36 男か女か邪気眼か？
……いやぁ、一日寝ずに過ごすって行為がこれほど全身に疲労感を残すなんて思ってもいなかったぜ…
昨日寝るタイミングを捨てて部屋の掃除をし続けていた俺は、今現在夜中の２時…眠いって感情は一切無し！！そして…俺の暇だと思う気持ちが消えることもなし！！というすばらしい状況にいる訳だ…
今からみんなを起こしても多分起きてくれないし、もしも起きてしまったら俺が困ることになるのは目に見えてわかっていることだろ？
だとしたら…俺は一人、チーズを食べながらコーヒーを飲む以外に出来ることが無いじゃないか！！
まったく…どうして全然寝たいって気分にならないんだ…
俺が一人優雅…というには程遠い感じのコーヒーブレイクを楽しんでいると、不意に扉に何かが当たる音がする…今日は風が強いなぁ…
「……苦っ！？あっ…砂糖入れるの忘れてたじゃないかよ俺…やっぱり、コーヒーには角砂糖１０個は基本だよな…」
「コーヒーはブラックだからいいんじゃないか…」
のんびりとコーヒーに角砂糖を一個投入したとき、ふいに後ろの方から声が聞こえてきたわけだが……もう驚かないぜ？
俺は頭のどこかでまた俺に似た奴が来たんじゃないかと予想できたんだよ…
案の定、後ろには腕を組んだ俺にそっくりだが、俺よりも台詞が２０倍は性質が悪い男が立っていたわけだ…
いつの間に宿に入ったとかは聞かないぜ？俺はなぁ！！
「……あれ？遂に驚かなくなったか？やるじゃん…」
「悪いな、今日はそんなテンションじゃないんだ…今は」
でも、話し相手ができたことは内心…かなりうれしい。
まぁ、その事実を悟らせないように俺は必死に隠したんだが…
え？どうやって隠したかって？あたふたしたに決まっているじゃないか！
「…何あたふたしてるんだか…今日は、お別れを言いにきたぜ…これは名刺だ、とっておきな？」
そう言って、カッコよく名刺を投げてくる…だと？
あいつ…やはり出来るやつだったか…
そう思いながら投げられてきた名刺に目を通してみる…
「えっと…乱鈍 義音子（ろんどん ぎねす）？面白い名前だなぁ…」
「それ……メトリって読むんだが…？」
……えぇ！？め、メトリって読むのかコレ！？ぎねすじゃ無くて！？
…いやぁ、名前ってやっぱりいろいろ難しいなぁと改めて思い直した瞬間だった。
「で…どうしていきなりこんなものを…？」
「もう十分お前のことは観察できたからさ？もう十分だって思ってさ」
「観察？」
…いやぁ、非常に引っかかる台詞だな本当に…観察ってさ？
いや、別に見られていて困るようなことをしていた訳じゃないし、いいんだけどさぁ…
まて、勝手に観察することはいけないことだぞ！？
「そう…観察だ…一回ベースのお前にあって確かめたいことがあって…今回ジパングに来たって事がわかったから確かめさせてもらったんだ」
「ベースって…なんだよ！？」
いろいろ引っかかることがあるんだが、突っ込んだら負けなのか！？
まず、ベースって…何の！？
駄目だ…俺の頭じゃ到底理解できないぜ…
「…俺はな、女だよ！！」
「な…なんだってーーーー！？」
ま、まさか…そんな馬鹿なことがありえていいのか！？
せ、台詞一回だけじゃインパクトが足りないよな…もう一回言っておこう…
「な、なんだってーーーー！？」
正直、本気で男だと思っていたぜ俺は…まさか、目の前の俺に似た人物が女！？みんな、大事なことだからもう一回言うけど…俺に似た人物が女だというのか！？
駄目だ…自分のボディしか想像できない…
いや…想像しようとした現実だけで俺は…いろいろなものに負けていたのかも知れないぜ…
「信じられないだろ…？でも、俺はドッペルゲンガーなのさ！！」
「なっ！？ドッペルゲンガーは男の失恋から発生する負のオーラからうまれるとかどうとか…口コミで聞いた気が…」
「あぁ…そうだよ？」
……あれぇ？口コミで聞いた話だと、女性に振られた場合のはずなんだが…
俺は男だぞ！？発生する確率は限り無く０に近いんじゃないのか！？
いや…むしろ、０だといってもいい状況だろ！？
「そ、そんな馬鹿なことが…」
俺が思わずそうぼやくと、メトリは若干イラついた表情を見せてこう言ってきたんだ。
「お前…昔、告白してきた男いただろ…？」
……そういえば、俺がまだ６歳のときの今頃…髪の毛を切るのが面倒だったから放置していた時代にそういうことを言われたな…
ってことは…ま、まさか！？
「気がついたようだな…そう！！その振られた男はお前のことを男だと思わず、振られたという現実にショックを受けていたんだ！！その負のオーラに引き寄せられ、その男の個人的趣味により髪の毛がショートになって今…ここにいるんだよ！！つまり…その男の心の中では長い髪で顔も見えなかったお前は女扱いなんだよ！！」
「う…嘘だぁーーーー！！嘘だといってくれぇーー！！」
俺は…さっきの一言で精神的に大きなダメージを受けた…
「……でも、そんな話信じられないぜ…胸もないのに…」
「素体が、情報率の少ないお前だったからだろうが！！む、胸はこれから大きくなるんだよ！！」
「頼む…そのままでいてくれ…」
正直、これ以上俺の見た目で胸だけ大きくなってもらうのは困る…
精神的な意味で…
ま、待てよ…彼女はドッペルゲンガー…なんだろ？
ってことは、その俺が昔振った…って言うべきなのかわからないが、とにかくそいつと一緒にいるんじゃないのか！？
で、女性のボディ…ってことは！？夜をいっしょに過ごしたって可能性も！？
「ま、まさか…もう夜を一緒に過ごしたってことは…無いよな！？」
「……魔物娘が性欲に忠実じゃないとおかしいだろ？ヤったよ？」
うわぁあああああああああ！！き、聞きたくなかったぁあああああ！！
ってことは…目の前の若干目つきが鋭い俺みたいな奴が…男と！？
この現実は、俺の心に重く残りそうだぜ…
「結構…あの人的には受身だと思われてたっぽいから、結構ビクッて来たぜ？ヤっているときは…体がな」
「や、やめろ！！お、俺の精神が崩壊してしまう前に…帰ってくれ！！そしてもう二度と俺の目の前に姿を見せないでくれ！！」
精神崩壊５分前…
「そうだな…じゃあな？」
こうして、メトリは俺の心に普通では考えられないほどの傷を残し、宿屋を去っていった…
その後、俺がこの心についた傷をごまかしきるのにはメリィ達が起きてくるまでかかったのだった…
でも、今はすっかり大丈夫だぜ！！
……何かきっかけでもない限りな…
みんなが下に降りてきたとき、俺は若干羨ましそうな目で見たんだが…多分誰も気がつかなかっただろうな…
なんか、凄く複雑だよ心境…
だが、俺が疲れていることに気付いてくれたのか、ジュンコさんが缶を持ってこっちに歩いてきたんだ。
「デメトリオ…寝不足？」
「はぁ…まぁ少しだけ…」
「…これを飲んでみて、元気出ると思うから…」
最近、俺が太らない体質だってわかってから若干ジュンコさんが冷たくなった気もするが、それでも俺にはこの缶の中に入っている薬を飲むことに何にも抵抗は無かった。
ジュンコさんはこのようなタイミングで悪ふざけをする人じゃないんだよ！！
ある意味、ラグーンメンバーの中でも一番常識人かもしれないぜ…
「あ、朝・昼・夜の三回に分けて使ってね？この軽量コップの目盛りが２のところまで汲んで飲んでね？じゃないと、おなか壊しちゃうから…」
まさか、薬の使用法まで丁寧に教えてくれるなんて…ゾーネもあれくらい丁寧に教えてくれれば、俺が昨日の依頼で困ることも無かったのに…
そして俺は、言われたとおりの場所で薬を飲んだわけだが…
この薬、体から疲れがすっと抜けていくような感じがして、とてもよかったぜ？これを多用すれば俺は寝なくてもいい気がする。
そしてみんながのんびりとレベッカが作ったポテトサラダとパンをはさんだものを食べていると、いきなり俺の宿の扉が乱暴に開けられた！！
だ、誰だ！？俺の宿の扉をキックでこじ開けたやつは！？
本音、正体よりも扉の金具が壊れていないかの方が気になる俺…
そっちの方を見ると、扉が開いたところで奉行所メンバーの三人…すっかり顔馴染みになってしまった紅緒、蒼葉、マスカットの三人が息を荒げてそこに立っていたのだった…
ただ事では無いとメリィは察知したようで、すぐに三人を食堂に招待したわけだが、今の俺にはそんな事はどうでもいい！！
どうせ、俺には関係無い話だろうし、今俺に関係がある出来事はあの扉の金具だ！！そっちの方が…はるかに重要なことだからな！？
俺はすごく念入りに扉の金具をチェックし、その結果何も変化は無かったのでほっとしながらロビーの椅子に座っていたんだが…
「デメトリオ！！今から昼間メンバー皆で枯草ヶ原に行くわよ…？」
「はぁっ！？お、俺も…？」
「…当然よ」
いきなりこのようなことを言われ、何が起こったのかもわからないまま宿屋を連れ出され俺は今、この場所に立っているわけだ…
いや…別に俺以外の連中もここに来た理由がわかっていないなら少しは俺の気持ちも楽になったんだが、みんなはここに来た理由を知っているって状況だ…
簡単に言えば、俺一人だけここに来た理由を知らないって状況なんだよ！！
あ…でも、ここで理由を聞いたら多分帰りたくなるから聞かないんだけどな？
「……出たな！！連続辻斬り魔…梅！！」
いきなり紅緒がそう言って草むらの方を指差すと、そこにはジパングスタイル（俺が勝手にそう読んでいる）に身を包んだ女性がこっちに向かって歩いてきていたんだよ…
ま、まさか、彼女が連続辻斬り魔！？
ってことは…ここに来た理由は連続辻斬り魔を見つけたから！？
や、やばいぜ…帰りたくなってきた…
しかも、あの人腰に剣持ってるよ！？
無駄に後ろに後ずさっている俺だが、そんな俺には目もくれずに紅緒が話し始めたんだ…これなら逃げれるかもって思ったけど、メリィがだんだん俺の傾向を理解し始めてきたのか手を掴んでいたから逃げられなかった…
もう…俺が祈るべきことは帰ることではなく、俺に戦いの矛先が向かわないって事だけだぜ…
「……ほぉ…よく我の居場所がわかったな？この五重に張り巡らされた結界を潜り抜けてくるとは…さすがだと褒めてやろうではないか」
ご、五重だって！？す、すげぇ…
「そんな話を信じるやつはいないだろ！！端的に用件だけを話す！！今すぐ抵抗をやめ、お縄につきやがれ！！」
……俺、信じたんですけど！？
心の中で考えたことを即座に否定されるのは…結構きついものがあるよなぁ…
などと思ってしまう俺…小者でしょうか？
「我にはこの闇の力があり、運命に宿命付けられた対戦相手がいるのだぞ？おとなしくするわけがないであろうが？貴様らなどこの我の愛刀、傾国百合姫の餌食にしてやろう！！これから先も永遠に解けることの無い闇に包まれるがいい！！」
お、恐ろしい…え、永遠に解けることのない闇なんて、想像するだけでも凄い恐ろしいぜ…
遂に足までガタガタ震え始めた俺は確かにそこにいた…
だが、周りを見てみると、俺と同じようにガタガタ震えているのはルタとキュラスだけ…他のみんなは梅のことを冷ややかな目で見ているじゃないか！
みんなは梅のことが恐ろしくないのか！？
そしてこちら側からは何も言うことも無く、戦闘が始まったわけだが…
や、闇の力を持った女剣士に果たして…勝つことが出来るのか！？
「…ここまで自分の世界に入り込める人ってそうはいないわね…みんな、早く終わらせるわよ？」
「リーダー…了解です」
この台詞が引き金となったのか、まるで疾風のような速さで梅に向かうラグーンメンバーの皆…で、でも、闇の力にはかなうわけが無いじゃないか！！
「貴殿は現実と向き合うべきだ！」
「ぐっ…！？ふっ…ふははははははぁっ！！初めてだ…ここまで強い相手に出会えたのは！！【呪刀・雨時雨】！！」
…あ、アイネの攻撃を防ぐこともせずにカウンター攻撃を仕掛けることが出来るだと！？微妙に手がプルプルしびれているようにも見えたけど、絶対俺の気のせいだろうな…
でも、アイネも凄いぜ…さすがはドラグーンを追い詰めただけのことはある…
普通に後ろに下がってあの攻撃をよけるなんて…
ジャンヌよりも、アイネの方が戦闘に慣れている気がするようになってきたんだ…
武器的にはジャンヌの方が強いのかと思っていたけど…アイネの方が強かったんだな…
などと思っている間に、もうバトルシーンは終盤に差し掛かったぜ！！
いやぁ…モンスターラグーンの皆、バトルスペック高すぎ…
というか、アイネとジャンヌがすでにいろいろな意味でおかしいぜ…
しかも、奉行所のあの三人組みもバトルスペック高いんだよ！！
だって、普通に梅の攻撃をかわしながら攻撃できるんだから…本当に凄いと思うぜ俺は…
そう思いながら俺がバトルシーンを見ていると、遂に梅が片足を地面についたんだよ！！これは…勝てるかもしれない！！
「くっ…ま、まさか貴様らがここまで出来るとは思っていなかったが……いいだろう！！そこまで頑張るのなら我も解放しよう…封印されていたこの左腕の包帯を解くことによってなぁ！！」
ま、まさか…まだ梅は強くなるというのか！？ひ、左腕の包帯の中に何が封印されていたというんだ！？
俺やルタ達の震えは…まだ止まりそうにないぜ…
だが…開放されて強くなったというのにみんな、一向に苦戦しているようには見えない…な、何て強さなんだ…！？
みんなの今までの強さも偽者だったとでも言うのか！？今、本気を出して相手をしていると…そういうことなのか！？
いやぁ…今回の戦闘は規模が大きいなぁ…
本気でそう思っているのは…何も俺だけじゃないはずだ！！俺はそう信じているぜ！？
だが、このすさまじい戦いも結局は戦いだ…いつかはどっちかの負けで決着がつく…そして、遂にその瞬間がやってきてしまったんだよ！！
ジャンヌが一気に横になぎ払い、梅のバランスを少し崩した時に奉行所メンバーのあの三人が渾身の一撃を叩き込んだんだよ！！
…さすがにあれでは、立っていることは出来ないだろうな…
俺が食らったら１月位は布団の上で過ごすことになりそうだもんな…
だが、梅は…立ったんだよ！！
どこにそのような力があったのかはわからないけど…確かに梅は立ったんだ！
お、恐ろしい…辻斬りの女性は化け物か！？
「我の力が完璧であれば、このような者共には負けることは無かった…というのか！？仕方が無い…ここは退いてやろう！！だが、忘れるな…我は必ず貴様らに復讐してやる…我に刃を向けたということは、同時に我の属する組織も敵に回したのだ！！今のうちに…平和を味わっているが良い！！」
梅はそういうと、空高く羽で飛びあがって行ったのだった…
「待ちなさい…逃がさないわ！」
まぁ、ここで逃がすのもアレなのでメリィは容赦なく梅を追いかけたようだが…梅は謎の筒を俺たちの方に投げてきたんだよ！！
その筒からは容赦なく色のついた煙が出てきて梅の姿を隠していく…
結局、俺たちは梅を逃がしてしまったわけだな…
あの戦闘の後、俺たちは内心煮え切らない何かを感じながら宿屋に戻ってきたんだ…
いやぁ、俺の強さに恐れをなして梅が逃げたから良かったけど、もし逃げなかったらどうなっていたのか…
え？俺は戦わずに後ろで足を震わせていただけじゃないのかって？
……そ、それは気のせいじゃないかな？ははは…
などと自分の都合のいいように話を作り変える俺…でも、奉行所の三人は若干だが気が緩んだようだったな…
「…ごめんなさい、依頼は失敗したわ…」
「いえ…いいですよ」
メリィが反省しているかのように蒼葉の方に向き合って言うと、蒼葉は対して気にしていないという風にこういったんだ。
若干、心にのしかかっていた重荷が降りたって感じの表情だったわけだよ。
「多分、今回の件でこの地域での辻斬り事件は無くなりますから…私たちはまた元の気楽な役職に戻れるんですよ？依頼に失敗したとはいえ、もう二度とこの地域には来ないからいいじゃないですか！！」
蒼葉…まさか、そういう魂胆だったのかよ…
ちなみに、さっきの台詞にこの地域の辻斬り事件が無くなると言ったってことは、他の地域で辻斬りが起こることには一切関与しないということを言ったって事になるから…言葉って本当に複雑だよなぁ…
などと一瞬だが賢くなった気分に浸っていた俺だった。
そしてその後、奉行所の三人組みは「やっほ〜！！コレで仕事中に遠慮なく酒が飲めるぜ〜！！」とか、「今晩は久しぶりに…旦那と晩酌としゃれ込もうかしら」などといいながら帰っていき、残された俺たちはいつものようにご飯を食べ、俺はいつものように宿屋の定位置についたわけだな？
でも…一つ言いたいことがあるんだ…
ジパングからしたらフェルス造りのこの建物は不気味に見えるんだろうか…
お客さんが来ないんだよ！！宿の入り口の真上には大きく【ハイネの宿】って書かれた看板まであるというのに…なぜ来ないんだ！？
まさか…そこまで俺の宿は人気が無かったというのか…！？
「な、何が俺の宿に足りないっていうんだ…？可愛さか？インパクトか？店主のキャラクターの濃さか？」
だ、駄目だ…いくら考えても全然思いつかない……
こうして凄く悩んでいると、俺はある一つの疑問にいきついたんだ…
自分で判らないなら、他の宿のアイデアを参考にすればいいじゃないか！！
この地域にも宿屋の一つや二つはきっとあるだろう！？そこに行ってみて確かめてみればいい…
俺は久しぶりにいいアイデアに行き着いた気がするぜ…
俺は明日、依頼が終わったらこの地域で有名な宿屋に足を運ぶと決意し、お客さんが今日止まりに来ることにずっと期待していたわけだった…
そしてアレから３時間、お客さんは一人も結局来てくれなかったので俺は自分の部屋に戻ると、眠る事にした…
ところで…最近、変な夢ばかり見るんだけど何でだと思う？
これは何か悪いことが起きる予兆なのではないだろうか…！？
俺は今日もそのような夢を見るのか…ドキドキしながら眠りについたのだった…
そして…デメトリオが眠った午後３時頃〜
「さぁて…今日も楽しみながら搾取するとするかのぉ…しかし、毎回同じというのも飽きてきたのぅ…そうじゃ！！淫夢の設定を通常から胸多用式に変更してさらに、わしが昔作った肉球クッションを使えば…夢の中での効果と現実での効果が重複して、いつもより多く搾取できるかも……」
一体全体…デメトリオは一度寝るとどこまで寝続けるのだろうか？
ただ一つ言えることは…デメトリオは今晩も、変な夢を見ることになったのだった…
昨日寝るタイミングを捨てて部屋の掃除をし続けていた俺は、今現在夜中の２時…眠いって感情は一切無し！！そして…俺の暇だと思う気持ちが消えることもなし！！というすばらしい状況にいる訳だ…
今からみんなを起こしても多分起きてくれないし、もしも起きてしまったら俺が困ることになるのは目に見えてわかっていることだろ？
だとしたら…俺は一人、チーズを食べながらコーヒーを飲む以外に出来ることが無いじゃないか！！
まったく…どうして全然寝たいって気分にならないんだ…
俺が一人優雅…というには程遠い感じのコーヒーブレイクを楽しんでいると、不意に扉に何かが当たる音がする…今日は風が強いなぁ…
「……苦っ！？あっ…砂糖入れるの忘れてたじゃないかよ俺…やっぱり、コーヒーには角砂糖１０個は基本だよな…」
「コーヒーはブラックだからいいんじゃないか…」
のんびりとコーヒーに角砂糖を一個投入したとき、ふいに後ろの方から声が聞こえてきたわけだが……もう驚かないぜ？
俺は頭のどこかでまた俺に似た奴が来たんじゃないかと予想できたんだよ…
案の定、後ろには腕を組んだ俺にそっくりだが、俺よりも台詞が２０倍は性質が悪い男が立っていたわけだ…
いつの間に宿に入ったとかは聞かないぜ？俺はなぁ！！
「……あれ？遂に驚かなくなったか？やるじゃん…」
「悪いな、今日はそんなテンションじゃないんだ…今は」
でも、話し相手ができたことは内心…かなりうれしい。
まぁ、その事実を悟らせないように俺は必死に隠したんだが…
え？どうやって隠したかって？あたふたしたに決まっているじゃないか！
「…何あたふたしてるんだか…今日は、お別れを言いにきたぜ…これは名刺だ、とっておきな？」
そう言って、カッコよく名刺を投げてくる…だと？
あいつ…やはり出来るやつだったか…
そう思いながら投げられてきた名刺に目を通してみる…
「えっと…乱鈍 義音子（ろんどん ぎねす）？面白い名前だなぁ…」
「それ……メトリって読むんだが…？」
……えぇ！？め、メトリって読むのかコレ！？ぎねすじゃ無くて！？
…いやぁ、名前ってやっぱりいろいろ難しいなぁと改めて思い直した瞬間だった。
「で…どうしていきなりこんなものを…？」
「もう十分お前のことは観察できたからさ？もう十分だって思ってさ」
「観察？」
…いやぁ、非常に引っかかる台詞だな本当に…観察ってさ？
いや、別に見られていて困るようなことをしていた訳じゃないし、いいんだけどさぁ…
まて、勝手に観察することはいけないことだぞ！？
「そう…観察だ…一回ベースのお前にあって確かめたいことがあって…今回ジパングに来たって事がわかったから確かめさせてもらったんだ」
「ベースって…なんだよ！？」
いろいろ引っかかることがあるんだが、突っ込んだら負けなのか！？
まず、ベースって…何の！？
駄目だ…俺の頭じゃ到底理解できないぜ…
「…俺はな、女だよ！！」
「な…なんだってーーーー！？」
ま、まさか…そんな馬鹿なことがありえていいのか！？
せ、台詞一回だけじゃインパクトが足りないよな…もう一回言っておこう…
「な、なんだってーーーー！？」
正直、本気で男だと思っていたぜ俺は…まさか、目の前の俺に似た人物が女！？みんな、大事なことだからもう一回言うけど…俺に似た人物が女だというのか！？
駄目だ…自分のボディしか想像できない…
いや…想像しようとした現実だけで俺は…いろいろなものに負けていたのかも知れないぜ…
「信じられないだろ…？でも、俺はドッペルゲンガーなのさ！！」
「なっ！？ドッペルゲンガーは男の失恋から発生する負のオーラからうまれるとかどうとか…口コミで聞いた気が…」
「あぁ…そうだよ？」
……あれぇ？口コミで聞いた話だと、女性に振られた場合のはずなんだが…
俺は男だぞ！？発生する確率は限り無く０に近いんじゃないのか！？
いや…むしろ、０だといってもいい状況だろ！？
「そ、そんな馬鹿なことが…」
俺が思わずそうぼやくと、メトリは若干イラついた表情を見せてこう言ってきたんだ。
「お前…昔、告白してきた男いただろ…？」
……そういえば、俺がまだ６歳のときの今頃…髪の毛を切るのが面倒だったから放置していた時代にそういうことを言われたな…
ってことは…ま、まさか！？
「気がついたようだな…そう！！その振られた男はお前のことを男だと思わず、振られたという現実にショックを受けていたんだ！！その負のオーラに引き寄せられ、その男の個人的趣味により髪の毛がショートになって今…ここにいるんだよ！！つまり…その男の心の中では長い髪で顔も見えなかったお前は女扱いなんだよ！！」
「う…嘘だぁーーーー！！嘘だといってくれぇーー！！」
俺は…さっきの一言で精神的に大きなダメージを受けた…
「……でも、そんな話信じられないぜ…胸もないのに…」
「素体が、情報率の少ないお前だったからだろうが！！む、胸はこれから大きくなるんだよ！！」
「頼む…そのままでいてくれ…」
正直、これ以上俺の見た目で胸だけ大きくなってもらうのは困る…
精神的な意味で…
ま、待てよ…彼女はドッペルゲンガー…なんだろ？
ってことは、その俺が昔振った…って言うべきなのかわからないが、とにかくそいつと一緒にいるんじゃないのか！？
で、女性のボディ…ってことは！？夜をいっしょに過ごしたって可能性も！？
「ま、まさか…もう夜を一緒に過ごしたってことは…無いよな！？」
「……魔物娘が性欲に忠実じゃないとおかしいだろ？ヤったよ？」
うわぁあああああああああ！！き、聞きたくなかったぁあああああ！！
ってことは…目の前の若干目つきが鋭い俺みたいな奴が…男と！？
この現実は、俺の心に重く残りそうだぜ…
「結構…あの人的には受身だと思われてたっぽいから、結構ビクッて来たぜ？ヤっているときは…体がな」
「や、やめろ！！お、俺の精神が崩壊してしまう前に…帰ってくれ！！そしてもう二度と俺の目の前に姿を見せないでくれ！！」
精神崩壊５分前…
「そうだな…じゃあな？」
こうして、メトリは俺の心に普通では考えられないほどの傷を残し、宿屋を去っていった…
その後、俺がこの心についた傷をごまかしきるのにはメリィ達が起きてくるまでかかったのだった…
でも、今はすっかり大丈夫だぜ！！
……何かきっかけでもない限りな…
みんなが下に降りてきたとき、俺は若干羨ましそうな目で見たんだが…多分誰も気がつかなかっただろうな…
なんか、凄く複雑だよ心境…
だが、俺が疲れていることに気付いてくれたのか、ジュンコさんが缶を持ってこっちに歩いてきたんだ。
「デメトリオ…寝不足？」
「はぁ…まぁ少しだけ…」
「…これを飲んでみて、元気出ると思うから…」
最近、俺が太らない体質だってわかってから若干ジュンコさんが冷たくなった気もするが、それでも俺にはこの缶の中に入っている薬を飲むことに何にも抵抗は無かった。
ジュンコさんはこのようなタイミングで悪ふざけをする人じゃないんだよ！！
ある意味、ラグーンメンバーの中でも一番常識人かもしれないぜ…
「あ、朝・昼・夜の三回に分けて使ってね？この軽量コップの目盛りが２のところまで汲んで飲んでね？じゃないと、おなか壊しちゃうから…」
まさか、薬の使用法まで丁寧に教えてくれるなんて…ゾーネもあれくらい丁寧に教えてくれれば、俺が昨日の依頼で困ることも無かったのに…
そして俺は、言われたとおりの場所で薬を飲んだわけだが…
この薬、体から疲れがすっと抜けていくような感じがして、とてもよかったぜ？これを多用すれば俺は寝なくてもいい気がする。
そしてみんながのんびりとレベッカが作ったポテトサラダとパンをはさんだものを食べていると、いきなり俺の宿の扉が乱暴に開けられた！！
だ、誰だ！？俺の宿の扉をキックでこじ開けたやつは！？
本音、正体よりも扉の金具が壊れていないかの方が気になる俺…
そっちの方を見ると、扉が開いたところで奉行所メンバーの三人…すっかり顔馴染みになってしまった紅緒、蒼葉、マスカットの三人が息を荒げてそこに立っていたのだった…
ただ事では無いとメリィは察知したようで、すぐに三人を食堂に招待したわけだが、今の俺にはそんな事はどうでもいい！！
どうせ、俺には関係無い話だろうし、今俺に関係がある出来事はあの扉の金具だ！！そっちの方が…はるかに重要なことだからな！？
俺はすごく念入りに扉の金具をチェックし、その結果何も変化は無かったのでほっとしながらロビーの椅子に座っていたんだが…
「デメトリオ！！今から昼間メンバー皆で枯草ヶ原に行くわよ…？」
「はぁっ！？お、俺も…？」
「…当然よ」
いきなりこのようなことを言われ、何が起こったのかもわからないまま宿屋を連れ出され俺は今、この場所に立っているわけだ…
いや…別に俺以外の連中もここに来た理由がわかっていないなら少しは俺の気持ちも楽になったんだが、みんなはここに来た理由を知っているって状況だ…
簡単に言えば、俺一人だけここに来た理由を知らないって状況なんだよ！！
あ…でも、ここで理由を聞いたら多分帰りたくなるから聞かないんだけどな？
「……出たな！！連続辻斬り魔…梅！！」
いきなり紅緒がそう言って草むらの方を指差すと、そこにはジパングスタイル（俺が勝手にそう読んでいる）に身を包んだ女性がこっちに向かって歩いてきていたんだよ…
ま、まさか、彼女が連続辻斬り魔！？
ってことは…ここに来た理由は連続辻斬り魔を見つけたから！？
や、やばいぜ…帰りたくなってきた…
しかも、あの人腰に剣持ってるよ！？
無駄に後ろに後ずさっている俺だが、そんな俺には目もくれずに紅緒が話し始めたんだ…これなら逃げれるかもって思ったけど、メリィがだんだん俺の傾向を理解し始めてきたのか手を掴んでいたから逃げられなかった…
もう…俺が祈るべきことは帰ることではなく、俺に戦いの矛先が向かわないって事だけだぜ…
「……ほぉ…よく我の居場所がわかったな？この五重に張り巡らされた結界を潜り抜けてくるとは…さすがだと褒めてやろうではないか」
ご、五重だって！？す、すげぇ…
「そんな話を信じるやつはいないだろ！！端的に用件だけを話す！！今すぐ抵抗をやめ、お縄につきやがれ！！」
……俺、信じたんですけど！？
心の中で考えたことを即座に否定されるのは…結構きついものがあるよなぁ…
などと思ってしまう俺…小者でしょうか？
「我にはこの闇の力があり、運命に宿命付けられた対戦相手がいるのだぞ？おとなしくするわけがないであろうが？貴様らなどこの我の愛刀、傾国百合姫の餌食にしてやろう！！これから先も永遠に解けることの無い闇に包まれるがいい！！」
お、恐ろしい…え、永遠に解けることのない闇なんて、想像するだけでも凄い恐ろしいぜ…
遂に足までガタガタ震え始めた俺は確かにそこにいた…
だが、周りを見てみると、俺と同じようにガタガタ震えているのはルタとキュラスだけ…他のみんなは梅のことを冷ややかな目で見ているじゃないか！
みんなは梅のことが恐ろしくないのか！？
そしてこちら側からは何も言うことも無く、戦闘が始まったわけだが…
や、闇の力を持った女剣士に果たして…勝つことが出来るのか！？
「…ここまで自分の世界に入り込める人ってそうはいないわね…みんな、早く終わらせるわよ？」
「リーダー…了解です」
この台詞が引き金となったのか、まるで疾風のような速さで梅に向かうラグーンメンバーの皆…で、でも、闇の力にはかなうわけが無いじゃないか！！
「貴殿は現実と向き合うべきだ！」
「ぐっ…！？ふっ…ふははははははぁっ！！初めてだ…ここまで強い相手に出会えたのは！！【呪刀・雨時雨】！！」
…あ、アイネの攻撃を防ぐこともせずにカウンター攻撃を仕掛けることが出来るだと！？微妙に手がプルプルしびれているようにも見えたけど、絶対俺の気のせいだろうな…
でも、アイネも凄いぜ…さすがはドラグーンを追い詰めただけのことはある…
普通に後ろに下がってあの攻撃をよけるなんて…
ジャンヌよりも、アイネの方が戦闘に慣れている気がするようになってきたんだ…
武器的にはジャンヌの方が強いのかと思っていたけど…アイネの方が強かったんだな…
などと思っている間に、もうバトルシーンは終盤に差し掛かったぜ！！
いやぁ…モンスターラグーンの皆、バトルスペック高すぎ…
というか、アイネとジャンヌがすでにいろいろな意味でおかしいぜ…
しかも、奉行所のあの三人組みもバトルスペック高いんだよ！！
だって、普通に梅の攻撃をかわしながら攻撃できるんだから…本当に凄いと思うぜ俺は…
そう思いながら俺がバトルシーンを見ていると、遂に梅が片足を地面についたんだよ！！これは…勝てるかもしれない！！
「くっ…ま、まさか貴様らがここまで出来るとは思っていなかったが……いいだろう！！そこまで頑張るのなら我も解放しよう…封印されていたこの左腕の包帯を解くことによってなぁ！！」
ま、まさか…まだ梅は強くなるというのか！？ひ、左腕の包帯の中に何が封印されていたというんだ！？
俺やルタ達の震えは…まだ止まりそうにないぜ…
だが…開放されて強くなったというのにみんな、一向に苦戦しているようには見えない…な、何て強さなんだ…！？
みんなの今までの強さも偽者だったとでも言うのか！？今、本気を出して相手をしていると…そういうことなのか！？
いやぁ…今回の戦闘は規模が大きいなぁ…
本気でそう思っているのは…何も俺だけじゃないはずだ！！俺はそう信じているぜ！？
だが、このすさまじい戦いも結局は戦いだ…いつかはどっちかの負けで決着がつく…そして、遂にその瞬間がやってきてしまったんだよ！！
ジャンヌが一気に横になぎ払い、梅のバランスを少し崩した時に奉行所メンバーのあの三人が渾身の一撃を叩き込んだんだよ！！
…さすがにあれでは、立っていることは出来ないだろうな…
俺が食らったら１月位は布団の上で過ごすことになりそうだもんな…
だが、梅は…立ったんだよ！！
どこにそのような力があったのかはわからないけど…確かに梅は立ったんだ！
お、恐ろしい…辻斬りの女性は化け物か！？
「我の力が完璧であれば、このような者共には負けることは無かった…というのか！？仕方が無い…ここは退いてやろう！！だが、忘れるな…我は必ず貴様らに復讐してやる…我に刃を向けたということは、同時に我の属する組織も敵に回したのだ！！今のうちに…平和を味わっているが良い！！」
梅はそういうと、空高く羽で飛びあがって行ったのだった…
「待ちなさい…逃がさないわ！」
まぁ、ここで逃がすのもアレなのでメリィは容赦なく梅を追いかけたようだが…梅は謎の筒を俺たちの方に投げてきたんだよ！！
その筒からは容赦なく色のついた煙が出てきて梅の姿を隠していく…
結局、俺たちは梅を逃がしてしまったわけだな…
あの戦闘の後、俺たちは内心煮え切らない何かを感じながら宿屋に戻ってきたんだ…
いやぁ、俺の強さに恐れをなして梅が逃げたから良かったけど、もし逃げなかったらどうなっていたのか…
え？俺は戦わずに後ろで足を震わせていただけじゃないのかって？
……そ、それは気のせいじゃないかな？ははは…
などと自分の都合のいいように話を作り変える俺…でも、奉行所の三人は若干だが気が緩んだようだったな…
「…ごめんなさい、依頼は失敗したわ…」
「いえ…いいですよ」
メリィが反省しているかのように蒼葉の方に向き合って言うと、蒼葉は対して気にしていないという風にこういったんだ。
若干、心にのしかかっていた重荷が降りたって感じの表情だったわけだよ。
「多分、今回の件でこの地域での辻斬り事件は無くなりますから…私たちはまた元の気楽な役職に戻れるんですよ？依頼に失敗したとはいえ、もう二度とこの地域には来ないからいいじゃないですか！！」
蒼葉…まさか、そういう魂胆だったのかよ…
ちなみに、さっきの台詞にこの地域の辻斬り事件が無くなると言ったってことは、他の地域で辻斬りが起こることには一切関与しないということを言ったって事になるから…言葉って本当に複雑だよなぁ…
などと一瞬だが賢くなった気分に浸っていた俺だった。
そしてその後、奉行所の三人組みは「やっほ〜！！コレで仕事中に遠慮なく酒が飲めるぜ〜！！」とか、「今晩は久しぶりに…旦那と晩酌としゃれ込もうかしら」などといいながら帰っていき、残された俺たちはいつものようにご飯を食べ、俺はいつものように宿屋の定位置についたわけだな？
でも…一つ言いたいことがあるんだ…
ジパングからしたらフェルス造りのこの建物は不気味に見えるんだろうか…
お客さんが来ないんだよ！！宿の入り口の真上には大きく【ハイネの宿】って書かれた看板まであるというのに…なぜ来ないんだ！？
まさか…そこまで俺の宿は人気が無かったというのか…！？
「な、何が俺の宿に足りないっていうんだ…？可愛さか？インパクトか？店主のキャラクターの濃さか？」
だ、駄目だ…いくら考えても全然思いつかない……
こうして凄く悩んでいると、俺はある一つの疑問にいきついたんだ…
自分で判らないなら、他の宿のアイデアを参考にすればいいじゃないか！！
この地域にも宿屋の一つや二つはきっとあるだろう！？そこに行ってみて確かめてみればいい…
俺は久しぶりにいいアイデアに行き着いた気がするぜ…
俺は明日、依頼が終わったらこの地域で有名な宿屋に足を運ぶと決意し、お客さんが今日止まりに来ることにずっと期待していたわけだった…
そしてアレから３時間、お客さんは一人も結局来てくれなかったので俺は自分の部屋に戻ると、眠る事にした…
ところで…最近、変な夢ばかり見るんだけど何でだと思う？
これは何か悪いことが起きる予兆なのではないだろうか…！？
俺は今日もそのような夢を見るのか…ドキドキしながら眠りについたのだった…
そして…デメトリオが眠った午後３時頃〜
「さぁて…今日も楽しみながら搾取するとするかのぉ…しかし、毎回同じというのも飽きてきたのぅ…そうじゃ！！淫夢の設定を通常から胸多用式に変更してさらに、わしが昔作った肉球クッションを使えば…夢の中での効果と現実での効果が重複して、いつもより多く搾取できるかも……」
一体全体…デメトリオは一度寝るとどこまで寝続けるのだろうか？
ただ一つ言えることは…デメトリオは今晩も、変な夢を見ることになったのだった…
12/04/12 20:25更新 / デメトリオン
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