連載小説
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64 デモンスタワー 最終階(前編)
5階で運よく上の階に来ることに成功した俺達だったが…
なんだろうな…?変な罪悪感が心の隅の方にあるんだよなぁ…
なんて思いつつ、俺は他のみんなとのんびりと最終階の廊下を歩いていたんだぜ…
え?少しは急いだらどうだって?いやぁ…ここ、床が高級なレッドカーペットだから、走るのに少し抵抗があってさ…
ま、まぁ…廊下は走らないに越したことはないって言うだろ?
言わない?だったら、これからは言うって事にしておいてくれ!!

なんて思いながら進んでいると、角を曲がった時に、目の前の廊下の奥の方にぼやーっとした青白い光がだな…
ま、まさか…ゴーストの類か!?それとも、ひ、火の玉だというのか!?
落ち着けデメトリオ…お前は墓場を越えてきたじゃないか!!
こ、こ、こ、こんなところで怖気ついてどうする!?
なんて心で言っては見るけれど…怖いものは怖いわけで…
さっきまで結構先頭の方を歩いていた俺は、そっとペースダウンし、モンスターラグーンのメンバーの最後尾に移動することに成功したのだった…
我ながら、絶妙な移動の仕方にびっくりだぜ…

そして、青白い光に近づくにつれ、それが水晶玉の光だって事に気がついたんだよ!!
ふ、ふぅ…なんだよ…水晶玉かよ…
べ、別に、初めからわかっていたんだぜ?し、知らない振りをしていただけなんだからな?な?
それにしても…なんでこんなところに水晶玉が…
などと思いながら近づくと、なんと水晶玉の近くに人がいたんだよ!!
そう…明らかに占ってますよ〜って言いたそうな服装をしてな?

「迷える魂を持ちし者よ…占いを聞いていきなさい…」
「…占い?何占いなの?私、占いをそんなに信じているわけじゃないんだけど…でも、仕方なく占って貰うわ…」

メリィが占いに食いついただと!?
ま、まさか…メリィ、占いを信じていたというのか…!?
え?俺?そうだな…所詮、ただの占いって感じで捉えているぜ?
だって、占いの結果で人生が決まっているって思いたくないしさ…
まぁとにかく、メリィは占って貰うようだし…俺も時間に余裕があったら占って貰おうかな…?
なんて思いながら、メリィが椅子に座るのを見ている俺…
さぁて、どんな結果になるか楽しみだぜ…

「まず…私の名前はミリル=フォーラムといいます…占いというものは、その人の未来を一時的に垣間見るものであり、運命はあなたの取る行動で大きく変わりますので、確実にそうなるって事ではないのを覚えておいてください」
「わかっているわ…」
「では、初めにあなたが占って欲しいことを言ってください」

…その前に、俺はなんであんたがこんなところで占いをしているのかが気になって仕方が無いんだが…?
なんて心で思っていると、いきなり横目でミリルさんが俺の方を向きつつ、こういってきたんだよ!!

「…給料がいいからですよ、デメトリオ=スタンダートさん?それとも、人生を逃げることで捨てているゴミ…と呼んだほうがいいかしら?」

…!?こ、心を読まれたのか!?そ、そんな馬鹿なことが…ど、読心術って奴なんじゃないのかそれは!?
き、きっと何かの間違いだな…あぁ!!きっとそうだ!!
だって、単純に考えても…そんな事はありえないだろ!?
俺がそう思うと、ミリルさんは目を細めつつ俺の方を向くと、ため息を吐きつつメリィを占うためにメリィと話し始めたんだよ!!
な、なんだか、とてつもなく失礼なことを言われた…そんな気がするぜ…

「えっと、まずは…何を占って欲しいのかをおっしゃってください…」
「じゃあ…私の妹について何だけど…今、どんな状況か…お願いしてもいい?」
「わかりました……『我が大いなる主よ…この者の悩み、今ここで水晶に写したまえ!!フォル=ヘリオス=クォール=アインタード=スケース』」

ミリルさんがなんだかよく分からない呪文を唱えたかと思うと、次の瞬間…
水晶から紫色と青色の混ざったような色が放たれたんだよ!!
す、凄い…エコーズさんの時の占いはなんだか、地味な感じがしたけど…こっちの占いは派手だし…凄く当たりそうなオーラがだな…
まぁ…分かりやすくいうと、凄いって事さ!!

「ふむ…あなたの妹さんは今…変な機械につながれているのが見えます…」
「な、何ですって!?機械!?」
「はい…あの紋章は…メガロス帝国のものと思われます…恐らくは…」
「…っく…こうしてはいられないわ…みんな、早く行くわよ!!」

…め、メリィのオーラが変わっただと…!?
なんていうか…すっごく怖い雰囲気になったんだけど…大丈夫かな?
俺に飛び火とかしてきたら嫌だなぁ…
なんて思いつつ、その状況を見ている俺だったんだが…

「…メリィさん、余り妹に執着しすぎると…大変な出来事が起こってしまいますよ?」
「……どの世界に、妹を大事に思わない姉がいるのよ!?行くわよ!!」

メリィはそういうと、半ば強引に先に進んで行ったんだよ!!
まったく…そんなに急いだら俺が疲れるからのんびりと進んで欲しいんだけどなぁ…
なんて思いつつ、俺もメリィの後を追いかけたわけだが…
ま、まさか…たかが占いをあんなに信じるなんてな…

そしてしばらく先に進むと、少しはメリィも落ち着いたようで…
いやぁ…よかったよかった…俺に飛び火する可能性がほとんど無くなったからなぁ…
なんて思っていると、目の前に変に気持ち悪い色をした扉が出てきたんだよ!
なんていったらいいんだろうか…蠢いている…的な?
まるで生きているかのようなこの扉に…俺は思わずこの部屋の中にいる人物のセンスを疑ったぜ…
だってそうだろ?普通…こんな気持ち悪い扉を使おうなんて思いもしないって!

まぁ…俺がこんなことを言いながらも、メリィたちはこの扉の中に入るわけですけどね?
さて…頼むから、バトルはない方向で話が進んでくれよ…?
なんて思いながら中に入った俺は、中に誰もいないことを確認すると、そっと胸をなでおろしたぜ…
いやぁ…やっぱり、そう何回も戦闘はないよな…いや、俺はわかっていたんだぜ?

なんて思いながらのんびり歩いていると、いきなり部屋の隅の方から声が聞こえてきたんだよ!!
ま、まさか…あの柱の裏にいたというのか!?
そ、そんな所にいるかも知れないなんて普通考えないからそこまでは確認していなかったぜ…
い、いるのかよ…じゃ、じゃあ…せめて戦いはない方向で…

「ちょっと待ちなさい!!ここを進みたければ…私達を倒していきなさい!」
「……まぁ、鍵は私たちのうちの誰かが持っているから、戦わないといけないんだけどな?」
「ねぇねぇ…お母さん、なんで私達この人たちの邪魔をするの?」
「それはね…ただなんとなくだよ?」
「そーなのかー…」

……ただなんとなくで足止めなんかしているんじゃねぇよ!!
なんて…俺は心でしか言わないぜ?
でも…残念だったなぁ!!俺以外のモンスターラグーンのメンバーは皆、強豪ぞろいなんだぞ!?
対象にする相手が悪かったなぁ!!はーっはっはっはぁっ!!

さぁ…モンスターラグーンの皆さん、やっちゃってください!!
空のペットボトルと鉢巻でも振りながら俺は後ろで応援してますから!!
では、よろしくお願いします!!
ふぅ…これで、俺が戦う必要はなくなったな…
俺は後ろの方でペットボトルを二つ打ち合わせながら戦うメンバーを応援していればいいんだ…
後、どこからそのペットボトルと鉢巻を取り出したのかは、頼むから聞かないでくれよ?
いやぁ…これから先も全部バトルシーンの俺の役目、これになったりしないかな…?

「……私達はあなた達の相手をしている暇はないのだけど…?」
「私達にはあるんですけどねー…?」

そう言いながら部屋の隅から女性3人と女の子が1人歩いてくるのが見えたんだよ!!
し、しかも…一般人だと!?そ、そんな馬鹿なことが…
ここって、デモンスタワーって名前なんだろ!?なんで一般人が…
なんて思っていると…なんと…彼女達の体から怪しげな触手が出てきたんだよ!!
ま、まさか…一般人じゃないだと…?

俺がそう思いながら困惑していると、メリィがため息をつきながらこういったんだよ…

「……仕方ないわね…相手してあげるから、好きな人物を指名しなさい…」

ってな!?…け、結局戦うんですね!?
いや…ま、まぁ…俺は戦わない訳だし?別にいいんだけどさぁ…
なんて思いながら、俺は改めて持っていた応援セットを持ち直したんだ!!
さぁて…応援でもやるとするかな?

「じゃあ…まずは私、モモが行くわ!!スモモ…お母さん、頑張るからね?」
「お母さん!!頑張ってね!!」
「うん!!頑張るわよ〜!!じゃあ…そこにいる、タバコをすっているグールの女性…戦闘しましょうか…?」
「あたしかい?別に構わないけど、なんであたしなんだい?」

…どうやらクレスタは選ばれたことに関して少し疑問があるようだが…俺の心は俺が選ばれなかったことでいっぱいだぜ…
いやぁ…よかったよかった…

「子供の前でタバコを普通にすっているのは、教育上よくないからよ!私のこの正義の触手で…そのタバコよりもいい事…教えてあげるわよ?」
「言っておくけど、これはタバコじゃないよ?私、タバコ無理だし…これは、朝の間でも行動することが出来るようにする装置なんだよ…だったよな?ゾーネ?」
「そうじゃ!!それはわしが作った中でも結構…いい物じゃ…人体の生態ホルモンの中に含まれている成分の一つを、わしのこの装置から発生する蒸気で活性化させることで、体中の魔素を刺激し昼間でも太陽光に負けない体になるのじゃ!!大量生産できないのが…玉にキズかのぉ…」
「そんな事はいいの!!じゃあ、行くわよ!!」

モモがそういうと、一気に自分の触手をうねらせながらクレスタににじりよって行く…どうやら、戦いが始まってしまったようだぜ…
じゃあ…俺も応援しつつ戦いの状況を報告するとするかな?

「行けー!!がんばれクレスター!!見せてやれー!!」
「……デメトリオ、あんたうるさいよ?」
「す、すみません…」

俺はクレスタに言われた瞬間から応援するのをやめたわけだが…
果たして、モモはどんな戦い方を多用するのかな?
なんて思いながら見ていると、触手が凄い速度でクレスタに襲い掛かったんだよ!!
だが…その触手がクレスタにあたることは無く…クレスタは一気にモモの懐に入って攻撃を仕掛けたんだよ!
や、やっぱり、モンスターラグーンのメンバーってバトルスペック高いよな…なんて思ったりもするんだが、ちょっと待てよ…?
く、クレスタって、墓場の途中で仲間になったから…正式にはモンスターラグーンのメンバーじゃないんじゃないのか!?
そこのところ…どう思います…?いや…別にどうでもいいんだけどさ…

「よっと…そんな攻撃、当たらないよ?」
「……な、なんで当たらないの!?はっ…まさか、このデモンスタワー内でローパーになってからというもの、夫と毎晩イチャイチャし続けた結果、子供には恵まれたけどその代わり、運動不足からちょこっとだけおなかに脂肪が…」
「いや…普通に攻撃がワンパターンでさ…横からの攻撃しか仕掛けてこないってのは、ちょっと問題があると思うなぁ?」

よ、余裕だなぁクレスタ…でも、他のモンスターラグーンのメンバーとは違って、異常に強いってわけでもないから、見やすいバトルだぜ…
だってさ…アイネもジャンヌも攻撃早すぎるんだよ!?
それに比べたら、今はモモしか攻撃を仕掛けてないけど、クレスタの動きが分かるこの戦いは、見ている俺からしたらどれほどいいか…
なんてのんびりと思っている俺…これが、戦いをしない者の余裕といったところか…

「さて…そろそろ私も攻撃をさせて貰うとするかな…てぃっ!!」
「きゃっ!?で、でも…甘いわ!!」

ビシバシと効果音が鳴りながら、攻撃と防御が繰り返されるこの戦闘…
な、なんていうか…普通の戦闘を見ているみたいで…こっちの方が好きだな俺は…
実力がなんていうか、平等…みたいな感じがしてね?
ま、まぁ…どんな戦闘が好きかは人によって変わるだろうから、俺の独り言だと思ってくれ!!
…というか、独り言なんだがな?

「くぅっ…昔からそんなに強くないって言われてきて、この場所でローパーになった時、強くなったと思っていたのに…情けないなぁ…」
「お母さーん!!頑張ってーー!!」
「……そうね、いまじゃあ子供の方が能力値は上っていう皮肉な事実があるけど、私はあの子の…親だから、諦めたらダメかな〜…」

こ、子供の声援で、さっきまでのモモさんとは微妙に表情が変わっただと!?
ま、まさか…あの子供の声援には、やる気を出させる力があったというのか?
俺なんか、応援しようとしたらうるさいって言われる始末なのに…
あれか?可愛いし子供だからOKって奴なのか?それとも、本当にそんなパワーが…
なんてくだらないことを考えていると、クレスタがだんだん押されて来たんだよ!!
なんて言ったらいいんだろうな…あの触手攻撃、若干キレがよくなったみたいで、クレスタもよけたりはしているんだけど、稀に体に接触するみたいなんだよ。

「ちぃっ…当たったかぁ…なんだか、妙に動きのキレがよくなった気がするなぁ…でも、負けてはいられないか…これだけは使いたくなかったんだけどな…」

な、なんだ!?まさか…クレスタには隠された能力があるっていう、ご都合主義的設定をここで付け足すつもりなのか!?
そ、それとも…初期段階から隠された能力があるっていう設定だった…とか?
と、とにかく、クレスタは何かをするようだぜ…
一体、何をするつもりなんだ!?気になって夜も眠れないよ!!
今は夜でもないし、ここで寝るつもりは一切無いけどさ?
と、とにかく…なにが起こるのか…答えは、CMの後!!

その後、CMなんか小説にあるわけもなく、俺はただ一人、CMが流れている雰囲気を手持ちのペットボトルで演出していたのだった…ってな?
え?そんな事はいいから、早く続きを見せろって?
さ、最近、皆さん俺に対しての風当たりがきつくないですか?
別にいいですけど…

「行くぜ……【クレセントモード】!!」

なんと、クレスタは自分の手首を噛んだんだよ!!
つ、ついに頭がおかしくなったのか?自分で自分を傷つけるなんて凶器の沙汰とは思えないぜ…
なんて思いながら俺は戦いを見ていたんだが、なんと…クレスタの周りから物凄い赤黒いオーラが…って言うか、煙が上がってきたんだよ!!
な、何なんだよあの煙は…!?
はっ…ま、まさか…あの行動がクレスタの技か?
な、なるほど…確かに、今現在煙だけだが結構強そうじゃないか!!

「……ふぅ…さぁて、戦いを再開するとするか?今の私なら…あんたぐらいなら3分…3分で倒してやるわ」
「なっ!?さ、さっきまでも私と対して強さが変わらなかったのに、偉そうな…出来るものなら…やってみなさい!!」

そういいながら、モモさんも自分の触手を構えながら戦う気でいる訳だな…
でも、クレスタ…明らかにさっきまでとは強さが違うのはほぼ間違いないか…
い、一体、どんな強さになっているんだ!?

そして、俺がそう思っていると、いきなりクレスタがモモに向かって走り出したんだよ!!
しかもジグザグに…あっ…なるほど…あの動きで触手の狙いを分散させる作戦か…中々、賢い手を…
い、いや…分かってたよ?俺もわかっていたよ!?
や、やめろ…そんな無様な物を見るような目で見てくるのはやめてくれ!!

「くっ…じ、ジグザグに動いただけで私の攻撃がよけれるなんて思わないでよ!!」
「初めっからそんな事、思ってないわ…避ける気も無いわ!!」

そう言いながら、クレスタの右手の爪に謎の煙が集まっていくのを俺は、後ろの方で確認しつつ…あることを考えていたんだ。
もし…もしだぜ?クレスタの攻撃がモモさんに当たった時に、物凄い攻撃の反動が発生したと考えよう…その場合、後ろでのんびりと空のペットボトルと鉢巻を振り回していた俺にも、被害がくるんじゃないのか?

「この一撃にかける…【クレセント・ブラッディ・クロー】!!」
「なっ…!?血の刃…!?くぅっ…」
「その刃は…私の生命力を削って打ち出される…けど、相手の動きを麻痺させることが出来る…その刃が体に触れた瞬間から…あんたに勝ち目はない…」

そう言いながら、モモさんとクレスタは互いに動けなくなってしまったんだよ
く、クレスタ…大丈夫かな…?普通の人間だったら大量出血で死んでもいいLVの血液を流したはずだが…
なんて思いながらクレスタの近くに行ってみると、クレスタは普通に生きてはいたんだよ!!
でも…正直、動くのはつらそうなんだけどな?

「…だ、大丈夫か?」
「あぁ…?デメトリオ…私はグールだし、一度死んでるから少し時間が経過したら元に戻るから…ゾーネのところに引き摺っていって貰えるかい?あの装置、血液が入り込んで壊れちゃって…」
「あ、あぁ…いいけど…」

そう言いながら、俺はクレスタをゾーネのところに一応引き摺って行ったんだけど…
…クレスタ、ちょっと重くないか…?少しダイエットしたほうが…いいと思うな…
まぁ、口に出したら絶対に酷い目に合わされるのは分かっているから言わないんだが…

「さぁて…次は誰が戦うの?早くして欲しいんだけど…時間が無いんだから」
「はーい!!お母さんの敵討ちに…私いきまーす!!」

そう言いながら、モモさんの娘のスモモちゃんが手を上げたわけなんだが…
いったい誰と戦うつもりなんだ?
い、いや…別に…誰でもいいんだけど…

なんて思っていると、いきなり腰の部分に何かが当たってきたんだよ!!
なんだこれは……触手?
そのことに気付くや否や、俺は一気にスモモちゃんのところに連れ込まれたんだよ!!

「この人と戦いたいな〜…いいんでしょ〜?」
「…(いくらデメトリオでも、あんな7歳くらいの子供には負けないでしょ…)いいわよ?」
「わーい!!」

くっ…め、メリィ…俺の気も知らないで勝手に決めやがって…
だが、相手は子供だし、さすがに俺でも負けるなんて事は無いだろ…
ふっ…俺を選んだことを後悔させてやる!!
俺はそう思いつつ剣を構えたわけだが…

「行くよーー!!てぃっ!!」
「えっ…ぐはぁっ!?」

い、一体なにが…気がついたら、俺のおなかの部分に無駄に痛い一撃が…
なんて思う暇も無く、次の瞬間俺の持っていた剣が弾き飛ばされてゾーネの居るところに転がっていったんだ…
た、戦いが始まってすぐに俺…丸腰!?
なんて強さだよ!?う、嘘だろ!?

「ふっふっふ……お母さんがお父さんにやっていたことを、やってみようかな〜…」
「な、なんだよ…それは!?ま、待ってくれ…この戦いはやっぱり無かったことにしないか!?そ、そうだよ…この勝負は無効だ!!」
「だーめっ!!魔力を補充するのには精が必要ってお母さん言ってたし〜…ちょっと興味もあるから…ね?」

こ、これはまさか…貞操の危機!?
ま、待て!!こんなことはしてはいけないはずだ!!
そ、それに…向こうはまだ7歳くらいなんだぞ!?ぜ、絶対にダメだ!!
そうだ…この子の未来を守るためにも俺は絶対にしてはいけないんだ!!

「待て…君はまだ若いからそんな事がいえるんだ!!もっと自分の将来を考えろって!!な?」
「将来…?私、大きくなったらこの世界を自分のものにするんだ〜!!だから、子供の今から沢山勉強しないといけないんだって…お母さんがね?」

な、何を教えているんだよモモさん!?あなたの子供、世界を自分のものにするとか言ってますよ!?
……くっ、な、なんだか話が通じていない気がするんだが…
い、いや…何度も言えば飽きてくれるはずだ!!
今までだってそうだったんだからな!!

「待てって…な?こんなゴミのような男を使っても勉強にはなりませんよ?な?もっと世の中で勝ち組って雰囲気をかもし出している奴の方がいいと思いますよ?そうだ…もう少し待っていたら、ちょうどそんな雰囲気の奴が来ますから…」
「もぉ〜…うるさいなぁ〜…いいもん…無理やりヤっちゃうから!!」
「ま、待て!!だから、俺なんかだな…」
「そうだ…この触手を使って…面白いことをしましょうよ〜!!」
「や、やめろ!!俺を触手で壁に押さえつけて何をするつもりだよ!?や、やめろって!!俺は男なんだぞ!?なんなんだその触手は!?女性にならいくらでも使い道あるんだから、俺よりも後ろにいるモンスターラグーンの女性を狙えばいいじゃないか!!俺は無視してさ…な?」
「だからぁ〜…今の世の中、男性だけが優位に立てる時代は終わったんですよ?それに、男の人の反応も見てみたいんだ〜…女の人は、お母さんとかで反応が見れるんだけど、男の人はこの場所ではそんなに会うこと無いから…ね?」
「ひぃっ!?や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」
12/07/06 19:04更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!
は、果たして…デメトリオはどうなってしまうのか!?
我ながら…危険なことをしてしまった気がするぜ…

っと、ここで…読者の皆様に重要なお知らせがあります!!

このデモンスタワーの話が終わってすぐに、遂に物語の最終編…
メガロス帝国激闘編に突入します!!
そして…非常に言いにくいのですが、メガロス帝国激闘編に突入すると同時にキャラクターの募集を…終わりにします!!

なので…メガロス帝国激闘編に出したいキャラクターの情報がございましたら…メガロス帝国兵士以外のキャラを…この機会に送ってきてください!!
よろしくお願いします!!

では…読んでくださって…ありがとうございましたーー!!

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33