狐のローププレイ
ザザーン……
「あ〜……なんつーか、こう……のんびり過ごすのも悪くはねぇなぁ……」
無数の木々が生い茂る小さな無人島にて海賊船を停泊させた後、俺ことキッドは砂浜でのんびりと午後を過ごしていた。船から持ってきたビーチチェアの上に寝転がって、海から吹かれる潮風を楽しんでいる。
「ほらピュラ、ここを引っ張って……」
「よいしょ……わぁ!橋ができた!」
俺のすぐ近くでは俺の妻であるシー・ビショップのサフィアと、その妹でもあるマーメイドのピュラがあやとりで遊んでいる。
この二人は実際に血が繋がってる訳じゃないんだが、本当の姉妹の様に何時も微笑ましい姿を見せてくれる。この二人は俺の冒険の支えと言っても過言ではない。
「ふぁ〜……」
「あらあら、キッド、眠そうですね」
「ああ、こうしてのんびりするのも久しぶりだからな……」
不覚にも欠伸が出てしまったが……サフィアに気付かれてしまったようだ。
この無人島に着く前は長い航海が続いてたからな、休む暇なんて無かった。たまには砂浜で昼寝ってのも悪くないかもな。
「あぁ……ちょっくら寝ようか……」
と、昼寝をしようとゆっくり瞼を閉じようとしたら……。
「海賊船が来たぞー!!」
……おいおい、勘弁してくれよ……。
「……ったく!なんだよ、こんな時によぉ……!」
昼寝の邪魔が来たと知らされて少々不満を抱きながらも、俺はビーチチェアから起き上がって海へと視線を移す。そこには、確かに髑髏の旗を靡かせながらこちらに向かって来てる海賊船が見えた。
……ん?ちょっと待て……あの船、どっかで見たような…………?
「キッド、どうします?やっぱり戦わなくてはいけないのでしょうか?」
「いや、ちょっと待て……」
不安げな表情を浮かべながらも、ピュラと一緒に俺の船の中へ避難しようとしたサフィアを片手で制した。
普段ならサフィアたちを危険な目に遭わせない為に船の中へ避難させる。だが、今回はその必要は無さそうだ。
何故なら……俺はあの船に見覚えがあるからだ。
「……あぁ……やっぱりな……」
改めてこちらに向かってくる海賊船を見直して確信を持った。
俺の海賊船『ブラック・モンスター』程ではないが中々大きい船で、船首には狐の頭を模した像が付けられている。更にはマストの天辺の海賊旗にはカウボーイの帽子を被った髑髏が描かれている。そう……狐の耳が付いた髑髏が。
「おう、お前ら!武器を下ろせ!大丈夫だ!あれは敵じゃない!」
俺は戦闘の姿勢に入ってる仲間たちに向かって武器を下ろすように命じた。それを聞いた仲間たちは、戸惑いながらも大人しく命令通りに武器を下ろした。
海賊が来てるのに武器を下ろせなんて言われたら戸惑うのも無理は無いか。まぁ、今回ばかりは……敵じゃないしな。
「……着いたか」
そして狐の海賊船が島に着き、俺のブラック・モンスターと並列になるように並んで停止した。船から碇が下ろされ、帆が少しずつ畳まれていく。
シュバッ!
「ヒャッホウ!!」
爽快な叫び声と同時に、船首から何者かが飛び出て来た。弧を描きながら宙を舞い華麗に着地した人物は、ゆっくりと立ち上がって何事も無かったかのように俺に歩み寄ってくる。
茶色いカウガールハットから出てる狐の耳に、背後から垣間見れる四本の狐の尻尾……つまり妖狐だ。
星のマークが描かれてるカウガールハット、無地のシャツの上から羽織ってるこげ茶色のジャケット、そして黒色のロングブーツ。更には腰のホルダーにはピストルが二丁、そして薄茶色のロープが環になるように腰に携えられている。
何も知らない奴が一目見ればカウガールだと瞬時に思うだろう。だが、こいつは正真正銘……俺と同じ海賊だ。
「……やっぱりフェリスか」
「ヤッホー!キー君、久しぶり〜♪元気にしてた?」
「お陰様でな。で、今日はどうしたんだ?」
俺が呟くように言うと、妖狐の魔物……もといフェリスはニコッと笑みを浮かべながら片手を上げて言った。相も変らぬ元気な女だ。
「いや〜、偶々近くに寄ったらキー君のブラック・モンスターを見つけてさぁ、久しぶりに会いに行ってみようと思ってね」
「ま、生憎な事にピンピンしてるがな」
この妖狐の名はフェリス。見た目はカウガールに見えるが本物の海賊で、フォックス海賊団の船長を務めている。今やってきた海賊船も、フェリス率いるフォックス海賊団の船だ。
「で、最近調子はどう?」
「そこそこだな。昨日も襲ってきた同業者を返り討ちにしてやった」
「あらら〜、その同業者さん、お気の毒ね」
「知らねぇよ。自業自得だろ?」
「あはは!確かにね!」
フォックス海賊団とは、名前の通り狐の魔物が集まってる海賊団で、船員の殆どが稲荷や狐憑きなどの狐の魔物となっている。その実力は侮れないもので、世間の海賊たちからは『海のカウガール集団』とも呼ばれている。
フェリスとは同じ海賊同士という事もあって同盟を結んだ間柄でもある。偶に物々交換を行ったりと昔からの顔馴染みで、今や悪友とも呼び合える存在だ。
ちなみにキー君ってのはフェリスが勝手に付けた俺のあだ名でもある。フェリスは他人にあだ名を付けたがる癖があるから、俺もその犠牲者と言うわけだ。
「……あら?」
すると、フェリスが俺の近くに居るサフィアとピュラの存在に気付いたらしい。ただ当の二人は急な来客に戸惑いを隠せないでいるようだ。
あぁ、そう言えば二人はフェリスと会った事が無かったんだった。
「あの、キッド、そちらの方は……?」
「あぁ、紹介がまだだったな。こいつはフェリス。妖狐の海賊で、俺の悪友みたいなものだ」
「あ、お友達でしたか。初めまして、サフィアと申します」
俺の悪友と知るや否や、サフィアは礼儀正しく頭を下げて挨拶した。フェリスの方は一瞬だけ『おっ』と少しだけ驚いた表情を浮かべたが、すぐにニヤニヤとやらしい笑みを俺に向けた。
「もしかして……もしかしたりする?」
「……ああ、俺の嫁さんだ」
「おぉ〜!遂にキー君も脱童貞かぁ♪若いって良いねぇ〜!」
「オッサンかよ、アンタは……」
フェリスは面白げに肘で俺の身体を突いて来る。そしてフェリスは親しげな笑みを浮かべながらサフィアに歩み寄ってきた。
「え〜っと、サフィアちゃん……だったよね?」
「は、はい」
「ん〜、そうね…………サフィりんってどう?」
「サ、サフィりん!?」
「うん、あなたのあだ名……はい、サフィりんで決まり!」
どうやらサフィアまで勝手にあだ名を付けられたようだ。
サフィりんって……安直だな、おい……。サフィアの方も困った表情を浮かべてるし……。
「えっと……君、お名前は?」
「私はピュラだよ!」
「ピュラちゃんか……良いお名前だね!で、あだ名は……ピュラらん!」
「ピュラ……らん?」
「うん、ピュラらん!割と良い感じ!」
「……あはは!ピュラら〜ん!」
「あはは!」
ピュラまで変なあだ名を付けられたようだが……どうやら本人は満更でもないようだ。無邪気な笑みを浮かべながらはしゃいでる。そしてあだ名を付けたフェリスも嬉しそうに笑い声を上げた。
「うふふ……とても面白い方ですね」
「面白い……まぁ、確かにな……」
サフィアがピュラとフェリスのじゃれ合いを微笑ましそうに見守りながら俺に話しかけてきた。
本人は面白いと言ってるが……俺から見ればただの変人に見える。明るい性格ではあるんだが、その……とあるマニアックな趣向の所為で変態に見えてしょうがない。
まぁ、俺はその趣向自体は否定なんてしないが……。
「あ、そうそう!ちょっと聞いてよ!」
すると、フェリスは何かを思い出したような素振りを見せながら俺に振り返った。
「あのね、此処に来る途中で教団の船と出くわしちゃったんだよね〜」
「教団の?……で、打ち倒してきたって訳か」
「そうそう!さっすがキー君!話が早いねぇ!」
「そりゃあ……アンタが此処まで無傷で来たって事は、無事に勝ったって事だろ?」
フェリスの話によると、此処に来る途中で教団の連中に会ったらしい。だが、無傷の様子から見て何の問題も無かったようだ。
フェリス自身も相当強いから、簡単にくたばるとは思えないがな……。
「それでさ、その教団を率いてる女の船長と戦う事になったんだけど……」
そしてフェリスは、先程までの出来事を話し始めた……。
〜〜〜数時間前(フェリス視点)〜〜〜
「ふふふ……どうやら私たちの勝ちみたいね」
「くっ!おのれ……海賊め!」
教団の船の甲板にて、戦う体力も残ってない教団の女隊長はその場に跪いて恨めしげに私を睨んでいる。他の教団兵は殆ど海へと放り出されてしまい、助けてもらえる見込みも無い……完全に私たちの勝利となった。
「さてと、どうやらあなたが船の親玉みたいだけど……これからどうしちゃおっかな〜?」
「何を悩む必要があるのよ!さぁ、早く殺しなさいよ!」
屈辱に耐えながらも、未だに敵意を露にする女隊長。たとえ命の灯火が消える直前でも、私たちのような魔物には屈しない……とでも言いたげな表情だ。
その勇ましい姿勢は賞賛に値するけど……自分を殺せだなんて言うのは良くないわねぇ……。
「あなたねぇ……殺せだなんて物騒な事言っちゃダメよ?命を大事にしなきゃ……」
「黙れぇ!我ら人間を無常にも殺める魔物に、命の価値を語る資格など無い!」
「いや、それ誤解だから。今の魔物は人間を殺さないから」
「五月蝿い!魔物に屈するのは不本意だが……此処で無様に命乞いするくらいなら、潔く散り果ててやる!主神様も、私の生き様を見届けてくださるであろうからな!」
どうやら魔物に対して偏見を持ってるらしいけど……私の話なんて聞く耳持たないようだ。
全く、酷い話よね。今の魔物は好き好んで人間を殺すような真似なんか絶対にしないのに……教団の人たちはもっと私たちをちゃんと見るべきよ。この子も例外じゃない。魔物は無常に人間を殺すなんて……無知ほど悲しいものは無いわ。
「ねぇ……ホントに此処で死んじゃって良いの?あなただって、まだやりたい事とかあるんじゃないの?」
「それは……」
「例えば……好きな人とエッチな事をしたいとか♪」
「な!?い、いきなり何を言い出すんだ!」
隊長は顔を真っ赤に染めて取り乱した。
あら、結構可愛い反応ね。でもこの様子を見るからに、心の中ではエッチな事をしたいとか思ってるみたい。
「あら〜?もしかして図星?」
「ち、違う!私はそんなふしだらな欲望など抱いていない!」
「素直じゃない子は決まってそう言うのよね〜。恥じらいなんか捨てて本音を言っちゃえば良いのに」
「今のが本音だ!と言うか、さっきから貴様はなんてことを言い出すんだ!この下衆がぁ!」
隊長は顔を真っ赤に染めながら尚も食って掛かる。
やれやれ……話だけじゃ解決できないって訳ね……。
だとしたら……やる事は一つ!
「……しょうがないわね……やっちゃいますか」
「な、なに……?」
私は腰に携えている縄を手にとって、クルクルと縄の先端を回し始めた。
女を襲うのは久しぶりね……腕が鳴るわ♪
「生意気言う悪い子は……緊縛プレイでお仕置きよ♪」
そして私は……縄の一端を隊長に向かって投げ飛ばした!
「さぁ、ショータイムよ!」
「え!?な、ちょっ!」
投げられた縄は私の意のままに動き、ウネウネと蛇の様にうねりながら隊長の身体に巻き付いていく。
「ふふふ……これぞ、亀甲縛り!何ともエッチな縛られ方ねぇ……♪」
「な、何するのよ!この縄、解きなさい!」
やがて身体だけでなく手足まで縛られて、完全に隊長の動きを封じた。ただ、普通の縛り方ではなく、亀甲縛りと言われてる特殊な縛り方だ。
胸の辺りが六角形の形で縛られてる事により服の上からおっぱいが強調され、さらにズボンの上から秘部が縄に食い込んでるのがハッキリと見える。
中々にやらしい格好だこと……男が見れば確実に欲情しちゃうかもね……♪
「このままでも十分淫らだけど……折角だからその服も脱いじゃいましょうか♪」
「な!?な、何を言って……!」
パチンッ!
ビリビリビリッ!
「ほぉら、裸になっちゃった♪」
「ひぃ!い、いやぁ!!」
私が指をパチンと鳴らした瞬間、隊長の服が瞬時に破られ、一糸纏わぬ姿が野外で露出された。縛られたまま裸になった事により、露となったおっぱいやお尻が更に縄に食い込まれて、我が存在を強調している。
「驚いた?実はその縄はね、巻きつかれた人の服を破る能力を持ってるのよね〜♪」
「や、やだ……こんな格好……!」
「まぁまぁ、折角なんだから楽しみましょうよ……ね♪」
顔を赤く染めながらうっすらと一滴の涙を浮かべる隊長。さっきまでは強気な態度だったのに……今はもう恥らうばかりの可憐な少女も同じだ。
しかし、その可憐な姿を見た瞬間、私の内に秘めるドS心に火が点けられた。
「さぁて、先ずは軽く……」
先ずは軽いご挨拶にと……私の尻尾を隊長のおっぱいへと伸ばして、フサフサの毛で隊長の乳首を弄り始めた。
「ひぃっ!?あ、あぁん!」
「あら、感じてるのね。良い反応見せてくれちゃって……可愛い♪」
「ち、ちがっ!感じてなんか、あふぃ!」
身体は反応しているのに、素直に快感を受け入れない隊長。
やれやれ、強がっても辛いだけなのに……もっと弄っちゃえ♪
「ほらほらぁ♪」
「ひゃあ!?ちょ、引っ張らないで……きゃあ!」
隊長を縛ってる縄の一部を思いっきり後方に引っ張ってみる。六角形に縛られてるおっぱいの谷間が縄に食い込み、その大きさを示すかのように乳首が前方へと突き出された。
まるで、自ら弄られるが為に己を差し出すかのように……ってそれは思い込みすぎね。
「ひゃ、あぅあ!や、やめ……!」
「ほらほら、私の尻尾、気持ちいいでしょ?もっと弄ってあげちゃうんだから♪」
「き、気持ちよくなんかない!いい加減に止めなさ……ひゃう!」
「強情ね……果たしてその意地はどこまで保てるかな?」
隊長は私の尻尾による執拗な乳首弄りに耐えながらも強気な態度を見せる。しかし、どうやら快楽には抗えないらしく、秘部からはもう愛液が少しずつ漏れ始めてる。
乳首だけでこんなに感じちゃうなんて……敏感ね。男との経験が無いのか、久々なのか……恐らく前者ね。
「ほらほら……もっと淫らになっちゃいましょ♪」
「やぁ!や、止めなさ、ふぁ!あ、あぁん!」
追撃とばかりに、掴んでる縄を引っ張り上げながら、もう一本の尻尾を隊長のお尻へと伸ばして撫でてみる。フサフサの毛がくすぐったいのか、撫でられる度に身体が小さく跳ね上がってる。
「ん〜?ホントに止めて欲しいのかな〜?その割にはおマンコがぐっしょり濡れちゃって気持ちよさそうなんだけどな〜?」
「そ、それは……あ、あぁん!や、ふぁ、はぁん!ら、らめぇ!」
未だに抵抗の意を示しているが、顔がほんのりと赤く染まってるうえに目がトロ〜ンと蕩けてる。更には縄に食い込まれてるおマンコが愛液でビショビショに濡れてる事から、もうすぐ絶頂に達してしまいそうなのが見て取れた。
あら、もうイッちゃいそうなのね。これくらいでイッちゃいそうなんて……よっぽど性とはかけ離れた生活を送ってたみたい。
「どうしたのかな〜?もうイッちゃいそうなのかな〜?」
「あ、ふぁ、うぁん!そ、そんなにギュって、握らないれぇ!」
「うふふ……あなたのおっぱい、軟らかいわね♪」
試しに一端縄を手から離し、隊長のおっぱいを鷲づかみしてみる。中々の大きさで弾力も申し分ない。これだけ反応すると言う事は……もうそろそろみたいね。
「ふふふ♪我慢しなくて良いのよぉ……?縄で身動き出来ないまま、気持ち良い事いっぱいされて、思いっきりイッちゃおうね?」
「ん、ふぁ、んひゃあん!んぁあ、うぁん!」
乳首を弄る尻尾の動きを激しくし、更におっぱいを揉む手にも力を入れてみる。よっぽど効いてるのか、隊長は縛られたまま快楽によって身悶えている。
「うふふ……良いわぁ、この光景♪裸の状態で縄で縛られた挙句にエッチな事をされて感じちゃう女の子……溜まんないわね♪」
「んぉ、んぁ!ら、らめぇぇ!き、きも、気持ち良いよぉ!ひゅあぁん!」
「あら、やっと素直になってきたのね……そうだわ!折角だから……えい!」
「んぁあん!く、食い込んでりゅぅ!縄が、締め付けてくりゅぅん!ひゃ、あん!」
私が指をクイッと動かすと、下半身の縄の部分が一気に締め付けてきた。太い縄が綺麗なお尻の割れ目に食い込んで更に美尻が強調され、おマンコに至っては肉弁やクリトリスを刺激されて絶頂を促されている。
「どう?縛られるのも素敵でしょ?」
「ふひゃん!は、はひぃぃ!こ、こんなの、耐えられないぃ!ふぁ、あふぁん!」
「我慢出来ないの?良いわよ♪恥じらいなんて捨てちゃってイッちゃいましょ♪」
もうすぐイッちゃいそうなのか、隊長の淫らな喘ぎ声が徐々に大きくなりつつある。此処が野外である事など忘れてしまったのか、快楽に支配されてる隊長の姿はもはや雌豚そのものだった。
「も、もうらめぇ!い、イッちゃうぅ!わらしぃ、縄でイかされちゃぅよぉ!」
「イッちゃって!緊縛されたまま……気持ちよくなっちゃえ!」
「らめぇ!も、もうイッっちゃうぅ!」
そして……縄で縛られてる教団の隊長は……!
「ひゃあああああああん!!」
滝のような愛液を噴射すると同時に、快楽に溺れた……。
あぁ……最高ね♪縄で縛られたまま絶頂する……ゾクゾクしちゃう♪
やっぱり、緊縛って最高♪
「ふぁ、あ……はぁ、はぁ……」
絶頂を迎えた隊長は身体の踏ん張りが効かなくなったのか、顔を赤らめたままその場で倒れこんだ。
「さて、もう大丈夫ね」
私が指をクイッと動かすと、隊長に巻かれてる縄が解かれて私の手元に戻った。
「……うん、中々可愛い耳と尻尾ね♪この狐火の魔力が込められた縄の力も健在みたいね♪」
魔物へと……狐憑きへと変わった隊長を見て我ながら満足感を感じた。狐の耳と尻尾が生えて、更におっぱいも少しだけ大きくなったようだ。
私の縄で縛られたまま性的に犯された人間の女はもれなく狐憑きに変わる。久々にやってみたけど、どうやら狐火の魔力は全く衰えてないようだ。
「さてと……一仕事終わった。でも……」
敵の親玉も魔物に変えたし、もうやるべき仕事は終わった……と思ったら大間違い!
「隠れてないで出てきたら?」
私が腰のピストルを咄嗟に抜いて物陰へと向けると、そこから剣を持った一人の男が徐に出てきた。
あの格好……どうやら敵の船の生き残りみたいね。
「あらあら……もしかして今まで覗き見してたの?悪い子ね……」
「だ、だ、黙れ!貴様、よくも隊長を!此処で仇を取ってやる!」
「……そんなのおっ勃てたまま言われても迫力無いわよ?」
「こ、これは……や、やかましい!」
男は剣を構えて凄んで見せたけど……ハッキリ言って大した事無さそう。オマケにさっきまでの隊長の淫らな行為を見ていたのか、ズボンの内の男棒は半勃起状態だし……。
「ま……待って……!」
すると、狐憑きと化した隊長が裸のままフラフラと立ち上がった。未だに快感が収まらないのか、どこか蕩けた表情で男を見つめている。
……いや、この表情……もしかして発情してる?なんか、生えたばかりの尻尾を振ってるし、口から涎が垂れてるし……。
「……ねぇ……これからずっと……私と一緒にいましょうよ……」
「な、何を言って……」
「私ね……あなたが好きなの……愛してるの……」
「な、な、な!?」
蕩けた表情のまま、隊長は男へとゆっくり歩み寄る。それに対して男はいきなり愛の告白をされて動揺を隠せないのか、思わず剣を手から滑り落としてしまった。
……あぁ、そう言う事ね。この子、前からこの男の事が……。
「この身体なら……あなたを喜ばせてあげられる気がするの。今ならあなたと結ばれそうな気がするの……」
「いや、あの、その……!」
「好きよ……大好き……今すぐエッチしたい……あなたのおちんちんが欲しい……」
「ちょ、ちょっと落ち着いて……」
魔物化した事により、込み上げられる愛情と性欲が抑えられなくなったのか、隊長は一歩一歩確実に男へと歩み寄る。対する男は一歩ずつ寄られると同時に後退するが……船の柵へと追い込まれて逃げ場が無くなった。
「もう……我慢出来ない!私のダーリン♥」
「ま、待て!やめtうぉわああああ!!」
そして隊長は……湧き上がる欲のままに男を襲い始めた。
「待ってんん!?」
「ん、ちゅ……んぅ……あぁ、大切なファーストキスをあなたに捧げれるなんて幸せ……♥」
「ん……ま、待てってば!落ち着けよ!」
「落ち着けないよぉ……♥これからあなたとセックスすると思うと、身体が熱くなっちゃうよぉ……♥」
「そう言いながら俺の服を脱がすの止めてくれぇ!」
「ダ〜メ♥あなたも裸になるの♥」
……どうやらこの場は問題無さそうね。そうと決まれば、早いとこずらかりますか♪
「お二人さ〜ん、お幸せにね〜♪」
淫猥な喘ぎ声を背に、私は撤退の準備を進めた……。
〜〜〜現在(キッド視点)〜〜〜
「……と言う訳で、教団の船に置いてあった食料や金品を根こそぎ頂いて、此処に来たの」
「えげつねぇな……」
「良いじゃん!その隊長もずっと前から好きだった男の兵士と結ばれたんだし、一件落着でしょ?」
「まぁそうだが、アンタは相変わらずの変態だな」
「変態って言うな!仮にも変態だとしても、変態と言う名の淑女よ!」
「どういう屁理屈だよ……」
先ほどまで起きていたであろうフェリスの調教……もとい変態プレイの話を聞いて半ば呆れるしかなかった。
こいつは昔からそういう女だった。縄を使った緊縛プレイが大好物で、強気な女を見るとすぐに縄で縛って魔物化したがる。
こういう特異な趣向の所為で、未だに夫が出来ないんだよな……。
「いや〜、久々にやってみたけど、やっぱり癖になっちゃうわね♪なんて言うか、こう……身動きできない相手を思うが儘に弄るとかゾクゾクするでしょ?」
「ねーよ!アンタだけだ!」
「ぶぅ……いいもん!誰に何を言われようとも、私は緊縛大好きだもん!緊縛最高〜!まさに神プレイ!」
「……ド変態が……」
魔物にだって様々な性癖があるのは分かってるが……こいつが興奮気味に緊縛なんて語ってくると思わずドン引きしてしまう。
別に緊縛自体は否定しないが……俺には理解し難い……。
「……まぁ、人間の女を魔物に変えるのは良いが、アンタもそろそろ伴侶を見つけたらどうだ?」
「うん、やっぱり夫は欲しいわね。出来れば私と趣向が合う人が良いな」
「……例えばどんなのが良いんだ?」
さり気なく聞いてみると、フェリスは目を輝かせながら夢中で話し始めた。
「そうね……縄で縛られて興奮してくれる人なんか良いわね!こう、裸の状態で両手両足を縛られて、おちんちんを足で踏まれて感じてくれる人とか最高ね!あと、欲を言うなら狐を心から愛してくれる人とか……あ、でも逆に私が縛られて弄られちゃうのも悪くないわね!こう、動けないのをいい事に色んなところをモミモミされたり、ペロペロされたり、挙句の果てにはズッコンバッコンなんて……キャー!私、まだ処女なのにどうしましょう♥」
「………………」
『狐が好きな人』はともかく、縄で縛られて興奮するとか……極僅かじゃねぇか。途中で話が脱線してるし……。
つーか、そんな人がいるとは……まぁ、いるかもしれねぇが……。
「……まぁ、万が一にもそんな男を見つけたら紹介してやるか」
「よろしくね〜♪」
フェリスは嬉しそうに狐の尻尾を左右に振った。
紹介すると聞いたこいつの反応……よっぽど男を欲しがってると思われる。自分と相性の合う男なんて一度も巡り会ってないんだろうな。
「あの、フェリスさん、これから私たちの船でお茶会を始めるので、宜しければご一緒にどうですか?」
と、今まで黙って俺とフェリスの会話を聞いてたサフィアが話しかけてきた。
「あら、良いわね!それじゃ、お邪魔しちゃおうかしら?」
「はい、キッドも構いませんよね?」
「ああ、大丈夫だ」
「それじゃあフェリスさん、行きましょう」
「ええ、ピュラらんも行こう!」
「うん!」
そしてフェリスはサフィアとピュラと一緒にブラック・モンスターへと進んで行った。
「やれやれ、とんでもない悪友を持っちまったな……」
そう呟きながら、俺はサフィアたちの背中を追うように徐にブラック・モンスターへと進んだ…………。
「あ〜……なんつーか、こう……のんびり過ごすのも悪くはねぇなぁ……」
無数の木々が生い茂る小さな無人島にて海賊船を停泊させた後、俺ことキッドは砂浜でのんびりと午後を過ごしていた。船から持ってきたビーチチェアの上に寝転がって、海から吹かれる潮風を楽しんでいる。
「ほらピュラ、ここを引っ張って……」
「よいしょ……わぁ!橋ができた!」
俺のすぐ近くでは俺の妻であるシー・ビショップのサフィアと、その妹でもあるマーメイドのピュラがあやとりで遊んでいる。
この二人は実際に血が繋がってる訳じゃないんだが、本当の姉妹の様に何時も微笑ましい姿を見せてくれる。この二人は俺の冒険の支えと言っても過言ではない。
「ふぁ〜……」
「あらあら、キッド、眠そうですね」
「ああ、こうしてのんびりするのも久しぶりだからな……」
不覚にも欠伸が出てしまったが……サフィアに気付かれてしまったようだ。
この無人島に着く前は長い航海が続いてたからな、休む暇なんて無かった。たまには砂浜で昼寝ってのも悪くないかもな。
「あぁ……ちょっくら寝ようか……」
と、昼寝をしようとゆっくり瞼を閉じようとしたら……。
「海賊船が来たぞー!!」
……おいおい、勘弁してくれよ……。
「……ったく!なんだよ、こんな時によぉ……!」
昼寝の邪魔が来たと知らされて少々不満を抱きながらも、俺はビーチチェアから起き上がって海へと視線を移す。そこには、確かに髑髏の旗を靡かせながらこちらに向かって来てる海賊船が見えた。
……ん?ちょっと待て……あの船、どっかで見たような…………?
「キッド、どうします?やっぱり戦わなくてはいけないのでしょうか?」
「いや、ちょっと待て……」
不安げな表情を浮かべながらも、ピュラと一緒に俺の船の中へ避難しようとしたサフィアを片手で制した。
普段ならサフィアたちを危険な目に遭わせない為に船の中へ避難させる。だが、今回はその必要は無さそうだ。
何故なら……俺はあの船に見覚えがあるからだ。
「……あぁ……やっぱりな……」
改めてこちらに向かってくる海賊船を見直して確信を持った。
俺の海賊船『ブラック・モンスター』程ではないが中々大きい船で、船首には狐の頭を模した像が付けられている。更にはマストの天辺の海賊旗にはカウボーイの帽子を被った髑髏が描かれている。そう……狐の耳が付いた髑髏が。
「おう、お前ら!武器を下ろせ!大丈夫だ!あれは敵じゃない!」
俺は戦闘の姿勢に入ってる仲間たちに向かって武器を下ろすように命じた。それを聞いた仲間たちは、戸惑いながらも大人しく命令通りに武器を下ろした。
海賊が来てるのに武器を下ろせなんて言われたら戸惑うのも無理は無いか。まぁ、今回ばかりは……敵じゃないしな。
「……着いたか」
そして狐の海賊船が島に着き、俺のブラック・モンスターと並列になるように並んで停止した。船から碇が下ろされ、帆が少しずつ畳まれていく。
シュバッ!
「ヒャッホウ!!」
爽快な叫び声と同時に、船首から何者かが飛び出て来た。弧を描きながら宙を舞い華麗に着地した人物は、ゆっくりと立ち上がって何事も無かったかのように俺に歩み寄ってくる。
茶色いカウガールハットから出てる狐の耳に、背後から垣間見れる四本の狐の尻尾……つまり妖狐だ。
星のマークが描かれてるカウガールハット、無地のシャツの上から羽織ってるこげ茶色のジャケット、そして黒色のロングブーツ。更には腰のホルダーにはピストルが二丁、そして薄茶色のロープが環になるように腰に携えられている。
何も知らない奴が一目見ればカウガールだと瞬時に思うだろう。だが、こいつは正真正銘……俺と同じ海賊だ。
「……やっぱりフェリスか」
「ヤッホー!キー君、久しぶり〜♪元気にしてた?」
「お陰様でな。で、今日はどうしたんだ?」
俺が呟くように言うと、妖狐の魔物……もといフェリスはニコッと笑みを浮かべながら片手を上げて言った。相も変らぬ元気な女だ。
「いや〜、偶々近くに寄ったらキー君のブラック・モンスターを見つけてさぁ、久しぶりに会いに行ってみようと思ってね」
「ま、生憎な事にピンピンしてるがな」
この妖狐の名はフェリス。見た目はカウガールに見えるが本物の海賊で、フォックス海賊団の船長を務めている。今やってきた海賊船も、フェリス率いるフォックス海賊団の船だ。
「で、最近調子はどう?」
「そこそこだな。昨日も襲ってきた同業者を返り討ちにしてやった」
「あらら〜、その同業者さん、お気の毒ね」
「知らねぇよ。自業自得だろ?」
「あはは!確かにね!」
フォックス海賊団とは、名前の通り狐の魔物が集まってる海賊団で、船員の殆どが稲荷や狐憑きなどの狐の魔物となっている。その実力は侮れないもので、世間の海賊たちからは『海のカウガール集団』とも呼ばれている。
フェリスとは同じ海賊同士という事もあって同盟を結んだ間柄でもある。偶に物々交換を行ったりと昔からの顔馴染みで、今や悪友とも呼び合える存在だ。
ちなみにキー君ってのはフェリスが勝手に付けた俺のあだ名でもある。フェリスは他人にあだ名を付けたがる癖があるから、俺もその犠牲者と言うわけだ。
「……あら?」
すると、フェリスが俺の近くに居るサフィアとピュラの存在に気付いたらしい。ただ当の二人は急な来客に戸惑いを隠せないでいるようだ。
あぁ、そう言えば二人はフェリスと会った事が無かったんだった。
「あの、キッド、そちらの方は……?」
「あぁ、紹介がまだだったな。こいつはフェリス。妖狐の海賊で、俺の悪友みたいなものだ」
「あ、お友達でしたか。初めまして、サフィアと申します」
俺の悪友と知るや否や、サフィアは礼儀正しく頭を下げて挨拶した。フェリスの方は一瞬だけ『おっ』と少しだけ驚いた表情を浮かべたが、すぐにニヤニヤとやらしい笑みを俺に向けた。
「もしかして……もしかしたりする?」
「……ああ、俺の嫁さんだ」
「おぉ〜!遂にキー君も脱童貞かぁ♪若いって良いねぇ〜!」
「オッサンかよ、アンタは……」
フェリスは面白げに肘で俺の身体を突いて来る。そしてフェリスは親しげな笑みを浮かべながらサフィアに歩み寄ってきた。
「え〜っと、サフィアちゃん……だったよね?」
「は、はい」
「ん〜、そうね…………サフィりんってどう?」
「サ、サフィりん!?」
「うん、あなたのあだ名……はい、サフィりんで決まり!」
どうやらサフィアまで勝手にあだ名を付けられたようだ。
サフィりんって……安直だな、おい……。サフィアの方も困った表情を浮かべてるし……。
「えっと……君、お名前は?」
「私はピュラだよ!」
「ピュラちゃんか……良いお名前だね!で、あだ名は……ピュラらん!」
「ピュラ……らん?」
「うん、ピュラらん!割と良い感じ!」
「……あはは!ピュラら〜ん!」
「あはは!」
ピュラまで変なあだ名を付けられたようだが……どうやら本人は満更でもないようだ。無邪気な笑みを浮かべながらはしゃいでる。そしてあだ名を付けたフェリスも嬉しそうに笑い声を上げた。
「うふふ……とても面白い方ですね」
「面白い……まぁ、確かにな……」
サフィアがピュラとフェリスのじゃれ合いを微笑ましそうに見守りながら俺に話しかけてきた。
本人は面白いと言ってるが……俺から見ればただの変人に見える。明るい性格ではあるんだが、その……とあるマニアックな趣向の所為で変態に見えてしょうがない。
まぁ、俺はその趣向自体は否定なんてしないが……。
「あ、そうそう!ちょっと聞いてよ!」
すると、フェリスは何かを思い出したような素振りを見せながら俺に振り返った。
「あのね、此処に来る途中で教団の船と出くわしちゃったんだよね〜」
「教団の?……で、打ち倒してきたって訳か」
「そうそう!さっすがキー君!話が早いねぇ!」
「そりゃあ……アンタが此処まで無傷で来たって事は、無事に勝ったって事だろ?」
フェリスの話によると、此処に来る途中で教団の連中に会ったらしい。だが、無傷の様子から見て何の問題も無かったようだ。
フェリス自身も相当強いから、簡単にくたばるとは思えないがな……。
「それでさ、その教団を率いてる女の船長と戦う事になったんだけど……」
そしてフェリスは、先程までの出来事を話し始めた……。
〜〜〜数時間前(フェリス視点)〜〜〜
「ふふふ……どうやら私たちの勝ちみたいね」
「くっ!おのれ……海賊め!」
教団の船の甲板にて、戦う体力も残ってない教団の女隊長はその場に跪いて恨めしげに私を睨んでいる。他の教団兵は殆ど海へと放り出されてしまい、助けてもらえる見込みも無い……完全に私たちの勝利となった。
「さてと、どうやらあなたが船の親玉みたいだけど……これからどうしちゃおっかな〜?」
「何を悩む必要があるのよ!さぁ、早く殺しなさいよ!」
屈辱に耐えながらも、未だに敵意を露にする女隊長。たとえ命の灯火が消える直前でも、私たちのような魔物には屈しない……とでも言いたげな表情だ。
その勇ましい姿勢は賞賛に値するけど……自分を殺せだなんて言うのは良くないわねぇ……。
「あなたねぇ……殺せだなんて物騒な事言っちゃダメよ?命を大事にしなきゃ……」
「黙れぇ!我ら人間を無常にも殺める魔物に、命の価値を語る資格など無い!」
「いや、それ誤解だから。今の魔物は人間を殺さないから」
「五月蝿い!魔物に屈するのは不本意だが……此処で無様に命乞いするくらいなら、潔く散り果ててやる!主神様も、私の生き様を見届けてくださるであろうからな!」
どうやら魔物に対して偏見を持ってるらしいけど……私の話なんて聞く耳持たないようだ。
全く、酷い話よね。今の魔物は好き好んで人間を殺すような真似なんか絶対にしないのに……教団の人たちはもっと私たちをちゃんと見るべきよ。この子も例外じゃない。魔物は無常に人間を殺すなんて……無知ほど悲しいものは無いわ。
「ねぇ……ホントに此処で死んじゃって良いの?あなただって、まだやりたい事とかあるんじゃないの?」
「それは……」
「例えば……好きな人とエッチな事をしたいとか♪」
「な!?い、いきなり何を言い出すんだ!」
隊長は顔を真っ赤に染めて取り乱した。
あら、結構可愛い反応ね。でもこの様子を見るからに、心の中ではエッチな事をしたいとか思ってるみたい。
「あら〜?もしかして図星?」
「ち、違う!私はそんなふしだらな欲望など抱いていない!」
「素直じゃない子は決まってそう言うのよね〜。恥じらいなんか捨てて本音を言っちゃえば良いのに」
「今のが本音だ!と言うか、さっきから貴様はなんてことを言い出すんだ!この下衆がぁ!」
隊長は顔を真っ赤に染めながら尚も食って掛かる。
やれやれ……話だけじゃ解決できないって訳ね……。
だとしたら……やる事は一つ!
「……しょうがないわね……やっちゃいますか」
「な、なに……?」
私は腰に携えている縄を手にとって、クルクルと縄の先端を回し始めた。
女を襲うのは久しぶりね……腕が鳴るわ♪
「生意気言う悪い子は……緊縛プレイでお仕置きよ♪」
そして私は……縄の一端を隊長に向かって投げ飛ばした!
「さぁ、ショータイムよ!」
「え!?な、ちょっ!」
投げられた縄は私の意のままに動き、ウネウネと蛇の様にうねりながら隊長の身体に巻き付いていく。
「ふふふ……これぞ、亀甲縛り!何ともエッチな縛られ方ねぇ……♪」
「な、何するのよ!この縄、解きなさい!」
やがて身体だけでなく手足まで縛られて、完全に隊長の動きを封じた。ただ、普通の縛り方ではなく、亀甲縛りと言われてる特殊な縛り方だ。
胸の辺りが六角形の形で縛られてる事により服の上からおっぱいが強調され、さらにズボンの上から秘部が縄に食い込んでるのがハッキリと見える。
中々にやらしい格好だこと……男が見れば確実に欲情しちゃうかもね……♪
「このままでも十分淫らだけど……折角だからその服も脱いじゃいましょうか♪」
「な!?な、何を言って……!」
パチンッ!
ビリビリビリッ!
「ほぉら、裸になっちゃった♪」
「ひぃ!い、いやぁ!!」
私が指をパチンと鳴らした瞬間、隊長の服が瞬時に破られ、一糸纏わぬ姿が野外で露出された。縛られたまま裸になった事により、露となったおっぱいやお尻が更に縄に食い込まれて、我が存在を強調している。
「驚いた?実はその縄はね、巻きつかれた人の服を破る能力を持ってるのよね〜♪」
「や、やだ……こんな格好……!」
「まぁまぁ、折角なんだから楽しみましょうよ……ね♪」
顔を赤く染めながらうっすらと一滴の涙を浮かべる隊長。さっきまでは強気な態度だったのに……今はもう恥らうばかりの可憐な少女も同じだ。
しかし、その可憐な姿を見た瞬間、私の内に秘めるドS心に火が点けられた。
「さぁて、先ずは軽く……」
先ずは軽いご挨拶にと……私の尻尾を隊長のおっぱいへと伸ばして、フサフサの毛で隊長の乳首を弄り始めた。
「ひぃっ!?あ、あぁん!」
「あら、感じてるのね。良い反応見せてくれちゃって……可愛い♪」
「ち、ちがっ!感じてなんか、あふぃ!」
身体は反応しているのに、素直に快感を受け入れない隊長。
やれやれ、強がっても辛いだけなのに……もっと弄っちゃえ♪
「ほらほらぁ♪」
「ひゃあ!?ちょ、引っ張らないで……きゃあ!」
隊長を縛ってる縄の一部を思いっきり後方に引っ張ってみる。六角形に縛られてるおっぱいの谷間が縄に食い込み、その大きさを示すかのように乳首が前方へと突き出された。
まるで、自ら弄られるが為に己を差し出すかのように……ってそれは思い込みすぎね。
「ひゃ、あぅあ!や、やめ……!」
「ほらほら、私の尻尾、気持ちいいでしょ?もっと弄ってあげちゃうんだから♪」
「き、気持ちよくなんかない!いい加減に止めなさ……ひゃう!」
「強情ね……果たしてその意地はどこまで保てるかな?」
隊長は私の尻尾による執拗な乳首弄りに耐えながらも強気な態度を見せる。しかし、どうやら快楽には抗えないらしく、秘部からはもう愛液が少しずつ漏れ始めてる。
乳首だけでこんなに感じちゃうなんて……敏感ね。男との経験が無いのか、久々なのか……恐らく前者ね。
「ほらほら……もっと淫らになっちゃいましょ♪」
「やぁ!や、止めなさ、ふぁ!あ、あぁん!」
追撃とばかりに、掴んでる縄を引っ張り上げながら、もう一本の尻尾を隊長のお尻へと伸ばして撫でてみる。フサフサの毛がくすぐったいのか、撫でられる度に身体が小さく跳ね上がってる。
「ん〜?ホントに止めて欲しいのかな〜?その割にはおマンコがぐっしょり濡れちゃって気持ちよさそうなんだけどな〜?」
「そ、それは……あ、あぁん!や、ふぁ、はぁん!ら、らめぇ!」
未だに抵抗の意を示しているが、顔がほんのりと赤く染まってるうえに目がトロ〜ンと蕩けてる。更には縄に食い込まれてるおマンコが愛液でビショビショに濡れてる事から、もうすぐ絶頂に達してしまいそうなのが見て取れた。
あら、もうイッちゃいそうなのね。これくらいでイッちゃいそうなんて……よっぽど性とはかけ離れた生活を送ってたみたい。
「どうしたのかな〜?もうイッちゃいそうなのかな〜?」
「あ、ふぁ、うぁん!そ、そんなにギュって、握らないれぇ!」
「うふふ……あなたのおっぱい、軟らかいわね♪」
試しに一端縄を手から離し、隊長のおっぱいを鷲づかみしてみる。中々の大きさで弾力も申し分ない。これだけ反応すると言う事は……もうそろそろみたいね。
「ふふふ♪我慢しなくて良いのよぉ……?縄で身動き出来ないまま、気持ち良い事いっぱいされて、思いっきりイッちゃおうね?」
「ん、ふぁ、んひゃあん!んぁあ、うぁん!」
乳首を弄る尻尾の動きを激しくし、更におっぱいを揉む手にも力を入れてみる。よっぽど効いてるのか、隊長は縛られたまま快楽によって身悶えている。
「うふふ……良いわぁ、この光景♪裸の状態で縄で縛られた挙句にエッチな事をされて感じちゃう女の子……溜まんないわね♪」
「んぉ、んぁ!ら、らめぇぇ!き、きも、気持ち良いよぉ!ひゅあぁん!」
「あら、やっと素直になってきたのね……そうだわ!折角だから……えい!」
「んぁあん!く、食い込んでりゅぅ!縄が、締め付けてくりゅぅん!ひゃ、あん!」
私が指をクイッと動かすと、下半身の縄の部分が一気に締め付けてきた。太い縄が綺麗なお尻の割れ目に食い込んで更に美尻が強調され、おマンコに至っては肉弁やクリトリスを刺激されて絶頂を促されている。
「どう?縛られるのも素敵でしょ?」
「ふひゃん!は、はひぃぃ!こ、こんなの、耐えられないぃ!ふぁ、あふぁん!」
「我慢出来ないの?良いわよ♪恥じらいなんて捨てちゃってイッちゃいましょ♪」
もうすぐイッちゃいそうなのか、隊長の淫らな喘ぎ声が徐々に大きくなりつつある。此処が野外である事など忘れてしまったのか、快楽に支配されてる隊長の姿はもはや雌豚そのものだった。
「も、もうらめぇ!い、イッちゃうぅ!わらしぃ、縄でイかされちゃぅよぉ!」
「イッちゃって!緊縛されたまま……気持ちよくなっちゃえ!」
「らめぇ!も、もうイッっちゃうぅ!」
そして……縄で縛られてる教団の隊長は……!
「ひゃあああああああん!!」
滝のような愛液を噴射すると同時に、快楽に溺れた……。
あぁ……最高ね♪縄で縛られたまま絶頂する……ゾクゾクしちゃう♪
やっぱり、緊縛って最高♪
「ふぁ、あ……はぁ、はぁ……」
絶頂を迎えた隊長は身体の踏ん張りが効かなくなったのか、顔を赤らめたままその場で倒れこんだ。
「さて、もう大丈夫ね」
私が指をクイッと動かすと、隊長に巻かれてる縄が解かれて私の手元に戻った。
「……うん、中々可愛い耳と尻尾ね♪この狐火の魔力が込められた縄の力も健在みたいね♪」
魔物へと……狐憑きへと変わった隊長を見て我ながら満足感を感じた。狐の耳と尻尾が生えて、更におっぱいも少しだけ大きくなったようだ。
私の縄で縛られたまま性的に犯された人間の女はもれなく狐憑きに変わる。久々にやってみたけど、どうやら狐火の魔力は全く衰えてないようだ。
「さてと……一仕事終わった。でも……」
敵の親玉も魔物に変えたし、もうやるべき仕事は終わった……と思ったら大間違い!
「隠れてないで出てきたら?」
私が腰のピストルを咄嗟に抜いて物陰へと向けると、そこから剣を持った一人の男が徐に出てきた。
あの格好……どうやら敵の船の生き残りみたいね。
「あらあら……もしかして今まで覗き見してたの?悪い子ね……」
「だ、だ、黙れ!貴様、よくも隊長を!此処で仇を取ってやる!」
「……そんなのおっ勃てたまま言われても迫力無いわよ?」
「こ、これは……や、やかましい!」
男は剣を構えて凄んで見せたけど……ハッキリ言って大した事無さそう。オマケにさっきまでの隊長の淫らな行為を見ていたのか、ズボンの内の男棒は半勃起状態だし……。
「ま……待って……!」
すると、狐憑きと化した隊長が裸のままフラフラと立ち上がった。未だに快感が収まらないのか、どこか蕩けた表情で男を見つめている。
……いや、この表情……もしかして発情してる?なんか、生えたばかりの尻尾を振ってるし、口から涎が垂れてるし……。
「……ねぇ……これからずっと……私と一緒にいましょうよ……」
「な、何を言って……」
「私ね……あなたが好きなの……愛してるの……」
「な、な、な!?」
蕩けた表情のまま、隊長は男へとゆっくり歩み寄る。それに対して男はいきなり愛の告白をされて動揺を隠せないのか、思わず剣を手から滑り落としてしまった。
……あぁ、そう言う事ね。この子、前からこの男の事が……。
「この身体なら……あなたを喜ばせてあげられる気がするの。今ならあなたと結ばれそうな気がするの……」
「いや、あの、その……!」
「好きよ……大好き……今すぐエッチしたい……あなたのおちんちんが欲しい……」
「ちょ、ちょっと落ち着いて……」
魔物化した事により、込み上げられる愛情と性欲が抑えられなくなったのか、隊長は一歩一歩確実に男へと歩み寄る。対する男は一歩ずつ寄られると同時に後退するが……船の柵へと追い込まれて逃げ場が無くなった。
「もう……我慢出来ない!私のダーリン♥」
「ま、待て!やめtうぉわああああ!!」
そして隊長は……湧き上がる欲のままに男を襲い始めた。
「待ってんん!?」
「ん、ちゅ……んぅ……あぁ、大切なファーストキスをあなたに捧げれるなんて幸せ……♥」
「ん……ま、待てってば!落ち着けよ!」
「落ち着けないよぉ……♥これからあなたとセックスすると思うと、身体が熱くなっちゃうよぉ……♥」
「そう言いながら俺の服を脱がすの止めてくれぇ!」
「ダ〜メ♥あなたも裸になるの♥」
……どうやらこの場は問題無さそうね。そうと決まれば、早いとこずらかりますか♪
「お二人さ〜ん、お幸せにね〜♪」
淫猥な喘ぎ声を背に、私は撤退の準備を進めた……。
〜〜〜現在(キッド視点)〜〜〜
「……と言う訳で、教団の船に置いてあった食料や金品を根こそぎ頂いて、此処に来たの」
「えげつねぇな……」
「良いじゃん!その隊長もずっと前から好きだった男の兵士と結ばれたんだし、一件落着でしょ?」
「まぁそうだが、アンタは相変わらずの変態だな」
「変態って言うな!仮にも変態だとしても、変態と言う名の淑女よ!」
「どういう屁理屈だよ……」
先ほどまで起きていたであろうフェリスの調教……もとい変態プレイの話を聞いて半ば呆れるしかなかった。
こいつは昔からそういう女だった。縄を使った緊縛プレイが大好物で、強気な女を見るとすぐに縄で縛って魔物化したがる。
こういう特異な趣向の所為で、未だに夫が出来ないんだよな……。
「いや〜、久々にやってみたけど、やっぱり癖になっちゃうわね♪なんて言うか、こう……身動きできない相手を思うが儘に弄るとかゾクゾクするでしょ?」
「ねーよ!アンタだけだ!」
「ぶぅ……いいもん!誰に何を言われようとも、私は緊縛大好きだもん!緊縛最高〜!まさに神プレイ!」
「……ド変態が……」
魔物にだって様々な性癖があるのは分かってるが……こいつが興奮気味に緊縛なんて語ってくると思わずドン引きしてしまう。
別に緊縛自体は否定しないが……俺には理解し難い……。
「……まぁ、人間の女を魔物に変えるのは良いが、アンタもそろそろ伴侶を見つけたらどうだ?」
「うん、やっぱり夫は欲しいわね。出来れば私と趣向が合う人が良いな」
「……例えばどんなのが良いんだ?」
さり気なく聞いてみると、フェリスは目を輝かせながら夢中で話し始めた。
「そうね……縄で縛られて興奮してくれる人なんか良いわね!こう、裸の状態で両手両足を縛られて、おちんちんを足で踏まれて感じてくれる人とか最高ね!あと、欲を言うなら狐を心から愛してくれる人とか……あ、でも逆に私が縛られて弄られちゃうのも悪くないわね!こう、動けないのをいい事に色んなところをモミモミされたり、ペロペロされたり、挙句の果てにはズッコンバッコンなんて……キャー!私、まだ処女なのにどうしましょう♥」
「………………」
『狐が好きな人』はともかく、縄で縛られて興奮するとか……極僅かじゃねぇか。途中で話が脱線してるし……。
つーか、そんな人がいるとは……まぁ、いるかもしれねぇが……。
「……まぁ、万が一にもそんな男を見つけたら紹介してやるか」
「よろしくね〜♪」
フェリスは嬉しそうに狐の尻尾を左右に振った。
紹介すると聞いたこいつの反応……よっぽど男を欲しがってると思われる。自分と相性の合う男なんて一度も巡り会ってないんだろうな。
「あの、フェリスさん、これから私たちの船でお茶会を始めるので、宜しければご一緒にどうですか?」
と、今まで黙って俺とフェリスの会話を聞いてたサフィアが話しかけてきた。
「あら、良いわね!それじゃ、お邪魔しちゃおうかしら?」
「はい、キッドも構いませんよね?」
「ああ、大丈夫だ」
「それじゃあフェリスさん、行きましょう」
「ええ、ピュラらんも行こう!」
「うん!」
そしてフェリスはサフィアとピュラと一緒にブラック・モンスターへと進んで行った。
「やれやれ、とんでもない悪友を持っちまったな……」
そう呟きながら、俺はサフィアたちの背中を追うように徐にブラック・モンスターへと進んだ…………。
13/01/17 21:33更新 / シャークドン