連載小説
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夏の思い出〜バイトと宿題と夏祭り〜
[夏期間特別バイト!、の巻]

<真闇視点>

『カランカラ〜ン♪』

いらっしゃいませー、お客様。


客A「ん?おぉ。メイドの服装が変わってるぜ」

客B「ほんとだ!麦藁帽子に、黒のワンピースメイド服!かわえぇ!!」


あ、ありがとうございます。


天河「・・・お客様、すいませんが、早く席におつき下さい」

客A「あ、すんませ・・・うほぉっ♪おい、コッチはスク水だぜ!?」

客B「し、しかも旧スク・・・そしてメイドエプロン・・・た、たまんねぇ・・・ハァハァ」

天河「・・・・・・キモッ


あーちゃん!シーッ!

そ、それではこちらへどうぞ。


客A「はいはーい・・・かわえぇなぁ」

客B「ロリハァハァ、ロリハァハァ・・・」


あははは・・・
(ひ、久しぶりだなぁ・・・こんなお客様・・・)


茜「いらっしゃいませー。こちら、メニューになりまーす」

客A「・・・」
客B「・・・」

茜「・・・?いかがなさいました、お客様?」



客二人「短パン、タンクトップ・・・ガキ大将?」



茜「・・・ビキッ・・・」
(メニューとる機械にヒビ)


客A「ひっ!?」
客B「うっ!?」


茜「なにか言いましたか?お客様?」


客A「・・・ちゅ、注文お願いします・・・」
客B「・・・お、俺も・・・」


茜「はーい♪」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

店長『オーゥ、お久しぶりだなみんな!一週間も休日が伸びてしまったからな。今日からバリッバリに働いてもらうぞ!あ、ちなみにお客様サービスとして、夏休みの間、みんなには特別コスチュームを着てもらうからなー!』


・・・って、言ってたけど・・・


茜「なんでアタシはこんな少年スタイルなんだよッ!?」

天河「・・・そういえば前に店長、『男の娘って、いいよね!』って言っててキモかった」

茜「アタシで実験すんじゃねぇぇぇっ!!!」


あ、茜さん、落ち着いて・・・


天河「・・・それにしても、暇だね」


そうだね。なんでだろ?


茜「貞春のやつが追い返したりしてんじゃねぇの?」

天河「・・・流石にさだちんもそんなことは・・・」


三人『・・・・・・』
(やりそうだなぁ・・・)


・・・ちょっと見てくる。


茜「いてらー」

天河「いってら」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ちょっと貞春!?お客様追い返したりなんかしてな・・・なにその服?


貞春「・・・わかんねぇ。なんかこの青いツナギ着て、こんな風にベンチに座っとけって筋肉ダルマが・・・」


へー・・・


客?「ウホッ、いい男!」

あ、い、いらっしゃいませ。メイド喫茶、パーラーへようこそ・・・
(店の外だと、恥ずかしいなぁ・・・///)

客?「ん?メイド喫茶?いや、それよりも貴方、僕とやらな」


貞春「断る


客?「残念だ・・・」


あ、ちょっと・・・行っちゃった・・・


貞春「さっきからあんなんばっかなんだよ・・・なんなんだ・・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<閉店後>


店長「うーむ・・・あんまり売り上げが良くなかったな・・・ちょいとコスチュームの選択をミスったかな?」


茜・貞春「確実にアタシ(俺)のはな」


店長「ぬぁぜだ!?男の娘コスチュームに、ABEコスチュームだぞ!?男ならホイホイされるのが自然だろう!?」


茜・貞春「知らん知らん知らん」


じゃあ、みんなで考えてみようよ!


天河「・・・いいね」

店長「なるほど・・・確かにひとりで考えるよりいいかもだな!」


茜・貞春(俺らの意思無視かよ・・・)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こんなのどう?

茜「アタシも真闇と同じ、麦藁帽子とワンピースか。ワンピースもピンクと赤基調か。可愛いな!」

天河「・・・茜ちゃんはいいけど、さだちんはこれでいいの?」


貞春「いやよかねぇよ!この時期になんで着ぐるみなんだよ!?しかもなんで熊のプ○さん!?」


だって可愛いから・・・


貞春「真闇?お前着ぐるみの中身がどんだけ暑いか知ってんのか?俺、ずっと店の外にいるんだぞ?死ぬぞ?軽く死ぬぞ?」

店長「うーむ・・・お店的にも着ぐるみはアウトだなぁ・・・」


え〜・・・がっかり・・・


天河「・・・じゃ、私の案はさだちんのだけでいいね」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


天河「・・・これ、どう?」


わぁっ。可愛い!


茜「うっ、ぷぷっ・・・いひひひひ・・・」


貞春「お前ら時期考えて服の案出してるのか!?なんでピエロなんだよ!!?あと茜は笑いすぎだ!」


天河「夏休み→なんか遊ぶ→サーカス→ピエロ。ほら。時期的にもok」

貞春「いや微妙だぞ!?」


えー。ピエロの貞春見たいよぅ。


貞春「うぐっ!?だ。だがしかし・・・うぐぐぐ・・・おい店長!店的にコレはOKなのか!?」



店長「店番だからOK!」



貞春「なんだとぉぉぉぉぉぉっ!!?」


やったー♪


店長「すぐマイワイフに連絡するよ!」

貞春「ちょ!?ま!?」

天河「・・・よかったね、まーやん♪」


うん♪


茜「さwwwだwwwはwwwるwwwガwwwンwwwバwww」

貞春「どうしてこうなったぁぁぁっ!!?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<次の日、バイト中>


さーだはる♪


貞春「・・・おぅ」


えへへー♪かーわいい♪ぎゅー♪


貞春「・・・ありがとよ・・・」
(夏休み中、ずっとこの服装かよ・・・ま、真闇のワンピースメイド服見れるからよしとしよう・・・)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[宿題手伝って!、の巻]

<貞春視点>


茜「すいません宿題手伝ってくださいお願いします」


・・・パーラーの定休日の朝っぱらから、いきなりなんだよ?


茜「学校の宿題忘れてました。甲くんは執事喫茶の方に手伝いに行っちまいました。頼れる人がいません。お願いします」


・・・もしかして、朝から真闇が天河と出かけたのは・・・


茜「アタシが天河に連れ出すようお願いしました。もう真闇のスパルタ教育は耐えれません。マジでお願いしますごめんなさい」


・・・はぁ・・・ったくよー。分かったよ。手伝ってやるよ。


茜「マジ!?」


あぁ。
・・・ところで聞くが、まさか1ページもやってないとかないだろうな?


茜「・・・・・・」


・・・おぃ?まさか・・・だよな?


茜「・・・・・・てへ♪」


ぶっ殺すぞお前!?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

成竜「・・・で、俺が呼ばれたわけか」


お前、地味に英語得意だろ。やれ。


茜「頼むぞ」

成竜「おいぃ?なんか俺に対してのお願いがなんか命令になってねーか?」


だってお前だし


茜「だってアンタだし」

成竜「泣くぞこの野郎!?」


はいはい、さっさとやるぞ。茜は国語やってろ。成竜、英語で、俺、数学。


茜「よしきた!」

成竜「スルーすんなよ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『カリカリカリカリカリカリ・・・』


茜「・・・なー」

成竜「んー?」


なんだよ?


茜「アンタらってさ、頻繁にエッチしてんの?」


『ピタッ』


・・・はぁ?


成竜「・・・なに言ってるの?」

茜「実はさー・・・甲くんにちょこちょこアピールしてんのに、中々エッチまで持ち込めないんだよな・・・」


あー・・・あいつはしょうがねぇんじゃねぇか?結構初心みたいだしな。


茜「・・・最近の一番のチャンスを潰したのはテメェらだけどな」


全く・・・成竜が押すから。


成竜「うぉい!?さりげに俺のせいにすんなよ!?」


まぁー、あれだ。あれの謝罪も込めて、大半終わらせてやるから。頑張ろうぜ。


茜「おう、頼むぜ」

成竜「あらほらさっさー」


成竜、変な掛け声やめろ。


成竜「え?このネタわかんない?」

茜「なに?なんのネタ?」

成竜「・・・ジェネレーションギャァップ・・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


茜「・・・暑い・・・」


・・・確かに・・・


成竜「おい、これクーラーついてんのか?」


あぁ。つけたはずだが・・・ん?


『リモコン表示:暖房』


はぁ?これ暖房になってやがる。


茜「バカ野郎!冷房にしろ!」

成竜「なにやってんだよ・・・」


うるせぇ!偶然手が当たったとかで切り替わったんだろ!


『ピッ』

『リモコン表示:暖房』


・・・あ?


『ピッ、ピッピッ!』

『リモコン表示:暖房』


・・・リモコン、壊れた?


茜「はぁ?」

成竜「おいおい・・・」


ちょ、待て。えぇい・・・だったら除湿にするぞ。


『ピッ!』

『ゴォォォ・・・
ブォォォォォォォッ!』


茜「・・・なんか温風キツくなってないか?」

成竜「ていうか、除湿の音じゃないよな?」


・・・なん、だと?


『リモコン表示:暖房・強』


クーラーが壊れてやがるんだこれ!!!

成竜「な、なんだってー!?」

茜「アッツ!?暑い暑い暑い!!!」

窓!窓開けろ!

成竜「ホイきた!」

茜「開けこのやろ!」


『ガタッ、バキッ!』
『グッ、ベキッ!』


・・・おぃぃ?変な音しなかったか?


成竜「・・・ごめん、窓、ズレて動かなくなった・・・」

茜「・・・わりぃ」


テメェらぁぁぁっ!!!


成竜「暑い!ダメだ!耐えられん!脱ぐ!上脱ぐぞ!」

茜「くそっ、背に腹はかえられん!お前ら、私も脱ぐけど、欲情すんなよ!?」

誰もしねぇよ!てか俺も無理だ!脱ぐ!誰がなんて言おうと脱ぐ!

茜「んだとコラァッ!?ぶんなぐる!」

ぐはっ!?ちょ、ま、馬乗りになるな!暑苦しい!成竜!のかせ!

成竜「あーもー!茜ちゃん、喧嘩はやめれ!」





『ガチャッ』





真闇「貞春ーっ!ただい・・・ま・・・」

天河「おじゃましま・・・す・・・」

甲「すいません。茜さんがお世話・・・に・・・」





・・・あ?

茜・成竜「・・・あ」





真闇「・・・貞春、なんで脱いでるの?」

いやっ、こ、これはっ!



天河「・・・ダーリン?なんで茜ちゃんを後ろから抱いてるの?しかも半裸」

成竜「違う違う違う!これは茜ちゃんを止めようと!」



甲「茜・・・さん・・・?」

茜「甲くん?ち、違うよ?これはこのバカを襲ってるわけじゃなくて・・・」



真闇「・・・びぇぇぇぇぇぇぇぇっ!貞春が浮気したぁぁぁぁぁぁっ!!」

誤解だっつに!真闇!違うんだって!

真闇「びぇぇぇぇぇぇっ!びぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」



天河「・・・ダーリン?覚悟ハイイ?」

成竜「ちょ、ま、やめて!あーたん!違う!違うんだぁぁぁっ!」

天河「モウ逃ガサナイヨ・・・」



甲「あ、茜さん・・・ぼ、僕、なんかした?」

茜「違う!違うんだ!甲くん信じてくれ!私の思い人は甲くんだけだから!」

甲「茜さん・・・うん!僕、茜さんを信じるよ!」

茜「甲くん・・・♪」



なんでテメェだけ上手くいくんだよ!?
成竜「なんでお前だけ上手くいくんだよ!?あ、ちょ、待ってぇぇぇっ!」



真闇「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
天河「ウフフフ・・・♪」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[夏祭りに行こう!の巻]

<成竜視点>

天河「・・・どう?」


うん!バッチリ!可愛い浴衣姿だ、あーたん!浴衣の金魚がいい味だしてるぜ!


天河「・・・うふ」


よし!行こうか!


天河「・・・うん」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

貞春「遅っせぇーよバカ!」

茜「遅っせぇーよアホ!」


いきなり罵声かよ!?


真闇「わー、あーたん可愛い!」

天河「・・・まーやんも、シンプルで可愛いよ」

茜「可愛いペイントじゃねーか!いいなぁ・・・」


・・・なんか、黒基調の浴衣って、喪服みたi・・・


貞春「なんか言ったか?」


いいえ。なにも。


甲「あははは・・・」
(聞こえてたら、貞春さんキレてたろうな・・・)

貞春「うし、行くか」

真闇「うん!」

『ぎゅっ』
(手をつなぐ)

甲「茜さん、行こうか」

茜「・・・甲くん、あのぅ・・・」

甲「はい♪」

『きゅっ』
(手をつなぐ)

天河「・・・じーっ」


・・・つなぐ?


天河「・・・・・・うん」


はい。

『ぎゅっ』

天河「・・・てれり」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜天津神社〜

『ワイワイガヤガヤ・・・』

天河「おぉー・・・」

茜「み、道の向こうが見えないぜ・・・」


毎年のことながら、人多いなぁ・・・で、だ。


真闇「あぅ、あぅ、あぅぅ・・・////」


真闇ちゃん、大丈夫なのか?


貞春「こんな地味な神社なのに、こんなに人来るのかよ・・・誤算だったな・・・」

甲「え?貞春さん、ここのお祭り、来たことないんですか?」


あ、そうか。お前、祭り嫌いだったから、ここの祭り来るの初めてだったか?


貞春「実家の祭りでさえ参加しなかったからな、めんどいから・・・真闇、離れんなよ?俺の手ぇしっかり握っとけ?」

真闇「うん、うん・・・」


・・・見た目完全兄妹だな・・・


貞春「なんか言ったかぁ?」


いいえ。なにも。


天河「・・・ダーリン、あれ買って」


ん?お、綿あめか・・・好きなの?


天河「大好き♪・・・あ、ダーリンの次に、だよ?」


そこ俺より綿あめ上だったら地味に泣くよ?すいません、綿あめふたつ。


店主A「あいよっ、ほい、綿あめふたつ!」

貞春「あ、こっちもふたつくれ。真闇、いるよな?」

真闇「・・・うん、欲しい」

甲「あ、僕らもください」

茜「デカくしろよー?」

店主A「おっ、兄ちゃんたち、えらいねぇ、妹たちの世話かい?」


俺、貞春、茜『ちげぇよボケェッ!』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・ったく、失礼な。


貞春「真闇が止めなかったら、あのオッサン殴り飛ばすとこだった・・・」

茜「奇遇だな、貞春。アタシもだよ」

真闇「だめだよぅ、そんなに怒ったら。私、もうそんなに気にしないからさ・・・」

天河「・・・ダーリンたちが怒ってくれただけで、十分」

甲「茜さんは、誰がどう言おうと、僕の大切な人ですから」

茜「え、えへへへ・・・////」

貞春「・・・真闇がそう言うならいいけどよ・・・お?射的なんかあるのか」


え?射的?やろうかな。


貞春「お、いってらー」

茜「恥かくなよー?」

店主B「いらっしゃい!一回7発だよ!」


さぁて、なに狙うかな・・・あーたん、欲しいのある?


天河「・・・あれ」


ん?あのデカイ熊人形か?よ〜し・・・


店主B(ククク・・・ひっかかったな。あの熊人形には細工してあるんだ。一発二発当たっただけじゃ元通りだよ)


よっ。

『ポンッ、ビシッ!』
『グラグラ・・・ピタ』

・・・ふむ。(弾込め)

『ポンッ、ビシッ!』
『グラグラ・・・ピタ』

・・・・・・


店主B「ありゃりゃ、兄ちゃん、残念だなぁ」

天河「・・・むぅ・・・」



・・・見切った。



店主B「へっ?」


『ポンッ!』(弾、発射)

(Reloading!!)


店主B「なっ!?弾込めはやっ!?」


『ビシッ!』(命中)

(stand by…)(待て)

『グラ・・・』(人形がわずかに前に倒れかかる)

(stand by…)(まだだ)

『グラッ』(人形が後ろに・・・)


(Go!)(今だ!)


『ポンッ!』

(Reloading!!)

『ビシィッ!』

(stand by…)(慌てるな)

『グラッ』


店主B(さ、さっきより大きく傾いた!?)


(This is a last shoot.)(これで最後だ)

『グラッ!』

(Good night.)(落ちな)

『ポンッ!』



『ビシッ・・・ぼふっ』



店主B「なっ、なんだとぉぉぉっ!?」

天河「あ、落ちた」

貞春「おぉっ!?」

茜「すげぇっ!?」


どっかの軍人みたく言うと、『Beautiful』(ビューリフォー)、かな?三発も使っちまったけどさ・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真闇「よかったね、あーたん」

天河「・・・♪」
(人形抱きしめ、ご機嫌)

貞春「意外だな、お前、射的とか得意だったのか」


爺ちゃんがお祭り好きで、お祭りはよく行ってるからな。数日続きのお祭りで、三日連続で射的屋通って、プレイ禁止にされたことあるくらいだぜ。商品かっさらいまくって。
(残った弾で取った菓子を食ってる)


貞春「やりすぎだろ・・・まさか金魚すくいとかも得意なんじゃ・・・」


最高記録28匹だな。


茜「・・・こいつ、無駄なとこでハイスペックだな」

貞春「そうだな・・・」


酷い!?


真闇「貞春、なに、あれ?」

貞春「ん?『かたぬき』?しらねぇな。なんの出店だ?」

甲「『型抜き』ですね。板状の飴を針でくりぬいて、綺麗な形でくり抜けたら賞金がもらえるんですよ」

茜「さすが甲くん!物知り!」


賞金は出店の配当表に書いてあるぜ。


貞春「どれどれ・・・えーと?一回100円で、安い賞金で300円で・・・はっ!?高いので1万!?」

茜「マジ!?」


・・・1万は『団子・難』か・・・こりゃあムズイぞ・・・ん?げ。


老店主「お主ら、やるか?」

貞春「おい!やらせろ!1万かっさらってやる!」

茜「アタシにも寄越せ!こんなの簡単だろ!」


あ、おい!・・・全く・・・型抜きの難しさもしらねぇで・・・


真闇「せっかくだから、みんなでやろうか」

天河「・・・コクン」

甲「上手くできればいいけど・・・」


・・・え?マジ?やるの?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<老店主視点>

『パキィッ!』

貞春「あ。」


はい、半分に割れたからダメ。


『ベキィッ!』

茜「げ。」


串の部分割れたからダメ。


貞春「うがーっ!おいジジィ!?これ、溶けかけなんじゃないだろうな!?」

茜「すんごい脆いぞこれ!?」


お主らの押さえる力が強すぎるんじゃよ。しかも針でついた時に斜めについとるじゃろが。割れやすいに決まっとる。ほれ、オマケにもう一枚やるから、やってみ。


貞春「ぐぐぐ・・・」

茜「やべぇ、これ、アタシの性に合わねぇ・・・」


やれやれ・・・お前はやらんのか?


成竜「へ?俺?いいよ。ていうか、俺が団子抜けないの知ってるくせに」


他の板でやりゃいいじゃないか。ほら、トンボ。


成竜「おい。それ店にも出してない最高難易度じゃねぇか。無理に決まってるだろ」

貞春「ん?成竜、このジジィと知り合いなのか?」

成竜「えっ!?あ、いや・・・」

真闇「おじさん、おじさん!抜けましたー!」


ん?おぉ、傘じゃな?ほぅ、キレイに抜けたの。文句なし。300円じゃ。


真闇「やった!」

貞春「おぉ、真闇上手いな」


ん。真闇?
・・・とすると、主が不良ロリコン、あいや、貞春くんかの?


貞春「・・・オイコラ誰が不良ロリコンだ?」


だって『清』がそう教えてくれたもん。


成竜「爺ちゃん!貞春の前でそれ言うとか、わざと言ったな!?」

貞春・真闇・茜・甲『爺ちゃん?』


そう、なにを隠そう。ワシが清のお爺ちゃん、『成竜 流(ナルタキ ナガレ)』じゃ!ぶいっ。
(最後にピース)


真闇・茜・甲『えぇーーーっ!?』


天河「・・・ッ!」


貞春「成竜ぃ?テメェ、俺のこと不良ロリコンって言いふらしてんのかぁ?」

成竜「ち、ちがっ!言ってない!ただ、友達としてお前のことを言ったら、勝手に爺ちゃんがそう呼びはじめて・・・」

貞春「だったらやめさせろやテメェェェェェェェッ!!!」

成竜「ぎゃーーーす!?」

茜「おい爺さん。アタシ、あいつの知り合いなんだよ。ちょこっとくらいサービスしてくれよ」


だからしたじゃろが。さっき。一枚。


茜「チッ・・・」

真闇「び、びっくりしたね、あーたん・・・あーたん?」



天河「・・・いいとこ、見せる・・・」



『スッ・・・』

『カカカカカカカカカカカカカッ!』



『・・・パキィッ』



真闇「・・・あ。」

茜「うぉっ!?」

甲「すご・・・」


・・・ほぅ。


天河「・・・お爺様、抜けたよ」


ふむ・・・これは、これは・・・ここまでキレイに団子を抜いたのは久しぶりに見たわ。お前さん、名前は?


天河「天河。ダーリンの、彼女です」


ふむ?ダーリン?・・・あぁ、なるほどのぅ。



貞春「オラオラオラオラ、オラァーッ!」

成竜「ぬぁぐぁぁぁっ!!!」



向こうでぶっ飛ばされてる、ダメ孫のことじゃな?


天河「・・・ダーリンは、ダメじゃない」

はっはっはっ!すまん、すまん。あいつのこと、しっかり頼むぞ?


天河「・・・一生、添い遂げます」


うんうん。よかったよかった。
これは、賞金と、ちょっと早いワシからのお年玉じゃ。受け取れ。


天河「え?でも・・・」


いいから、いいから。
清のやつの、今月厳しいだのなんだの言っとったから、なんか誤魔化して渡してくれ。な?


天河「・・・はい」


うんうん。めんこい娘じゃ。


天河「・・・てれり」



貞春「ジェノサイドカッター!」

成竜「おまそんなのいつマスターしでぶぁっ!?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<成竜視点>


あー・・・いててて・・・ん?ここは?

天河「大丈夫?ダーリン?」

あ、あーたん。
大丈夫。本気で動けなくなるほど、貞春だってマジではやらないさ。

天河「・・・気絶してたのに?」

あいつがマジになると骨が逝く。

天河「・・・納得」

だろ?今は打ち身しかないからさ。
そういやみんなは?

天河「ダーリンが気絶してる間、茜ちゃんと甲さんは色々店回るって。まーやんはさだちんのお守り」

・・・貞春は?

天河「お爺様のとこで、リベンジだって」

・・・あいつには一生抜けない気がする。

天河「うふふ・・・」


『ドーン!』


あ。

天河「花火だ」


『ドーン!ドドーン!』


キレイだなー。

天河「・・・ぴとっ」


あーたん?




天河「ダーリン・・・ずっと一緒に、いてくれる?」




・・・どしたの、急に?

天河「・・・アタシ、せっかちだし、嫉妬しいだし、ダーリンを縛りつけてないと落ち着かない、ダメな娘だから・・・お爺様に『めんこい』って言われて、心配に、なった・・・」

・・・・・・

天河「・・・お爺様から見たら、可愛いのかもしれないけど・・・ダーリンは、私を、邪魔だとか、怖いとか・・・そう、思ってないかなって・・・」



『ぎゅっ』(あーたんを、抱きしめる)



天河「・・・ダーリン?」



俺は、ここで誓うよ。
たとえ、あーたんがどんなに俺を傷つけても。
たとえ、俺がすっげぇ美人に言い寄られても。
たとえ、あーたんを手放さなきゃ死んでしまうとしても。

俺の隣には、あーたんしか座らせない。
俺は、あーたんしか抱きしめない。
俺は、あーたんを離さない。

一生。死ぬまで。
死んだら、あーたんが死ぬまで待って。
あーたんが死んだら、天国でふたりきりになって。

いつまでも。
あーたんのそばにいるよ。



天河「・・・うん、うん・・・」

ずっと、ずっと、一緒だからね・・・あーたん。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[次の日]


『ピリリリリッ!ピリリリリッ!!』

・・・なんだよぉ、こんな朝っぱらからぁ・・・


天河「・・・んんぅ・・・ぅるさいぃ・・・」


ごめんごめん。すぐ出るから。

『ピッ!』

はい?もしもs


???『もしもし!?清か!?』


・・・うるっさぁ・・・何?親父か?なんだよ?


成竜父『お前、小学生と付き合ってるって本当か!!?』


ぶっ!?
だっ、誰がそんなことを!?


成竜父『今朝、親父から連絡があって、お前が小学生と祭りに来てて、その娘が一生添い遂げるとか言ったって・・・』


あんのクソ爺ぃぃぃっ!
違う!身体は小さいけど、ちゃんと成人してるから!


成竜父『お前小学生の身体で成人してる女性とかありえんだろうが!?イヤだぞ!?父さん、ロリコン犯罪者の父親とか!!』


違うっつーのぉぉぉっ!!!


天河「ん〜ぅ・・・うるさい#」


『ブスッ!』
(尻穴にダイレクトスピアアタック)


アーーーーーーーーーッ!!?


11/12/02 00:27更新 / ganota_Mk2
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■作者メッセージ
な、なげぇ・・・別の作品レベルに書いたぜ・・・

ひとつ目は、バイトの夏バージョン。やっぱ夏特有イベントはいるよね!

ふたつ目は・・・うん。ギャグだ。
なんかギャグ話では必ず真闇ちゃんを泣かしてる気がする・・・

みっつ目は、いつも不憫な成竜救済作品・・・の、はずだったのに・・・


最近頻繁に借りております、茜様と甲くん。
pi-sann!いつもありがとうございます!

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