新しい希望(道)
暗い・・周りが全て暗い。
ここは、どこだ。
確か私は戦って、そのあとは。
考えている私の目の前に光が輝く。
そこには、夫と娘が居た。
「ライクス!アルフィナ!」
「シエラ。」
「お母様。」
「私は死んでしまったのね。」
「いいや、君はまだ生きている。」
「え?」
「私達は君に別れを言いに来たんだ。」
「どうして、私も一緒に。」
「私達は死んでしまったが、君は生きている。」
「だから、シエラには生きて幸せをもう一度掴んで欲しいんだ。」
「そして、私達のために復讐に囚われないでくれ。」
「君に、私達のせいで苦しんで欲しくないんだ。」
「でも私には、それしか生きる望みが無いんだ!」
「それは違うわ、お母様。」
「アルフィナ?」
「お母様がいつも言っていたよね、この世界には知らないことがたくさんあるって。」
「人々もまた同じ、魔物を嫌うもの・憎むものが居るけど逆に愛するものも居ること。」
「私はお母様に全てを受け入れ、愛してくれる人に逢って幸せになって欲しいの。」
「そして、次の世代に意思を・希望を託して欲しいの。」
「もう私には、それができないから・・・・・」
「ライクス、アルフィナ、私はどうしたらいいんだ。」
「もし、道に迷っているなら彼を見るといい。」
「彼?」
「君を止めてくれた人の事さ。」
「彼は誇り高き信念を持ち、心に光を輝かせている。」
「その光がシエラの道を照らしてくれるだろう。」
「だからシエラ、復讐に囚われず未来を築いてくれ。」
「それが私達の最後の願いだ。」
「でも、私は、私は・・・・」
「もう、時間のようだ。」
「え?」
「私達は行かなければならない。」
「待って、私は!」
「シエラ、幸せになってくれ。」
「お母様、お元気で。」
二人がゆっくりと闇に消えていく。
「私は、幸せになっていいのだろうか?」
「う、うーーん。」
「目が覚めたかしら。」
目を覚ますと其処には、リザードマンが居た。
「貴方は、確かあの男といた。」
「私の名前はエリナ・フェンナーク。」
「あなたは?」
「私はシエラ、シエラ・シルフィエード。」
お互い自分の名前を言った。
「あの男は?」
「ザックの事?彼なら村のほうに行ったわ。」
「村へ?」
「なんでも、村を滅ぼした奴らが来るとか言っていたわ。」
「なんだって!」
それを聞いて行かぬ訳にはいかん。しかし。
「何故止める!」
「ザックに近づくなって言われたのだから行かせる訳にはいかないの。」
「私は奴らに復讐するために生きているんだ!」
「だからザックは私にさせない様に頼んだの。」
「貴方に復讐を辞めさせるために。」
「何故そんな事を。」
「復讐の果てに未来は無い、そう言っていたわ。」
「く!!」
夢の中で言われたことを思い出す。
「だが奴は一人で戦うというのか。」
「今のザックは真ともじゃない。」
「見たことの無い怒りと殺意が溢れていた。」
「もし、彼の忠告を聴かなければ後悔することになると思うから。」
廃村の中央に彼は立っていた。瞑想し何かを待ちながら。
そして、森から馬の足音が聞こえこちらに近づいてくる。
姿を現したのは、馬に乗った騎士5人と傭兵10人だった。
「貴様、この廃村で何をしている。」
「ここは魔物で穢れた場所だぞ。」
「それとも貴様も、堕落した屑か。」
そう騎士が笑いながら言っていた。
そして、瞑想を止め口を開く。
「犯人は現場に戻ってくると言うが、あながち間違いではなかったな。」
「なるほど、品の無い5流のチンピラどもか。」
「なんだと!」
「貴様、誰に物申しているのか分かっているのか。我らは・・・」
「貴様ら下衆な者共の肩書きなど何の価値も無い。」
「この、どこの馬の骨か分からぬ者の分際で侮辱するとは。」
「神に仕える教会騎士団アルフェンヌ隊の名において、貴様を処刑してやる。」
各々武器を構え、攻撃態勢に入る。
「神・・ね。なら俺も神の名において、貴様らを裁く。」
「は!貴様などに神が居るわけ無いだろうが。」
「いいや居るさ、死神と言う神がな!」
双腕を構え鋼質化をする。
「我、神の名においてこれを鋳造する。汝ら罪なし。」
さあ、お仕置きの時間だ。
「ぬかせーーー!」
叫びと共に5人の傭兵が接近する。其々がショートソードタイプの武器のため素早い。
だが。
「貴様らに、慈悲をかける気は一切無い。」
双腕に雷を纏い閃光を放つ。
「フラッシュピストン・ショットガンキャノン!!!!」
5人の傭兵は一瞬にしてミンチになった。断末魔をあげる時間も無く。
「な、馬鹿な。」
「なんなんだ、いまのは。」
「怯むな、逝け!」
騎士に怒鳴られ、一人が突撃する。
「くそがああああ!」
ナイフを右上から袈裟懸けに振り下ろす。
先ほどの奴らよりは速い。
「臆した者の動きなんぞ、取るに足りん。」
左に体を翻し避け、左足で足を引っ掛けバランスを崩し首に一撃を放つ。
「斬刑・ギロチンショット。」
ストーーーーン!!!
音と共に首が宙を舞う。
傭兵は完全に戦意喪失し逃亡を図った。
「一人たりとも生きて返さん!!!」
地面に拳を放ち「四連パイルバンカーショット!」
地面が揺れ4人の傭兵の足元が吹き飛び上空に放り出される。
「四連パイルバンカーキャノン!!!」
四人の頭を吹き飛ばした。
残るは、騎士たちだけ。
「捨て駒は居なくなった、さてどうする。」
「く、おのれ。」
「たかだか、使い捨てを殺った程度でいい気になるな!」
「格の違いを見せてやる。」
4人の騎士が槍を持ち接近する。
再び双腕を構え、雷を纏う。先ほどより強く。
「ダブルレールキャノン、燃え尽きろ!!」
其々の間に向けて放つ。
直撃せずとも、強力な衝撃波がぶつかり落馬する。
雷が鎧を通電し中の人間を焼き焦がす。
そして、人体発火する。
4人は瞬く間に燃え上がり、焼死する。
「さあ、残りは貴様だけだ。」
「ば、化け物か貴様は。」
「いいや、ただの人間さ。」
「魔物の味方をして何の意味がある。」
「あんな化け物共の何がいいのだ。」
「その化け物と呼ばれる者にも心はある。」
「理性を持ち、人と分かり合える。」
「だが、貴様らはそれを否定し勝手な教えの元に虐殺した。」
「貴様らこそが、理性無き化け物だ。」
拳を鳴らしながら死刑を執行する。
「ならば、貴様を道ずれにするまでだ!」
騎士が馬を突進させる。
「邪魔な馬だな。」
馬の真正面から叩き込む。
「リボルバーキャノン!」
全身血飛沫を上げながら馬が吹っ飛び、騎士が落馬する。
「ひ、ひいいいいい!!」
威厳もくそも無いな。見苦しい。
「地獄で閻魔がお待ちだ、とっとと死ね。」
腕を引き、死を放つ。
「貫滅・フルブレットパイルバンカーキャノン」
跡形も無く消滅する。
後に残ったのは、醜い下衆達の死体。
「貴様らに墓など無用、畜生の餌にでもなれ。」
全てを終えて、村を後にする。
「ザック、お帰り。」
「ただいま。」
「奴らはどうしたんだ!」
シエラがザックに結末を聴く。
「地獄に送ってきたよ、約一名は消滅したから分からんが。」
「そうか。」
「村を滅ぼした奴らは死んだ。だから、復讐をやめろ。」
「自らの手で出来無かったのは残念だか、仇は取れたんだな。」
「そうだ。」
「だか、これから先私はどうすればいいんだ。」
「私だけ生き残り一人だけ幸せになるなんて出来ない。」
シエラは泣きながら自分の苦しみを告白した。
自分だけが生きて幸せになるなんて耐えられないと。
「ならするべき事は一つだな。」
「何?」
「自分を許せ。」
「え?」
「お前は自分だけ生き残ったことに罪を感じているんだ。」
「皆が死に未来を生きられないのに係わらず自分だけかみ締めることに罪悪感があると捉えているんだ。」
「だから、自分を許せないでいる。」
「しかし、そうじゃない。お前が皆の代わりに生きていくんだ。」
「みんなの分まで生き抜き、皆の心を次世代へと託す。」
「それが、生き残ったものの使命だ。」
「でも、私は。」
「お前じゃなければ意味が無いんだ。」
「俺やエリナでもなく、生き残ったお前じゃなければ意思を引き継げない。」
「だから、自分を許せ。そして、生きろ。」
シエラは涙を流しながら答えを聞く。
「ひっく・・こんな・・ぐず・・私でも、生きてて・・いいの?」
「お前の存在を許さない奴はいない、だからいいんだ。」
「もしまだ迷うことがあれば、俺が導いてやるよ。」
「こんな俺でよければな。」
「うええええええええええん。」
シエラがザックの胸に抱きつき泣き叫ぶ。
ザックはただ静かに抱きしめる。
エリナも釣られて涙を流していた。
廃村での出来事から一夜が明けた。
「それじゃあ、俺についていくのか?」
「貴方が私を導くと言ったのだから、もちろんよ。」
「なら幸せを見つけるまで、一緒だな。」
「ええ。」
「そういえば、ちゃんと名を名乗ってなかったな。」
「俺の名はザック・バレルゲイナーだ。」
「私の名はシエラ・シルフィエード。」
「よろしくな、シエラ。」
「こちらこそ、ザック。」
「じゃあ行こうか、エリナ・シエラ。」
「うん、行こう。」
「行きましょう。」
(貴方、私は彼と共に歩もうと思います。彼は私の道を照らしてくれた。
貴方と同じように彼はとても優しかった。彼と共になら未来を紡いでいける気がする。だから、アルフィナと共に見守っていてください。)
ザック、私のご主人様♪
ここは、どこだ。
確か私は戦って、そのあとは。
考えている私の目の前に光が輝く。
そこには、夫と娘が居た。
「ライクス!アルフィナ!」
「シエラ。」
「お母様。」
「私は死んでしまったのね。」
「いいや、君はまだ生きている。」
「え?」
「私達は君に別れを言いに来たんだ。」
「どうして、私も一緒に。」
「私達は死んでしまったが、君は生きている。」
「だから、シエラには生きて幸せをもう一度掴んで欲しいんだ。」
「そして、私達のために復讐に囚われないでくれ。」
「君に、私達のせいで苦しんで欲しくないんだ。」
「でも私には、それしか生きる望みが無いんだ!」
「それは違うわ、お母様。」
「アルフィナ?」
「お母様がいつも言っていたよね、この世界には知らないことがたくさんあるって。」
「人々もまた同じ、魔物を嫌うもの・憎むものが居るけど逆に愛するものも居ること。」
「私はお母様に全てを受け入れ、愛してくれる人に逢って幸せになって欲しいの。」
「そして、次の世代に意思を・希望を託して欲しいの。」
「もう私には、それができないから・・・・・」
「ライクス、アルフィナ、私はどうしたらいいんだ。」
「もし、道に迷っているなら彼を見るといい。」
「彼?」
「君を止めてくれた人の事さ。」
「彼は誇り高き信念を持ち、心に光を輝かせている。」
「その光がシエラの道を照らしてくれるだろう。」
「だからシエラ、復讐に囚われず未来を築いてくれ。」
「それが私達の最後の願いだ。」
「でも、私は、私は・・・・」
「もう、時間のようだ。」
「え?」
「私達は行かなければならない。」
「待って、私は!」
「シエラ、幸せになってくれ。」
「お母様、お元気で。」
二人がゆっくりと闇に消えていく。
「私は、幸せになっていいのだろうか?」
「う、うーーん。」
「目が覚めたかしら。」
目を覚ますと其処には、リザードマンが居た。
「貴方は、確かあの男といた。」
「私の名前はエリナ・フェンナーク。」
「あなたは?」
「私はシエラ、シエラ・シルフィエード。」
お互い自分の名前を言った。
「あの男は?」
「ザックの事?彼なら村のほうに行ったわ。」
「村へ?」
「なんでも、村を滅ぼした奴らが来るとか言っていたわ。」
「なんだって!」
それを聞いて行かぬ訳にはいかん。しかし。
「何故止める!」
「ザックに近づくなって言われたのだから行かせる訳にはいかないの。」
「私は奴らに復讐するために生きているんだ!」
「だからザックは私にさせない様に頼んだの。」
「貴方に復讐を辞めさせるために。」
「何故そんな事を。」
「復讐の果てに未来は無い、そう言っていたわ。」
「く!!」
夢の中で言われたことを思い出す。
「だが奴は一人で戦うというのか。」
「今のザックは真ともじゃない。」
「見たことの無い怒りと殺意が溢れていた。」
「もし、彼の忠告を聴かなければ後悔することになると思うから。」
廃村の中央に彼は立っていた。瞑想し何かを待ちながら。
そして、森から馬の足音が聞こえこちらに近づいてくる。
姿を現したのは、馬に乗った騎士5人と傭兵10人だった。
「貴様、この廃村で何をしている。」
「ここは魔物で穢れた場所だぞ。」
「それとも貴様も、堕落した屑か。」
そう騎士が笑いながら言っていた。
そして、瞑想を止め口を開く。
「犯人は現場に戻ってくると言うが、あながち間違いではなかったな。」
「なるほど、品の無い5流のチンピラどもか。」
「なんだと!」
「貴様、誰に物申しているのか分かっているのか。我らは・・・」
「貴様ら下衆な者共の肩書きなど何の価値も無い。」
「この、どこの馬の骨か分からぬ者の分際で侮辱するとは。」
「神に仕える教会騎士団アルフェンヌ隊の名において、貴様を処刑してやる。」
各々武器を構え、攻撃態勢に入る。
「神・・ね。なら俺も神の名において、貴様らを裁く。」
「は!貴様などに神が居るわけ無いだろうが。」
「いいや居るさ、死神と言う神がな!」
双腕を構え鋼質化をする。
「我、神の名においてこれを鋳造する。汝ら罪なし。」
さあ、お仕置きの時間だ。
「ぬかせーーー!」
叫びと共に5人の傭兵が接近する。其々がショートソードタイプの武器のため素早い。
だが。
「貴様らに、慈悲をかける気は一切無い。」
双腕に雷を纏い閃光を放つ。
「フラッシュピストン・ショットガンキャノン!!!!」
5人の傭兵は一瞬にしてミンチになった。断末魔をあげる時間も無く。
「な、馬鹿な。」
「なんなんだ、いまのは。」
「怯むな、逝け!」
騎士に怒鳴られ、一人が突撃する。
「くそがああああ!」
ナイフを右上から袈裟懸けに振り下ろす。
先ほどの奴らよりは速い。
「臆した者の動きなんぞ、取るに足りん。」
左に体を翻し避け、左足で足を引っ掛けバランスを崩し首に一撃を放つ。
「斬刑・ギロチンショット。」
ストーーーーン!!!
音と共に首が宙を舞う。
傭兵は完全に戦意喪失し逃亡を図った。
「一人たりとも生きて返さん!!!」
地面に拳を放ち「四連パイルバンカーショット!」
地面が揺れ4人の傭兵の足元が吹き飛び上空に放り出される。
「四連パイルバンカーキャノン!!!」
四人の頭を吹き飛ばした。
残るは、騎士たちだけ。
「捨て駒は居なくなった、さてどうする。」
「く、おのれ。」
「たかだか、使い捨てを殺った程度でいい気になるな!」
「格の違いを見せてやる。」
4人の騎士が槍を持ち接近する。
再び双腕を構え、雷を纏う。先ほどより強く。
「ダブルレールキャノン、燃え尽きろ!!」
其々の間に向けて放つ。
直撃せずとも、強力な衝撃波がぶつかり落馬する。
雷が鎧を通電し中の人間を焼き焦がす。
そして、人体発火する。
4人は瞬く間に燃え上がり、焼死する。
「さあ、残りは貴様だけだ。」
「ば、化け物か貴様は。」
「いいや、ただの人間さ。」
「魔物の味方をして何の意味がある。」
「あんな化け物共の何がいいのだ。」
「その化け物と呼ばれる者にも心はある。」
「理性を持ち、人と分かり合える。」
「だが、貴様らはそれを否定し勝手な教えの元に虐殺した。」
「貴様らこそが、理性無き化け物だ。」
拳を鳴らしながら死刑を執行する。
「ならば、貴様を道ずれにするまでだ!」
騎士が馬を突進させる。
「邪魔な馬だな。」
馬の真正面から叩き込む。
「リボルバーキャノン!」
全身血飛沫を上げながら馬が吹っ飛び、騎士が落馬する。
「ひ、ひいいいいい!!」
威厳もくそも無いな。見苦しい。
「地獄で閻魔がお待ちだ、とっとと死ね。」
腕を引き、死を放つ。
「貫滅・フルブレットパイルバンカーキャノン」
跡形も無く消滅する。
後に残ったのは、醜い下衆達の死体。
「貴様らに墓など無用、畜生の餌にでもなれ。」
全てを終えて、村を後にする。
「ザック、お帰り。」
「ただいま。」
「奴らはどうしたんだ!」
シエラがザックに結末を聴く。
「地獄に送ってきたよ、約一名は消滅したから分からんが。」
「そうか。」
「村を滅ぼした奴らは死んだ。だから、復讐をやめろ。」
「自らの手で出来無かったのは残念だか、仇は取れたんだな。」
「そうだ。」
「だか、これから先私はどうすればいいんだ。」
「私だけ生き残り一人だけ幸せになるなんて出来ない。」
シエラは泣きながら自分の苦しみを告白した。
自分だけが生きて幸せになるなんて耐えられないと。
「ならするべき事は一つだな。」
「何?」
「自分を許せ。」
「え?」
「お前は自分だけ生き残ったことに罪を感じているんだ。」
「皆が死に未来を生きられないのに係わらず自分だけかみ締めることに罪悪感があると捉えているんだ。」
「だから、自分を許せないでいる。」
「しかし、そうじゃない。お前が皆の代わりに生きていくんだ。」
「みんなの分まで生き抜き、皆の心を次世代へと託す。」
「それが、生き残ったものの使命だ。」
「でも、私は。」
「お前じゃなければ意味が無いんだ。」
「俺やエリナでもなく、生き残ったお前じゃなければ意思を引き継げない。」
「だから、自分を許せ。そして、生きろ。」
シエラは涙を流しながら答えを聞く。
「ひっく・・こんな・・ぐず・・私でも、生きてて・・いいの?」
「お前の存在を許さない奴はいない、だからいいんだ。」
「もしまだ迷うことがあれば、俺が導いてやるよ。」
「こんな俺でよければな。」
「うええええええええええん。」
シエラがザックの胸に抱きつき泣き叫ぶ。
ザックはただ静かに抱きしめる。
エリナも釣られて涙を流していた。
廃村での出来事から一夜が明けた。
「それじゃあ、俺についていくのか?」
「貴方が私を導くと言ったのだから、もちろんよ。」
「なら幸せを見つけるまで、一緒だな。」
「ええ。」
「そういえば、ちゃんと名を名乗ってなかったな。」
「俺の名はザック・バレルゲイナーだ。」
「私の名はシエラ・シルフィエード。」
「よろしくな、シエラ。」
「こちらこそ、ザック。」
「じゃあ行こうか、エリナ・シエラ。」
「うん、行こう。」
「行きましょう。」
(貴方、私は彼と共に歩もうと思います。彼は私の道を照らしてくれた。
貴方と同じように彼はとても優しかった。彼と共になら未来を紡いでいける気がする。だから、アルフィナと共に見守っていてください。)
ザック、私のご主人様♪
11/06/17 02:33更新 / 時雨
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