連載小説
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75 壁を砕きし幼女の打撃
〜〜今回は、ガデッド軍団視点からスタートします!〜〜

ほんのりと朝日が差し込んでくる中…私は物凄い嫌な気分で私のアンデッド軍団のいる場所から離れて、階段を上り始めてはいるんだけど…
くぅ…忌々しい紫外線ねぇ…私の可愛いアンデッド軍団も思っているだろうけど…朝は嫌いなのよ…
まったく…明日になったら攻撃を始めようなんて思うんじゃなかったわ…

「ふぁっ〜〜…眠いわ…えっと…アンデッド軍団以外の兵士諸君…今から、各勢力に対して攻撃を仕掛けるわよ…えっと、アヤネとアミルとアクスエルは…あのメガロス帝国って名前の国に攻撃を仕掛けなさい…捕虜は…一応連れてきてね?まぁ…ある程度は重傷を負わす程度だったら…大目にみるわ」
「えっ……あのぉ…つまり、男を手に入れる事が出来る…って事ですか?」
「そうよアヤネ…あなたが思っている以上にあの国には男がいるらしいから…期待しておきなさい…それに、アミルの求めている理想の夫も手に入れることが出来るかもしれないわよ…?」
「ふむ…やはり、女王の地位につくにはそれ相応の伴侶が欲しいから…じっくり探すとしましょうか…?どうせ、王女のコリンと私が女王に即位する時に邪魔になるであろう存在の裕実を亡き者にした後…私の王位に即位することに関する計画が揺らぐことはないのだから…ね?」
「私は…デメトリオさえ天界に連れて行くことが出来たらいいのですが……まさか、デメトリオを捕まえるのに失敗して天使会議にかけられるなんて思わなかったんですよ…あの社会のゴミめぇ…おかげで私の給料も19%ダウンしたんだから!!」
「……アクスエル、お金にとらわれたらいずれ…堕落するわよ?」
「ガデッドさんに言われたくないですよ!!私の上司に居場所がばれたら…ガデッドさんも無事ではないんですよ?まぁ…私は言いませんけど…」

などと言いながら、三人はのんびりと戦いの準備をしているんだけど…
三人で…大丈夫かしら?ま、まぁ…確かに戦闘能力的にも心配しなくてよさそうだけど…
……いいわ、もう朝だから…正直に言えば考えるのも面倒だし、寝たいから…
もう彼女たちに任せるわ…
彼女達が三人で良いと思えば…それは彼女たちが決めたことなんだからね?

さぁて……後はモンスターラグーンに攻撃を仕掛ける人たちに指示したら…
ようやく眠ることが出来るわ…よしっ!!

「えっと…モンスターラグーンの方に攻撃を仕掛けるのは…夜は私たちのアンデッド軍団、昼間は残りのメンバーに頼むから…怪我をしない程度によろしく頼むわよ?モンスターラグーンはあのメリィのいる集団だし…他にも大勢の集団との連合軍みたいな感じだから…油断はしないようにね?じゃあ…頑張って!!私は寝るから…夜の7時23分41秒に起こしてね?」

私は一気にそういうと、すぐに自分の寝ている場所に行って、安らかな眠りに入ったのよ…
さぁて…疲れたけど、眠った後に状況はどのくらい…変わっているのかしらね?


〜〜〜そして、少し時間が経過しアミルの視点に変更です!〜〜〜

……あの壁を越えれば、メガロス帝国に侵入するのは楽そうね…
そう思いつつ、私は遠目に壁の方を見ていたんだけど…
兵士が30人くらい警護しているようね……これは、厄介だわ…

私はそう思いながら、どうするかを真剣に考えていたのよねぇ…
モンスターラグーンのメンバーがいまだに内部に侵入できていないって事は、確実にあの壁には何か仕掛けがあるだろうし…恐らく空からの侵入も出来ないと思うのよ…
さらに、あそこにいるメガロス兵たちを相手にすること事態は簡単だけど、仲間を呼ばれたら厄介だしね?
う〜ん…ここはやっぱり、あの壁を通らずに侵入することが出来るルートを見つけないと…

そう思いながら、私はのこり二人にストップの指示をだし…どうやって侵入するのかを考えようとしたんだけど…

「……はぅっ!?あ、あれは…男性…男子…男…オトコだぁぁーーーーっ!」
「ちょ…ちょっとアヤネ!!落ち着きなさいって!!もぉ…一体何なの?」
「あぁぅ…オトコ…相手キタァアァーーッ!!」

なんと、アヤネの雰囲気がいきなり変わったかと思うと、物凄い速度でメガロス兵のところに行ったのよ…
あ、アヤネ…私の計画に支障をきたす行動は…ふぅ…まぁいいわ…

「…でさぁ?俺はその時、冷蔵庫の中においてあったプリンを焼きプリンにしてみようかなって思ったわけなんだよ!!」
「…おぉーーー!!お前…よくもまぁそんな勇気があるよなぁ…だってさ?焼きプリンにしたら失敗した時に、プリンのおいしさがブレイクするんだぜ?」
「おうよ…それを俺はあえて実行してだな……」
「あぁ…その結果、失敗したんだろ?」
「……うん」

…あら?メガロス兵の連中…アヤネに気がついていないのかしら?
私がそう思いながらじっと見ていると…アヤネが口元をクチュクチュさせ始めたのよ!!
あ、あれは…糸を吐く構えじゃないの?なるほど…メガロス兵の連中を一撃で仕留めるつもりのようね…

「でさぁ…って、おい!!魔物娘だ!!急いで戦いの準備をしないと…ガイウスさんはもう…俺達を助けてくれないんだ!!いくぞぉーーーーっ!!」
「おぉーーーー!!」

ようやく、メガロス兵の連中も気がついたようね…
さぁて…すこし、アヤネに戦ってもらってメガロス兵の強さを把握させて貰おうかしら…?

私がそう思うと、すぐにあたりに銃声が鳴り響いたのよ…
あら…?メガロス兵の基本兵装って遠距離の銃器なのね…私のいたアヴァルでは見ない武器だから…珍しいと思うわよ?
ふふっ…私が女王となった暁には、兵士諸君に取り入れようかしら…?

「牽制を仕掛けつつ、左右から彼女を攻めろ!!数で押せぇーーーっ!!」
「行くぞーーー!!うおぉぉぉぉぉぉっーー!!」
「催眠爆弾を投げろーー!!行くぞーー!!うおぉぉぉぉっ!!」

パパパパパパパッ!!ヒューン…ドゴォッ!!

「くそぉっ!!攻撃が…当たらない…!?」
「アハハハハハァ!!オトコ…ハァ…ハァ…」
「ひるむなーー!!正義は我らにありーー!」
「でも、でもさぁ…攻撃が全て当たらず…当たったと思ったら弾かれるなんてそんな化け物みたいな相手を…倒せる気が…」
「ハァ…ハァ…フシュッ!!」
「うわぁっ!!い、糸だぁーー!!」
「気をつけろーー!!うぐっ…」
「ひぃぃーーっ!!むぎゅうっ…!!」

……アヤネ…中々に強いじゃないの…
まさか、まさか2分でメガロス兵を全員糸で捕獲するなんて…さすがねぇ…
じゃあ…じっくりとこの壁を調査させて貰うとしようかしら…?
私がそう思いながら壁に近づいていくと、アヤネが変に興奮しながら壁に物凄い速度で近づいていったのよ…

「……まだ…タリナイけど、この壁の向こうからオトコの匂いがする!!」
「…でも、ここをどうやってくぐりぬけるのよ…?モンスターラグーンの彼女達でさえまだ…この壁を越えてないのに…」
「壊せばイイのよ!!うらぁっ!!」

ドゴーン!!ドゴーン!!

なっ…なんなの!?この衝撃は!?地面が揺れ動くほどの衝撃が襲い掛かってくるなんて…アヤネの攻撃力って結構…高いのね…
なんて思うと同時に、物凄い音を立てて壁に亀裂が入っていったのよ…
こ、これは…思ったよりもこの壁も素早く突破できそうね…

〜〜〜メガロス帝国サイドに移動します!!〜〜〜

俺はケイの部屋で、機工障壁に内蔵されたカメラを地味にナッカーサーと見ていたんだが……
なんと、東門でいきなり戦闘が始まったかと思うとすぐ…見覚えのある女性の姿が見えてきたんだよ!!
あ、あれは…アヤネじゃないか!!
俺が…異常にステータスを上げてしまったウシオニの女の子…どうしてこんなところにいるんだよ!?さ、最後に出会ったのは…カスタニア山脈だったよな?
だが、そんな事を思っている俺のよこで、ナッカーサーがまさか!?って表情を浮かべているんだよ……何をそんなに焦っているんだ?

「ナッカーサー…どうした?」
「き、機工障壁に亀裂が入ってるんだよ!!どんな攻撃を使っても…壊れることが無いはずなんだぞ!?この世界中に本来存在しているどの手段を使おうとも、破壊することが出来ないはずなんだ…その機工障壁に亀裂が入ったら焦りもするだろうが!!」
「……あぁ…それは、彼女…アヤネはこの世界に本来存在していない攻撃力を持っているからなぁ…だって、全てのステータスが…元々、オール200だった強い幼女だったのに、俺のこの剣あるだろ?これの能力が、魔物娘を幼女化させて、さらに幼女になった状態の魔物娘を切ると、すべての能力値が4倍されるんだよ!!そして…俺は21回切ったから…単純に考えて、全ての能力値は200×4の21乗になるんだよ!!ちなみに、普通の人間の戦闘能力は4〜6くらいだからな?どれだけ凄いか…」
「えっと…879兆6093億222万800…か?計算間違いしていなかったらだが…」
「あぁ…戦車の砲撃が一発180くらいの威力と考えても…どれだけすさまじいか…それくらいの攻撃を何発も食らったら…そりゃあ壊れたりも…って、やばいじゃないか!!」
「よ、ようやく気がついたのかよ!!」

そう…それくらいの攻撃力があったとしたら…メガロス帝国にどのくらい兵力があってもアヤネの手で全滅してしまうかも知れないじゃないか!!
……め、メガロス帝国が落ちたら俺の身が危険にさらされる…
それだけはどうにかしても回避しなくては…ど、どうすればいいんだ!?

なんて俺が慌てていると、同じく慌てたような感じでエレベーターを使ってケイが地下から上ってきたんだが…

「デメトリオーー…異常は無いか?ちょっと今からティータイムにいそしもうと思っているんだけど…君達もどうだ…って、き、機工障壁が…壊れかけているだと!?」
「あぁ…ケイ…そうなんだよ!!壊れないんじゃなかったのか!?機工障壁…この世の攻撃手段じゃ壊れないってケイは…」
「そ、そのはずなんだよナッカーサー…僕の計算では…5000兆のダメージを受けなくてはこの機工障壁は壊れないはずなんだぞ!?それが…」

ケイがそう言いながら、まさかって顔で映像を見ていると…遂に、機工障壁がアヤネの攻撃を7発受けて崩れさったんだよ…
で、それと同時に映像も見えなくなったんだが…最後に見たとき、俺はアヤネとアミルとアクスエルの姿を見たんだよなぁ…
まさか…旅の途中で俺やモンスターラグーンのメンバーと敵対した連中がそろっている…だとぉ!?

「ば、馬鹿な……僕の…僕の最高傑作の機工障壁が…崩れ去っただとぉ!?し、信じられない…そんな馬鹿なことが起こるわけがないだろうがぁ!!なんて、そんな事を今言っている場合ではない!!『全国民及び兵士に告ぐ!!機工障壁が崩壊!!東の機構障壁が崩壊!!兵士諸君はただちに戦闘体制に入り、クロニクルレーザーを用意するんだ!!僕は……ドルステインNOTハイッテンドルークを…作動させる!!作動するまでの5分間みんな、耐えてくれ!』さぁて…ドルステインNOTハイッテンドルークを作動させるから、ナッカーサーとデメトリオも僕の手伝いをしてくれないか?」
「あぁ…いいぜ?」

「おい…聞いたか…?機工障壁が崩れたって…」
「あぁ…そんな馬鹿な話があるなんて信じることが出来ないけど…行くしかないんだろ?だったら、行くぞ!!ただの使い捨てである兵士のこの俺達ができることは…時間稼ぎだけだ!!」
「よぉしっ!!【兵士5】スタートだぜ!!行くぞーーー!!」

【    兵士5 スタート    】
【ルール説明…物凄い勢いで攻めてくるアヤネを止めるために…兵士を操作しよう!!右上にあるタイマーが0になるまで…メガロス帝国の防衛ラインを守り続けるんだ!!制限時間は…5分だ!!
兵士の残り人数はなんと…無制限!!いくらでも犠牲にすれば…いいと思うよ!
操作方法… ×ボタンでジャンプ △ボタンで催眠手投げ弾 □ボタンで射撃○ボタンで自爆特攻 L1で回復アイテムを使うことができ R1でダンボールに隠れて移動できるぞ!!】

よっし…ゲームスタートだ!!ストップウォッチを…起動したかい?

「うおぉぉぉぉぉっ!!」

パパパパパパパ!!

「手投げだぁぁぁんっ!!おりゃあぁぁぁぁ!!」
「ちなみに、俺達がこんなことをして攻撃を仕掛けているが…1秒に20人は倒されているって事…わかってくれよ?ちなみに…画面がみえな…ぐふぅっ!」
「あぁっ!!くそぉ…お前の後は俺が引き継ぐぜ!!ちなみに、画面が見えないと思う方は…独自のイマジネーション…もとい、想像力で頑張ってくれ!後、この兵士5をプレイしてくれている間、俺たちの姿はドット絵になっているから、そこのところ、よろしく…うわぁぁーー!!」
「ちぃっ…特攻ーーー!!ちなみに、こんな風に説明しているけど、実際に戦っている俺たちは物凄いマジで頑張っているって事を…むぎゅっ…」
「分かってくださーい!!おらぁーーー!!」

「ハァ…アハハァ…」
「さすがに、メガロス兵達も抵抗するようねぇ…」
「私を敵に回したら、それは神に反抗する行為だって事を…分からないのかしら?そして……神に反抗したことを許して欲しかったら、私に硬貨を恵みなさい!!」
「まぁ、アヤネが全員倒してくれるんだろうけど…」

「くそぉ……行くぞみんなぁーー!!残り、3分だ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!食らえーーおらぁーー!!」

「う、うわぁーー!!糸だぁーーみんな、気をつけろーー!!」
「ちょっ…えぇっ!?広範囲攻撃だとぉっ!?」
「ジャンプしても避けれない攻撃なんて、どうしたらいいんだよ…」
「ダンボールだ!!ダンボールを使え!!」
「ダメだぁっ!!ダンボールを使っている間は…スピードが遅くなるんだよ!」
「く…諦めるなぁーー!!後…少しなんだぁーー!!」
「守ったら負ける!!攻めろーー!!」

「…オトコォォォォ…アハハハハハハッ…フシュッ…」
「う…うわぁぁぁぁ「うわぁぁぁ「うわぁぁぁぁ「うわぁぁぁぁっ」」」」
「くそぉ…残り2分…なんとしても防衛ラインを守り抜くんだ!!」
「みんなぁーー!!クロニクルレーザーの発射準備が出来たぞーー!!」
「よぉっし……発射ーー!!一気に眠らせろ!!」

ドゴォォォォォォォォッ…

「き、効いて…ないだと…!?うわぁーー!!」
「そ、そんな馬鹿なことが…ぎゃぁぁぁぁっーー!!」
「くぅっ…の、のこり1分…頑張るしかない!!」

「諦めればいいのに……ボルグ・カムランフォームチェンジ!!ボルグ・インドラ!!」

「なぁ…あれって…」
「間違いない!!弓矢だ!!みんな!!気をつけろーー!!」
「か、かすった…!?な、ま…ひ…矢だとぉ…」
「くそぉ……使い捨てでも…この扱いかよぉ…は…ははっ…特攻ーーー!」
「おらぁーーっ!!う、うおぉぉぉぉぉっ!?ぎゃぁぁあああーー!!」
「ち…ちくしょおぉぉぉぉぉぉーーっ!!うわぁぁぁぁぁぁっ!!」


画面の向こうでは…まるで兵士がゴミのように倒されているが…
俺はその姿を見ながら、ここでもまた…どうして逃げないのか不思議に思ってしまったぜ…
あれだな…勝てないって分かっていて…戦いに行くなんて、あいつらは馬鹿なんだなぁ…
だってそうだろ?戦いってのは負けるために行うものじゃないだろ?
勝つために…勝てると分かっていて行うものなんだって!!
つまり、あの兵士達の勇気は全て無駄だって事だろ?
まぁ…それでも俺よりは何倍もマシだと思うけどな…

なんて思いつつ、ついにケイが言っていた兵器の準備が終わったんだよ!!
あ…あの兵士達…本当に5分耐えやがった…

「よしっ…ドルステインNOTハイッテンドルーク起動!!」
「なぁ…ケイ、その装置初めて聞くけど…一体何なんだ?」
「あぁ…ナッカーサー…これは、まだ試作品なんだけど…機構障壁に組み込もうと思っていたシステム発生器なんだ…今回は異例のケースだから電磁シールドみたいになっているんだけどね?これを組み込んでさえいれば…機工障壁は絶対に壊されなかったのになぁ…このシステムを組み込めば、衝撃を絶対に0にすることが出来るんだ…これさえあれば、どのような攻撃でも機工障壁を砕くことは出来ないはずだったんだけど…まさか、完成よりも前に機工障壁を…しかもあんな子供に砕かれるなんて思っていなかったよ…」

た、確かに…アヤネがさらに、そのシステムの発生させた電磁シールドの奥にいるメガロス帝国の兵士達を捕まえようと進んでいるが……いくら攻撃しても電磁シールドを超えられそうにはないな…
まさに…最後の手段って奴なのかな?

「ふぅ…これで東門地域は…安全かな?ちょうど…ここで制御を切らない限り、電磁シールドを突破することは出来ないしな?これで…どうにか国内戦は避けることが出来たかな…?」
「だが……わずか5分の防衛戦だけで…兵士が186人も犠牲に…なるなんて…無情すぎるぜ…世の中ってのはよぉ…」
「……でも、その犠牲のおかげで助かったのなら、喜ぶべきだって思うぜ?」
「で、デメトリオ!!お前…お前って奴は…あの兵士達がどんな気分で戦いにいったのか…それを考えたことがあるのかよ!?」
「そんな事言ったってナッカーサー…助かったことは事実だろ?まぁ…俺は助かったことをただ純粋に喜びたいね?」

〜〜一方、それと同じごろ、アミルたちは…〜〜〜

や、やっぱり…この電気の壁の向こうには進めない見たいね…
くそ…ここまで進行して、ここで何もせずに戻るというのも…気に入らないわ
なんて思いながら、少し落ち着いてきたアヤネの横で考えていたんだけど…
あらっ?あの建物…結構重要そうねぇ…気晴らしにあれでも破壊して戻るとしましょうか…

「アクスエル…お願いがあるのよ…あの建物…破壊してくれないかしら?あなたの矢だったら届くと思うんだけど…」
「……矢もただじゃないんですけど…いいですよ〜?あっ…その代わり、硬貨を下さいよ〜?」
「…まぁ、考えておくわ…よろしくね?」

私はそういうと、アクスエルに任せて自分達の拠点に戻っていったのよ…
後ろの方で建物が大きな音を立てて爆発したらしいから…電磁シールドは上からの攻撃を防ぐことはできないようねぇ…
まぁ、私の進行を邪魔したのだから建物が崩壊するのは当然よね?

〜〜たびたび視点変更して申し訳ない…メガロス帝国サイドです〜〜

大勢の兵士が敗れ、そしてアヤネに縛られて連れて行かれたそのすぐ後に…
物凄い爆音が東門の方から聞こえてきたんだよ!!
な、なんだぁ!?いったい、なにが起こったというんだ!?
そう思った瞬間、物凄い警告音が辺りに鳴り響いたんだよ!!

「なっ…!?大変だ!!機工障壁をプログラム制御していた建物が…攻撃をくらって爆発した!?こ、このままじゃ…」

ケイがそう言おうとした次の瞬間、映像に写っていた機工障壁が全て開いたんだよ!!こ、これは…機工障壁が無意味に…

「嘘だぁ!!こんな馬鹿なことがあってたまるかぁ!!ありえない…ありえたらいけないはずだ!!僕の…僕の最高傑作が…電磁シールドは試作品が一個しかないから、他の門のところは何も…防御手段がないのに…それは無しだろ!」
「お、落ち着け…なっ?とにかく、今までやったことが無いけど…防衛戦を国内でやるしかないだろ…?」
「……僕は少し…機械を作ってくるよ…5年ぶりに…本気出すよ」
「お、俺は…戦わないぞ!?あ、危ないって!!うん!!」
「あぁ…デメトリオは別に無理して戦わなくてもいいと思うぜ?俺は…城に戻るからさ…デメトリオはここで…国内に設置されたカメラを見ながら、各部隊に命令を出せばいいから…それなら出来るだろ?」
「お、俺にそんな重要な仕事が出来るわけ…」
「大丈夫だ!!この仕事をした奴自体がこの国に存在しないからな!!だって…今まで機工障壁が壊れるなんて……誰も思っていなかったからなぁ…」
「でも……俺の言うことを誰が聞いてくれるか…」
「……デメトリオは、大きな物事には気付かないけど、小さな物事にはよく気がつくだろ?だったら…結構いい指示が出せると思うぜ?それに…今回の敵はデメトリオ…知っているんだろ?」
「えっ……あぁ…まぁ…」

こうして俺たちは…防衛戦に全力を注ぐことになったのだった…
まぁ…負けそうになったら俺は逃げるし…頑張ってみるかな?
12/08/08 20:13更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!

さて…みなさん…まさか…まさか拳で機工障壁が崩れるとは思っていなかったでしょう!!

そして…遂に、モンスターラグーンのメンバーも国内に攻めてきます!!
果たして…どのような戦いが繰り広げられてしまうのか…
それを楽しみにしていただけるとうれしいです!!

ありがとうございましたーー!!

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