連載小説
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99 メガロス帝国最後の希望
ふぅ…結構歩いたなぁ…そろそろメガロス城に着いてもいいと思うんだが…
そう思いながら、俺はケイの研究所の地下通路を歩いていたんだが…
薄暗いし、もう30分は歩いてるだろうし…一体何時になったらつくんだよ…
さっきから同じような道がずっと続いているだけだし…疲れて動きたくない気分だぜ…

俺がそう思いつつ、少し休憩するかなと足を止めた時だった
なんと、すぐ近くの道からメガロス兵士の声が聞こえてきたんだよ!!
こ、これは…もうメガロス城は近いって事じゃないのか!?
よかったぁーー…さぁて、メガロス兵士と合流しようかな…

「おーい!!そこの兵士さーん!!」

「ん…?おい、何か言ったか?」
「言ってないっすよ?大体、食料庫を見に来たのにそんな無駄話している余裕なんてないじゃないですか…それに、なんだか食料庫の食べ物が1年分くらいなくなっていましたし…」

「おいっ!!無視しないでくれよ!!」

「うわぁっ!?い、いきなり話しかけてこないでくれ!!ってか、お前誰だ?」
「隊長…王様の話聞いてたんですか?最近メガロス帝国に来たデメトリオさんじゃないですか…馬鹿なんですか?」
「そ、そんなに悪く言うなよな…」

……この兵士達は、何をぶつぶつ言っているんだ?
と、とにかく…今はメガロス城に連れて行ってもらわないとな…

「なぁ…俺をメガロス城まで連れて行ってくれないか?ケイが、ここをひたすら進むとメガロス城だって…」

「え…?あぁ…初めてこの地下通路を通ったからわかっていなかったんだな…安心しな?ここがメガロス城の地下だからさ…」

な…!?ま、まさか…もうついているなんてなぁ…
それを聞いて安心したのと同時に、なんだか複雑な心境になったんだが…まぁいいだろう…
俺はそう思うと、二人のあとをついて行ったのだった…
さすがに、メガロス城の中に行けば…俺の身の安全は保障されたも同じだしね?

俺が二人のあとをついていって上の階に上がると…見覚えのある場所に出たんだけど…ここは、メガロス城のエントランスか?
あたりを見てみると…数えるくらいしか兵士が残っていないなぁ…
ま、まさか…他の兵士は全員負けてしまったとか!?
モンスターラグーン…まさか、こんなに恐ろしい集団だったなんて…
仲間でいたときは、全然そんな気はしなかったのになぁ…

「だ、ダメだ…おしまいだぁっ…!!」
「おいおい…諦めるなって!この状況で諦めたら…今まで戦った全てが無駄になってしまうだろ?」
「で、でも…あんなに沢山いた仲間が…今じゃこれだけだし…ナッカーサーさんは怖くないんですか!?」
「怖いさ…だが、それでも俺達が諦めたらダメなんだ…お前も俺も、この場所では正規の兵士だろ?あそこにいる子供や、歳をとったおじいさんを元気づけるために、ただそれだけのための空元気でもいいから、そんなに臆病になるな。いいか?」

ん…?この声は…ナッカーサーか!?
城にいたんだな…とにかく、知っている人物が無事でよかったぜ…
それにしても、兵士の方々もやっぱり怯えているようだな…
そりゃあそうだよ…この状況下はもう明らかに籠城戦ムードだから、この状況で怯えないのはおかしい…
人間として、怖いって感情は正しい事だし、負けたら敵に何をされるのかも分からない…
敗者が勝者に何を言おうと、その言葉は勝者には届かないしさ?
だから、俺は常に戦いから逃げるんだよ…
酷い目に会いたくないってのは、人間誰もが思うことだろ?だったら…逃げる事は決して悪い事じゃないと俺は思うね

「おーい!!ナッカーサー!!」
「ん…?おぉっ!?で、デメトリオじゃないか!!ケイが負けたって報告が伝達兵から届いたとき…俺はてっきりお前も巻き込まれたんじゃないかって…」
「ケイ…負けたのか…?」
「あぁ…頑張って戦ったって聞いた…これで、ミカルドも俺とディルグとクラウィスしか残っていない状況だ…しかも、まともに戦えるのは俺だけ…ディルグは偵察任務中にけがをして今治療している状況で、クラウィスは初めから戦闘できる奴じゃない…」

……ケイ、負けたんだな…
だから、あの時に俺が逃げる提案をした時、素直に逃げておけばよかったんだよ…そうすれば、負けてしまうこともなかったのに…
何においても、一番最初に考えるべきは逃走の二文字…これが戦いの鉄則だってのに…
だが…ケイが負けたって聞いたとき、俺は心の中に何かもやもやした感情がわきあがってくるのを感じたんだ…
この感情は嫉妬じゃない…嫉妬じゃないけど…なんだろう?
ケイには…なんだかんだで沢山いい事をしてもらったからだろうか?負けたって聞いたときに、逃げなかったことに関して…あまり強く言えない俺がここにいたんだよ…

「デメトリオは…やっぱり戦わないんだろ?俺の勘が正しければ、デメトリオは戦いが嫌いそうだからな…?どうしてそんなに戦いが嫌いなんだ?」
「嫌い…ってわけじゃないんだ…ただ、負けたときのことを考えると、戦いたくないんだよ」
「……負けた時かぁ…確かに、そんな事を考えてみないといけない時もあるけどな…逆に、勝った時のことは考えないのかよ?」
「無理無理…今までの人生、戦いに勝ったことなんて無いのに…そんな事考えられるわけが無いだろ?勝負事になると一度も勝った事がない俺だぜ?」
「それは…決め付けているだけなんじゃないのか?何も、やってみないとわからないことってあると思うんだけどな…」

……やってみないとわからない…ねぇ…
俺はそうナッカーサーに言われたとき、一度だけ俺もそう思って戦いを行ったことがあったことを思い出したな…
あれは…俺がフェルス興国に引っ越す前の話か…
今から15年前の話だから、6歳の時だな…
あの時、俺はいっつも一緒に遊んでいたゴルガーとミランダの二人と一緒に秘密基地にしていた教会で遊んでいると、近所で当時…子供達に恐れられていた子供集団がこの場所をよこせって言ってきた時があったんだが…
その時、ミランダの大切にしていたペンダントをその子供集団の紅一点だった女の子が気に入って、無理やりにでも手に入れようとしてきたんだよ…
それで、俺とゴルガーが二人でミランダの大切なものを盗られまいと必死で戦ったんだけど…結果は惨敗…
ゴルガーは4人にボコボコにされて、俺は…その紅一点の女子が格闘術を習っていたって事もあって、負けたんだよ…
女子一人にだぜ?それで…負けた後も反抗的な態度をとったからって寝そべっている俺やゴルガーに何度も蹴りを入れてきてさ…
ミランダの大切にしていたペンダントは取られるし、俺はお金を盗られるし…
嫌な気分でいっぱいだったよ…
でも、次からはその集団が現れたら逃げるって事をし続けて…成功したからね…
やっぱり、逃げるってのは良い判断なんだよ…
逃げるって本当に便利だ…宿屋経営時代、逃げるような出来事に出会ってきていなかったからなぁ…
今となって痛感するなんて…おかしな話だぜ…
そういえば…ゴルガーはまだ無事なのかな…?この城にはいないみたいだが…

俺がそう思いながら、辺りを見回したんだが…やっぱり、ゴルガーはいないみたいだなぁ…
ナッカーサーは子供達に心配は要らないって話しかけているみたいだし…
やっぱり、ナッカーサーは良い奴だよなぁ…

「みんな!!うどんの準備が出来たから、集まってくれ!!」
「やったぁっ!!王様のうどんだぞ!!」
「おぉ…ありがたいのぉ…」
「わーい!!僕が一番先に並ぶんだーー!!」
「あーーっ!!ずるいぞーー!!」

子供達や老人の方々がうどんを持った王様のところに向かって歩いていたんだけど…こ、こんな状況でうどんを作っていたのか王様は!?
逃げてばっかりの俺が言うのもなんだけど…そんな王様で大丈夫か!?
……良い匂いだなぁ…俺、そういえばちょっとだけお腹がすいていたんだ…
この機会に王様からうどんをもらうのも…いいよな?

「王様ーーっ!!うどんください!!」
「うわぁっ!?ちょ、ちょっと!!割り込みはやめてくださいよ!!」
「えっ…?あっ!?ご、ごめん…」
「ちゃんとルールを守って列に並ぶのが良識ある大人のすることでしょう?僕たち子供の見本になりたいなら、いいところを見せてくださいよ?」
「あ…ごめん…」

確かに…割り込みはよくないよな…自分がうどんを食べるために割り込みするなんていけないって思うよ…
まぁ…してしまったのは俺だけど…
さぁて…じゃあ列の一番後ろに並ぶとして…

こうして、のんびりとうどんの列に並んでいると…今がメリィたちとの戦い中だって事を忘れてしまう気がするよ…
俺はこんな風にのんびりと日常生活を送るだけの人生を送ると思っていたのに…今じゃあメリィには追いかけられるし、そのおかげで捕まった時の恐怖と常に戦わないといけないんだぜ?
世の中って、分からないものだよなぁ…
おっ?いよいよ次で俺の番か…

「王様!!うどんくれよ!!」
「デメトリオじゃないか!さっき割り込みした時は、注意しようかなって思ったけど、ちゃんと並んでくれて助かったよ」
「いやぁ…確かに、あの少年の言う事は正しかったからね…あの時の俺は確かに悪かったよ…」
「デメトリオは運がいいなぁ…これが最後のうどんだから…次のうどん配給は夜の7時かな…?うどん粉は沢山残っているから、食料については安心してくれ?」
「了解!!でも…うどんばかりだと子供達が飽きてこないのかな?もしよかったら、シチューくらいだったら作るよ?」
「いいねぇ…じゃあ、夜の配給が終わったら頼むよ!!さて…王様の仕事でもしてくるか…じゃあね?」

そう言って、王様は去って行ったんだよ…
王様…ゲームばかりしている青年かと思ったら、ちゃんと仕事しているんだなぁ…俺も久しぶりに、宿屋のカウンターに座りたいよ…
まぁ、かなわない願いだけど…

「あぁっ…!?お、王様のうどん…終わっちゃったのか…」
「えぇっ!?な、無いの!?」
「うわーんっ!!おなかすいたよーー!!」

ん…?彼らには食事が配分されていなかったのか…
確かに、この状況だと配給が全員にいきわたったかを確認する手段はほとんど無いからなぁ…
よしっ!!

「少年…このうどんあげるよ…」
「えっ…?で、でも…」
「いや、いいんだ…俺、別の食糧もあるしな?心配しなくても大丈夫!」
「じゃ、じゃあ…ありがとう!!おじさん!!」
「いやいや…仲良く食べるんだよ?」

ふぅっ…いい事をした後は気分がいいぜ…
ん?俺がこんなことをしているのは、なんだかおかしいって?
………どんな目で俺を見てきたんだよ…?
そりゃあ、俺だって自分の持ち物に余裕があったら分け与えたりもするさ!
いくらなんでも、自分が食べるものを常に携帯しているのにあの子供達にあげないなんてそんな屑がやるような事はしないさ…
俺がやるのは、いかなる状況でも逃げるって事と、疲れる事はあまりしない事…かな?
でも、仕方がないと思うぜ?だって…俺、宿屋店主だし…
元々、子供の時から体は痩せてて運動神経も無かったんだぜ?
そんな俺に逃げるななんて…いくらなんでも酷だろ…?
絶対に逃げるって選択肢を取るのは間違いじゃないって!!うん!!

俺は内心でそう思いながら、自分の干し肉を取り出したんだよ…
ジパングで手に入れた硬くて味もしっかりしたこの干し肉…別名を干し肉バスターソード…この武器を覚えている人は何人いるんだろうなぁ…?
圧倒的な硬度で、豆腐くらいだったら砕くことが出来るこの干し肉…これさえあれば、もしもの時にも餓死をしなくてすむって優れものなんだよ!!
しかも軽い!!これ以上に良い事はないね…

「あむっ…ふむ…この過剰な塩分を感じる味付け…やっぱりいいなぁ…」

……ん?子供達が集まってこっちを見ている…?
あぁ…俺の干し肉バスターソードが欲しいんだな?仕方がない…

「欲しいのかい?だったら…ほらっ!!その干し肉は武器にもなるんだぜ?まぁ、みんなで分けて食べるんだよ?干し肉の武器のあまりの強さにびっくりすること間違い無しだ!!」

「やったぁっ!!じゃあ…」

バキィッ!!

「僕…こっちね?」

バキィッ!!バキッ!!

な…!?お、俺の干し肉バスターソードを手で折るだとぉっ!?
恐ろしい…なんて恐ろしい子供達なんだ…!?
これは…将来が恐ろしいな…
まぁ、俺にはあまり関係ない話なんだけど…ね?
だって、彼らの将来に俺が関与するわけじゃないし…
将来くらいは、親に敷かれたレールを走ってきた俺のような行き方じゃなくて、自分で将来を決めて欲しいね…
でも、あまり夢を追い続けるのも賛成しないけど…ね?
夢や理想は自分の歩みを進める手段になる…でも、世の中には現実って物があるってことも覚えておいて欲しい…
じゃないと、俺のような大人になってしまうからさ?
俺から学べることなんて、逃げることのすばらしさくらいだし…ね?
とにかく、自分の将来は自分で決めることだ…
まぁ…心で思っていても説得力のカケラも無いけどね?


それから数時間…俺はメガロス城の中で子供達と遊んでいたわけだけど…
初めは、結構子供達も俺のことを警戒していたんだよ…
でも、しっかりと話をしたら分かり合えたからよかったな…
それを考えたら、メガロス帝国内で一番兵士や国民に信頼され、王様からも絶大な信頼をされているナッカーサーは大したものだと思うよ…
だって、今の王様が王様になった時、大臣として名前があがったらしいからね…
でも、ナッカーサーは大臣として国の政治を決めるよりは、1市民として国の行く末を見極めるって選択を取ったんだ…
つまり、地位を捨ててでもナッカーサーは国を大事に思ったって事さ!!
あれだけの信頼を寄せられるあいつは凄いよなぁ…
老人の中でも、子供達の中でも、冗談で馬鹿にする事はあれど、本気で馬鹿にする人や嫌いだと思っている人物は聞いた範囲ではいなかったんだよ!

「大変だ!!か、彼女達が…ついにメガロス城の周りを取り囲みました!!もう、正面は完璧に囲まれています!!」

伝令兵のような格好をした男がいきなり入ってきたと思うと、大きな声でそういったんだよ!!
い、一瞬で辺りが静かになったな…も、もう来たのか…!?
楽しい時間がずっと続くって事は無いんだな…は、早く逃げないと…

そう思いながら、俺は逃げる準備を始めたんだけど…な、なぜだ?
なぜ、老人や子供達も含めて、全員逃げようとしないんだ!?
こ、ここにいたら…確実に捕まってしまうんだぞ!?それだったら…逃げたほうが良い!!
逃げれば酷い目に会わなくてすむ…そうだろ?それなのに…なぜだ!?

「み、みんな!!逃げないのか!?敵がすぐそばまで迫っているって言うのに…」
「……ここには子供や老人など、長距離の移動が出来ない方々が多数いるから、逃げるなんて選択肢は使えないんだよ…わかるかい?デメトリオ…」
「お、王様…でもさ、何か乗り物を使えば老人や子供達を逃がすことが出来るじゃないか!!メガロス帝国の技術力なら簡単だろ!?逃げましょうよ!」
「……ここにいるメガロス帝国の市民達は多分…逃げないと思うな…結束力がみんな強いからさ…」
「……だからって、ここで籠城していても、いずれは負けてしまうんだぞ!?だったら、早く逃げたほうがいいって!!逃げるってのは生きている中で一番賢い方法だ!!逃げることこそ一番の選択肢なんだ!!だから…逃げましょうよ!!」

俺は王様に断固としてそう言っているが…周りの人たちの視線を見てみると…
全員がそう思っているような目をしていたんだ…
何だ…?まさか…この城の中で逃げようとしているのは俺だけなのか?さっき諦めていた兵士でさえ、震えているのに逃げようとしない…だと?
そう俺が思い、内心焦っていた時、ナッカーサーが未開封の箱を持って現れたんだよ…
ナッカーサー…何をするつもりなんだ?

「逃げることが一番の選択肢って言ったな?デメトリオ…それは違う…少なくとも、逃げる以上に必要な選択肢があるって事を…お前に教えてやる!!」
「ど、どういう意味だ?」
「俺が一人で彼女達を相手にするって事さ…お前は逃げることが一番の選択肢だと言ったが、俺はそう思わない…一番の選択肢は、自分の心に従うことさ!デメトリオが逃げるって選択肢を心のそこから選んでいるのなら、その選択肢も正しいんだろう…だがな?俺には…お前の心にも逃げたらダメな時があるって事を知る瞬間が…あると思うぜ?」
「ば、馬鹿なことを言うなよ!!一人で相手にするだって!?そんなの…死にに行くようなものじゃないかよ!!絶対にそれはダメだ!!その行為を行ったら、お前はただの馬鹿だ!!勝ち目は無いってわかっているんだろ!?」
「……俺は死にに行くんじゃない、この城にいる守るべきものを守りに行くんだ、馬鹿だって言いたいなら言えばいい…」
「ま、待てよ!!行くんじゃない!!これ以上無駄に命を散らして何になるんだ!?逃げれば死なないんだぞ!?モンスターラグーンの女性達のことだから命は奪わないのはわかっているが…それでも、痛い思いもしたくないだろ!?だったら、どうして戦いになんか行くんだ!?」
「守りたい笑顔が…あるんだよ!!行ってくる…」

……どうしてだ!?どうしてそんなに真正面からメガロス帝国の兵士達は戦いに赴けるんだ!?なぜなんだ!?
彼らには怖いって感情が…ないのか!?
と、とにかく…ナッカーサーをこれから先へといかせたくない!!
久しぶりに…本当に久しぶりにあまり嫉妬しない人物と出会ったんだ…!!
ナッカーサーと俺は一緒にゲームもした…親友になったはずなんだ!!
だったら…俺は親友を戦場には…行かせられない!!
ナッカーサーには俺と一緒に逃げて貰いたいんだ!!

「行かせないぞ!!誰がいかせてやるものかよ!!ナッカーサーは俺と一緒に逃げるんだ!!それ以外の選択肢は…ない!!」
「……なんだかんだで心配してくれるところに少々だがつながりを感じるよ…だが、悪いなデメトリオ…俺はお前も含めて…今まで散っていった兵士の分や老人…子供達の為に戦いに行くつもりだからな…」
「行くな!!絶対に…行かせないぞ!!」
「悪い……」

ドスッ…

かはっ…!?
ち…くしょぉ…ナッカーサー…この状況で…どうして戦いに行ったりなんか…
絶対に…逃げたほうがいいに決まっているのに…どうしてなんだよ…?

そう呟きながら、俺はナッカーサーが城の外に一人で歩いていくのを、ぼやけた目で見ていたんだ…
あ…の…ばかやろぉ…
12/11/02 20:32更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!

遂に…メガロス帝国の切り札であるナッカーサーの出番です…!!
彼は迫りくる魔物娘達約500人を相手に一人で戦いを挑みますが…
結果はどうなる!?
そして…デメトリオはどうなってしまうのか…!?
それを楽しみにしていただけるとうれしいです!!
ありがとうございましたーー!!

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