74 その他の視点
〜〜ガイウスがピーターを助けた時の時間に少々戻ってスタートです！〜〜
ガイウスが仲間を助けに行ってから３０分が経過したわけだが…
ちょっと、遅くないか？他のみんなもそう思っていると俺は思うぜ？
今までも何度か仲間を助けに行ったと思うけど…こんなに時間がかかったことは無かった…よな？
まぁ…俺は二回しか助けに行った所を見ていないわけだが…ね？
「なぁ…デメトリオ…ガイウス、戻ってくるの遅くないか？」
「…遅い…のか？俺は二回しか助けに行ったところを見ていないから早いとか遅いとか…そんなの分からないんだが…？」
「いや…これは遅いと思うな…僕の作ったD・ドライブがあるんだから、すぐに戻ってくることが出来るはずなんだ。小型のテレポーテーションシステムの受信機が電波を発信する時間は１時間だけ…あと３０分したら…ガイウスは歩いてここに戻ってこないといけなくなるんだ…」
「そうだよなぁ…ケイがいうことも最もだと思うぜ…ガイウスは５分で仲間を助けていつも戻ってきていたからな…これは…何かあったと考えたほうが…」
俺達がそんな話を心配そうな表情で王様の部屋内でしていたわけだが…
その時、いきなり誰かが涙声で王様の部屋の扉をドンドン叩き始めたんだよ…
「王様ぁ〜〜…大変だぁ…大変なんだよぉ〜〜！！開けてくださいよぉ！！」
「……この声は…ピーターか？確か、ピーターは今…外に出て戦っていた部隊の隊員だったよな！？戻ってきているって事は…ガイウスも戻ってきているのか！？ま、まぁ…とにかく入ってくれ…」
王様がそう言いながら扉を開閉するボタンを押したんだが…
扉が開いたと同時に、外で扉を叩いていた青年が泣きながら部屋に入ってきたんだ…
「……どうしたんだ？ピーター…？」
「ガイウスさんが…ガイウスさんが俺を助けて…モンスターラグーンの変な装置に捕まったんだよ…俺、ガイウスさんと一緒に戻ってこようとしたんだけど…ガイウスさんが俺をその装置から脱出させてくれて…ガイウスさんからもらった装置を使って俺は戻ってきたんだけど…ガイウスさん…モンスターラグーンの兵士の一人…ポニーテールに赤い髪の毛のサラマンダーの女性と一騎打ち…してると思うんだ…」
「…な…に！？ガイウス、一人で戦っているのかよ！？でも…ガイウスだったらテレポーテーションシステムを使ったら、ここに戻ってくることが出来るんじゃ…？」
「それが…その装置の中から、ガイウスさんのテレポーテーションシステムで脱出しようと思っても、周りに張り巡らされた電気が邪魔をして脱出できないみたいなんです！！で…ガイウスさんが自分のグローブを犠牲にして俺を…」
……なぜだ！？どうして…仲間を助けに行くために自分を犠牲に出来たんだよガイウスは！？
なんて…俺はピーターとナッカーサーが話し合っている時に内心…一人で考えていたんだ…
自分を…犠牲にしてまで…仲間を…助ける勇気が一体どこから出てきたんだ？
そう思うと同時に…俺はガイウスの姿を思い出していたんだ…
………あいつ、仲間を見捨てない男だとは思ったけど…すごいな…
いやぁ…俺にはとてもじゃないけど…真似できないな…
俺がそう思ってピーターとナッカーサーの話し合いを聞いていると、いきなりケイの方から警告音が聞こえてきたんだよ！！
あっ…決して、ケイの名前と警告音をかけたわけじゃないんだからな？
そんな事より…この警告音だ…一体、この警告音は何なんだ！？
なんて思っていた俺やテスタロスたち…メガロス帝国のみんなでも、この警告音が何なのか分からないのか…？
なんて思っていると、いきなりケイがまさか…って表情を浮かべて、慌てて腰を探り始めたんだよ…
「……これか…？はっ…！？これは、自殺剤を使った時に自殺剤に仕組んであった装置と連動して警告音が鳴るようにしている奴じゃないか…！！自殺剤は全て…人徳的じゃないと僕が判断して破棄したはずなのに…一体誰が使ったんだ！？」
「…ケイ、凄くいいにくいことなんだが…言ってもいいか？」
「どうしたんだテスタロス？」
「実は…ガイウスが持っていた自殺剤を、回収してないんだよ…ほら、自殺剤を回収していた時、俺達【ミカルド】が自殺剤を兵士達から回収しただろ？で…当然その時に俺達も自殺剤を破棄したはずなんだけど…その時、ガイウスが自殺剤をなくしたっていっててさ…なくしたならいいかって…」
「なっ…！？どうしてその時にもっと真剣に探さなかったのだ馬鹿め！！」
「そんな事をいったってメビウス…こんな広い国から小さなカプセルを一つ探すなんて…そんな事できるかよ！！それに、無くなったら服用する可能性なんて０だと思ったから…」
「……装置のある場所を逆探知してみたら…メガロス帝国の機工障壁より…外側か…やっぱり、これを使ったのは…ガイウスのようだな…」
…みんな、自殺剤って物騒な名前を多用しているが、自殺剤って一体何なんだ！？
ちょっと…聞いてみようかなぁ…？でも、空気が読めないとか思われたら嫌だなぁ…
だって、俺は空気が読める男として定評があるからな？ここでイメージダウンしてもらったら…困るわけだし？
まぁ…俺はいいキャラだからイメージダウンなんてありえないわけだけどな？
なっ？みんなもそう思うだろ？
なんて思いつつも、俺は結局自殺剤というものがどういうものか聞きたかったので、ケイに聞いたんだよ…
「なぁ…みんな言っているけど…自殺剤って何なんだ？」
「あ…それ、俺もききたいです…」
「私も…初めて聞くんですが…？」
なんと、自殺剤を知らない【ミカルド】のメンバーがいるなんてな…
正直、俺は【ミカルド】のメンバーは全員知っているものだとばかり思っていたんだが…
「そうか…デメトリオはもちろん、グランマーグとクラウィスはメガロス帝国に来たのは３年前より後か…だったら分からないよな…ケイ、説明してやってくれよ！」
「あぁ…いいけど…実は自殺剤…別名【unouted DEATH samplu】は三年前に僕が作った発明品なんだ。自殺剤を作った理由は…いつでも死ねるならいろいろと楽なんじゃないのかって思ってさ…？でも、ちょっとした考え方のミスがあったんだよ…」
「考え方のミス…って？」
「いや…メガロス帝国に集まっている連中って、孤児や心にキズを負った連中の集まりだろ？だから…僕の作った発明品を使って自殺する奴が多発したんだよね？僕は人を殺す武器は作らないって決めてここに来たはずなのに……大勢の命を自殺剤で奪ってしまったんだよ……まさか、あそこまで抵抗無く自殺剤を使えるなんて…当時の僕は思っていなかった…」
「だから、ケイは三日で全ての自殺剤を破棄するように俺達に指示したんだろ？」
「あぁ……自殺剤は飲み込むと胃の中で毒性を表すから…３０分経過したら終わりなんだ、今も昔も解毒方法は分かっていないし…そんな恐ろしいものをみんなに持たせておくのは危険すぎるだろ？」
……まぁ、いつでも自分が死にたい時に死ねるってのは、考えようによっては便利だったりもするけどね？
…ちょっと待てよ…？じゃあ、自殺剤を使ったガイウス…もう助からないじゃないかよ！！
「ちょっと待ってくれよケイ！！それって…もうガイウスは助からないって事じゃないかよ！！」
「あぁ…これを言うのは忍びないが…ガイウスは…メガロス帝国に…戻って来れないって事さ」
「……くっ…ガイウス、あいつ…生きていれば、少しは自分の人生を…どのような結果であれエンジョイできていたかも知れないのに……」
「ナッカーサー…お前…」
あれだな…ナッカーサーはガイウスが自殺剤を使ったことに納得できないらしいんだ…だから…結構心の中ではダメージを受けていると思うなぁ…
……やっぱり、この国の兵士達って変に結束力が強いよなぁ…な？
「馬鹿だ…あいつは馬鹿だ！！なんで…なんでそんなに命を軽く見ることが出来たんだよ！！あいつは…あいつは自殺剤を使って大勢のメガロス帝国の仲間たちが死んだ時…俺達の中で一番その事実に怒っていたじゃないかよ！それなのに…自分は死んでもいいなんて…思い上がりもいいところだ！！」
「とにかく…俺、少しお腹が痛くなってきたからトイレにいってくるよ…」
ナッカーサーは少し怒っているみたいだし、王様は王様で顔色が真っ青だったんだよ…
あれだな…王様…確実に精神的ダメージを受けているな…うん。
…って、ちょっと待てよ？王様がトイレに行くといって、この部屋を後にしたって事は…第３勢力が出現したって事に関しての話し合いは終了したって事なのか！？
じゃあ、俺がこの部屋にいる意味もない…よなぁ？
でも、この部屋から出るといっても、ナッカーサーは怒っていると同時に一人にしておいてくれないか？って雰囲気をかもし出しているわけだから…
どうも自分の部屋にナッカーサーを連れて戻っていくってのもなんだか、抵抗があるんだよなぁ…？
なんて、俺が思っていると、ケイが俺に話しかけてきたんだよ！！
「なぁ、デメトリオ…もし…これから暇だったら、僕の研究所に来ないか？」
「……研究所？別に暇だからいいけど、一体何の用なんだ？」
「いや…特にコレといって用事はないんだけどね？まぁ…気晴らし程度に…な？」
……まぁ、暇つぶしには…なるかなぁ？
でも、ナッカーサーに何もいわずに行くってのもなんかわるいよな…
俺はそう思うと、ナッカーサーのところにいって、ケイの研究所に行くって事を伝えることにしたんだよ…
「ナッカーサー…俺、ちょっとケイの研究所に行ってくるからさ…ナッカーサーも落ち着いたら来なよ？」
「…あぁ、ちょっと風にでも当たって、頭でも冷やすよ…落ち着いたら行くから、先に行っておいてくれ…」
「了解！」
俺はナッカーサーにそういうと、ケイのところに行って、ケイの研究所に向かって行ったのだった…
〜〜ジャンヌの視点に変更します！〜〜
「はぁっ…はぁっ…早く、ジュンコのところに行かないと…」
私はそういいながら、ガイウスと戦った場所からそこまで離れていないモンスターラグーンのテントが並んでいるところを走っていたのよ…
まさか、ガイウスが急に吐血するなんて…
私は、今現在…ガイウスの話をもっと真剣に聞いていなかったことに少し…後悔していたのよ…
そう思いながら走り続けていると、ようやくジュンコのいるテントが見えてきたのよ…
「ジュンコ！！いる！？」
「…あら？どうしたのジャンヌ？」
「お願いがあるのよ…今すぐ、私の後を追いかけてくれない…？」
「…少し落ち着きなさいって、お茶でも飲む…？」
そう言いながらジュンコはお茶を差し出してくるんだけど…
時は一刻を争うのよ…のんびりとお茶を飲んでて…もしガイウスが死んでしまったら……これから先の人生で私のことを受け入れてくれる男性とは出会えないかも知れないのよ…
私…確かにガイウスが言ったように自分の強さには自信を持っているけど…
でも、それが完璧に悪いことっていうガイウスの意見には賛同できないのよ…
まぁ…確かに、ガイウスの意見を半ば…ないがしろにした私も悪いんだけど…
と、とにかく…はやくガイウスのところに行かないと…
「今はそれどころじゃないのよ！！お願い…ついてきて！！」
「…わ、わかったわ…ジャンヌにしては珍しく、焦っているようだからただ事ではないんだろうし…ね？」
「よかったぁ〜…じゃ…じゃあ、急ぐわよ！！」
分かってくれたようね…
私は心の中でそう思うと、すぐにガイウスが倒れている…あの場所に向かって走り始めたのよ…
まだ…無事だといいんだけど…
そうして、ジュンコを連れて走り始めて数分後…私とジュンコはガイウスが倒れている場所についたのよ！！
ガイウスは…まだ息がある…よかったぁ〜〜…
もう…本当に、ガイウスの身に何かが起こっていたらと思うと……
とにかく、早くジュンコに見てもらわないと…
本音を言えば…傭兵時代も、つい最近までも…こんなに他の人のことを思ったことは無かったかも知れないわ…
「ジュンコ！！あの…この人なんだけど…」
「……どれどれって…ジャンヌ！！この人、人間の男じゃないの！しかも…この服装…他の仲間の報告に入っているメガロス帝国の兵士の服装にそっくり…これは…リーダーに報告しないと…」
「お願い！！リーダーには報告しないで…彼を助けてあげてくれない？」
「…えっ…いいけど…あなた、今回少し変よ？いつもなら、うんざりするほどにリーダーに忠実なのに…こんなに他人のことを思うなんて…」
「そ、そんな事、どうでもいいじゃないの…早く診てあげてくれない…？」
「………わかったわ」
そういうと、ジュンコは少し笑いながらガイウスを診てくれ始めたのよ…
……少し、笑っているのが気に入らないんだけど…まぁいいわ…
そんなにガイウスが重傷じゃなかったらいいんだけど…大丈夫かしら？
「…どうやらこれは、毒…？を服毒したようね…血液検査の結果…クロトムロベリアンフェモスの症状と似ているから、おそらく熱魔法で消毒できるわよ？」
「クロトムロリベアンモフェス？まぁいいわ…とにかく、お願い！！」
「わかったわ…少し、待っていなさい…」
それから、私はどう頑張っても恐らく使うことが出来ないであろう回復魔法をジュンコが使うのを見ながら、ガイウスが無事に元気になるように祈っていたのよ…
で、２０分くらい立った時かしら…？ジュンコが大きく息を吐くと私の方に来たのよ…
「ジュンコ！！ど、どうなの…？ガイウスは…」
「なんとか、体内にある毒を完全に熱魔法で消毒、その後、回復魔法で体内の傷ついた部位を癒したわ…これで、大丈夫よ？」
「……っ…あ、ありがとう！！私…不器用だから、どんなお礼をしたらいいのかが全然分からないけど…そうだ！！私のこのスペアの下着を…」
「あぁ…いらないから大丈夫よ？それよりも他のお礼をあなたは見せてくれたからね？多分あなた…ガイウスっていうメガロス帝国の兵士に惚れてるんでしょ？敵国の兵士と禁断の恋…これは、戦争中はめったに見ることの出来ないシチュエーションだとおもうのよ！！それをこっそりと応援する立ち位置に立てただけで、私は十分よ？」
「で、でも…やっぱり、お礼は形があるお礼のほうが…ほら、私のスペアの下着はUVをカットするから…あなたのその白い肌を守る効果が…」
「……サイズが合わないわよ…特にブラの…ね？とにかく、お礼はいいから、あなたは彼を見てあげていなさいね？私はテントに帰るけど…後５分もしたら彼も目を覚ますから…その時に、自分に素直になることね…変な言い回しは誤解を生むわよ？」
ジュンコはそう言いながら、帽子を深くかぶりなおすと…モンスターラグーンのテントが集まっている場所に戻っていったのよ…
自分に素直にって言っても…素直に行動していたらこんなことになったのよ…
でも…変な言い回しは…していたのかしら？
そう思っていると、ガイウスが目を覚ましたのよ…よかったぁ…本当によかったぁ…
まぁ…この喜びを私は余り顔に出さないようにしたんだけどね？
じゃあ…今度こそ、ガイウスに本音を伝えて、ガイウスと……
〜〜〜メガロス帝国サイドに戻ります！！〜〜〜
ようやくケイの研究所についた後、俺はケイの後を追いかけてケイの部屋に入ったんだよ…
うおぉ…相変わらず、俺が変に触ったら爆発してしまいそうな装置が大量に置かれているな…この部屋…
なんて思いながら、装置にあまり触れないように恐る恐るケイの後を追いかけていくんだが…
「なぁ、ケイ…ちょっといいか？俺たちはここで、どうやって暇を潰すというんだ？」
「ん？あぁ…僕は急ピッチで地下の機械を完成させる作業に入るから…デメトリオはここで、機工障壁に内蔵されたカメラを通しての監視役をして欲しいんだ…いいかな？」
「か、監視役って…どうすればいいんだよ！？俺、こんなに沢山の機械を操作なんて出来ないぞ！？」
「大丈夫だって！！どうせ、機工障壁が破られることなんて無いから、ただ見ているだけの作業になるんだからさ？あぁ…少し暇になるかも知れないから、暇になった時ように知恵の輪とルービックキューブとオセロでも置いとくよ」
そういうと、ケイはエレベーターを使って地下の機械を置いてあるであろう場所に行ったのだった…
……いや…別に、ケイが地下に行ったことに関しては俺は何も言うつもりは無いんだが…オセロを一人でどうやればいいのか…それを素朴に教えて欲しかったね…うん
それからしばらくの時間が経過して…俺は一人でルービックキューブと知恵の輪で頭を痛めていたんだよ…
れ…レベル１０の知恵の輪は…俺にはレベルが高すぎたぜ…
えっ？俺のレベル？まぁ…レベル１くらいなら、２時間もかければ…
そう思いながら、一人…少しだけ高い椅子に座りながら、時々機械に写っている映像を見ていたんだが…こ、これは…半端じゃないくらいに暇だ…
いや…これだったら、空気が読めない奴でもよかったからナッカーサーと俺の部屋に戻ってメガロチックファイターをする方が…よかったきがするぜ…
俺がそう思いながら、また知恵の輪に挑もうとすると…なんと、エレベーターが動いたんだよ！！
おぉ…ケイが戻ってきたのかな？
なんて思いながら、エレベーターの方を見ていると…なんと、エレベーターが開いた瞬間にナッカーサーが笑いながら入ってきたんだよ！！
おっ…なんとか怒りも収まったんだな…？
「ナッカーサー…もう、頭を十分冷やしたのか？」
「おう…もう大丈夫だぜ…ガイウスのことは残念だったが…なんとか落ち着いたよ…いやぁ…機工障壁の上から朝日が上ってくるのを見てたら、心がスッとしてさ…」
「まぁ…なにはともあれ、きてくれてよかったよ…いやぁ…暇で暇で…」
「あぁ、だったら今からは暇じゃないな？俺がいるんだから！」
などと言い合いながら、俺たちはのんびりと笑っていたんだが……
また後少ししたら、戦いが始まるんだなぁって思うと、複雑な心境だぜ…
よしっ…ナッカーサーとオセロで…勝負させて貰おうかぁ！？
ガイウスが仲間を助けに行ってから３０分が経過したわけだが…
ちょっと、遅くないか？他のみんなもそう思っていると俺は思うぜ？
今までも何度か仲間を助けに行ったと思うけど…こんなに時間がかかったことは無かった…よな？
まぁ…俺は二回しか助けに行った所を見ていないわけだが…ね？
「なぁ…デメトリオ…ガイウス、戻ってくるの遅くないか？」
「…遅い…のか？俺は二回しか助けに行ったところを見ていないから早いとか遅いとか…そんなの分からないんだが…？」
「いや…これは遅いと思うな…僕の作ったD・ドライブがあるんだから、すぐに戻ってくることが出来るはずなんだ。小型のテレポーテーションシステムの受信機が電波を発信する時間は１時間だけ…あと３０分したら…ガイウスは歩いてここに戻ってこないといけなくなるんだ…」
「そうだよなぁ…ケイがいうことも最もだと思うぜ…ガイウスは５分で仲間を助けていつも戻ってきていたからな…これは…何かあったと考えたほうが…」
俺達がそんな話を心配そうな表情で王様の部屋内でしていたわけだが…
その時、いきなり誰かが涙声で王様の部屋の扉をドンドン叩き始めたんだよ…
「王様ぁ〜〜…大変だぁ…大変なんだよぉ〜〜！！開けてくださいよぉ！！」
「……この声は…ピーターか？確か、ピーターは今…外に出て戦っていた部隊の隊員だったよな！？戻ってきているって事は…ガイウスも戻ってきているのか！？ま、まぁ…とにかく入ってくれ…」
王様がそう言いながら扉を開閉するボタンを押したんだが…
扉が開いたと同時に、外で扉を叩いていた青年が泣きながら部屋に入ってきたんだ…
「……どうしたんだ？ピーター…？」
「ガイウスさんが…ガイウスさんが俺を助けて…モンスターラグーンの変な装置に捕まったんだよ…俺、ガイウスさんと一緒に戻ってこようとしたんだけど…ガイウスさんが俺をその装置から脱出させてくれて…ガイウスさんからもらった装置を使って俺は戻ってきたんだけど…ガイウスさん…モンスターラグーンの兵士の一人…ポニーテールに赤い髪の毛のサラマンダーの女性と一騎打ち…してると思うんだ…」
「…な…に！？ガイウス、一人で戦っているのかよ！？でも…ガイウスだったらテレポーテーションシステムを使ったら、ここに戻ってくることが出来るんじゃ…？」
「それが…その装置の中から、ガイウスさんのテレポーテーションシステムで脱出しようと思っても、周りに張り巡らされた電気が邪魔をして脱出できないみたいなんです！！で…ガイウスさんが自分のグローブを犠牲にして俺を…」
……なぜだ！？どうして…仲間を助けに行くために自分を犠牲に出来たんだよガイウスは！？
なんて…俺はピーターとナッカーサーが話し合っている時に内心…一人で考えていたんだ…
自分を…犠牲にしてまで…仲間を…助ける勇気が一体どこから出てきたんだ？
そう思うと同時に…俺はガイウスの姿を思い出していたんだ…
………あいつ、仲間を見捨てない男だとは思ったけど…すごいな…
いやぁ…俺にはとてもじゃないけど…真似できないな…
俺がそう思ってピーターとナッカーサーの話し合いを聞いていると、いきなりケイの方から警告音が聞こえてきたんだよ！！
あっ…決して、ケイの名前と警告音をかけたわけじゃないんだからな？
そんな事より…この警告音だ…一体、この警告音は何なんだ！？
なんて思っていた俺やテスタロスたち…メガロス帝国のみんなでも、この警告音が何なのか分からないのか…？
なんて思っていると、いきなりケイがまさか…って表情を浮かべて、慌てて腰を探り始めたんだよ…
「……これか…？はっ…！？これは、自殺剤を使った時に自殺剤に仕組んであった装置と連動して警告音が鳴るようにしている奴じゃないか…！！自殺剤は全て…人徳的じゃないと僕が判断して破棄したはずなのに…一体誰が使ったんだ！？」
「…ケイ、凄くいいにくいことなんだが…言ってもいいか？」
「どうしたんだテスタロス？」
「実は…ガイウスが持っていた自殺剤を、回収してないんだよ…ほら、自殺剤を回収していた時、俺達【ミカルド】が自殺剤を兵士達から回収しただろ？で…当然その時に俺達も自殺剤を破棄したはずなんだけど…その時、ガイウスが自殺剤をなくしたっていっててさ…なくしたならいいかって…」
「なっ…！？どうしてその時にもっと真剣に探さなかったのだ馬鹿め！！」
「そんな事をいったってメビウス…こんな広い国から小さなカプセルを一つ探すなんて…そんな事できるかよ！！それに、無くなったら服用する可能性なんて０だと思ったから…」
「……装置のある場所を逆探知してみたら…メガロス帝国の機工障壁より…外側か…やっぱり、これを使ったのは…ガイウスのようだな…」
…みんな、自殺剤って物騒な名前を多用しているが、自殺剤って一体何なんだ！？
ちょっと…聞いてみようかなぁ…？でも、空気が読めないとか思われたら嫌だなぁ…
だって、俺は空気が読める男として定評があるからな？ここでイメージダウンしてもらったら…困るわけだし？
まぁ…俺はいいキャラだからイメージダウンなんてありえないわけだけどな？
なっ？みんなもそう思うだろ？
なんて思いつつも、俺は結局自殺剤というものがどういうものか聞きたかったので、ケイに聞いたんだよ…
「なぁ…みんな言っているけど…自殺剤って何なんだ？」
「あ…それ、俺もききたいです…」
「私も…初めて聞くんですが…？」
なんと、自殺剤を知らない【ミカルド】のメンバーがいるなんてな…
正直、俺は【ミカルド】のメンバーは全員知っているものだとばかり思っていたんだが…
「そうか…デメトリオはもちろん、グランマーグとクラウィスはメガロス帝国に来たのは３年前より後か…だったら分からないよな…ケイ、説明してやってくれよ！」
「あぁ…いいけど…実は自殺剤…別名【unouted DEATH samplu】は三年前に僕が作った発明品なんだ。自殺剤を作った理由は…いつでも死ねるならいろいろと楽なんじゃないのかって思ってさ…？でも、ちょっとした考え方のミスがあったんだよ…」
「考え方のミス…って？」
「いや…メガロス帝国に集まっている連中って、孤児や心にキズを負った連中の集まりだろ？だから…僕の作った発明品を使って自殺する奴が多発したんだよね？僕は人を殺す武器は作らないって決めてここに来たはずなのに……大勢の命を自殺剤で奪ってしまったんだよ……まさか、あそこまで抵抗無く自殺剤を使えるなんて…当時の僕は思っていなかった…」
「だから、ケイは三日で全ての自殺剤を破棄するように俺達に指示したんだろ？」
「あぁ……自殺剤は飲み込むと胃の中で毒性を表すから…３０分経過したら終わりなんだ、今も昔も解毒方法は分かっていないし…そんな恐ろしいものをみんなに持たせておくのは危険すぎるだろ？」
……まぁ、いつでも自分が死にたい時に死ねるってのは、考えようによっては便利だったりもするけどね？
…ちょっと待てよ…？じゃあ、自殺剤を使ったガイウス…もう助からないじゃないかよ！！
「ちょっと待ってくれよケイ！！それって…もうガイウスは助からないって事じゃないかよ！！」
「あぁ…これを言うのは忍びないが…ガイウスは…メガロス帝国に…戻って来れないって事さ」
「……くっ…ガイウス、あいつ…生きていれば、少しは自分の人生を…どのような結果であれエンジョイできていたかも知れないのに……」
「ナッカーサー…お前…」
あれだな…ナッカーサーはガイウスが自殺剤を使ったことに納得できないらしいんだ…だから…結構心の中ではダメージを受けていると思うなぁ…
……やっぱり、この国の兵士達って変に結束力が強いよなぁ…な？
「馬鹿だ…あいつは馬鹿だ！！なんで…なんでそんなに命を軽く見ることが出来たんだよ！！あいつは…あいつは自殺剤を使って大勢のメガロス帝国の仲間たちが死んだ時…俺達の中で一番その事実に怒っていたじゃないかよ！それなのに…自分は死んでもいいなんて…思い上がりもいいところだ！！」
「とにかく…俺、少しお腹が痛くなってきたからトイレにいってくるよ…」
ナッカーサーは少し怒っているみたいだし、王様は王様で顔色が真っ青だったんだよ…
あれだな…王様…確実に精神的ダメージを受けているな…うん。
…って、ちょっと待てよ？王様がトイレに行くといって、この部屋を後にしたって事は…第３勢力が出現したって事に関しての話し合いは終了したって事なのか！？
じゃあ、俺がこの部屋にいる意味もない…よなぁ？
でも、この部屋から出るといっても、ナッカーサーは怒っていると同時に一人にしておいてくれないか？って雰囲気をかもし出しているわけだから…
どうも自分の部屋にナッカーサーを連れて戻っていくってのもなんだか、抵抗があるんだよなぁ…？
なんて、俺が思っていると、ケイが俺に話しかけてきたんだよ！！
「なぁ、デメトリオ…もし…これから暇だったら、僕の研究所に来ないか？」
「……研究所？別に暇だからいいけど、一体何の用なんだ？」
「いや…特にコレといって用事はないんだけどね？まぁ…気晴らし程度に…な？」
……まぁ、暇つぶしには…なるかなぁ？
でも、ナッカーサーに何もいわずに行くってのもなんかわるいよな…
俺はそう思うと、ナッカーサーのところにいって、ケイの研究所に行くって事を伝えることにしたんだよ…
「ナッカーサー…俺、ちょっとケイの研究所に行ってくるからさ…ナッカーサーも落ち着いたら来なよ？」
「…あぁ、ちょっと風にでも当たって、頭でも冷やすよ…落ち着いたら行くから、先に行っておいてくれ…」
「了解！」
俺はナッカーサーにそういうと、ケイのところに行って、ケイの研究所に向かって行ったのだった…
〜〜ジャンヌの視点に変更します！〜〜
「はぁっ…はぁっ…早く、ジュンコのところに行かないと…」
私はそういいながら、ガイウスと戦った場所からそこまで離れていないモンスターラグーンのテントが並んでいるところを走っていたのよ…
まさか、ガイウスが急に吐血するなんて…
私は、今現在…ガイウスの話をもっと真剣に聞いていなかったことに少し…後悔していたのよ…
そう思いながら走り続けていると、ようやくジュンコのいるテントが見えてきたのよ…
「ジュンコ！！いる！？」
「…あら？どうしたのジャンヌ？」
「お願いがあるのよ…今すぐ、私の後を追いかけてくれない…？」
「…少し落ち着きなさいって、お茶でも飲む…？」
そう言いながらジュンコはお茶を差し出してくるんだけど…
時は一刻を争うのよ…のんびりとお茶を飲んでて…もしガイウスが死んでしまったら……これから先の人生で私のことを受け入れてくれる男性とは出会えないかも知れないのよ…
私…確かにガイウスが言ったように自分の強さには自信を持っているけど…
でも、それが完璧に悪いことっていうガイウスの意見には賛同できないのよ…
まぁ…確かに、ガイウスの意見を半ば…ないがしろにした私も悪いんだけど…
と、とにかく…はやくガイウスのところに行かないと…
「今はそれどころじゃないのよ！！お願い…ついてきて！！」
「…わ、わかったわ…ジャンヌにしては珍しく、焦っているようだからただ事ではないんだろうし…ね？」
「よかったぁ〜…じゃ…じゃあ、急ぐわよ！！」
分かってくれたようね…
私は心の中でそう思うと、すぐにガイウスが倒れている…あの場所に向かって走り始めたのよ…
まだ…無事だといいんだけど…
そうして、ジュンコを連れて走り始めて数分後…私とジュンコはガイウスが倒れている場所についたのよ！！
ガイウスは…まだ息がある…よかったぁ〜〜…
もう…本当に、ガイウスの身に何かが起こっていたらと思うと……
とにかく、早くジュンコに見てもらわないと…
本音を言えば…傭兵時代も、つい最近までも…こんなに他の人のことを思ったことは無かったかも知れないわ…
「ジュンコ！！あの…この人なんだけど…」
「……どれどれって…ジャンヌ！！この人、人間の男じゃないの！しかも…この服装…他の仲間の報告に入っているメガロス帝国の兵士の服装にそっくり…これは…リーダーに報告しないと…」
「お願い！！リーダーには報告しないで…彼を助けてあげてくれない？」
「…えっ…いいけど…あなた、今回少し変よ？いつもなら、うんざりするほどにリーダーに忠実なのに…こんなに他人のことを思うなんて…」
「そ、そんな事、どうでもいいじゃないの…早く診てあげてくれない…？」
「………わかったわ」
そういうと、ジュンコは少し笑いながらガイウスを診てくれ始めたのよ…
……少し、笑っているのが気に入らないんだけど…まぁいいわ…
そんなにガイウスが重傷じゃなかったらいいんだけど…大丈夫かしら？
「…どうやらこれは、毒…？を服毒したようね…血液検査の結果…クロトムロベリアンフェモスの症状と似ているから、おそらく熱魔法で消毒できるわよ？」
「クロトムロリベアンモフェス？まぁいいわ…とにかく、お願い！！」
「わかったわ…少し、待っていなさい…」
それから、私はどう頑張っても恐らく使うことが出来ないであろう回復魔法をジュンコが使うのを見ながら、ガイウスが無事に元気になるように祈っていたのよ…
で、２０分くらい立った時かしら…？ジュンコが大きく息を吐くと私の方に来たのよ…
「ジュンコ！！ど、どうなの…？ガイウスは…」
「なんとか、体内にある毒を完全に熱魔法で消毒、その後、回復魔法で体内の傷ついた部位を癒したわ…これで、大丈夫よ？」
「……っ…あ、ありがとう！！私…不器用だから、どんなお礼をしたらいいのかが全然分からないけど…そうだ！！私のこのスペアの下着を…」
「あぁ…いらないから大丈夫よ？それよりも他のお礼をあなたは見せてくれたからね？多分あなた…ガイウスっていうメガロス帝国の兵士に惚れてるんでしょ？敵国の兵士と禁断の恋…これは、戦争中はめったに見ることの出来ないシチュエーションだとおもうのよ！！それをこっそりと応援する立ち位置に立てただけで、私は十分よ？」
「で、でも…やっぱり、お礼は形があるお礼のほうが…ほら、私のスペアの下着はUVをカットするから…あなたのその白い肌を守る効果が…」
「……サイズが合わないわよ…特にブラの…ね？とにかく、お礼はいいから、あなたは彼を見てあげていなさいね？私はテントに帰るけど…後５分もしたら彼も目を覚ますから…その時に、自分に素直になることね…変な言い回しは誤解を生むわよ？」
ジュンコはそう言いながら、帽子を深くかぶりなおすと…モンスターラグーンのテントが集まっている場所に戻っていったのよ…
自分に素直にって言っても…素直に行動していたらこんなことになったのよ…
でも…変な言い回しは…していたのかしら？
そう思っていると、ガイウスが目を覚ましたのよ…よかったぁ…本当によかったぁ…
まぁ…この喜びを私は余り顔に出さないようにしたんだけどね？
じゃあ…今度こそ、ガイウスに本音を伝えて、ガイウスと……
〜〜〜メガロス帝国サイドに戻ります！！〜〜〜
ようやくケイの研究所についた後、俺はケイの後を追いかけてケイの部屋に入ったんだよ…
うおぉ…相変わらず、俺が変に触ったら爆発してしまいそうな装置が大量に置かれているな…この部屋…
なんて思いながら、装置にあまり触れないように恐る恐るケイの後を追いかけていくんだが…
「なぁ、ケイ…ちょっといいか？俺たちはここで、どうやって暇を潰すというんだ？」
「ん？あぁ…僕は急ピッチで地下の機械を完成させる作業に入るから…デメトリオはここで、機工障壁に内蔵されたカメラを通しての監視役をして欲しいんだ…いいかな？」
「か、監視役って…どうすればいいんだよ！？俺、こんなに沢山の機械を操作なんて出来ないぞ！？」
「大丈夫だって！！どうせ、機工障壁が破られることなんて無いから、ただ見ているだけの作業になるんだからさ？あぁ…少し暇になるかも知れないから、暇になった時ように知恵の輪とルービックキューブとオセロでも置いとくよ」
そういうと、ケイはエレベーターを使って地下の機械を置いてあるであろう場所に行ったのだった…
……いや…別に、ケイが地下に行ったことに関しては俺は何も言うつもりは無いんだが…オセロを一人でどうやればいいのか…それを素朴に教えて欲しかったね…うん
それからしばらくの時間が経過して…俺は一人でルービックキューブと知恵の輪で頭を痛めていたんだよ…
れ…レベル１０の知恵の輪は…俺にはレベルが高すぎたぜ…
えっ？俺のレベル？まぁ…レベル１くらいなら、２時間もかければ…
そう思いながら、一人…少しだけ高い椅子に座りながら、時々機械に写っている映像を見ていたんだが…こ、これは…半端じゃないくらいに暇だ…
いや…これだったら、空気が読めない奴でもよかったからナッカーサーと俺の部屋に戻ってメガロチックファイターをする方が…よかったきがするぜ…
俺がそう思いながら、また知恵の輪に挑もうとすると…なんと、エレベーターが動いたんだよ！！
おぉ…ケイが戻ってきたのかな？
なんて思いながら、エレベーターの方を見ていると…なんと、エレベーターが開いた瞬間にナッカーサーが笑いながら入ってきたんだよ！！
おっ…なんとか怒りも収まったんだな…？
「ナッカーサー…もう、頭を十分冷やしたのか？」
「おう…もう大丈夫だぜ…ガイウスのことは残念だったが…なんとか落ち着いたよ…いやぁ…機工障壁の上から朝日が上ってくるのを見てたら、心がスッとしてさ…」
「まぁ…なにはともあれ、きてくれてよかったよ…いやぁ…暇で暇で…」
「あぁ、だったら今からは暇じゃないな？俺がいるんだから！」
などと言い合いながら、俺たちはのんびりと笑っていたんだが……
また後少ししたら、戦いが始まるんだなぁって思うと、複雑な心境だぜ…
よしっ…ナッカーサーとオセロで…勝負させて貰おうかぁ！？
12/08/05 13:15更新 / デメトリオン
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