連載小説
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輪舞曲は続く
夏休みが終わり、帰省していた生徒たちが学校に戻ってきた。
夜の空気も涼しくなり、寝苦しさから夜更かしをする生徒はほとんどいない。
真夜中を過ぎると、寄宿舎を抜け出して遊びに行っていた生徒達も戻ってきて眠りにつくため、とても静かだった。
そんなある夜――。

窓を叩く音でボクは目を覚ました。
カーテンを開けると、いつかの夜のようにあのサキュバスの少女が外にいた。
「久しぶり。元気にしてるってことは、新しい人生を楽しんでるようね」
窓を開けると魔物の少女はするりと部屋の中に入ってきた。
「まあ、おかげさまでね」
ボクは窓を閉め、鍵をかけた。
その音にサキュバスの少女が振り返る。
「何?」
「もう涼しい季節だからさ」
「ふーん。ところで、どうだった人間の精の味は?」
「そうだねえ。口で説明するのはちょっと難しいかな」
「何よー。初体験の話くらい教えなさいよ」
「教えるよ。言葉じゃなく体でね」
ボクの目から魔力が放たれる。少女がびくりと震え、背中からベッドに倒れ込んだ。
「これは――魅了の魔法!」
「魔物だからかからないとでも思った?」
「あなた、いったいどんだけ魔力を溜め込んだの」
「男の子だらけの学校で、女のボクが生活するのは難しくてね。
 精を吸いつつ少しずつ味方を増やしたのさ。
 一部を除けばほぼ全員から精を吸っていることになる」
上級生から下級生まで、女の子に興味を持たない生徒以外はほとんど攻略済みだった。
「もう千人近くになるかな。これなら並の魔物も魅了できる」
言いながらボクは服を脱ぎ捨てた。
小さな胸と広がりかけた腰に小さな尻。細身の体が現れる。
「体型が変わっていなかったから油断したわ」
少女が身をよじるが、力が入らず立ち上がることができない。
「さて、君にはお礼をしないとね」
「お礼?」
「ボクを飢えさせてくれたお礼」
少女の豊かな胸を撫で上る。サキュバスやその近親種は、
男を魅了しやすいように体を作り替えることができる。
今ボクの手の中にある豊かな胸は、彼女がより多くの男に媚びてきた証だった。
手に力を入れ、乳房を握り潰すと、魔物の少女が悲鳴を上げた。
「一応殺されかけたわけだしね。覚悟はしてもらうよ」
手を緩め、サキュバスの胸にボクは唇をはわせた。
「やぁっ、嫌あぁぁっ」
快感に戸惑うサキュバスの体が震える。
「男に吸ってほしかった?でも魔法がかかってる今なら、
 その体も喜んでいるでしょ?」
舌先を固くし、膨らんだ乳首を口の中で押し潰すようにこねる。
少女の悲鳴は次第に静かなあえぎ声へと変わっていった。
歯ではなく唇で乳首を挟み、歯の無い赤ん坊のように胸を吸うと
再び少女が悲鳴を上げた。
「あ、だめ!出ちゃうぅぅぅ」
ボクの口の中に、甘ったるい魔力が流れ込んでくる。
喉を鳴らしながら飲み干すと、サキュバスの体がびくびくと震えた。
体内の魔力の圧倒的な差は、魔力を吸引する強さとして現れる。
サキュバスの少女の抵抗も空しく、ボクは大半の魔力を飲み干した。
「う――あ――ひどい――」
荒い息に胸を上下させて少女がつぶやいた。
「殺しはしないよ。これからの責めに耐えられたら、
 あとで生徒の誰かの精を吸わせてあげる」
「これから――ですって!」
その時、部屋の扉がノックされた。
「今日も時間どおりだね。入っておいで」
部屋の外に呼びかけると、ドアが開き、レニが入ってきた。
「お兄ちゃん!」
「エルレイン!」
レニと魔物の少女がお互いを見て叫んだ。
「やっぱりアルプだったんだね。サキュバスにしては図鑑より
 尻尾が太すぎると思ったんだ。それにその髪の色。
 兄弟だけあって本当にそっくりだね」
予想が当たり、ボクは微笑んだ。
「お兄ちゃん、助けて。魔力が足りなくて死にそうなの」
エルレインが切なそうに呼びかける。しかし、レニは答えない。
「ダメだよ。レニはもうボクの物だから。さあ脱いで」
ボクが命じると、レニは服を脱ぎ始めた。
薄暗い部屋の中で引き締まった少年の裸体が現れる。
ボクがキスをして舌を絡ませると、レニの下腹部から
へそにまで届くほどの肉棒がゆっくりと勃起していった。
「見てごらん。レニはボクのインキュバスになった。
 もういくら君が望んでも精をくれることはないんだよ」
肉棒の皮を剥き、先端にそっと口づけをする。
エルレインの視線の先で、レニの亀頭がみるみるうちにつやを帯びた。
「そんな――」
「それじゃあ始めようか」
ボクの姿が人間から魔物の姿へと変わる。
アルプの太い尻尾をエルレインの秘所に当てると、
彼女の内股が緊張し、足の付け根の腱が浮き出た。
「ま、待って」
エルレインが哀願するけど、ボクは聞き入れない。
インキュバスに負けないほど固く張り詰めた尻尾を一気に挿入した。
「んあぁぁっ」
白い喉をさらけ出してエルレインがうめく。
男性器によく似たアルプの尻尾を受け入れたことで、
彼女の膣内が喜びに収縮するのが感じ取れた。
だが、いくらエルレインの体が喜び、ボクの尻尾を締め付けても
飢えた彼女に精が与えられることは無い。
この快楽は責めの始まりだ。
「さあレニ、ボクを犯して」
振り返り、椅子に腰掛けたレニの膝の上にまたがる。
「だめえ!お兄ちゃん、その子なんかとしないで」
背後からエルレインの悲痛な声が上がった。
「エルレイン、俺はもうクリスの物なんだよ」
レニが静かにそう答えた。その瞳はボクだけを見ている。
わずかに膨らんだ胸、小さな尻、未熟な腰。
ボクの体はレニを最も興奮させ、最も多量の精を出させる
この姿に落ち着いていた。
千人近い少年と交わったけれど、レニの精ように痺れるほどの
甘い快感を与えてくれるものは他に無かった。
レニが特別なのか、ボクとの相性が良かったのかはわからない。
いずれにしても、ボクにとってレニは特別だ。
特別だからこそ、ボクもレニにとって特別な姿になる。
たくさんの男に媚びて、豊満な姿になったエルレインには
レニを手に入れる資格なんて無いんだ。

ボクは腰を浮かせ、レニの一物を受け入れる。
ゆっくりと沈むボクの腰を、レニの手が無理やり引き寄せた。
背後で悲鳴が上がる。
「ふふっ、気持ち良かった?ボクの尻尾でレニの動きを再現してあげるから
 存分に楽しむといいよ」
ボクは胸に舌をはわせるレニの頭をそっと撫で、背後に向かって言った。
「それじゃあレニ、ボクを犯して。いや、ボクを通じてエルレインを犯してあげて」
「ああ」
レニがボクの尻を抱え上げながら立ち上がる。
ボクはレニの腰に足を絡ませ、抱きつく形になった。
「その子じゃなく私を犯して。私を無理やり女にした時のように!」
エルレインの哀願はいい音楽になってくれそうだ。
レニがボクの物と認めるまで責め立ててやろう。
ボクはレニにキスをした。
それを合図にレニが抱えたボクの腰を前後に動かし始める。
背後から聞こえる哀願は、途切れ途切れのあえぎ声へと
徐々に置き換わっていった。
もし彼女が折れたなら、寄宿舎の少年の誰かをあげてもいい。
ひょっとしたらそこからまた新たなアルプが生まれるかもしれない。
誘惑の輪舞曲は果てしなく続いて行くだろう。
11/04/26 21:41更新 / 偽典書庫
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■作者メッセージ
というわけで、これにて完結です。
お付き合いいただきありがとうございました。

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