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後編 |
「
薄汚いローブで身を隠したご主人様の尻を掴み、自身を突き込む度、薄暗い路地裏に嬌声が響く。 後ろから見たご主人様の肉体は、非常に甘美な御馳走に見えた。臀部の割れ目からは美しい肛門が惜しげもなく曝され、その下の甘い隙間からは絶えず肉汁が溢れ出ていた。ローブから覗く血色の好い肉体全てからは、ご主人様の汗が染み出して、僕の鼻から頭の中をくらくらと魅了する。 「ご主人様……出ます……っ♥」 「いいよ、来て♥ 一滴残さず出し切りなさい♥」 ご主人様の身体に抱き付き、腰を深く落とし込む。陰茎の先で、ご主人様の子宮口を捉え、膣内に激情を解き放った。 どくんどくんと脈打ち、注ぎ切った余韻に浸る。ご主人様も豊満な体を震わせ、舌舐め擦りをした。楽しんでいる時に出るご主人様の癖だ。 ご主人様は積まれた木箱の上に腰を下ろす。重さで木が軋んだのに目を逸らす。ご主人様は、木箱の上で足を広げ、淫華を押し広げて見せてきた。其処からは、今しがた注いだ僕の白い子種が一筋の流れを作っていた。 「ご主人様……」 僕の逸物は、とっくに節操を無くしていた。ご主人様に甚振られ続け、赤黒い悪魔の臓器の様に変貌した状態のまま反り返りが収まる時がなかった。ご主人様の膣内に収まっていないと落ち着く時さえなくなっていた。 陰茎の先で、先走り液が精液の残滓を滲ませながら玉になる。収まる気配が微塵もない。僕の中で肥大化した欲望の権化そのものだった。 「まだしたいの? ぷひひ……もう、そんな泣きそうな顔しないで……♥ 仕方のない子……♥ 早くしないと、誰かに見付かっちゃうんだからね……?♥」 ご主人様のお許し。僕は嬉しくなりながら、陰茎の先をご主人様の股間に宛がい、そのまま膣内へと滑り込ませる。 「ぷひゅぅっ♥ 一気に、子宮まで……凄い……♥」 ご主人様の足が僕の腰に絡み付き、離さない。その腕も、僕の首に巻き付いて来て、離さない。 ご主人様が舌をだらしなく伸ばす。僕はご主人様の舌を口で扱いて、御挨拶を済ます。敢えて厭らしい音を立てながら、ご主人様から贈って下さる粘っこくて甘い唾液を飲み干す。ご主人様の舌は人間の物よりも大きく包容力がある。僕の口の中に侵入してきては、口の中の全てをご主人様でなぞり、所有物としての証を刻み込んでくれる。 ご主人様の中に逸物が収まる時は、決まって腰が独りでに動くようになった。それでいて、ご主人様のお喜びになられる場所を的確に突ける様にもなった。というのも、その場所を突けば、ご主人様は可愛く鳴き、身を捩る。僕は何時しか、その仕草が愛おしくて仕方が無くなっていた。もっと僕に見せて欲しいと願った。 「ッ!? ぴぎぃっ♥ ん、ぁぁっ……ぁん、あんっ♥ ぷひゃぁ♥ 其処ぉ♥ ん……あ、へぁ……っ♥♥」 僕の前で唾を吐き飛ばしながら、涙目でよがるご主人様。僕の身体を強く引き寄せ、溜まらずに何時もの振る舞いすらままならなくなる。 何度も潮を吹かせ、何度も精液を注ぎ込む。子種を注ぐ度に、耳元で「孕め、孕め」と囁くと、ご主人様の豚耳は敏感に前後し、恍惚とした表情を浮かべて同時に達して下さる。 こうなると、離してくれるまでご主人様とこのまま繋がり続けなければならない。何度も何度も中へ放つ内に、精液が逆流して放屁音を響かせ飛び出す様になった。 しかし、ご主人様もやられっぱなしではない。僕の身体を引っ張り込み、積み上がった木箱を崩す。日陰に曝されひんやりとした土肌に背をぶつける。ご主人様は透かさず僕の上を跨ぎ、垂直に腰を落とした。 「ぷひひぃ♥ やっぱりこの体勢が一番好き♥ 君を思いっきり見下しながら犯せるからねぇ……?♥」 ご主人様は口の周りを何度も舌で舐め擦る。特別厭らしい目で僕の瞳を覗き込み、自分に対する畏敬の念を探し当て、示威行為とばかりに膣肉を引き締める。 「最近生意気じゃない? このアタシを……手玉にとったつもりかもしれないケド……♥ あんまり調子に乗っちゃダメなんだからね……♥ 君は所詮、アタシの都合の良い精液タンクなんだから……♥」 ご主人様は僕の唇を親指で捲り上げ、口の中に貪り付く。腰を持ち上げ、暫し唾液の交換をした後、不意に唇が離れる。 暫くして、徐にご主人様はズボズボと膣肉から陰茎を出入りさせ始める。激しく吸い付き、淫らに追い縋っていく肉の割れ目は、この割れ目でなくては、僕のオスを満足させる事は出来ないだろうという風に、自信たっぷりに重量感たっぷりに僕を甚振って来る。 ご主人様の雌の洞窟に、ありったけ噴き出した。射精の最中でも構わず搾り取ろうと蠢く卑しい女性器は、僕の弱点を熟知して、的確に責め続けていた。 泥になるまで犯され続けた僕が目を覚ました時、もう周りは薄暗くなっていた。 僕の身体には自身の体液とご主人様の体液がこびり付いていて、酷く甘ったるい臭いが鼻を塞ぐ。服も引き裂かれてボロボロにされていた。よっぽど、ご主人様は“溜まって”いらっしゃったのだろう。毎日しているのに。 気付くと、手元のお金がなくなっていた。ご主人様が持って行ったのだろう。 仕事場に戻ると殴られた。 誰かが見ていたらしい。 僕は、職場のお金で娼婦を買ったのだそうだ。 その場でクビを言い渡された。 何時もニコニコと笑みを絶やさなかった雇い主が烈火の如く怒鳴り散らしているのを、僕は現実感もなく、只眺めているだけだった。 肩を掴まれたのに気付いたのは、間近でこの声を聞いた時だった。 「どうしたのっ? そんな顔で歩いて……?」 「……姉さん」 くりっとした瞳が心配そうに、僕の顔を見詰めていた。宛てもなく人も疎らな大通りで、姉さんは果物を詰めたバスケットを腕に通して佇んでいる。 「何度呼んでも気付いてくれないし……何があったの? 顔も凄くやつれてる」 姉さんの手が伸びる。きっと、真剣に僕の事を気遣ってくれて、無意識に行動に出たのだろう。其れは僕も判っている。 だけど僕は、先にその手を払い退けた。 「……仕事クビになっちゃったよ」 「……そっか」 姉さんは複雑な顔をした。一瞬ぎこちなくにんまりしてみせ、不謹慎と思ったか口元を固める。目元は真剣に悲しさを訴えていた。眉は下がって、申し訳なさそうでもあった。 「……あの、ね。孤児院に、戻って来て欲しい、な」 ぼつりぽつりと言い放たれた。僕は首を重たく上下に振った。 姉さんは撥ねる様に体全体を膨らませた。だが意気消沈している様子の僕に配慮して、気持ちが萎んで行くのが目に見える。 「じゃ、じゃぁ……行こ? 君の部屋はずっとそのままにしてあるから……えと、と言ってもちゃんと掃除はしてあるから、すぐに使えるからね」 度々言葉を弾ませる姉さんの言葉一つ一つが、僕の中でじれったさを反響させる。実際はそうでない事は知っている。姉さんが、僕が失敗して出戻って来ると予想していた、訳じゃない。悪意はない。判ってる。けれど。 僕は、口を開けば思う言葉全てが漏れ出してしまいそうで。だから終始無言で姉さんの後ろを歩いた。姉さんは何かと気遣って話をしてきてくれたけれど、今の僕にとっては拷問に近い。 僕が孤児院を出たいと考えたのは、姉さんを諦める為だった。其れに気付いたのは案外昨日か一週間程前の事だ。 姉さんが誰かと一緒になるのを見たくなくて、自分から離れようと思った。何れ何処かに行ってしまうと判っているまま一緒に暮らすのは辛かった。恥ずかしくもあった。自分が抱く想いが他の子供達よりも行き過ぎている事は感じていたから、其れも気付かれたくなかった。 けれど、振り返れば、互いの位置を遠ざけたって仕方のない事だったのだ。ご主人様に見染められる前の僕は、四六時中姉さんの事しか考えられなかった。気持ちの距離が離れなかった所為だ。 オークをご主人様と仰ぎ、肉欲に溺れた事は僕の中でそういった気持ちの整理を付けさせる切欠になった。穢されてしまった僕。姉さんの理想から呆れる程遠ざかった僕が、姉さんの為に存在する可能性なんて一笑に伏す程度に有り得ない。 僕は、姉さんに嫌われようと思った。 姉さんにとって、嫌な男を目指す事にした。 孤児院に戻ってから、今まで姉さんに教えられた作法の全てを投げ捨てた。一緒の食事をしない。挨拶もせず、返事もせず。姉さんをいない物として意識から消した。 姉さんはどう思っていただろうか。 きっと僕を嫌な奴だと思っては、くれないだろう。どれだけそうしても、姉さんは困った様に笑うだけ。憐れみの混じった瞳を濡らすだけ。 自分が無意味な事をしているのだと、逆恨みで姉さんを傷付け、自傷行為に耽って悦に入っているのだと気付くのに期間は要らなかった。僕は自室に引きこもる様になった。辛い気持ちや苦しい気持ち、身勝手な僕の全てを姉さんに受け止めて貰いたくて身を掻き毟りたくなるからだ。 「 やがて ご主人様の巣穴まで行くと、運び込んだ丸太に座ってご主人様がにやにやと笑っていた。 そして、足を開く。粗末な装具の下に、肌着なんてない。蒸れた股から熱気が広がる。ご主人様の秘裂がじとじとに濡れているのが見えた。 「ほら、ご挨拶は……?♥」 僕は股間をはちきれんばかりにいきり立たせながら、ご主人様の股座に顔を埋めた。あれだけ逸物を出し入れしていたというのに、ご主人様の此処からは肉襞が顔を出す程度で出会ってから少しも形が崩れてはいない。しかし風呂に入る習慣はない為か、垢が粘土の様に溜まっている事が良くある。最初の頃は嫌だったけれど、今では此れがチーズの様な味わいで、好物になりそうだった。 「自分から犯されに来るなんて殊勝じゃない。やっぱり奴隷っていうのはそうじゃなきゃ ご主人様が御奉仕している僕の顔を太股で挟み、そのまま丸太の向こうに引き摺り倒す。顔面に乗られた状態で器用に体を反転させ、僕の逸物を捕まえる。 「ぷひひ♥ 今日は優しく搾り取ってあげちゃおうかな……♥」 ご主人様が体を揺らす。僕の逸物が、柔らかい、重量感のあるものに覆われる。其れがたっぷんたっぷんと上下し、逸物を心地よい刺激で包み込む。 「おっぱい、好きでしょ? ぷひひ、出したくなったら何時でも出してね……♥」 手で乳房ごと陰茎を潰し、左右別々の動きで揉みほぐす。母性的な部分の優しい感覚に弄ばれる。僕は刺激とは別に身を委ねたくなる様な誘惑を感じながら、ご主人様の谷間に吐精した。 「噴水みたいに出まくってる……♥ 節操ないオチンチンだねぇ♥」 ご主人様は僕の頭を膝で挟み込みながら、腰を揺らす。イかせて欲しいと言うサインだと察した僕は、舌先でご主人様の淫豆を転がし、尿道の入り口にキスをした。 ご主人様は数度痙攣して、僕の顔に甘い蜜を吹き掛ける。僕は手慣れたもので、その蜜で充分に喉を潤した。 一息吐いて、ご主人様は体を反転させて向かい合う形にする。胸の谷間から精液を滴らせ、僕の胸に押し付けてぷちぷちと潰す。舌舐めずりして、下品な音を立ててキス。 「可愛いアタシの奴隷君……♥ 好きな人を遠くで見ているだけで満足してるつもりだったおバカさん。そんなんだからオークに犯されて……奴隷にまでされちゃうんだよ♥ でも、そんなバカで臆病者の君の事、アタシ大好きだよ……♥」 ご主人様の顔は、赤く紅潮していた。何時も意地悪な表情ばかりだったご主人様。僕は、ぽっかりと空いた穴に形の歪な何かが惜し入り込んで来るのを感じた。 「……僕を、ご主人様の、好きに、して」 自然に口にしていた。 ご主人様は「え?」と言った顔で固まっていた。 「いいの? 今日くらいは、優しくしてあげてもいいんだよ?」 「……其れだとご主人様は、満足出来ないんじゃないですか……?」 「ぷひ、ぷひひひ……♥ いいの、いいのかなぁ?♥ そ、そんな事簡単に言っちゃ、こ、後悔しちゃうかもしれないよ……?♥ 無茶苦茶に、されちゃうかも、しれないんだよ……?♥」 鼻息を極端に荒くし、目を血走らせ、頻りに舌舐めずりをするご主人様。どうせ、今から何を言ったって止める気なんてないだろう。 ご主人様の方から、理性の糸が切れる音がした。その途端、顎を掴まれ激しく唇をねぶられる。下半身の方ではもう挿入されてすぐに最高潮のピストンが始まった。重たいご主人様の身体が何度もぶつかってきて、身体中の骨が軋む。 中腰で狂った様に腰を振るご主人様が、頻りに僕の耳に囁き掛けて来る。 「全部だよ……♥ 全部、アタシのものにしてあげる……♥ 君の全部、奪い尽してぇ……要らない物は、全部捨てさせちゃう……♥ 君の周りは、アタシだけにしてあげる……♥ お姉ちゃんなんて、忘れさせてあげる……♥」 意識が遠のいて行く間に、数えきれない程の絶頂を迎えた。 ご主人様は鳴き声を寶かに上げて善がり狂う。 間違いなく、この時の僕は姉さんの事を忘れられた。 ご主人様に犯されている時だけは 「ねぇ、今日は皆で一緒に食事をしない……?」 姉さんが、戸の向こうで呼び掛けて来る。 「今日は、祝福の日だから、皆でお祈りしてから食事にしようと思うのだけれど……」 勘違いしている。僕は皆と一緒に食事がしたくない訳じゃない。姉さんと同じ部屋に居たくないのだ。 こうして何も答えずに黙っていると、その内姉さんは諦める。溜息を吐いて、扉の木目をそっと撫でて、立ち去る。 何時もはそうだった。今日もそうである筈だった。 「……っ、うっ……」 嗚咽が響き始める。思わず腰を上げて、扉の向こうに耳を当てた。確かに姉さんの気配がある。声は指の隙間から漏れ出ている様だった。 「ごめんね……私が悪いんだよね。君が帰って来てくれて、私、嬉しかったから……君は辛い筈なのに喜んじゃった私が、嫌いになったんだよね……」 勘違いだ。そんな、事はない。 嬉しかった。姉さん、嬉しかったよ。姉さんが僕を寂しがってくれて嬉しかった。一人立ちした僕は姉さんに寂しがって貰いたかったんだ。出戻るとしても、こんな風に喜んで貰いたかったんだ。それが、素直に告げられないんだ。態度に出せないんだ。 扉の向こうで、硬貨の詰まる袋が置かれる音がした。 「君から貰ったお金は手を付けてない。何処かに行くんだったら、持って行って。元々は君の働いて得たお金なんだから、君が自由に使うべきだと思うから……」 線が繋がった。お金を渡す時のあの迷惑そうな表情は、僕からお金を貰う後ろめたさからだったのだとやっと判った。 情けなかった。姉さんの気持ちをちっとも理解してなかった。その上こうして今も甘えているし、身勝手な振る舞いばかりしている。奇妙な意地が動いて気持ちが悪い。 だけど、僕は姉さんが大好きだ。他の子と一線を画している程に、愛おしくて仕方がなくなっている。 遠くで見ているだけではもう満足出来なかった。誰かのものになるのを待つのはもう嫌だった。僕のお金に手を付けなかったと知ってから、そのみっともない欲が自分でもはっきり判った。 「 僕は部屋を飛び出した。姉さんの後ろ姿を呼び止める。 姉さんは頭を持ち上げ、足を止めた。 「……ごめん」 その一言が僕の口から漏れると、急に胸が楽になった気がした。 「嫌いになった訳じゃないんだ。只、俺が勝手に変な意地張ってるだけで。だから、心配しないで。もう大丈夫だから……」 「……そっか。……そっかぁ」 姉さんが儚げに声を弾ませた。 「……ねぇ。外に出てる間に、恋人が出来たり、した?」 腹を一突きされた様な台詞だった。 「ど、どうして?」 「ううん。何でもない。……好きな人が出来たから、お姉ちゃんの事が邪魔になったのかと思っちゃった。良かったぁ」 其れは果たして、他の孤児達と僕を同じに見ているから出た質問だろうか? どっちだろう。どっちなんだろう。 訊いて、みようかな。いや、でも、訊けばお互い気拙くなるんじゃないだろうか。此れから此処で暮らす上で、障害が生まれるんじゃないか。其れは僕の本望じゃない。けれど。 声の抑揚からは感情が読み取れなかったけれど、どうしてそんな事を訊いて来たのだろう。 若しかしたら 「そ、それじゃあ、お料理準備して待ってるね」 姉さんが足早に立ち去ろうとする。僕は咄嗟に口にした。 「あの、さ。大事な話があるから、明日、姉さんの部屋に行ってもいいかな……?」 姉さんは廊下の曲がり角に差し掛かった所で足を止める。 「……今日じゃダメなの?」 胸に杭が打たれる。 「うん。明日、大事な話をする。姉さんに訊いて欲しい話をするから、だから」 「……うん、判った」 心なしか小躍りする足取りで姉さんは立ち去って行った。 決心した。姉さんが誰かのものになるくらいなら、僕は自分の気持ちを告げる。今までの事全部謝って、ぶつかってしまおう。姉さんが僕に幻滅してしまうとしても、其れは仕方のない事だ。浅はかな僕への罰に違いない。 思えば僕は確かめなかった。最初から無理だと諦めていた。恥ずかしいと嫌悪していた。けれど、その所為で僕は姉さんを傷付けてきた。こんなのでは猶更駄目だ。確かめなくちゃ。確かめなくちゃ。 その前に。僕にはやるべき事がある。今までの僕を取り戻せるとは思えないけれど、其れをしなければ何も始まらない。その為の、一日と言う猶予だ。 僕は獣道を走り、オークの洞穴に駆け込む。そして、嘗てご主人様と仰いでいたオークに向かって、額を地面に擦り付けた。 オークは、鼻を鳴らす。 「……アタシの奴隷を、止めたいって事かな?」 「はい」 只平身低頭してお願いするしか僕には出来ない。このまま殺されてもおかしくない状況と要望だ。若しかしたら滅茶苦茶に犯されて考え直す様迫られるかもしれないが、今度こそ、決して屈しない事に決めていた。 オークは傍にあった石斧を担いで、僕のすぐ前で腰を屈める。頭を上げれば蒸れ切った女性器が此方を見詰めている事だろう。 「ふぅん。お姉ちゃんと相思相愛って感じ? 其れで、アタシとの関係をすっぱり切ろうって所かな」 半分当たっている。まだ姉さんの気持ちを確認していないから、相思相愛とは決まっていない。だが、そうであって欲しいという願望はきっと僕の全身から滲み出ている。 オークは見下しながら、舌舐めずりする。 「都合良いね……最近では君の方からアタシの身体を求めて来てたっていうのに。悪い子……♥ 確かに鬼ではなく豚だ、とは口にしない。 「判った、いいよ。奴隷から解放してあげる」 「本当ですか!?」 僕が顔を上げると、顎を持ち上げられ強引にキスされる。舌は入って来なかったが、オークはじっと僕の瞳を覗き込む。 「その代わり……明朝、初めて会ったあの森に来て。奴隷として最後の御奉仕が出来たら、言った通りにしてあげる」 最後の御奉仕。この関係を清算出来るなら、散々犯され続けた身体を最後に抱かれるくらいどうってことは無い。 「……判りました。明日の朝ですね……!」 「うん。遅れたら、この話は無しだから」 「必ず行きます。あの、それじゃあ」 オークの性奴隷から解放される。此れで姉さんへ告白出来る。頭の中でそう歓喜しながら、孤児院への帰路に着く。 まだ空が白んで来た頃合いを見計らい、寝息の中を潜る。極力音立てず孤児院から森へ歩み出す。 夏の様相が近付いて来ていたが、其れでも森の中には涼しい風が吹いている。あのオークに襲われたのは、確か街道を歩いている時だった。野盗に襲われ逃げていた振りに騙され犯された。其れが丁度、街道脇に逸れた茂みの奥の僅かに開けた場所だった。改めて見てみると、此処は周囲が高い茂みに囲まれていて街道から目を配っただけでは人がいるかどうかも確認出来ない。多分、あのオークは計画的に襲って来たのだろう。 しかし すると、背後から茂みが暴れる音がした。やっと来たか、と振り向く。 息を飲む。背筋が強張る。 理解が出来なかった。其処に現れたのは、確かにオークであったが、僕を散々滅茶苦茶にしてくれたオークとは別のオークだった。 「……ぷひひひ♥」 そのオークも元ご主人様と同じ様に舌舐めずりし、品定めする様に僕の頭から足先、そして戻って何度も股間を見詰め回す。 土の上に如何にも粘っこい唾液が散らばる。周囲にオークの体臭や汗臭さが入り混じる強烈な雌臭が漂い始める。僕の身体は嘗てこの臭いに従属していた名残からか、抗い様もなく逸物を膨らませていた。 逃げなくちゃ。また、おかしくされるまで犯される。後退りすると、生温い感触に背中が押し留められる。 肩が掴まれた。振り向くと其処にも知らないオークが僕を舐め回す様な視線で見詰めていた。 「な、なんですか……? あの、僕、人を待っていて……」 瞬間、身体を持ち上げられた様な感覚が走る。後ろから肩を掴んでいた手の一方が、僕の股間を行き成り鷲掴みにしたのだ。きつく抱き締め、汗ばんだ掌でこりこりと肉棒と肉袋を捏ね回される。 軽い射精を繰り返しながら、腰が砕けていく。体勢が保てなくなると、オークが腰に手を回して支えた。 「ぷひひ……ホントだ♥ もう調教済みじゃねぇか……♥ 手間が省けるぜ」 「お、親分のお許しが出たから、には、も、もう、容赦、しないから、ねぇ?♥」 「お預け食らってるアタシ達の周りをこれ見よがしにうろちょろしやがって♥ 今日はその身体に思い知らせてやる……♥」 口々に訳の判らない事を言われる。判った事は、このオーク達が僕を獲物と認定しているという事だ。 「ダ、ダメ……やだ……」 適わないと知りながら抵抗を試みる。だけど、其れが彼女達にとって最高の興奮剤でもあった。腰に回した腕に一層力が入り、持ち上げられた顔をぺちゃぺちゃと舐められる。もう一匹は拘束されている僕のズボンをナイフで引き裂いて、逸物を曝け出させた。 「う、わぁ……♥ なんだこれ♥ こんなん隠し持ってるなんて厭らしいガキだぜ……♥ 随分愛情たっぷりに調教されたんだなぁ?」 「ぷひ、ぷひひ♥ お、親分、これでいっつも楽しんでたんだなぁ♥ ず、ずるい♥」 「でも、到頭アタシ等にもツキが回って来た……ぷひっ♥」 一頻り、逸物を眺めていたオークが、意地の悪い目付きをして扱き始める。ごしごしと表面を洗う様に力強い刺激に、僕は声を抑えられなかった。 「ぷひひぃ♥ 一丁前に甘い声出すじゃねぇか♥ そんなに乱暴にされるのがいいのか?」 駄目だ。このままじゃ、思考が流されてしまう。甘くて抗いがたい快楽の奔流に理性が溶けて消えてしまう。けれど、必死にもがいた足はがっちりと掴まれてしまう。 「そうだ、抵抗しろ♥ そうしたらアタシ達も楽しめるからな……♥ さて、そろそろ噂の本気ミルク射精(だ)させてやるぜ♥」 逸物に熱い物が覆い被さる。涙で霞んだ視界で見降ろすと、見知らぬオークが僕の逸物を喉まで咥え込んでいた。 舌が蠢くのが判る。僕の陰茎を虐め様と這い擦り回っている。唾液でコーティングした後、逸物を解放され、先っちょの穴に舌先を突っ込まれる。乱暴にされた逸物は僕の意識とは無関係にビグンビグンと跳ね上がる。 逸物が暴れ出し、今まで聞いた事が無い様な音量を響かせ、精液が宙に舞う。オークは手をあたふたさせながら、頭から黄色掛った精液を被った。 「あっ♥ くそ♥ 飲み損ねた♥ しっかし、すげぇ射精。こんなの喉に受けたら喉が妊娠しちまう……♥」 「はぁ、はぁ、はぁ♥ に、妊娠……♥ はぁ、はぁ♥ つ、次! アタシの番!」 「落ち付けよ。ちゃんと決めた順番通りに 酷い疲労感に支配された身体を何とか擡げる。何時の間にか、周囲には激しい呼吸音や鼻を鳴らす音が鳴り響いている。その場にある血走った眼全てが、僕か、僕の股間を射抜いていた。 僕は地面に押し倒されていた。僕の上に覆い被さったオークは滝の様な涎を垂らして僕の口内をしゃぶる。 「じゅぶぶぶ、びちゅ♥ ちゅるるるる♥ んぷはぁっ! ね、ね♥ 子供っ♥ 子供作ろ♥ アタシの子宮で、君の精子全部受精してあげるから♥♥」 有無を言わさず、僕の逸物はそのオークの雌に飲み込まれた。狂った腰遣いで何度も何度も子宮の入り口に叩き付けられる。 「あーあ、此奴普段大人しい分発情期になると反動でも来んのかねぇ。こりゃちょっとやそっとじゃ収まらねぇぞ……♥」 どうして、こんな事に。 いや、判っていた。僕がご主人様を捨てようとしたから、ご主人様が怒ったんだ。 ごめんなさい。ごめんなさい。 許して下さい ジュボッ、ジュボッ 遠くで挿抜音が響いている。 何人相手しただろう。意識が遠のくままで完全に消えてくれないのは、一重にご主人様との狂った交尾の賜物かもしれない。あれは夢の様な心地だった。 「 また一人、満足気に僕の上から退く。そして、また別のオークが僕の上に跨って何事か囁きながら腰を振り始めた。 僕の逸物はとっくに節操を無くしていて、勢いを弱める兆候すらなかった。その癖感覚がなくなったかといえばそうではない。射精のときに感じる快楽は回数をこなす事に増大していっている。多分、馬鹿になったのはおちんちんだけじゃない様だ。 声を出す元気もない。叫び声にもならない声を上げて、また何十度目かの絶頂を迎えた。 「ぷひひ♥ 中々良かったぜ……♥ またシような……♥」 そんな台詞を訊いた後、また別のオークが僕の上に乗る。 けれど、その重さに今度は懐かしさを覚えた。数多のオークに跨られて違いが判る様になった訳でもあるまい。しかし、この肌に吸い付く絶妙な肉感。何度も間近で嗅いだ事のある蒸れた臭い。其れは取り分け僕の脳が特別と判断している事に違いは無かった。 「 ご主人、様。 声には出せないけれど、精液や愛液でドロドロになった唇が動く。 「……うん? 約束が違うって? あー、確かに言って無かったなぁ。奉仕してもらうのはアタシの手下共だったんだ。でも、この子達は皆アタシの身内だからアタシに対しての奉仕みたいなものだよね? だったら、別に嘘じゃないよね♥」 飛び切り悪意に満ちた笑顔。 ああ、綺麗だなぁ……。ご主人様のその笑顔が、一番ご主人様らしくて、素敵なんだ。 「……なぁに? そんなうっとりした目で見て……ぷひ♥ もっとイジメテあげようかと思ったけど、うん、まぁ止めておいてあげる。君は、もう今からアタシの奴隷じゃないんだよ。おめでとう? 良かったねぇ? ぷひひひひ……」 ご主人様の含みのある笑い声に続いて、周りから馬鹿にした嗤いが響く。 「そう、今から君は奴隷じゃなくて 優しいキスが落ちて来る。 ああ、そうか。 ご主人様は怒ったんじゃないんだ。 僕が其れに気付いた時、僕の手を取ったご主人様が自分のお腹にそっと当てる。 「判る? 赤ちゃん、出来たんだよ? 君とアタシの愛の結晶。ずっと変わらない永遠の繋がり。愛しあう夫婦の証であると共に、完全無欠な既成事実」 ご主人様は僕の手に頬擦りする。 「ずっと、傍に居てって言ったでしょ?」 この人はずっと不器用なだけだったのかもしれない。 其れに引き換え、僕は逃げて逃げて逃げ惑って、結局何にも向き合わずに自分の思い通りの結末を手に入れようとしたのか。何て、おこがましい。 「 かすれた声だったが、そう言った。言わなければ、ではなかった。 「……ぷひ♥」 何だか可愛く一鳴きしてみせると、ご主人様は指を鳴らした。 「きゃっ!?」 茂みの奥で聞き覚えのある悲鳴が聞こえた。 「君にプレゼントがあるんだ。今後の二人の将来について、清算しておかなくちゃいけない事なんだけど……♥」 オークに拘束された姉さんが草の影から現れる。表情には恐怖の色が見えるが、さっきまで血色良く紅染められていた名残が残っていた。胸に何か見覚えのある布を握り締めている。 「……君はお姉さんの事が好きなんだよね。其れだからアタシとの縁を切ろうとしたんだよね」 ご主人様はお腹を愛おしそうに擦る。 「でも、アタシとの関係は切っても切れないしなぁ。どぉしよっか♥」 姉さんの方を一瞥して、僕に向き直る。 其れは、僕に姉さんを捨てろと言っているのだろうか。ご主人様にした事を姉さんにもしろと言うのか。けれど、ご主人様を裏切ろうとした僕が何かを言える義理はないのかもしれないし……。 何方にせよ嫌だという結論を出しながら言葉に出来ずに居ると、ご主人様が姉さんの胸元を見てニタリと笑む。 「あれぇ? 何を持ってるのかなぁ? ぷひひ、其れ、良く見せて?♥」 取り巻きが姉さんの手から布を取り上げる。姉さんは「あっ」と悲鳴を上げて僅かに追い縋るが、適わないと判ってか諦めて腕を下げた。 妙に興奮した様子の手下オークが布を広げてみせると、其れが何であるかがはっきりした。 「え……僕の、服……?」 間違いなく、僕が昨日下着に着けていた麻のチュニックだった。 なんでそんなものを姉さんが握り締めていたんだと疑問に思い、そうか洗濯中に連れて来られたのかと思うが、どうも布地に不自然な染みが出来ている。昨日着た時にはそんな染みはなかったし、心当たりもない。その部分だけ濡れている様だった。 「親分、此奴アタシ達のお楽しみを覗いてオナってましたぜ♥」 「! ち、違う……っ、私、そんなつもりじゃ……!」 姉さんは恐怖も何もかも忘れて顔を真っ赤に茹で上げ、僕の方を見た。 「君は気付いてなかったみたいだけれどね、あの女、アタシが君と愛しあってる最中いっつも覗いてオナニーしてたんだよ♥」 「違います! 私は……っ、違うの、違うんだよ? 私、君が心配で!」 必死に僕に向かって弁明し始める姉さん。 僕は何となく、全てを悟った気がした。 「へぇ、君の事が心配だったんだってさ? 良いお姉さんじゃない……♥ 薄汚い見知らぬ魔物なんかとエッチな事してる君を見て、助けに入る訳でもなく、誰かを呼ぶ訳でもなく、只アソコを熱くして見守ってくれていただけだなんて♥」 「違っ……違います、私、只……ッ」 姉さんが羞恥に涙をポロポロ流しながら首を振る。 ご主人様は舌舐めずりする。姉さんの頬を掴み挙げ、鼻を動かした。 「勘違いしないで欲しいなぁ♥ アタシは別に悪い事とは言ってないよ? 寧ろアンタ達人間がいう倫理やモラルなんて屁とも思ってない。アンタも女なんだから……自分が世話している孤児の一人に欲情しちゃったって別にいいんじゃないかな? ぷひひ♥」 「うっ……そんな、みっともない女みたいに言わないで……っ」 「どうだった? 彼の服でオナニーして……自分のスケベな汁を吸い込んだ服を、彼がまた着ると思ったら、コーフンした?♥」 無言を返す姉さんに構う事無く、ご主人様が姉さんのスカートの中に腕を突っ込む。悲鳴は取り巻きに口を塞がれ敢え無く抑え込まされる。暫く蛇の様に弄っていたご主人様の手が抜き浚われた時、その指に纏わり付いていたのはねっとりとした液体だった。 「現にみっともない女じゃない♥ 愛しい余り彼の私物で毎日欠かさず自慰に耽って欲望ばかりブクブク膨らんでいって……所詮、アンタもアタシと同じ豚ちゃんなんだよ♥ ううん、彼の前で変に取り繕おうとしてる分、自分を良く見せようっていう余計な脂まで腰回りにたっぷり付けて……人間の女ってどうしてこうも皆揃って欲望ばかりの豚の癖に何にもしないで満足した気でいるのかな♥ 見ててイライラする」 ご主人様は言葉とは裏腹に猫なで声でそう語る。手下から受け取ったチュニックに鼻を擦り付ける。 「こんなものを日頃おっかなびっくり盗んだりする位なら、直接彼にキモチヨクさせて貰えばいいのに……♥ そうしたら彼の髪も、耳も、口も、目も、肌も、血も、おちんちんも……♥ 何もかも、奪って上げる事が出来るのに♥」 取り巻きのオークが、僕の身体をねっとりと見詰め回し、下品に笑った。姉さんの頬を伝う涙は量を増していた。 「だから、奪い返さなくちゃ。彼のものはアンタのものでもあるんだから……今更貞淑な女を気取るつもりじゃないよね……♥ さっきから、彼のおちんちんばっかりちらちら見てるんだもの。もうバレちゃってるんだからさ……♥ 正直になりなよ♥」 手伝ってあげる 姉さんは強引に僕の傍まで押し込まれ、そして腰に跨る。姉さんは目を白黒させていたが、そそり立つ肉棒を間近で見てから視線が釘付けになった。 「あ、ああ……♥ 夢にまで見た、君の、が……♥ こんな、おっきいなんて……♥」 「姉さん……」 力無く僕が呟くと、姉さんは申し訳なさそうに眉を下げながら、しかし息を弾ませ、表情が見る見る蒸気していくのが判る。きっと、オーク達の淫臭に身体の火照りを惹き出されたのだろう。耳に入る水音は、周囲のオーク達が痺れを切らして思い思いに自慰を始めた事を露わしていた。 「ごめんね……♥ 私、皆のお姉ちゃんだから……君にとっても素敵なお姉ちゃんで居たかったから……ずっと、ずーっと我慢してた……♥ でも、ね? もう、無理だったの。君が、優しく逞しく、どんどん成長していく姿を見て、結婚出来たらって、ずっと思ってた♥ 君の触れた物、感じた物、全部ぜーんぶ私の中に欲しかった。ごめんね♥ 君は私が何の欲望もないお姉ちゃんに見えたんだろうけれど、実はこんな欲望だらけの女だったの……♥」 多分此れは有史以来最低のタイミングでの最悪の告白なのだろうけれど。僕は姉さんを抱き締めたくなった。頭の中を探す。僕の理想の姉さんは何処にもいなくなったけれど、其れ以上に姉さんから僕に近付いて来てくれた事が嬉しくて堪らなかった。 受け止めたくなった。目の前にあるもの全てを。 ご主人様が、懺悔する姉さんの背後から優しく抱き締め、乳房を弄ぶ度甘いミルクの香りがする。耳たぶを齧りながら、ご主人様が囁いた。 「ぷひひ♥ やっと判ったんだ。でも、知ってる? 彼と結婚したら、コレがアンタの此処に入っちゃうんだよ♥ そしたら、目出度くコウノトリさんが赤ちゃんを運んで来てくれるの……アタシみたいに♥」 「あ、ああ……♥ 赤ちゃん、君との……♥」 「ぷひひ♥ そう、赤ちゃんだよ……流石雌豚ちゃんだねぇ? もう繁殖する事しか考えてないんだ♥ でも、大丈夫だよ……♥ 此処に居る奴等みーんな、そうだから♥」 呼び掛けに応じて、散々僕を犯してくれたオーク達がぷひぷひと下卑た笑みを浮かべる。自分を慰めて絶頂したオーク達の飛沫が顔にぴしゃぴしゃと掛る。 姉さんの綺麗な雌華からは涎が止め処なく溢れていた。ぱくぱくと蠢き、腹を空かせた豚の様に舌舐めずりしていた。姉さんは、火照った身体をピンク色に染め、自分を抱き締めて、堪らなく一声鳴いた。 「で、でも……駄目。君の意志を無視して、こんな事……いけません♥」 ご主人様は舌打ちする。姉さんの桃色の乳首を指先で潰しながら、耳の中に舌を潜り込ませる。 「大丈夫♥ ほら、見て御覧……♥ 彼のおちんちん、アンタの身体でこんな興奮してる♥ こうなったら、もう、何をしても愛のある行為になるんだよ……♥ 世間知らずのアンタは知らないだろうけどね♥」 僕の逸物は、びくんと脈打って、また一回り大きくなる。姉さんの綺麗な雌華を見詰め、はち切れんばかりに興奮していた。 「……♥ そう、なんですか……?♥ だ、だったら、仕方、ないですよね……♥」 姉さんは身動いで、恐る恐る撫でる。姉さんの白くて細い指。繊細な其れに触れられるだけで、僕は絶頂に導かれた。 「! きゃっ?」 暴発した精液は2M程飛び上がり、姉さんの頭上に降り注いだ。姉さんは訳も判らず、白濁液を手にとって見詰める。 「こ、これは……?」 「これが赤ちゃんの素……♥ 舐めてみて……♥」 姉さんは何の疑いも無く舌を這わせる。 「……甘、い……♥」 「ぷひ♥ 此れを今から、お腹の中で受け止めるの……♥ 想像して見て……♥」 姉さんはうっとりと、頬を緩ませた。 「 腰を持ち上げる。僕逸物の位置を手で整え、ゆっくりと、秘裂の中へと誘って行く。姉さんの膣はきつく僕を締め付け、未開拓の肉の洞窟をぐちぐちと広げていく。カリに紐が引っ掛かり、ぷつんと切れる。 「っつ……はぁ、はぁ……♥」 肥大化した僕の逸物を飲み込むのは一苦労だったろう。姉さんは息を乱し、一つの重労働を終えた。結合部から赤い雫が線を描く。 「ぷひ♥ アンタまだ処女だったの? その歳で……ぷひひ♥ 可愛いねぇ……♥」 ご主人様が姉さんの胸をぎゅっと押し潰す。 「君に……あげたかったから……♥」 「良かったねぇ? 君にあげたかったんだって♥ 処女、押し売りされちゃったねぇ? 随分愛されちゃったねぇ? ぷひひひ♥」 姉さんの中はオーク達の其れと比べ感触が良くなかったが、其れでもあの憧れの姉さんと繋がっていると思うだけで何時でも射精してしまいそうになる。 孕んで、貰いたくなる。 姉さんも、孕みたがっている。 「♥ ……ごめんね、処女、押し付けて♥ でも、でも、これは合意の上の事だから、仕方ないよね……♥ 愛ある行為なんだから、許されちゃうのよね……♥」 姉さんが、腰を振り始める。拙く、ゆっくりだけれど、膣の奥まで飲み込んだ逸物に向かって子宮をぶつける。中腰になり、まるで猿の様な格好をして、何もかも曝け出し、豊満な乳房を上下にたぷたぷと揺らしながら、僕の逸物を貪り始めた。 ご主人様は姉さんの身体を支えてやりながら、何度も何度も舌舐めずりして見せた。 「どう?♥ 憧れのお姉さんから売れ残った処女押し売りされて、ラブラブレイプされてる気分は♥ 感動しちゃう?」 取り巻きのオーク達の鼻息がどんどん近付いて来る。食い入る様に、僕と姉さんの繋がりを見入っているのだ。やがて、僕の身体に触れ、舌を這わせ、愛撫しながら、自慰に耽り始める。 「お、親分♥ 話なげぇよぅ♥ 此奴の手、使ってもいいですかい?♥」 「こらこら、野暮な事しないの。……折角、嫁ぎ遅れた女が処女捧げられたんだから、最後までタイマンさせてあげないと♥」 ぶひぶひ……不満そうではありつつ、取り巻きがすごすごと下がっていく。 その様子を醒めた目で見届けた姉さんが、柔らかい笑顔を僕に落とした。 「……私は君の為に処女取っておいたのに、君は、私の為に童貞を取っておいてくれなかったんだね……♥ 酷いなぁ……♥」 すぅっと見開かれた瞳に、激しく渦巻く嫉妬の炎が垣間見えた。 姉さんの指が伸び、僕の乳首を抓り上げる。 「悪い子には、御仕置きしなくちゃ……♥」 ご主人様が満足そうに「ぷひっ」と鳴いた。姉さんの欲望が際限無く膨れ上がる様がお気に召した様だ。 姉さんは一層激しく腰を振り始めた。ずっぽずっぽと下品な音を立てて逸物を下半身でしゃぶる。姉さんはだらしない顔を曝し、ぷひぷひと鼻息を鳴らす。 その姿は、僕を散々犯し抜いたオーク達と変わりなかった。姉さんは雌豚さながら、僕にありったけの欲望を子宮に乗せてぶつけてくるのだ。 「姉、さん……イ、く……♥」 「ダメだよ♥ まだ……まだ、御仕置きは終わってないんだから……♥ 君は、お姉ちゃんに悪い子の赤ちゃん産ませる気なのかな……?♥ ちゃんと良い子に出来たら、お姉ちゃんの中で思いっきり気持ち良くなっていいからね……♥」 姉さんが僕の口元に指先を差し出す。僕は舌を突き出し、指先に絡める。姉さんの身体は何処も甘いミルクの香りがする。母親を知らない僕にとって、其れは心の柔らかい部分に難なく滑り込んで来る。 「♥ ……可愛い……♥ 君って、ホントに可愛い……♥ 私が、ずっと護ってあげるつもりだったのに、生意気に一人立ちしちゃって、お姉ちゃん寂しかった……♥ でもね、判ってた。お姉ちゃんの事大事に思ってくれてたからなんだよね……♥ だから、嬉しかったりもしたんだよ……♥」 姉さんが、僕の唾液が絡んだ指を咥える。ちゅぱ、ちゅぱと、控えめに音を響かせる。 「でも、やっぱり寂しかった……死んでしまいそうだった……だから、君は、やっぱり悪い子……♥ お姉ちゃんを寂しがらせる、いけない子♥ ねぇ、ごめんなさいは? ちゃんと、お姉ちゃんにごめんなさいしましょうね?」 ずぼずぼと体重を乗せて逸物が出入りする。姉さんの蕩け切った瞳から、目が離せなくなっていた。何度もイってしまいそうになりながら、「イくな」という命令に身体が忠実に従い、堪える反動で身体が浮き上がる。 「っ……ごめ……なさ……っ!」 姉さんの膣が僕の逸物を一番深い所まで咥え込んだかと思うと、強烈に収縮し始める。オーク達と同じ様に、搾り取る動きを見せながら震える。 僕は意識が飛ぶ程の悦楽に身体を痺れさせ、姉さんの中に欲望を打ち込む。まるでおしっこをしているかの様な長い間隔の射精中、ご主人様がそっと姉さんの下腹部に手を添える。すると普段逆流する精液が結合部から一切漏れ出ず、姉さんのお腹がどんどん膨らんで行くのが見えた。 「 「ぷひぁ♥ 出てる出てる♥ これは確実に孕んでるね♥ 処女喪失の上ご懐妊なんて、縁起がいいねぇ?♥」 「……♥」 射精が収まりつつある時、姉さんが僕にキスをした。僕は姉さんの口に舌を捻じ込むと、嬉しそうに舌を絡ませて来た。僕は、姉さんの中で踊り狂い、互いの深い部分を交換しあった。 「……良い子、良い子♥」 唇が離れると、姉さんは僕を抱き寄せ、頭を撫でた。流石に僕の逸物も精根尽き果たし、しなしなと縮んで行く。 ご主人様は立ち上がり、大きく伸びをする。 「さぁーて。今頃街の方はどうなってるかなぁ」 「……?」 疲れ切った僕と姉さんが顔を上げる。ご主人様は、自分の胸を弄びながら語る。 「ぷひっ♥ アタシ達がなんでこんな街の近くに集まってるか考えなかったの? ……あの街を襲うからに決まってるじゃない♥ その為にこうしてあちこちから発情期真っ最中の子達を掻き集めて来たんだもの♥」 まさか。此処に居るだけでも数えきれないオークがいる。其れなのに街を襲う算段なんて付くものだろうか。街には当然鍛え上げられた衛兵達が居るというのに。 「ぷひひ……忘れてない? アタシが君に会いに何度も街の中に入ってた事……♥ もうアタシの手下としっぽりヤってる兵士がいるんだよ……?♥ 其奴に手引きしてもらってぇ……ぷひひ♥ あーあ、今頃街は大変な事になってるだろぉなぁ……♥」 あ、此処に居るのは全部君を気に入った子達だから参加しないよ。と付け足すご主人様。 「そ、れ、と♥ 集まった子の中には年端のいかない子供をレイプする趣味の子達も多くって……♥ その子達も、街の方“は”参加してないなぁ」 姉さんの表情は変わらなかった。僕の方を見て、ニコリと笑って、「ぷひっ」と鳴いた。 ご主人様は意地の悪い顔をする。 「まぁ、どうでもいいよね♥ 君は此処で、今日一日ずーっと私達と一緒だもん♥ 今更行った所でもう大体事は済んでる。じゃあ、する事は一つだよね……♥」 ぷひ、ぷひ、ぷひ、ぷひ……♥ 無数の豚の鳴き声が辺りに響く。 此れから始まる事への期待からか、僕の逸物は勢いを取り戻していた。 彼女達は、幾ら交尾をしても決して満足する事はないだろう。欲望を満たそうとすればする程、欲望で肥え太る。決して満足等する筈がない。其れは永遠に続く欲求不満のサイクルなのだ。 |
絶不調のあまりテーマを決めなかったのでネタがない。
偶にはネタに走らないあとがき的なものを書こうと思います。 さて元々はよく薄い本の展開である「脅されてエッチした後なし崩し的に集団に輪姦(まわ)されちゃう」というテンプレート染みたもの。あれは女の子が酷い目に遭いますがこれを男の子にして、オークみたいな集団で襲うのが自然な種族に襲わせるとどうだろうかと考えたのが素体。 しかしハーレム系が苦手といった方も多い昨今。また処女でなくちゃ嫌だという方は古来より多く。そういった方々を柔軟に引き込む話を考えるべきでもあったかもしれませんが、其処等辺は力不足でした。 ただね 皆さんも思ったかもしれませんが _人人人人人_ > ♥ 多 過 ぎ <  ̄^Y^Y^Y^ ̄ 13/01/06 04:54 Vutur |