった。変わっている最中の、快楽に振り回されているような蕩けた表情じゃなくなっていた。
 快楽を完全に自分のものとした、妖しく淫らに微笑むエイミーが、そこにはいた。

「はい、スーメルお姉さま。最高の気分です」
「それはよかったわ。もう私の触手は必要ないわね」
「んんっ」

 耳から触手を抜かれて、気持ちよさげにエイミーは呻く。僕を捕らえていた触手も離れていくが、瞬く間に今度はエイミーの触手が僕に絡みついた。
スーメルのときとは僅かに違う。僕を包み込むような、愛おしさを持った絡みつきだ。まるで恋人同士が抱き合うときのような絡み方とさえ錯覚した。

「あとは二人で愉しみなさい。終わるまでじっくり見ていてあげるわ」

悪趣味なやつめ。くそ、どうやったらエイミーを元に戻せる。どうやったら正気に……っ!

「カイトくん。ようやくだよ。ようやく私たちは、本当の意味でひとつになれるんだよ」
「エイミー、目を覚ませ! こんなの、君らしくない! 君はもっと明るくて、朗らかで」
「哀しいなぁ」
「……エイミー?」
「どんな姿になっても私は私なのに。カイトくんは私を私だと思ってくれないんだね」
「そうじゃないっ、僕は」
「でも大丈夫だよ。私はどんなカイトくんでも大好きだから。脳みそクチュクチュして、エッチして、戻して、エッチして、また脳みそクチュクチュして、エッチして、私のこといっぱい知ってもらうから」

 その瞳はただ一人、僕しか見つめていなかった。僕だけを見つめていてくれた。
 触手が、僕の耳元に迫る。エイミーを変貌させたスーメルの触手と同じ。緑の炎を灯した先の細い触手だ。

「カイトくん、今の私を好きになって」
「エイミ――」

 プスッ。

「んぁ」

 触手が刺さる。鼓膜を破る音なのだろうか。軽い、何かを破る音がした。ついでこそばゆい感覚が耳の中を泳いでいく。一瞬、気持ち悪さを覚えたが本当に一瞬だった。次の瞬間には、ふわふわと宙を浮くような浮遊感に包まれた。
 すごく心地いい。ペニスを責められイカされるのとは全く違う、安息に満ちた快楽の抱擁。母なるものに包まれて眠っているかのような、絶対的な安心感に僕は全身の力を抜いてしまった。

「これからだよ。もっともっと気持ちよくしてあげるね」
「あぁ……っ」

 先の枝分かれした触手が、僕の脳みそを隅から隅まで根を張るように泳ぐのがはっきりとわかる。

「だよね? わかるよね。私もスーメルお姉さまにこうされたんだぁ。ふふ、でもただ泳ぐだけじゃないよ。ほらほら、ズボズボズボズボって私の触手がカイトくんの脳みそを犯してるよ。耳の穴から脳みその奥までグチュグチュだよ。エッチな快楽信号もぜーんぶオンにしてあげるね」
「ああっ、んぁ!」
「気持ちいいでしょ? 何が何だかわからなくなるくらいイイでしょ? 痛みなんて全然ん感じなくて、もう頭真っ白になっちゃうくらい、涎ダラダラになっちゃうくらいイイでしょ? ん、れろぉ」
「っっ……ぁぁ!」

 肌に触れる触手が少し動き擦れるだけで、脳に電流が走ったようになる。全ての性感帯が表に出てしまったかのようだ。
 僕はたまらずもがいた。もがくと、触手が少し緩んだ気がした。だから僕はチャンスだと思い、エイミーにギュッと抱きついた。

「っ!?」
「あはっ、嬉しい。カイトくんから抱きついてくれるなんてぇ!」

 あれ、なんで僕は逃げずにエイミーに抱きついて……いや、そうだ。何をおかしなことを言っているんだ僕は。エイミーに抱きつけば、僕のペニスがエイミーのオマンコのもっと奥に入るってことじゃないか。

 ズズズブッ。グチュヌチュヌチュグチュリムチュムリュムチュヌリュヌチュグチュ……。

「私のオマンコ、カイトくんのオチンポが掻き分けてるぅ! あはぁ、私のヒダヒダ触手オマンコでいーっぱいオチンポ気持ちよくしてあげるね!」…
「くぁ……オマンコの中なのに、触手が絡みついてきて」
「私のオマンコは自由自在なんだよ。カイトくんのオチンポ、隙間もなく私の触手マンコで包んであげる!」

 シュルシュル……ジュルリ……ギュッ……シュッシュッ……ジュップジュップ……。

 触手の海と化したオマンコが僕のペニスを根元まで飲み込む。さざ波のように無限の細やかな触手が、僕のペニスを亀頭から竿、果てはカリ裏の狭いところまで締め付け、擦り上げ、包み込み、精液を搾り取ろうと波立つ。

「ああんっ! いいよぉ、触手マンコでカイトくんのオチンポグチュグチュするの気持ちいいよぉ! ちょうだい! カイトくんのオチンポミルク、私のオマンコに、子宮にドピュドピュちょうだいぃ!」
「ああ、いい、エミリーのオマンコすっごくいいよ! ペニスにすごい絡みついてくる! ドロドロで、ヌチュヌチュで、でもすっごい締め付けで、いいっ!」

 執拗に、ねっとりと責めてくる触手マンコに耐え切れず、僕はさらにもっとエイミーを抱きしめる。

「んんっ、いひぃ、もっと奥に来たァ!」

それがさらにエイミーのオマンコの奥へとペニスをやってしまうことになるのだけど、気持ちよさに耐え切れずに喘ぐ僕の行動とは裏腹に、僕の意思は、脳みそはエイミーのオマンコをもっともっと欲しいと身体を支配するのだ。

「んぁ、くっ、エイミー……綺麗だよ」

 全身から触手を生やしたいやらしいエイミー。見るものに性欲を催させる淫猥な紫の肌へとなったエイミー。オマンコ汁のような透明の粘性のある液体で全身を濡らしたエイミー。鼻腔のくすぐる甘酸っぱい匂いを全身から、特にオマンコから漂わせたエイミー。そして、卑猥な言葉で淫らに淫行を誘うエイミー。
 人間だった頃とは違う、いやらしくも美しく、そして愛らしく変貌を遂げたエイミーのオマンコに白濁の精液を注ぎ込みたいと願うのは当然のことだ。

「うれしぃ……もっともっと気持ちよくなって、私のオマンコにドピュドピュしてね」
「っ、エイミー、金玉まで」

 エイミーのオマンコのヒダ触手が、もっともっととせがむ様にペニスを中へと引き込みながら外へと出てきた。それは、僕の陰嚢に絡みつき、優しくもみもみとマッサージしてくる。より精液を膣内へと出させるために。

「ああ、エイミー、僕、もうダメだっ、我慢できない!」

 ジュップジュップジュルルルジュプリジュプリグチュヌチュリムチュ!!

「いいよ、カイトくん! 出して! 私のオマンコに精液たっぷりと注いでぇぇぇぇ!!」

 触手の僕のペニスを責め立てる速さが最高潮に達する。ペニスを全方位から締め付けたまま、搾り取るように激しくペニスを扱き立てる。まるで飲み物をゴクゴクゴクゴクと飲み込むかのように、際限なくひたすら搾り取る脈動の刺激を、ペニスの根元から鈴口まで与えてくる。
 感覚がペニスだけしか感じられなくなったその瞬間。精液をぶちまけることしか脳みそに残らなくなったその瞬間。

「ああああああああ! イクッ、出るっ!」
「出して出して出して出して! 私のオマンコにカイトくんの特濃孕ませザーメン注いでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!

「き、来たぁあ! ドロドロのカイトくんの孕ませオチンポミルク来たぁぁああぁあ!!」

 ペニスから白濁としたマグマが解き放たれた瞬間、僕の感覚は全て裏返り、ペニスだけだった快感が全身へと波及した。
 放たれる精液の一滴一滴が鮮明にわかり、それがゴクゴクとエイミーに飲まれているのがわかる。
 それが嬉しくて気持ちよくて、頭が真っ白になって、視界には快楽にトロットロになったエイミーの舌を垂らした顔が映っていた。
 それが愛おしくて本能的に僕はペニスに力を込めて、腰を振るう。精液を吹き出しながら、エイミーをもっと気持ちよくさせたいと、もっと僕も気持ちよくなりたいと腰を振るった。

「いいひぃぃ、カイトくんのおひんぽ……ドピュドピュズンズンッていいひぃぃぃ……」
「エミリー、いいよぉ、もっとオマンコギュッとして……僕の精液飲んで」
「うん飲みゅ〜、カイトくんのオチンポミルク、子宮でゴクゴクして孕みゅの〜!」

 ズンッズンッと精液を解き放つのに合わせて、腰を深くエイミーに振るう。エイミーはその度に、快楽に打ち震えた笑みを浮かべて全身を痙攣させる。僕の身体に巻き付く触手が、ペニスに巻き付くオマンコの触手が、もっともっとと奥へと誘い、僕の欲望を啜り取った。

「はぁ、はぁはぁ……エイミー……」
「んんっ、あはぁ〜……ふふっ、すっごく良かったよ、カイトくん」
「僕も。エイミーの膣内、最高だよ」

 僕はエイミーの唇に自分のものを落とす。軽いキスじゃない。舌で貪るように、エイミーの口内をグチュグチュと舌を走らせる。甘い蜜を、蕩けるようなエイミーの唾液をごくごくと飲み干していく。僕の喉から体内全てをエイミーの唾液で浸したい。

「あむっ、ああ、クチュクチュ、んちゅ、むちゅ……」

 エイミーもそれが当然であるかのように舌を絡ませてくる。甘い蜜を注いでくれる。いや、間違いなく当然のことなんだこれは。僕とエイミーは愛し合っている。愛し合っているのだから、セックスをしながらこうしてキスを交わし、互いを貪るのは当然のことなんだ。

「……ぷはぁ。唾液だけじゃなくて私のエッチな触手液も飲ませてあげるね」

 エイミーは顔を上げると、舌を突き出して口を開く。顔の上に、首元に生える触手の先を持っていくと、ドロリとした紫と緑の色が混じった粘液をダラダラと垂らし、口の中に注いでいった。
 常態の僕ならグロテスクなものに感じられたかもしれない。だけど今の僕には、その粘液がどんな美酒よりも魅力的で、涎のように口の端から垂らすエイミーのお口を貪りたくて仕方なかった。

「はぁはぁ、エイミー、エイミー!」
「ぁんっ、んむ、ぐちゅぬりゅむちゅ、あむ、んんっ」
「んくんく、ごくごくっ、んむちゅれろ」

 キスとともに喉に絡みつく粘液がなみなみと注がれていく。蕩けるほどに甘く、しかし酒のようにピリッとした刺激のある癖になる味。いくら飲んでも飽きず、もっともっととエイミーの口に吸い付いてしまう。粘液が触れたところはまるで性器のように敏感になり、そこをエイミーに舌で舐られるたびに、ペニスがビクンと反応してしまった。

「ぷはぁ、ふふ、病みつきになったみたいだね。私のエッチな触手汁」
「ああ、もっと、もっと欲しいよ……エイミー」
「うふ、いいよ、いっぱいご馳走してあげるね」

 エイミーの触手が僕の目の前に伸びてくる。触手の先が四方に亀裂が入ると、くぱぁと口を開いた。
 ブラシのようなイボイボが密集した触手の中から、あの紫緑色の粘液が泉のように溢れんばかりに湧き出てきて、触手の口から涎のように垂れていく。
 ああ、すごくおいしそうだ。これがエイミーの中から出ているものだと考えると、もう我慢できない。

「んぐ、ごくごくごく、んんっごくごく」
「あはぁ、がっつかなくても無くならないよォ? ふふ、口が全部、触手に埋まっちゃったね」

 ああ、おいしい。どんな美酒だろうと敵わない、最高の汁だ。もっと欲しい。エイミーがもっと欲しい。

「嬉しい……でも、まだ、カイトくんの全部が私のものになったわけじゃないから。だから、戻すね?」
「っ!」

 その言葉と同時に。意思が戻る。エイミーの触手に脳みそを弄られる前の僕の意思へと。

「っあ! ゲホゲホッ、ガフッ、ゲホッ!」

 甘すぎる匂い。それを口に余すことなく満たしていた僕は、正気に戻った瞬間むせてしまった。

「ゴホゴホッ……っ、僕は何を……んぁあっ!」

 口の中を粘液が踊り、ピリピリと刺激する。それだけじゃない。今なお、エイミーの下の口に食べられているペニスは、その快楽を全身へと波及させていた。
すでに射精は止まった。射精直後の心地よい気怠さはそのまま、しかし、エイミーのオマンコは僕のペニスを咥え込んでギュッギュッと、強弱の付いた刺激の波で覆い被せていくのだ。

「エイミー……」
「カイトくん。私を見て。私の身体を、こんなにも素晴らしい身体になったんだよ」

 ああ、そうか。そうだったんだ。

 エイミーはこれほどまでに変わってしまった。もう誰が見ても、後戻りできないほどに。
 普通の人間が見たのなら、必ず嫌悪感を催すであろう、退廃的な爛れた色と姿。ぬらぬらと淫らに濡れるその体は、常人なら触れることさえ、いや近づくことさえ躊躇わせてしまうに違いない。

「マインドフレイアとなった私なら、カイトくんを気持ちよくしてあげられる。お母さんを失って、悲しみに包まれる心を優しく暖めてあげられる」

 獲物を常に求めるようにウネウネと蠢く触手は、見るもの全てを自分が被食者だと思わせることだろう。もしもこれに絡まれたのならば、その時点で生きることを諦めてしまうに違いない。

「だからね、脳みそを弄っていないカイトくんの全てを今から包んで犯してあげる。内にも外にも私の愛と快楽を教えてあげるね。自分から私を求めるくらいに、ね」

 エイミーはもう前とは違う。エイミーの頭にはもう、僕のことしかない。いっぱいのビールを両手に夢見亭を快活に駆ける彼女はもういない。誰もが変わってしまった彼女を見て、哀れに思いながらも目を逸らすだろう。

「あらあら。これは珍しいわね。自ら受け入れに行くなんて」

 たった一人。僕を除いて。

「っ!? カイ、トくん」

 僕の突然のキスに、エイミーは目を瞬かせる。唇と唇が触れ合うような軽いキスだったけれど、受身になるしかないと思っていたであろうエイミーには思わぬ反撃となったみたいだ。粘液による快楽のせいで、正気を保っていられるのがやっとだったけども。

「僕の過去を読み取っていた触手を通して、エイミーのことが見えた。そして、わかった。僕が好きになった明るくて朗らかなエイミーはもういないんだって」
「カイト、くん?」

 ここにいるのは快楽に忠実な、いやらしい魔物となったエイミーだ。
 不可逆な存在へと変化してしまった。もう絶対に、戻ることはない。
 だけど。

「だけど、僕の好きなエイミーがいなくなったからって、じゃあ僕がエイミーを好きじゃなくなるなんて、そんなことあるわけがない」
「!」

 確かに僕は、いつも明るくて朗らかなエイミーに惹かれた。母さんを失って、故郷を失って、流れ者となった僕を受け入れ、暖かく笑顔で迎えてくれたエイミーのことを好きになった。
 じゃあ、そのエイミーがいなくなって、いやらしくエッチな魔物に変わったからと言って、僕はエイミーのことを嫌いになるのか?

「そんなこと、あるわけない。きっかけはそうでも、今はエイミーの全部が好きなんだ」

 だから、もうエイミーが魔物から人間へと戻ることがなくとも。
 触手を生やして、いやらしくエッチな魔物のままだとしても。

「今のエイミーの全部を、僕は愛するよ」
「カイト、くん……!」

 シュルシュルと、僕に絡みついて離さなかったエイミーの触手が解かれていく。耳からも触手が、オマンコからペニスも引き抜かれ、僕を縛るものは何もなくなった。当然、この場から逃げるなんて真似はしない。顔を赤らめて恥ずかしそうにモジモジしながら、一歩後ろへと下がるエイミーのことを見つめるだけ。
 さっきまでの快楽に貪欲だったエイミーはどこへ行ったんだろう。紫色の顔をタコのように真っ赤にさせて、俯いたり、仰いだりしている。僕、変なことを言ったかな。
 脳みそを弄られ快楽で余計な思い込みを流してもらい、理性を戻してもらうことで僕は、混じりけのない素直な自分の気持ちをまっすぐ伝えようと思えた。そしてそれを実行しただけだ。なのに、どうして、解放されたんだろう。

「カイトくん」

 ようやくエイミーが僕のことを見つめてくれる。なにやら決心がついたような表情だ。深く深く深呼吸して、エイミーは口を開いた。

「私も好き!」

 たったそれだけの言葉。ひねり出すように紡いだ言葉に、僕は胸が熱くなった気がした。いや、実際になった。胸が、心臓が、跳ね踊った
 だって、僕の告白に、エイミーが応えてくれたんだから。
 ただただ魔物的な快楽に流されながらの言葉じゃない。
 過去を超えて今のエイミーを愛すると言った僕の告白に応えて、その僕のことを好きだと告白してくれたんだから。

「私も、カイトくんのこと、大好きだよ。カイトくんの全部を愛してる!」

 エイミーが魔物へと変わってしまった? いやらしくエッチに変わってしまった? それがどうした。今の僕は、エイミーに告白してもらったことが嬉しすぎて、そんなことどうでもいい。エイミーが魔物だとかいやらしいだとかどうでもいい。僕はエイミーのことが好きで、エイミーも僕のことが好きで、その事実だけで僕は頭が沸騰してしまいそうだ。

「カイトくん。なんだか、順番おかしくなっちゃったけど……ね?」

 ゆっくりとしなだれかかるように、エイミーは僕に体重を預ける。僕はそれを抱きとめた。

「オマンコの中の精液、もう全部飲んじゃった。今すぐ飲みたい。けど最初から、しよ?」
「うん、僕ももっとエイミーのエッチな身体を味わいたい」
「私のいろんなところで、カイトくんを気持ちよくしてあげるね」

 意外と僕は現金なやつなのかもしれない。こうやって心の底から好き合っていることがわかった瞬間、エイミーの身体全部、オマンコも口もおっぱいも触手も僕を気持ちよくしてくれる場所で、エイミーが魔物になって良かったと思ってしまっているのだから。

「なら、それにふさわしい場所にしましょうか」

 僕達の行為を見守っていてくれていたスーメルが指をパチンと鳴らす。
 すると洞窟に変化が訪れる。今まで岩だと思っていた地面や天井が赤紫に変色していき、波打つ触手へと変貌を遂げたのだ。
 まるで触手の腹の中へと迷い込んでしまったかのようだ。僕が常人だったなら、きっと出口を探してわめき散らすだろう。だけど、今の僕はこの空間が安息をもたらしてくれるものだと確信していた。それはエイミーも同じに違いない。

「ここが私の洞窟の本当の姿。そして私お手製の触手ベッドよ。寝心地はきっと良いわ。ご自由に」
「ありがとう、スーメルお姉さま。……カイトくん」

 僕達のすぐ隣に触手の地面が盛り上がるようにして出来上がった触手ベッド。そこへ押し倒される。
 抵抗するわけもなく、なすがままに受け入れてベッドへと倒れ込んだ。
 触手ベッドはヌチュヌチュとローションに浸っているように濡れているが、今のこの状況だとかえってそれが心地いい。

「んっ、カイトくん……んちゅ、ちゅっ、はむ」

 エイミーが僕にのしかかり、唇を重ね合わせてくる。小鳥のように啄み合うような軽いキス。だけど唇からは濃密な快楽の電流が走り、もっともっとと頭がせがむ。洋菓子のように甘く、それでいて飽きさせないエイミーの唇は、僕の脳みそを一層溶かした。

「ぷはぁ、ふふ、カイトくん、さっきからずっとオチンポビンビンだね。私のお腹にキスするたびにビクンビクンって当ててくるよ」
「さっきから抑えが効かないんだ。もっともっと魔物になったエイミーのことが知りたくてたまらないんだ」
「ふふっ、嬉しい……今度は私の胸で良くしてあげるね。ほら見て」

 エイミーが触手服となったディアンドル衣装の胸元を開く。

「すごいでしょ。このディアンドル衣装、内側がね、触手の繊毛でびっしりなの。うぞうぞって今も蠢いてて、私の敏感なお肌をずっと刺激してるの」

 汗とも粘液ともつかない紫緑色の粘液が、エイミーの胸で糸を引いている。人間のころよりも豊満に膨れたおっぱいの乳首は、咥えてほしそうにビンビンに勃っていた。

「私のおっぱいと、触手服がね、カイトくんのオチンポを食べたい、精液欲しいってせがんでるの」
「そんなこと言われてあげないわけにはいかないな」

 むしろこんなにもいやらしい姿を見せられて、お預けなんて食らったら僕の方が発狂してしまいかねない。

「あはっ、じゃあいただきます」

 エイミーが僕の上で身体の向きを反転させる。ぴっちりと閉じた、しかし涎をダラダラと零しているエイミーのオマンコが僕の顔にぐちゅっと押し付けられる。
脳みそが蕩けそうなほどの甘ったるいメスの匂い。一瞬で正気を消し飛ばし、ケモノのように貪りたいと思わせるほどの濃厚な媚薬液が僕の顔にヌチュヌチュと塗りたくられた。

「あんっ! カイトくん、そんなにいきなり舐めないでっ、んんっ、らめぇ……あっ、舌が私のオマンコをほじってるっ! あ、イイ!」

 いくら舐めても飲んでも啜っても、エイミーの淫乱な蜜はどんどん溢れてくる。飲むたびに血液が下半身に集まっていく。

「んひぃ、カイトくんの舌気持ちいいっ! あんっ、あは……カイトくんのオチンポさっきよりビンビンだぁ。苦しそうだから、私のおっぱいで楽にしてあげるね。我慢しないで好きなときに私のおっぱいの中でドピュドピュしていいからね」

 そういいながらも、エイミーは僕の耳に触手を挿し込む。脳みそを弄られると一層オマンコの甘味が強くなる。
それだけじゃないペニスにも味覚ができたみたいで、エイミーから垂れる粘液がペニスにかかれば舌で味わっているみたいに甘かった。
未曾有の快楽とともに僕の視界がエイミーのオマンコだけじゃなく、エイミーの胸元とペニスを映した。二つの映像が同時に見えている。不思議な感覚だ。

「どんなふうにオチンポがおっぱいに犯されるか見せてあげる。あっ、オマンコはそのまま舐めててね。もっともっとエッチなオマンコ汁出すから」

 そう言って、表面上は変わった色なだけのディアンドル衣装にあてがわれる。途端、まるでゼリーにスプーンが差し込まれるかのように抵抗なく、ペニスはエイミーの服の中に飲み込まれた。
 飲み込まれた瞬間、僕の脳みそは快楽で塗りつぶされた。

 ぐちゅぬちゅるちゅりむちゅぬちゅぐちゃぬちゅむりゅりむちゅぐちゃぬりゅぬちゅ!

「あ、あっ、ああ! んぁぁぁっ!」

 根元まで飲み込まれたペニス。鈴口、カリ裏、裏筋、竿全てに蠢く無数の触手繊毛が降り注いだ。しかもそれだけで終わらない。

「んっ、ふふっ、私のおっぱい、どうかな? すっごく柔らかくて弾力もあるでしょ。んんっ」

 亀頭と竿前面が豊満なエイミーのおっぱいで挟まれ、上下に激しく動かしてくるのだ。その動きのせいで触手繊毛が激しく不規則に僕のペニスを刺激し、快楽慣れなど一生訪れない怒涛の責めで、僕のペニスを激しく搾り取ろうとする。

「エイ、ミーっ、これ、やばっ、やばいってっ!」
「ふふっ、我慢しないでいいんだよ? いつでもドピュドピュしていいんだよ? んんっ、私のオマンコもっと舐めてぇ!」
「んぶっ! んんっ、んちゅるれろれろ、ずずずずっ」
「あはぁ、いいよぉ! カイトくんの舌がオマンコのヒダヒダを刺激してイイのぉ! オチンポもおっぱいと乳首に擦れてすっごいイイィィ! あはぁ、もっと良くしてあげる! んんっ、触手服の中を真空にすると、すっごくイイんだよ!」

 な、なんだこれ。肉厚なエイミーのおっぱいと無数の細かな吸盤付きの触手がぴっちりとペニスに張り付いて……しかもそこから上下に動かすから、まるで竿から亀頭まで抜き取られそうなくらいの、バキュームが。

 キュポンッ!

「っ!」

 弾けた。真空になって逃げ場のなくなった快楽の力が全て亀頭に集中し、そして弾けた。
 こんなの、耐えられるわけがない!

「っ! っ!!」
「あは、出して! カイトくんのドロッドロのザーメン! オチンポミルク、私のおっぱいにぶっかけて!」
「っぁ!」

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!

「来たァ! あはぁ、すっごい熱いよぉ、おっぱい火傷しちゃいそ、きゃっ!?」

 真空となって隙間のないおっぱいの中での射精。それは脱出口を求める。そして噴火したのは胸元だった。
行き場のなかったマグマ、胸元で勢いよく噴火すると、エイミーの視界を真っ白に染め上げた。ドロドロの白い溶岩はエイミーの顔に粘ついて剥がれ落ちない。

「あはぁ、いいのぉ、匂いも味も濃くて、すごいぃ」

 蕩けた声で言いながら、未だ噴火し続けるペニスを抜き僕の上から降りる。すぐに僕は立ち上がって、ペタンと放心したように座り込むエイミーの頭にペニスを向けた。
 いまなお吐き出し続ける白濁汁を僕はエイミーの髪へとぶっかけていく。若草色の髪と紫色の肌を、ディアンドル衣装を白濁色に染めていく。僕の色に染め上げていく。欲望の塊を吐き出しながら、ペニスをエイミーの顔に当てて擦ったり、髪の中へと潜り込ませたり、さらには耳の中へと精液を注いだりもする。
 そのどれにもエイミーは嬉しそうに蕩けた笑みを浮かべて、期待に満ちた瞳を僕に向ける。
 言いようのない征服感。エイミーが僕のものになったという事実が今更ながら実感できて、興奮がやまない。ペニスも全然萎えない。もっともっと。
 エイミーが舌をだらんと垂らす。射精が止まり、白濁に汚れたペニスを僕は彼女の舌に当てた。いや、当てるだけじゃない、まるで舌をハンカチであるかのように、白濁の汚れを擦りつけていく。
 エイミーの舌先を指で摘み、ペニスを拭いていく。普通なら絶対ありえない行為。だけど、エイミーはそうされることを望んだ。触手を介して、僕にそうせがむのだ。
 舌でペニスを巻き、僕はエイミーの口の中にペニスを挿入する。
エイミーの髪の触手が僕の腰周りに絡みつき、深々と喉の奥までペニスを飲み込んでいった。

「んんっ、じゅるるるるるるる、んぐんぐんぐっ、ずずずずずずっ」

 エイミーの舌が、頬肉が、喉が狭まり、ぴっちりとペニスに張り付いて、搾り取ろうとする。またさっきの真空状態だ。逃れることの許さない快楽の津波が、僕のペニスを飲み込もうとしている。
 こうなったら、僕の征服感など砂上の楼閣に過ぎない。エイミーからもたらされる快楽に屈服して、身を任せるほかない。それこそが僕の望みであるのだけれども。
 ああ、出そうだ。また、弾け飛ぶ。快楽の痺れに全身が麻痺する。来る、来る!

「……?」

 エイミーが舌の動きを止めた。頂点に達しかけたペニスが落ち着いていってしまう。
 ペニスが小康状態になると、エイミーは再び、口の中でジュッポジュッポとペニスを激しく吸った。
 しかし、またも精液の堤防が壊れる寸前で止められる。

「エイミー、どうして……!」

 エイミーはペニスを根元まで咥えたまま僕を見上げる。その目は淫乱に細められた。まだまだこれからだと言っていた。

「っあ、エイミーお願いだ、出させて、エイミーの口の中に精液吐き出させて欲しいんだ!」

 余裕なく僕はエイミーの懇願するけど、エイミーは寸止めを繰り返して精液を出させてくれない。
さっきまで好きなときに出していいって言ってたのに! 
寸止めを繰り返されてはそんな考えもできないほど頭の中が摩耗していく。
 ただただ無駄な思考が削ぎ落とされていく。エイミーの中に精液を注ぎたい。エイミーを僕の精液で汚したい。エイミーの全てを僕の精液で満たしたい。精液をエイミーに、精液をエイミーに、精液をエイミーに!
 
「エイミー! エイミー! エイミー、エイミー!」

 もうただエイミーを求めるだけのケモノと化した僕に、エイミーは満足げな笑みを向ける。そして、口内から僕のペニスを解放した。エイミーの離れたペニスはひどく乾いていた。

「エイミー? どうして……!?」

 エイミーの触手が僕の耳に深く潜り込んでいく。最後に残っていた思考やこの状況に対する疑問、全てを触手が溶かしていく。僕の脳みそにたった一つだけの本能だけを残す。
 それがエイミーの求めていたもの。
 触手ベッドに背中を預けたエイミーは指で陰唇を開く。オマンコの穴が、尿道の穴でさえもが、パクパクと淫乱な汁を垂らし、さらには淫臭のする湯気を立ち上らせていた。
 エイミーもすでに限界を迎えていた。そのうえでここまで我慢し、エイミーが求めたもの。
 ただただ、愛し合うこと。ケモノのように。魔物のように。一対のオスとメスのように。
 何もかも快楽に浸して悦楽に溺れ落ちることだった。
 ならば、と言うまでもない。僕はすぐさまエイミーに組み付いてペニスを一気に子宮口まで挿入した。

 ズプッ!!

「あひっ、んんんっ、ちゅちゅっ、んちゅ」

 後頭部と背中に手を回し、ギュッと抱きしめ、エイミーの口の中を貪るキスを落とした。エイミーも身体中の触手を僕に絡ませ這わせてくる。髪の触手は僕の頭や首に、袖口の触手は僕の腕や指先に、腰の触手は僕の腰や陰嚢に、足の触手は僕の脚や指先に。決して離れないようにしっかりと絡ませてくる。
 ぎゅっと肉感のあるエイミーの身体と触手に抱きしめて、腰を振るう。ゆっくりギリギリまで抜いて、一気に子宮口まで挿し貫く。触手ヒダで蠢くオマンコの肉を亀頭で掻き分けて貫く。
 エイミーの身体が快楽にぶるっと震えると、オマンコの触手ヒダが激しく振動し、僕のペニスに絡みついてくる。引き抜こうとすれば行くな行くなと擦り、挿し込めば来たな来たなと粘液たっぷりの触手で締め付ける。
 抽送を繰り返すたびに、エイミーのオマンコは貪欲になり、締め付ける力を増していく。オマンコの触手ヒダはもはやヒダとは言えないくらい伸び、オマンコから這い出て、陰嚢を揉みしだいた。
 引き抜くのをやめ、僕はグリグリとペニスでオマンコの内壁を擦り上げる。我慢汁が止まらなくなった鈴口で粘液塗れのオマンコに僕の我慢汁も加える。

「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ!」

 キスしたまま息の荒いエイミーの目は、焦点が合わず快楽に溺れていた。
 子宮口と鈴口をキスさせるとびくんと肩と触手を震わせる。僕もここを突くのが一番気持ちよかった。子宮口は常に小さなおちょぼ口をパクパクさせていて、鈴口とキスするたびに軽く吸い付いてくるのだ。離したりキスしたりを繰り返すと物欲しそうに強く吸い付くようになっていく。どんどんと上の口と同じようになっていっていた。
 だったらと考えるまでもない。子宮口にペニスをあてがい、僕は遠慮なく挿し貫いた。

「んんんんんんっ!?」

 白目を剥いて、エイミーが身体をひどく痙攣させる。
 だけどその顔をまじまじと見ている余裕は僕にはなかった。
 なぜなら、エイミーの子宮の中はオマンコの触手ヒダ以上に小さく無数にある触手が、一分の隙間なく密集していたからだ。
 飲み込んだ亀頭へと子宮の触手は一斉に絡みついて襲いかかる。
触手の一本一本がはっきりと感じられるくらいに、僕の感覚は快楽に対して鮮明になっていた。脳みそを今なお触手が這い回って犯し、快楽のアンテナを最大にしているからだ。
無数とも言える触手が亀頭に突き刺さり、這い回り、締め付けてくる。円状に絡んだ触手がシコシコと亀頭だけを上下に擦り上げていく。
 小さな動き、しかし僕を快楽の頂点まで登らせるには十分すぎた。
 だけど。

 ズプゥッ!

「っ!?」

 尿道口、鈴口に燃えるような快楽の火が灯される。細い触手が幾本も束になり、尿道を挿し貫いたのだ。痛みは全くない。むしろ気持ちいい。穴を犯しているのに逆に穴を犯されているこの倒錯感に、僕の情欲の火はますます燃え上がっていく。
 ならばと、僕は絡みつく触手に擦られながら腰を振るった。エイミーの口から離れ、ディアンドル衣装に顔を潜り込ませておっぱいに吸い付き、形が変わるほどに口の中でおっぱいを味わう。指に絡んでいる触手の先に、指先をあてがい、無理矢理その穴を貫く。開いたエイミーの口からは喘ぎ声が漏れ出た。
 エイミーと僕の境界がなくなるくらいに激しく絡み合ってひとつになっていく。ペニスとオマンコはもはや内も外もひとつになっている。
 鈴口の中へと入っていった触手が僕の精液の堤防を直接壊そうとしている。もう我慢などさせないぞと、精液ができるたびに垂れ流しにさせるぞ、その全てをオマンコの子宮へ注ぎ込むのだぞ、と言わんばかりに、ペニスの中を進んでいく。
 もうこれが正真正銘、最後の限界だとわかった。これを解き放てば、人間では味わえない至上の快楽に堕ちることがわかった。
 そのときが来る。
 触手を通して何かの小さな塊が、ペニスの中、尿道の奥へと入っていく。
 小さな丸い球状のもの。
 僕は、エイミーと顔を向かわせた。

「エイミー、来て」
「行くよ、カイトくん」

 エイミーの卵子が僕のペニスの中、精液の目の前で産まれた。

 その瞬間、堤防は完全に崩れ落ち、精液の波が溢れ出た。それは卵子を飲み込み、無数の精子はきっと卵子を犯しながら、尿道を昇っていく。精液が卵子とともに尿道を昇るという未知の快楽を味わいながら、僕は子宮の中へと卵子を飲み込んだ精液の波を吐き出した。

「っっっ!!」
「あ、あああ、来たァ、オチンポミルク来たァああああああああ!!」

もはや液というよりはゼリーに近いドロドロの精液をたんまりと子宮に注ぎ込む。精液を浴びた子宮の中の触手は嬉しそうに蠢き、精液で子宮内を満たしていく。
もちろん、これだけ溜め込んだ精液が子宮内にとどまるはずもなく、子宮口を通して出口へ出口へと溢れ出ていく。精液を浴びた触手ヒダは歓喜に打ち震えて僕のペニスを一層締め付けた。
精液はオマンコの外へと弾けるようにこぼれ落ちていく。だけど、出て行く量は射精量に比べて圧倒的に少なかった。その結果どうなるかは火を見るよりも明らかだ。

「あ、い、ひぃぃ、お、オマンコぉ、ミルクで、オチンポミルクでパンパンなのぉ、らめぇ、これ以上出されたら破裂しちゃうからァ!」
「んぁ、ダメ、だよ。止まらない、射精止められないよ……それ、に。エイミーは、これが欲しかったんでしょ……?」

 ズンっと鈴口で卵子を咥えながら、子宮の奥に押し当てた。卵子に新鮮な精液を注ぎながら固定して、どんどんと子宮を膨らませていく。卵子を無数の精子で犯していく。

「これが、エイミーが望んでたことなんだよね? だって、僕の脳みそを……犯している触手が、こうしてって僕の頭を弄ってる、よ! もっと精液で子宮を満たして、卵子を精子漬けにしてって、よがってるよっ!」
「そ、そんなのぉ……」
「……違うの?」

 僕の問いに何かの糸が切れたように、エイミーは満面の蕩けた、卑猥で堕落した笑みを浮かべた。

「そうなのぉ! 私、エイミーは、カイトくんの孕ませオチンポ子種ミルクで、淫乱子宮をパンパンに膨らませて、卵子を犯して孕ませて欲しいと思ったのォ!」
「僕も同じ、だよ。エイミー。君の卵子を……僕の精子で犯して……絶対に孕ませてあげるから」
「うんっ! うんっうんっ!」

 そうして、およそ五分にも及ぶ射精で、精液を全てエイミーの中に注ぎ続けたのだった。
妊婦のごとくエイミーのお腹が膨れ上がるほどに。

 五分にも及ぶ射精の快楽は僕の脳みそを麻痺させ、終わりかけの頃には、完全にエイミーに主導権を握られていた。
止まらない射精に僕は翻弄され、魔物化して快楽に対して強くなっているエイミーはさらに搾り取ろうと余裕をもって子宮を収縮。さらには僕の脳みそに触手の根を伸ばし、射精の快感をさらに増大させ、文字通り最後の一滴まで子宮で精液を搾り取った。
しかも、紫緑色の触手汁をドバドバとぶちまけて、頭のてっぺんからつま先まで濡れていないところはないほどに粘液で浸していく。触れ合っているだけで快楽が走り、全身が性器になってしまったかのようだ。ペニスとなった僕は、触手マンコとなったエイミーに絡みつかれ、全てを絞り尽くそうとグチュグチュと蠢いているのである。
 僕はエイミーにもたれかかって、彼女がもたらす快楽に身を任せるほかなく、エイミーは優しく腕と触手で僕を抱いていてくれた。その心地よさは、まるで母に抱かれているようで、しかし母とは違う、その代わりではない、新たな暖かさだった。

「エイミーとひとつになれてよかった。君と一緒なら、僕はなんだってできる」
「私もよ、私の最愛の人。あなたと一緒にいられることに勝るものなんてない」

 だけど、だから、とエイミーはある言葉を放った。その言葉に僕は目を剥く。

「それは、エイミーが望んでいることなんだね?」
「私の望みはカイトくんを幸せにすること。もっともっと気持ちよくしてあげること。そのために必要なの」

 エイミーの言葉に迷いはなかった。引け目も負い目も、憐れみの感情もそこにはなかった。
 ただただ、幸せになること。エイミーはそれに必要なことをしようとしていた。それは僕も含めて。そして“彼女”も含めて。

「わかった。だけどそれは僕の願いでもある。僕の願いはエイミーと一緒に幸せになることだ」
「……うん!」

 お礼参りじゃない。恩返しでもない。僕とエイミーが幸せになるために。そして、寂しがり屋の“彼女”が幸せになるために、愛し合うとしよう。

15/08/30 17:59更新 / ヤンデレラ
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■作者メッセージ
あ、タイトルに「テンタクル」とありますが植物の方のテンタクルちゃんは出てきません(今更
期待してしまっていた方は申し訳ありませんでした。
触手モノは大好物なので今後何らかの形で出せたらいいなぁ。

さて、カイトくん視点の第二話、いかがだったでしょうか。
触手服パイズリができたので個人的に満足できた第二話でした。
次回がおそらく最終話となります。もうしばらくお付き合いいただけると幸いです。
(さすがに第二話ほどは長くないです)

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