シャイで口数少ない骸骨と、
時計の針が7時を指していた。
この時間帯と言えば、大概の家庭では夕食、夕食を早めにとる過程であればテレビを見るなり学校の勉強でもするなりといった時間帯である。
まぁ、夫婦やカップルはその常識から外れてそれどころではないだろう。
実際の僕らの場合もそのカップルに当てはまるのだが、今の所は前者である。いまの所は。
「静琉、そろそろ宿題が終わりそうだから、もうちょっと待ってて」
机にある、一枚の紙に書き込まれている問題をにらみながら、僕は少し焦りの混じった声で言った。
「……ん」
その声に反応して、抑揚のない、静かな一語―――おかしな言い方だが、一言以上に短く、単語という概念を持たないので、便宜上こう言っておく―――が後ろから聞こえた。
その一語が聞こえた場所には、彼女がいる。
彼女は僕のベッドの上で最近流行りのライトノベルに読みふけているが、その一語のあとに『カクカク』と鳴らして答えた。
柔らかさが見てわかる、白黒の縞模様の下着を纏ったお尻がスカートから覗いているのに全く気付くことなくうつ伏せに寝そべっている様子から、とても寛いでいるように見える。あっ、こっちを見ている。
「・・・・・・がんばって」
「あ、あぁ」
ぽつりと言うなり、再びラノベの方へ目を向けて読みふけていた。
おもわず縞パンをまじまじと見てしまい、思わず声がうわずってしまったが、恐らく気づいてないか、気にしてないのだろう。
人間の少女や羞恥心の高い魔物娘なら、「どこ見てるのよ、このスケベっ!///」とスカートを押さえて怒鳴るだろうし、それ以外の魔物娘なら「あっ、私のパンツ見て興奮した?♪」といって見せびらかしたりするだろうけど、彼女の場合はどちらでもないのは種族故である。
彼女は健康的とはとても言えない、白い胴体と顔の右半分と色素の薄い白灰色の長い髪以外、やや青味がかった灰色の骨で出来ている魔物娘、いわゆるスケルトンである。
ただ、人体そのものの骨ではなく、一部分が人と異なる形状をしていたりしているが、服や下着を着るのにあたっては魔力の力で形状を変えるなり、骨を外すことができるので苦労することはないと言うらしい。
そんな彼女は白いドクロのプリントが大きく載った黒いロングTシャツに無地の黒いフリルスカートで脚の骨しか確認できない。
まぁ、脚の骨でも確認できれば、人間ではないというのは明らかであるけれども。
その種族―――アンデット族に漏れず、彼女は感情に乏しい種族なので、抑揚のない声や、反応が薄いのにも納得がいく。
そんな彼女の名は、神戸 静琉(こうべ しずる)。
彼女は、白骨化した死体から生まれた訳では無く、両親から産まれてきた子である。
そのため、生まれつき人間らしい感情を備えているが、それでもやはり野生のスケルトンと変わりなく普段からぼんやりとしている。
そんな彼女を僕は大好きだ。いつでも隣にいてあげたいし、いつでも彼女の事を想って自慰だってできる。
だが、そんな気力を今宿題に向けてぶつけてやっている。
少しでも早く、いつもチンコを扱く手に握っている、このシャーペンが手から離れるまで。
「・・・よしッ宿題終わったッ!」
「……第三部完」
その気力のおかげか、いつもよりかなり早く宿題が終わり、嬉しさのあまりテンションが上がってしまった。
そのテンションが彼女にも伝わったのか、嬉しそうに何かつぶやいていたのが聞こえた。
今宵から明日は休日。
ひたすらに青臭く甘酸っぱい学生カップルにとって、この日ほど嬉しい日は無いはずだ。
宿題さえ済ませれば、思いっきり遊ぶなり、いちゃつくなり、腰と腰をぶつけ合うなり、好きに出来るからだ。
けど、僕はすぐにがっつく様なことはせず、寝そべっている彼女の隣に同じように寝そべった。
「静琉、待たせてゴメンね」
謝りながら、僕はそっと彼女の頭を撫でた。
死者とは思えない、とても滑らかでさわり心地の良い、一本一本が整えられている白灰色の髪は僕の指を丁寧にお出迎えするかのようにそのさわり心地を提供してくれた。
「……待ってない」
相変わらず抑揚のない、小さなその声は、しかしながら僕の耳に甘く囁く。しかし、その甘い囁きはさながら甘味を控えた紅茶の様な、甘ったるくない上品さが感じられる。
彼女の口の端を見れば、誰が見てもわかるように吊りあがり、真っ白な頬に桃色のチークがほんのり塗られているその顔に、その程良い甘さと上品さが漂っていた。
「そっか」
いつもよりも機嫌がいい彼女を見ているとこっちも嬉しくなる、というか、にやける。
普段のへの口の仏頂面な彼女も可愛いっちゃ可愛い。
だが、時折見せる笑顔はそれ以上に可愛く、貴重なのだ。
そんな彼女の笑顔を見ながら、頭を撫でていた手を彼女の腕へ移した。
骨だけの、細くひんやりと冷たい、すべすべとした腕。
ぎゅっと握れば折れてしまいそうなそれは、ある種の庇護欲が生まれる魅力がある。
「・・・・・・っ///」
しかし、骨の部分は敏感で、あまり触りすぎると彼女が恥ずかしがって拗ねてしまう。
わずかに聞こえた、彼女の甘い吐息を合図に、僕は肉の付いた肩に手を当てた。
華奢ながら、弾性のある彼女の肌は僕の手から通じて、ほっとする気持ちが湧いてきた。
「・・・・・・♪」
程良い刺激なのか、彼女は気持ちよさそうに口元がわずかにゆるんでいた。
先ほど、スケルトンは感情に乏しいと言ったが、あれは嘘だ。
いや、嘘といっても、普段の日常生活では乏しいで合っている。ただ、スキンシップやエッチをする時には、いつもよりも豊かになるのだ。
そりゃアンデットだって気持ちいいのですってさ。
「静琉、シャワー浴びてきた?」
しばらく撫で続けていた最中、ふと僕は突拍子もない質問をしてみた。
いつもより、肌触りがよく、ほのかに石鹸のいい匂いがしているからだ。
「・・・・・・ん」
ちょっとした事を気づいてくれたのか、静琉は嬉しそうに言った。それでも抑揚を感じない声だが。
そのかわり、彼女の指が僕の胸にそっと当たった。
薄着のTシャツから伝わるその指先はやや冷たく、固い。
ペンで何かを書くように、僕の胸をなぞる度、僕の体が熱く火照ってゆく。
冷たく熱いその指先は「もっとなでて」となぞり書いているのが分かった。
口数の少ない、彼女なりの伝え方である。
「・・・どこを撫でたらいいかな?」
そう僕はわからないフリをして、シャツからはみ出て見える、横腹に浮いている骨を軽く撫でた。
「っ・・・ゃ///」
お腹に浮かぶ弦を弾くように撫でる度、彼女はびくびくと震え、桜色の頬が朱色に染まった。
「ゃ・・・違っ・・・・・・っ、そ、そこじゃない・・・っ///」
いくらか喘ぎ声が漏れているものの、やはり抑揚があまりなく、蚊のように声が小さい。
「じゃぁ、どこを撫でてほしいのさ?」
それでも、反応がいいので思わずにやけて苛めてしまう。
「・・・・・・ここに///」
彼女は僕の腕をつかみ、程良く、されど控えめについた柔肉、いわゆる乳房に押しつけた。
元がアンデットなのか、人間にはある鼓動が手に伝わらない。だが、服越しにほんのりと温もりが感じられる。
魔力が体中に満ちている証だ。人形らしくて人形らしくないのはこういう理由である。そう、彼女もまた生きているのだから。
そんな彼女に刺激を与えないよう、手に当てる程度にゆっくりと撫でた。
「・・・・・・んぅっ♪」
こそばゆい刺激なのか、すこし体を震わせ、顔を一瞬しかめたが、すぐに目を細くし、気持ちよさそうに僕の体に寄り添った。
ぴったりくっついたのを合図に、僕はそっと彼女の唇を奪った。
触れた先は骨特有の冷たさは皆無で、人間らしい温もりが唇に広がる。
彼女もまた僕の温もりを感じたのか、細めた瞼の中に潜む紅い瞳が僕を見つめた。
嬉しさと妖しさが混ざったその瞳で見つめながら、口付け中の口から舌の先が僕の唇をそっと舐めた。
それに応えて、僕も舌を出し、彼女の舌を絡めるように舐めた。だが、情熱的で熱い応酬ではなく、悠久の時を感じさせ、けれども愛おしさも感じさせる、ひどくゆっくりとしたディープキス。
その間も僕は手を止めるようなことはせず、今度は衣類を脱がさず、衣類の中に手を侵入させ、ブラの付けていない、彼女の胸をそっとつかんだ。
「静琉はこういうのが好きだもんね」
「・・・・・・激しくシたいの?」
一頻りのキスとスキンシップでお互いがとろけるような雰囲気になった頃合いを確認し、僕はおもむろに言った。
反応はと言うと、相変わらず抑揚がなく、けれども期待するような質問が返ってきた。
「いや、それはもう少し先。今はゆっくりいちゃつきたい―――」
そう、僕はあっという間に終わるような、がっつくようなプレイは好きじゃない。
もちろん『フィニッシュ』は激しくなってしまうが、それ以外はゆっくり楽しみたい。
彼女もまた僕と同じくゆったりしたエッチが好きである。
魔物娘の中ではなかなかに珍しいほうだ。
「―――けど、下の方はせっかちなんだよね」
だが、節操のない下半身が痛みを訴えたため、僕は申し訳なくいいながらズボンのジッパーを開けた。
そう、僕の魔物は我慢ができない。
ジッパーのなかから魔物がにょっきりと現れ、謙虚さに定評があると周りから評価されている僕とは正反対に踏ん反り返っていた。
「・・・・・・おっきぃ///」
彼女は僕の魔物の方へ視線を向け、桜色に染まった頬が紅色に変わった。
「・・・・・・どうしたらいい?///」
彼女はわずかに眉を下げ、困惑していた。
スケルトンという魔物娘は、ゴーレムに近い特徴を持っており、魔力が十分な場合に限り、主の命令にある程度従って行動する。
「んー・・・、今回は口で。あっ、静琉は仰向けに寝ころんだままでね」
僕はやんわりと命令すると、彼女はカクカクと頷き、視線を天井へ向けた。これからナニをするのか把握しているらしく、恥ずかしがるようにゆっくりと足をM字に開脚した。
脚を曲げたためにスカートの布がずり落ち、白と黒の縞模様の下着が晒された。
その下着の白色のある部分に、もう一色の色が付いていた。その部分だけ、白でも黒でもない、灰色の染み。
「・・・ぐっしょりしているね」
「・・・・・・言わないで///」
服を脱ぎ、裸になりながらも、どこか余裕を感じさせる僕の指摘に、服を着たままの彼女は顔を真っ赤にさせ、目尻に滴を浮かばせていた。
「そんな顔で言われてもねー」
そう僕は少し大げさに困った口調でいいながら、彼女を覆い被さった。
覆い被さったといっても、仰向けに寝転がる彼女に、僕の魔物を情け容赦なくその口の中にねじ込ませ、僕の方はというと、彼女の恥部を隠す下着を鼻を押しつけて思いっきり嗅いだ。
いわゆる、逆69。
奉仕性と競争性をモットーとした通常の69と違い、男性側には加虐性を、女性側には被虐性を増幅させる、和姦趣向には向かないプレイである。
だが、あえてそれを選んだのは、それ以上にお互いを愛し、より気持ちよくさせてあげたいという想いの上での、倒錯的で変態的な行為である。
「っッ!?・・・・・・はむっ・・・んぷっ・・・じゅるるっ、んっんぅっ・・・」
突然の口内れいぽぅに驚き、声にならない悲鳴をあげた。
だが、直後の強烈な雄の臭いが口の中を一瞬で充満し、鼻腔へ流れ込むと、混濁した思考の中で求めていたものだと認識し、苦しさを感じさせず、そのまま夢中で頬張った。
一方の僕の方は鼻腔から、思わず蒸せる程の甘く、濃い雌の匂いが鼻腔を刺激させ、頭を白くさせてゆく。
実際には違う臭いのはずだが、嗅覚が正常に作動しない僕からすれば、その匂い砂糖を溶かした蜂蜜を何倍も凝縮させて煮詰めた液体のような、甘ったるい匂い。
男にはイカ臭く臭う精液が彼女らにはたまらなく甘く美味しく感じる匂いであるように、彼女の恥部から溢れる蜜が同じように甘い匂いであると感じるのだ。
(やばい、こんなのを舐めたら僕はもう・・・っ!)
我慢出来るはずがない。
なので、必死に歯を食いしばったが、その間に、鼻腔から、下半身から強烈な刺激が襲いかかった。
その刺激を長く耐えたと思えたが、先ほどから下半身に強烈な快楽がさらに加わり、我慢と言う意思がすっかり崩壊してしまった。
崩壊した僕の意思が向かう先は、目の前の媚香を放つ赤く熟れた花弁。
その魔性の匂いに引き寄せられる虫の如く、僕の舌先がそれにふれた。
舌先がぴりりと痺れた。その直後に来たのは、爛れるほどの熱く甘い味が口の中を駆け巡った。
もっと味わいたいと脳が、本能が、僕に訴えかけていた。
いや、訴えかけられていた時にはすでに、彼女の花弁をむしゃぶりつき、溢れる蜜を空気一杯吸い込むように啜り、口一杯に貯まった、ガムシロップを何倍も甘くしたような
それを味わうようにゆすぎ。
―――ごくりっ、とひと思いに嚥下した。
魔物娘の愛液は魔力の塊であり、口にした者の精力を増進させる効果があるのだ。
熱湯が暴れているかのような熱さが下半身に達した瞬間、激しい痙攣を起こした。
目の前がチカチカする。呼吸もままならないその快楽は僕にはまだまだ馴れそうもない。
彼女を抱く度に起きる、この痙攣こそが僕の「イった」という合図だ。
僕の背後からは彼女の息苦しく、狂いそうなくぐもったうめき声、その声よりも大きく、バシャバシャッ、ベショォッと汚らしい吐捨物を床に巻き散らかしたかのような水音が響いた。
「はーっ、はーっ・・・静留、いつもこんな犯り方してごめんよ・・・うっ・・・ふぅ」
我に返った僕は、毎度の様に謝り、逆69の態勢を解除して、彼女を介抱した。
そう、僕の性癖は少々やっかいなのだ。
もちろん、いちゃラブセックスでも普通にイける。
けれども、彼女が苦しそうな様子をさせるプレイの方がより興奮するのだ。
ここで何時ときかのような、がっつりしたプレイは好きじゃないという矛盾が出てくる。
説明不足だったから敢えて補足しておくと、ゆっくりとイチャイチャした後にサディスティックなプレイに突っ走り、そしてまたゆっくりといちゃついて―――というループを繰り返す。
つまりはと言うと、バイオリズムの様に極端であるってわけだ。
結局、『フィニッシュ』にはがっついてしまうわけで。
「・・・ぅ・・・ぁぅ・・・」
そんな僕の声が聞こえるはずもなく、顔中だけでなく、口の中も精液で一杯になり、ごぽごぽと泡を吹かせながら、彼女は艶かしく呻いた。
しかし、少しして彼女は口にたまった精液を飲み下し、顔に付いた分も骨だけの指で拭い、口元へ器用に運ばせ、それもまたこくりと飲み込んだ。
「…いつもより、美味しい❤」
先ほどの行為には一切気にする様子はなく、ご馳走をお腹いっぱいいただきましたと言わんばかりに頬を緩ませていた。
彼女もまた、僕の豹変する行為を受け入れ、悦んでいるのだ。
「・・・・・・とっても激しかった❤」
彼女は嬉しそうに微笑み、僕の腕に抱きついて頬ずりして幸せだよ、と身体で伝えた。
「―――どう?息整った?」
休憩として身体を愛撫しながら、様子をうかがってみた。
「・・・・・・いつでもいいよ❤」
相変わらずの小さい声だが、その声には抑揚と甘さが込められていた。
声からでもおおよそ察することができたが、あえて彼女の顔を見てみた。
そこにはいつもの仏頂面はなく、頬や目尻が緩んだ、少女特有の可愛らしい表情になっていた。
だが、口から漏れる艶めかしい声色でその表情の意味が全く異なっている。
そう、魔物娘が共通して持つ感情―――すぐにでもシタイという顔であった。
「・・・・・・準備できたんじゃなくて、早くヤりたいんでしょ」
「・・・・・・ばれた?」
バレバレである。
「普段出てない顔がもろに出てるからね」
「・・・・・・きゃー///」
普段ではまず見られないだろう、手で顔を隠すほどの恥じらう表情が見られたのは、おそらく魔力が有り余るほど補充できたからであろう。
まぁ、手指が細い骨であるため、完全に隠しきれてないが、そこがまた可愛い。
しかし、いつまでも隠しているのもなんだかもどかしいというわけで。
「関節、外すよっと」
僕は絶妙な捻り加減を加えて、彼女の骨の部分を引き剥がした。
ボキンッ、とスカッとするような痛々しいような、そんな乾いた音が4回響いた。
もし外される対象が人間であれば、その音に続くのは間違いなく激痛を訴える絶叫か断末魔が響くだろう。
しかし、彼女の場合はその激痛ではなく。
「・・・あ"っ!!ほ、骨が・・・っ!はず・・・っ、れ"て・・・アソコ・・・にぃ"っ・・・響い"て・・・・あ”〜〜〜!!!❤❤」
狂ったような、イキ声が響いた。
とはいっても、元々小さな声なので、実際のところは、普通の魔物娘の会話程度の音量であるが。静かに叫んだと言った方がしっくりくるというか。
骨を外され、いわゆる達磨になった彼女は暴力的な快楽にただ震え、下着はおろか、スカートまでもお漏らしをしたかのようにびっしょりと濡れていた。
「・・・ぐすんっ。いきなり外さないでよ・・・ばか///」
あーあ。
何の断りもなく外してしまったのか、彼女は可愛らしい表情から一気に機嫌を悪くし、拗ねてしまった。
いつも外すときは彼女の了承を得てから外しているのだが、うっかり聞くのを忘れて外すとこのように怒ってしまう。
理由はよくわからないが、彼女は勝手に外されるのを非常に嫌がるのは前から知っている。
それでも外してしまうのは、やはり僕の心の奥に虐めたいという気持ちがあるからだろうか。
「あー、ごめん。静琉が可愛かったから、つい」
「・・・・・・・・・バカ///(プィッ)」
どうやら生半可な謝罪では許せなさそうだ。
そのあと何度か謝ろうとしても顔と視線を横にしたまま一向にこっちを見てくれない。
「そんなに怒らないでよ・・・」
「・・・・・・・てよ」
「えっ?」
「・・・はやく・・・シてよ・・・❤いつまで・・・・・・、待たせるの///」
よく聞こえなかったので聞き返したら、こっちを睨んでせがまれた。怒って睨んでいる顔もまた可愛い。
「ぁ、あぁ。そうだったね・・・それじゃ静琉・・・するよ」
「・・・ん」
いつもの抑揚のない、淡々とした声で、彼女は僕を睨みながら合図をした。
しかし、頬を真っ赤にしているあたり、これからのセックスが楽しみで仕方ないという気持ちを読みとれることは容易だった。
僕は彼女の衣類はそのままに、下着だけ脱がした。
水分でずっしりと重くなった縞パンからわかるように、彼女の秘所はぷっくり膨らませ、とろとろの液体を溢れだし、早く、早くとせがむようにヒクつかせていた。
これ以上じらす必要はない。
僕は手足のない彼女の秘所に先ほどまでいきり立って痛みさえ感じる剛直をあてがった。
くちゅり、と音をたてたそれは、何も遮られることもなく、易々と奥まで挿いってきた。
それもそうだ。
秘所を隠したり、密着するからだを近づかないでと突き出す手がなければ、秘所を閉じたり、蹴り飛ばす足もないのだ。
手足を失った彼女は、さながら人形であり、抱き枕であり、肉便器であった。
たいていの魔物娘を相手にすると、一方的に襲うのは彼女らの方である。
勇者でもない僕のような人間がかなう相手なはずがない。
それでも、僕は形式的だけでも襲う立場にいたいという願望が心の奥底にあるらしい。
そう、彼女を一方的にヤることに興奮を覚えるのだ。
だが、ダークエルフのような言葉責めが僕にはできない。
自分らしくないと言うか、傷つけるような言葉を出すのがどうもできそうにない。
だから、僕はこういったヤり方で嗜虐心を満たしているのだ。
同時に彼女も僕と似たようで、言葉ではうまく伝えられない。僕の嗜虐的な性交を通して同じように被虐心を満たしているのだ。
「ふあぁっ・・・・・・奥まではいってる///」
何の抵抗もできず、睨みつけるだけしかなかった彼女の顔が一変し、恍惚とした表情を浮かばせた。
「ぐぅっ・・・・・・待たせた分、きつく締まっている・・・!」
それだけでもイきそうになったが、僕の肉棒はそんなやわではない。心は人間でも、身体はインキュバスのそれであり、長く、何回でもヤることに特化しているのだ。
僕は胴体のみの彼女を抱きついたまま、ベッドから降り、立ったまま腰を動かした。
彼女の胴体は驚くほど軽い。
そう、スケルトンは人間を襲って拘束する際、簡単にふりほどけられないように骨の部分は重く堅く出来ている。
そして衝撃を加えられた時、骨と胴体が分離しやすいように、胴体は軽くできているのだ。
つまり、僕は立って腰を動かしながら、彼女をオナホのように上下にシゴかせることが出来るのである。
その前後の腰の動きに、上下のオナホを用いたような動きが噛み合わさり、僕の肉棒、特にカリの部分に彼女の膣肉の圧力がかかった。
身体が音を立ててぶつかる度、膣中ではゴリゴリとした刺激とちぎられるような締め付けによる刺激が身体全体に駆け巡り、生身の人間ならそれだけで果てて、立てなくなるだろう。
「・・・ぁっ、あっ・・・!ぃっ・・・すご、い・・・・ょぉ///」
腰の動きに激しさが増していくが、彼女の喘ぎ声は、骨を外される程もなく、小さい。
だが、白濁にまみれながらも、涎を垂らして惚ける顔とぱちゅっ、ぐちゅっとやらしく水音を立てるほど、結合した部分から愛液をあふれ出続ける恥部を見れば、彼女が気持ちよくなっているのは明確だろう。
「・・・っ・・・あっ、だめっ・・・いっ・・・ちゃう・・・・んぅっ///」
彼女が顔をわずかに歪ませ、膣肉の締まりがより一層きつくなったのを合図に、僕は脱ぎ捨てられた彼女の縞パンを支えていない方の手で取り、それを口に含んだ。
愛液を限界まで吸い取ったであろう、その縞パンはやはり喉が焼けるほど甘い。
パック飲料の中身を一滴も残さないような勢いで、僕は彼女の縞パンを吸い、あふれる愛液をごくり、ごくりとのどを鳴らして飲んだ。
「・・・っ!!・・・ば、・・・ばかっ、何してるのっ///」
どうやら僕のしていることが奇行に見えたらしく、赤くなっていた彼女の顔が深紅に染まった。
「しまぱん、おいしいです」
僕は彼女の罵声に気にすることなく、意味深に感想を述べた。
うん、くつしたがおいしいと言ったメイド少年の言うことが何となく共感できる。
そして、その愛汁150%の縞パンを最後の一滴まで吸い尽くしたと同時に、二度目の痙攣が起きた。
今度は世の中の魔物娘が愛して止まない膣出しである。
「ふあぁ・・・っ!ナカに・・・いっぱいぃ・・・・❤」
咥内に続き、膣内に出された彼女は幸せで満ちあふれたかのような声をあげながら、僕の胸に顔を埋めた。
僕が一度目に出した精液がべっとりと気持ち悪くついたが、幸せそうに余韻を浸っている彼女に水を差すのはよくないと察したので、僕は気にしないことにして、彼女の頭を優しく撫でた。
「・・・・・・いっぱい出たね❤」
いったん抜き出した後にお姫様抱っこをして、先ほど出したであろう、彼女の秘部を見ると、ごぽり、ごぽりと、愛液ではなく精液が漏れ出ていた。
溢れ出ると言うことは、彼女は満腹であると言う証拠である。
つまり、魔力がこれ以上蓄えられないと言う証であり、その過剰分が出ていると言われている。
その余分な精液を机にあった、ウェットティッシュで丁寧にふき取った。
「・・・ん、静琉のナカ、いつにもまして気持ちよかったよ」
にっこりと微笑む彼女に、僕は労いの言葉をかけながら、ベッドに寝かしつけ、エッチをする前のように添い寝をした。
少しすると、彼女の身体から離れた骨が勝手に結合し、あっと言う間に修復が完了していた。
その気になれば、すぐにでも元通りに出来たのだろう。
しかし、シている間にそうしなかったのは、彼女が一方的に犯されているのを望んでいたからかもしれない。
「・・・胸についてる・・・ん、ぺろぺろ・・・んちゅっ」
僕の胸に精液がついているのを見た彼女は舌できれいにふき取るように舐めた。
「ははっ、ちょっとくすぐったいな。それに顔にまだついているよ・・・んっ、ぺろぺろ・・・」
きれいにしてくれたお礼にと、今度は彼女の顔を綺麗に舐めとった。
・・・・・・うわ、苦い、臭い、不味い。
彼女らのように僕自身の精液をおいしく頂くのは到底無理だ。
吐き気を催しながらも隅々まで舐め取り、口の中に含ませておいた。
「・・・・・・ねぇ、ちょうだい・・・んちゅっじゅるっ・・・」
先ほど舐めとった精液を彼女に口移しするためである。
彼女には美味しい精液を、僕のは甘い彼女の唾液を交換して、お互い交換した液体をのみこんで―――。
この時間帯と言えば、大概の家庭では夕食、夕食を早めにとる過程であればテレビを見るなり学校の勉強でもするなりといった時間帯である。
まぁ、夫婦やカップルはその常識から外れてそれどころではないだろう。
実際の僕らの場合もそのカップルに当てはまるのだが、今の所は前者である。いまの所は。
「静琉、そろそろ宿題が終わりそうだから、もうちょっと待ってて」
机にある、一枚の紙に書き込まれている問題をにらみながら、僕は少し焦りの混じった声で言った。
「……ん」
その声に反応して、抑揚のない、静かな一語―――おかしな言い方だが、一言以上に短く、単語という概念を持たないので、便宜上こう言っておく―――が後ろから聞こえた。
その一語が聞こえた場所には、彼女がいる。
彼女は僕のベッドの上で最近流行りのライトノベルに読みふけているが、その一語のあとに『カクカク』と鳴らして答えた。
柔らかさが見てわかる、白黒の縞模様の下着を纏ったお尻がスカートから覗いているのに全く気付くことなくうつ伏せに寝そべっている様子から、とても寛いでいるように見える。あっ、こっちを見ている。
「・・・・・・がんばって」
「あ、あぁ」
ぽつりと言うなり、再びラノベの方へ目を向けて読みふけていた。
おもわず縞パンをまじまじと見てしまい、思わず声がうわずってしまったが、恐らく気づいてないか、気にしてないのだろう。
人間の少女や羞恥心の高い魔物娘なら、「どこ見てるのよ、このスケベっ!///」とスカートを押さえて怒鳴るだろうし、それ以外の魔物娘なら「あっ、私のパンツ見て興奮した?♪」といって見せびらかしたりするだろうけど、彼女の場合はどちらでもないのは種族故である。
彼女は健康的とはとても言えない、白い胴体と顔の右半分と色素の薄い白灰色の長い髪以外、やや青味がかった灰色の骨で出来ている魔物娘、いわゆるスケルトンである。
ただ、人体そのものの骨ではなく、一部分が人と異なる形状をしていたりしているが、服や下着を着るのにあたっては魔力の力で形状を変えるなり、骨を外すことができるので苦労することはないと言うらしい。
そんな彼女は白いドクロのプリントが大きく載った黒いロングTシャツに無地の黒いフリルスカートで脚の骨しか確認できない。
まぁ、脚の骨でも確認できれば、人間ではないというのは明らかであるけれども。
その種族―――アンデット族に漏れず、彼女は感情に乏しい種族なので、抑揚のない声や、反応が薄いのにも納得がいく。
そんな彼女の名は、神戸 静琉(こうべ しずる)。
彼女は、白骨化した死体から生まれた訳では無く、両親から産まれてきた子である。
そのため、生まれつき人間らしい感情を備えているが、それでもやはり野生のスケルトンと変わりなく普段からぼんやりとしている。
そんな彼女を僕は大好きだ。いつでも隣にいてあげたいし、いつでも彼女の事を想って自慰だってできる。
だが、そんな気力を今宿題に向けてぶつけてやっている。
少しでも早く、いつもチンコを扱く手に握っている、このシャーペンが手から離れるまで。
「・・・よしッ宿題終わったッ!」
「……第三部完」
その気力のおかげか、いつもよりかなり早く宿題が終わり、嬉しさのあまりテンションが上がってしまった。
そのテンションが彼女にも伝わったのか、嬉しそうに何かつぶやいていたのが聞こえた。
今宵から明日は休日。
ひたすらに青臭く甘酸っぱい学生カップルにとって、この日ほど嬉しい日は無いはずだ。
宿題さえ済ませれば、思いっきり遊ぶなり、いちゃつくなり、腰と腰をぶつけ合うなり、好きに出来るからだ。
けど、僕はすぐにがっつく様なことはせず、寝そべっている彼女の隣に同じように寝そべった。
「静琉、待たせてゴメンね」
謝りながら、僕はそっと彼女の頭を撫でた。
死者とは思えない、とても滑らかでさわり心地の良い、一本一本が整えられている白灰色の髪は僕の指を丁寧にお出迎えするかのようにそのさわり心地を提供してくれた。
「……待ってない」
相変わらず抑揚のない、小さなその声は、しかしながら僕の耳に甘く囁く。しかし、その甘い囁きはさながら甘味を控えた紅茶の様な、甘ったるくない上品さが感じられる。
彼女の口の端を見れば、誰が見てもわかるように吊りあがり、真っ白な頬に桃色のチークがほんのり塗られているその顔に、その程良い甘さと上品さが漂っていた。
「そっか」
いつもよりも機嫌がいい彼女を見ているとこっちも嬉しくなる、というか、にやける。
普段のへの口の仏頂面な彼女も可愛いっちゃ可愛い。
だが、時折見せる笑顔はそれ以上に可愛く、貴重なのだ。
そんな彼女の笑顔を見ながら、頭を撫でていた手を彼女の腕へ移した。
骨だけの、細くひんやりと冷たい、すべすべとした腕。
ぎゅっと握れば折れてしまいそうなそれは、ある種の庇護欲が生まれる魅力がある。
「・・・・・・っ///」
しかし、骨の部分は敏感で、あまり触りすぎると彼女が恥ずかしがって拗ねてしまう。
わずかに聞こえた、彼女の甘い吐息を合図に、僕は肉の付いた肩に手を当てた。
華奢ながら、弾性のある彼女の肌は僕の手から通じて、ほっとする気持ちが湧いてきた。
「・・・・・・♪」
程良い刺激なのか、彼女は気持ちよさそうに口元がわずかにゆるんでいた。
先ほど、スケルトンは感情に乏しいと言ったが、あれは嘘だ。
いや、嘘といっても、普段の日常生活では乏しいで合っている。ただ、スキンシップやエッチをする時には、いつもよりも豊かになるのだ。
そりゃアンデットだって気持ちいいのですってさ。
「静琉、シャワー浴びてきた?」
しばらく撫で続けていた最中、ふと僕は突拍子もない質問をしてみた。
いつもより、肌触りがよく、ほのかに石鹸のいい匂いがしているからだ。
「・・・・・・ん」
ちょっとした事を気づいてくれたのか、静琉は嬉しそうに言った。それでも抑揚を感じない声だが。
そのかわり、彼女の指が僕の胸にそっと当たった。
薄着のTシャツから伝わるその指先はやや冷たく、固い。
ペンで何かを書くように、僕の胸をなぞる度、僕の体が熱く火照ってゆく。
冷たく熱いその指先は「もっとなでて」となぞり書いているのが分かった。
口数の少ない、彼女なりの伝え方である。
「・・・どこを撫でたらいいかな?」
そう僕はわからないフリをして、シャツからはみ出て見える、横腹に浮いている骨を軽く撫でた。
「っ・・・ゃ///」
お腹に浮かぶ弦を弾くように撫でる度、彼女はびくびくと震え、桜色の頬が朱色に染まった。
「ゃ・・・違っ・・・・・・っ、そ、そこじゃない・・・っ///」
いくらか喘ぎ声が漏れているものの、やはり抑揚があまりなく、蚊のように声が小さい。
「じゃぁ、どこを撫でてほしいのさ?」
それでも、反応がいいので思わずにやけて苛めてしまう。
「・・・・・・ここに///」
彼女は僕の腕をつかみ、程良く、されど控えめについた柔肉、いわゆる乳房に押しつけた。
元がアンデットなのか、人間にはある鼓動が手に伝わらない。だが、服越しにほんのりと温もりが感じられる。
魔力が体中に満ちている証だ。人形らしくて人形らしくないのはこういう理由である。そう、彼女もまた生きているのだから。
そんな彼女に刺激を与えないよう、手に当てる程度にゆっくりと撫でた。
「・・・・・・んぅっ♪」
こそばゆい刺激なのか、すこし体を震わせ、顔を一瞬しかめたが、すぐに目を細くし、気持ちよさそうに僕の体に寄り添った。
ぴったりくっついたのを合図に、僕はそっと彼女の唇を奪った。
触れた先は骨特有の冷たさは皆無で、人間らしい温もりが唇に広がる。
彼女もまた僕の温もりを感じたのか、細めた瞼の中に潜む紅い瞳が僕を見つめた。
嬉しさと妖しさが混ざったその瞳で見つめながら、口付け中の口から舌の先が僕の唇をそっと舐めた。
それに応えて、僕も舌を出し、彼女の舌を絡めるように舐めた。だが、情熱的で熱い応酬ではなく、悠久の時を感じさせ、けれども愛おしさも感じさせる、ひどくゆっくりとしたディープキス。
その間も僕は手を止めるようなことはせず、今度は衣類を脱がさず、衣類の中に手を侵入させ、ブラの付けていない、彼女の胸をそっとつかんだ。
「静琉はこういうのが好きだもんね」
「・・・・・・激しくシたいの?」
一頻りのキスとスキンシップでお互いがとろけるような雰囲気になった頃合いを確認し、僕はおもむろに言った。
反応はと言うと、相変わらず抑揚がなく、けれども期待するような質問が返ってきた。
「いや、それはもう少し先。今はゆっくりいちゃつきたい―――」
そう、僕はあっという間に終わるような、がっつくようなプレイは好きじゃない。
もちろん『フィニッシュ』は激しくなってしまうが、それ以外はゆっくり楽しみたい。
彼女もまた僕と同じくゆったりしたエッチが好きである。
魔物娘の中ではなかなかに珍しいほうだ。
「―――けど、下の方はせっかちなんだよね」
だが、節操のない下半身が痛みを訴えたため、僕は申し訳なくいいながらズボンのジッパーを開けた。
そう、僕の魔物は我慢ができない。
ジッパーのなかから魔物がにょっきりと現れ、謙虚さに定評があると周りから評価されている僕とは正反対に踏ん反り返っていた。
「・・・・・・おっきぃ///」
彼女は僕の魔物の方へ視線を向け、桜色に染まった頬が紅色に変わった。
「・・・・・・どうしたらいい?///」
彼女はわずかに眉を下げ、困惑していた。
スケルトンという魔物娘は、ゴーレムに近い特徴を持っており、魔力が十分な場合に限り、主の命令にある程度従って行動する。
「んー・・・、今回は口で。あっ、静琉は仰向けに寝ころんだままでね」
僕はやんわりと命令すると、彼女はカクカクと頷き、視線を天井へ向けた。これからナニをするのか把握しているらしく、恥ずかしがるようにゆっくりと足をM字に開脚した。
脚を曲げたためにスカートの布がずり落ち、白と黒の縞模様の下着が晒された。
その下着の白色のある部分に、もう一色の色が付いていた。その部分だけ、白でも黒でもない、灰色の染み。
「・・・ぐっしょりしているね」
「・・・・・・言わないで///」
服を脱ぎ、裸になりながらも、どこか余裕を感じさせる僕の指摘に、服を着たままの彼女は顔を真っ赤にさせ、目尻に滴を浮かばせていた。
「そんな顔で言われてもねー」
そう僕は少し大げさに困った口調でいいながら、彼女を覆い被さった。
覆い被さったといっても、仰向けに寝転がる彼女に、僕の魔物を情け容赦なくその口の中にねじ込ませ、僕の方はというと、彼女の恥部を隠す下着を鼻を押しつけて思いっきり嗅いだ。
いわゆる、逆69。
奉仕性と競争性をモットーとした通常の69と違い、男性側には加虐性を、女性側には被虐性を増幅させる、和姦趣向には向かないプレイである。
だが、あえてそれを選んだのは、それ以上にお互いを愛し、より気持ちよくさせてあげたいという想いの上での、倒錯的で変態的な行為である。
「っッ!?・・・・・・はむっ・・・んぷっ・・・じゅるるっ、んっんぅっ・・・」
突然の口内れいぽぅに驚き、声にならない悲鳴をあげた。
だが、直後の強烈な雄の臭いが口の中を一瞬で充満し、鼻腔へ流れ込むと、混濁した思考の中で求めていたものだと認識し、苦しさを感じさせず、そのまま夢中で頬張った。
一方の僕の方は鼻腔から、思わず蒸せる程の甘く、濃い雌の匂いが鼻腔を刺激させ、頭を白くさせてゆく。
実際には違う臭いのはずだが、嗅覚が正常に作動しない僕からすれば、その匂い砂糖を溶かした蜂蜜を何倍も凝縮させて煮詰めた液体のような、甘ったるい匂い。
男にはイカ臭く臭う精液が彼女らにはたまらなく甘く美味しく感じる匂いであるように、彼女の恥部から溢れる蜜が同じように甘い匂いであると感じるのだ。
(やばい、こんなのを舐めたら僕はもう・・・っ!)
我慢出来るはずがない。
なので、必死に歯を食いしばったが、その間に、鼻腔から、下半身から強烈な刺激が襲いかかった。
その刺激を長く耐えたと思えたが、先ほどから下半身に強烈な快楽がさらに加わり、我慢と言う意思がすっかり崩壊してしまった。
崩壊した僕の意思が向かう先は、目の前の媚香を放つ赤く熟れた花弁。
その魔性の匂いに引き寄せられる虫の如く、僕の舌先がそれにふれた。
舌先がぴりりと痺れた。その直後に来たのは、爛れるほどの熱く甘い味が口の中を駆け巡った。
もっと味わいたいと脳が、本能が、僕に訴えかけていた。
いや、訴えかけられていた時にはすでに、彼女の花弁をむしゃぶりつき、溢れる蜜を空気一杯吸い込むように啜り、口一杯に貯まった、ガムシロップを何倍も甘くしたような
それを味わうようにゆすぎ。
―――ごくりっ、とひと思いに嚥下した。
魔物娘の愛液は魔力の塊であり、口にした者の精力を増進させる効果があるのだ。
熱湯が暴れているかのような熱さが下半身に達した瞬間、激しい痙攣を起こした。
目の前がチカチカする。呼吸もままならないその快楽は僕にはまだまだ馴れそうもない。
彼女を抱く度に起きる、この痙攣こそが僕の「イった」という合図だ。
僕の背後からは彼女の息苦しく、狂いそうなくぐもったうめき声、その声よりも大きく、バシャバシャッ、ベショォッと汚らしい吐捨物を床に巻き散らかしたかのような水音が響いた。
「はーっ、はーっ・・・静留、いつもこんな犯り方してごめんよ・・・うっ・・・ふぅ」
我に返った僕は、毎度の様に謝り、逆69の態勢を解除して、彼女を介抱した。
そう、僕の性癖は少々やっかいなのだ。
もちろん、いちゃラブセックスでも普通にイける。
けれども、彼女が苦しそうな様子をさせるプレイの方がより興奮するのだ。
ここで何時ときかのような、がっつりしたプレイは好きじゃないという矛盾が出てくる。
説明不足だったから敢えて補足しておくと、ゆっくりとイチャイチャした後にサディスティックなプレイに突っ走り、そしてまたゆっくりといちゃついて―――というループを繰り返す。
つまりはと言うと、バイオリズムの様に極端であるってわけだ。
結局、『フィニッシュ』にはがっついてしまうわけで。
「・・・ぅ・・・ぁぅ・・・」
そんな僕の声が聞こえるはずもなく、顔中だけでなく、口の中も精液で一杯になり、ごぽごぽと泡を吹かせながら、彼女は艶かしく呻いた。
しかし、少しして彼女は口にたまった精液を飲み下し、顔に付いた分も骨だけの指で拭い、口元へ器用に運ばせ、それもまたこくりと飲み込んだ。
「…いつもより、美味しい❤」
先ほどの行為には一切気にする様子はなく、ご馳走をお腹いっぱいいただきましたと言わんばかりに頬を緩ませていた。
彼女もまた、僕の豹変する行為を受け入れ、悦んでいるのだ。
「・・・・・・とっても激しかった❤」
彼女は嬉しそうに微笑み、僕の腕に抱きついて頬ずりして幸せだよ、と身体で伝えた。
「―――どう?息整った?」
休憩として身体を愛撫しながら、様子をうかがってみた。
「・・・・・・いつでもいいよ❤」
相変わらずの小さい声だが、その声には抑揚と甘さが込められていた。
声からでもおおよそ察することができたが、あえて彼女の顔を見てみた。
そこにはいつもの仏頂面はなく、頬や目尻が緩んだ、少女特有の可愛らしい表情になっていた。
だが、口から漏れる艶めかしい声色でその表情の意味が全く異なっている。
そう、魔物娘が共通して持つ感情―――すぐにでもシタイという顔であった。
「・・・・・・準備できたんじゃなくて、早くヤりたいんでしょ」
「・・・・・・ばれた?」
バレバレである。
「普段出てない顔がもろに出てるからね」
「・・・・・・きゃー///」
普段ではまず見られないだろう、手で顔を隠すほどの恥じらう表情が見られたのは、おそらく魔力が有り余るほど補充できたからであろう。
まぁ、手指が細い骨であるため、完全に隠しきれてないが、そこがまた可愛い。
しかし、いつまでも隠しているのもなんだかもどかしいというわけで。
「関節、外すよっと」
僕は絶妙な捻り加減を加えて、彼女の骨の部分を引き剥がした。
ボキンッ、とスカッとするような痛々しいような、そんな乾いた音が4回響いた。
もし外される対象が人間であれば、その音に続くのは間違いなく激痛を訴える絶叫か断末魔が響くだろう。
しかし、彼女の場合はその激痛ではなく。
「・・・あ"っ!!ほ、骨が・・・っ!はず・・・っ、れ"て・・・アソコ・・・にぃ"っ・・・響い"て・・・・あ”〜〜〜!!!❤❤」
狂ったような、イキ声が響いた。
とはいっても、元々小さな声なので、実際のところは、普通の魔物娘の会話程度の音量であるが。静かに叫んだと言った方がしっくりくるというか。
骨を外され、いわゆる達磨になった彼女は暴力的な快楽にただ震え、下着はおろか、スカートまでもお漏らしをしたかのようにびっしょりと濡れていた。
「・・・ぐすんっ。いきなり外さないでよ・・・ばか///」
あーあ。
何の断りもなく外してしまったのか、彼女は可愛らしい表情から一気に機嫌を悪くし、拗ねてしまった。
いつも外すときは彼女の了承を得てから外しているのだが、うっかり聞くのを忘れて外すとこのように怒ってしまう。
理由はよくわからないが、彼女は勝手に外されるのを非常に嫌がるのは前から知っている。
それでも外してしまうのは、やはり僕の心の奥に虐めたいという気持ちがあるからだろうか。
「あー、ごめん。静琉が可愛かったから、つい」
「・・・・・・・・・バカ///(プィッ)」
どうやら生半可な謝罪では許せなさそうだ。
そのあと何度か謝ろうとしても顔と視線を横にしたまま一向にこっちを見てくれない。
「そんなに怒らないでよ・・・」
「・・・・・・・てよ」
「えっ?」
「・・・はやく・・・シてよ・・・❤いつまで・・・・・・、待たせるの///」
よく聞こえなかったので聞き返したら、こっちを睨んでせがまれた。怒って睨んでいる顔もまた可愛い。
「ぁ、あぁ。そうだったね・・・それじゃ静琉・・・するよ」
「・・・ん」
いつもの抑揚のない、淡々とした声で、彼女は僕を睨みながら合図をした。
しかし、頬を真っ赤にしているあたり、これからのセックスが楽しみで仕方ないという気持ちを読みとれることは容易だった。
僕は彼女の衣類はそのままに、下着だけ脱がした。
水分でずっしりと重くなった縞パンからわかるように、彼女の秘所はぷっくり膨らませ、とろとろの液体を溢れだし、早く、早くとせがむようにヒクつかせていた。
これ以上じらす必要はない。
僕は手足のない彼女の秘所に先ほどまでいきり立って痛みさえ感じる剛直をあてがった。
くちゅり、と音をたてたそれは、何も遮られることもなく、易々と奥まで挿いってきた。
それもそうだ。
秘所を隠したり、密着するからだを近づかないでと突き出す手がなければ、秘所を閉じたり、蹴り飛ばす足もないのだ。
手足を失った彼女は、さながら人形であり、抱き枕であり、肉便器であった。
たいていの魔物娘を相手にすると、一方的に襲うのは彼女らの方である。
勇者でもない僕のような人間がかなう相手なはずがない。
それでも、僕は形式的だけでも襲う立場にいたいという願望が心の奥底にあるらしい。
そう、彼女を一方的にヤることに興奮を覚えるのだ。
だが、ダークエルフのような言葉責めが僕にはできない。
自分らしくないと言うか、傷つけるような言葉を出すのがどうもできそうにない。
だから、僕はこういったヤり方で嗜虐心を満たしているのだ。
同時に彼女も僕と似たようで、言葉ではうまく伝えられない。僕の嗜虐的な性交を通して同じように被虐心を満たしているのだ。
「ふあぁっ・・・・・・奥まではいってる///」
何の抵抗もできず、睨みつけるだけしかなかった彼女の顔が一変し、恍惚とした表情を浮かばせた。
「ぐぅっ・・・・・・待たせた分、きつく締まっている・・・!」
それだけでもイきそうになったが、僕の肉棒はそんなやわではない。心は人間でも、身体はインキュバスのそれであり、長く、何回でもヤることに特化しているのだ。
僕は胴体のみの彼女を抱きついたまま、ベッドから降り、立ったまま腰を動かした。
彼女の胴体は驚くほど軽い。
そう、スケルトンは人間を襲って拘束する際、簡単にふりほどけられないように骨の部分は重く堅く出来ている。
そして衝撃を加えられた時、骨と胴体が分離しやすいように、胴体は軽くできているのだ。
つまり、僕は立って腰を動かしながら、彼女をオナホのように上下にシゴかせることが出来るのである。
その前後の腰の動きに、上下のオナホを用いたような動きが噛み合わさり、僕の肉棒、特にカリの部分に彼女の膣肉の圧力がかかった。
身体が音を立ててぶつかる度、膣中ではゴリゴリとした刺激とちぎられるような締め付けによる刺激が身体全体に駆け巡り、生身の人間ならそれだけで果てて、立てなくなるだろう。
「・・・ぁっ、あっ・・・!ぃっ・・・すご、い・・・・ょぉ///」
腰の動きに激しさが増していくが、彼女の喘ぎ声は、骨を外される程もなく、小さい。
だが、白濁にまみれながらも、涎を垂らして惚ける顔とぱちゅっ、ぐちゅっとやらしく水音を立てるほど、結合した部分から愛液をあふれ出続ける恥部を見れば、彼女が気持ちよくなっているのは明確だろう。
「・・・っ・・・あっ、だめっ・・・いっ・・・ちゃう・・・・んぅっ///」
彼女が顔をわずかに歪ませ、膣肉の締まりがより一層きつくなったのを合図に、僕は脱ぎ捨てられた彼女の縞パンを支えていない方の手で取り、それを口に含んだ。
愛液を限界まで吸い取ったであろう、その縞パンはやはり喉が焼けるほど甘い。
パック飲料の中身を一滴も残さないような勢いで、僕は彼女の縞パンを吸い、あふれる愛液をごくり、ごくりとのどを鳴らして飲んだ。
「・・・っ!!・・・ば、・・・ばかっ、何してるのっ///」
どうやら僕のしていることが奇行に見えたらしく、赤くなっていた彼女の顔が深紅に染まった。
「しまぱん、おいしいです」
僕は彼女の罵声に気にすることなく、意味深に感想を述べた。
うん、くつしたがおいしいと言ったメイド少年の言うことが何となく共感できる。
そして、その愛汁150%の縞パンを最後の一滴まで吸い尽くしたと同時に、二度目の痙攣が起きた。
今度は世の中の魔物娘が愛して止まない膣出しである。
「ふあぁ・・・っ!ナカに・・・いっぱいぃ・・・・❤」
咥内に続き、膣内に出された彼女は幸せで満ちあふれたかのような声をあげながら、僕の胸に顔を埋めた。
僕が一度目に出した精液がべっとりと気持ち悪くついたが、幸せそうに余韻を浸っている彼女に水を差すのはよくないと察したので、僕は気にしないことにして、彼女の頭を優しく撫でた。
「・・・・・・いっぱい出たね❤」
いったん抜き出した後にお姫様抱っこをして、先ほど出したであろう、彼女の秘部を見ると、ごぽり、ごぽりと、愛液ではなく精液が漏れ出ていた。
溢れ出ると言うことは、彼女は満腹であると言う証拠である。
つまり、魔力がこれ以上蓄えられないと言う証であり、その過剰分が出ていると言われている。
その余分な精液を机にあった、ウェットティッシュで丁寧にふき取った。
「・・・ん、静琉のナカ、いつにもまして気持ちよかったよ」
にっこりと微笑む彼女に、僕は労いの言葉をかけながら、ベッドに寝かしつけ、エッチをする前のように添い寝をした。
少しすると、彼女の身体から離れた骨が勝手に結合し、あっと言う間に修復が完了していた。
その気になれば、すぐにでも元通りに出来たのだろう。
しかし、シている間にそうしなかったのは、彼女が一方的に犯されているのを望んでいたからかもしれない。
「・・・胸についてる・・・ん、ぺろぺろ・・・んちゅっ」
僕の胸に精液がついているのを見た彼女は舌できれいにふき取るように舐めた。
「ははっ、ちょっとくすぐったいな。それに顔にまだついているよ・・・んっ、ぺろぺろ・・・」
きれいにしてくれたお礼にと、今度は彼女の顔を綺麗に舐めとった。
・・・・・・うわ、苦い、臭い、不味い。
彼女らのように僕自身の精液をおいしく頂くのは到底無理だ。
吐き気を催しながらも隅々まで舐め取り、口の中に含ませておいた。
「・・・・・・ねぇ、ちょうだい・・・んちゅっじゅるっ・・・」
先ほど舐めとった精液を彼女に口移しするためである。
彼女には美味しい精液を、僕のは甘い彼女の唾液を交換して、お互い交換した液体をのみこんで―――。
12/05/14 21:20更新 / 浮浪物
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