72 東に現れた最凶軍団
〜〜〜今回は、ラグーンサイドからスタートだ!!〜〜〜
私は、ジュンコがいる医療用テントで、ジャンヌが敵の兵士の捕獲に失敗したという報告を受けたんだけど…
ま…まさか…ジャンヌが任務をこなすことも出来ずに戻ってくるなんて…
そして、ジャンヌの任務の失敗という報告と共に、敵に謎の能力を使う兵士がいるという報告も入ってきたのよ…
………私はメガロス帝国に攻撃を仕掛けた時、この戦いはすぐに終わると思って疑っていなかったけど、まさか…異常に防御力のある壁に、瞬間移動する兵士に、高威力の催眠性を持つ催眠弾…これほどの科学力があるなんて…
なんて、報告書を片手に思っていると、コリンが少し動き、そっと目を開けたのよ…
……まぁ、コリンにもいろいろ聞きたいことがあるから、まずは目覚めてくれてよかったかしら?
「あっ…コリンちゃん、目が覚めたんだ…よかったー…」
「えっ!?えっ!?セムちゃん…に、他のモンスターラグーンの方々…!?しかも、私の周りにセムちゃんクラスの可愛い子達が何人も…まさに、癒しのエンジェル…!?ここは…まさにヘヴンなの…!?」
「ちょっと、盛り上がっているところ悪いんだけど…いいかしら?」
「あっ…メリィさん…どうして私ここに…?」
「セムが連れてきたのよ…で、もう遠回しに話を持っていくのが面倒だから単刀直入に聞くわよ…そこに寝ているオオムカデの彼女と一緒にデモンスタワーの近くで血を流しながら倒れていたのはなぜなの?」
「それは…」
コリンが答えようとしていると、いきなりオオムカデのコリンと一緒にいた女性がこっちに歩いてきたのよ…
そういえば…この女性はどうしてコリンと一緒にいたのかしら…?
「姫様、その説明は私がいたします」
「じゃあ、お願いしてもいいかな?裕実…?」
「はい…実は、私たちはあなた達が逃げてすぐ、3人であなた達を追いかけたのです。姫様がセムちゃんを追いかけたいと頼みこんでくるもので…それで、塔をくぐりぬけた時でした…草原に差し掛かったときに、仲間の一人がいきなり攻撃を仕掛けてきたんです…まさか…アミルがあれほどの野心家だったとは…」
「……つまり、裏切りにあったってわけなの?」
「はい…アミルは姫様をセムちゃんを追いかけるという口実を利用して、旅の途中で殺そうと計画していたようなのです…姫様と、その中で一番の側近である私を旅の途中で殺せば、次の王座につくのは女王様から絶大なる信頼を受けている彼女ですから…」
……そうだったのね…まぁ、私たちの今の戦いとは対して関係はなさそうだけど…
つまり、アミルはあなた達を殺したと思っているわけだから、国に戻ったんでしょ?
「……つまり、アミルは今、国に戻ったって事よね?」
「いえ…恐らく、戻ってはいないと思います…アミルは賢いですから、少しは時期が経過するまで、国には戻らないと思うので…それに、旅で夫を手に入れるって計画を立ててはいたようですし…」
なんて、裕実が言うと、いきなり兵士が慌ててこっちに走ってきたのよ!!
……ちょっと、タイミングがよすぎる気もするんだけど…一体何のようかしら?
「隊長ー!!大変です!!ここから東6kmの地点に、いきなり謎の集団が現れました!!さまざまな種族の魔物娘達が、帝国側にもこっちの方にも進行してきます!」
なっ…!?だ、第三勢力って事なの!?
しかも…私たちと同じ魔物娘だというのに、私たちとも敵対するなんて…いい度胸ね…?
いいわ…メガロス帝国ほどの科学力もなさそうだし、メガロス帝国のあの壁を突破するまでの間だったら…相手してあげてもいいわね…
でも…なんでこのタイミングで……
「お疲れ様…もう下がっていいわよ…?」
「了解です!!隊長!!」
……そういえば、私は兵士諸君に、リーダーと呼ぶように教えているはずなんだけど…なんで彼女、隊長って私のことを呼ぶのかしら?
…一体、どこの部隊なの…?リーダーに少し注意しないといけないわね…
私はそう思うと、去ろうとしていた兵士を呼び止めたのよ…
「待ちなさい…あなた…どこの部隊なの…?私を呼ぶときはリーダーと呼びなさいと報告しているはずだけど…」
「えっ…!?えっと…第3部隊だったかなぁ〜…?」
「……えっ!?リーダー…確か、部隊は各リーダーが名前を決めるはずでしたよね?だから…第3部隊という名前の部隊は存在しない…」
「そう…そうなのよセム…これは、一体どういうことなのかしら?」
私がそう追求すると、兵士は後ずさっていくのよ…
これは、明らかに怪しいわよね…?
「………くっ…ふっふっふ…あっはっはっはっはっ!!まさか、ばれるなんて思っていなかったなぁ…普通は、こうやって新勢力が現れたって報告してくれた兵士を疑ったりはしないと思っていたのに…さすがって言うべきかしら?」
「まぁ…偶然分かったようなものだけど…さて、覚悟しなさい!!」
「おっと…いきなり出てきて出番終了とか…勘弁して欲しいわねぇ…折角ガデッドに生き返らせて貰ったのに…無駄になるじゃない…」
「なら…ここでまた土に還りなさい!!」
私はそう言いながら思いっきり兵士の真似をしていた女性を蹴り飛ばす…
よしっ!!確実にはいった!!結構ダメージを与えることが出来たと思うけど…まだ、油断をするべきではないわね……
「うあぁああぁぁぁっ…痛い…痛いじゃないですかぁ〜〜…ぐへぇぁ〜…私の出番は本来、ここじゃぁ無いんですからぁ〜…攻撃とかぁ〜やめていただけますかぁ〜〜?出番なくなるじゃないですかぁ〜…私はMじゃないんですからぁ〜…なんて、のんびりとした口調で私はそう言った…って事で、ここで私は自分のリーダーがいるところに戻らせて貰うわ!!じゃ〜ね〜?」
「逃がさないわ!!」
私はそういうと、逃げようとしたその兵士を思いっきり蹴り飛ばしたのよ…
彼女は思いっきり壁に叩きつけられ、その直後…全身が灰と化し消えてなくなったのよ…
仕留めたのかしら?でも…手ごたえは無かったし…
それにしても…ガデッドですって!?あ…あの巨乳ヴァンパイア…ここまできていたなんて…返り討ちにしてやるわ!!
私は第3勢力のリーダーがガデッドだということを知ると、第3勢力を相手にすることに対して、俄然やる気が出てきたのよ…
あの時は胸の大きさで散々馬鹿にしてきたから…思い知らせてやるわ…
そして、この戦いに第3勢力が追加されたのだった…ってね?
〜〜〜〜ガデッドサイドに移動します!!〜〜〜
私がプリシアを使いに出してからしばらくしてのことだった…
どうやらプリシアは一時的に灰と化したようで、人間の形をとってもしばらくは動きにくそうにしていたけど、私のところにやってきたのよ…
さぁて……私がメリィを追い掛け回している途中で蘇らせた彼女は…ちゃんと私の伝言を伝えてくれたかしら?
「ガデッド……伝えてきたわよ?それにしても、乱暴ねぇ彼女…?私の体を思いっきり壁際に蹴り飛ばすんだから…」
「でも、ここに戻って来れたんだからいいじゃない…どうだった?反応?」
「驚いていたわよ?まぁ…私からしたら、楽しければそれでいいんだけど…」
「さぁて……これからは私たちもこの戦いに第3勢力として参加よねぇ…楽しくなりそうだわ…」
私はそういうと、大勢の仲間がいる場所に向かっていったのよ…
旅の途中で、大勢の仲間を手に入れることも出来たし…それに、私の力もこの旅の途中で生前の80%は戻ってきたし…ね?
ちなみに、私は男だけがいるとかいう国には対して興味は…ないんだけどね?
私は、忠実に任務を遂行してくれる可愛いアンデッド軍団を増やすために、メリィたちがいるほうに攻撃を仕掛けるつもりだし…
まぁ…仲間達の中には男目当てで集まった連中もいるし…メガロス帝国…かしら?あそこを攻撃して陥落させたら…いろいろと食事には困らないから…
別に、攻撃を仕掛けることで困ることはないしね?
「さぁて…皆…元気かしら?」
「ガデッド…攻撃を仕掛けるのは一体いつになりそうだ?我のこの刀が戦いを求めているのだが…?」
「あら…確か…梅だったかしら?そんなに争いを求めなくても、明日からはいくらでも戦えるんだから…」
「梅ではない…三代目黒燐皇だ!!まぁいい…我は自分の部屋で刀を鍛えているから…用事があるなら呼んでくれ…」
梅が部屋に戻ると、私は部屋の端っこにいるウシオニの近くに歩いて行く…
彼女…私が墓場を出て山を登っているときに、洞窟の中で偶然眠っている彼女を見つけたんだけど…どうやら彼女は男に飢えているようなのよねぇ…
凄い力を感じたから、仲間に引き入れては見たんだけど…気が弱いのよ彼女…
「さぁて…アヤネ…調子はどうかしら…?明日から戦いを始めるから、準備をしていなさいよ?」
「………ガデッド…?あの…その…メガロス帝国には…その…」
「大丈夫よ…あなたの求めている男だったら、あの壁の向こうにはいて捨てるほどいるみたいだし…」
「……今すぐ…行きたい…な?」
「まぁ…待ちなさいって…そんなに急がなくても、逃げないんだから…ね?」
そうしてしばらくして、私はまた自分の部屋に戻って行ったんだけど…
……まぁ、私の完璧なアンデッド軍団に比べたら、まだ扱いにくいけれど、大勢仲間がいる訳だし、メリィを相手にするのに…戦力は多いほうがいいしね?
などと思うと、すぐに私の可愛いアンデッド軍団に会いにいったのだった…
〜〜〜メガロス帝国サイドに視点が変更されました!〜〜
いやぁ…中々にやっぱりメガロチックファイターは面白いなぁ…
なんて、俺は思いながらナッカーサーと一緒にゲームをしていたんだが…
すると…王様が慌てて俺達のいる部屋に入ってきたんだよ!!
……一体、あんなに慌ててなにがあったというんだ?今…いいところなんだけどなぁ…
「よ、よかった…ここにいたのか…」
「どうしたんだ?王様…?」
「いや…さっき、東門にいる兵士達が慌てて俺に報告してきたんだけどさぁ…東に新しい軍団が現れたって言うんだよ!!で…南にいる軍団って、デメトリオの知り合いなんだろ!?だったら、東にいる軍団もデメトリオの知り合いか聞きたくて…ここに来たんだけど…」
「えぇ…?南にいるモンスターラグーンのみんなと一緒に行動…してないんだろ?だったら…単純に考えて、俺の知り合いであるはず…ないだろ?」
……まぁ、南から攻めてくる集団が俺の知り合いだから、そう勘違いするのも仕方が無いとは思うけどなぁ…
ってか、東からくる集団って、どんな連中なんだ?
なんて、俺は思ったりもしたんだけど…まぁ、別にいいか…
いや、個人的には、モンスターラグーンと戦ってくれると、俺に被害が訪れないからいいんだが…
世の中は多分…そんなに甘くはないんだろうなぁ…
「一応、東に集まっている集団が、俺達のいるメガロス帝国に攻めてこない可能性は0じゃないからなぁ……って事で、作戦会議…見たいな事をするんだぜ?まぁ…また、前回と同じように…俺の部屋に来てくれよ…」
なんて王様は言うと、また他のメンバーを探しに行ったんだよ…
いやぁ…なんていうか、王様…一日の間によく行くなぁ…探しに…
なんて思いつつ、俺はナッカーサーと一緒に部屋を出ると、王様の部屋に向かったのだった…
まぁ、大した話も無く終わるんだろうけど…形だけ…って奴かな?
〜〜〜そして、またラグーンサイドに…視点変更さ!!〜〜
私は、あの謎の能力を使える男の所から戻ってくると、リーダーに報告するように仲間に言うと、すぐにゾーネがいる研究施設に移動したのよ…
なんとかして…なんとかして、あの男の能力をどうにかしないと、彼を私の夫とするのなんて夢のままなんだから…ね?
「…ゾーネ、いるかしら?」
「ゾーネさんですか?彼女だったら…一番奥の部屋で次郎さんと一緒に何か作ってますよ?」
私は近くにいた研究員風の男の人に聞いた後、すぐにゾーネがいるところに行ったのよ。
えっと…ゾーネは…いたわね…
「おや…?ジャンヌではないか…どうしたのじゃ?」
「ちょっと、頼みごとがあるんだけど…いい?」
「なんじゃ…?わしはあの壁をどうにかしないといけないから、余り時間は無いのじゃが?」
「実は、メガロス帝国の兵士を捕まえようとしていると、毎回邪魔をしてくる奴がいるのよ…」
「邪魔…じゃと?どんな奴じゃ?」
「それが…瞬間移動が使えるっぽくて、こちらの攻撃を加えようとしてもすぐによけられたりするのよ……それに、戦いを仕掛けてくることも無く、仲間を助けたらすぐにどこかに逃げていくし…でも、あの人が来たらメガロス帝国の兵士達が凄い喜ぶのよ…」
「……むっ…そやつは…結構リーダークラスじゃのぉ…話を聞いて判断するにじゃが…そうじゃ!!そやつを捕まえたら、あの壁のことが少しでも分かるかもしれんから、少し協力してやろう!!」
そういうと、しばらくの間ゾーネは何かを考え…その後、遠くの部屋からよく分からない機械を持ってきたのよ…
……これは一体…何なの?
「ゾーネ…このヘンテコな機械…一体何?」
「これは、あのミストブリッジの一番初めの橋で、あの敵を止める時に使った機械の完成品じゃ!!小規模の闘技場のような範囲の電磁波であらゆる機械を使っても、外からの制御以外では出ることが出来ない空間を発生させる装置で…これを使えば、そやつでも恐らく脱出することは出来ないじゃろう…」
「……この変な機械に…本当にそんな能力があるの?」
「まぁ…使ったことはないから、分からないんじゃが…恐らくな?」
ゾーネがそこまで言うんだったら…もしかしたら効果があるかも知れない…
私はそう思うと、ゾーネにお礼を言ってからすぐに、その装置を手に、また仲間がいるテントに向かっていったのよ…
「みんな…またメガロス帝国の兵士を捕まえるのに協力してくれない?」
「えぇ〜?ジャンヌさん…私は別にいいですけど…もう夜ですよ?敵の兵士も警護をしているかどうか…」
「それは大丈夫よ……傭兵時代の経験からしても、夜だからって警備をおろそかにする国って…基本は無いんだからね?さぁて…行くわよ!!」
こうして、私たちは夜の8時に武器を持って…戦いをしにいったのよ…
さぁて…待っていなさいよ!!あのガイウスって名前の兵士…絶対に私のものにしてあげるんだから!!
なんて思いながらね?
〜〜今回は、視点変更が多いな…えっと、メガロス帝国サイドです!〜〜
王様が他の連中を呼びに行ってからしばらくの時間が経過した今、俺はナッカーサーと一緒にゲームの話をしていたわけだが…
「なぁ…ナッカーサー…あのタイミングであのコンボって…どうやって発動するんだよ?あのタイミングって、攻撃を仕掛けるのすら困難なのに…」
「ガードボタンをタイミングよく押すジャストガードって名前の技を使うんだ。ジャストガードを使用すればキャラクターが硬直状態に入らないから、ラッシュを仕掛けられる可能性がグッと減るんだ」
「でも、そのタイミングも難しいだろ…」
なんて話していると、息も荒く王様がようやく戻ってきたんだよ…
まったく…本来部屋でDVDとやらを見続けていたインドア派の男が、無茶して走り回ったりするから……
なんて思ったりもしたけど、まぁいいか…
「待ったか…?いやぁ…まさか、テスタロスとメビウスがそれぞれ正反対の場所にいるなんて思わなくてさ…さぁて、じゃあ、みんなには大雑把に説明したけど…東に現れた謎の軍団について話し合おうか?」
なんて王様が言いながら、疲れたといいたそうな表情を浮かべ椅子に座ったわけだが…話し合うって言っても、今は様子を見るしか方法は無いんじゃないか?なんて思ったりするんだけどな?
だって…まだ第3勢力が俺達の敵に回るかどうかなんて分からないだろ!?
でも、聞くところによると、第3勢力も魔物娘の集団みたいだから共闘は…ありえないだろうし、なぁ…?
「まぁ…しばらくは様子をみるってのがいいと思うぜ俺はな?」
「ほぉ…テスタロスにしては、いい案じゃないですか…」
「俺だって、たまには深く考えてみるって事さ…」
「いつも、そうやって物事を考えてくれたらいいんだけど…」
「ん?何か言ったかメビウス?」
「いや…何も言っておりませんが?空耳なんじゃないですかねぇ?」
なんて言い合っているテスタロスとメビウスだが…俺も、テスタロスと同じ事を考えていたからな…テスタロスの提案に賛成だぜ?
「ふむぅ…だったら、しばらくは様子を見るって方向で行くって事で…いいんだよな?」
「いいんじゃないか…?まぁ、どちらにしろ…俺の仕事が何回もあるって事に変わりは無いってことだろ?」
王様は自信がなさそうにそういい、ガイウスは仕事が増えそうだって嫌そうな顔をしたんだけど…確かに、仕事が増えるってのは嫌だからな…その気持ちはよく分かるぜ?
なんて思っていると、またもや兵士が慌てて走ってきたんだよ!!
今度は一体何なんだ!?第4勢力でも現れたって言うつもりか!?
なんて思わず思ってしまったりもしたんだが…
「が、ガイウスさん!!大変だーー!!大変なんだ!!南から攻めてきていたモンスターラグーンの兵士が、また仲間達を捕まえて…」
「また捕まったのかよ…!?まぁ…俺がいる間は、全員捕虜なんかにはさせないけどな?じゃあ…俺、仕事が入ったから少し行ってくるよ」
そう言って、慌ててテレポーテーションシステムを起動しようとするガイウスに、ケイが何かよく分からないものを渡したんだよ!!
なんだ…?あれは…
「ケイ…これって一体何なんだ?見る限り、お前が作ってくれたこのD・ドライブと形状が似ているけど…」
「あぁ…これは使い捨てテレポーテーションシステムだ…僕が作った、いわゆる試作品なんだが…一応、持っておいたほうがいいと思ってさ?一回しか使えないのが難点だけど…まぁ、D・ドライブが故障したときにでも使ってくれればいいよ」
「あぁ…サンキュー!!じゃあ、少しいってくる!!」
そう言って、ガイウスはテレポーテーションシステムを利用して、仲間を助けに行ったのだった…
〜〜〜そして、ガイウスの視点に変わります〜〜〜
……あの兵士が俺を呼びに南の機工障壁がある場所から走ってきたと考えると、結構進んでいる可能性があるなぁ…急がないと…
って内心は思ったりするけど…テレポーテーションシステムを使っている以上、速度を上げるって事はできねぇからな…
間に合えばいいが…
そうして、テレポーテーションシステムで移動すると、昼間に見たリザードマンの兵士達が仲間を縄で縛って連れて行っているところが見えたんだ!!
俺がいる間は…仲間を連れて行かせるわけには…いかねぇなぁ!!
「待て!!ちょっと助けに来るのが遅れたが…助けに来たぜお前ら!!」
「−−っ!!んーーーっ!!」
…どうやら、口をロープで縛られているようだな…すぐに助けてやるから…待ってろよ!!
俺は心の中でそう思うと、すぐにそっとテレポーテーションシステムを起動したんだ。
辺りはすっかり暗いからな…テレポーテーションシステムを使っても、俺の居場所はばれにくいって奴だぜ?
「また彼か!?ええぃ…みんな!!取り返されないように、しっかりと注意を…」
「残念だったなぁ!!とっくにテレポーテーションで仲間のところにいるんだぜ?って事で、今回もみんなを連れ戻させて貰うぜ?」
「な…いつの間に!?くぅっ…」
俺は敵の兵士が悔しそうな声をあげるのを聞きながら、メガロス帝国に戻っていったのだった…
あれだな…夜だったら、結構楽だな救出も…
そう思いながら仲間の口を覆っていたロープを取ってやったんだが…
「ガイウスさん!!助けに来てくれてありがとうございます!!で…でも……ピーターの奴がまだ捕まってて…お願いだ!!ピーターを助けに行ってくれよ!」
「なに…!?お前ら…一緒じゃなかったのかよ!?」
「はい、あの連中…俺達をおとりにして、ピーターだけでも連れて行こうって魂胆なんだ…きっとそうだ!!頼むよガイウスさん!!」
…まさか、一人だけ敵にまだ捕まっているなんてな…
そう思いながら、テレポーテーションシステムを起動してみると…たしかに、小さい反応だが外にひとつあるな…
仕方ない…ピーター…待ってろよ!!
俺はそう思うとすぐ、外に唯一残された受信機のところにテレポーテーションしたんだ。
すると、柱が一本だけ建てられている草原で、柱に一人…男が縛られているのが見えたんだよ!!
恐らく…あいつがピーターだな…辺りを見る限り、敵の姿はないが…
俺はそう思いつつ、ピーターを助けにいったんだ。
「−−っ!!」
「待ってろ…今、縄をほどいてやるから…」
「ぷはっ…が、ガイウスさん!!どうしてここに来たんだ!!これは…あんたをおびき寄せる罠なんだよ!!」
「……罠…だと?」
俺がそういった瞬間だった…いきなり、ピーターを縛り付けていた柱が青色の光を発すると、小規模のドームのように俺達二人を覆ったんだよ!!
……この光は一体なんだ?
俺はそう思って光を触ってみるが…
バチッ!!
くっ…!?電気…だと!?つまり、俺たちはこの小規模のドームくらいの大きさの檻に…捕まったって事なのか…!?
一体どうしたら…
俺がそう思っていると、いきなり声が聞こえてきたんだよ!!
「ようやく捕まえたわ……ガイウス?」
「……!!お、お前は…昼間に攻めて来た連中の中で一番強そうな奴じゃねぇか…俺に何かようか?俺はピーターと一緒にメガロス帝国に戻らないといけないんだが?」
「戻すわけ無いじゃないの……あなたはここで…私のものになるんだから!」
「ふっ…そう簡単に捕まるかよ!!俺にはテレポーテーションシステムがあるんだからな!!」
俺はそういうと、テレポーテーションシステムを起動するが…
な、なんだと…!?特殊な電磁波が邪魔をして…この檻からテレポーテーションシステムで脱出することが出来ない…だと!?
この檻から出ることができれば…話は別かも知れないが…
「あなたの毎回使っている瞬間移動能力は…封じさせてもらったわ…二人そろって…諦める事ね?」
「……ガイウスさん、もう…無理だよ…実は、捕まったときからもう諦めていたんだ……ここまで致命的に捕まったらもう…」
「……馬鹿!!そんな事を言うな!!せめて…お前だけでも逃がしてやる!!」
そうだ…俺は救出部隊の隊長…仲間を絶対に、メガロス帝国に連れて行く義務があるんだ…ここで、諦めるわけには行かないよなぁ!!
俺はそう思うと、ピーターにケイからもらった使い捨てのテレポーテーションシステムを渡したんだ。
「ガイウスさん…これは?」
「それは、ケイの発明品だ…ボタンを押せば、すぐにメガロス帝国の中の城に移動できるようになっている…」
「でも、この檻からは出られないんだ…これを使っても無駄だよ…」
「諦めるなって…俺が、なんとかしてやるからさ!!」
俺はそういうと、ピーターを連れてすぐ近くの電気が走っている場所に行ったんだよ…
この左腕につけている絶縁体のグローブが…少しは役に立つといいが…
俺はそう思うと、すぐに左腕を電気の中に突っ込んだんだ!!
ジジッ…しゅうぅぅ〜〜…
くっ…ギリギリ…もってはいるが…時間の問題か…
俺はそう思うと、すぐにピーターに向かって叫んだんだ!!
「ピーター!!俺が…この電気を一時的にグローブでこじ開ける!!その間に…お前だけテレポーテーションシステムを使って逃げろ!!」
「なっ…!?が、ガイウスさん!!さすがにそれは無茶だ!!俺はもう諦めているから…無茶はしないでくれ!!」
「……うおぉぉぉぉぉぉっ!!」
俺は思いっきり左手を動かし、ピーターが止めるのを無視して電気を遮断したんだ。
物凄い速度で俺のグローブが煙をあげていく…時間が無いな…
「なっ…ひ、開いた…!?」
「よしピーター…行け!!」
「が、ガイウスさんを置いてなんていけない!!ガイウスさんも…一緒に出ようよ!!」
「……俺がここで開いていないと、俺が移動したら二人とも捕まってしまうからな…お前だけ行くんだ!!いいな!?」
「ダメだ!!おれは…おれは…」
……まぁ、ピーターが俺のことを思ってくれたのはうれしいが…俺の仕事はあくまで仲間の救出だ…ここは、こいつを無理にでも外に出してやらねぇと…
「ピーター!!聞け…お前が俺のことを思ってくれたのはよく分かる…だがな?俺は、救出部隊なんだ…お前達を助けるのが俺の仕事ってな?OK?」
「……ガイウスさんも助からないと…あんただって、俺達の仲間じゃないか!」
「いいから行け!!そんなに俺のグローブも持ってくれない…それに、俺は案外しぶといから…心配なんてしなくてもいいって!!俺は救出部隊のリーダーだからな?リーダーって事は、そう簡単にやられないって事さ!!」
俺はそういうと、ピーターを檻の外に蹴り飛ばしたんだよ!!
そして、それと同時にグローブが遂に熱を発し始めたので、俺は即座にグローブをはずすと後ろに後退したんだ…
……さぁて、俺も助かるために…少し戦うとするか?
「さぁて…こんな茶番をしている間、待っていてくれてありがとよ?」
「……別に、私が狙っているのはガイウス…あなただし…それにしても、この電気の檻を一時的にこじ開けるなんて…」
「褒めても何も出ないぜ?」
「……さて、じゃあ…あなたを捕らえるために、バトルしましょうか…」
「…俺は、女性が苦手なんだがなぁ…でも、あんたを倒さないとここから出られないんだろ?」
「まぁ…そうね…」
「だったら…戦うしかないよな…?俺も、城に食べかけのプリン置いてきたからな…ここで負けるわけにはいかないし?じゃあ…バトルスタートだ!」
こうして俺は、自分の銃を相手に向けて構えたんだ…
実は、俺はこの武器で戦うのは初めてなんだ…今までは逃げてきたしな?
正直、初めての戦いがこんな強者ってのは遠慮して欲しいんだけどなぁ…
でもまぁ…仲間を全員無事に城に連れて行ったから…後は俺が戻ったらミッションコンプリートって奴か?
俺はそう思うと、テレポーテーションシステムの受信機を左手に持ち、このドームの中に大量にばら撒いたのだった…
私は、ジュンコがいる医療用テントで、ジャンヌが敵の兵士の捕獲に失敗したという報告を受けたんだけど…
ま…まさか…ジャンヌが任務をこなすことも出来ずに戻ってくるなんて…
そして、ジャンヌの任務の失敗という報告と共に、敵に謎の能力を使う兵士がいるという報告も入ってきたのよ…
………私はメガロス帝国に攻撃を仕掛けた時、この戦いはすぐに終わると思って疑っていなかったけど、まさか…異常に防御力のある壁に、瞬間移動する兵士に、高威力の催眠性を持つ催眠弾…これほどの科学力があるなんて…
なんて、報告書を片手に思っていると、コリンが少し動き、そっと目を開けたのよ…
……まぁ、コリンにもいろいろ聞きたいことがあるから、まずは目覚めてくれてよかったかしら?
「あっ…コリンちゃん、目が覚めたんだ…よかったー…」
「えっ!?えっ!?セムちゃん…に、他のモンスターラグーンの方々…!?しかも、私の周りにセムちゃんクラスの可愛い子達が何人も…まさに、癒しのエンジェル…!?ここは…まさにヘヴンなの…!?」
「ちょっと、盛り上がっているところ悪いんだけど…いいかしら?」
「あっ…メリィさん…どうして私ここに…?」
「セムが連れてきたのよ…で、もう遠回しに話を持っていくのが面倒だから単刀直入に聞くわよ…そこに寝ているオオムカデの彼女と一緒にデモンスタワーの近くで血を流しながら倒れていたのはなぜなの?」
「それは…」
コリンが答えようとしていると、いきなりオオムカデのコリンと一緒にいた女性がこっちに歩いてきたのよ…
そういえば…この女性はどうしてコリンと一緒にいたのかしら…?
「姫様、その説明は私がいたします」
「じゃあ、お願いしてもいいかな?裕実…?」
「はい…実は、私たちはあなた達が逃げてすぐ、3人であなた達を追いかけたのです。姫様がセムちゃんを追いかけたいと頼みこんでくるもので…それで、塔をくぐりぬけた時でした…草原に差し掛かったときに、仲間の一人がいきなり攻撃を仕掛けてきたんです…まさか…アミルがあれほどの野心家だったとは…」
「……つまり、裏切りにあったってわけなの?」
「はい…アミルは姫様をセムちゃんを追いかけるという口実を利用して、旅の途中で殺そうと計画していたようなのです…姫様と、その中で一番の側近である私を旅の途中で殺せば、次の王座につくのは女王様から絶大なる信頼を受けている彼女ですから…」
……そうだったのね…まぁ、私たちの今の戦いとは対して関係はなさそうだけど…
つまり、アミルはあなた達を殺したと思っているわけだから、国に戻ったんでしょ?
「……つまり、アミルは今、国に戻ったって事よね?」
「いえ…恐らく、戻ってはいないと思います…アミルは賢いですから、少しは時期が経過するまで、国には戻らないと思うので…それに、旅で夫を手に入れるって計画を立ててはいたようですし…」
なんて、裕実が言うと、いきなり兵士が慌ててこっちに走ってきたのよ!!
……ちょっと、タイミングがよすぎる気もするんだけど…一体何のようかしら?
「隊長ー!!大変です!!ここから東6kmの地点に、いきなり謎の集団が現れました!!さまざまな種族の魔物娘達が、帝国側にもこっちの方にも進行してきます!」
なっ…!?だ、第三勢力って事なの!?
しかも…私たちと同じ魔物娘だというのに、私たちとも敵対するなんて…いい度胸ね…?
いいわ…メガロス帝国ほどの科学力もなさそうだし、メガロス帝国のあの壁を突破するまでの間だったら…相手してあげてもいいわね…
でも…なんでこのタイミングで……
「お疲れ様…もう下がっていいわよ…?」
「了解です!!隊長!!」
……そういえば、私は兵士諸君に、リーダーと呼ぶように教えているはずなんだけど…なんで彼女、隊長って私のことを呼ぶのかしら?
…一体、どこの部隊なの…?リーダーに少し注意しないといけないわね…
私はそう思うと、去ろうとしていた兵士を呼び止めたのよ…
「待ちなさい…あなた…どこの部隊なの…?私を呼ぶときはリーダーと呼びなさいと報告しているはずだけど…」
「えっ…!?えっと…第3部隊だったかなぁ〜…?」
「……えっ!?リーダー…確か、部隊は各リーダーが名前を決めるはずでしたよね?だから…第3部隊という名前の部隊は存在しない…」
「そう…そうなのよセム…これは、一体どういうことなのかしら?」
私がそう追求すると、兵士は後ずさっていくのよ…
これは、明らかに怪しいわよね…?
「………くっ…ふっふっふ…あっはっはっはっはっ!!まさか、ばれるなんて思っていなかったなぁ…普通は、こうやって新勢力が現れたって報告してくれた兵士を疑ったりはしないと思っていたのに…さすがって言うべきかしら?」
「まぁ…偶然分かったようなものだけど…さて、覚悟しなさい!!」
「おっと…いきなり出てきて出番終了とか…勘弁して欲しいわねぇ…折角ガデッドに生き返らせて貰ったのに…無駄になるじゃない…」
「なら…ここでまた土に還りなさい!!」
私はそう言いながら思いっきり兵士の真似をしていた女性を蹴り飛ばす…
よしっ!!確実にはいった!!結構ダメージを与えることが出来たと思うけど…まだ、油断をするべきではないわね……
「うあぁああぁぁぁっ…痛い…痛いじゃないですかぁ〜〜…ぐへぇぁ〜…私の出番は本来、ここじゃぁ無いんですからぁ〜…攻撃とかぁ〜やめていただけますかぁ〜〜?出番なくなるじゃないですかぁ〜…私はMじゃないんですからぁ〜…なんて、のんびりとした口調で私はそう言った…って事で、ここで私は自分のリーダーがいるところに戻らせて貰うわ!!じゃ〜ね〜?」
「逃がさないわ!!」
私はそういうと、逃げようとしたその兵士を思いっきり蹴り飛ばしたのよ…
彼女は思いっきり壁に叩きつけられ、その直後…全身が灰と化し消えてなくなったのよ…
仕留めたのかしら?でも…手ごたえは無かったし…
それにしても…ガデッドですって!?あ…あの巨乳ヴァンパイア…ここまできていたなんて…返り討ちにしてやるわ!!
私は第3勢力のリーダーがガデッドだということを知ると、第3勢力を相手にすることに対して、俄然やる気が出てきたのよ…
あの時は胸の大きさで散々馬鹿にしてきたから…思い知らせてやるわ…
そして、この戦いに第3勢力が追加されたのだった…ってね?
〜〜〜〜ガデッドサイドに移動します!!〜〜〜
私がプリシアを使いに出してからしばらくしてのことだった…
どうやらプリシアは一時的に灰と化したようで、人間の形をとってもしばらくは動きにくそうにしていたけど、私のところにやってきたのよ…
さぁて……私がメリィを追い掛け回している途中で蘇らせた彼女は…ちゃんと私の伝言を伝えてくれたかしら?
「ガデッド……伝えてきたわよ?それにしても、乱暴ねぇ彼女…?私の体を思いっきり壁際に蹴り飛ばすんだから…」
「でも、ここに戻って来れたんだからいいじゃない…どうだった?反応?」
「驚いていたわよ?まぁ…私からしたら、楽しければそれでいいんだけど…」
「さぁて……これからは私たちもこの戦いに第3勢力として参加よねぇ…楽しくなりそうだわ…」
私はそういうと、大勢の仲間がいる場所に向かっていったのよ…
旅の途中で、大勢の仲間を手に入れることも出来たし…それに、私の力もこの旅の途中で生前の80%は戻ってきたし…ね?
ちなみに、私は男だけがいるとかいう国には対して興味は…ないんだけどね?
私は、忠実に任務を遂行してくれる可愛いアンデッド軍団を増やすために、メリィたちがいるほうに攻撃を仕掛けるつもりだし…
まぁ…仲間達の中には男目当てで集まった連中もいるし…メガロス帝国…かしら?あそこを攻撃して陥落させたら…いろいろと食事には困らないから…
別に、攻撃を仕掛けることで困ることはないしね?
「さぁて…皆…元気かしら?」
「ガデッド…攻撃を仕掛けるのは一体いつになりそうだ?我のこの刀が戦いを求めているのだが…?」
「あら…確か…梅だったかしら?そんなに争いを求めなくても、明日からはいくらでも戦えるんだから…」
「梅ではない…三代目黒燐皇だ!!まぁいい…我は自分の部屋で刀を鍛えているから…用事があるなら呼んでくれ…」
梅が部屋に戻ると、私は部屋の端っこにいるウシオニの近くに歩いて行く…
彼女…私が墓場を出て山を登っているときに、洞窟の中で偶然眠っている彼女を見つけたんだけど…どうやら彼女は男に飢えているようなのよねぇ…
凄い力を感じたから、仲間に引き入れては見たんだけど…気が弱いのよ彼女…
「さぁて…アヤネ…調子はどうかしら…?明日から戦いを始めるから、準備をしていなさいよ?」
「………ガデッド…?あの…その…メガロス帝国には…その…」
「大丈夫よ…あなたの求めている男だったら、あの壁の向こうにはいて捨てるほどいるみたいだし…」
「……今すぐ…行きたい…な?」
「まぁ…待ちなさいって…そんなに急がなくても、逃げないんだから…ね?」
そうしてしばらくして、私はまた自分の部屋に戻って行ったんだけど…
……まぁ、私の完璧なアンデッド軍団に比べたら、まだ扱いにくいけれど、大勢仲間がいる訳だし、メリィを相手にするのに…戦力は多いほうがいいしね?
などと思うと、すぐに私の可愛いアンデッド軍団に会いにいったのだった…
〜〜〜メガロス帝国サイドに視点が変更されました!〜〜
いやぁ…中々にやっぱりメガロチックファイターは面白いなぁ…
なんて、俺は思いながらナッカーサーと一緒にゲームをしていたんだが…
すると…王様が慌てて俺達のいる部屋に入ってきたんだよ!!
……一体、あんなに慌ててなにがあったというんだ?今…いいところなんだけどなぁ…
「よ、よかった…ここにいたのか…」
「どうしたんだ?王様…?」
「いや…さっき、東門にいる兵士達が慌てて俺に報告してきたんだけどさぁ…東に新しい軍団が現れたって言うんだよ!!で…南にいる軍団って、デメトリオの知り合いなんだろ!?だったら、東にいる軍団もデメトリオの知り合いか聞きたくて…ここに来たんだけど…」
「えぇ…?南にいるモンスターラグーンのみんなと一緒に行動…してないんだろ?だったら…単純に考えて、俺の知り合いであるはず…ないだろ?」
……まぁ、南から攻めてくる集団が俺の知り合いだから、そう勘違いするのも仕方が無いとは思うけどなぁ…
ってか、東からくる集団って、どんな連中なんだ?
なんて、俺は思ったりもしたんだけど…まぁ、別にいいか…
いや、個人的には、モンスターラグーンと戦ってくれると、俺に被害が訪れないからいいんだが…
世の中は多分…そんなに甘くはないんだろうなぁ…
「一応、東に集まっている集団が、俺達のいるメガロス帝国に攻めてこない可能性は0じゃないからなぁ……って事で、作戦会議…見たいな事をするんだぜ?まぁ…また、前回と同じように…俺の部屋に来てくれよ…」
なんて王様は言うと、また他のメンバーを探しに行ったんだよ…
いやぁ…なんていうか、王様…一日の間によく行くなぁ…探しに…
なんて思いつつ、俺はナッカーサーと一緒に部屋を出ると、王様の部屋に向かったのだった…
まぁ、大した話も無く終わるんだろうけど…形だけ…って奴かな?
〜〜〜そして、またラグーンサイドに…視点変更さ!!〜〜
私は、あの謎の能力を使える男の所から戻ってくると、リーダーに報告するように仲間に言うと、すぐにゾーネがいる研究施設に移動したのよ…
なんとかして…なんとかして、あの男の能力をどうにかしないと、彼を私の夫とするのなんて夢のままなんだから…ね?
「…ゾーネ、いるかしら?」
「ゾーネさんですか?彼女だったら…一番奥の部屋で次郎さんと一緒に何か作ってますよ?」
私は近くにいた研究員風の男の人に聞いた後、すぐにゾーネがいるところに行ったのよ。
えっと…ゾーネは…いたわね…
「おや…?ジャンヌではないか…どうしたのじゃ?」
「ちょっと、頼みごとがあるんだけど…いい?」
「なんじゃ…?わしはあの壁をどうにかしないといけないから、余り時間は無いのじゃが?」
「実は、メガロス帝国の兵士を捕まえようとしていると、毎回邪魔をしてくる奴がいるのよ…」
「邪魔…じゃと?どんな奴じゃ?」
「それが…瞬間移動が使えるっぽくて、こちらの攻撃を加えようとしてもすぐによけられたりするのよ……それに、戦いを仕掛けてくることも無く、仲間を助けたらすぐにどこかに逃げていくし…でも、あの人が来たらメガロス帝国の兵士達が凄い喜ぶのよ…」
「……むっ…そやつは…結構リーダークラスじゃのぉ…話を聞いて判断するにじゃが…そうじゃ!!そやつを捕まえたら、あの壁のことが少しでも分かるかもしれんから、少し協力してやろう!!」
そういうと、しばらくの間ゾーネは何かを考え…その後、遠くの部屋からよく分からない機械を持ってきたのよ…
……これは一体…何なの?
「ゾーネ…このヘンテコな機械…一体何?」
「これは、あのミストブリッジの一番初めの橋で、あの敵を止める時に使った機械の完成品じゃ!!小規模の闘技場のような範囲の電磁波であらゆる機械を使っても、外からの制御以外では出ることが出来ない空間を発生させる装置で…これを使えば、そやつでも恐らく脱出することは出来ないじゃろう…」
「……この変な機械に…本当にそんな能力があるの?」
「まぁ…使ったことはないから、分からないんじゃが…恐らくな?」
ゾーネがそこまで言うんだったら…もしかしたら効果があるかも知れない…
私はそう思うと、ゾーネにお礼を言ってからすぐに、その装置を手に、また仲間がいるテントに向かっていったのよ…
「みんな…またメガロス帝国の兵士を捕まえるのに協力してくれない?」
「えぇ〜?ジャンヌさん…私は別にいいですけど…もう夜ですよ?敵の兵士も警護をしているかどうか…」
「それは大丈夫よ……傭兵時代の経験からしても、夜だからって警備をおろそかにする国って…基本は無いんだからね?さぁて…行くわよ!!」
こうして、私たちは夜の8時に武器を持って…戦いをしにいったのよ…
さぁて…待っていなさいよ!!あのガイウスって名前の兵士…絶対に私のものにしてあげるんだから!!
なんて思いながらね?
〜〜今回は、視点変更が多いな…えっと、メガロス帝国サイドです!〜〜
王様が他の連中を呼びに行ってからしばらくの時間が経過した今、俺はナッカーサーと一緒にゲームの話をしていたわけだが…
「なぁ…ナッカーサー…あのタイミングであのコンボって…どうやって発動するんだよ?あのタイミングって、攻撃を仕掛けるのすら困難なのに…」
「ガードボタンをタイミングよく押すジャストガードって名前の技を使うんだ。ジャストガードを使用すればキャラクターが硬直状態に入らないから、ラッシュを仕掛けられる可能性がグッと減るんだ」
「でも、そのタイミングも難しいだろ…」
なんて話していると、息も荒く王様がようやく戻ってきたんだよ…
まったく…本来部屋でDVDとやらを見続けていたインドア派の男が、無茶して走り回ったりするから……
なんて思ったりもしたけど、まぁいいか…
「待ったか…?いやぁ…まさか、テスタロスとメビウスがそれぞれ正反対の場所にいるなんて思わなくてさ…さぁて、じゃあ、みんなには大雑把に説明したけど…東に現れた謎の軍団について話し合おうか?」
なんて王様が言いながら、疲れたといいたそうな表情を浮かべ椅子に座ったわけだが…話し合うって言っても、今は様子を見るしか方法は無いんじゃないか?なんて思ったりするんだけどな?
だって…まだ第3勢力が俺達の敵に回るかどうかなんて分からないだろ!?
でも、聞くところによると、第3勢力も魔物娘の集団みたいだから共闘は…ありえないだろうし、なぁ…?
「まぁ…しばらくは様子をみるってのがいいと思うぜ俺はな?」
「ほぉ…テスタロスにしては、いい案じゃないですか…」
「俺だって、たまには深く考えてみるって事さ…」
「いつも、そうやって物事を考えてくれたらいいんだけど…」
「ん?何か言ったかメビウス?」
「いや…何も言っておりませんが?空耳なんじゃないですかねぇ?」
なんて言い合っているテスタロスとメビウスだが…俺も、テスタロスと同じ事を考えていたからな…テスタロスの提案に賛成だぜ?
「ふむぅ…だったら、しばらくは様子を見るって方向で行くって事で…いいんだよな?」
「いいんじゃないか…?まぁ、どちらにしろ…俺の仕事が何回もあるって事に変わりは無いってことだろ?」
王様は自信がなさそうにそういい、ガイウスは仕事が増えそうだって嫌そうな顔をしたんだけど…確かに、仕事が増えるってのは嫌だからな…その気持ちはよく分かるぜ?
なんて思っていると、またもや兵士が慌てて走ってきたんだよ!!
今度は一体何なんだ!?第4勢力でも現れたって言うつもりか!?
なんて思わず思ってしまったりもしたんだが…
「が、ガイウスさん!!大変だーー!!大変なんだ!!南から攻めてきていたモンスターラグーンの兵士が、また仲間達を捕まえて…」
「また捕まったのかよ…!?まぁ…俺がいる間は、全員捕虜なんかにはさせないけどな?じゃあ…俺、仕事が入ったから少し行ってくるよ」
そう言って、慌ててテレポーテーションシステムを起動しようとするガイウスに、ケイが何かよく分からないものを渡したんだよ!!
なんだ…?あれは…
「ケイ…これって一体何なんだ?見る限り、お前が作ってくれたこのD・ドライブと形状が似ているけど…」
「あぁ…これは使い捨てテレポーテーションシステムだ…僕が作った、いわゆる試作品なんだが…一応、持っておいたほうがいいと思ってさ?一回しか使えないのが難点だけど…まぁ、D・ドライブが故障したときにでも使ってくれればいいよ」
「あぁ…サンキュー!!じゃあ、少しいってくる!!」
そう言って、ガイウスはテレポーテーションシステムを利用して、仲間を助けに行ったのだった…
〜〜〜そして、ガイウスの視点に変わります〜〜〜
……あの兵士が俺を呼びに南の機工障壁がある場所から走ってきたと考えると、結構進んでいる可能性があるなぁ…急がないと…
って内心は思ったりするけど…テレポーテーションシステムを使っている以上、速度を上げるって事はできねぇからな…
間に合えばいいが…
そうして、テレポーテーションシステムで移動すると、昼間に見たリザードマンの兵士達が仲間を縄で縛って連れて行っているところが見えたんだ!!
俺がいる間は…仲間を連れて行かせるわけには…いかねぇなぁ!!
「待て!!ちょっと助けに来るのが遅れたが…助けに来たぜお前ら!!」
「−−っ!!んーーーっ!!」
…どうやら、口をロープで縛られているようだな…すぐに助けてやるから…待ってろよ!!
俺は心の中でそう思うと、すぐにそっとテレポーテーションシステムを起動したんだ。
辺りはすっかり暗いからな…テレポーテーションシステムを使っても、俺の居場所はばれにくいって奴だぜ?
「また彼か!?ええぃ…みんな!!取り返されないように、しっかりと注意を…」
「残念だったなぁ!!とっくにテレポーテーションで仲間のところにいるんだぜ?って事で、今回もみんなを連れ戻させて貰うぜ?」
「な…いつの間に!?くぅっ…」
俺は敵の兵士が悔しそうな声をあげるのを聞きながら、メガロス帝国に戻っていったのだった…
あれだな…夜だったら、結構楽だな救出も…
そう思いながら仲間の口を覆っていたロープを取ってやったんだが…
「ガイウスさん!!助けに来てくれてありがとうございます!!で…でも……ピーターの奴がまだ捕まってて…お願いだ!!ピーターを助けに行ってくれよ!」
「なに…!?お前ら…一緒じゃなかったのかよ!?」
「はい、あの連中…俺達をおとりにして、ピーターだけでも連れて行こうって魂胆なんだ…きっとそうだ!!頼むよガイウスさん!!」
…まさか、一人だけ敵にまだ捕まっているなんてな…
そう思いながら、テレポーテーションシステムを起動してみると…たしかに、小さい反応だが外にひとつあるな…
仕方ない…ピーター…待ってろよ!!
俺はそう思うとすぐ、外に唯一残された受信機のところにテレポーテーションしたんだ。
すると、柱が一本だけ建てられている草原で、柱に一人…男が縛られているのが見えたんだよ!!
恐らく…あいつがピーターだな…辺りを見る限り、敵の姿はないが…
俺はそう思いつつ、ピーターを助けにいったんだ。
「−−っ!!」
「待ってろ…今、縄をほどいてやるから…」
「ぷはっ…が、ガイウスさん!!どうしてここに来たんだ!!これは…あんたをおびき寄せる罠なんだよ!!」
「……罠…だと?」
俺がそういった瞬間だった…いきなり、ピーターを縛り付けていた柱が青色の光を発すると、小規模のドームのように俺達二人を覆ったんだよ!!
……この光は一体なんだ?
俺はそう思って光を触ってみるが…
バチッ!!
くっ…!?電気…だと!?つまり、俺たちはこの小規模のドームくらいの大きさの檻に…捕まったって事なのか…!?
一体どうしたら…
俺がそう思っていると、いきなり声が聞こえてきたんだよ!!
「ようやく捕まえたわ……ガイウス?」
「……!!お、お前は…昼間に攻めて来た連中の中で一番強そうな奴じゃねぇか…俺に何かようか?俺はピーターと一緒にメガロス帝国に戻らないといけないんだが?」
「戻すわけ無いじゃないの……あなたはここで…私のものになるんだから!」
「ふっ…そう簡単に捕まるかよ!!俺にはテレポーテーションシステムがあるんだからな!!」
俺はそういうと、テレポーテーションシステムを起動するが…
な、なんだと…!?特殊な電磁波が邪魔をして…この檻からテレポーテーションシステムで脱出することが出来ない…だと!?
この檻から出ることができれば…話は別かも知れないが…
「あなたの毎回使っている瞬間移動能力は…封じさせてもらったわ…二人そろって…諦める事ね?」
「……ガイウスさん、もう…無理だよ…実は、捕まったときからもう諦めていたんだ……ここまで致命的に捕まったらもう…」
「……馬鹿!!そんな事を言うな!!せめて…お前だけでも逃がしてやる!!」
そうだ…俺は救出部隊の隊長…仲間を絶対に、メガロス帝国に連れて行く義務があるんだ…ここで、諦めるわけには行かないよなぁ!!
俺はそう思うと、ピーターにケイからもらった使い捨てのテレポーテーションシステムを渡したんだ。
「ガイウスさん…これは?」
「それは、ケイの発明品だ…ボタンを押せば、すぐにメガロス帝国の中の城に移動できるようになっている…」
「でも、この檻からは出られないんだ…これを使っても無駄だよ…」
「諦めるなって…俺が、なんとかしてやるからさ!!」
俺はそういうと、ピーターを連れてすぐ近くの電気が走っている場所に行ったんだよ…
この左腕につけている絶縁体のグローブが…少しは役に立つといいが…
俺はそう思うと、すぐに左腕を電気の中に突っ込んだんだ!!
ジジッ…しゅうぅぅ〜〜…
くっ…ギリギリ…もってはいるが…時間の問題か…
俺はそう思うと、すぐにピーターに向かって叫んだんだ!!
「ピーター!!俺が…この電気を一時的にグローブでこじ開ける!!その間に…お前だけテレポーテーションシステムを使って逃げろ!!」
「なっ…!?が、ガイウスさん!!さすがにそれは無茶だ!!俺はもう諦めているから…無茶はしないでくれ!!」
「……うおぉぉぉぉぉぉっ!!」
俺は思いっきり左手を動かし、ピーターが止めるのを無視して電気を遮断したんだ。
物凄い速度で俺のグローブが煙をあげていく…時間が無いな…
「なっ…ひ、開いた…!?」
「よしピーター…行け!!」
「が、ガイウスさんを置いてなんていけない!!ガイウスさんも…一緒に出ようよ!!」
「……俺がここで開いていないと、俺が移動したら二人とも捕まってしまうからな…お前だけ行くんだ!!いいな!?」
「ダメだ!!おれは…おれは…」
……まぁ、ピーターが俺のことを思ってくれたのはうれしいが…俺の仕事はあくまで仲間の救出だ…ここは、こいつを無理にでも外に出してやらねぇと…
「ピーター!!聞け…お前が俺のことを思ってくれたのはよく分かる…だがな?俺は、救出部隊なんだ…お前達を助けるのが俺の仕事ってな?OK?」
「……ガイウスさんも助からないと…あんただって、俺達の仲間じゃないか!」
「いいから行け!!そんなに俺のグローブも持ってくれない…それに、俺は案外しぶといから…心配なんてしなくてもいいって!!俺は救出部隊のリーダーだからな?リーダーって事は、そう簡単にやられないって事さ!!」
俺はそういうと、ピーターを檻の外に蹴り飛ばしたんだよ!!
そして、それと同時にグローブが遂に熱を発し始めたので、俺は即座にグローブをはずすと後ろに後退したんだ…
……さぁて、俺も助かるために…少し戦うとするか?
「さぁて…こんな茶番をしている間、待っていてくれてありがとよ?」
「……別に、私が狙っているのはガイウス…あなただし…それにしても、この電気の檻を一時的にこじ開けるなんて…」
「褒めても何も出ないぜ?」
「……さて、じゃあ…あなたを捕らえるために、バトルしましょうか…」
「…俺は、女性が苦手なんだがなぁ…でも、あんたを倒さないとここから出られないんだろ?」
「まぁ…そうね…」
「だったら…戦うしかないよな…?俺も、城に食べかけのプリン置いてきたからな…ここで負けるわけにはいかないし?じゃあ…バトルスタートだ!」
こうして俺は、自分の銃を相手に向けて構えたんだ…
実は、俺はこの武器で戦うのは初めてなんだ…今までは逃げてきたしな?
正直、初めての戦いがこんな強者ってのは遠慮して欲しいんだけどなぁ…
でもまぁ…仲間を全員無事に城に連れて行ったから…後は俺が戻ったらミッションコンプリートって奴か?
俺はそう思うと、テレポーテーションシステムの受信機を左手に持ち、このドームの中に大量にばら撒いたのだった…
12/07/30 12:11更新 / デメトリオン
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