17 3つのフラグはどれも不幸か?
前回俺が足元を見ておらずに災難な目にあっているのは知っていると思う。
いや…もう何も言わないよ…俺が悪いんだし…でも、一つ言ってもいいならこう言わせて欲しい…
「お願いだ!俺のことは忘れて旅立ってくれよ!」
「無理!折角の確実な収入を持っている男をみすみす逃がしてやるもんか!結婚しろ!」
「ま、待ってくれよ…そ、そうだよ!結婚なんて大きな出来事…そう簡単に決めることではないよ!うん…」
……必死だな俺…まぁ、結婚後の出来事が明らかに地獄って分かってるからここまで必死になるんだけどね?
「……簡単に決めることでは無い?いや、別に私はニートできたらいいから深く考えなくてもいいし!でも…なんか今は何を言っても断られる気がするし…私、しばらくお兄さんと一緒に行くよ!来るなって言っても行くから!」
そ、そんな強引な…でも、何か口答えをすると酷い目にあいそうだしなぁ…
仕方が無いや…
最近、やけに聞き分けだけは良くなった俺はその後、無理についてこようとする彼女…リバティーのことについて他のみんなが尋ねてきても何も答えなかったし、仲間の一人と判断してやることにしていた。
まぁ…仕方なくだけどね?うん…決して何されるか分からなくてビビッて仲間にしたわけじゃないからな!
「でねー?あたいの強さはお母さんの耳にも知れ渡るようになったってわけ!どうどう!?最強じゃない!?」
「へぇ〜…私のお母さんもそれだけ心が広かったら今でも自分の家でニートできるのに…ま、良いけどね!デメトリオがいるし!」
「でも…やっぱり少しはデメトリオさんの手伝いもしてあげるのが夫婦って物ではないんでしょうか?きーちゃんはどう思う?」
「わかんなーい!!あはは!」
……本当に女の子同士って仲良くなるの早いよなぁ…あとメアリー…いい事いったぜ!リバティーがそのことに気がついていてくれたら結婚の話…かなり真剣に考えたんだが…ね?
ていうか、また俺一人話しに入れずにのけ者かよ…コレじゃあみんなと動きながらも一人で森を動いているようなもんだぜ…はぁ…
そして俺達が森を歩き続けること数時間…遂に木がなくなり俺達は森を脱出した。したけど…
……ここが森の出口か?どこからどう見ても崖じゃないか!
俺達の目の前には明らかに断崖絶壁ですよー!といいたそうな壁…
絶対に道を間違えただろ俺たち…
そう内心思いながらも、俺達では崖はどうにもならない…引き返すしかないのかな…
そう思っていたときだった。俺達の後ろからグリズリーの女の子が顔を出したのは!またか…みんなとはぐれてから本当にろくなことが無い…どうせ、コレもフラグだろ?そうなんだろ!
「あれ〜…はっ、男の人みっけ!あの人に会わせてあげよっと!あの〜…」
俺は絶対に返事しないぞ!いくら相手が小さくて可愛いグリズリーだとしてもな!だから…頼んだぞ他のみんな…絶対に相手しないでやってくれよ!
「あれ〜?どうしたの〜?分かった!迷子でしょ!もう…しょうがないわね!」
「どうしたのるーちゃん?迷子ー?」
「あれ?迷子か〜…私たちもだよー!奇遇だね〜!」
お前ら!!俺の気持ちを即座に裏切る反応するなよ!!ああ…コレでまた俺は酷い目にあうのか…?
「あの〜…もしかして谷の上部に行きたいんですかぁ?じゃあ連れて行ってあげますよ!」
ん?さっき谷の上部に連れて行ってくれる…そういったか?
やったぜ!そうか…コレは嫌なフラグではなく、いいほうのだったか!よっしゃあ!
「もしよかったらそこに連れて行ってくれるかい?俺はデメトリオって言うんだ」
「私はマリーっていいます!お兄さん…ザコそうですね!でも…ザコって弱いって事ですから、母性本能をくすぐって結構もてると思いますよ!よかったですね!」
ぐはぁっ!!け…結構痛いところを…そんなにザコって言わなくても自分が良く分かってるのに…それに…足手まといとか散々言われてもてたこと無いし…
「じゃあ、着いて来てください!あ…少し寄り道しますけどいいですよね?」
「…うぅっ、いいですよ」
「ねぇ…デメトリオさん…なんであんなに落ち込んでいるのかな?」
「あたいが思うに…ポケットの中でチョコを割っちゃったんだよ!」
「さすがるーちゃん!!本当にすごーい!!」
……俺的にはそう思えるルタちゃんの頭の中のほうが凄いと思ったけど…深くは突っ込まないでおいた。
「ふぅ…お母さんに聞いた話だとここにいるって聞いたけど…どこかな〜」
……なんか、かなり森の奥に入り込んでいるけど…大丈夫かなぁ…
マリーちゃんの後を追いかけて森を進んでいる俺達だったが…ぜんぜん目的地に着かないので、少なくとも俺は心配していた。
多分、俺と一緒に行動してくれている仲間たちはほとんど気にしてないんだろうけどなぁ…はぁ…本当に俺に対するフラグはどうなっているのか…
「本当にこっちであってるのかい?結構歩いているけど…」
「大丈夫です!お母さんに聞いた話だとここらなので…あっ!」
目的のものを見つけることに成功したのか、不意にマリーちゃんが走っていく。そして、その後を置いていかれるのが怖い俺が追いかける…
外から見ると、小さいグリズリーの女の子をロリコン兄ちゃんが追いかけてる絵柄だよな…
そう思いながら想像してみたが…うはぁ、洒落にならねえな…
「あのー…あなたがこの森で有名人の人ですか?辺境に住んでいるせいで男の人と出会えず…結婚相手を探しているっていう…」
誰かと話をするためにきたのかな?だったら俺も気が楽だけど…
そう思いながらマリーちゃんの後を追いかけると…うおっ!?なんだ彼女…
一見するとマンドラゴラのようだが…凄い成長しているな…
普通は子供のようなあどけなさを残す魔物娘だとよく聞くけど…かなり大人な感じがするなぁ…背も俺と同じくらいあるし…体つきはいやらしいし…
でも、マリーちゃんは彼女と一体どういった関係なんだろうか?
「あの〜…どうしたんですか?こんなところにまで来るなんて…」
「いやぁ〜、前からお母さんにあなたの話を聞いてから、もう30前なのに未だに結婚できず、出会いも無いあなたにプレゼントがあって…」
「うぅ〜…私だって好きで出会いが無いわけじゃないのに…」
マリーちゃんって、本当に相手が気にしていることをズバッというよな…
「…で、私にプレゼントって何なんですかぁ?哀れみの言葉とかなら要りませんから!」
「そんなものよりもっといいもの!おーい、デメトリオさーん?」
「ん?俺を呼んだのか…じゃあ、俺の出番だろうけど…」
そう言いながら、二人の近くに行く俺…
「この人が私のプレゼント!」
「そうそう、俺が君のプレゼ…っておい!何勝手に人をささげようとしてるんだ!」
危ない危ない…危うく自分からプレゼント発言をしてしまうところだったぜ…
俺は、自分自身で自分の身を危険にさらすことがなかった事にかなり安心を覚えていた。絶対に今回のフラグも回避してやる!
「え…?まさかこの人は!お…男の人ですか?」
「うん!そうだよ!」
「これが…男の人…初めて見ました!見た目は私と大差ないような気がしますけど…これで私の不名誉な歴史に終止符が!」
え…?な、何だろうこの俺の周りに集まってきたツタは…
まさか…まさか…拘束用とか言うんじゃないよな?
そして俺は…今、またもや捕まっているところだ。
何だろう…ここ最近、やけに捕まることが多い気がするなぁ…
って、冷静に判断していたらいいって状況じゃないぞ今!
「な、何をする気ですか?あ、危ないことだったら声を上げますよ?」
「違いますよ〜!結婚するためには形を残さないといけないって拾った本に書いていましたので…うふふ…」
「危ないことじゃないかーー!!誰か助けてーー!!」
俺が必死にもがいていると、マンドラゴラの彼女の近くに本が何冊か放り捨てられているのが見えた。
あ…あの本は…昔、アルフォンスと見たことがある表紙だ…確か…【男は責任という言葉にめっぽう弱い!その責任の作り方…教えます!】って名前の本だっただろうか…
あの時は
「ふっ…この本に出てくる男たちってちょっと運悪すぎだよな!」
「そうそう!この第一段階、拘束するって所に引っかかる地点で雑魚だ!」
「「あっはっはっはっは!」」
って言っていた気がする…やはり俺は雑魚だったのか…
でも、俺は今までもかなり運が良かったし…これからもいいはずだから…!
あきらめずに叫ぶ…一見地味だが、結構実用性の高い方法を俺は取った。
「誰かーー!!助け…うむぅ!?」
俺の叫びも口に押し付けられた葉に邪魔されてしまった…
待てよ…彼女がもし、あの本の通りにしているとしたら…
俺はあの本の内容を思い出していた。
俺の記憶の中で、本の内容を言ってみると
@ まず、対象の男を羽交い絞めにし、動きを拘束します。
このときは、拘束さえできればどんな方法でもOK!
A 相手の友達など、邪魔者を呼ばれないように口をふさぎます!
出来るだけ、愛を持ってふさいであげてね?
B ここまで出来たら、次はあなたの愛で絡めとりムードをあげよう!
C 相手が骨抜きになるまでは大人の時間!
D 精行為で骨抜きになっている状態の相手の愛の証をあなたの子宮の一番奥で受け止めちゃうのです!きゃ〜♪
E 子供を確実に孕んだのを確認して、男にパパになってもらえば、もうその男は責任から逃れることは不可能!よって、あなたのハッピーライフも確実に!
作者の名前のほうは記憶が薄れてて思い出せなかったけど、内容はばっちり覚えていた。つまり…俺の今の状況はAか?
俺は無様にもがきながらも頭の中でしっかりと今の状況を整理していた。
えっと、俺が今受けている状態はA…逃げるならBの間しかないな…
そして今がちょうどB…ここからは俺の心の問題だな…どんな誘惑が来てもこらえないと…
そして、誘惑の時間が始まったのだった…大丈夫かな俺…
「うぅ〜…愛で絡め取るって…誘惑してその気にさせるって事ですよね…?私に出来るかなぁ〜…えっと…とりあえず脱いでしまいましょう!」
「………(やばい…なんてダイナマイトボディなんだ…あのボン、キュ、ボンがどれほどすさまじいか…直接見るなよ俺…)」
「えっと…その…自分で少し…み、見ていてくださいね…?」
「………(やばいな…静かな状況って逆に不味い気がするぞ…嫉妬パワーを出したくても、今は俺が嫉妬される状況だから自分の良心を苦しめるし…)」
「はぁ…はぁ…ど、どうですか…?」
「………(見るな…絶対にどんなに見たいと思っても見るな俺…でも、ちょっとだけなら…あぁ…見るな…見るなよ俺…我慢だ!ここは我慢なんだ!うぅ…で、でも、これから先の人生で見ることなんて多分出来ないし…一回だけなら…待て!一回が危ないんだ!絶対に一回ではすまないぞ…人間、一回の気の緩みが自分の人生を狂わせるって死ぬ前に母さん言ってた!)」
結構内心はどきどきの連続であり、俺の心境は物凄く複雑だった。
まるで、もうすぐ壊れそうな橋を一人で渡るのと同じくらいのドキドキ感だ。
俺は目をつぶっているからよくは分からないけど…多分まだしているんだろう…だって、目をつぶった分声が良く聞こえてくるから…
やばいぞ…俺に妄想力が無いからまだ良かったけど、妄想力があったらもう一気に想像してしまって興奮してしまう…
このままでは本当に時間の問題だ…ここは、あの方法を使うしかない…
「はぁ……もう駄目だ…」
あの方法…そう、自分自身を言葉で傷つけ、悲しみや恨みの感情しか心にでないようにする方法だ。このモードに入った俺を戻すには、俺が前向きに物事を考えるようになればいいだけ…
まぁ、いらないけど時には使える俺の特技ってやつかな?
「はぁ…愛ってなんなんだろう…希望…?もう少年のあのころに消えたよな…
友達?一人親友がいたけど俺を捨てて結婚して今ジパングにいますけどなにか…?いきてる意味?わからない…人生で楽しかったことは?一度も無い…今までで一番心に響いた出来事は?母の他界…はぁ…」
「あっ…はっ…くぅっ…」
目の前で自慰にいそしんでいるいいボディの女性がいるのに…俺はなんて小さな男なんだ…はぁ…
俺は、とうとう口で会わなくても物事をマイナスに考えることが出来るようになった。まぁ、こう想いながらもどうやって逃げるかを真剣に考えているんだけどね?
「今までだって…フラグっていうフラグはあったのに、俺は負け組だから物に出来なかったし…これからだってきっとそうだ…何をやっても人並み以下…出来ることといったら家事程度…戦闘力2のゴミ…はぁ…なんで俺ってこんな性格なんだろう…」
「あっ!も、もう…ら…めぇっ!」
……外から見たら、今の俺達ってかなり変だよな?
一人は自慰してるし、もう一人はそれを見ながら泣きかけてるし…
「あふっ…い…いっちゃ…あひゃ…あ…あぁ…」
…コレはチャンスか?少し拘束が緩んだ…よし!マイナス思考モード解除!!
ここからいつものテンションで一気に逃げ切ってやるぜ!
「俺って…やっぱり運補正がかかってるぜ!!ひゃっはー!!」
「あれ?デメトリオさん…結婚はどうするんですか?」
「マリーちゃんか…君には後で話があるから覚悟して置く事だ…さて、走りながら谷の道を教えてもらうよ?」
「えぇ…走りながらですか〜…まぁ、いいですけど…この道をまっすぐ行って赤い木を右に曲がるんです!後…やっぱり、あの人のことを見てきたいので…私はここではぐれますね?」
ちょ…しまった…まだ文句とお礼の両方言ってないのに…
そう思いながら、俺達はこの森から早く出るため…俺は逃げるために森の中を走り続けた。
しばらく走り続けたところで…目の前に赤い木が見えてきた…えっと、ここをどっちに曲がるんだっけ?
少しだけ俺達は赤い木の前で止まり、真剣にどっちに曲がるべきだったかを思い出していた…そうだ、この時は棒倒しで倒れたほうに行こう!
俺達は棒をしっかりと固定し、棒が倒れるのを待った…
………来た!!右だ!!俺は右に行くぜ!
そして、この出来事も嵐のように過ぎ去った…
……まさか、俺はあの木のところで道を間違えたのでは…?
そう思わず思ってしまうほど、俺達は森の中を走り続けていた。
もう足は半端じゃないほどの痛みだ…おもにふくらはぎと足の裏が…
「どう思う?コレって…道を間違えているんじゃないかと思うんだけど…」
「あ!あたいもそう思っていたところ!まったく…マリーちゃんたら馬鹿なんだから!」
「私はあってると思いますけど…違うんでしょうか?」
………馬鹿と頭の中の考えが同じなんて…
俺は違うところでショックを受けた。
どうやら俺達の進んでいる道は間違いではないようだ。
……さらに走り続けること30分…ようやく森を抜けることに成功した!
まさか…ここまで遠いなんて…俺の体力はほとんど0に近い状況だな…
だが、俺の目の前には俺が落とされた谷に戻ることが出来る道が広がっている…ようやくみんなと会えるんだ!
一緒にいたときは結構酷いことを言われ続けたりしていたけど…やっぱり仲間がいるというのは何か違う…それに、俺の宿が待ってるしな!
あいつら…俺の宿に何かしてないだろうな…?
こういう風に思っていたところだが…一つ!大事なことを忘れていた…
谷に着いても肝心のあいつらを見つけなきゃ意味無いじゃん!それに今、先にいるかそれとも後から来るのか分からない状況だし…
「…デメトリオさんはこれからどうするんですか?」
不意に後ろからメアリーが話しかけてくる…どうするって?何も考えて無かったからなぁ…でも、ここで別れてしまうと俺が一人に…それは危険だ…なんとしても阻止しなければ…
結果的には…一緒に行動したいというのが本音かな…?
「俺は…君達と一緒にしばらく行動したいけど…どうせ、俺の仲間がこの谷のどこにいるか…」
「あぁーーー!!デメトリオ!!崖から落ちたと思っていたのに…なんでこんなところにいるのじゃ!?……まぁよい!おーい!みんなー!デメトリオはいたぞー?」
………本当にタイミング悪いよな…なんで言い終わる前に仲間が俺を見つけるんだよ…
「……デメトリオ…崖から落ちたときはもう死んだものかと思っていたわ…」
「俺もですよメリィ…もう…あれですね、がーっと死んだものと思いましたね」
「あの高さから落ちてもいきているとは…これも貴殿が頑張って体を鍛えた賜物だと…」
「運が良かっただけですって!というか、何でみんな俺がいきていることに驚いた表情を浮かべているんですか!?」
……まさか、本気で俺は死ぬだろうとか思っていたんじゃないだろうな…
もしもそうだったとしたら…俺ってどれほどザコだと思われているんだろうな……
「あの子達は誰?」
「あぁ…あの子達は俺が森で一人冒険していたときに出会った仲間って所かな?ワーシープがメアリーちゃん…あの綿毛がきーちゃん…あそこの馬鹿とニート小娘はルタとリバティーっていうんだ…」
「あ…どうもよろしくお願いします!」
……相変わらずメアリーは真面目だな…だが、そこがいい!!と思ったら負けらしいですよ?
あ、こっちの話です…気にしないでくれよ?
「まさか…私が見ていない間にデメトリオを調教してたりしないよねーー!?」
「ん?あ…なんか同類の匂いがする!わかった、あんた最強で天才でしょ!」
「るーちゃん、人目で見抜くなんて凄ーい!!あははーー!」
「え…?天才…天才…うん!!私こそがかの有名な調教女帝…キュラス様よ!」
「おおーー!!やっぱり…あたいの読みは正しかったか…」
なんだろう…やけにすぐに溶け込んでいってるけど…あんなにすんなりと行くものなのか…?
「お兄さん…よかったです!無事で…」
「あぁ…セムちゃんか…君くらいだよ…俺のことを本気で心配してくれるのって…」
もしも…セムちゃんが良家の4女じゃなければ…結婚したいくらいだぜ!
まぁ…身分の違いとかって結構重要視されるから別にいいんだけどね?
「むっ…あなた…怠け者ですね!?こういうのを見るとほっとけない…アイネさん!」
「ん?ジュンコか…?どうかしたのか?」
「あの怠け者のアントアラクネの根性を…デメトリオと一緒に叩きなおしてあげてください!」
「むぅ…デメトリオだけでも結構大変なのだが…おい!貴殿…」
「はい?なんですかー?何か力仕事とかそういうのだったら別の人に頼んでくださいよー?私はデメトリオさんに寄生して生活するまでしか頑張りたくないんで…」
「なるほど…よくわかった…任せておくがよい!私が精神を叩きなおしてやろう!」
………誰か俺の噂でもしてたのかな…急に寒さが走りぬけたんだが…
まぁ、そんな事はどうでもいい!今はとにかく俺の宿に戻って自分の部屋で寝
る!これに越したことは無いぜ!
……そうして、俺は寝るために自分の宿屋をルービックキューブ状態から元に戻したんだが…なんだこれは!?
お…俺の宿がぁ!!た、大砲がついてやがる…しかも4つも!!
あれじゃあもう宿屋じゃねえじゃねえかよ!!宿屋仕事を再開しても誰も来なくなるだろうが!!ゾーネ…絶対にあいつだな…?
「おい!ゾーネ!!」
「ん?何じゃデメトリオ…?」
「なんだよアレ!!」
「あぁ…あれがわしの発明した究極砲台アルテマイドじゃ!!物凄い火力はミリタリーファン達を魅了…」
「今すぐはずせ!!勝手に宿をカスタマイズしていくんじゃない!!」
「む〜…仕方が無いのぅ…」
そういいながら、手元のボタンをゾーネはポチッと押した。あっという間に砲台が小さくなり、まるでおもちゃのような大きさになった。
ゾーネ…確かに賢いんだろうけど…俺の私物や俺で実験するんじゃない!
……やっぱり、仲間と出会ったら出会ったで問題だな…
そう思いながら、俺は自分の部屋に入ったのだった…
はぁ、また…頭が痛くなりそうだぜ…
いや…もう何も言わないよ…俺が悪いんだし…でも、一つ言ってもいいならこう言わせて欲しい…
「お願いだ!俺のことは忘れて旅立ってくれよ!」
「無理!折角の確実な収入を持っている男をみすみす逃がしてやるもんか!結婚しろ!」
「ま、待ってくれよ…そ、そうだよ!結婚なんて大きな出来事…そう簡単に決めることではないよ!うん…」
……必死だな俺…まぁ、結婚後の出来事が明らかに地獄って分かってるからここまで必死になるんだけどね?
「……簡単に決めることでは無い?いや、別に私はニートできたらいいから深く考えなくてもいいし!でも…なんか今は何を言っても断られる気がするし…私、しばらくお兄さんと一緒に行くよ!来るなって言っても行くから!」
そ、そんな強引な…でも、何か口答えをすると酷い目にあいそうだしなぁ…
仕方が無いや…
最近、やけに聞き分けだけは良くなった俺はその後、無理についてこようとする彼女…リバティーのことについて他のみんなが尋ねてきても何も答えなかったし、仲間の一人と判断してやることにしていた。
まぁ…仕方なくだけどね?うん…決して何されるか分からなくてビビッて仲間にしたわけじゃないからな!
「でねー?あたいの強さはお母さんの耳にも知れ渡るようになったってわけ!どうどう!?最強じゃない!?」
「へぇ〜…私のお母さんもそれだけ心が広かったら今でも自分の家でニートできるのに…ま、良いけどね!デメトリオがいるし!」
「でも…やっぱり少しはデメトリオさんの手伝いもしてあげるのが夫婦って物ではないんでしょうか?きーちゃんはどう思う?」
「わかんなーい!!あはは!」
……本当に女の子同士って仲良くなるの早いよなぁ…あとメアリー…いい事いったぜ!リバティーがそのことに気がついていてくれたら結婚の話…かなり真剣に考えたんだが…ね?
ていうか、また俺一人話しに入れずにのけ者かよ…コレじゃあみんなと動きながらも一人で森を動いているようなもんだぜ…はぁ…
そして俺達が森を歩き続けること数時間…遂に木がなくなり俺達は森を脱出した。したけど…
……ここが森の出口か?どこからどう見ても崖じゃないか!
俺達の目の前には明らかに断崖絶壁ですよー!といいたそうな壁…
絶対に道を間違えただろ俺たち…
そう内心思いながらも、俺達では崖はどうにもならない…引き返すしかないのかな…
そう思っていたときだった。俺達の後ろからグリズリーの女の子が顔を出したのは!またか…みんなとはぐれてから本当にろくなことが無い…どうせ、コレもフラグだろ?そうなんだろ!
「あれ〜…はっ、男の人みっけ!あの人に会わせてあげよっと!あの〜…」
俺は絶対に返事しないぞ!いくら相手が小さくて可愛いグリズリーだとしてもな!だから…頼んだぞ他のみんな…絶対に相手しないでやってくれよ!
「あれ〜?どうしたの〜?分かった!迷子でしょ!もう…しょうがないわね!」
「どうしたのるーちゃん?迷子ー?」
「あれ?迷子か〜…私たちもだよー!奇遇だね〜!」
お前ら!!俺の気持ちを即座に裏切る反応するなよ!!ああ…コレでまた俺は酷い目にあうのか…?
「あの〜…もしかして谷の上部に行きたいんですかぁ?じゃあ連れて行ってあげますよ!」
ん?さっき谷の上部に連れて行ってくれる…そういったか?
やったぜ!そうか…コレは嫌なフラグではなく、いいほうのだったか!よっしゃあ!
「もしよかったらそこに連れて行ってくれるかい?俺はデメトリオって言うんだ」
「私はマリーっていいます!お兄さん…ザコそうですね!でも…ザコって弱いって事ですから、母性本能をくすぐって結構もてると思いますよ!よかったですね!」
ぐはぁっ!!け…結構痛いところを…そんなにザコって言わなくても自分が良く分かってるのに…それに…足手まといとか散々言われてもてたこと無いし…
「じゃあ、着いて来てください!あ…少し寄り道しますけどいいですよね?」
「…うぅっ、いいですよ」
「ねぇ…デメトリオさん…なんであんなに落ち込んでいるのかな?」
「あたいが思うに…ポケットの中でチョコを割っちゃったんだよ!」
「さすがるーちゃん!!本当にすごーい!!」
……俺的にはそう思えるルタちゃんの頭の中のほうが凄いと思ったけど…深くは突っ込まないでおいた。
「ふぅ…お母さんに聞いた話だとここにいるって聞いたけど…どこかな〜」
……なんか、かなり森の奥に入り込んでいるけど…大丈夫かなぁ…
マリーちゃんの後を追いかけて森を進んでいる俺達だったが…ぜんぜん目的地に着かないので、少なくとも俺は心配していた。
多分、俺と一緒に行動してくれている仲間たちはほとんど気にしてないんだろうけどなぁ…はぁ…本当に俺に対するフラグはどうなっているのか…
「本当にこっちであってるのかい?結構歩いているけど…」
「大丈夫です!お母さんに聞いた話だとここらなので…あっ!」
目的のものを見つけることに成功したのか、不意にマリーちゃんが走っていく。そして、その後を置いていかれるのが怖い俺が追いかける…
外から見ると、小さいグリズリーの女の子をロリコン兄ちゃんが追いかけてる絵柄だよな…
そう思いながら想像してみたが…うはぁ、洒落にならねえな…
「あのー…あなたがこの森で有名人の人ですか?辺境に住んでいるせいで男の人と出会えず…結婚相手を探しているっていう…」
誰かと話をするためにきたのかな?だったら俺も気が楽だけど…
そう思いながらマリーちゃんの後を追いかけると…うおっ!?なんだ彼女…
一見するとマンドラゴラのようだが…凄い成長しているな…
普通は子供のようなあどけなさを残す魔物娘だとよく聞くけど…かなり大人な感じがするなぁ…背も俺と同じくらいあるし…体つきはいやらしいし…
でも、マリーちゃんは彼女と一体どういった関係なんだろうか?
「あの〜…どうしたんですか?こんなところにまで来るなんて…」
「いやぁ〜、前からお母さんにあなたの話を聞いてから、もう30前なのに未だに結婚できず、出会いも無いあなたにプレゼントがあって…」
「うぅ〜…私だって好きで出会いが無いわけじゃないのに…」
マリーちゃんって、本当に相手が気にしていることをズバッというよな…
「…で、私にプレゼントって何なんですかぁ?哀れみの言葉とかなら要りませんから!」
「そんなものよりもっといいもの!おーい、デメトリオさーん?」
「ん?俺を呼んだのか…じゃあ、俺の出番だろうけど…」
そう言いながら、二人の近くに行く俺…
「この人が私のプレゼント!」
「そうそう、俺が君のプレゼ…っておい!何勝手に人をささげようとしてるんだ!」
危ない危ない…危うく自分からプレゼント発言をしてしまうところだったぜ…
俺は、自分自身で自分の身を危険にさらすことがなかった事にかなり安心を覚えていた。絶対に今回のフラグも回避してやる!
「え…?まさかこの人は!お…男の人ですか?」
「うん!そうだよ!」
「これが…男の人…初めて見ました!見た目は私と大差ないような気がしますけど…これで私の不名誉な歴史に終止符が!」
え…?な、何だろうこの俺の周りに集まってきたツタは…
まさか…まさか…拘束用とか言うんじゃないよな?
そして俺は…今、またもや捕まっているところだ。
何だろう…ここ最近、やけに捕まることが多い気がするなぁ…
って、冷静に判断していたらいいって状況じゃないぞ今!
「な、何をする気ですか?あ、危ないことだったら声を上げますよ?」
「違いますよ〜!結婚するためには形を残さないといけないって拾った本に書いていましたので…うふふ…」
「危ないことじゃないかーー!!誰か助けてーー!!」
俺が必死にもがいていると、マンドラゴラの彼女の近くに本が何冊か放り捨てられているのが見えた。
あ…あの本は…昔、アルフォンスと見たことがある表紙だ…確か…【男は責任という言葉にめっぽう弱い!その責任の作り方…教えます!】って名前の本だっただろうか…
あの時は
「ふっ…この本に出てくる男たちってちょっと運悪すぎだよな!」
「そうそう!この第一段階、拘束するって所に引っかかる地点で雑魚だ!」
「「あっはっはっはっは!」」
って言っていた気がする…やはり俺は雑魚だったのか…
でも、俺は今までもかなり運が良かったし…これからもいいはずだから…!
あきらめずに叫ぶ…一見地味だが、結構実用性の高い方法を俺は取った。
「誰かーー!!助け…うむぅ!?」
俺の叫びも口に押し付けられた葉に邪魔されてしまった…
待てよ…彼女がもし、あの本の通りにしているとしたら…
俺はあの本の内容を思い出していた。
俺の記憶の中で、本の内容を言ってみると
@ まず、対象の男を羽交い絞めにし、動きを拘束します。
このときは、拘束さえできればどんな方法でもOK!
A 相手の友達など、邪魔者を呼ばれないように口をふさぎます!
出来るだけ、愛を持ってふさいであげてね?
B ここまで出来たら、次はあなたの愛で絡めとりムードをあげよう!
C 相手が骨抜きになるまでは大人の時間!
D 精行為で骨抜きになっている状態の相手の愛の証をあなたの子宮の一番奥で受け止めちゃうのです!きゃ〜♪
E 子供を確実に孕んだのを確認して、男にパパになってもらえば、もうその男は責任から逃れることは不可能!よって、あなたのハッピーライフも確実に!
作者の名前のほうは記憶が薄れてて思い出せなかったけど、内容はばっちり覚えていた。つまり…俺の今の状況はAか?
俺は無様にもがきながらも頭の中でしっかりと今の状況を整理していた。
えっと、俺が今受けている状態はA…逃げるならBの間しかないな…
そして今がちょうどB…ここからは俺の心の問題だな…どんな誘惑が来てもこらえないと…
そして、誘惑の時間が始まったのだった…大丈夫かな俺…
「うぅ〜…愛で絡め取るって…誘惑してその気にさせるって事ですよね…?私に出来るかなぁ〜…えっと…とりあえず脱いでしまいましょう!」
「………(やばい…なんてダイナマイトボディなんだ…あのボン、キュ、ボンがどれほどすさまじいか…直接見るなよ俺…)」
「えっと…その…自分で少し…み、見ていてくださいね…?」
「………(やばいな…静かな状況って逆に不味い気がするぞ…嫉妬パワーを出したくても、今は俺が嫉妬される状況だから自分の良心を苦しめるし…)」
「はぁ…はぁ…ど、どうですか…?」
「………(見るな…絶対にどんなに見たいと思っても見るな俺…でも、ちょっとだけなら…あぁ…見るな…見るなよ俺…我慢だ!ここは我慢なんだ!うぅ…で、でも、これから先の人生で見ることなんて多分出来ないし…一回だけなら…待て!一回が危ないんだ!絶対に一回ではすまないぞ…人間、一回の気の緩みが自分の人生を狂わせるって死ぬ前に母さん言ってた!)」
結構内心はどきどきの連続であり、俺の心境は物凄く複雑だった。
まるで、もうすぐ壊れそうな橋を一人で渡るのと同じくらいのドキドキ感だ。
俺は目をつぶっているからよくは分からないけど…多分まだしているんだろう…だって、目をつぶった分声が良く聞こえてくるから…
やばいぞ…俺に妄想力が無いからまだ良かったけど、妄想力があったらもう一気に想像してしまって興奮してしまう…
このままでは本当に時間の問題だ…ここは、あの方法を使うしかない…
「はぁ……もう駄目だ…」
あの方法…そう、自分自身を言葉で傷つけ、悲しみや恨みの感情しか心にでないようにする方法だ。このモードに入った俺を戻すには、俺が前向きに物事を考えるようになればいいだけ…
まぁ、いらないけど時には使える俺の特技ってやつかな?
「はぁ…愛ってなんなんだろう…希望…?もう少年のあのころに消えたよな…
友達?一人親友がいたけど俺を捨てて結婚して今ジパングにいますけどなにか…?いきてる意味?わからない…人生で楽しかったことは?一度も無い…今までで一番心に響いた出来事は?母の他界…はぁ…」
「あっ…はっ…くぅっ…」
目の前で自慰にいそしんでいるいいボディの女性がいるのに…俺はなんて小さな男なんだ…はぁ…
俺は、とうとう口で会わなくても物事をマイナスに考えることが出来るようになった。まぁ、こう想いながらもどうやって逃げるかを真剣に考えているんだけどね?
「今までだって…フラグっていうフラグはあったのに、俺は負け組だから物に出来なかったし…これからだってきっとそうだ…何をやっても人並み以下…出来ることといったら家事程度…戦闘力2のゴミ…はぁ…なんで俺ってこんな性格なんだろう…」
「あっ!も、もう…ら…めぇっ!」
……外から見たら、今の俺達ってかなり変だよな?
一人は自慰してるし、もう一人はそれを見ながら泣きかけてるし…
「あふっ…い…いっちゃ…あひゃ…あ…あぁ…」
…コレはチャンスか?少し拘束が緩んだ…よし!マイナス思考モード解除!!
ここからいつものテンションで一気に逃げ切ってやるぜ!
「俺って…やっぱり運補正がかかってるぜ!!ひゃっはー!!」
「あれ?デメトリオさん…結婚はどうするんですか?」
「マリーちゃんか…君には後で話があるから覚悟して置く事だ…さて、走りながら谷の道を教えてもらうよ?」
「えぇ…走りながらですか〜…まぁ、いいですけど…この道をまっすぐ行って赤い木を右に曲がるんです!後…やっぱり、あの人のことを見てきたいので…私はここではぐれますね?」
ちょ…しまった…まだ文句とお礼の両方言ってないのに…
そう思いながら、俺達はこの森から早く出るため…俺は逃げるために森の中を走り続けた。
しばらく走り続けたところで…目の前に赤い木が見えてきた…えっと、ここをどっちに曲がるんだっけ?
少しだけ俺達は赤い木の前で止まり、真剣にどっちに曲がるべきだったかを思い出していた…そうだ、この時は棒倒しで倒れたほうに行こう!
俺達は棒をしっかりと固定し、棒が倒れるのを待った…
………来た!!右だ!!俺は右に行くぜ!
そして、この出来事も嵐のように過ぎ去った…
……まさか、俺はあの木のところで道を間違えたのでは…?
そう思わず思ってしまうほど、俺達は森の中を走り続けていた。
もう足は半端じゃないほどの痛みだ…おもにふくらはぎと足の裏が…
「どう思う?コレって…道を間違えているんじゃないかと思うんだけど…」
「あ!あたいもそう思っていたところ!まったく…マリーちゃんたら馬鹿なんだから!」
「私はあってると思いますけど…違うんでしょうか?」
………馬鹿と頭の中の考えが同じなんて…
俺は違うところでショックを受けた。
どうやら俺達の進んでいる道は間違いではないようだ。
……さらに走り続けること30分…ようやく森を抜けることに成功した!
まさか…ここまで遠いなんて…俺の体力はほとんど0に近い状況だな…
だが、俺の目の前には俺が落とされた谷に戻ることが出来る道が広がっている…ようやくみんなと会えるんだ!
一緒にいたときは結構酷いことを言われ続けたりしていたけど…やっぱり仲間がいるというのは何か違う…それに、俺の宿が待ってるしな!
あいつら…俺の宿に何かしてないだろうな…?
こういう風に思っていたところだが…一つ!大事なことを忘れていた…
谷に着いても肝心のあいつらを見つけなきゃ意味無いじゃん!それに今、先にいるかそれとも後から来るのか分からない状況だし…
「…デメトリオさんはこれからどうするんですか?」
不意に後ろからメアリーが話しかけてくる…どうするって?何も考えて無かったからなぁ…でも、ここで別れてしまうと俺が一人に…それは危険だ…なんとしても阻止しなければ…
結果的には…一緒に行動したいというのが本音かな…?
「俺は…君達と一緒にしばらく行動したいけど…どうせ、俺の仲間がこの谷のどこにいるか…」
「あぁーーー!!デメトリオ!!崖から落ちたと思っていたのに…なんでこんなところにいるのじゃ!?……まぁよい!おーい!みんなー!デメトリオはいたぞー?」
………本当にタイミング悪いよな…なんで言い終わる前に仲間が俺を見つけるんだよ…
「……デメトリオ…崖から落ちたときはもう死んだものかと思っていたわ…」
「俺もですよメリィ…もう…あれですね、がーっと死んだものと思いましたね」
「あの高さから落ちてもいきているとは…これも貴殿が頑張って体を鍛えた賜物だと…」
「運が良かっただけですって!というか、何でみんな俺がいきていることに驚いた表情を浮かべているんですか!?」
……まさか、本気で俺は死ぬだろうとか思っていたんじゃないだろうな…
もしもそうだったとしたら…俺ってどれほどザコだと思われているんだろうな……
「あの子達は誰?」
「あぁ…あの子達は俺が森で一人冒険していたときに出会った仲間って所かな?ワーシープがメアリーちゃん…あの綿毛がきーちゃん…あそこの馬鹿とニート小娘はルタとリバティーっていうんだ…」
「あ…どうもよろしくお願いします!」
……相変わらずメアリーは真面目だな…だが、そこがいい!!と思ったら負けらしいですよ?
あ、こっちの話です…気にしないでくれよ?
「まさか…私が見ていない間にデメトリオを調教してたりしないよねーー!?」
「ん?あ…なんか同類の匂いがする!わかった、あんた最強で天才でしょ!」
「るーちゃん、人目で見抜くなんて凄ーい!!あははーー!」
「え…?天才…天才…うん!!私こそがかの有名な調教女帝…キュラス様よ!」
「おおーー!!やっぱり…あたいの読みは正しかったか…」
なんだろう…やけにすぐに溶け込んでいってるけど…あんなにすんなりと行くものなのか…?
「お兄さん…よかったです!無事で…」
「あぁ…セムちゃんか…君くらいだよ…俺のことを本気で心配してくれるのって…」
もしも…セムちゃんが良家の4女じゃなければ…結婚したいくらいだぜ!
まぁ…身分の違いとかって結構重要視されるから別にいいんだけどね?
「むっ…あなた…怠け者ですね!?こういうのを見るとほっとけない…アイネさん!」
「ん?ジュンコか…?どうかしたのか?」
「あの怠け者のアントアラクネの根性を…デメトリオと一緒に叩きなおしてあげてください!」
「むぅ…デメトリオだけでも結構大変なのだが…おい!貴殿…」
「はい?なんですかー?何か力仕事とかそういうのだったら別の人に頼んでくださいよー?私はデメトリオさんに寄生して生活するまでしか頑張りたくないんで…」
「なるほど…よくわかった…任せておくがよい!私が精神を叩きなおしてやろう!」
………誰か俺の噂でもしてたのかな…急に寒さが走りぬけたんだが…
まぁ、そんな事はどうでもいい!今はとにかく俺の宿に戻って自分の部屋で寝
る!これに越したことは無いぜ!
……そうして、俺は寝るために自分の宿屋をルービックキューブ状態から元に戻したんだが…なんだこれは!?
お…俺の宿がぁ!!た、大砲がついてやがる…しかも4つも!!
あれじゃあもう宿屋じゃねえじゃねえかよ!!宿屋仕事を再開しても誰も来なくなるだろうが!!ゾーネ…絶対にあいつだな…?
「おい!ゾーネ!!」
「ん?何じゃデメトリオ…?」
「なんだよアレ!!」
「あぁ…あれがわしの発明した究極砲台アルテマイドじゃ!!物凄い火力はミリタリーファン達を魅了…」
「今すぐはずせ!!勝手に宿をカスタマイズしていくんじゃない!!」
「む〜…仕方が無いのぅ…」
そういいながら、手元のボタンをゾーネはポチッと押した。あっという間に砲台が小さくなり、まるでおもちゃのような大きさになった。
ゾーネ…確かに賢いんだろうけど…俺の私物や俺で実験するんじゃない!
……やっぱり、仲間と出会ったら出会ったで問題だな…
そう思いながら、俺は自分の部屋に入ったのだった…
はぁ、また…頭が痛くなりそうだぜ…
12/02/13 21:00更新 / デメトリオン
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