妹馬鹿一代
昔から親父は俺の事なんてまるで無視して戦災や事故で両親を亡くした魔物娘を引き取って来ていた。 だからあの日もどうせ姉ちゃん達みたいに引き取ってきたんだ。また親父はこの子達に付きっ切りになるんだろうな、なんて暢気な事をボーっと考えてた。 なのにあの親父はホントにいつも通りのノリでに言った。 「今日からこの子達はお前の妹だ。俺は残念ながらコイツ達の女王の旦那になったんでな。もう帰ってこんからコイツ等、頼んだぞ」 訳が分からなかった。母さんが死んで数年経つけど、すぐに嫁を娶る親父の神経が。 だから俺はつい怒鳴ったんだ。 「親父はこいつ等手切れ金にして俺を捨てるんだな!? ならこんな奴等知らない。アンタなんか大嫌いだ!!」 親父はそんな俺を見てにやりと笑っていった。 「お前男だろう? なら何時までも俺なんて親の庇護にいなくてもやってけらぁ。お前には優秀な姉貴達がいるじゃねぇか。姉貴達と達者に暮らせよ? 妹達の事、頼んだぜ」 親父はとんでもない無茶苦茶を言って笑いながら、ホントに幸せそうに女王と言われた魔物と一緒に去って行った。 |
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