106 誰もが予想した帰還
〜〜〜ナッカーサーの視点でスタートします!!〜〜〜
デメトリオの馬鹿がいなくなってから早1時間…俺はもう流す涙も渇き、サリィちゃんを背負った状態でテレポーテーションシステムを動かしていた
デメトリオの遺品は…見ているとつらい気分になってくるから、あの研究施設においてきたんだけどな…?
メガロス帝国も城が崩れ去ったこともあいまって、もう終わりだし、この土地を離れる時にはデメトリオの墓を建ててやって遺品をそこに灰にして埋めてやるつもりだからさ…
その時まで、悪いけどあの部屋に置いておくぜ?
そして、俺が緊急用のテレポーテーションシステムを起動すると、転送されて移動した先に、なんと残っていた全員がいたんだよ!!
そうか…ケイだな?
「ナッカーサー!!こっちからテレポーテーションシステムで移動しようとしても出来なかったんだけど…何があったんだ?」
「ゴルガーが、どうやら研究施設の電力系統に細工をしていたみたいでな…今は復旧しているんだが…まぁ、そんな事はいいじゃねぇか…えっと、彼女がサリィちゃんだな?ほらよっと…」
「サリィっ!!ふぅっ…よかったわ…」
「まぁ、後少ししたら目を覚ますと思うぜ?じゃあみんな、まずはモンスターラグーンの皆さんの拠点に移動させて貰うとしようぜ?いいですよね?」
「別にいいわよ?ところで…デメトリオはまだ戻ってこないのかしら?相変わらず、何にしても遅いわね…まぁ、これから先も長い付き合いになるんだろうからいいんだけど…」
メリィからデメトリオの名前が出たとたん、また俺の心に思い何かがのしかかってきたんだ…
やっぱり、デメトリオの死とも正面から向き合わないとダメか…
正直、俺だって認めたくないんだ…それなのに、俺の口から死んだって事を伝えさせるなんて…酷い奴だよお前は…
「デメトリオは…死んだよ、あの馬鹿は俺達を助けるために電力室に電力を補給しに行って死んだ…だから、待っていてもあいつはここに来ないぜ?」
俺がそういった瞬間、場の空気が少しだけ暗くなったのを俺は感じたんだが、それと同時に俺の言い方に少しだけむっと思った奴がいるって事も俺は感じ取ったんだ
まぁ、確かに俺の言い方を聞いて、非常な奴だと思った奴もいるかもしれないが…俺だって、本当はあいつのことを無下に扱いたくは無いよ?
でも、ここでいくら悲しんでも死んだ奴が戻ってくることは無いのが世の中だ
もし戻ってきたら、それはアンデッドになったか死ななかったかの二択だろ?
だったら、早く忘れたほうがいい…
まぁ、こんなことを思いながら一生その出来事を引き摺ってしまう男が俺なんだがな…?恐らく俺は、一生あの時にデメトリオが部屋から出て行ったことに気がつかなかったことを引き摺ると思うぜ?
「ナッカーサーさん…いくらデメトリオが馬鹿だったとしても…その言い方はないんじゃないですか?まるで、死んでよかったみたいに聞こえますよ!」
「そうですっ!!いくらミーシャさんの夫だからといっても、許せませんよ!命を軽く見ているような言い方は…」
「だが…それでもあいつは馬鹿だろうが!!俺は自己犠牲の精神を自分で行おうとする奴(俺は除く)が大嫌いなんだよ!どうして自己犠牲なんて馬鹿げた考えにいたるのか、まったくわからない!!それに、あんた達にとってデメトリオは取るに足らないその辺の奴じゃないか!!だったら…それだったら…」
俺がちょっと彼女たちに言い返していると、いきなりサリィがメリィの腕に抱かれた状態で目を覚ましたんだ…
だが、俺は自分の口から出る言葉を止めることが出来なかったんだよ…
「デメトリオが死んだって事に関して、とやかく言わないでくれよ!!」
「……え?な、何?姉さんがどうしてここに…?それにデメさんが死んだとかどうとか…え…?え…?」
「さ、サリィ…まさかこのタイミングで目を覚ますなんてね…とにかく、ハグしてもいいかしら?ぎゅってしたいのだけれど…」
「それより姉さん、今の状況についていけてないんだけど…詳しく説明してくれないかな?」
「いいわよ…」
それから、メリィの説明が始まったんだが…メリィがデメトリオが死んだと告げたとき、サリィはまだ信じられないって表情を浮かべていたんだよ…
まぁ…いきなりだからな、信じられないのも無理は無いが…
「嘘…よね?姉さん?」
「残念だけど…本当よ?……将来の結婚相手は私が責任を持って見つけてあげるから、デメトリオの事は忘れなさい?」
「そ…んな…そんな事が…」
……きついだろうな、心境は…
でも、おそらく彼女もこの出来事を乗り越えて幸せな家庭を築くんだろうって考えると、デメトリオも可愛そうだぜ…
なんせ、忘れられるんだろうからな…
でも大丈夫…俺だけは覚えておいてやるからよ
「とにかく、サリィも私達が拠点にしていた場所まで行きましょう?泣くのはそれからでもいいでしょう?」
「うぅっ…うわあぁぁぁぁぁんっ!!」
「……サリィ…」
「メリィさん、ここは泣かせてあげたらどうですか?泣きたい時に泣くのはいいことですから…ね?」
……ここで凄くいい事をいう俺たちの王様…
デメトリオだったら…嫉妬したんだろうな
そしてその後、俺たちはサリィが泣きつかれてメリィの腕に抱かれてまた眠ってしまうまで、ずっとそこにいたのだった…
「じゃあ、みんな…サリィが寝ている間に移動するわよ?いいわね?」
「あぁ…いいけど、後を追いかけていけばいいんですよね?」
「えぇ…私とサリィ…あとモンスターラグーンのメンバーは先に行っておくから、後からのんびりと来なさい?」
こうして俺たちは、モンスターラグーンの拠点と呼ばれる場所に移動することになったのだった…
〜〜セムちゃんの視点に変更します〜〜〜
私は他の人たちがいなくなったのを確認して、そっと他のメンバーの方たちが移動するのとは逆の方に移動を始めた
行くところは当然だが決まっている…デメさんのところだ…
他の人たちがデメさんを見捨てても私は違う…私はデメさんがどんな状況になっていたとしても…ふふっ…ふふふっ…
今、デメさんに起こっている死って事実はきっと私の告白を聞かなかったから、神様が起こしてくれた天罰に違い無いの…
でも、大丈夫…私がデメさんの遺品を見つけて…死ぬまで大切にしてあげるからね?
親の規則の厳しさが嫌になって屋敷から飛び出した日、デメさんが一日だけ私を部屋の一室に泊めてくれた…あの日から、わたしとデメさんは結ばれることが決まっていた…天命だったの…
それに、私に手に入らないものがあるはずが無い…私はグロリア家の四女なんだから…ありえないでしょ?
そ・れ・に…デメさんは恐らく私がまだ子供だから遠慮したんだろうけど、本当は私が好きだったに違いないでしょ?でも、愛があれば年齢なんて関係ないって思っている私には関係ない話だったんだよ?
私はそう思いながら、ナッカーサーさんが動かしていた機械を動かし始めたの
ちゃんと丁寧にふりがなまでしてくれているから、私でも読める…
サリィって名前の鳥とデメさんが仲よさそうにしていたのは知っていた…
でも、最後に選ばれるのはあの鳥では無く私…私なの!!
ふふっ…私が死んだ後でも…死後の世界で探し出して、一緒に仲良く暮らそうね?デメさん?
そして私は、デメさんが死んだ場所に移動したのだった…
〜〜〜デメトリオ視点に変更します!!(やっぱり生きてたかとかいわないで下さいね…(汗))〜〜〜
薄暗い部屋の中で、俺は変な痛みを感じて目を覚ましたんだ…おかしいな?俺は爆発に巻き込まれて死んだはずじゃ…?
それとも、この部屋が死後の世界とでも言うのか?俺はそんなことを考えながら立ち上がったんだけど…
変に両手足の感覚もあるし…俺が思っていた死後の世界とはだいぶ違うんだな?
……いや、待てよ?ジェラシカに精神的に乗っ取られたときのほうがなんか、死んだって感じに近かった気がする…
まさか…いやぁ…まさかなぁ…アレだけ死にたくないってぼやいていたのに、死なずに生き延びたなんて事は…
確かめてみる必要はあるけど、そんな馬鹿なことが…
それからしばらくの間、俺は自分の身体を引っ張ったり、つねったりしていたんだが…結論を言わせてもらうと…
俺、生きているじゃないか!!
えぇっ!?死にたくないとかそんなことを言っておきながら、生きてるの!?
生きていることを素直に喜ぶべきところなのかもしれないが…それでも俺はあのときの自分の心境を考えると素直に喜べないんだが!?
…それに、生きていたとして、ここはどこなんだ?
俺が爆発に巻き込まれたときにいた電力室とはまた違う場所のように見えるけど…?
俺はそう思うと、部屋の中を調べ始めたんだ…まぁ、早めに脱出しないと、唯一爆発から逃れたこの部屋がいつ火の手に攻撃されるともわからないだろ?
それからしばらくの間、俺は部屋の中を調べ始めたんだが…
入り口はおそらく俺の倒れていた場所のすぐ近くにあるあの瓦礫の山の部分だろうけど、出口が見つからないんだよ!!
いや…そもそも、俺が入ってきた場所でさえ、扉が合った様子は無い…部屋の中には、必要最低限生活できる程度の家具しか置いてないし…
なんだ?この部屋は…?あっ…あれか?隠し部屋って奴なのか?それだったら、入り口が無いのもうなずけるけど…
でも、その場合出口が見つからないと俺がこの部屋から出られないわけで…非常に困るんだよな…
薄暗いから、出口に気がついてないだけかもしれないけどさ…
……そうだ、まずはこの部屋の明かりを探すか?それで、明るくなったところで、念入りに調べればいいじゃないか!
で、俺が必死に時間をかけて明かりを探していると、天井からぶら下がっている紐のようなものを見つけたんだよ!!
これが明かりのようだな…案外楽に見つかってくれたからよかったぜ…
「この紐…ただ引っ張ればいいだけだよな?なぁ?」
なんて、俺は誰もいないのに聞いてみて、紐を引っ張ったんだよ!!
辺りに物凄い光が…
目が慣れてくると、ようやく部屋の中が以前よりわかりやすくなっていることに気がついたんだよ!!
やっぱり、俺が探したとおり…部屋には必要最低限の家具が置いているだけ…入り口らしき入り口も、出口も見つからない…
なんだろうか?昔、新聞についていた脱出ゲームって記事の状況に似ているんだが…あれなのかな?
そうだなぁ…部屋においてある家具はテーブル、タンス、ベッド、冷蔵庫、キッチン、本棚、ゴミ箱だけだし…調べてみるかな?
俺はそう思うとすぐに冷蔵庫を調べ始めたんだ…もし、この部屋から出る手段が無かったとき、食料があるのかが気になってさ…
冷蔵庫の中を開けてみると…中には非常食として沢山の乾パンが置いてあったんだ…消費期限を見てみても、後1年は大丈夫のようだ…
でも、乾パンだけで生き延びるってのも、なんだか嫌だな…
俺はそう思うと、乾パンを少しだけ食べて、冷蔵庫を閉めたのだった…
次に向ったのはキッチンだけど…ここも珍しい調味料が置いているだけで、他にこれといったものは…ん?
俺はキッチンから離れようとしたとき、フライパンの裏側に紙が貼り付けてあるのが見えたんだよ…
なんだ?この紙…数字の3が書かれているけど…まったく、フライパンの裏にゴミを貼り付けるなよな…
そう思ってゴミ箱に紙を捨てようとすると、ゴミ箱の底のほうで何かが光ったのが見えたんだよ!!
あれは…鍵?まったく、どうして鍵をゴミ箱に捨てているんだよ…常識的じゃないな…
まぁ、そんなことを言いながら俺は鍵を拾ったんだ…扉も何も無いのに、どこの鍵なんだか…
次に俺はベッドを調べにいったんだ…おそらく、この部屋の中では結構大きい家具に入るんじゃないのか…?
どこからどう見てもセミダブルベッドなわけだが…結局、出ることが出来なくなったらこのベッドで寝るの俺1人だし…
でもまぁ…少し埃っぽいけどよく手入れされてるなぁ…前に誰かがこの部屋を使っていたときに、さぞ大事に使っていたに違いない…
んっ…ベッドの奥の方に何か大きなものが…これは、鏡か?どうしてこんなところに…?
俺が鏡を取り出してみると、鏡の裏には6って数字が掘り込まれているだけの、普通の鏡がそこにあったんだよ
もう、本当に何の変哲も無い普通の鏡だよ!ひねりも何も無い、まさに普通の鏡!!
まぁ…あって困る事は無いだろうけどさ…?
今度、俺が調べに行ったのは本棚だが…なんだか、物凄くいろいろなカバーの本が色もばらばらに本棚に入れられている以外、特に変わったところは無いな…
それにしても、この部屋を前に使っていた人は几帳面なんだか、そうじゃないのかよくわからないな…
そうだな…もしもここに住んでのんびりと脱出の計画を立てなきゃいけない状況になったとき、気晴らしによむ本には困らなさそうだし、並べておくか?
俺はそう思うと、各カバーの本を話ごとに並べ始めたんだが…あれ?赤色のカバーの本だけ一話足りないじゃないか…
よほど、前にこの部屋に住んでいた人が好きな本だったのかな?まぁ、別にいいんだけどさ?
しいて文句を言うとしたら、この本棚…本を入れるスペースがばらばらって所だけだし…
さて…じゃあ次に調べるのは…タンスかな?中にはいったい何が入っているんだろうか…?
そう思いながらタンスを開くと、中には一着だけ丁寧にハンガーで吊るされた服が…こ、これは…かっこいい服だな…
でも、サイズ的に俺は着ることができないかな…?俺がもう少し若かったら着ることが出来たかも知れないけどさ…
そう思って扉を閉めると、俺はタンスを動かした跡が床にあることに気がついたんだよ!!
このタンス…動くぞ?俺でも、力をいれればなんとか…そう思ってタンスを動かしてみると、小棚がタンスの裏にあったのを俺は見つけたんだよ!
……怪しい…明らかに怪しいぞあの棚は…調べてみるか?
そう思って、俺は小棚を調べてみるが…この棚には鍵がかかっていたんだ
…まぁ、どう考えても俺が通ることが出来る大きさの棚じゃないしな…今はスルーでいいかな?
さて…次はテーブルだが…テーブルの上には何も載っていない…本当にただのテーブルが部屋のちょうど真ん中にあったんだよ
装飾が細かなテーブルクロスがかかっている大きさ的にも普通な丸いテーブル…調べることなんてなさそうだけどな…
……おや?このテーブル、横のほうに小さなボタンがあるじゃないか…
押してみるか…?いや、でも…そう簡単に押していいものなのか…?
ええい…押してみるか!!
俺はそう思い、恐る恐るボタンを押したんだが…変な音がしたと思うと、テーブルの上に鏡置きが出てきただけなんだよ
なんだよ…拍子抜けだな…まぁいいや、鏡でも置いておくかな…
さぁて…次はテーブルの下でも…おや?なんだ…床の材質が変わった…?ここだけ金属のように硬いし冷たいんだが…
これは…テーブルを動かしてみるしかないのかな?
「くそっ…重いな…いや、しかし…なんとか動かせるか…?」
なんて言いながらテーブルをある程度動かすと、テーブルの下から変な扉が…
しかも、俺が通れそうな大きさの扉が出てきたんだよ!!おぉっ…これは、脱出できそうな予感…
そう思って扉を引いてみるが…鍵がかかっているようにビクともしなかったんだ…
「何だよこの扉…硬いじゃないかよ…開かないのか?」
…んっ?扉の横にこれ見よがしに何か機械が埋め込まれているな…これは、数字を打つところか?なんだか、電卓のようなものがあるんだが…
あぁっ…そうか、わかったぞ!!ここで数字をうって当たったら扉が開くシステムだな?まったく、面倒なことをしてくれちゃって…
まぁ、どうせ8桁だし、適当に打てば当たるだろ…えっと、11111111っと…
【はずれ…デス…本日打ち込める残り回数は…2デス】
なんだとぉっ!?か、回数制限がある…!?
そんな大事な事ははじめに言ってくれないと困るじゃないか!!
んっ…?機械板の横に何か彫ってあるな…何々…?
【・食するべき場所、常日ごろから火をともさずして出来ること無し
・一度答えを外してみる事、さすれば、答えが見えることもあるなり…
それ以上は無いと思えよ
・知識の宝庫は時として人を欺くなり、目に見えるものすべてが正しくは無い
・布団の中には状況を打破する重要なものがある、しかし、それを二度信じてはならない
・生きたいなら食せ、そして長く生きたいならば食すものは割って増やせ
・タンスの中に、先人の残したものがある、最も役に立たないもの
が一番役に立つときがある
・ゴミとしてすぐに何でも捨てるのは愚者、されどすぐに使うも愚者である
】
なるほど、意味がわからない…でも、ヒントが7つあるし、横には数字を打ち込む場所…
あれか?数字を打ち込むヒントなのだろうか?はっ…そういえば…
俺はこのタイミングであることを思い出した…フライパンの裏に数字が書かれた紙があったってことを…
そして、確か鏡の裏にも…まさか、この文字はヒントなのか…!?
ってことは、この部屋の中には他にもヒントが…そうだな、探してみるか!!
そして、俺は一度部屋の中から見つけたものを並べてみたんだ…
3と書かれた紙、6と彫られた鏡、タンスの中にあった服とそれを吊っていた∞←こんな形のハンガー
乾パンとそれが入っている箱、ゴミ箱から見つけた鍵
以上、これが俺が見つけた物だけど…
そうだな…まずは服を調べてみるかな…?紙と鏡は数字が書かれているから、おそらくヒントだろうし…
えっと、服の中には…ナイフか?あと、蛇のおもちゃ…ヒントになるようなものは特には無いなぁ…
ナイフにも蛇のおもちゃにも数字は書かれていないわけだし…
なんだ…収穫なしか…
えっと…次は乾パンと箱だが…貴重な食料を割れとかヒントであったな…割ってみるか?
そう思って乾パンを割るが…当然、中に数字があるわけも無く…貴重な食料が無くなっただけだった…
多分この箱にも…ってあれっ!?後ろに数字が…って11だとっ!?一桁じゃないじゃないかよ!!
くそっ…期待しただけってか!?ちくしょーーーっ!!
…最後は鍵だが、本当に普通の鍵だよな…はっ…!?そういえば、鍵を使う場所がタンスの裏にあったな…
よし…早速使いに行くか…?
俺はそう思うと、鍵と鏡を手に持って、鏡をテーブルの鏡置きのところにおいて鍵を開けることにしたんだ
だが…妙にあのヒントが引っかかるんだよな…これはゴミ箱に合ったわけだから、最後のヒントに近い気がするけど…
鍵を捨てるのは馬鹿ってのは分かる…でも、使うのも馬鹿ってのは分からないな…
何か、意味が…って、あぁっ!?鍵の先に小さな文字で2って書かれているじゃないか!!なるほど…こういうことか…
さぁて、ヒントのうちひとつは解き明かしたぞ…じゃあ、鍵を使うぜ!?
俺はそう思いながら扉を開いたんだ…
中には…あの本棚の抜けていた本が一冊置いてあった…
って、あれっ!?これだけ!?嘘だろ!?
くそっ…何か大切なものが入っていると思ったのに…
まぁいいや…じゃあ本を戻すとするかな…
そして本を戻した瞬間、俺は隠された数字がどの数字かがわかったんだよ!!
そうか…そういうことだったのかあのヒントは!!
それに…なるほど、答えにちゃんと騙しが入っているな…なんだ、ヒントどおりに動けば簡単じゃないか!!
……余りに展開が速いじゃないかって思うだろうけど、これは読者のみんなに数字を当ててもらおうって作者からの問題だからな…
頑張って当ててくれ!!別に俺が物凄く頭がいいとかそんな事は無いから勘違いはしないでくれ?
そうだな…俺からのヒントは…
【一つ目…
本棚の形は I−−−−−−−−−−I ■…本を置けない不便スペース
I■■■○○○○○■■I ○…俺が並び替えた本たち
I■■■■■■■○■■I △…俺が見つけた本
I■■■■■■■○■■I
I■■■■■■■○■■I
I■■■○○○○△■■I
I■■■○■■■■■■I
I■■■○■■■■■■I
I■■■○■■■■■■I
I■■■○○○○○■■I
IーーーーーーーーーーI
かな?不便な本棚だなとか…言ってはいけないぜ?
本棚が意味不明な形と思ったら…実際に丁寧に書いてみてくれ…紙に
次に、二つ目のヒントは物じゃない、文をよくよんでくれると分かるけどね?
最後に、数字はヒントどおりに打ち込むように!!】
さぁ…頑張ってクリアしてみてくれ!!
…まぁ、次回の話で俺が答えを言うけどね?これが作者の本気の問題かな…正解だと思う数字を感想欄にでも書いて見て欲しい!!
では…話の続きといこうかな?
扉の下にあった階段を下りていくと、俺は小さい通路についたんだよ…
この薄暗い道がいったいどこにつながっているのか…それはまったく分からないんだが…まぁ、行くしかないんだろ?行ってみるさ…
しかしまぁ…本当に運がよかったな俺は…まさか、まさかだよ?俺が生きているなんてな…
あの状況だから、今回は確実に死んだと思ったんだけどなぁ…
…ん?あれは上に向かう階段じゃないのか…?間違いない!!微妙に明かりと煙が流れ込んでいるじゃないか!!
どうでもいいけど、出口も隠しているんだな…不便じゃないのか?
いやまぁ、隠されて無いと隠し部屋なんて言わないんだろうけど…
そして、俺は階段を上り終わると、その微妙に明かりが漏れている場所を調べ始めたんだ…
これは…トメル板じゃないのか!?なんでこんな凄く燃えにくいけど脆い木材を使っているんだ…?
しかもこの感じ…一枚しか張っていないんじゃないのか?いいのかこれで?
……確実に作るとき、手を抜いたな…
「よし…じゃあ壊すぞ…おりゃあぁぁぁぁっ!!」
バキィッ!!
よしっ…えっとここは…見たことがあるぞ!?ここはあのシェルター部屋のすぐ近くの廊下じゃないか!!
ところどころの爆発跡が、どれだけ凄い爆発だったかを物語っているが…よく無事だったなこの板…
俺はそう思うと即座にシャッター部屋に移動したんだよ!!
……ここで一言、火事が起こったときは火よりも煙が怖いってよく聞くけど、多分火事現場に直面したら火のほうが怖いと思う気がする
そうですね、どうでもいいことですね…
シャッター部屋に移動すると、そこで俺は本来ならそこにいないはずの人物と遭遇したんだよ…
そう、セムちゃんだ!!セムちゃんが1人で俺がこの部屋に残したはずの持ち物をあさっていたんだよ!!
……ナッカーサーとサリィの姿が見えないって事は、二人は安全にこの建物から脱出したんだろうけど…どうしてセムちゃんがここにいる?
そして、どうして俺の持ち物を手に持って顔を近づけているんだ…?あんな子だったか…?
「おーい、セムちゃん?そんなところで1人で何をしているんだ?」
「っ!?あれっ…!?で、デメさん!?どうしてこんなところに!?」
「いやぁ…爆発で吹き飛ばされたと思ったら隠し部屋にいっちゃってさぁ…セムちゃんはどうしてこんなところにいるんだ?危険だから戻ったほうが…」
「その…デメさんを探しに…」
「えぇっ!?俺を探しに来てくれたのか!?まったく…無茶しちゃって…さぁて、じゃあセムちゃんも一緒に帰ろうか?多分、俺の宿屋にでも移動している頃だし…」
俺はそう言いながらセムちゃんのほうを見たが…セムちゃんはうれしそうな表情を浮かべたまま動く気配を見せなかったんだよ
まさか、ずっとここにいるわけにもいかないのに…どうしたんだ?セムちゃんは…?
「おーい?帰ろうぜ?みんなが待ってる…」
「…えっ?どこに帰るんですか?別にここに住めばいいじゃないですか…隠し部屋…あったんですよね?だったら…」
「…はい?いやいや…帰る場所があるんだから、早めに帰らないと…俺が死んでいないってことをみんなに言わないといけないし…」
「そんなの別にいいじゃないですか…生活できる状況であったなら、別にこの廃墟でも生活できますよ?食料なら私がとってきてあげますし」
……どうしてこんなにセムちゃんは戻りたがらないんだ?セムちゃんだって早く自分の故郷であるフェルス興国に戻りたいだろうに…
それに、俺は一応サリィと結婚の予定がだな…せっかくの最高なイベントが待っているのに…ここにとどまる理由が見つからない…
まぁ…セムちゃんだったら説明すれば分かってくれるだろ…モンスターラグーンのメンバーの中では常識人だし…
「俺、サリィのところに戻らないと…」
「……っ!!あの鳥のどこがいいんですかっ!!デメさんには私がお似合いなんです!!ここで二人、永遠に暮らしましょう!!」
「待ってくれよ…セムちゃんはグロリア家の四女なんだぜ?だったら…絶対に俺じゃないほうが将来的にだな…」
「なぜですか?なぜなんですかっ!?愛があれば…家なんて関係ないでしょう!?あぁっ…本当は、デメさん私に遠慮しているんでしょ?」
「いや…まぁ少しは…でもさ、大体、セムちゃんはまだ子供じゃないか…結婚を考えるのはもう少し後でも…」
「別に私に遠慮しなくてもいいんですよ?だって、私はデメさんを愛しているんですから…デメさんも当然私を愛しているに決まっています!」
「いや…ちょっと?話聞いてる?ねぇ?」
「私はデメさんの一番大切な人ですから、私もデメさんが一番大切なんですよ?そりゃあもう…この手に持ったカマで優しく身体を傷つけるのに躊躇しないくらい…」
「それはやめて欲しいね…ってか、そもそも俺はもうセムちゃんの告白を正面から断ったし、それにメリィからサリィの結婚話をどうするのか持ちかけられたとき、セムちゃんはその場にいた…」
「あれは夢だったんですっ!!どうしてそんなひどいことを言うんですか…?そうかぁ…照れ隠しですね?そうなんですよね?そうじゃないと…うふっ…うふふふふふっ…」
……セムちゃん、俺が見ない間に…いったい何があったんだ…?
あんな怖い雰囲気をかもし出していたか…?いや…それ以上にだが…
セムちゃんがこっちに微妙に近づいてきているのを見て…俺は恐怖を感じているんだが!?
待て待て…デメトリオ…相手はまだ10歳前後の子供だぞ…?何をそんなに恐れているんだ…?
「ふふっ…デメさん?どうして後ろに行っているんですかぁ?まさか…私から逃げませんよね?私、そんなことされたら泣いちゃいますよ?ねぇ…デメさんっ!!」
「ひゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「どうして…にげるんですかぁっ!?デメさぁんっ!!」
俺は気がつくと、後ろのほうに向き直って逃げる準備を始めたわけだが…
えっ…?なるべく逃げないように生きるんじゃなかったかって?それはそれ…これはこれだ…
しかし、能力的に考えると俺のほうが圧倒的に不利で…
「きゃっ!?ふみゅっ…」
んっ…?なんだ…?
俺はそう思いながら後ろを振り向いてみたんだが…そこにはなんと、足元の小石につまづいて倒れこみ、気絶しているセムちゃんの姿があったんだよ…
……今日の俺は、本当に運がいいのか悪いのかわからないな…
ま、まぁいいや…セムちゃんを背負って今のうちにみんなのところに戻るかな…
俺はそう思うと、セムちゃんを背中に背負ってテレポーテーションシステムを起動したのだった…
そしてしばらくの間、俺はセムちゃんを背中に背負って歩いたわけだが…しかし、遠くから見える俺の宿屋の見た目がまたずいぶんとこっけいなものに…
ゾーネ…俺がいない間にまた勝手に外装を変えやがったな…
あとできつく言って置かないとな…それより今は、とにかく早くみんなの顔が見たいよ
そう思いながら歩いていると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきたんだ…
「デメトリオかっ!?くそっ…おいっ!!この馬鹿っ!!こっちだこっち!!」
「ナッカーサーかっ!?置いていくなんてひどいじゃないかよ!!」
「うるせえよ馬鹿っ!!……おかえり」
「……あぁ…」
「さっ…お前の嫁が泣いているぜ?セムちゃんは俺が部屋に連れて行ってやるから、早く行ってきな…」
……まったく、自分の気持ちを余り表に出さない奴の相手は疲れるぜ…
ナッカーサー、やっぱりいい奴だな…
さぁて…それじゃあ俺はサリィに会いに行くかな…?
俺がそう思って自分の宿屋の扉を開くと、サリィがこっちを見て、本当にうれしそうな笑みを浮かべて飛んできたんだ…
「さて…旅の話は帰りながらゆっくり出来るんだし…メガロス帝国の人たちも戻る場所は無いんだから…みんなでフェルス興国に戻りましょうか?」
こうして、俺の変に長くて非常識に満ち溢れた冒険はひとまず終わりを告げたのだった…
あまり経験したいことではなかったけど…でも、将来自慢話にはなるくらいの出来事をけいけんしたから…よかったと思うぜ?
俺はそう思うと、今まで進んできた旅路を引き返し始めたのだった…
帰りはまた…ずいぶんと大勢だなぁ…
これは、楽しい旅になりそうだぜ…
デメトリオの馬鹿がいなくなってから早1時間…俺はもう流す涙も渇き、サリィちゃんを背負った状態でテレポーテーションシステムを動かしていた
デメトリオの遺品は…見ているとつらい気分になってくるから、あの研究施設においてきたんだけどな…?
メガロス帝国も城が崩れ去ったこともあいまって、もう終わりだし、この土地を離れる時にはデメトリオの墓を建ててやって遺品をそこに灰にして埋めてやるつもりだからさ…
その時まで、悪いけどあの部屋に置いておくぜ?
そして、俺が緊急用のテレポーテーションシステムを起動すると、転送されて移動した先に、なんと残っていた全員がいたんだよ!!
そうか…ケイだな?
「ナッカーサー!!こっちからテレポーテーションシステムで移動しようとしても出来なかったんだけど…何があったんだ?」
「ゴルガーが、どうやら研究施設の電力系統に細工をしていたみたいでな…今は復旧しているんだが…まぁ、そんな事はいいじゃねぇか…えっと、彼女がサリィちゃんだな?ほらよっと…」
「サリィっ!!ふぅっ…よかったわ…」
「まぁ、後少ししたら目を覚ますと思うぜ?じゃあみんな、まずはモンスターラグーンの皆さんの拠点に移動させて貰うとしようぜ?いいですよね?」
「別にいいわよ?ところで…デメトリオはまだ戻ってこないのかしら?相変わらず、何にしても遅いわね…まぁ、これから先も長い付き合いになるんだろうからいいんだけど…」
メリィからデメトリオの名前が出たとたん、また俺の心に思い何かがのしかかってきたんだ…
やっぱり、デメトリオの死とも正面から向き合わないとダメか…
正直、俺だって認めたくないんだ…それなのに、俺の口から死んだって事を伝えさせるなんて…酷い奴だよお前は…
「デメトリオは…死んだよ、あの馬鹿は俺達を助けるために電力室に電力を補給しに行って死んだ…だから、待っていてもあいつはここに来ないぜ?」
俺がそういった瞬間、場の空気が少しだけ暗くなったのを俺は感じたんだが、それと同時に俺の言い方に少しだけむっと思った奴がいるって事も俺は感じ取ったんだ
まぁ、確かに俺の言い方を聞いて、非常な奴だと思った奴もいるかもしれないが…俺だって、本当はあいつのことを無下に扱いたくは無いよ?
でも、ここでいくら悲しんでも死んだ奴が戻ってくることは無いのが世の中だ
もし戻ってきたら、それはアンデッドになったか死ななかったかの二択だろ?
だったら、早く忘れたほうがいい…
まぁ、こんなことを思いながら一生その出来事を引き摺ってしまう男が俺なんだがな…?恐らく俺は、一生あの時にデメトリオが部屋から出て行ったことに気がつかなかったことを引き摺ると思うぜ?
「ナッカーサーさん…いくらデメトリオが馬鹿だったとしても…その言い方はないんじゃないですか?まるで、死んでよかったみたいに聞こえますよ!」
「そうですっ!!いくらミーシャさんの夫だからといっても、許せませんよ!命を軽く見ているような言い方は…」
「だが…それでもあいつは馬鹿だろうが!!俺は自己犠牲の精神を自分で行おうとする奴(俺は除く)が大嫌いなんだよ!どうして自己犠牲なんて馬鹿げた考えにいたるのか、まったくわからない!!それに、あんた達にとってデメトリオは取るに足らないその辺の奴じゃないか!!だったら…それだったら…」
俺がちょっと彼女たちに言い返していると、いきなりサリィがメリィの腕に抱かれた状態で目を覚ましたんだ…
だが、俺は自分の口から出る言葉を止めることが出来なかったんだよ…
「デメトリオが死んだって事に関して、とやかく言わないでくれよ!!」
「……え?な、何?姉さんがどうしてここに…?それにデメさんが死んだとかどうとか…え…?え…?」
「さ、サリィ…まさかこのタイミングで目を覚ますなんてね…とにかく、ハグしてもいいかしら?ぎゅってしたいのだけれど…」
「それより姉さん、今の状況についていけてないんだけど…詳しく説明してくれないかな?」
「いいわよ…」
それから、メリィの説明が始まったんだが…メリィがデメトリオが死んだと告げたとき、サリィはまだ信じられないって表情を浮かべていたんだよ…
まぁ…いきなりだからな、信じられないのも無理は無いが…
「嘘…よね?姉さん?」
「残念だけど…本当よ?……将来の結婚相手は私が責任を持って見つけてあげるから、デメトリオの事は忘れなさい?」
「そ…んな…そんな事が…」
……きついだろうな、心境は…
でも、おそらく彼女もこの出来事を乗り越えて幸せな家庭を築くんだろうって考えると、デメトリオも可愛そうだぜ…
なんせ、忘れられるんだろうからな…
でも大丈夫…俺だけは覚えておいてやるからよ
「とにかく、サリィも私達が拠点にしていた場所まで行きましょう?泣くのはそれからでもいいでしょう?」
「うぅっ…うわあぁぁぁぁぁんっ!!」
「……サリィ…」
「メリィさん、ここは泣かせてあげたらどうですか?泣きたい時に泣くのはいいことですから…ね?」
……ここで凄くいい事をいう俺たちの王様…
デメトリオだったら…嫉妬したんだろうな
そしてその後、俺たちはサリィが泣きつかれてメリィの腕に抱かれてまた眠ってしまうまで、ずっとそこにいたのだった…
「じゃあ、みんな…サリィが寝ている間に移動するわよ?いいわね?」
「あぁ…いいけど、後を追いかけていけばいいんですよね?」
「えぇ…私とサリィ…あとモンスターラグーンのメンバーは先に行っておくから、後からのんびりと来なさい?」
こうして俺たちは、モンスターラグーンの拠点と呼ばれる場所に移動することになったのだった…
〜〜セムちゃんの視点に変更します〜〜〜
私は他の人たちがいなくなったのを確認して、そっと他のメンバーの方たちが移動するのとは逆の方に移動を始めた
行くところは当然だが決まっている…デメさんのところだ…
他の人たちがデメさんを見捨てても私は違う…私はデメさんがどんな状況になっていたとしても…ふふっ…ふふふっ…
今、デメさんに起こっている死って事実はきっと私の告白を聞かなかったから、神様が起こしてくれた天罰に違い無いの…
でも、大丈夫…私がデメさんの遺品を見つけて…死ぬまで大切にしてあげるからね?
親の規則の厳しさが嫌になって屋敷から飛び出した日、デメさんが一日だけ私を部屋の一室に泊めてくれた…あの日から、わたしとデメさんは結ばれることが決まっていた…天命だったの…
それに、私に手に入らないものがあるはずが無い…私はグロリア家の四女なんだから…ありえないでしょ?
そ・れ・に…デメさんは恐らく私がまだ子供だから遠慮したんだろうけど、本当は私が好きだったに違いないでしょ?でも、愛があれば年齢なんて関係ないって思っている私には関係ない話だったんだよ?
私はそう思いながら、ナッカーサーさんが動かしていた機械を動かし始めたの
ちゃんと丁寧にふりがなまでしてくれているから、私でも読める…
サリィって名前の鳥とデメさんが仲よさそうにしていたのは知っていた…
でも、最後に選ばれるのはあの鳥では無く私…私なの!!
ふふっ…私が死んだ後でも…死後の世界で探し出して、一緒に仲良く暮らそうね?デメさん?
そして私は、デメさんが死んだ場所に移動したのだった…
〜〜〜デメトリオ視点に変更します!!(やっぱり生きてたかとかいわないで下さいね…(汗))〜〜〜
薄暗い部屋の中で、俺は変な痛みを感じて目を覚ましたんだ…おかしいな?俺は爆発に巻き込まれて死んだはずじゃ…?
それとも、この部屋が死後の世界とでも言うのか?俺はそんなことを考えながら立ち上がったんだけど…
変に両手足の感覚もあるし…俺が思っていた死後の世界とはだいぶ違うんだな?
……いや、待てよ?ジェラシカに精神的に乗っ取られたときのほうがなんか、死んだって感じに近かった気がする…
まさか…いやぁ…まさかなぁ…アレだけ死にたくないってぼやいていたのに、死なずに生き延びたなんて事は…
確かめてみる必要はあるけど、そんな馬鹿なことが…
それからしばらくの間、俺は自分の身体を引っ張ったり、つねったりしていたんだが…結論を言わせてもらうと…
俺、生きているじゃないか!!
えぇっ!?死にたくないとかそんなことを言っておきながら、生きてるの!?
生きていることを素直に喜ぶべきところなのかもしれないが…それでも俺はあのときの自分の心境を考えると素直に喜べないんだが!?
…それに、生きていたとして、ここはどこなんだ?
俺が爆発に巻き込まれたときにいた電力室とはまた違う場所のように見えるけど…?
俺はそう思うと、部屋の中を調べ始めたんだ…まぁ、早めに脱出しないと、唯一爆発から逃れたこの部屋がいつ火の手に攻撃されるともわからないだろ?
それからしばらくの間、俺は部屋の中を調べ始めたんだが…
入り口はおそらく俺の倒れていた場所のすぐ近くにあるあの瓦礫の山の部分だろうけど、出口が見つからないんだよ!!
いや…そもそも、俺が入ってきた場所でさえ、扉が合った様子は無い…部屋の中には、必要最低限生活できる程度の家具しか置いてないし…
なんだ?この部屋は…?あっ…あれか?隠し部屋って奴なのか?それだったら、入り口が無いのもうなずけるけど…
でも、その場合出口が見つからないと俺がこの部屋から出られないわけで…非常に困るんだよな…
薄暗いから、出口に気がついてないだけかもしれないけどさ…
……そうだ、まずはこの部屋の明かりを探すか?それで、明るくなったところで、念入りに調べればいいじゃないか!
で、俺が必死に時間をかけて明かりを探していると、天井からぶら下がっている紐のようなものを見つけたんだよ!!
これが明かりのようだな…案外楽に見つかってくれたからよかったぜ…
「この紐…ただ引っ張ればいいだけだよな?なぁ?」
なんて、俺は誰もいないのに聞いてみて、紐を引っ張ったんだよ!!
辺りに物凄い光が…
目が慣れてくると、ようやく部屋の中が以前よりわかりやすくなっていることに気がついたんだよ!!
やっぱり、俺が探したとおり…部屋には必要最低限の家具が置いているだけ…入り口らしき入り口も、出口も見つからない…
なんだろうか?昔、新聞についていた脱出ゲームって記事の状況に似ているんだが…あれなのかな?
そうだなぁ…部屋においてある家具はテーブル、タンス、ベッド、冷蔵庫、キッチン、本棚、ゴミ箱だけだし…調べてみるかな?
俺はそう思うとすぐに冷蔵庫を調べ始めたんだ…もし、この部屋から出る手段が無かったとき、食料があるのかが気になってさ…
冷蔵庫の中を開けてみると…中には非常食として沢山の乾パンが置いてあったんだ…消費期限を見てみても、後1年は大丈夫のようだ…
でも、乾パンだけで生き延びるってのも、なんだか嫌だな…
俺はそう思うと、乾パンを少しだけ食べて、冷蔵庫を閉めたのだった…
次に向ったのはキッチンだけど…ここも珍しい調味料が置いているだけで、他にこれといったものは…ん?
俺はキッチンから離れようとしたとき、フライパンの裏側に紙が貼り付けてあるのが見えたんだよ…
なんだ?この紙…数字の3が書かれているけど…まったく、フライパンの裏にゴミを貼り付けるなよな…
そう思ってゴミ箱に紙を捨てようとすると、ゴミ箱の底のほうで何かが光ったのが見えたんだよ!!
あれは…鍵?まったく、どうして鍵をゴミ箱に捨てているんだよ…常識的じゃないな…
まぁ、そんなことを言いながら俺は鍵を拾ったんだ…扉も何も無いのに、どこの鍵なんだか…
次に俺はベッドを調べにいったんだ…おそらく、この部屋の中では結構大きい家具に入るんじゃないのか…?
どこからどう見てもセミダブルベッドなわけだが…結局、出ることが出来なくなったらこのベッドで寝るの俺1人だし…
でもまぁ…少し埃っぽいけどよく手入れされてるなぁ…前に誰かがこの部屋を使っていたときに、さぞ大事に使っていたに違いない…
んっ…ベッドの奥の方に何か大きなものが…これは、鏡か?どうしてこんなところに…?
俺が鏡を取り出してみると、鏡の裏には6って数字が掘り込まれているだけの、普通の鏡がそこにあったんだよ
もう、本当に何の変哲も無い普通の鏡だよ!ひねりも何も無い、まさに普通の鏡!!
まぁ…あって困る事は無いだろうけどさ…?
今度、俺が調べに行ったのは本棚だが…なんだか、物凄くいろいろなカバーの本が色もばらばらに本棚に入れられている以外、特に変わったところは無いな…
それにしても、この部屋を前に使っていた人は几帳面なんだか、そうじゃないのかよくわからないな…
そうだな…もしもここに住んでのんびりと脱出の計画を立てなきゃいけない状況になったとき、気晴らしによむ本には困らなさそうだし、並べておくか?
俺はそう思うと、各カバーの本を話ごとに並べ始めたんだが…あれ?赤色のカバーの本だけ一話足りないじゃないか…
よほど、前にこの部屋に住んでいた人が好きな本だったのかな?まぁ、別にいいんだけどさ?
しいて文句を言うとしたら、この本棚…本を入れるスペースがばらばらって所だけだし…
さて…じゃあ次に調べるのは…タンスかな?中にはいったい何が入っているんだろうか…?
そう思いながらタンスを開くと、中には一着だけ丁寧にハンガーで吊るされた服が…こ、これは…かっこいい服だな…
でも、サイズ的に俺は着ることができないかな…?俺がもう少し若かったら着ることが出来たかも知れないけどさ…
そう思って扉を閉めると、俺はタンスを動かした跡が床にあることに気がついたんだよ!!
このタンス…動くぞ?俺でも、力をいれればなんとか…そう思ってタンスを動かしてみると、小棚がタンスの裏にあったのを俺は見つけたんだよ!
……怪しい…明らかに怪しいぞあの棚は…調べてみるか?
そう思って、俺は小棚を調べてみるが…この棚には鍵がかかっていたんだ
…まぁ、どう考えても俺が通ることが出来る大きさの棚じゃないしな…今はスルーでいいかな?
さて…次はテーブルだが…テーブルの上には何も載っていない…本当にただのテーブルが部屋のちょうど真ん中にあったんだよ
装飾が細かなテーブルクロスがかかっている大きさ的にも普通な丸いテーブル…調べることなんてなさそうだけどな…
……おや?このテーブル、横のほうに小さなボタンがあるじゃないか…
押してみるか…?いや、でも…そう簡単に押していいものなのか…?
ええい…押してみるか!!
俺はそう思い、恐る恐るボタンを押したんだが…変な音がしたと思うと、テーブルの上に鏡置きが出てきただけなんだよ
なんだよ…拍子抜けだな…まぁいいや、鏡でも置いておくかな…
さぁて…次はテーブルの下でも…おや?なんだ…床の材質が変わった…?ここだけ金属のように硬いし冷たいんだが…
これは…テーブルを動かしてみるしかないのかな?
「くそっ…重いな…いや、しかし…なんとか動かせるか…?」
なんて言いながらテーブルをある程度動かすと、テーブルの下から変な扉が…
しかも、俺が通れそうな大きさの扉が出てきたんだよ!!おぉっ…これは、脱出できそうな予感…
そう思って扉を引いてみるが…鍵がかかっているようにビクともしなかったんだ…
「何だよこの扉…硬いじゃないかよ…開かないのか?」
…んっ?扉の横にこれ見よがしに何か機械が埋め込まれているな…これは、数字を打つところか?なんだか、電卓のようなものがあるんだが…
あぁっ…そうか、わかったぞ!!ここで数字をうって当たったら扉が開くシステムだな?まったく、面倒なことをしてくれちゃって…
まぁ、どうせ8桁だし、適当に打てば当たるだろ…えっと、11111111っと…
【はずれ…デス…本日打ち込める残り回数は…2デス】
なんだとぉっ!?か、回数制限がある…!?
そんな大事な事ははじめに言ってくれないと困るじゃないか!!
んっ…?機械板の横に何か彫ってあるな…何々…?
【・食するべき場所、常日ごろから火をともさずして出来ること無し
・一度答えを外してみる事、さすれば、答えが見えることもあるなり…
それ以上は無いと思えよ
・知識の宝庫は時として人を欺くなり、目に見えるものすべてが正しくは無い
・布団の中には状況を打破する重要なものがある、しかし、それを二度信じてはならない
・生きたいなら食せ、そして長く生きたいならば食すものは割って増やせ
・タンスの中に、先人の残したものがある、最も役に立たないもの
が一番役に立つときがある
・ゴミとしてすぐに何でも捨てるのは愚者、されどすぐに使うも愚者である
】
なるほど、意味がわからない…でも、ヒントが7つあるし、横には数字を打ち込む場所…
あれか?数字を打ち込むヒントなのだろうか?はっ…そういえば…
俺はこのタイミングであることを思い出した…フライパンの裏に数字が書かれた紙があったってことを…
そして、確か鏡の裏にも…まさか、この文字はヒントなのか…!?
ってことは、この部屋の中には他にもヒントが…そうだな、探してみるか!!
そして、俺は一度部屋の中から見つけたものを並べてみたんだ…
3と書かれた紙、6と彫られた鏡、タンスの中にあった服とそれを吊っていた∞←こんな形のハンガー
乾パンとそれが入っている箱、ゴミ箱から見つけた鍵
以上、これが俺が見つけた物だけど…
そうだな…まずは服を調べてみるかな…?紙と鏡は数字が書かれているから、おそらくヒントだろうし…
えっと、服の中には…ナイフか?あと、蛇のおもちゃ…ヒントになるようなものは特には無いなぁ…
ナイフにも蛇のおもちゃにも数字は書かれていないわけだし…
なんだ…収穫なしか…
えっと…次は乾パンと箱だが…貴重な食料を割れとかヒントであったな…割ってみるか?
そう思って乾パンを割るが…当然、中に数字があるわけも無く…貴重な食料が無くなっただけだった…
多分この箱にも…ってあれっ!?後ろに数字が…って11だとっ!?一桁じゃないじゃないかよ!!
くそっ…期待しただけってか!?ちくしょーーーっ!!
…最後は鍵だが、本当に普通の鍵だよな…はっ…!?そういえば、鍵を使う場所がタンスの裏にあったな…
よし…早速使いに行くか…?
俺はそう思うと、鍵と鏡を手に持って、鏡をテーブルの鏡置きのところにおいて鍵を開けることにしたんだ
だが…妙にあのヒントが引っかかるんだよな…これはゴミ箱に合ったわけだから、最後のヒントに近い気がするけど…
鍵を捨てるのは馬鹿ってのは分かる…でも、使うのも馬鹿ってのは分からないな…
何か、意味が…って、あぁっ!?鍵の先に小さな文字で2って書かれているじゃないか!!なるほど…こういうことか…
さぁて、ヒントのうちひとつは解き明かしたぞ…じゃあ、鍵を使うぜ!?
俺はそう思いながら扉を開いたんだ…
中には…あの本棚の抜けていた本が一冊置いてあった…
って、あれっ!?これだけ!?嘘だろ!?
くそっ…何か大切なものが入っていると思ったのに…
まぁいいや…じゃあ本を戻すとするかな…
そして本を戻した瞬間、俺は隠された数字がどの数字かがわかったんだよ!!
そうか…そういうことだったのかあのヒントは!!
それに…なるほど、答えにちゃんと騙しが入っているな…なんだ、ヒントどおりに動けば簡単じゃないか!!
……余りに展開が速いじゃないかって思うだろうけど、これは読者のみんなに数字を当ててもらおうって作者からの問題だからな…
頑張って当ててくれ!!別に俺が物凄く頭がいいとかそんな事は無いから勘違いはしないでくれ?
そうだな…俺からのヒントは…
【一つ目…
本棚の形は I−−−−−−−−−−I ■…本を置けない不便スペース
I■■■○○○○○■■I ○…俺が並び替えた本たち
I■■■■■■■○■■I △…俺が見つけた本
I■■■■■■■○■■I
I■■■■■■■○■■I
I■■■○○○○△■■I
I■■■○■■■■■■I
I■■■○■■■■■■I
I■■■○■■■■■■I
I■■■○○○○○■■I
IーーーーーーーーーーI
かな?不便な本棚だなとか…言ってはいけないぜ?
本棚が意味不明な形と思ったら…実際に丁寧に書いてみてくれ…紙に
次に、二つ目のヒントは物じゃない、文をよくよんでくれると分かるけどね?
最後に、数字はヒントどおりに打ち込むように!!】
さぁ…頑張ってクリアしてみてくれ!!
…まぁ、次回の話で俺が答えを言うけどね?これが作者の本気の問題かな…正解だと思う数字を感想欄にでも書いて見て欲しい!!
では…話の続きといこうかな?
扉の下にあった階段を下りていくと、俺は小さい通路についたんだよ…
この薄暗い道がいったいどこにつながっているのか…それはまったく分からないんだが…まぁ、行くしかないんだろ?行ってみるさ…
しかしまぁ…本当に運がよかったな俺は…まさか、まさかだよ?俺が生きているなんてな…
あの状況だから、今回は確実に死んだと思ったんだけどなぁ…
…ん?あれは上に向かう階段じゃないのか…?間違いない!!微妙に明かりと煙が流れ込んでいるじゃないか!!
どうでもいいけど、出口も隠しているんだな…不便じゃないのか?
いやまぁ、隠されて無いと隠し部屋なんて言わないんだろうけど…
そして、俺は階段を上り終わると、その微妙に明かりが漏れている場所を調べ始めたんだ…
これは…トメル板じゃないのか!?なんでこんな凄く燃えにくいけど脆い木材を使っているんだ…?
しかもこの感じ…一枚しか張っていないんじゃないのか?いいのかこれで?
……確実に作るとき、手を抜いたな…
「よし…じゃあ壊すぞ…おりゃあぁぁぁぁっ!!」
バキィッ!!
よしっ…えっとここは…見たことがあるぞ!?ここはあのシェルター部屋のすぐ近くの廊下じゃないか!!
ところどころの爆発跡が、どれだけ凄い爆発だったかを物語っているが…よく無事だったなこの板…
俺はそう思うと即座にシャッター部屋に移動したんだよ!!
……ここで一言、火事が起こったときは火よりも煙が怖いってよく聞くけど、多分火事現場に直面したら火のほうが怖いと思う気がする
そうですね、どうでもいいことですね…
シャッター部屋に移動すると、そこで俺は本来ならそこにいないはずの人物と遭遇したんだよ…
そう、セムちゃんだ!!セムちゃんが1人で俺がこの部屋に残したはずの持ち物をあさっていたんだよ!!
……ナッカーサーとサリィの姿が見えないって事は、二人は安全にこの建物から脱出したんだろうけど…どうしてセムちゃんがここにいる?
そして、どうして俺の持ち物を手に持って顔を近づけているんだ…?あんな子だったか…?
「おーい、セムちゃん?そんなところで1人で何をしているんだ?」
「っ!?あれっ…!?で、デメさん!?どうしてこんなところに!?」
「いやぁ…爆発で吹き飛ばされたと思ったら隠し部屋にいっちゃってさぁ…セムちゃんはどうしてこんなところにいるんだ?危険だから戻ったほうが…」
「その…デメさんを探しに…」
「えぇっ!?俺を探しに来てくれたのか!?まったく…無茶しちゃって…さぁて、じゃあセムちゃんも一緒に帰ろうか?多分、俺の宿屋にでも移動している頃だし…」
俺はそう言いながらセムちゃんのほうを見たが…セムちゃんはうれしそうな表情を浮かべたまま動く気配を見せなかったんだよ
まさか、ずっとここにいるわけにもいかないのに…どうしたんだ?セムちゃんは…?
「おーい?帰ろうぜ?みんなが待ってる…」
「…えっ?どこに帰るんですか?別にここに住めばいいじゃないですか…隠し部屋…あったんですよね?だったら…」
「…はい?いやいや…帰る場所があるんだから、早めに帰らないと…俺が死んでいないってことをみんなに言わないといけないし…」
「そんなの別にいいじゃないですか…生活できる状況であったなら、別にこの廃墟でも生活できますよ?食料なら私がとってきてあげますし」
……どうしてこんなにセムちゃんは戻りたがらないんだ?セムちゃんだって早く自分の故郷であるフェルス興国に戻りたいだろうに…
それに、俺は一応サリィと結婚の予定がだな…せっかくの最高なイベントが待っているのに…ここにとどまる理由が見つからない…
まぁ…セムちゃんだったら説明すれば分かってくれるだろ…モンスターラグーンのメンバーの中では常識人だし…
「俺、サリィのところに戻らないと…」
「……っ!!あの鳥のどこがいいんですかっ!!デメさんには私がお似合いなんです!!ここで二人、永遠に暮らしましょう!!」
「待ってくれよ…セムちゃんはグロリア家の四女なんだぜ?だったら…絶対に俺じゃないほうが将来的にだな…」
「なぜですか?なぜなんですかっ!?愛があれば…家なんて関係ないでしょう!?あぁっ…本当は、デメさん私に遠慮しているんでしょ?」
「いや…まぁ少しは…でもさ、大体、セムちゃんはまだ子供じゃないか…結婚を考えるのはもう少し後でも…」
「別に私に遠慮しなくてもいいんですよ?だって、私はデメさんを愛しているんですから…デメさんも当然私を愛しているに決まっています!」
「いや…ちょっと?話聞いてる?ねぇ?」
「私はデメさんの一番大切な人ですから、私もデメさんが一番大切なんですよ?そりゃあもう…この手に持ったカマで優しく身体を傷つけるのに躊躇しないくらい…」
「それはやめて欲しいね…ってか、そもそも俺はもうセムちゃんの告白を正面から断ったし、それにメリィからサリィの結婚話をどうするのか持ちかけられたとき、セムちゃんはその場にいた…」
「あれは夢だったんですっ!!どうしてそんなひどいことを言うんですか…?そうかぁ…照れ隠しですね?そうなんですよね?そうじゃないと…うふっ…うふふふふふっ…」
……セムちゃん、俺が見ない間に…いったい何があったんだ…?
あんな怖い雰囲気をかもし出していたか…?いや…それ以上にだが…
セムちゃんがこっちに微妙に近づいてきているのを見て…俺は恐怖を感じているんだが!?
待て待て…デメトリオ…相手はまだ10歳前後の子供だぞ…?何をそんなに恐れているんだ…?
「ふふっ…デメさん?どうして後ろに行っているんですかぁ?まさか…私から逃げませんよね?私、そんなことされたら泣いちゃいますよ?ねぇ…デメさんっ!!」
「ひゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「どうして…にげるんですかぁっ!?デメさぁんっ!!」
俺は気がつくと、後ろのほうに向き直って逃げる準備を始めたわけだが…
えっ…?なるべく逃げないように生きるんじゃなかったかって?それはそれ…これはこれだ…
しかし、能力的に考えると俺のほうが圧倒的に不利で…
「きゃっ!?ふみゅっ…」
んっ…?なんだ…?
俺はそう思いながら後ろを振り向いてみたんだが…そこにはなんと、足元の小石につまづいて倒れこみ、気絶しているセムちゃんの姿があったんだよ…
……今日の俺は、本当に運がいいのか悪いのかわからないな…
ま、まぁいいや…セムちゃんを背負って今のうちにみんなのところに戻るかな…
俺はそう思うと、セムちゃんを背中に背負ってテレポーテーションシステムを起動したのだった…
そしてしばらくの間、俺はセムちゃんを背中に背負って歩いたわけだが…しかし、遠くから見える俺の宿屋の見た目がまたずいぶんとこっけいなものに…
ゾーネ…俺がいない間にまた勝手に外装を変えやがったな…
あとできつく言って置かないとな…それより今は、とにかく早くみんなの顔が見たいよ
そう思いながら歩いていると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきたんだ…
「デメトリオかっ!?くそっ…おいっ!!この馬鹿っ!!こっちだこっち!!」
「ナッカーサーかっ!?置いていくなんてひどいじゃないかよ!!」
「うるせえよ馬鹿っ!!……おかえり」
「……あぁ…」
「さっ…お前の嫁が泣いているぜ?セムちゃんは俺が部屋に連れて行ってやるから、早く行ってきな…」
……まったく、自分の気持ちを余り表に出さない奴の相手は疲れるぜ…
ナッカーサー、やっぱりいい奴だな…
さぁて…それじゃあ俺はサリィに会いに行くかな…?
俺がそう思って自分の宿屋の扉を開くと、サリィがこっちを見て、本当にうれしそうな笑みを浮かべて飛んできたんだ…
「さて…旅の話は帰りながらゆっくり出来るんだし…メガロス帝国の人たちも戻る場所は無いんだから…みんなでフェルス興国に戻りましょうか?」
こうして、俺の変に長くて非常識に満ち溢れた冒険はひとまず終わりを告げたのだった…
あまり経験したいことではなかったけど…でも、将来自慢話にはなるくらいの出来事をけいけんしたから…よかったと思うぜ?
俺はそう思うと、今まで進んできた旅路を引き返し始めたのだった…
帰りはまた…ずいぶんと大勢だなぁ…
これは、楽しい旅になりそうだぜ…
12/12/04 21:34更新 / デメトリオン
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