読切小説
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夏の日のお姉さん
少年が目を覚ますと、見覚えのない天井が視界に飛び込んできた。

(…あれ…?)

状況が呑み込めずにいると、寝ている頭上から声がした。

「あっ、気が付かれましたか?」

声の主の方を見るより早く、頭上から女性の顔が覗き込んできた。

(え…?)
「ぐったりしていたので、心配しましたよ」

少年は起き上がり、その姿を見た。


淡黄色の着物を着た、長い金髪の綺麗な女性が座っていた。
ただし、その頭には狐の耳が、その背には四本の尾が見える。
存在は知っていたが、少年が稲荷を見るのはこれが初めてだった。

(どうして…?)

見回すと、少年は和室の中央に敷かれた布団の上で寝ていたようだ。
状況が呑み込めず、少年は記憶を辿り始めた。











両親が旅行に出かけた、夏休みのある日。

意を決して、自転車で遠くまで旅をしてみようと思い立った。

遠くまで行ったところ、木々の生い茂った山に辿りついた。

いっそ登ってみようと、重いペダルを漕いで行った。

その途中で、暑さのせいか急に視界がふらついた。

これはいけないと、何とか自転車を降りて木陰に入った。

そのまま、眠ったのか、意識を失ったのか…











(この人が…助けてくれたんだ)

この稲荷が、暑さでダウンした自分をここに連れてきたのだろう。
合点がいった少年は、稲荷に頭を下げた。

「あ…ありがとうございます。危ないところでした」
「いえいえ、お気になさらず。狭い家ですが、少し休んでいって下さいね」
「は…はい」

どうやらここは、この稲荷の家であるらしい。

「お気分はいかがですか?」
「え? あ…もう、大丈夫です」
「それはそれは、安心しました」

冷房は見当たらないようだが、この部屋は良い具合に涼しい。
先程の眩暈はもう治っていた。

部屋を見回していると、稲荷が声をかけてきた。

「えっと、あなたはどちらから?」
「あ…三つ隣の…○○町からきました」
「まあ、随分遠いところからいらしたんですね。大変だったでしょう」
「い、いえ…自分で思いつきで出かけただけで…」

すると稲荷は、縁側に出られるのであろう障子に目をやった。
オレンジ色の光が、斜めに差し込んでいる。

「しかし困りましたね…そこまで遠いと、もう夕方ですから…帰るのは大変ですよ」
「あっ…」

長く寝ていたとはいえ、帰りのことを失念していた少年は戸惑う。
両親はしばらく帰ってこないため、迎えにきてもらうのも非現実的だ。
おまけにこの辺りには電車もなく、少年の所持金は乏しい。

「どう、しよう…」
「よろしければ、今晩はこちらに泊まっていきませんか?」
「え…いいん、ですか?」
「ええ。一人暮らしですし、気兼ねはいりませんよ?」

この状況では、その申し出がとてもありがたい。
しかし出会ったばかりの女性の家に泊まるのは、年頃の少年にとって勇気がいる。

「あ、あの…えっと…」
「お嫌ですか?」
「い、いやじゃ…ないです、けど…」

それでも、他にいい選択肢はない。
向こうから提案してくれているのだから、拒む必要もなさそうだ。

「お…お願いします」
「ええ。ゆっくりしていって下さいませ♪」

顔を赤らめながらの少年の返答を、稲荷はニコリと笑って受け入れる。

「それではお夕飯の支度をしますので、しばらくお待ちくださいね」
「は、はい」
「あ、お電話はそちらにございますので、親御さんへの連絡は…」
「あ…ありがとうございます」

稲荷は障子とは逆側のふすまから、廊下へと出ていった。



残された少年は、連絡を済ませると、改めて部屋を見渡した。
少年が女性の家に入るのは初めてのことである。

探してみたが、やはり冷房はない。
和室はふすまや障子を開けて涼をとるものだが、閉まっているのでそれでもない。
なのに、心地よい涼しさが保たれていた。

外の景色が気になった少年は、障子を開けてみた。
そこに広がっているのは、奥行き5mほどの日本庭園と、その先の塀。
稲荷は狭い家と称していたが、このような庭を見るに、立派な家だと推察される。

そして少年は、障子を開けているにも関わらず、涼しいままであることに気付いた。
外気に触れ、夕日が差し込んでいるはずなのに、妙に涼しい。
まるでこの家の敷地全体が、暑さから隔離されているかのようだ。

不思議に思っていると、廊下側のふすまの向こうから声がした。

「お夕飯の支度ができました」
「あ、はい」

障子を閉めた少年は部屋を出て、稲荷についていった。











台所や廊下は現代的な洋式で、どうやらあの一室のみが和風になっているらしい。

夕飯は油揚げがやたらと多いものの、文句のない内容である。


「そういえば、どうしてここってこんなに涼しいんですか?」
「結界を張っているんです。暑さ避けのために」
「結界!? す、すごいですね…」
「便利ですよ。魔物だからこそですね」

話をしながら、少年は稲荷の容姿に見とれていた。

綺麗な、整った顔立ち。
長く、美しい金髪。
柔らかそうな狐耳と尻尾。
そして、着物の上からも分かる、肉感的な身体。

そんな綺麗な女性の家に泊まらせてもらい、夕飯をご馳走になっている。
少年は、自分が興奮しているのが分かった。
そしてそれを稲荷に悟られないよう、必死で抑えつけている。



夕飯を終えて片付けを済ませると、稲荷は少年に声をかける。

「では、先に入浴を済ませてしまいますので、先程のお部屋でくつろいでいてください」
「え、あ、はい」

今から稲荷が入浴する。
稲荷が退室したあと、昂ぶる気持ちを抑えながら、少年は部屋に戻った。



(綺麗な…人だなぁ…)

部屋でぼうっとしながら、少年は稲荷の顔を思い浮かべていた。

そして、ついつい彼女が入浴している場面を妄想してしまう。
あの着物の下の身体が露わになって…

(…………)

年頃の少年なら、「見たい」と思っても何ら不自然ではない。

(…だ、ダメダメ。流石に、泊めてもらってる相手に…)

流石に覗きをして、恩を仇で返す様な真似はできない。
少年の理性はまだしっかりしており、煩悩を振り払うべく首を大きく振った。



しばらくすると、ふすまの外からまた声がした。

「入浴が済みましたので、よろしければどうぞ」
「あ、は、はい!」

少年が部屋を出ると、白襦袢姿の稲荷が立っていた。
首にタオルがまかれ、ホカホカと湯気を立てている。

その姿にもまた、少年は刺激されてしまった。


脱衣場まで行くと、浴衣らしきものがおいてあった。着替え代わりだろう。
浴衣も男女兼用で使えそうなデザインで、元々家にあったものと思われる。
しかしよく見れば、下着がない。

(まあ、流石に下着は置いてないよね…)

一人暮らしの稲荷の自宅に男性用下着があっても色々と困るのだが。


もしや五右衛門風呂かと思ったが、幸いにも浴室も現代風の造りだった。
入ると、まだ湯気の混じった温かく湿った空気を感じる。

(さ…さっきまで、ここで…お姉さんが…)

息を吸うと、どことなくシャンプーの香りもする。
母親ではない、年上の女性の香りというのも初めてだ。

身体を洗いながら、思わず股間に張り詰めたものを感じてしまう。

「う…うぅぅ…ダメだダメだ…」

泊めてもらっている人の家の浴室で情欲を発散するわけにもいかず、悶々としていた。

結局、少年は勃起が収まりきらないままに入浴を終え、浴衣を纏う。

(あ…だめだ、このまま出たらバレちゃう…)

ノーパン状態で股間の張りがバレてしまうため、脱衣場から出るには時間を要した。



部屋に戻ると、布団がきっちり整えられていた。

興奮冷めやらぬままに、少年は布団にもぐりこむ。
すると、ふすまの外からまた声がした。

「失礼いたします」
「え? あ、はーい」

白襦袢姿の稲荷が、部屋に入ってきた。
先程まで妄想していたことや、勃起してしまったこともあって少年は少し気まずい。

「もうお休みになられますか?」
「は、はい。もう夜も遅いですし…」
「そうですか。それで、なんですが…」

そう言うと稲荷は、少年の寝ている布団に歩み寄ってくる。

「どうしたんですか?」
「その…ですね、このお家、お客様をお泊めするのはこれが初めてで…」

稲荷は気恥ずかしそうに頬をかく。

「それで…お布団も、一組しか…置いていないんです」
「…………え?」
「もし、よろしければ…お隣、失礼していいですか?」
「ッ!?」

稲荷からの、まさかの添い寝の提案。
少年は慌てて、思わず飛び起きた。

「い、一緒に…ですか?」
「はい…えっと、駄目…ですか?」
「い、いえ! だっ…大丈夫です…」

少年は、自分の理性が持つかどうかが心配だった。



「…枕が変わると、眠れませんか?」
「えっと…は、はい。そう、みたいです…」

少年は稲荷に背を向ける形で、一緒の布団で寝ていた。
恥ずかしいのもあるが、自分が抑えられなくなりそうで怖かったからだ。

「それでは…よく眠れるように、私が。こちらを向いて頂けますか?」
「え…………は、はい…」

少年は、興奮を無理やり押さえつけて稲荷の方に向き直った。

顔が、近い。
近くで見ても、やっぱり美しい。

そのような人と、お互いの吐息が触れ合う距離で寝ている。
少年の顔は、ますます赤くなった。

「尻尾、触ってみますか? フカフカですよ」
「へっ? あ、あの…その…、は、はい」

おずおずと尻尾に触れてみると、確かに抜群の触り心地である。
抱き枕にでもすれば、すぐに眠れそうなほどだ。

「では…こうしてあげます」

すると稲荷は、向かい合ったまま尻尾で少年を包んだかと思うと、少年を抱きしめた。

「!?」
「良い子良い子して差し上げましょう。これで眠れそうですか?」

少年の呼吸が、稲荷の首元に直接かかるほどの位置。
少年の首元には、豊満な胸の感触をはっきりと感じられる。
眠れるどころか、興奮のあまり寝付けなくなりそうだ。

それでも、稲荷に頭や首元を撫でられ。
魔性の触り心地の尻尾に、四本がかりで包み込まれると。

全身から力が抜け、瞬く間に少年は深い眠りに落ちてしまった。



勃起しきった肉棒が、浴衣一枚のみを隔てて稲荷の身体に触れていることも気付かずに。











翌朝、少年が起きてみると、稲荷の姿はなかった。
温かさを感じる。一足先に起きて、朝食の支度でもしているのだろうか。

と、障子の外から水音が聞こえた。

「…あっ!?」

開けてみると、雨が降っていた。
結界のおかげか、ジメジメとした空気は感じないが、雨自体は庭にも降っている。

「どうしよう…これじゃ帰れない…」

すると、例のごとくふすまの外から声がした。

「もう起きられましたか?」
「あ、はい!」
「朝食の支度が整いましたので、どうぞ」
「はい」

少年は昨晩と同じく、部屋を開けて稲荷についていった。











朝食も、油揚げが前面に押し出されていることを除けば文句のない内容である。

「あの、雨が…」
「ええ。夕方まで止みそうにないようですよ」
「ど、どうしましょう…?」
「よろしければ、本日も泊まっていかれますか?」
「え…」

正直、少年としては嫌な提案ではない。
もう一日、彼女と過ごせるのだから。

「いいんですか?」
「こういう事情ですもの。遠慮なさらず、どうぞごゆっくり」
「あ…ありがとうございます」

少年の心配は、自分の理性がどれだけ保っていられるか、だった。











昼食も、ところどころに隠された油揚げに目を瞑れば、美味しい食事である。

「あっ、そういえば、ボクの自転車は…」
「ああ、それなら屋根のあるところに置いてありますから、大丈夫ですよ」
「そ、そうですか。ありがとうございます…」

少年は、この状況に少しずつ慣れ始めているのが自分でも不思議だった。



稲荷の事を考えて悶々としたり、庭を眺めてぼうっとしたりして、一日が過ぎていく。
雨の中の庭園も、これはこれで落ち着く。

そういえば塀の向こうに何も見えないようだが、この家は何処に建っているのか。
山頂か、あるいは山を越えた先なのか。町中にしても、建造物すら見えない。
もしかすると、これも結界のおかげなのだろうか。結界って便利だ。











夕食も、今度は無いかと思われたがやはり見つけた油揚げも含めて、美味しく頂いた。

「えっと…今晩は、あなたが先に入浴して頂いてもいいですか?」
「え?」
「少し、後片付けやお洗濯もありますし」
「あ、はい。わかりました」

稲荷の後の浴室に入れないことが、ほんのり残念に感じてしまう。
そんな自分に、少しだけ自己嫌悪してしまう少年だった。



しかし、おかげで勃起と戦わなくても済む。
浴室に入った少年は安心して、平穏に入浴を済ませられる…はずだった。

「失礼します」
「ッ!?」

浴室の扉の向こう側から声がした。

驚いて振り返ると、扉のすりガラス越しに、稲荷らしき影が見える。

「ど、どうかしましたか!?」
「いえ…よろしければ、お背中。流させて頂いてもよろしいでしょうか?」

稲荷が、自分の入っている浴室に入ろうとしている。
もちろん、自分は裸だ。
驚きと混乱で、少年は慌てふためいた。

「えっ、え…? えぇっ!? お姉さんが…!?」
「ああ、ご心配なく。バスタオルは巻いてあります」

それを聞いて一瞬だけ安心したが、最大の問題が解決していない。
バスタオル越しとは言え、そんな事をされれば間違いなくまた股間が反応してしまう。
稲荷にそれを気付かれるのは、年頃の少年にとって死活問題だ。

しかし、何故だかそれを断ろうという気持ちが浮き上がっては来ず。

「は…はい、どうぞ」
「では、失礼しますね」

バスタオルを巻いた稲荷を、浴室に招き入れてしまった。



「お背中、お流ししますね」
「は、はいっ」

稲荷に背中を洗ってもらいながら、少年は前屈みで、必死に両手で股間を押さえていた。
鏡越しにバスタオル姿の稲荷を見るだけで、勃起が止まってくれなくなる。
明らかに不自然な体勢ではあるが、これでも気付かれないための最大の抵抗だった。

そして稲荷は、少年がそんな不自然な体勢をしていることには一切言及しない。
少年は、どうやらバレてはいないらしいと安堵した。


「さてと…では私はこのまま、続き、入らせて頂きますね」
「あ、はい。じゃあ、ボクはこれで…」

少年は稲荷に背を向けながら、勃起を悟られないように横歩きで浴室を後にした。

そして下半身を壁で隠した状態で、浴室の扉を閉め…

(…………あっ…)

その瞬間、一瞬ながら、少年は見た。
稲荷がバスタオルを外し、その肢体が露わになるのを。
着物越し、襦袢越し、バスタオル越しに見ていた、肉感的な身体を。

見たと思われないうちに慌てて扉を閉めた少年は、急いで浴衣に着替える。
そしてそのまま、駆け足で部屋へと戻っていった。






(み…見ちゃっ、た…)

部屋に帰っても、少年は興奮を抑えきれなかった。

(綺麗な肌に、柔らかそうな尻尾に、それに…)

稲荷が浴室に入ってきてから、肉棒はガチガチになったまま戻らない。

(で…でも、駄目だよね…これ以上は…)

既に添い寝されたり、背中を流されたりしながらも。
まだ少年の理性は、情欲に流されることを必死に拒んでいた。

(…………そういえば、布団って一組だけで…)

そんな中、少年は気付いた。
恐らくはまた今日も、稲荷が添い寝をしに来るだろうことを。

(う…うぅぅー…)

耐えなくては。
自分に言い聞かせながら、少年は布団に入った。

無論、眠れるはずもない。



しばらくすると、昨晩と同じようにふすまの外から声がした。

「あの…今日も、よろしいでしょうか」
「は…はい…」

白襦袢姿の稲荷が、部屋に入ってくる。

また一晩耐えよう。
昨夜のように尻尾で包んでくれれば、すぐ眠れるはずだ。
そう思っていると、稲荷は布団の上に正座で座り込んだ。

「あの…」
「な、なんでしょうか?」
「お膝の上、来て頂けますか?」
「へっ…?」
「ここ、です」

少年は戸惑いながらも布団を出て、稲荷の膝の上に向かい合って座らされる。
恥ずかしさで、少年の顔は既に赤い。

稲荷が話しかける。

「あなたは、偉いですね」
「えっ?」
「こんなに遠くまで、一人で」
「い、いえ…」

稲荷の吐息が近い。
耳元で囁いているのだ。

少年は耳まで真っ赤になる。

「ご飯に全部油揚げが入っていても、美味しく召し上がっていただきました」
「それはその…お、美味しかったですし」
「ありがとうございます。そして何より、あなたは…」

稲荷の吐息が、更に耳元近くなった。



「ずぅっと、我慢していますね」
「!? な、なにを…」
「ほら…今でも…」

少年は、薄い浴衣越しに、自身の肉棒の勃起をはっきりと見ることができた。
外から見て、分かるということは…

「こ…これは…っ」
「私がお風呂に入っているときも…お休みになるときも…先ほども」

全部、バレていた。
少年は入浴時以上に全身に熱を感じた。

「そ、その…」
「それなのに、ずっと我慢して。偉いですね」
「え、偉く…なんて…」

「だからもう…我慢、しなくていいですよ」
「…………へっ?」

稲荷の突然の言葉に、思考が停止する。

「これまで耐えてきたんですもの。もう充分ですよ。だから…」

稲荷の額が、少年の額にくっつく。



「何を、しても、いいんです」
「…………ッ!?」

驚きすぎて、もはや言葉が出ない。
彼女は一体、何と言ったのか。
「何をしてもいい」? それはつまり…


「もう…なにも、我慢なんて、しなくていいんですよ」

「あなたの欲望…興奮…すべて、ぶつけてください」

「私、すべて…何でも、受け入れますよ」

「さぁ…なんでも、してください」






その言葉は、少年の理性を打ち破るのは充分だった。

「お姉…さんっ!」

少年は衝動的に妖狐の押し倒してその唇を奪い、豊かな胸を掴んだ。

「ん、んむっ…♪」
「んぅぅぅ…っ!」

そのまま襦袢をはだけさせ、豊かな乳房が露わになる。

「あ…あぁぁ…っ!」

そしてその柔らかな乳房に、顔をうずめる。

「んっ…♪」
「んふぅーっ、んふぅーっ…!」

勃起のあまり浴衣から飛び出したガチガチの肉棒を、稲荷の眼前に見せつける。

「まぁ…こんなに…♪」
「お姉さん…っ!」
「お慰め、しましょうか…?」
「はい…っ」


すると稲荷はその肉棒を自らの乳房で挟み、先端部分を口で咥え込んだ。

(お姉さんが…ボクの…っ!)
「ちゅぷ…ちゅばっ…ろう…れふか…?」
「気持ちい…いっ、です!」

何度もガチガチになりながらも、これまで抑えられてきた肉棒。
それが、柔らかな乳房と、ねっとりとした舌の愛撫に突如として曝される。

(おっぱい、やわらかくてっ…おくち、きもちよくてっ…!)
「むちゅっ…ちゅぶっ…♪」

溜め込んでいたモノが噴き出すのに、時間はかからなかった。

「あっ、お姉さっ、ボク、もうっ、イッ…!」
「いい…れふよぉっ、んちゅっ…くひの、なかに…らひてくらはい…♪」
「あっ…あぁぁぁぁぁぁぁっ♪」



どびゅっ、どびゅるるるっ♪


溜め込まれていた精液が、稲荷の口の中に撃ち込まれる。
そして稲荷はそれを、美味しそうに飲み干していく。

「んっ、んぐっ…♪」
「あっ、あぁぁぁ…♪」

少年が肉棒を口から話すと、稲荷は口を開けて、まだ残っている精液を見せつける。

「ろう、れふかぁ…? こんなに、こくて、いっぱい…♪」
「あぁぁ…♪」
「んぐっ…♪ よく…できました…えらいこ、ですね…♪」

あの稲荷のお姉さんが、自分の精液を口に含んで飲んでいる。
その光景に、射精したばかりの肉棒は元の、それ以上の固さを取り戻した。


それを見た稲荷は、襦袢の帯を解き、完全に床に広げる。
少年がまだ見たことのない、女性の秘所が、目の前にあった。

「さぁ…なにをしてもいいんですよ…がまんしなくて、いいんですよ…♪」
「お姉…さん…っ!」

少年はふたたび稲荷に覆い被さり、その肉棒を秘所にあてがう。

「ぜんぶ…うけとめてあげますからね…♪」
「いっ…いき…ます…っ!」

少年は、ゆっくりと腰を進めていった。



ズブズブという水音が部屋に響き、肉棒はゆっくりと稲荷の膣へと沈み込んでいく。

「すごい…おおきい、です…っ♪」
「あ…うあぁぁぁ…♪」

既に愛液で湿った膣は、少年の肉棒を柔らかな肉で包みこみ、迎え入れた。

「さぁ…どうぞ…♪」
「あぁぁぁっ♪」

初めてのセックス。
こんなに綺麗な人と。考え得る以上に最高の形で。
タガの外れた少年は、夢中で腰を振り始めた。

「童貞…んっ、卒業…あっ♪ おめでとう、ございま…んぅっ♪」
「あっ、あぁぁぁ♪ お姉さん、お姉さぁんっ!」

何度も激しく腰を打ち付けられながらも、稲荷の口調はまだ穏やかさを残している。
少年の方は、言葉にならない喘ぎと、うわごとのような言葉しか出てこない。

少年は稲荷に抱きつき、その乳房にまた顔をうずめる。
激しくピストンされる肉棒を、稲荷の膣肉は優しく、しかししっかりと包み込む。

「あっ、あぁっ、ボクまたっ、もうっ…イキそう…ですぅっ…♪」
「いいですよ…っ♪ 全部受け止めますから…ぁっ♪ 私の中に…出して…くださ…っ♪」

少年の腰が、痙攣と見紛うほどに速いピストンを始める。
バチュバチュという水音の激しさと共に、もう絶頂が近いことを悟る。

「あぁっ、あぁぁぁっ出るっ出るぅぅぅぅぅっ♪」

少年の腰が、一際深く打ち付けられた。



ごびゅるっ、ごびゅるるるるるぅっ♪

どぶっ、どびゅるるっ♪




「はっ、あぁっ、あぁぁあぁああぁっ♪」
「あぁぁっ♪ でて…いっぱい…でてますぅ…っ♪」

二回目とは思えない大量の精液が、稲荷の子宮内に激しく注ぎ込まれていく。
少年は快感のあまり、全身を震わせた。


だが、それでもまだ、少年の肉棒からは固さが失われていなかった。

「お姉さんっ…ボク…まだ…っ!」
「ええ…♪ なんどでも、なんどでも、なんどでも…うけとめてあげますからね…っ♪」

それを聞くや否や、少年は再び激しいピストンを再開した。
ビチャビチャという水音が、再び脳髄まで響く。


「んっ…♪ すごい、です…っ♪ もう、こんなにかたい…ぁっ♪」
「あうっ、あぁぁっ♪ きもちいっ、きもちいぃぃっ♪」

まだ言葉を紡げる稲荷に対し、またも少年は獣同然になる。


ふいに少年の肉棒のカリが、稲荷の膣内の一点を強く掻いた。
すると。

「ぅあぁんっ♪」
「…………ッ!」

さっきまでまだ冷静だった稲荷が、突然大きな嬌声を上げた。
ピンポイントに性感帯にヒットし、言葉を紡げないほどの快感。

これが、稲荷の本気の喘ぎ声。
この声を、もっと聴きたい。

少年は、その一点を重点的に責めるように、ピストンを強めた。

「あっ♪ あっやぁっ、そこはっ♪ あっあぁっ、はうぅぅん♪」
「お姉さんっ…! あぁっ、あぅぁぁっ♪」

先程までの余裕はなくなり、稲荷は首を激しく振りながら感じている。

幾度も絶頂し、そのたびに膣肉がキュッキュッと肉棒に柔らかな圧力をかける。
少年もまた、三度目の絶頂を迎えようとしていた。

「ボクまたっ♪ でるっ、お姉さんっ♪」
「あぅんっ♪ ぜんぶっ、ふあっ♪ だしてっ、くださいっ♪ わたしのっ、なかにぃっ♪」

肉棒も膣もビクビクと激しく震えだした。
バチュバチュとした水音が部屋中に響き、一瞬たりとも途絶えない。

「だいすきですぅっ、あなたのことっ、だいしゅきですぅっ、うぅぅん♪」
「ボクもっ♪ だいしゅきですっ、お姉さぁぁぁぁんっ♪」


今度はピストンを止めないまま、何度も何度も射精する。



ごびゅっ、ごびゅるるるるるぅっ♪

 びゅくっ、びゅるるっ、びゅるるるるるるぅっ♪


どぶぶぶぅっ、どびゅるるるるるっ♪

 どびゅどびゅどびゅっ、どびゅっ、どびゅぅぅっ♪


ごぶぶぶぶるっ、どびゅぅっ、びゅるるるぅぅっ♪

 びちゃっ、びちゃああああぁぁっ♪













数え切れないほどの射精の後、少年は稲荷の体に突っ伏した。

子宮に収まりきらない精液が、結合部どころか下腹部や太ももまで白く汚している。

「だいしゅきぃ…だいしゅきぃぃぃ…♪」
「だいしゅきですぅ…♪」

もはや二人とも脳みそが蕩けきってしまった。
二人は抱き合ったまま、気を失ったのか、眠ったのか、そのまま意識を手放した。











翌朝目覚めると、少年は一人で布団の中に寝ていた。

(…………あれは…もしかして…夢…?)

そう思ってしまう程に、何事もなかったかのように部屋も、自身の衣類も整っている。

しかし、大量に射精をしたあの感覚。
リアルな感覚ながら、夢精をした感触もない。
やはり現実だったのだろうか?


また、ふすまの外から声がする。

「目を覚まされましたか?」
「は、はい」

ふすまを開けたときの、稲荷の表情。
まだ恍惚として、熱が冷めやらぬ、蕩けが残った表情。
それを見て、確信した。

「ゆ、ゆうべのことは…」
「…………ええ♪」











やっぱり油揚げが全力で主張してくる朝食を食べ終え、少年は一息つく。

着てきた服はきちんと洗濯され、乾かされて部屋に置いてあった。
帰りの時間も考えれば、そろそろ帰らなくてはならない。

「あの…ボク」
「ええ。もう、戻られるのですね」

昨日のことでようやく、稲荷と本当に仲良くなれた。
仲良くなれたどころではない気がするが、やはりどこか名残惜しい。



「あの…また、来ても…いいですか?」
「…………えぇ♪」

いつの間にか尾が六本に増えていた稲荷はニコリと、嬉しそうに笑みを浮かべた。



帰りの道順も教えてもらい、少年は自転車にまたがる。

「いつかまた、会える時まで…」
「ええ。いつまでも、お待ちしておりますからね」

少年は見送る稲荷に何度も振り返りながら、帰路についた。











数日後。

少年の自室に突然、扉のようなものが現れた。
恐る恐る開いてみると、そこは見覚えのある和室だった。

そしてそこに立っているのは、六本の尾の…

「色々と頑張って…空間を繋げてしまいました♪」






こうして少年の食事は、三食とも油揚げ入りになったという。
16/08/30 04:36更新 / 第四アルカ騎士団

■作者メッセージ
「稲荷さんに介抱してもらいながら甘々に甘えたい」
そんな唐突な妄想が構想期間1ヵ月を経て形に。
何とか8月に間に合いました。

SSに一時的に復帰したのも、これを書くためのリハビリであるとかないとか。

ハード凌辱も背徳系も甘々も何でもおねショタにすればいける!
それが私の信条です。

ちなみに稲荷さんは我慢できたので褒めてくれていますが。
我慢できずに襲ってしまっても、結局のところ甘々に受け止めるつもりでした。
破瓜描写はないですが、男性経験はありません。
多分一人遊びのせいでしょう。尾の数は元々の魔力の高さ故だと思われます。

結局のところ、最初からこうなるつもりだったのでしょうか?
※実は布団はもう一組あります
※稲荷の魔力で局地的に雨を降らすこともできます
※そうしようと思えば下着を用意することもできました
※それどころか頑張れば家まで転送させてあげられます
ここまで言えば、分かりますよね?

それではまた。
皆さんに、豊かな妄想力のあらんことを。

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