連載小説
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27 海賊と異常に終わるのが早い船上戦
……少し前に見てはいけない物を見てしまった気がするが…
それでも、俺は何も見ていない!見ていないんだぁ!!
俺はそう言いながら、右にゼク…左にアインが寝ているところの真ん中で震えていた。
こ、この震えは見知らぬ船がこっちに近づいてくることによる恐怖なんかじゃないぞ!?す、少し空気が冷えているだけなんだからな!?
そうしていながらも…少しは気になってしまうのが人間の性なのか…
結局俺達3人は布団を被りながら見知らぬ船のことを観察していた…
「なぁ…デメトリオはあの船、どう思うよ?」
「え…?そりゃあアイン…アレは危険な船じゃないかと思うよ?」
「だよなぁ…遭遇する時間が時間だからなぁ…どうする?」
……俺に聞かれても正直なところ困るぜ…!
俺だって隣で震えてる…いや、さっき俺が心でつぶやきかけた言葉は聴かなかったことにしてくれ!

そして、正体不明の船がさらに俺たちの船に近づいてきたときに、俺達はそっと松明の火を消した…
正体不明の船から、微妙にだが灯りがもれているというのもあるし…
それ以上に俺は怖かった!ばれるのが凄く怖かったんだよ!
すると、夜の沈黙の中を微妙に人の声…多分人の声であろうものが聞こえてきた。だって…人の声って確信どこにもないし…
とにかく、俺達はその声をしっかりと聞き取ろうと耳を澄ました。

「お頭〜!船、しっかりと横につけました〜!」
「そうか…じゃあ、いつもどおりに一気に片付ける!みんな、準備はいいかい!?」
「は〜い!!」
「うぃ〜っす…」
「男共、元気がない!?」
「う、うぃーっす!!」

……さっきまで聞こえてきた会話から想定するに、何者なんだ?
俺には良くわからないんだが、とにかく穏やかな話ではなさそうだ…
こ、ここはメリィに伝えておくべきなのか…それとも穏便に無言を押し通すのか…悩みところだな…
そう思っていたときだった、いきなりメリィたちの方の船にはしごがかけられ、大勢の黒い影が一気にメリィたちの船になだれ込んだ。
こ、コレは大変な事態だ!!ど、どうにかして知らせないと…でも、大声を出してこの場所がばれるのは…嫌だよなぁ…?
まさに、究極の選択…俺からしたらもう…今干し肉を食うかパンを食うかという究極の選択を突きつけられたときのようだ。
え?究極の選択にしては少々しょぼいって…?
それは言わないで欲しいところだったぜ…

結局俺は無言を貫き通すことに決め…
「た、大変だーー!!か、海賊だーー!!」
「ちょ…また俺が心で言い切る前に言うのかよ!?頼むから空気読んでくれよ!」
などと口に出してみたが、すでに言ってしまったことに変わりはない…
くそ…ゼク、このタイミングで…駄目だろ!
だが、さっきのゼクの声のおかげでラグーンメンバーたちも騒ぎに気がついたようだし…複雑な気分だけどよし…なのか?

「アニーの義姉さん!あの船の裏の方で人の声がしました!その声のせいで奇襲が失敗!船に乗っていた連中が目を覚ましたようです!」
「何だって!?くっ…仕方がないね…あんたは他の男連中を連れてあの船周辺をくまなく調べな!私達は早めに船の客連中を縛り付ける!」
「イエッサー!!よし、行こうぜ皆!」
「おぉーー!!」

……これって、ばれたってやつじゃないか!?
「や、やばいよデメトリオ〜…ど、どうしよう…」
「う、う、う、うろたえるんじゃ…ね、ねえって…ぜ、ゼク…だ、大丈夫だって!」
「…デメトリオも結構焦っている様だけどな?」
……むっ、こいつ…いってくれたな…?
「じゃ、じゃあお前はどうなんだよ!?こ、怖くないのかよ!」
「は、はっは…このアイン様が怖いなんてことあるわけないだろ!?」
そう言いながらも凄く震えているということは…アインも本音結構怖いんだろうな…まぁ、本人の意思を尊重してここは黙っておくか…
で、問題はどうやってやり過ごすかだが…
え?戦わないのかって?いやぁ…俺にそんな度胸がないのはもう皆さん知ってるでしょ?戦いがあったら逃げる…これがデメトリオスタイルだぜ…?
今の俺…かっこいいだろ?

俺がそう思っていると、メリィたちが戦いながら甲板に出てくるのがチラッと見えた。
「ふん…海賊か…いまどき海賊とはなぁ!!」
そう言いながら、ジャンヌが剣を横になぎ払い、海賊達に峰打ちを当てていく。でも…峰打ちとはいえ…アレは結構痛い気がするぞ…
「剣を捨てなさい!貴殿らと戦うつもりは無い!」
…そういいながら、すばやく華麗に敵に攻撃を入れていっているアイネの姿も見えた…
本音、バトルシーンではこの二人の活躍が凄すぎて他のメンバーたちの方に目が向かないな…だって、迫力ありすぎだし…
といって、海賊の方たちも遅れを取っていない…今まで戦ってきた人たちよりも耐久度が段違いだ…さすが、海の力といったところか…
などと思っていると、俺の視界から右に45°行ったところに男の海賊達の姿が見えた。

「や、やばいぜアイン…か、海賊達がこの船に気付いた…」
「ば、馬鹿…こ、こんなとき、慌てたほうが負けなんだぜ?」
アインはこんなことを言っているが、もうゼクのメンタル面は限界に差し掛かりかけているし、俺は逃げたい。アインもカッコつけながらも腰が引けている…も、もう無理だ!
「お、俺は下の船倉の木箱の中に隠れるよ!お前達は!?」
「で、デメトリオさん…僕も行きます!」
「あ!?ゼク、デメトリオ…卑怯だ!!お、俺も連れて行ってくれよ!!」

そして俺達は下の船倉にあった大きな木箱に三人そろって隠れたのだった…
上の甲板からはすでに海賊達の声が少しだが聞こえてくる…
このままやり過ごせるといいけど…
「イテッ…デメトリオ…足踏むなよ…」
「あ、悪い…だってここ狭いんだもんよ…」
「まぁ、視界も狭いし暗いしで、こういったこともよくありますよ?今はとにかくばれないことを第一に考えないと…」
そうだよな…ゼクの言うとおりだ…こんなところでばれたら洒落にもならないし、こんなところで仲間割れをしている場合ではない!

「おい…誰もいないぞ?俺たちの気のせいだったのか…?」
「でも、確かに声はしましたし…」
「もう本音だるいぜ…こっそり帰って先に晩飯食べようぜ?」
「おまっ…船長に酷い目にあわされるぞ!?いや、多分奥さんに激しく犯されるぜ!?」
「それはそれで、毎日の行為が激しくなるのはイヤだな…」
「でも、こっそり帰ってその後こっそり合流すればいいんじゃ…?」
「おぉ!?お前頭いいなぁ〜」

……海賊の方々もいろいろと苦労をしているようで…
俺も意見できる立場なら言ってやりたいぜ…こっそり帰ってこっそり合流すれば多分ばれないってな?
いやぁ…本当に賢い連中だぜ…あいつら…
俺は若干だが海賊達に感心してしまった…
そうして、海賊達が去っていくと俺達は埃っぽかった木箱の中からそっと出た。今回は珍しく危機回避が出来たと思うぜ俺は…
だって、いつもなら絶対にばれてるんだぜ?こういった場合は…

「で…これからどうする?」
「そうだな…やっぱり外に出て状況を確認したいぜ…」
俺よりは少なくとも勇気があるな…アインには。
俺が考えた結果だと確実に甲板にでて状況確認なんて手段は出なかった。
「デメトリオさん…この小型双眼鏡…使えませんか?」
不意にゼクが隣にあった袋の中から双眼鏡を取り出して俺に渡してきた…
なるほど…これを使えば安全に外の状況を確認できる!
しかも3個丁度そろえてあるとは…何とご都合主義な世のな…いや、なんでもない。

そして俺達は凄く慎重にマストの上に登っていた…
さっき俺たちのことを若干探しに来ていた海賊たちはどうやら自分たちの船に戻っているようだし…今回の戦いの模様はここからお伝えするぜ!!
今の俺達は布を身に纏っている状態で夜の闇に紛れ…まさに最強の安全状態だ!
そして、俺は自分の持っている双眼鏡を覗き込んだ…
「お…見える見える…さすがはラグーンメンバー達だよなぁ…変な戦闘補正がかかってて未だに誰も負けていないなんて…」
などとぼやきながら状況を観察する…
どうやら海賊の方々は数名が気絶しており、海賊の中でもしたっぱの連中がそいつらを自分達の船につれて帰っているようだ…
でも、海賊の方にも強い方々がちらほらいるなぁ…男の海賊達はどうやら押され気味のようだが…それでも俺より強いじゃないか!
特にあの女の船長の近くにいるあの男…強い!アイネと戦ってまだ持っているなんて…凄いな…

「アニーたん…こいつら、強いぜ…ちょっと選ぶ相手を間違えたかも知れねぇ…」
「ユーマン…何弱気なこと言ってるんだい?頑張るんだよ!」
「……まぁ、頑張るけどな…」
「エネオノラ、ピーチ…敵の集団の中でリーダー格の連中を私たちとユーマンでけちらす!!そうすれば無駄な抵抗はしなくなるはずだ!」
「で、でもアニー姉さん…どれがリーダー格なのかわからないよ!」
「…強いのを狙えばいいんですね?リーダー…」
「そう…強いのを狙いなさい!!」

どうやら海賊達の間で話がまとまったようだ…明らかに他の海賊達とは違う見た目の連中がジャンヌとメリィとアイネとリバティーに向かっている…
なぜリバティーに向かっていっているのか…それはまったく判らないのだが…
一切動かずに戦いをのんびりと見ている姿がリーダークラスにでも見えたのか?

「あんまり乗り気じゃねぇんだけどな…俺達家族のために…食料を分けてもらうぜ?」
「……あまり調子に乗らないほうがいいわよ?」
「言うねぇ…俺もアニーたんが戦っているそばで醜態をさらすわけにはいかないからな?本気で行くぜ!!」

望遠鏡で見ている俺が一番気になった戦いはあの男…ユーマンとか言ったか?
彼とメリィとの対戦だ…果たして普通の海賊風情がどこまでメリィと戦えるのか…気になるぜ!!
そう思いながら観察していると、ユーマンがいきなり懐に手を入れたのが見えた…そして、次の瞬間隠しナイフを大量にメリィに投げつけた!
……あ、あのナイフ…ゴム製じゃないか!?切っ先に金属光沢が一切なく、飛び方もなんだか重い感じだ…あんなもの大量に投げてどういうつもりなんだ?

「……これは一体何のつもりなの?このようなゴム製のおもちゃ…」
そう言いながら、体に当たるナイフを無視してメリィがユーマンに向き直る…
こりゃあもう結果は見えたな…メリィに勝とうとした己の運のなさを恨むんだな…
俺が内心そう思っていると、ユーマンがにやりと不適な笑みを浮かべた…
馬鹿だな…勝てないと判っているのに強がるなんて…よし…これだけ遠いなら内心何を言ってもいいから行ってやるぜ!
バーカ!バーカ!ユーマンのバーカ!かっこいいルックスで不適に笑うんじゃねーよバーカ!!
決してルックスがイケメンだったから悔しくて言ったわけじゃないんだからな!!これは…世の中の定理なんだよ!!うん!意味不明とか言うなよ!!
今の俺は…無様だったのか、それともかっこよかったのかは誰にもわからない…
そして、ユーマンが不意に歪んだ表情を見せた…
…なんでだ?なんでなんだ?

「ば、馬鹿な!?な、ナイフ…【トリックカリケーン】が破裂しない!?常に毎日手入れしてたのに…」
「…まさか、このナイフの中身が催眠ガスで、それが破裂したら私が寝るから安全に決着がつく…とでも思ったの?飛んでくる軌道でそれくらい想像できたわ…」

め、メリィ…凄い…凄い奴だよやっぱり…
俺はメリィの洞察力に驚愕するしかなかったわけだ。
あんな短時間でそこまで見抜くなんてやっぱり凄いや…メリィは…

「じゃあ…寝ててもらおうかしら?」
そういうと、メリィは地面にあったナイフを全部蹴り上げた…そして、空中で柄の部分を的確に蹴り抜き、ユーマンの方に蹴り飛ばしていく…
「う…うわぁっーーー!!」
ナイフはユーマンに当たると軽快なパンッという音を立ててはじけていく…
そして白い煙幕が松明の光に照らされて写らなくなると、そこには眠っているユーマンの姿だけがあった…
だから…普通の海賊じゃあメリィには勝てないんだよ…でも、お前の努力…
俺は認めるぜ!!ルックスのよさは認めないけど!!
俺は好き勝手にそう言うと、別の戦いを見学することにした。
でも…本音を言うともうほとんど終わりかけているよな…

「行くよー!!一撃必殺は…最高だぁーー!!【殴打流衛打】!!」
「まだまだ戦い方が未熟だな…貴殿の技はあまりにも遅すぎる!!」
「え!?は、早い…むきゅぅ…」

…こっちは圧倒的だったなぁ…
まさか3…3行で戦いが終わるなんて思ってもいなかったぜ…
ど、どうしよう…このバトルシーンの説明…
そうして、結果的に俺は3行で終わったバトルシーンには触れないことにした…
こんな小さなことにいちいち触れていては…俺の身が持たないんだよ!!

「くっ…さ、さすが…でした…」

えぇーーー!?俺が心でつぶやいている間にこっちも終わっている!?
気がつけば、ピーチと呼ばれていた女性もエネオノラと呼ばれていた女性も気絶しているようだし…もう残りはあの船長だけか!?
俺がそう思ってその戦闘をもっとじっくり見ようと思ったときだった…
こ、このわが身を襲う急な突風…そして、飛んでいった布きれ…
「あ、危ねぇっ!お、落ち…」
「あぁっ!!デメトリオさん!しっかりつかまって!!」
「デメトリオ…頑張れ!!三人ともロープでつながっているんだからお前が落ちたら俺達も落ちる!!踏ん張れ!」
俺はマストの上の方で必死に旗を掴み…一命を取り留めた…
あ、危なかったぜ…お、俺もうマスト降りておこう…
そして俺達はマストから安全に降りてそっと激戦が行われている…といっていいのかわからないけど…とにかく!他のラグーンメンバーがいる船に向かった!
待てよ…俺達じゃないな…俺だけ向かったんだ!!
あいつら…怖いからって知らない間に逃げてた…
俺も逃げたいけど…俺には戦闘シーンを報告する義務がある!

訳のわからない使命感に促され、モンスターラグーンのみんながいる船に進入した俺…どうやって行ったか?
木箱の中に隠れて行ったに決まっているだろ!!
意外と…ばれないもんだぜ…?本当に木箱最高!!

「…残ったのはあなただけよ?どうするの…?」
メリィがそういうと、若干だが確実に悔しそうな顔をしたアニーの顔を俺は見逃さなかった…やっぱり、押されていると悔しいのか?
「くっ…私の大切な家族達をよくも…許さない!!」
「まだやる気か!?私が相手をしよう!!」
そういいながらアイネがアニーの方に向かっていくのを俺は確認し…
あぁ!!る、ルタ!俺の空き箱の前に立つな!見えない!見えないって!

結局ルタが俺の空き箱を椅子代わりに使いやがったので、俺の視界は急激に悪くなった…まぁ、かろうじて見えるんだけど…見えるんだけどさぁ…
文句を内心つぶやきながら、俺は次の展開を待った…
きっと…きっと何か起こってくれるからな!!

すると、不意に謎の固形物がメリィの方に飛んでいくのが見えた!
メリィからは死角になっており、他の連中が気付いているのか全然判らない…
ここは教えたほうが良いのか!?それとも…黙っておくべきなのか!?
俺が迷っている間に、その謎の固形物がメリィに当たりパンッとはじけ飛んだ…そして、聞き覚えのある声が聞こえてきたんだ!

「あ…アニーたんに傷をつけたりなんてさせねぇ!!俺は…」
「ゆ…ユーマン!」

ま…まさかユーマンはもう寝たものと俺は思っていたが起きていたのか…
まぁ、遠くから見ていたこともあるし…気付かなかったといえば仕方ない気もするんだがな?
それにしても…自分の奥さんを守るために睡魔とも闘い…奥さんを守ってから力尽き寝るなんて…ユーマンかっこいいじゃないかよ!!
お、俺も一回くらいはあの行動を取ってみたいもんだぜ…
俺は若干だがユーマンのことを見直したのだった…

「くっ…油断したわ…まさかあの人…まだ起きていたなんて…」
「ユーマン…あんたの行動を無駄にはしないわ!」
戦闘体制を整え直し、アニーはメリィの方に向き直る…
あの目はきっと、覚悟を決めたものの目だと俺は心の中のどこかで感じ取った…いや…きっと間違ってはいないはずだ!
……干し肉が食べたくなってきたぜ…でも、干し肉もう尽きたし…
など、無駄なことを考えもしたけど…さっきからメリィがとても眠たそうにしているな…まさか…一撃であれほど眠そうになるとは…

「……あ、あなた達海賊の目的は…何なの?」
「私達か?当然…金目の物と食料をお前達が困らない程度だ!!」
……え…?さっき、金目の物と食料を俺達が困らない程度…って、そういったか?それって…おとなしくしていればこんな戦闘状況にはならなかったんじゃ…
などと思いながら、場の雰囲気を見ている俺…
もしかして…俺達がメリィたちを起こさなければ普通に少しだけ物が消えた程度で済んでいたのか?
……お、俺達は関係ないぜ…そうだ!俺達の声で起きたモンスターラグーンのみんなが悪いんだよ!!
俺は頭の中でそう決め付けた…なんて自分勝手な奴だとか思わないでくれよ!?

そして、一瞬だが場の空気が沈黙したときだった…
モンスターラグーンのメンバー達の船の中からチェルシーが何か大きな箱を持ってきたのが見え、俺が中身を非常に気にしたのは…
あの中には一体何が…何が入っているというんだーー!?
「話を聞いたところによると…あなた達は少々金目の物と食料があればよかったと…この箱の中にはそれらが入っているので、これで引き上げてくれるとうれしいのですが?」
……チェルシーは本当に賢いけど…この緊迫とした空気の中で普通にそういえるところが凄いと思う…俺だったら絶対に無理だね…
でも…あんな怪しい雰囲気の箱を果たしてアニーが受け取るのか…
そこが問題だと…
「……中身を確認させてもらうわ…」
受け取るのかよ!!少しは警戒しろよおい!!
俺は心の中で思った台詞を口にしたくなったが…寸前の所で踏みとどまった…
とにかく今は黙っておくことが必要だと…そう強く思ったわけだな…

しばらくアニーは箱の中を調べていたが、しばらくして満足したのか箱のふたを閉じた…これからどう出るつもりなのか…非常に気になるところだぜ…
「…わかった、この箱を受け取って引くことにする…アジトで子供達が待っているからあまり時間をかけるわけにはいかないしな…次…もう会わないことをお互いに祈りたいものだよ」
「……そうね…お互いに、ある程度はね…」
なんだ…この和解シーンは…それに、箱を受け取ってすぐに引き返そうとするなよ!!もう少し粘ってくれると思ってたよ!!
俺は心の中で好き放題言っていたが…まぁ、戦いが早めに終わってよかったと思うよ…?
若干無理やり感が出てきている気がするのは…なぜだろうな?

そしてしばらくすると…さっきまでの騒動が嘘だったかのように海賊たちはその場から去り…ラグーンメンバー達も睡眠に戻っていった…
で、一つ聞きたいんだが…海賊の船を伝ってここに来たわけだよ俺はな?
海賊の船は今、ここにはない状況…俺達がいた船までは結構な距離があり…つないでいるのはロープ一本…
どうやって帰ればいいんだよーーーー!!

こうして俺は…海賊が立ち去ったと同時に自分がいた船に戻る手段も消えうせたのだった…
12/03/14 21:33更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!

いやぁ…レベッカが船酔いしているというこの状況だと気が楽でいいですねぇ…さて、では次回予告を…
次回、ついに海編でのラストイベントが始まる…
デメトリオがどうやって逃げるのか…そしてどのような出来事になるのか…
楽しみにしてくれるとうれしいです!

あと…海編がもうすぐ終わり、ジパング編に移動します…
キャラクターの情報がございましたらもう遠慮なく送ってきてやってくださいねーー!!

俺はどのようなキャラクターでも…受け入れて見せます!!
そして今回…登場したキャラクターがついに100人目に!!
コレも皆さんのおかげです!!
ありがとうございましたーー!!

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