連載小説
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ドラゴンのうた/まものの雪祭り
ドラゴンのうた

作詞:黒竜アン子
作曲:須磨ウルグ
うた:須磨ウルグ・方舟暴走自動人形合唱団


私はドラゴン 絶対者
 グオーン!グオーン!

宝のにおいだ たまらない
城壁なんぞ なんのその
空の上から コンバングア!

ドラドラ ゴンゴン ドラドラ
ドラドラ ゴンゴン ドラグ・オン


私はドラゴン 絶対者
 グオーン!グオーン!

こどもがころんだ 心配だ
グワリ翼を はためかせ
泣いてるこどもに 急降下

ドラドラ ゴンゴン ドラドラ
ドラドラ ゴンゴン ドラグ・オン


私はドラゴン 絶対者
 グオーン!グオーン!

ギャンギャン泣かれた 耳痛い
今日は手ぶらで 帰ろうか
地下のねぐらで ふて寝しよう

ドラドラ ゴンゴン ドラドラ
ドラドラ ゴンゴン ドラグ・オン

ドラグ・オン


* * * * * * * * *


まものの雪祭り

うた:みんなで幸せになろうよ※
(※後藤吉・方舟暴走自動人形合唱団)


ひとの身の 届かない
雪山に あなほって

まものの雪祭り
もち食って 酒飲んで
汗ばむほどにさわぎたて
男はまだかとうそぶけば

泣きじゃくる 雪おんな
だれか春 つれて来い


神だなに とぐろ龍
火をかこみ 鍋かこみ

まものの 雪祭り
山おとこ 逃げてゆく
カラステングがやってきた
花のたよりは まだですか

入り口にチラチラと
だれかホラ のぞいてる


* * * * * * * * *


解説:
「ドラゴンのうた」
転んで泣いてる子供に大口を開けてせまるドラゴンの絵が色々と問題になり、再放送版ではその部分の映像が差し替えられることとなった。

「まものの雪祭り」
作中のイケメンすぎるカラステングが話題になった歌。まもののうたを見て育った魔物の中には、「あのカラステングが初恋」という子もいるとかいないとか。


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おまけ

我がウロコは十重の盾。
キバは百軍の剣にして、
ツメは千丈の槍。

尾の一振りは万雷を呼び、
羽ばたきは、嵐!

我が名は炎!
我が名は、死d

ガチャッ

「娘よ、入るぞ」

「ギャッ!? 母ちゃん、部屋に入るときはノックしてって言ったじゃん!」
「返事をしないのが悪い。ところで隣の国からうちに損害賠償の請求が来ているのだが、何のことかわかるか?」
「ギクッ、えー?あたしそんなの知らないよー?」
「ほう、そうか。なんでも隣国の街がドラゴンに襲われたらしくてなあ。そのドラゴンの特徴は鱗は金色がかった赤、目は燃えるような黄色だそうだ」
「へ、へー、ソウナンダー」
「こっちを見ろ・・・もう一度聞くぞ。お前、このことについて何か知らないか?」
「し、シリマセン」
「ジーッ」
「・・・」
「ジーーッ」
「・・・あたしがやりました〜!」
「うむ。自らの過ちを認めるのはよいことだ。では隣国への賠償はお前の持っている“アンキモ石”で支払うとしよう」
「えぇ〜っ!? あれ手に入れるの大変だったのに!」
「バカモン! 自分のしでかした事の重大さを知れ!」

「・・・まったく、ふざけて街を襲撃などと、いったいだれに似たものか」
「え? それ本気で言ってる?」
「なんだ、何を言いたい」
「だって君、若い頃“アンカラゴンごっこ”とか言って山に体当たりしてただろ」
「あ、あれはだって、ちゃんと人のいない山奥だったし・・・」
「あの時の雪崩で俺死にかけたんだが」
「いいだろちゃんと助けたんだから!」
「まあ、あれが切欠でいま君とこうしてるわけだけどね」
「私も、あの時お前に出会えて・・・」

ガチャッ

「じゃあ行ってきまーす・・・あっ、父ちゃんと母ちゃんまたイチャイチャしてる〜!」
「ううう、うるさい! とっとと謝りにいって来い!」


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おまけ2

雪女
「グズッ、だって、だはってえ〜。だれにぼ言っぢゃだべだっでいっだのにぃ〜! あの人が、“あれは、こんな寒い日の晩だった・・・(イケボ)”とか言っちゃうんだぼほォん!」
アカオニ
「いや、それは旦那もあんたの正体わかってて言ってるだろ。ていうか今どきそんな古めかしい雪女メソッド実践してる奴がいたことに驚きだよ」
雪女
「あんまりだああ! あんんんまりだあああ! HEEEYYYYYY!!」

アカオニ
「おい誰だよもう、雪女に酒飲ませたやつ。青い顔を赤く染めやがって、器用なやつだなあ」
アオオニ
「その子が勝手に飲んだのよ。止めるのも聞かずに」
アカオニ
「ったく娘もいるんだからとっとと家に戻れっつうの」
雪女
「雪女の掟は厳しいんですぅ〜、山の掟は憲法より厳しいんですぅ〜!」
アカオニ
「だから今どきそんなの守ってるやついないだろうに・・・おーい独身龍ギルガザムネ、水だしてくれ。こいつもう水飲ませないとだめだ」

「んぅ〜? いま雨乞いなんてしたらぁ、大雪になるよぉ? ・・・って誰がギルガザムネか! 人を禿げちらかしたおっさんが乗る巨大ロボットみたいに呼ぶでないわ!」
アカオニ
「独身龍のところは否定しないんだな」

「うぐっ、・・・ここで一句。“雨乞いしてもひとり”」
ジョロウグモ
「急に自由律俳句に目覚めないでよ」
アオオニ
「一人の雨乞いって・・・それはもう、オナニーなのでは?」
大百足
「然り」

「然りではない! 真性な神事をなんだと思ってりゅ!」
大百足
「真性?」

「神聖!」

アカオニ
「・・・ったく酔っ払いどもが。ほんの二升で正体なくしやがって・・・ん? カラテン郵便か。夜に来るなんて珍しいじゃん」
カラステング
「いやもうとっくに日が昇ってますよ。みなさん一体何時間飲んでるんですか・・・」
アカオニ
「ああ? ・・・ホントだ、もうお天道様昇ってらあ。ん? おい雪女、娘から手紙だぞ!」

アオオニ
「ものすごい勢いで飛び出して行ったわね・・・」

「イテテ、突き飛ばされた」
大百足
「重い。この無駄乳」
ジョロウグモ
「モガモガ(驚いて糸絡まった。誰か助けて)」
アカオニ
「一体何が書いてあったんだ? どれ・・・」

“おかあさんへ。
おとうさんはまい日、おかあさんをおもい出してないています。
きのうはわたしを見ておかあさんの名まえをよんでしまいました。
おかあさんのまねしておとうさんの名まえをよんだら、しばらくわたしをぎゅっとしてました。

はやくかえってこないと わたしがおとうさんをとっちゃうよ♥
20/04/23 01:46更新 / なげっぱなしヘルマン
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■作者メッセージ
元ネタ
「ドラキ○ラのうた」(1975)
(4年前の)リクエストより。再放送時には映像がいくつか差し替えられた版が放送されますが、2番「ハダカのこどもにとっしんだ〜」の裸の女の子の映像はそのまま。そうか、それはいいのか・・・
おまけについて:
アンカラゴンはトールキンの「シルマリル〇物語」に出てくる黒いドラゴン。墜落時に山が崩れるほどデカい(らしい)

「雪〇り」(1984)
郵便屋さんのニヤリと笑うニヒルな横顔が印象的すぎる曲。
おまけについて:
小泉八雲の「雪女」は最後“子供を置いて夫の前から姿を消す”訳ですが、
あれを図鑑世界でやったら傷心の夫をファザコン娘に寝取られるフラグにしかならないと、ボカぁ思うわけなんです。

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