連載小説
[TOP][目次]
授業も始まってない休日の過ごし方-正午と午後-
クロード工房にて

「武器、高かったなぁ・・・」

「でも新入生価格でまけてもらえてよかったね・・・」

「レンタルでも結構するもんだな・・・」

新入生で、かつ作りたての武器ということで通常の値段よりもかなり安くしてもらったのだが、それでも充分に高かった。

「さて、お金がもうほとんど残ってないわけだが・・・昼飯どうすっかな・・・」

「一度寮に戻ろうか?」

俺はお金は生活費として両親から送ってもらった分があるため、寮にはまだ残っている。リティもおそらく同じだろう。

「じゃあそうすっかな、転移陣に行くか」

「あ、オレはそのまま飯行くわ。二人で仲良く寮に帰りな〜」ニシシシ

「っ!!」カオマッカ

シューゼンは先に行ってしまった。一緒に飯食ったっていいだろうによ・・・。

「じゃあ行くかリティ・・・なんで顔赤いんだ?」

「べべ別になんでもないよ!早く行こうっ!」

「お、おう・・・?」

ゆっくりと転移陣へ向かって・・・ちょっとちょっとリティさん足速いです待って・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


寮に戻った俺はお金をある程度持ち出して外に出ようとするとルークたちと出会した。

「おう!朝はえーなセイン!」

「もう昼だぞルーク・・・」

「休みの日は昼まで寝るのが常識だろっ!」

「そんなこと聞いたことねえよ・・・」

こいつの休日の過ごし方は遊ぶか寝るかの二択しかない。昔っからそうだ。

「それじゃあ一緒に朝飯行こうぜ!」

「昼飯な・・・あ、リティも一緒になるけどいいか?」

「何ぃ!?・・・・お前、俺と会わなかったら二人で飯食うつもりだったのか?」

「まあ、そうなるな」

「てめぇ・・・女と二人で食事だと・・・!?・・・・抜け駆けしやがってぇぇぇええ!!」

なんでキレてんだよこいつは・・・。別にリティとはまだ友達なわけだし。

「許せん!そーと分かったらぜってぇお前と飯食うからな!!!」

「はいはい・・・」




「よーおまたせー・・・・ってあれ?どちらさん?」

ルークの後ろから声をかけられた。
髪は茶髪で眼鏡をかけており、背は俺たち二人よりも高い男だ。

「おうウェイク。こいつが昨日言ってたセインだ。昨日入学したばっかでもう女とできてやがる!」

「昨日ナンパに出かけてた男のセリフじゃあねぇ〜な〜ww」

「そ、それは言うなよっ・・・」

そういえば昨日ナンパに出かけてたなルーク。どうだったのか、聞くまでもなさそうだ・・・・

「俺ァ『ウェイク・ファインツ』。ルークの部屋メンだ。君がセインだろ?話は聞いてるぜ」

「そうか、よろしくな」

「ルークと一緒に飯に行くつもりだったんだが、一緒に食うよな?」

「それがな?こいつ女と二人で飯に行くんだってよ!?」

「へぇ〜、やるなぁ」ニヤニヤ

俺が何をしてるってんだよ。

「じゃあ邪魔しちゃ悪いんでね?」

「い〜や!俺は全力で阻止するぜ!二日で彼女とかありえねえ!」

「やれやれ・・・セインはどうする?」

「どうするって・・・俺は別に構わないよ。大体リティは友達だしな」

「ほう?」

リティだって俺のことはまだ親しくなったばかりの男友達としか思ってないだろ。昔どこかで会ったらしいが・・・

「ん〜。ま、とりあえずそのリティってのと合流してから決めるかね」

「うぎぎぎぎ・・・」

なんかルークが全力で睨んでるのをスルーしつつ、俺たちはリティと合流することにした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「遅いぞ!お前たち!」




待ち合わせ場所の学食の転移陣前で開口一番に発したのは・・・
まさかのレーヴァ。なんでいるんだ。


「ごめんねセイン・・・。部屋に戻ったらレーヴァたちが一緒にご飯食べようって・・・」

リティもどうやら俺と似たような状況だったらしい。

「おおお?どれが噂のセイン君なのかな〜?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

なにやら新顔が二人ほどいるんだけど・・・

「うぉぉぉおお!!女子!女性!女の子と食事!それも多数!」

「うるさいぞルーク。ドン引かれても知らんぞ」

すでに手遅れな気がするが。

「ふむ、なにやら人数が増えてきたようだな!それじゃあ学食で新たに自己紹介をしつつ食事にしようじゃないか!!」

レーヴァ嬉しそうだな・・・。
ああ、昨日満足に自己紹介できなかったもんな・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


これでリントとシューゼンもいれば完璧だな〜とか思ってると・・・




「あれ?みなさんお揃いで」

「なんか人数超増えてる・・・・」


いるもんだな・・・
二人が仲良くお店に張り出されてるメニュー見てた。

「なんだ、お前ら知り合いだったのか?」

「いや〜、オレが転移陣まで行こと思ったら道に迷っちゃってね〜」

「そのとき僕と会いまして・・・ちょうど学食でお昼にしようと思ってましたので一緒にきたわけです」

「なるほどな」

「しかし、なんでこんなに増えちゃってるわけ?」

「なんでって言われても・・・まあみんなで食ったほうがうまいだろ」


(せっかく気ィ使って二人きりにしたはずなんだけどな・・・)
(せっかく気を使って二人きりにしたはずなんですけどね・・・)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


昼飯をみんながそれぞれ注文し席についたので

「それじゃ自己紹介するぞ!自己紹介!」

レーヴァがかなり張り切ってる。どんだけ話したかったんだよ・・・



「それじゃあボクから行くぞ!」

と真っ先に名乗りだしたのはワーウルフの彼女。尻尾をブンブン振っている。

「ボクは『ポーチル・フレンダース』だぞ!ボーケンシャになってギルドに入れるようにこの学園に来たのだ〜!ボクの家は大家族だからギルドに入ってお金を稼いでみんなを楽にしてあげるのがボクの夢なんだ!」

「めっちゃええ子やん・・・」

シューゼンが思わず言葉をもらしていた。

「へへへ・・・そう言われると照れるぞっ!///
リティとレーヴァたちとは昨日お風呂で会ったぞ!はしゃいで転んじゃったボクにレーヴァが手を出して起こしてくれてとても優しかったぞ!みんなで入ったお風呂、楽しかったな〜♪」

風呂・・・ああ、そういえばこの学園温泉があったな。
学生はみんな利用できるみたいだから、機会があったら俺も行ってみるか。

「騎士たるもの、人を助けることは当然のことだからな」

「まあレーヴァの目の前で転んでたもんね・・・」

それだと逆に手を差し出さない方がひどいな。

「何、目の前で転んでなくても起こしていたさ!それじゃあ次は・・・ポーチルの隣から順番に言っていくか」

隣というと・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

さっきから無言のこの子か・・・初顔合わせてから一言も喋ってないな。

「さあ!自己紹介をしてくれ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あ、あのー、自己紹介・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「(;ω;)」

レーヴァ、ドンマイ・・・





「そいつは『シルフィス・ルイン』、マンティスだからほぼ喋んねーと思うぞ」

沈黙が続いてると、ウェイクがやれやれといった風に話し始めた。

「ウェイク、知り合いなのか?」

「知り合いも何も、シルフィスと俺は幼馴染だからな」

「ええ!?そうなのか!おんなじ部屋だけど名前以外知らなかったぞ!」

ポーチル、いいのかそれで。

「昔から世話の焼ける奴でな・・・喋らなくてもいいから意思疎通はちゃんとしろって言い続けてたんだが・・・・・まあいい奴だからみんな仲良くしてやってくれ」

「・・・・・・」

ウェイクが話している時、シルフィスはウェイクの方をちゃんと見てた。
声が聞こえないってわけじゃなさそうだ。

「たぶん、入学したてで色々不安だったんだろ。ポーチル、シルフィスのことよろしくな」

「了解したぞっ!ボクも仲良くしたいな!」

「・・・・・・・・・・・・」

「改めてよろしくだぞ!シルフィス!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」コクッ

おお!頷いた!頷いたぞ!
なんでか分からんけどすげえ!なんか感動した!


「ほっ・・・よし、次だ!」

めげずに仕切るレーヴァさんマジパネェっす。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


話しながらの食事だったので、みんなが紹介をし終わる頃には大体みんな食べ終わっていた。
いや、まだ一人紹介が残ってたか・・・

「それじゃみんな食べ終わってるしそろそr「まだお前が残っているだろう!」

「・・・ですよねー」

シューゼンが最後だったのだが、昨日のこともあった手前、切り出しづらいのだろう。一番警戒してるのはおそらく・・・

「えーと、オレはスオウ シュウゼンです。みんなよろしk「待て」


「スオウ・・・シューゼン、だと?お前がか?」

ほらきた。レーヴァがシューゼンの言葉を遮ってつっかかってきた。

「あ、えーともしかして昨日クラスにいましたよね〜ごめんなさいあれは違んですはい昔魔物に襲われたトラウマ的なのがありましてそれで思わず言っちゃっただけといいますでしょかなんとゆk」

「そんなことはどうでもいい・・・」


「・・・・へ?(・□・;)」







「スオウ シューゼン!私と勝負しろ!!!」












「はいぃ!!???」


「うむ、いい返事だ!それでは」

「違っ!返事したわけじゃなくて!なんで!?なんでオレがキミと勝負しなきゃなんないの!??」


「騎士が武人に勝負を挑むことに理由はない!」

「そこはちゃんと理由ー持とーよ!!?オレ別に武人なんかじゃないし!!」

「?何を言っている」

「それはこっちのセリフなんですけど!?」


「『死にたくなければ近づくな』言ってたな?ということは・・・





相手を追い詰めるほどの力を持った強い人ということだろう!!」


「違ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?(゚Д゚;)」

「違うかどうかはやってみれば分かる!さあ!私と勝負だ!!」

「やらないからね!?オレ絶対やらないからね!??」




「え、戦って、くれないのか・・・?(´・ω・`)」

「ぐ・・・そんな顔したってダメ!てか無理!てか誰かなんとか言って!?」


















「(´;ω;`)グスン・・・」

「ちょ、ちょっとくらい戦ってあげてもいいんじゃない・・・?」涙目のレーヴァをなだめつつそう言うリティ

「そうだぞ!ボクもちょっと見てみたいぞ!」はやしたてるポーチル

「そうだぜぇぇ!女の子の誘いを断るなんて許すまじぃぃ!!」別のところにキレてるルーク

「・・・・怪我したら保健室には連れて行きますよ」苦笑い気味のリント

「・・・腹くくるしかないんじゃね?」他人事のように笑うウェイク







「わぁぁぁぁぁぁん!敵増えたぁぁぁぁん!?(((゜Д゜;)))」

みんなレーヴァ側についた。

「セイン!セインも何か言ってくれ!」

・・・・・はっ!展開が唐突すぎて思考がちょっと停止してたわ!
・・・どうするかな。俺もちょっと見てみたいんだけど、流石に可哀想だ。
シューゼンが。・・・・・・・・あ、そうだ。

「・・・・あー、シューゼン確か武器今使えないんじゃなかったっけ?」

クロード工房にいたときそんなことを言ってた気がする。確か。

「え?そうなのか(つω;)」グシグシ

「あ、ああそなんだよ!今自分の武器使えなくってさー!」
















「あれ?でも今日剣貸してもらってたよね?」

「オーゥマイゴッッ!!!!(゚o゚;;)」

リティィィィ!それいっちゃらめぇぇぇぇぇぇwwww!
・・・・まあ仕方ないねww。

「・・・・」ポンッ ←無言で肩に手を置く音

「打つ手なしっすかー・・・・そっスかー・・・・」

許せ。俺は最大限のアシストはしたつもりだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・セイン、お金ここに置いとくな?」

「え?」












「御馳走様でしたッッ!」ダダッタタタタタタ・・・・・←ダッシュで逃げる足音











あ、逃げた。

「ふぇ?ちょ、ちょっと!待って!待ってくれぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ!」
タタタタタタタタタタ・・・・

レーヴァも続いて出て行った。
・・・・・あ、レーヴァお金置いてってねぇ。

「大丈夫かな、あれ・・・・」

「大丈夫じゃないか?まあ捕まらなくてもどうせ授業で会うだろ・・・


クラス一緒なんだしあの二人」
つまり、シューゼンはどうあがいても詰んでるわけだ・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



さて、午後はどうするかと提案すると

「街に行ってみたらいいんじゃね?」

とウェイクが言ってくれたので街に行くことに。











「確か、外出許可証がいるんだっけか?」

「転移陣のすぐ近くの管理人室に管理人さんがいるそうですから、そこで言えばいいらしいですよ?」

あ、結構簡単なのね・・・

というわけで管理人室へ。

「すみませーん、外に行きたいんですけどー」

「はいはーい」

管理人室から出てきたのは、なんともまあ、小さい女の子。

「えーと、あなたが、管理人さん?」

「はい、そうですよ♪魔女の『ウィクト・サンデリカ』っていいますよ。
どうぞよろしくですよ新入生さん♪」

「は、はい、よろしくお願いします・・・」

こんなちっちゃい子が管理人なんてな・・・大丈夫だろうか

「あ、心配そうな顔してますよ?失礼しちゃうですよ!こう見えてもあなたたちよりは年上なんですよ?」

まじすか・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「はい、これでOKですよ♪」

それぞれの名前と学年、それと行く場所、帰宅時間を伝えるだけで手続きはすぐに終わった。

「そうそう帰宅時間は守ってくれないと、捜索隊が出ちゃうかもですよ。
だから時間厳守でお願いしますよ?」

「はい、分かりました」

「もし遅れそうなときは誰かがここに伝えにくるようにしてくださいよ」

「了解です」


「それじゃあ、いってらっしゃいですよ♪」





というわけでやってきました!

学園近くにある街の一つ、『ランベリー』

ここは植物がよく育つ場所につくられた街で、草花や果物などを多く扱っている。
なのでいつも花のいい香りが街中漂っており、「花香る癒しの街」とも呼ばれている。
近くの森にはアルラウネやハニービーなどの森の魔物も住み着いているとか。

「さて、どこに行こうか・・・」

「適当に見て回る感じでいいんじゃないですか?初めて来た街なんですし」

「みんな同じ店に回っても、この人数じゃちょっとアレだねぇ」

「じゃあチーム分けすっか」

「どう分けるんだ?」

「そりゃ決まってるだろ・・・」



 じゃーんけーん・・・・
















というわけで、俺とリティ、ルークとポーチルとリント、ウェイクとシルフィスで別れることに。
・・・・・・リントとウェイクがニヤニヤしてたあたり、なんか作為的なものが感じられたのは気にしないでおこう。




「街をぶらつくってのもいいもんだな、わくわくする」

「ふふっ、そうだね」

リティも新しい街を歩くのは楽しいようだ。

(・・・二人っきりで街を歩けると思わなかったなぁ・・・ふふ///)









しかし色々あるもんだ。学園内では実用品が揃っていたけれど、街独特の品々や特産品が目白押しだ。

「しかし流石花香る街。いろんな植物があるな。・・・・・ん?」

「どうしたの?」

「いや、なんか懐かしい香りが・・・・・ここは?」

昔どこかで嗅いだような匂いがしたので止まってみると、そこは小さな花屋の目の前。そこにあるのは青い花びらを持った小さな花。

この花・・・一度どこかで・・・



「いらっしゃい。何かお探しですか?」



奥からアルラウネの店員さんが出てきた。

「あ、いえ。この花が気になって・・・」

「ああ、この花はね、フェアギスマインニヒトっていうの」

「フェアギス、マインニヒト・・・?」

「ええ、ジパングでは名前が違うみたいだけど・・・なんだったかしら?」


「私、このお花大好きです・・・。この時期私の故郷でも咲いてるんです」

「あら?そうなの?それはいいわね」

「はい、それに・・・・・・・・昔、この花をプレゼントされたことがあって・・・」

「へぇ、素敵じゃない♪」


花をプレゼントか・・・定番だけど貰ったら嬉しいよな。
リティと店員さんも話が盛り上がってるみたいだ。

「じゃあお一ついかが?」

「いえ、今はちょっと・・・」

「あら?どうして?」

「同じ部屋の子と相談しないといけませんし・・・」

「同じ部屋・・・?ああ、あなたたちベルトニカの学生さんね?」

「はい、そうです」

「そっか・・・じゃあいつでもこの店にこれるわね♪次来るときはお花買っていって頂戴な」

「分かりました!ありがとうございます!」


「じゃあお花の代わりに、こういうのはどうかしら?」

そういって見せられたのは、花を象った髪飾りのようだった。

「このお店は置いてあるお花に合わせてこういうのも売ってるの。いいでしょう?」

なるほど、いいアイデアだなぁ。
花はずっと残るとは限らないから、形に残るものも一緒に置いてあるわけだ。

あ、そうだ・・・

「じゃあさっきの花の髪飾りってあります?」

「もちろんあるわよ? ・・・・・はい、これ♪」

渡されたのは銀色で縁取られた青い花の髪飾り。

「じゃあこれください」

「お買い上げありがとう。誰かの贈り物かしら?」

「はい。  リティ」


「ふぇ?」



「これ今日この店に来た記念ってことで、リティにあげるよ」

「えぇ!? ・・・・いいの?」

「ああ。いらないなら別に構わないけど・・・」

「いる!絶対いる!」

「お、おう、よかった」

「ありがとう・・・・・・・・ありがとう!」ギュ

リティはお礼をいいながら、髪飾りをギュッと握り締めた。
その花には、きっと深い思い入れがあるんだろうな・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



いろんな店を見て回ったが、特に買うものもなかったので、あの髪飾り以外には何も買わなかった。果物とか花とか、今買ってもしょうがないしな。


そんなこんなでもう帰る時間。

「それじゃ、みんなと合流して帰ろっか」

「うん・・・」






「よう、楽しんできたか」

まず先にいたのはウェイク・・・とシルフィス。

「お、意外と早いな」

「まあこいつは花とかには興味ないからな・・・果物とか食べてまわってたよ」

マンティスは生きること以外にはあまり興味を示さないと聞く。
確かに食べ物はともかく、花にはあんまり関心がなさそうだ。





「みんなー!ただいまだぞー!」

「いや〜、あれうまかったなぁ!花の香りがするアイスなんて初めて食ったぜ!」

「ええ、とても美味しかったですね!」


ルーク、リント、ポーチル組も帰って来た。十分満足した様子だ。


「よーし、みんな揃ったし、学園に帰るぞー」

「「おー!」」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










「待てぇぇぇぇええぇぇぇぇえええええぇぇぇぇぇえぇえぇ!!!!」


「だから嫌だって言ってるでしょぉぉぉぉよおおおお!!!」









「え・・ぐへあらばっ!!?」


「セ、セインーーーーーーー!!?」




転移陣から出てきて真っ先に目に映ったのは迫り来る女性。そして後方から聞こえる今日知り合った友人の声。



 ・・・結論から言うと、人っぽいものにはねられました。



どうやらあの二人の追いかけっこの間に挟まれたようです。
あれからずっと走り続けてたのか・・・・すごいね、全く



一瞬で理解できた俺すげえとか思いつつ、心配そうに見つめるリティの顔を最後に、俺の思考と視界はそこで途切れました・・・








目が覚めたのは次の日の昼過ぎ。
一応安静ってことで自室待機。

すっかり読み忘れてた入学式の山積みの冊子を読んで、二日目の休み一日を使い、俺の二日間の休みは終わりましたとさ・・・



12/09/11 23:58更新 / 群青さん
戻る 次へ

■作者メッセージ
休日回後編です。
キャラ出し回その2になりましたかね

今のところまだ男の比率が多いっすねー・・・
もっと魔物娘ポンポン出していきたいなぁ
でもよく考えてから出さないとその場のキャラになっちゃうしなぁ・・・


おおまかな話の筋はできてるんですけど、そこに行き着くまでの展開は文章におこすまでノープランなんで時間かかっちゃいますね。


他の作者さんたちはどうやって物語作っているんだろうか・・・。
自分で小説を書き始めて考えるようになった一つでもあります。

さて、次はいよいよ授業開始となります!お楽しみに!

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33