連載小説
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二人で水浴び。そして、2人の始まり。
2人で滝の前まで来ると一緒に水の中に入っていく。クレアは膝あたりぐらいまで浸かり、アルは腰辺りまで浸かることになる。そのまま少し前に移動すると滝からの水飛沫に身体全体が自然と濡れていき、クレアは自分の体を手で撫でては汗や精液を流していく。アルも屈んでは自分の体に水をかけて汗などを洗い流していく。


「冷たくて気持ちいいな」


「うん!気持ちいい!」


「あまりずっと居ては冷えるからな。まあ、その時は私が温まるまで抱きしめてあげるからな」


「う、嬉しいけど…恥ずかしい…//」


「可愛いなほんとに♡」


身体を洗いながら談笑していれば、クレアは遠くから何か視線を感じ、そちらを見てみればホブゴブリン1人と、ゴブリン数人が2人を見ていた。クレアはその視線の先にアルが居るのに気づけば、身体を洗い終わって立ち上がって滝を見ていたアルを抱き寄せる。


「すまないなゴブリン達。アルは私のモノだ。チュッ♡」


「く、クレア…急には恥ずかしい…//」


「ふふ、嬉しいだろ?」


「う、うん…//」


2人のイチャイチャぶりにホブゴブリン達は諦めたように木々の間を縫って何処かへ去っていった。抱きしめられてまた押し付けられるクレアの胸の感触にアルはドキドキとしながらも、自分からもクレアに抱きついて甘える。その様子にクレアは微笑みながら優しく頭を撫でてあげる。そして、ゆっくりとアルが顔を上げては身長差のため上目遣いで見つめる体勢となり、その可愛さに思わずクレアはアルにキスをする。アルは少し驚いたあとに受け入れてキスを続ける。


「んんっ…♡さぁ、そろそろあがるとしよう。身体は私が乾かせてあげるからな」


「何か布とか?」


「風ですぐ水は乾くのさ」


そう言うとクレアは翼でアルに風を起こす。アルは受ける風によってどんどん水は乾いていく。クレアにも風が当たれば水は乾いていけば風を送るのをやめる。乾いた後は来る時と同じようにクレアがアルを抱きしめては空を飛んで戻っていくのであった。


「少し冷えてしまったか?」


「クレアの身体あったかいから大丈夫〜」


「ふふ、しっかりと抱きついて温まるといい」


そう言いながらクレアはアルを抱きしめながら自分の住処である洞穴へと向かう。その道中には怪しい視線もなく、洞穴までは平和に移動した。そして、洞穴の前に降り立てばアルを降ろして注意深く奥を見る。


「誰も来てはいないみたいだな。よし、今のうちに準備をしてしまおう」


「あの勇者さん達が来る前に行かないと」

2人でベットのある奥のスペースまで移動すると、クレアは貴金属や財宝のある洞穴へとアルを連れて行く。中に入れば見渡すほどの財宝があり、アルも驚きながら辺りを見渡していればクレアは大きな箱の前に移動しては中を開ける。その中には高級そうな服が入っており、大きさは大人サイズであり、ローブのような服であった。そして、次々と箱から服を出していく。ズボンやシャツとどれも大きさは大人サイズであった。


「よし、これを着てみてくれ。ちゃんと綺麗に洗ってくるから安心してくれ」


「えっと…かなり大きいと思うけど…」


「ふむ…ぶかぶかな服を着てるアルも可愛いな…♡まあ、それだと旅をしづらいのはわかってるから安心していい」


「わぁ…‼すごい…‼」


クレアが服に手をかざして魔力を服に当てれば自然とアルの体にあったサイズになるローブも着やすい大きさになっては旅装束の完成であり、アルははしゃぐように自分の服装を見て喜んでいる様子である。


「ありがとうクレア‼大切にするから‼」


「ふふ、私が着ることはなかったから役に立ってよかった。さぁ、後はここにある宝石はまあ、置いておくとして、お金でもある程度持って……」


「あ、それなら僕の魔法陣の中に少しはいれておけるからお気に入りのがあったら」


「ふむ、アルという宝物を仕舞う気はないからな……とりあえず、旅をするのに必要なおお金やアルの服を入れておけばいいさ」


「あはは…それなら勿体無いから入るだけ持っていっちゃおう」


そう言うとアルは魔法陣を出せばその中に見た目が高級そうな宝石などを入れていく。そうするとアルが思ってたよりもたくさん宝石が入って、大量にあった貴金属や宝石はほとんど無くなってしまった。そのため入らなかった分を服が入っていた宝箱に入れて置いた。


「これで…ドラゴンの住処としてはいいのかな?」


「なんだ?後から来たもののために宝石を箱にいれてたのか?」


「うん…宝物目当てで来たのになかったら可哀想だから」


「私の物を盗る時点で温情などないか、まあ、アルがそうしたいならそうしよう」


「ありがとう♡」


(この笑顔を見れるなら宝石など要らないからな♡盗賊にでもなんでもくれてやろう)


満面の笑みでお礼を言うアルにクレアは悶えながら尻尾を激しく降る。表情には出さずにキリッとしているが内心がメロメロなのはいつも通りであった。


「さあ、これから旅の始まりだ。末長く宜しく頼む♡旦那様♡」


「そ、その…えーと…末永くよろしくお願いします…僕のお嫁さん♡」


「ほんとに可愛すぎる♡アル♡アル♡愛してる♡」


「わぁぷ…//ぼ、僕も……愛してる……♡」


抱きしめられてアルは戸惑いながらもクレアに愛を伝えていて、顔に押し付けられる胸の感触に顔を真っ赤にしながらくっつき、少ししては上機嫌のクレアはアルを離してあげる。洞穴の外へと一緒に移動していこうとすればアルがクレアの手に自分の手を伸ばせば握るとクレアは微笑みを返して握り返す。


「少し離れて、見ていてほしい」


「う、うん」


言われた通りにアルはクレアから離れるとクレアの周りに白い霧のようなものが現れていき、クレアの姿を隠してはうっすらと見えるシルエットが肥大化して人間の姿では無く、魔物が代替わりする以前の巨大な竜へと変身する。その鱗はクレアの髪と同じで銀色で美しく。外からの光を反射して神々しく見える。


「怖くないか?」

「全然‼とっても綺麗でかっこいい‼」


アルはクレアの姿に寧ろ、感動している様子であり、怖がっているそぶりもなくクレアに駆け寄れば身体を優しく撫でてあげる。くすぐったそうにしながら身を低くくしてアルが乗りやすいようにしてあげる。アルはせっせとクレアの背中に乗ればクレアは立ち上がる。


「まずはどこに行こっか?」


「とりあえずは親魔物領のどこかに行こう。その後はまた相談しながらでいいだろう」


「うん。そうだねー」


「それではいくぞ。何かあったらすぐに言ってくれ?」


「うん‼行こうクレア‼」


アルがそう言うとクレアは翼を羽ばたかせ、空へと飛び立つ。そして、ここから2人の旅が始まった。ここから、2人が織りなす物語。その物語は甘く、楽しく、時折、大変で、それでもやっぱり幸せに満ちている。そんな2人の物語、全てを記すかどうかは2人次第、気まぐれのままに話は紡がれていくのであった。
18/11/07 00:02更新 / かなでゆうき
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■作者メッセージ
ここまでお読みしていただき、ありがとうございます‼
これで2人の出会いの物語は終わりです。次から始まるは2人の旅の物語。
どんな内容を書くか、どんな出会いがあるか、それを書くのは書き手としてドキドキします。ここまで読んでくださった皆さん、もしよろしければ、ここから続く2人の物語も読んでみてください。改めてとなりますが、読んでいただきありがとうございます!

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