連載小説
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26 釣り餌=KAKIの方程式
そして船がリクリスタの町を離れてからしばらくして…
俺たち三人はのんびりと船の旅を満喫していた。
ふっふっふ…俺が船酔いするとでも思ったのか!?甘いぜ…甘すぎるぜ!
俺は昔、子供だったころに船に乗ってフェルス興国にやってきたんだからな!
などと昔のことをちゃっかり暴露しながらも、俺はのんびりと甲板に寝そべっていた。
「ふぅ…暇だぜ…何かやることないか?」
「えぇ?やること!?いきなりそんなこと言われても何も思い浮かばないよアイン…」
俺はアインが不意に言った台詞に答えながら、床を転がる。
いやな?この床…船自身はぼろいのにこんなに耐久度があるなんてと思うと…
感動が止まらないぜ…
いや、本当に職人さんはいい仕事をしていると思うよ?今じゃこんなにいい仕事をしてくれる人なんてどれだけ珍しいか…

俺たちがまた無言になると、ゼクは相変わらず良くわからない本を読み、アインはミカンを食べ始めた。
だが、時間が経つにつれてだんだんアインがまた何かしたくてたまらないといった風に体を揺らし始めた。
いや…ずっと甲板で寝転がってる俺が言うべき台詞ではなかったなさっきのは…
でも…こんな海の真ん中じゃ基本的にやることなんて無いと思うんだけどなぁ…

俺が内心そう思っていると、不意にアインがうれしそうな顔をして立ち上がった!
何かいい暇つぶしのアイデアでも浮かんだのかな?
若干寒さが肌に染みる潮風と一緒に聞こえてくる前の船に乗っている俺の仲間たち以上に盛り上がれるアイデアならいいんだけどな…
ま、俺はアイデアを出したりはしないわけだけどな?
「なぁ、俺たちで…ウォーターハザードしようぜ!」
ウォーターハザード?聞いたことがないぞ…その遊びは…
俺は若干だが、アインが提案したウォーターハザードという遊びに惹かれていた。
「俺はやってみたいな…ゼクはどうだ?」
「僕は…いいですよ?やりますか!」
それからしばらく、俺はウォーターハザードとやらのゲームの説明を聞いていた。

30分間聞き続けて、ようやく俺はゲームの内容を頭に叩き込むことに成功した!
簡単にいうと…船の上でブロックを積み重ねたゲーム…あの、一個抜き取っては上に置いて行くゲームな?あれをやるって事らしいぜ?
「大方ルールは理解できたし…やるか?」
「待てよデメトリオ…ただゲームをやるだけなら面白くもなんともないだろ?」
「な…んだと!?」
「そうですよ…僕達の中では負けたものには罰ゲームが待っているというルールになっているんですよ?」
ば、罰ゲーム!?なんて不吉な響きなんだ…
まぁ、待て…ここで安易に判断を下すべきではないな…
用は重要なのは罰ゲームの内容…こっちだからな…?
「罰ゲームの内容はそうだな…あそこのレモンを2つ一気食いでどうだ!?」
ふぅ…なんだ、そこまで酷い罰ゲームって訳でもないんだな…
「いいぜ!!よし…行くぞぉぉ!!」
「デメトリオとは…このゲームをしてきた長さが違うぜ!!行くぞ!」
「僕は…このゲームはあまり得意ではないんですけどね…」

そしてウォーターハザードが始まって今現在…12週目に差し掛かったところだ…
ここから慎重に行かなければ罰ゲームを味わってしまうぜ…
ふっ…読者の諸君は俺がこのタイミングでミスすると思ってるだろ!?
今回の俺は普通の俺よりも…感がいいんだぜ!!
「俺の番だな…行くぜ…」
「……(落ちろ〜…落ちてしまえ〜…)」
「…(落ちて罰ゲームを受けてもいいころですよ?さぁ!)」
……無言のプレッシャーを感じる…だと?
こ、コレが戦闘か!?
などと変なことを考えたりもしたが…気にしない方向でいてくれ…よろしく!
…ふぅー…あ、決してネタが浮かばなかったからこうやって無駄なゲームしてネタを引っ張りだそうなんて考えてないんだからね!?
「早くしろよー…」
「あ、悪い…じゃあ、行くぜ?」
俺の頭の中で一瞬…ピキーンという効果音と共に置くべき場所が見えた!
これが…俺の置くべきポイントか!?
そして俺は迷うこともなくその場所にブロックを置いた。

「ちっ…セーフか…まぁ、俺の番はゼクの後だしな?」
非常に悔しそうな顔をしているアインを横においてある状態で俺は非常に安堵していた…ゼクの顔に緊張が走るのを見ると…自分の心境をゼクも味わっているんだろうとよくわかる…
「うぅ…ぼ、僕の番ですか…う〜ん…」
さぁ…悩め!悩むがいい!!
このゲームは…自分の番が来ていないときここまで自分の立場の安全さをかみ締めることが出来るゲームだったのか…
こう思っていたとき、勝負の風が大きく動いた!なんと、ゼクがブロックを引き抜いた瞬間に船が揺れ、ブロックが崩れてしまったんだ!
「あぁっ!!そ、そんなぁ…」
「おや…?ゼクじゃないか…前回は俺が負けたときに大量の小麦粉の中に放り込んでくれてありがとうよ?なぁ…?」
「…ひぃっ!ね、ねえ…良く考えたんだけど…やっぱりこんな事よくないと思うよ僕は!や、やめておとなしくしておこうよ!」
「悪いなゼク…俺、こういう機会じゃないと勝負事に勝てないんだ…勝者の味を今回は味あわせてくれよ?」
「そ、そんな…デメトリオまでそんなこと…やめてよ!」
嫌がりながら後ずさるゼクを追い詰めるアインに、俺はレモンを放り投げた!
俺は自分の手では裁きを下さないぜ?だって…母さんが自分がされて嫌なことは人にもするなってよく言ってたからさ?
あ、結構母さんの話が出てくるけど、俺はマザコンって訳じゃないぜ?むしろ父さんのほうが母さんが海に落ちて死んだときに俺のメンタル面を気遣ってくれたから好きさ!
そう思うと…海もまたいろいろ俺には思い出があるよなぁ…

そして、罰ゲームが下される瞬間がやってきた!
普段から本ばかり読んでいるせいか、俺と同じくらい華奢な体つきだな…
などと思いながら、もう一つのレモンも放り投げる。
これから先は俺にはとても見ていられないぜ…
だって…顔つきが明らかに少年…変な部分で罪悪感がな…
俺は声だけ聞きながら海でものんびりと眺めているとするか…
「や、やめてよアイン!ぼ、僕は…前回の罰ゲームでも手加減して…」
「嘘付け!おらぁっ!しっかり奥まで咥えろ!」
「うぐっ!や…やめ…けほっ…こ、これ以上は入らないぃ!お、奥に入れすぎ…!」
「黙れって!もう一個入るんだからよぉ!!おらぁっ!!」
「ふぐぅっ!!うえっ…お、お願い…もう…やめ…うえっ!」
「ほら!汁もしっかり飲めよ!!この汁が効果あるんだからよ!」
「うぅ…酸っぱくて苦い…うぇ…」

……いや、前のほうに罰ゲームがあるって振りをしていたから別になんって事はないんだけどさ…
あいつらが言っている台詞って…凄い危険だよなぁ…とか俺は突っ込まない。
でも、俺のこの心の声を聞いたことによってもう一度上の言葉を読み直すと、一瞬だが俺の言いたかったことが…わかると思うぜ!
勘違いするなよ!?ゼクの口の中に入れられているのはレモンであって決してアレでは…駄目だ!
一度頭の中に浮かんでくるとそれが頭から離れないじゃないか!
結局、なんだか間接的に俺も罰ゲームを受けている気がしてならなかった。

そして罰ゲームも終わり…また俺達はやることがなくなった。
いや、ゼクはしきりにもう一度ウォーターハザードをしましょうといってくるんだけど…次はさすがに自信がないなぁ…
などと思いながらのんびりと海を眺めていると、いきなりアインが釣竿をもって下の船倉からやって来たわけだな?
……あれ、いいのかなぁ?船倉から勝手に持ち出してくるのはいろいろと問題がある気がするんだけどなぁ…
など、常識人の様に振舞いながらも、俺はアインから釣竿を受け取る。
「これ…釣竿だよな?って事は、釣りでもするのか?」
「あぁ!まぁ、のんびりと釣りでもしながら海の旅をエンジョイしようぜ!何もしていないよりは少しは楽だし…」
「やりましょう!いいですね釣り!」
「…罰ゲームとかは一切無しでな?」
…アイン、緊急フラグ回避とはあいつ…出来る!
あのフラグ回避はまるで流れる川のように…え?説明はいいって…?
…すいません、調子乗りました…

罰ゲームがないことに一瞬不満そうな顔をしたゼクだったが、それでも納得した用で、釣竿をアインから受け取っている。
で、一つ思ったことがあるんだけど…餌はどこにあるんだ?
突っ込んでは負けな部分なのか…それとも素でそこまで配慮がなかったのか…
これは確かめる必要があるよな…?
「なぁアイン…これ、餌はどこにあるんだ…?餌が無いと釣りは出来ないだろ?」
「…あっ、悪い…考えてなかったぜ…なんか船倉から探して取ってくるよ」
素で間違えてたんだな…などと思いながら、俺は自分の持っている釣竿に目を通してみる。見るところによると、普通の釣竿だ…
凄い釣竿なわけでもなければ、変にぼろぼろな釣竿というわけでもない…本当に普通の釣竿だよ!
そして、今ここで言わせて欲しいんだけど、普通のものが一番説明に困るんだよ!せめて少しは良い方か悪い方かで分けて欲しいぜ…

俺が釣竿について何か心の中で言っていると、すぐにアインが船倉からドライフルーツを持ってこっちにやってきた。
「こんなのしかなかったんだけどさ……コレは餌にしてもいいと思うか?」
「これは…?」
「え?よくわからないけど、マンゴーとレモンとあとKAKIのドライフルーツらしいぜ?」
……初めの二つはわかったんだが、KAKIって何だ!?
よーく見ると微妙に黄色の乾燥フルーツのすぐ横にオレンジ色の…でも若干黒い色をしたフルーツがあるんだよ…あれがKAKIか?KAKIなのか!?
「KAKIって一体何なんだ?そのフルーツの事だけ聞きたいんだけど…」
「…この本によると、KAKIとはジパングの果物らしいですよ?ここに写真が載っています!」
そういいながらゼクが見せてきた本には、確かに形が似ているオレンジの果物が写っていた。これは明らかに黒色だけど…もう突っ込んでいたら疲れると思ったので、俺はこれ以上はKAKIについて詮索しなかった。

そして、俺達は釣竿を片手に今、海を睨んでいる状態だ。
果たして、ドライフルーツを釣竿につけている状態で何が釣れるというのか…
微妙に何も釣れない気もするから怖いもんだぜ…うん。
「行くぞ!釣り糸を海に…投入!」
「後は…待つだけだな!」
「釣れるといいですけどね…?」

そうして待つこと20分…早速アインの釣竿にHITがかかった!
釣れるもんなんだな…ドライフルーツが餌でも…
俺は微妙にそう思いながらアインの釣り上げる様子をのんびりと見ていた。
「うおっと…ふっ、俺をなめるな!俺は子供の時から釣りは上手かったんだぞ!おりゃあーー!!」
…不意に、Aボタンを連打してくださいといいたくなったんだが…
なぜだろう?
「アイン、頑張ってください!あと少しです!」
「任せろ!!俺の飯…GETだぁーー!!」
そして、アインはきれいなフォームで魚を釣り上げた。
釣り上げた魚はサラミ魚という魚で、このサラミ海峡では主流の魚だ。
食べ方はいろいろあるが、刺身か中火でさくっと焼くと美味らしい。
骨もそこまで多くなく、口の中で抵抗もなく溶けていくような食感は子供にも人気だ。
……なんでそんな事を知っているかって?そりゃあ…口コミで聞いたんだよ。
宿屋店主をしていた時は非常に情報が流れて来たりもしていたんだぜ?
……その情報の9割がガセネタだけどさ…

そして、アインが釣り上げた魚をゼクが調理しに行ったのを見ると同時に、アインがまたも魚を釣り上げた!
なぜあんなにホイホイ釣れる!?俺なんかノーヒットなのに…
若干悔しくなってきた。
そう思っていたとき、俺の釣竿にちょっとだが確実な重みがかかった!
「き、キター!」
俺は確実に釣竿を上げていった…あと数センチ…ここで逃すのはさすがに悔しいからな…
そして勢い良く釣竿を上げ、俺が釣ったものは…

……あ、アレは…空き缶!?しかも、紅茶の!?
……俺は大きく息を吸い込んだ。
「魚じゃねえのかよ!!」
俺はそう言いながら空き缶を掴み、まるで流れるようなその作業に身を任せながら甲板に叩き付けた。
「まぁまぁ、そんなこともあるって!よっと!」
「…お前は釣れてるからそんなに余裕なんだよ!」

それから後も、俺は無双のように空き缶を釣りまくり、アインは神のように魚を釣っていた。
あいつ、俺の魚まで釣ってるんじゃないだろうな…?
俺は、若干だがアインに対してそんな事を考えた。
そう思いながら、また釣竿に重みがかかる。
わかるさ!コレもどうせ空き缶なんだろ!?
内心そう言いながらも、俺は期待を確実に消すことは出来なかったんだ。
「うおぉーー!!今度こそ…今度こそーー!!」
そして、若干夕暮れの状態のこの時間に、俺は…
「きゃ〜!!」
べちゃっという謎の効果音と共に、ぷるぷるしたものを釣り上げ、顔に乗せていたという訳だ。

なんだこれは!?俺の顔の上には今…何が乗っている!?
非常に焦っている俺…わかるのは薄く透き通る何かが俺の上に乗っているというところだ。
……軽いけど…このままだと俺、窒息して死ぬじゃないか!
「うぐぅーー!!むぐぅーー!!」
「あっ…ひゃぅっ♥」
ぷにぷにした謎の物(?)は、必死で顔を横に振っている俺の上で変な声を上げている…ってことは、コレは生き物なのか!?
ここで俺は手足を動かせばいいと気付いたが…手足が変なのに触れてビリッとしたかと思うと、動かせなくなった。
こ、この状況は…やばい!!どうでもいいけどなんか液体出てきた!!
し、死ぬ!!あ、アイン!助けてくれ!!
俺は頭の中でアインに強く助けを求めていた。
すると、透き通るなにか越しに、アインが俺を助けてくれるのが見えた。

間一髪助かった俺…一体何が俺の上に乗っていたんだ!?
そう思いながらアインがのけた物(?)のほうを見ると…
そこには、顔を若干…赤らめているのか?
凄くわかりにくいんだが、とにかくシー・スライムの幼女がそこにいたわけだ。
なぜこんなに幼女が出てくる!?なぜだ!?
そこまで幼女が好きか!?好きなのか!?
などと思いつつ、俺は命が助かったことに感謝しながらその場に倒れていた。
……痺れが取れない…

しばらく時間が経ち、俺の体の痺れが取れたころ…ゼクが魚を全部焼くことに成功して俺達はのんびりと焼き魚をほおばっていた。
うん…凄いヘルシーな味わいだぜ?で、ひとつ聞きたいんだが…
「どうしてお前も一緒に焼き魚食べてるんだよ!?」
「ほぇ?」
俺は『ほぇ?』と彼女が言ったとたんに悟った。なるほど…あまり関わらないほうがよさそうだ。
俺がそう思いながら後ろにあった樽の中にあったレモンに切れ目をいれ、汁を絞って焼き魚にかけていた時だった。
「あぁー!!デメトリオが焼き魚なんて食べてるーー!あたいも食べたい!」
「……いいわね、魚…でも、いちいち向こうに飛んでいくのも面倒だし…」
ルタとメリィがこちらを見ながら何か言っているのが聞こえてきた…
気になってみんなのほうの船を見ると、モンスターラグーンのメンバーたちがこちらを見ているのが見えた。
「…みんなも食べるか?魚?」
「食べたいけど、いちいち行くのがめんどくさいの…なにかいいアイデアがあればいいんだけど…」
「それなら…このロープを使ってゴンドラのように食料をやり取りしたらどうじゃ?バスケットならこっちの船にはたくさんあるじゃろう?」
「いい考えねゾーネ…わかったわ…」

そして、船のロープを伝ってバスケットがこっちの船についてくる。
そして、どうでもいいことなんだが…どうやらゼクもアインもラグーンのみんながいるところからは死角になっている場所で魚食べてるんだな…
だって、モンスターラグーンは結婚してない夫を募集している魔物娘達で構成された組織だぜ?未結婚者のこいつらを見つけたら…運がよければ夫確保の可能性があるって訳だ…何も言ってこなかったって事は、気付いてないって事だろ?
俺はこっちの船に来たバスケットに焼き魚をある程度詰め、レモンとついでにKAKIを入れて送り返した…っとまてよ…
送り返す前に俺はあることに気がついた。
そうだ!この子も一緒にあいつらのところに送ってやろう!
多分ルタ辺りと仲良くやる気がするし…
「ねぇ?そこの君…」
「プクプクっていうの〜♪」
「そ、そう…プクプクちゃん、あっちの船に行ってみたくないかい?あっちの船にはおいしいものもたくさんあるし、楽しいよ〜?」
「…う〜ん…行くー!!」
……ふっ、ちょろいぜ!これが俺が長い間の宿屋店主経験で身に着けた交渉術だ!凄いだろー?もっと褒めてくれてもいいんだぞー?

など、いろいろなことをしている間に、辺りはすっかり暗くなった…
俺たちはろうそくに火をつけると、船倉にあったぼろぼろの布団を引っ張りだして寝ることにした。
しかも、甲板でだ!こんな冬の寒い時期に甲板で寝るという狂気の沙汰とは思えない行動を取っている俺たちだが…案外この布団はあったかいから何とかなる気がするぜ!
そして俺達は船の甲板で眠りに着いた…って、なんだ?あの黒い影…
俺が眠りの世界に行こうとすると、俺の視界に微妙にだが、夜の闇にまぎれて水平線上に動く影があった…気がする。
「うおぉ…こ、怖いぜ…そ、そうだ、まだ眠れそうにないし二人とも起こそう…」
俺はそう小声で言うと、隣で口を開けて寝ているアインと、その横でうずくまって寝ているゼクを揺さぶった。
「うぅ…なんだよデメトリオ…眠いなぁ…」
「さ、さっき何か動いたんだって!」
「気のせいじゃないですか?まぁ、少し起きてあげてもいいですよ?」
などと言いながら、俺たちは体を起こし、船倉から松明をもって来た。
そして、松明に火をつけると…なんだ!?あの船は…!?
な…なんかやばい気が…しかも、こっちに近づいているじゃないか!
「で、で、で、デメトリオ…アレ、なんだろうな?」
「し、し、知らないよ…お、俺、何も見てないからな!?ね、寝る!」
「ぼ、僕も…おやすみ〜」
そして俺達はさっき見た船を見なかったことにした。
さ、触らぬ神にたたりなしって言うだろ?それと一緒だよ…うん!
心でそう言いながら俺は、他の二人と一緒に震えていたのだった…
12/03/11 17:58更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!
磔にされながらも次回予告をします!
こ、これからどんな出来事がわが身に…!?じゃなくて…
次回、デメトリオたちが見た謎の船の正体が明らかに!?空前絶後の海上戦が…起こる気がします!

……海で出会う魔物娘達や、ジパング編に向けてのキャラクター情報…お願いしますね〜!!

…何も起こらないんだけどコレはいわゆる焦らしってやつなのか?
そうなのかーー!?
デ「あぁ、レベッカなら船酔いしてるらしいよ?」
……今が海の話で…良かったーー!!

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