12日目朝『後衛がいないなら物理で殴ればいいじゃない』
［ガーゴイル寮］
朝。この日珍しく、朝からふたりの来客が訪れた。
「・・・おや？どなたがただい？？」
朝になり、すでに台座で固まってるガレッタが尋ねると、来客の片方、サティアは少し赤くなりながら返答した。
「あ、あの・・・い、一回生のサティアですけど・・・べ、ベルンくんのお部屋はいずこでございますでしょうか！？」
（・・・サティア、固くなりすぎ）
その隣にいるのはベーゼだった。
今日は金曜日。冒険講習の日である。サティアは、誰よりも早くベルンと約束をとりつけるため、ベルンに会いにきたのだ。
「ん？ベルンくんかい？あ〜・・・今すぐ、会うかい？」
「は、はいっ！ぜひッ！」
「・・・寮長さん？なんでどもったの？」
ガレッタが微妙に目線を外しながら言ったことに、ベーゼが嫌な予感を感じて聞いた。
「あ〜いや〜ん〜・・・暴れられると面倒かなぁって・・・」
「ふぇ？」
「げ。」
ガレッタの言葉に、サティアが首を傾けて変な声を出し、ベーゼは顔色を悪くした。
その時。
『ヴン』
「うふふ♪約束ね、ベルンくん♥」
「分かった、分かった・・・だから腕を離してくれって」
神はどれだけ修羅場展開をお望みなのだろうか。
転移扉から、ベルンと、腕を絡めて身体を寄り添うクラリアが現れた。
「ん・・・いっ！？」（ベルン）
「あら？」（クラリア）
「・・・あちゃぁ・・・」（ガレッタ）
『ピシッ』（サティアが固まる音）
「うわぁ・・・」（ベーゼ）
ベルンはサティアを見て急激に青ざめ、クラリアは意外そうに驚いた声をあげる。
逆にサティアは目を丸くして完全にフリーズ。ベーゼは頭を抱えてしまう。
ガレッタに関しては固まっているため大きなリアクションは取れないが、目にはありありと諦めの色が浮かんでいた。
「あらサティアさん？御機嫌よう♪」
「ちょっ！？クラリア！？」
先陣を切った(?)のはクラリア。
これでもかと言わんばかりの満面の笑みを浮かべ、制止するベルンを無視してサティアに挨拶した。
「・・・あ、あ、あ、アンタ、な、なんで、ベルンの部屋から・・・」
フリーズから戻ったサティアは、しどろもどろな口調で、クラリアに言った。
「あぁ・・・実は、昨晩ベルンくんと熱いひと時を過ごしたまま、眠ってしまったのよ♥」
「ーーーーーーーーーーッ！？」
そしてクラリアはとても恥らう素ぶりを見せながら、サティアに衝撃の事実をぶちかました。サティアはムンクばりの顔をして声にならない叫びをあげてガクリと崩れ落ちた。
（ちょっ！？クラリア！さっき、できる限り秘密にするって！？）
（もうこうなったからには隠せないわよ、ベルンくん。下手に抗うと余計拗れますわ）
（んなこと言ってもよ！？）
「・・・べ〜〜〜ル〜〜〜ン〜〜〜」
その恐ろしい声にベルンが目を向けると、起き上がったサティアが、目をギラギラ光らせ、口がひきつり笑いをおこしていた。髪の蛇たちも、明らかに攻撃色に染まり切っていた。
「あ、いや、あの・・・さ、サティア、これにはワケがあっｔうおわっ！？」
瞬間、ベルンの身体がぐんっと引き寄せられ、あっという間にサティアの尾に簀巻きにされてしまった。
「うふふふ・・・アンタがドにぶちんとは分かってたけど、まさか浮気性だったとは思わなかったわ・・・」
「い、いや、あの、いだ！？いだだだだだだだ！？」
ギリギリとゆっくりとベルンが締め上げられる。
「うふ、うふふ、うふふふふふふ・・・」
「いだだだだだだ！怖い怖い怖い！なにこれ俺マジ死ぬの！？」
サティアの目に光はなく、ギリギリと締め上げる力のみが強くなりベルンの顔色がリアルに青くなり始めた時。
「サティアさん、そろそろ離してあげたら？本当にベルンくんに嫌われますわよ？」
ニコニコ笑うクラリアがサティアの肩を叩いて言った。
「あ"？」
「ちょっと本気で怒り沈めたほうがいいですわよ？旧魔物みたいな目になってますわ」
「誰のせいか分かって言ってるのカナ？泥棒コウモリ？」
「サキュバスとワーバットをごっちゃにしないでくださいな」
怒りの形相で迫るサティアを優しく押し返したクラリアは、やれやれと肩を竦めた。
「第一、そんなに怒る権利があるの？ベルンくんと貴女、初めてを交わしたと言っても、貴女が無理やり押し倒したのでしょ？」
「なっ！？なんでそれを・・・」
「ベルンくんの性格から考えれば、すぐに思いつくわ。告白もなにもすっ飛ばしていきなり襲っておきながら責任持てなんて、そこらの野生魔物なんかと変わらないわよ」
「い、ぎぎぎぎ・・・」
髪をさらりと払ったクラリアは、サティアをまっすぐ見て微笑んだ。
「第一、昨晩も私が押し倒す形で交わったのだから、ベルンくんを責めるのはお門違いよ♪」
「やっぱりアンタが悪いんじゃないのよ！」
「オホホホ♪」
歯を剥いて怒るサティアにお嬢様笑いするクラリアは、微笑んだまま続ける。
「・・・最初は取られたけど、ベルンくんを譲る気は私にはありません。サティアさん？これでやっと、私は同じスタートラインに立ったのよ。これから、ベルンくん・・・いえ、ベルンを愛する同じ女性として、競っていきましょう」
余裕たっぷり、上から目線の発言にサティアはイラッとする反面、僅かに対抗心が現れた。怒りに狂っていた頭が少しクールダウンし、怒る蛇の顔から不機嫌な少女の顔にはなった。
「・・・なんかアンタ主導でムカつくけど・・・ベルンは渡さないから」
「私も諦めなんて意思はないわ」
サティアは睨んだまま、クラリアは微笑んだまま、お互いは宣戦布告を交わした。
「・・・あー、ふたりとも、ちょっといい？」
そこで、ベーゼがポツリと言った。
「え、なに？」
「はい？」
「・・・ベルンくんの顔色が薄紫になりかけてんだけど」
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［保健室］
「また起きたら保健室かよ」
意識を取り戻したベルンは、開口一番、明らかに不機嫌な声でサティアとクラリアに言った。
「ご、ごめん・・・」
「私も、先に力を緩めるよう言っておけばよかったわ・・・」
ふたりがしゅんとするのを見て、ベルンは少しバツが悪くなり頬を掻きながら言った。
「・・・あー、えっと・・・ふたりとも、もう、仲直りしｔ」
「してない」
「むしろ公的にライバル状態よ♪」
「・・・ですよね」
サティアの即答とクラリアの微笑みに、ベルンは頭を抱えた。
「・・・あ、ベルンくん。サティアさんも、パーティに誘う？」
「え・・・あー・・・」
「あっ！そうだ！ベルン、アタシ、パーティに加えてくれるわよね！？」
サティアが思い出して慌てて聞くと、ベルンは頬を掻いた。
「えーと・・・サティア、クラリアも一緒なんだけど、いいか？」
「もちろんいいに決まっｔはぁっ！？」
「・・・私が切り出した時点で想像できなかったの？」
『そんなバカな』と言わんばかりと顔でクラリアを見たサティアに、クラリアは肩をすくめた。
「朝に約束したのよ。反故はできないから♪」
「くっ・・・だったら尚更よ！同じパーティになって見張らなきゃ！ベルン！いいわよね！」
「・・・うん、まぁ、あまり、喧嘩、しないでくれよ？」
しかし、すでにふたりは睨み合ってバチバチと火花を散らしており、ベルンはやはり頭を抱えるのだった。
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［１ーＡ］
「みなさん、おはようございま〜す！みんな、今週も授業、頑張りましたか〜？魔法使い専攻のみなさんは・・・ね♥」
ファのウィンクに一部の生徒がビクリと肩を震わせた、とだけ知らせておく。
「さて、今日からみなさん、お楽しみの冒険講習です！で、す、が。先週みたいな難易度ぬるぬるなものと同じと考えてはいけません！
これからの冒険講習は、本当に『失踪』の可能性があります！男子・女子問わずにです！特に男子！いつ魔物に襲われてお持ち帰りされるかわかりませんからね！？ご褒美とか言ったそこの男子！あとで先生のところに来なさい！ちょうｋ・・・お仕置きしますから！
・・・では、今回の冒険講習について説明します！
講習名は『探せ！学生さん！』です！
パーティーを組んだ後、私に報告してください。そしたら、くじを引いてもらいます。くじには教師の名前が書いてあります。その教師が『指定したもの』を採集した後、教師に報告して終了です。報告期限は日曜の午後６時までです。
指定されるものは様々です。『キノコ』だったり、『鉱物』だったり・・・しかし、それには具体性がありません。『キノコとってきて』と言われた場合には、様々なキノコをとってきてください。タケリダケとかネバリタケとか、なんでもOKです！持ってきた量や珍しさが採点基準ですから。
教師が指定するダンジョンはバラバラです。あまりに難しいダンジョンは指定しないですが、みなさん決して油断はしないように。あと、『立ち入り禁止』となっている場所には行かないこと・・・前回、とあるパーティが入り込んでえらいことになりましたが・・・ジロリ」
ファが睨むと、ベルンとロックが大慌てで目を逸らした。
「・・・こほん。パーティは最高６人です。
・・・以上でだいたいの説明終わりでーす。
あ、ベルンくんとロックくんは私とちょこっとお話があります。
じゃ、みなさん、残り時間と次のコマの時間、パーティ作りに勤しんでくださーい！はじめーっ！」
ファの話が終わり、多くの生徒が仲間に声をかけたり、教室を出て行ったりしている。
そんな中、ベルンとロックはファの元にいた。
「えーと・・・ファ先生、もしかしなくても、パーティ編成のこと、ですよね？」
「正解です、ベルンくん」
「あれでしょ？前回と同じメンバーじゃなきゃいいんでしょ？」
「半分正解です、ロックくん」
「へ？半分？」
ファがニコリと笑うと、ロックを指差し、言った。
「ロックくんはバルフォス様がいますのでパーティ参加不可です」
「なァにぃぃぃぃぃぃっ！？」
ロックが叫び、教室にいた生徒がぎょっとしてロックの方を見た。
「ちょ！？ま！？」
「待ちません。バルフォス様は必然同行なんですから。すると、ロックくんのパーティは冒険序盤からバル◯トスがいるようなチートパーティになってしまうので、ロックくんは一人で冒険講習です」
「そ・・・そん、な・・・バ、カな・・・」
ガクリと膝をつき、真っ白に燃え尽きてゆくロックを見て、ベルンは哀れに思いながらも、ファに続きを求めた。
「・・・あの、まさか俺も？」
「いいえ。ベルンくんは、パーティ編成に条件をつけます」
「あ、そうですか」
ベルンはちょっとホッとしたが、足元からの落ち込みオーラに、申し訳なくも思った。
「条件はふたつです。
ひとつ、前回と同じメンバーにしないこと。最低ふたり、前回と違う人をいれてくださいね。
ふたつ、上回生をパーティに入れるか、生徒会に所属する人をパーティに入れること。上回生に知り合いがいなければ、リーフ先生に言えば、生徒会から人をかしてくれますよ。
以上です。必ず、守ってくださいね？」
「わかりました」
ベルンは素直に頷き、加えて、まだ沈んでいるロックに、心の中で謝った。
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「・・・じゃあな・・・」
「お、おぅ・・・」
ガックリと肩を落とし、とぼとぼと歩いてゆくロックを見送り、ベルンは気まずい思いをしていた。
「・・・ロックくん、どうしたの？」
クラリアが首を傾げながら、ベルンに尋ねた。
「あ〜・・・ちょっとした訳ありでさ、パーティ組めないんだ」
「ふ〜ん・・・じゃあ♥」
すると、クラリアは微笑みながらベルンの腕に抱きついた。
「パーティで、男はベルンくんだけかしら♥」
「あ、あははは・・・」
「なにしてんのよ、クラリア」
その時、ベルンのもう片方の腕に、いつのまにか現れたサティアが抱きついた。
「あら、サティア、早かったわね」
「うっさい。勝手にベルンにベタベタしないでよ」
すでに臨戦態勢なふたりは、小さくパチパチと火花を散らしていた。
『むにゅぅん♥』
『ぼいぃん♥』
（・・・ふ、ふたりはわざとなのか？）
ちなみに板挟みにされたベルンは、ふたりの豊満な胸の感触にサンドイッチにされ、必死にムスコがたたぬよう抗っていた。
（・・・羨ましい・・・）
（モゲロチクショウ）
（おっぱいサンドイッチ旨そうです）
ハッと気づくと、ベルンの周りの生徒たちがヒソヒソと話していた。
「ふ、ふたりとも。とりあえず腕離して、教室出ようぜ？な？」
「・・・えぇ、そうですね」
「・・・わかった」
朝のこともあるのか、ふたりは素直にベルンから離れ、ベルンとともにサッサと教室を出た。
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「いい人〜！パーティ組もー！」
「に、兄様・・・」
廊下に出ると、ラトラと成美が教室前で待っていた。
「お・・・これでちょうど５人だけど・・・サティア、ベーゼは？」
「・・・」（ラトラ）
「・・・」（成美）
「あ、ベーゼは別パーティ。他の友達に呼ばれちゃって・・・」
（ぼい〜ん！）
「そっか・・・あとは、上回生を呼ばなきゃならないんだよなぁ」
「・・・」（ラトラ）
「・・・」（成美）
「あら？そうなの？う〜ん・・・私は心当たりはないわね、ごめんなさい」
（ばい〜ん！）
「・・・」（ラトラ）
「・・・」（成美）
（ぺたぺた）×２
「・・・いい人、おっぱい好き？」（ラトラ）
「・・・か、勝てない・・・」（成美）
「急になんだよ・・・う〜ん・・・上回生なぁ・・・」
ベルンは腕を組み、上回生で脳内検索をかけると。
（ベルンく〜ん♥）
いきなり『彼女』がひっかかった。
「・・・あたって、みるか」
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［学校・２回生棟］
ベルンたちは、２回生たちの集まるホームルームのある棟を歩いていた。周りからは場違いな彼らに対する好奇心の視線が向けられていた。
「・・・中々緊張するわね」（クラリア）
「きんちょー？」（ラトラ）
「・・・////」（成美、顔を真っ赤にして俯いたまま）
「ベルン、誰を誘うのよ？」
「う〜ん・・・お前も会ったことある人だけど・・・ん？」
その時、とある部屋がとてつもなく騒がしく、中から歓声や怒号が聞こえた。
「・・・なんだ？」
ベルンが、興味本位で中を覗くと・・・
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「ち、ちきしょう・・・つ、つえぇ・・・」
『ドサァッ・・・』
「残念、貴方たちもアウトよ。次は誰？」
「負けた代償に〜、私の弾代、100発分ね〜♪」
野郎たちの死屍累々の中、雪華とムートが立っていた。雪華はキラリと光る刀を持ち、ムートは片手持ちのマシンガン『ウージィー』を両手に２丁持ち、マガジンを交換していた。
「ふたりとも、強い、強い〜♥」
彼女らに拍手を送るのは、ミルキィだった。彼女の後ろには黒板があり、デカデカとした字で・・・
『ミルキィとのパーティ編成権利争奪戦！
雪華とムートに勝てればＯＫ！』
と書かれていた。
「・・・な、なんだこりゃ？」
ベルンが目をパチクリさせていた時、偶然、ミルキィと目があった。
「・・・あ！ベルンく〜ん♥」
ミルキィが声を上げて手を振ると、雪華、ムート、教室内にいた上回生全員がベルンを見た。
「うっ！？・・・ど、どうも・・・」
（・・・誰だあいつ？）
（・・・知らねぇ）
（・・・まさか、新入生か？）
上回生の視線が集中する中、ベルンの近くにミルキィが行き、ベルンを抱き込んだ。
「わぷっ！？」
「ベルンく〜ん、どうしたの〜？」
『！！！！！？？？』（男子全員）
ベルンの顔がミルキィの乳に埋もれる。男子どもは全員目が飛び出すほどびっくりし、廊下にいるベルンパーティたちも思考がフリーズしていた。
「うぷ・・・ぷはっ！あ、いや、あの・・・ちょ、ちょっと事情があって、ミルキィ…お姉さん…を、あの、パーティに招きたいなと・・・」
お姉さん、の部分だけミルキィにしか聞こえないようにしてベルンが言うと、ミルキィは一瞬パッと顔を明るくしたのち、すぐにしょんぼりした。
「うぅ〜・・・あのね〜？嬉しいんだけど、雪ちゃんたちが決めたルールでね〜？雪ちゃんたちに勝った人のパーティに入るの〜・・・ベルンくん、頑張れる〜？」
「え"・・・」
ベルンが雪華たちをチラ見すると、雪華たちは顔を見合わせ、なにかボソボソしゃべっていた。
「う、う〜ん・・・えと・・・難しい、気が・・・」
「・・・じゃ、やめる〜？」
しかし、その時のミルキィの悲しそうな顔といったら・・・ベルンはその顔を見て、少しは建前を立てようと思った。
「・・・じゃ、じゃあ・・・一戦、頑張ります・・・」
「ホント〜！？頑張ってね〜♥応援してるからね〜？」
「・・・ちょ、ちょっとベルン！？やる気なの！？勝てっこないわよ！？」
フリーズが解けたサティアが止めたが、ベルンはげっそりした顔をして「んなこた分かってるよ」と、目で示した。
・・・しかし。
・・・『彼女ら』は、この時を待っていたのだった。
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
［戦闘開始！］
『雪華が現れた！』
『ムートが現れた！』
雪華「ベルンくんだって容赦しないわよー（棒読み）」
ムート「あれれ〜。ウージィーの調子が微妙だ〜。おかしいな〜」
ベルン（・・・ん？）
〜〜〜俊敏点〜〜〜
１、ベルン 21
２、雪華 ??
３、ムート ??
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜
［ターン１］
〜〜〜〜〜〜
［ベルンの行動］
ベルン「雪華先輩、すんません！」
ベルンは雪華を狙ってヴィンギナーの引き金を引いた！
『ガゥーン！ガゥーン！ガゥーン！』
雪華「・・・やーらーれーたー」
命中！？
雪華は倒れた！！
ベルン「えぇっ！！？」
［ムートの行動］
ムート「え〜い」
ムートは両手のウージィーの引き金を引いた！
『カキン』
『カキン』
ムート「・・・あ〜、弾切れた〜」
ベルン（・・・ま、まさか・・・）
〜〜〜〜〜〜
［ターン１］
〜〜〜〜〜〜
［ベルンの行動］
ベルン（た、試しに・・・）
ベルンはムートからわざと外れるように、ヴィンギナーの引き金を引いた！
『ガゥーン！ガゥーン！ガゥーン！』
ムート「あ〜れ〜・・・」
命中！！？
ムートは倒れた！
［ベルンは勝利した・・・］
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ！？』（色んな人）
（・・・露骨すぎんだろ・・・）
雪華とムートがもうどうみてもお前らわざとだろ的な負け方をし、ベルンは硝煙の上がるヴィンギナーを持って呆れに近い感覚を感じていた。
（こんなん、ミルキィ先輩だって文句言う・・・）
「すご〜い♥ベルンくん、余裕で勝っちゃうとか、すごいね〜♥」
（うっそぉぉぉっ！？）
屈託のない純粋な笑顔と共に、ミルキィがベルンに抱きつく。それを見た男子の一人が抗議に出た。
「ちょ、ちょっとまてよ！あんなんあからさまにやらｓ」
『パパパパパパパパパパッ！！！』
『パパパパパパパパパパッ！！！』
瞬間、ムートのウージィー２丁からけたたましい発砲音が鳴り、男子が卒倒した。
「・・・あの一回生の〜勝敗に〜」
「文句ある奴はいるのかしら？」
ムートと雪華がニヤリと笑いながら武器をちらつかせると、男子たちは全員、首を横に振った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・・・」（ファ）
「えへへ〜」
ミルキィがニコニコと笑う姿を見て、ファはゆっくり、隣にいるベルンを見た。
「・・・君の人脈はどこまで広いんですか？」
「いや、あの・・・ははは・・・」
ベルンが乾いた笑いをすると、ファはため息をひとつし、パーティ記入用紙とくじ引き箱を取り出した。
「まぁ、多分大丈夫でしょう。では、これに記入して・・・はい、ベルンくん。くじを引いてください」
「・・・・・・」
そう言われ、ベルンはゆっくり振り返った。
「ベルンくん、気負わないでくださいね」
「前回の反動で難しいの引かないでよ？」
「・・・兄様、くじ運悪いんですか？」
「いい人ー！頑張れー！」
「ベルンく〜ん、ファイト〜♥」
そして、大きなため息を吐き、ベルンは箱に手を突っ込んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
引いたくじの『色』は・・・？
１、ピンク
２、黒
３、緑
４、紫
５、灰色
６、茶
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
12/09/15 09:42更新 / ganota_Mk2
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