47盗賊と旅人、ついでに○○だと…!?
さて…昨日の晩に箱の中で寝たのはいいんだが、寝ている間に寝返りでも打ってしまったのか、変な方向にはまってしまって抜けないんだ!!
助けて欲しいって凄く思うんだけど…でも、自分の力で切り抜けたい!とも思ったりするんだよなぁ…
…よし!!一気に身体をひねって脱出でもするかなっと…
そうして10分後…空き箱の方が耐え切れずに崩壊し、俺は無事に脱出することに成功したんだぜ!!
…さて、まだ昨日のあの子達は俺の布団の上で寝ているのか…?
俺はそう思って布団の方を見てみたんだが…どうやら大丈夫そうだぜ…
そこには、昨日の晩のようなふくらみは無く、布団が乱雑に放り出されていただけだったからな!!
……しかし、本当に俺の布団で勝手に寝られては困るな…
そう思った俺は、自分の部屋の入り口につけてあった鍵を閉め、入れないようにしてから朝飯を食べにいったんだ。
……朝から物凄く酸っぱいものを食べたので、俺は今気分が悪いぜ…
レベッカの作った料理で初めて…俺の口に合わない料理だと思ってしまったんだが、レモンを入れすぎている気がするんだよなぁ…
おかげで、クエン酸を摂取することが出来たという面では砂漠対策に適した食べ物だったといえるが…何事にも限度って物があるんだぜ!?
そういえば、俺、レノンさんから依頼を受けていたんだったな…
今いる場所である第一テント地域って場所と次の目的地の第二テント地域の右斜め上の位置にあるステンバイって地域に行かないとダメだったんな…
この事をまだメリィに言ってないぞ俺!?このまま黙っていると…そのまま第二テント地域に行ってしまうんじゃないのか!?
俺はその事実に気付いたので、出発時間にメリィにこう切り出してみたんだが…果たして、行ってもいいといってくれるだろうか?
「メリィ…ちょっといいか?」
「……何よ?ダメトリオ?」
…ダ、ダメトリオだと!?何少し名前を間違えてくれちゃっているんだよおい!?
「デメトリオだっての!!」
「…そうだったわね?で、私に何かようなの?早くしてよ?早く砂漠、抜けたいんだから…」
今日はまた…一段と機嫌が悪いなメリィは…何か夜の間にあったのだろうか…?
と思ったりもしたが、俺には関係の無い話だったな…忘れてくれ!
「あの…一番初めに俺達が砂漠に入る前にいた町があるじゃないか?俺、そこで依頼を頼まれて…ステンバイって場所に行かないといけないんだ。少し、寄り道してもらえないか?」
「…そのステンバイって場所がどこにあるかにもよるわ…遠かったら行かないわよ?」
俺は一応メリィに場所の書かれてある地図を渡してみたんだ…
まぁ、行かないって言われたら俺一人で行くことになるんだが…
そしてしばらく時間が経過し、メリィは俺に地図を返すと、行ってもいいといってくれたんだ!!
よかった…もし、一人で行けってことになったらどうしようかって内心思っていたからなぁ…
まぁ、ステンバイって地域はここから少々距離があるけど…昼までにはその場所にたどり着ける…気がする。
そうして第一テント地域を後にした俺たちは、今のんびりと砂漠を横断していたんだ。昨日とは少々違い、少々だが風が吹いている…まさに恵まれた環境といったところだろうか?
砂漠で風が吹くと、物凄く涼しく感じるというが、竜巻が発生しない程度の風ならどれだけ吹いても…俺は大歓迎だぜ!!
そうしてのんびりと進んでいたときだった…
目の前に変な装置…?が見え始め、男達がそこで作業をしているのが見え始めてきたんだよ…
あれは一体…何をしているんだ?考古学者の連中…にしては重装備だしなぁ…
そう思いながら近づいてみると…
あ、あいつらは!?メガロス帝国の紋章が入った服を着ているじゃないか!?
まさか…メガロス帝国関係の人物だというのか…!?
と、俺が思うよりも先にメリィが、その男達につかみかかって行ったんだ…
メリィ、いきなりその行為は少々危険すぎないか!?なんて思ってしまう俺…
メガロス帝国の兵士達も内心困惑しているぞ!?多分…
「…あんたたち、メガロス帝国の人間よね…?」
「そうだが…なんだ女か…俺たちは男にしか興味は無い…去れ」
「…嫌よ!そんなことより、サリィをどうしたのよ!?」
「…誰だ?それは…俺はメガロス帝国元四天王のポジションにいるが…聞いたことも無い名前だ」
……この言い方は本当に知らない感じがするが…メリィには多分通じていないんだろうな…
なんて俺は思いながら、そっと奥の方で見守っていた…
え?本来彼は戦闘要員だったって?すまない…本当にすまないんだが…俺には扱いきることが出来なかった!!
本当にすまないと思っている!!
そして俺は戦闘を行わなかったことに対して、心のそこから反省をしてその場から去ったんだ…
そいつらがどうなったのかは俺は見ていないからわからないけど…多分酷い目に会ったんだろうな…
そう思いながら振り返ると…そこには一瞬で蹴散らされたメガロス帝国の兵士達の姿が…
彼らが女には興味が無いといっていたが、その女に蹴散らされ、帰る手段の飛空挺も壊されるなんて…皮肉だよなぁ…
そして、運が悪かったメガロス帝国の兵士達がいた場所から約1時間と少しばかり歩いたときだろうか?俺たちはまた人に出会ったんだ…
あ、メガロス帝国の連中じゃなくて、二人組みな?
男の方はなんだか影がありそうなイケメン…女の方は少々胸が大きすぎるんじゃないかと思われるリリムの女性だよ!!
また俺の嫉妬しそうなイベントが発生する…そんな気がするぜ!!
「熱いし、喉は渇いたし…どうにかしてよ!!」
うわぁ〜…なんだか凄いわがままが聞こえてきたんだが…
「無理をいうな…ここは砂漠なんだ」
それに反して冷静に言い返すこの男…で、出来る……
俺はこの会話を聞いていただけで、この冷静な男が俺とは全く別の立ち位置…
勝ち組という立ち位置にいるって判断したんだ。
やはり…冷静な判断力は逃げるためにも大切なもの…
それが備わっているってのは大したものだと俺は思うよ?
「熱い〜!!あっ…そこのあなたたち、ちょっといい!?」
……こ、このタイミングで俺たちに話を振ってくるだと!?
しかも、メリィは巨乳が嫌いなのに……
俺はこの瞬間、頭の中でメリィの機嫌が悪くならないように…本気で願いながら足を止めたんだ。
運悪くさっきのメガロス帝国の連中みたいにならなければいいと思うけどなぁ…?
だが、俺の予想に反してメリィはそこまで怒らなかったんだ…
なぜ…?なぜメリィは怒らないんだ!?本来なら胸の大きさはメリィの理性の鎖が砕け散るイベントのはずなのに…
ま、まぁ…怒らないならそれに越したことはないからいいんだけどさぁ…
「…何かしら?(ふふん…やはりリリムということもあって胸も大きいわね…でも、これくらいなら私だって…おいつけるんだからぁ!!)」
「飲み物持ってない?この場所熱くて熱くて…」
いや…砂漠で人に飲み物を渡すお人よしはいないと思うぜ!?
俺は即座にそう思ったが、どうやらメリィ達もそう思っているようで…みんな怪しいものを見るような目つきでこの子を見ている始末だ…
「な…なによぉ!?私は魔王の娘なのよ!?あなたたちは魔物…魔王様の忠実な手下のはずでしょ!?だったら、私に飲み物を貢ぎなさいよ!!」
な、なんというわがまま娘だ…まさか、リリムという種族は…みんなこうなのか?
た、確かに美しいとは思うけど…性格面に問題ありといったところか…?
まさに、美しいバラには棘があるって言葉がぴったりだって…俺はそう思ったね?
で、メリィ達は話し合った結果、リリムの女性に一応、少しだが水を分けることにしたんだ。
で、俺の隣でクールなイケメンが俺に話しかけてきて、俺はメリィ達を見ながらその人物と話をしていたんだ。
「悪いな…迷惑をかけてしまって…僕の名前はシュユっていうんだ。君たちの旅の目的は何なんだい?」
「俺たちは…ま、まぁちょっとした用事でさ…気にしないでくれよ!あ、俺の名前はデメトリオ…多分、これから先出会うことはほとんど無いと思うけど…
名前を忘れないでくれるとうれしいかな?」
そしてたわいの無い話をして、メリィ達の用事も終わった時を狙って、俺は話を切ったんだ。まぁ…この青年にもいろいろ悩みがあるんだなって…思ったくらいさ。
え?教えてくれって?悪いな…他人のプライバシーの問題もあるから、俺ではどうにもできないってな?
まぁ…忘れてくれ!!
「ありがとう!!あんたたちのことは…覚えておいてあげるわーー!!」
別れ際にそう言ってリリムの女性は去っていったんだが…
さ、最後の最後まで生意気だったな…
なんて、終わったイベントのことは本音、どうでもいいんだ!!
今必要なのは無事にステンバイにつくことだからな…
でも…ここで出会った二人組のことも俺の…心に刻み込んだから大丈夫だって!
……どうだい?かっこいい台詞を言ってみたんだが…似合わなかったか?
でもまぁ…個人的には似合っているって思っているからそれでいいじゃないか!
そして…俺がかっこいい台詞を言ってから30分後…俺は10時を越えた砂漠という存在の悪魔と戦っていたんだ…
恐ろしいというのは何も暑さだけではないんだぜ!?
昨日は気がつかなかったし…竜巻でそのことに気付く暇も無かったんだが、こうして落ち着いた状況になって考えてみると…まず、物凄い流れ落ちる汗…
この物凄い汗が体の体力を削っていく点が危険なポイントその一…
その二はなんと、この汗のせいでモンスターラグーンのメンバーたちの服が汗で張り付き…若干透けているって所さ!!
まぁ…彼女たちは魔物娘…俺がいたくらいでは一切気にしないと思うからそこはいいんだ…
でもな?俺が気にするんだよ!!
この…あ、汗で透けている…!?み、見たい…けど、正面から見る勇気がない…って、この劣等感は精神をも攻撃するんだぞ!?
とまぁ…どうでもいい事を考えている間に、俺たちはステンバイと呼ばれる地域の近くに来たんだ…
砂漠になぜかご丁寧に看板があってさ…のこり3kmらしいんだ!!
俺は余りのうれしさにテンションが上がりすぎて叫びたくなったりもしたが、ぐっと我慢して無言を貫きとおしていたんだが…
ちょっと待てよ…?
レノンさんからもらった地図によると、この辺りには盗賊が出るって書いてなかったか…?
そう思って俺は大切なもの入れから地図を取り出し…
「おらおらぁ!!そこの旅人…荷物をここで置いていきな!!」
またかよ!!せめて道具ぐらい出させろよ!!
いや…もういいさ…もはや、何もいうまい…
俺は認めたくは無いんだが…この状況に慣れてしまったんだよ!!
そう…俺はこの行動を取った瞬間から、心のどこかではこういったことになるって思ってた!!でも…それをごまかしていたのさ!!
でも…この盗賊たちも不運だよなぁ…
よりにもよってモンスターラグーンを標的にするなんて…
俺だったら一生かかってもぬぐいきれない後悔が身体に染み付くって言い切れるほど強いのにさぁ…
そう思いながら俺は盗賊たちが簡単に蹴散らされるのをのんびりと見ていることにした訳だ…
え?卑怯だって?いやいや…弱いものが戦いにいっても足手まといにしかならないだろ?だから…あえて行かないのさ!!
そうして俺が完璧な理屈を頭の中で訴えていたときだった…
「……あんたたち、まだこんなことをやっていたのかい?」
「…!?ち、チェルシーさんじゃねぇっすか!?」
……し、知り合いだったのか!?ま、まさか…
前々からつかみどころが無い女性だとは思っていたが、盗賊に知り合いがいるとは…ますます俺は、チェルシーという人物が良くわからなくなってきたんだ。
……でも、メリィはそこまで驚いている感じじゃないな…アイネとジャンヌもそこまで驚いていないし…他のみんなは驚いているけど、他の三人はなんだか、前から知っていたって感じなんだよなぁ…
「私が盗賊業から足を洗ったときにあんたらもやめたんじゃなかったのかい?」
「そ…それはその…ですね?あっしらにもいろいろと事情ってやつが…」
…この盗賊たちにもいろいろと事情がありそうだが、果たしてチェルシーは話を聞いてくれるのだろうか?
でもまぁ…個人的には話を聞いてあげるのもありだとは思うんだけどな?
俺がそう思っていたときだった…いきなり盗賊たちの後ろからおとなしそうな男性が姿を現したんだ。
「君は…いつもそうして不意に現れては風のように消えていくよな…チェルシー君?」
「懐かしい顔だな…私がまだ盗賊団のリーダーだったときの副リーダーじゃないか…今じゃ立派なリーダーか?」
「いいや…今では僕たちデザート・アラムタッドのメンバーたちの中ではリーダーはいないさ…」
……えっと、ここで俺の思っていることをはさむのは少し悪いと思うんだが、ちょっといいかな?
チェルシーとこの男性の関係は何なんだ!?
全く…意味がわからないんですけどぉ!?
え…黙ってろ、話が進まないって?
そ、そんな…風当たりの冷たい台詞を言わなくても…いいじゃないですか…
俺は心でそうつぶやくと、そっとまた二人に出番を譲ったのだった…
「ガット…あなたもわたしが盗賊業をやめたときに牧師になって人生をやり直すって言っていたんじゃないのかい?」
「いやぁ…そう思ってはいたんですけどねぇ〜…」
二人とも…なんだか本心を隠しているような話し方をしているから俺が入る隙が無く、気がついたら二人とも黙ってお互いを見るという沈黙の時間が流れ始めたのだった…
……俺、沈黙って苦手なんだけどなぁ…早くどっちでもいいから話してくれればいいのに…
俺がそう思っていたときだった…俺のその心境をこのガットという人物が読み取ってくれたのか…この沈黙を破って話し始めてくれたんだ!!
いやぁ…助かったぜ…精神的にな?
「……僕だって、牧師になりたかったさ…でも、今のご時勢に、そう簡単に変われるものかい?そりゃあ、君には希望が見つかったらしいから盗賊なんてしなくてもいいだろうけど…こっちは月の家賃の取り立てですら精一杯なんだ!仲間たちのためにも、はいそうですかって職を変えられるものか?」
やっぱり、世の中には事情って物があるんだなぁ…って俺はこの瞬間思いなおしたのだった。
どうでもいいんだが…このまま話が進めば盗賊に襲われること無く無事にこの場所を切り抜けることが出来るんじゃないのか!?
まぁ、ガットさんにも自分自身の生活でいろいろと苦労していることがあるってわかったのか、チェルシーはそれ以上何もガットさんには言わなかった。
この、あえて聞かない優しさっていいものだと個人的には思うぜ!!
これから先、まだ旅の途中で出会うかもしれない俺に彼女や妻がいないのかって聞いてきたやつらみんなに俺はガットさんを見習えって言いたいね…
そうして、何もかもが安全に終わろうとしていたときだった。
「みつけたぞ!!アルムタッド!この時の砂漠内での強盗行為…及び、金品の強奪罪により、あんたたちを逮捕する!!」
そう言いながらサラマンダーの女性が砂丘の上の方からこちらにかっこよく走ってきたんだが…
「きゃっ!?いやぁぁ〜〜!!」
て、訂正しよう…転げ落ちてきたんだが…彼女は誰なんだ!?
「あいたたた……さぁ!!おとなしくつかまりなさい!!」
彼女がそういった瞬間、ガットさんの表情が固まるのを俺は見逃さなかったぜ!
「お前は…!?盗賊殺しのジャベール!?」
…と、盗賊殺しとはまたたいそうな通り名だなぁ…一体彼女は何をして、あそこまで恐れられているんだ!?
「……彼女は一体何者なんだい?」
俺は思わず、近くにいた盗賊に聞いてみたんだ。
まぁ、情報収集は重要なことだと思うぜ?そして…もしも俺の脅威になりそうだったら、タイミングを掴んで俺は…逃げるぜ!!
「…あいつはジャベール・リルティって名前で、この砂漠の盗賊たちに恐れられている…盗賊対策ギルドの切り込み隊長だよ…今まで、ジャベールに狙われて逃げ切った盗賊はいないし、狙われたその後、その盗賊達の姿を見た仲間は一人もいないって噂だ…」
な、なんて恐ろしい…
俺はこの話を聞いた瞬間、あることを心に決めたのだった…
隙を見つけたら…絶対に逃げてやる!!
「そこの旅人の方々…早々にお引取り下さい!!危険です!」
……お!?これは…安全に逃げ切れる感じがするぜ?
俺はこのときほど、自分が旅をしているという事実に感謝したときは…ないと思ったぜ!
俺たちは言われるがままにその場所を後にしようとするが…かつて仲間だったらしく、チェルシーはガットたちを置いていけなかったようだった。
その場所にたちすくんで、じっと場の成り行きを見守っているんだよ!!
心配なのはわかるが…今は逃げるときだと思うぜ!?俺は…だけどね?
そして、ガットさんは一瞬だがチェルシーがこの場所に残ったことに驚いたような表情を浮かべ、その後チェルシーに向かってこういったんだ。
「…君は今は盗賊ではないはずだ…仲間のところに戻るべきだよ?僕のような盗賊の心配をするべきではないだろ?」
「で、でも…それでも…」
「いいかい?君は今は僕たちとは違う世界にいるんだ、過去を生きるんじゃない…今を生きるんだ!」
「話は終わった?じゃあ…ジャンヌ=カスタードさん!!お願いしますよ?彼らを盗賊の道から更生させてあげましょう!!」
「……興味ないね」
は、始まってしまったぞ!?どうするんだ?に、逃げないと…
俺がそう焦っていたとき、チェルシーは覚悟を決めたらしく、こっちに走って俺たちよりも先にこの場所を後にした…
そのときに一切ガットさんの方を振りむかなかったところに…覚悟を感じるぜ
そして俺たちはこの場所を後にしたのだった…
〜そしてデメトリオたちが去ってから〜
……行ったか…僕は昔から…甘いなぁ…
僕はそう心の中で思うと、目の前のジャベールの方を向いたんだ。
どうやら、他の僕の部下たちも、ジャベールから逃げるつもりは無いようだし、僕はいい部下を持った…
いや…部下じゃないな…仲間か…
「みんな……頑張るとしようか?」
「あぁ!!」
「……結束力は一人前…かぁ…まぁ、裏切らない(不倫しない)って点では彼女たちも満足かな…?今は未結婚魔物女性が多くて…こういったところから結婚者を増やしていかないといけないから…早めに負けてね?」
ジャベールはこういいながら、彼女が雇ったジャンヌという名前の傭兵と一緒にこっちに走ってきたんだ。
そしてその30分後…僕たちデザート・アルムタッドのメンバー、僕も含めて38人はその後、盗賊業から足を洗う事になるのだろうと、僕は薄れていく意識の中でこう思った。
せめて、一回はチェルシーに…冷たい台詞を言ったのかも知れない…
僕は一瞬後悔したが…彼女はどこかでわかってくれている…そんな気がしてならなかったんだ。
そして僕はここで気を失った。
助けて欲しいって凄く思うんだけど…でも、自分の力で切り抜けたい!とも思ったりするんだよなぁ…
…よし!!一気に身体をひねって脱出でもするかなっと…
そうして10分後…空き箱の方が耐え切れずに崩壊し、俺は無事に脱出することに成功したんだぜ!!
…さて、まだ昨日のあの子達は俺の布団の上で寝ているのか…?
俺はそう思って布団の方を見てみたんだが…どうやら大丈夫そうだぜ…
そこには、昨日の晩のようなふくらみは無く、布団が乱雑に放り出されていただけだったからな!!
……しかし、本当に俺の布団で勝手に寝られては困るな…
そう思った俺は、自分の部屋の入り口につけてあった鍵を閉め、入れないようにしてから朝飯を食べにいったんだ。
……朝から物凄く酸っぱいものを食べたので、俺は今気分が悪いぜ…
レベッカの作った料理で初めて…俺の口に合わない料理だと思ってしまったんだが、レモンを入れすぎている気がするんだよなぁ…
おかげで、クエン酸を摂取することが出来たという面では砂漠対策に適した食べ物だったといえるが…何事にも限度って物があるんだぜ!?
そういえば、俺、レノンさんから依頼を受けていたんだったな…
今いる場所である第一テント地域って場所と次の目的地の第二テント地域の右斜め上の位置にあるステンバイって地域に行かないとダメだったんな…
この事をまだメリィに言ってないぞ俺!?このまま黙っていると…そのまま第二テント地域に行ってしまうんじゃないのか!?
俺はその事実に気付いたので、出発時間にメリィにこう切り出してみたんだが…果たして、行ってもいいといってくれるだろうか?
「メリィ…ちょっといいか?」
「……何よ?ダメトリオ?」
…ダ、ダメトリオだと!?何少し名前を間違えてくれちゃっているんだよおい!?
「デメトリオだっての!!」
「…そうだったわね?で、私に何かようなの?早くしてよ?早く砂漠、抜けたいんだから…」
今日はまた…一段と機嫌が悪いなメリィは…何か夜の間にあったのだろうか…?
と思ったりもしたが、俺には関係の無い話だったな…忘れてくれ!
「あの…一番初めに俺達が砂漠に入る前にいた町があるじゃないか?俺、そこで依頼を頼まれて…ステンバイって場所に行かないといけないんだ。少し、寄り道してもらえないか?」
「…そのステンバイって場所がどこにあるかにもよるわ…遠かったら行かないわよ?」
俺は一応メリィに場所の書かれてある地図を渡してみたんだ…
まぁ、行かないって言われたら俺一人で行くことになるんだが…
そしてしばらく時間が経過し、メリィは俺に地図を返すと、行ってもいいといってくれたんだ!!
よかった…もし、一人で行けってことになったらどうしようかって内心思っていたからなぁ…
まぁ、ステンバイって地域はここから少々距離があるけど…昼までにはその場所にたどり着ける…気がする。
そうして第一テント地域を後にした俺たちは、今のんびりと砂漠を横断していたんだ。昨日とは少々違い、少々だが風が吹いている…まさに恵まれた環境といったところだろうか?
砂漠で風が吹くと、物凄く涼しく感じるというが、竜巻が発生しない程度の風ならどれだけ吹いても…俺は大歓迎だぜ!!
そうしてのんびりと進んでいたときだった…
目の前に変な装置…?が見え始め、男達がそこで作業をしているのが見え始めてきたんだよ…
あれは一体…何をしているんだ?考古学者の連中…にしては重装備だしなぁ…
そう思いながら近づいてみると…
あ、あいつらは!?メガロス帝国の紋章が入った服を着ているじゃないか!?
まさか…メガロス帝国関係の人物だというのか…!?
と、俺が思うよりも先にメリィが、その男達につかみかかって行ったんだ…
メリィ、いきなりその行為は少々危険すぎないか!?なんて思ってしまう俺…
メガロス帝国の兵士達も内心困惑しているぞ!?多分…
「…あんたたち、メガロス帝国の人間よね…?」
「そうだが…なんだ女か…俺たちは男にしか興味は無い…去れ」
「…嫌よ!そんなことより、サリィをどうしたのよ!?」
「…誰だ?それは…俺はメガロス帝国元四天王のポジションにいるが…聞いたことも無い名前だ」
……この言い方は本当に知らない感じがするが…メリィには多分通じていないんだろうな…
なんて俺は思いながら、そっと奥の方で見守っていた…
え?本来彼は戦闘要員だったって?すまない…本当にすまないんだが…俺には扱いきることが出来なかった!!
本当にすまないと思っている!!
そして俺は戦闘を行わなかったことに対して、心のそこから反省をしてその場から去ったんだ…
そいつらがどうなったのかは俺は見ていないからわからないけど…多分酷い目に会ったんだろうな…
そう思いながら振り返ると…そこには一瞬で蹴散らされたメガロス帝国の兵士達の姿が…
彼らが女には興味が無いといっていたが、その女に蹴散らされ、帰る手段の飛空挺も壊されるなんて…皮肉だよなぁ…
そして、運が悪かったメガロス帝国の兵士達がいた場所から約1時間と少しばかり歩いたときだろうか?俺たちはまた人に出会ったんだ…
あ、メガロス帝国の連中じゃなくて、二人組みな?
男の方はなんだか影がありそうなイケメン…女の方は少々胸が大きすぎるんじゃないかと思われるリリムの女性だよ!!
また俺の嫉妬しそうなイベントが発生する…そんな気がするぜ!!
「熱いし、喉は渇いたし…どうにかしてよ!!」
うわぁ〜…なんだか凄いわがままが聞こえてきたんだが…
「無理をいうな…ここは砂漠なんだ」
それに反して冷静に言い返すこの男…で、出来る……
俺はこの会話を聞いていただけで、この冷静な男が俺とは全く別の立ち位置…
勝ち組という立ち位置にいるって判断したんだ。
やはり…冷静な判断力は逃げるためにも大切なもの…
それが備わっているってのは大したものだと俺は思うよ?
「熱い〜!!あっ…そこのあなたたち、ちょっといい!?」
……こ、このタイミングで俺たちに話を振ってくるだと!?
しかも、メリィは巨乳が嫌いなのに……
俺はこの瞬間、頭の中でメリィの機嫌が悪くならないように…本気で願いながら足を止めたんだ。
運悪くさっきのメガロス帝国の連中みたいにならなければいいと思うけどなぁ…?
だが、俺の予想に反してメリィはそこまで怒らなかったんだ…
なぜ…?なぜメリィは怒らないんだ!?本来なら胸の大きさはメリィの理性の鎖が砕け散るイベントのはずなのに…
ま、まぁ…怒らないならそれに越したことはないからいいんだけどさぁ…
「…何かしら?(ふふん…やはりリリムということもあって胸も大きいわね…でも、これくらいなら私だって…おいつけるんだからぁ!!)」
「飲み物持ってない?この場所熱くて熱くて…」
いや…砂漠で人に飲み物を渡すお人よしはいないと思うぜ!?
俺は即座にそう思ったが、どうやらメリィ達もそう思っているようで…みんな怪しいものを見るような目つきでこの子を見ている始末だ…
「な…なによぉ!?私は魔王の娘なのよ!?あなたたちは魔物…魔王様の忠実な手下のはずでしょ!?だったら、私に飲み物を貢ぎなさいよ!!」
な、なんというわがまま娘だ…まさか、リリムという種族は…みんなこうなのか?
た、確かに美しいとは思うけど…性格面に問題ありといったところか…?
まさに、美しいバラには棘があるって言葉がぴったりだって…俺はそう思ったね?
で、メリィ達は話し合った結果、リリムの女性に一応、少しだが水を分けることにしたんだ。
で、俺の隣でクールなイケメンが俺に話しかけてきて、俺はメリィ達を見ながらその人物と話をしていたんだ。
「悪いな…迷惑をかけてしまって…僕の名前はシュユっていうんだ。君たちの旅の目的は何なんだい?」
「俺たちは…ま、まぁちょっとした用事でさ…気にしないでくれよ!あ、俺の名前はデメトリオ…多分、これから先出会うことはほとんど無いと思うけど…
名前を忘れないでくれるとうれしいかな?」
そしてたわいの無い話をして、メリィ達の用事も終わった時を狙って、俺は話を切ったんだ。まぁ…この青年にもいろいろ悩みがあるんだなって…思ったくらいさ。
え?教えてくれって?悪いな…他人のプライバシーの問題もあるから、俺ではどうにもできないってな?
まぁ…忘れてくれ!!
「ありがとう!!あんたたちのことは…覚えておいてあげるわーー!!」
別れ際にそう言ってリリムの女性は去っていったんだが…
さ、最後の最後まで生意気だったな…
なんて、終わったイベントのことは本音、どうでもいいんだ!!
今必要なのは無事にステンバイにつくことだからな…
でも…ここで出会った二人組のことも俺の…心に刻み込んだから大丈夫だって!
……どうだい?かっこいい台詞を言ってみたんだが…似合わなかったか?
でもまぁ…個人的には似合っているって思っているからそれでいいじゃないか!
そして…俺がかっこいい台詞を言ってから30分後…俺は10時を越えた砂漠という存在の悪魔と戦っていたんだ…
恐ろしいというのは何も暑さだけではないんだぜ!?
昨日は気がつかなかったし…竜巻でそのことに気付く暇も無かったんだが、こうして落ち着いた状況になって考えてみると…まず、物凄い流れ落ちる汗…
この物凄い汗が体の体力を削っていく点が危険なポイントその一…
その二はなんと、この汗のせいでモンスターラグーンのメンバーたちの服が汗で張り付き…若干透けているって所さ!!
まぁ…彼女たちは魔物娘…俺がいたくらいでは一切気にしないと思うからそこはいいんだ…
でもな?俺が気にするんだよ!!
この…あ、汗で透けている…!?み、見たい…けど、正面から見る勇気がない…って、この劣等感は精神をも攻撃するんだぞ!?
とまぁ…どうでもいい事を考えている間に、俺たちはステンバイと呼ばれる地域の近くに来たんだ…
砂漠になぜかご丁寧に看板があってさ…のこり3kmらしいんだ!!
俺は余りのうれしさにテンションが上がりすぎて叫びたくなったりもしたが、ぐっと我慢して無言を貫きとおしていたんだが…
ちょっと待てよ…?
レノンさんからもらった地図によると、この辺りには盗賊が出るって書いてなかったか…?
そう思って俺は大切なもの入れから地図を取り出し…
「おらおらぁ!!そこの旅人…荷物をここで置いていきな!!」
またかよ!!せめて道具ぐらい出させろよ!!
いや…もういいさ…もはや、何もいうまい…
俺は認めたくは無いんだが…この状況に慣れてしまったんだよ!!
そう…俺はこの行動を取った瞬間から、心のどこかではこういったことになるって思ってた!!でも…それをごまかしていたのさ!!
でも…この盗賊たちも不運だよなぁ…
よりにもよってモンスターラグーンを標的にするなんて…
俺だったら一生かかってもぬぐいきれない後悔が身体に染み付くって言い切れるほど強いのにさぁ…
そう思いながら俺は盗賊たちが簡単に蹴散らされるのをのんびりと見ていることにした訳だ…
え?卑怯だって?いやいや…弱いものが戦いにいっても足手まといにしかならないだろ?だから…あえて行かないのさ!!
そうして俺が完璧な理屈を頭の中で訴えていたときだった…
「……あんたたち、まだこんなことをやっていたのかい?」
「…!?ち、チェルシーさんじゃねぇっすか!?」
……し、知り合いだったのか!?ま、まさか…
前々からつかみどころが無い女性だとは思っていたが、盗賊に知り合いがいるとは…ますます俺は、チェルシーという人物が良くわからなくなってきたんだ。
……でも、メリィはそこまで驚いている感じじゃないな…アイネとジャンヌもそこまで驚いていないし…他のみんなは驚いているけど、他の三人はなんだか、前から知っていたって感じなんだよなぁ…
「私が盗賊業から足を洗ったときにあんたらもやめたんじゃなかったのかい?」
「そ…それはその…ですね?あっしらにもいろいろと事情ってやつが…」
…この盗賊たちにもいろいろと事情がありそうだが、果たしてチェルシーは話を聞いてくれるのだろうか?
でもまぁ…個人的には話を聞いてあげるのもありだとは思うんだけどな?
俺がそう思っていたときだった…いきなり盗賊たちの後ろからおとなしそうな男性が姿を現したんだ。
「君は…いつもそうして不意に現れては風のように消えていくよな…チェルシー君?」
「懐かしい顔だな…私がまだ盗賊団のリーダーだったときの副リーダーじゃないか…今じゃ立派なリーダーか?」
「いいや…今では僕たちデザート・アラムタッドのメンバーたちの中ではリーダーはいないさ…」
……えっと、ここで俺の思っていることをはさむのは少し悪いと思うんだが、ちょっといいかな?
チェルシーとこの男性の関係は何なんだ!?
全く…意味がわからないんですけどぉ!?
え…黙ってろ、話が進まないって?
そ、そんな…風当たりの冷たい台詞を言わなくても…いいじゃないですか…
俺は心でそうつぶやくと、そっとまた二人に出番を譲ったのだった…
「ガット…あなたもわたしが盗賊業をやめたときに牧師になって人生をやり直すって言っていたんじゃないのかい?」
「いやぁ…そう思ってはいたんですけどねぇ〜…」
二人とも…なんだか本心を隠しているような話し方をしているから俺が入る隙が無く、気がついたら二人とも黙ってお互いを見るという沈黙の時間が流れ始めたのだった…
……俺、沈黙って苦手なんだけどなぁ…早くどっちでもいいから話してくれればいいのに…
俺がそう思っていたときだった…俺のその心境をこのガットという人物が読み取ってくれたのか…この沈黙を破って話し始めてくれたんだ!!
いやぁ…助かったぜ…精神的にな?
「……僕だって、牧師になりたかったさ…でも、今のご時勢に、そう簡単に変われるものかい?そりゃあ、君には希望が見つかったらしいから盗賊なんてしなくてもいいだろうけど…こっちは月の家賃の取り立てですら精一杯なんだ!仲間たちのためにも、はいそうですかって職を変えられるものか?」
やっぱり、世の中には事情って物があるんだなぁ…って俺はこの瞬間思いなおしたのだった。
どうでもいいんだが…このまま話が進めば盗賊に襲われること無く無事にこの場所を切り抜けることが出来るんじゃないのか!?
まぁ、ガットさんにも自分自身の生活でいろいろと苦労していることがあるってわかったのか、チェルシーはそれ以上何もガットさんには言わなかった。
この、あえて聞かない優しさっていいものだと個人的には思うぜ!!
これから先、まだ旅の途中で出会うかもしれない俺に彼女や妻がいないのかって聞いてきたやつらみんなに俺はガットさんを見習えって言いたいね…
そうして、何もかもが安全に終わろうとしていたときだった。
「みつけたぞ!!アルムタッド!この時の砂漠内での強盗行為…及び、金品の強奪罪により、あんたたちを逮捕する!!」
そう言いながらサラマンダーの女性が砂丘の上の方からこちらにかっこよく走ってきたんだが…
「きゃっ!?いやぁぁ〜〜!!」
て、訂正しよう…転げ落ちてきたんだが…彼女は誰なんだ!?
「あいたたた……さぁ!!おとなしくつかまりなさい!!」
彼女がそういった瞬間、ガットさんの表情が固まるのを俺は見逃さなかったぜ!
「お前は…!?盗賊殺しのジャベール!?」
…と、盗賊殺しとはまたたいそうな通り名だなぁ…一体彼女は何をして、あそこまで恐れられているんだ!?
「……彼女は一体何者なんだい?」
俺は思わず、近くにいた盗賊に聞いてみたんだ。
まぁ、情報収集は重要なことだと思うぜ?そして…もしも俺の脅威になりそうだったら、タイミングを掴んで俺は…逃げるぜ!!
「…あいつはジャベール・リルティって名前で、この砂漠の盗賊たちに恐れられている…盗賊対策ギルドの切り込み隊長だよ…今まで、ジャベールに狙われて逃げ切った盗賊はいないし、狙われたその後、その盗賊達の姿を見た仲間は一人もいないって噂だ…」
な、なんて恐ろしい…
俺はこの話を聞いた瞬間、あることを心に決めたのだった…
隙を見つけたら…絶対に逃げてやる!!
「そこの旅人の方々…早々にお引取り下さい!!危険です!」
……お!?これは…安全に逃げ切れる感じがするぜ?
俺はこのときほど、自分が旅をしているという事実に感謝したときは…ないと思ったぜ!
俺たちは言われるがままにその場所を後にしようとするが…かつて仲間だったらしく、チェルシーはガットたちを置いていけなかったようだった。
その場所にたちすくんで、じっと場の成り行きを見守っているんだよ!!
心配なのはわかるが…今は逃げるときだと思うぜ!?俺は…だけどね?
そして、ガットさんは一瞬だがチェルシーがこの場所に残ったことに驚いたような表情を浮かべ、その後チェルシーに向かってこういったんだ。
「…君は今は盗賊ではないはずだ…仲間のところに戻るべきだよ?僕のような盗賊の心配をするべきではないだろ?」
「で、でも…それでも…」
「いいかい?君は今は僕たちとは違う世界にいるんだ、過去を生きるんじゃない…今を生きるんだ!」
「話は終わった?じゃあ…ジャンヌ=カスタードさん!!お願いしますよ?彼らを盗賊の道から更生させてあげましょう!!」
「……興味ないね」
は、始まってしまったぞ!?どうするんだ?に、逃げないと…
俺がそう焦っていたとき、チェルシーは覚悟を決めたらしく、こっちに走って俺たちよりも先にこの場所を後にした…
そのときに一切ガットさんの方を振りむかなかったところに…覚悟を感じるぜ
そして俺たちはこの場所を後にしたのだった…
〜そしてデメトリオたちが去ってから〜
……行ったか…僕は昔から…甘いなぁ…
僕はそう心の中で思うと、目の前のジャベールの方を向いたんだ。
どうやら、他の僕の部下たちも、ジャベールから逃げるつもりは無いようだし、僕はいい部下を持った…
いや…部下じゃないな…仲間か…
「みんな……頑張るとしようか?」
「あぁ!!」
「……結束力は一人前…かぁ…まぁ、裏切らない(不倫しない)って点では彼女たちも満足かな…?今は未結婚魔物女性が多くて…こういったところから結婚者を増やしていかないといけないから…早めに負けてね?」
ジャベールはこういいながら、彼女が雇ったジャンヌという名前の傭兵と一緒にこっちに走ってきたんだ。
そしてその30分後…僕たちデザート・アルムタッドのメンバー、僕も含めて38人はその後、盗賊業から足を洗う事になるのだろうと、僕は薄れていく意識の中でこう思った。
せめて、一回はチェルシーに…冷たい台詞を言ったのかも知れない…
僕は一瞬後悔したが…彼女はどこかでわかってくれている…そんな気がしてならなかったんだ。
そして僕はここで気を失った。
12/05/15 20:54更新 / デメトリオン
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