連載小説
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100 英雄が探した愛情
正直な話をすると…俺は、こんなところに一人で立つ事になるとは思っておらず、俺は今日もまた、メガロス帝国の中でみんなと平和に暮らしているものだとばかり思っていた…

じゃあ、そんな事を考えていた俺がどうして戦場に一人で立っているのか…
答えは簡単だ…守りたいものがあるからさ…
ここまで侵攻され、デメトリオが言ったとおり、俺も逃げれば…少しはマシな状況になっていたのかも知れない…
だが、それは一時的な物だって事も分かっているつもりなんだ

実は、いまさら話しても何の意味も持たないんだが、俺は昔…デメトリオと同じように臆病な男だった…
デメトリオのように、逃げの姿勢を何度も取る事はなかったが、それでも…
俺は臆病な男だったと思っている

昔の俺…そうだな、今から8年前の俺だったらデメトリオの逃げようという誘いに、俺は喜んで乗っただろう…


今から8年前、俺はどこの国にも属しない一人の兵士として下働きを繰り返していたんだ
この時は、俺は兵士の中でも新参者で、他の同業者の中でも一番下だったな…
元々は、親の暮らしを少しでも楽にしようと思って始めたことだが、この行動が少々…いや、大分俺にはきつかったんだ…
8年前も、今も戦争で対して変わらない事実の中に、兵士の使い捨てという事実が存在している世の中だ…
その時の俺も、何時死んでもおかしくない状況だった…
だが、俺の場合は戦いに負けるのは当然嫌だが、勝つのも嫌だったんだよ…
簡単に言えば、仕事に向いていなかったというところか?

戦争というものには、敗者は勝者に逆らうことが出来ないという、暗黙のルールが存在する…だからこそ、俺達兵士は戦いに勝って、自由に命令する権利を欲しがったんだろう…
だが、その権利がどうも俺は好きじゃなかったんだ…
戦いに勝って、負けた国の女性を勝った国の男が好き放題に犯している状況を戦場で目の当たりにして、俺は思わず勝ってよかったのかと思ったね

そのくせ、その女性の夫は命乞いをしても無残に殺されたりもした、無情な世界だった…
恐らく、兵士達の好きにされた女性の心境はとても俺の思うところではなかっただろうな
そして、そんな世界に嫌気が差しながら、我慢し続けたあるときだった…
俺は下っ端だったが、それでも初めて大敗を経験したんだ…
その時、俺は運よく逃げることに成功したが…残った同業者は恐らく…
世の中、魔物娘達が人間じゃないからという思想から、魔物娘の排除をたくらむ人間の集団もいるって聞くけど、俺は怖いのはそんな事を普通にやってのける人間だと思うね

そして、大敗を経験してから3年後…俺は逃げてばかりではどうすることも出来ない現実に差し掛かったんだ…
デメトリオはまだ、この現実にぶち当たっていないようだけど…な?
その年には兵士を引退し…といっても、引退も何も無い状況だったんだが、とにかく、普通に人生をエンジョイしていた…
エンジョイといっても、貧相な家に一人暮らし、とても豪勢だとは言えない暮らしだったんだが…それでも、人生をエンジョイしていた…
朝は新聞を町で売り、夜は当時まだ完璧だとは言われていなかった水道設備の修理に明け暮れる日々だった
給料は4銀貨と安時給だったが、それでも一日を暮らすには十分すぎるほどの生活を送っていた時、それは起こった…
その年は、俺にとっては厄年だったんだよ…

その年の春…水道設備の修理が全て終わり、俺は夜の仕事が無くなった…
これは、むしろ喜ばしいことだといえる…だが、その年、異常な程の凶作が農家を攻撃したんだ…
一気に食糧の値段は高騰し、俺は日ごろの生活を送るのが少々苦しくなっていた…
そして、母が当時、難病だといわれていた病気で他界し…俺の心境は穏やかではなかったんだ…
当然、悲しさを紛らわせるために酒も煽ったさ…
生活も苦しいのに、酒ばかり飲んでいた俺は、あっという間に借金を背負うことになってしまった…

当時、その町には悪魔の緑リボンと呼ばれていた形部狸がいたんだが、その魔物娘はとにかくお金の貸し借りにはうるさい人だった…
当時は、俺も悪魔だって言って陰口も叩いてしまったが…本人に会って謝れるなら謝りたいと今も思っている
彼女はただ純粋に自分の仕事を行っているだけだったんだからな…
その彼女がお金を取り立てに来るって日に…俺は夜逃げをするつもりだった…

だが、世の中は俺に厳しかった
いや…当然といってしまえば、当然の結果だったかも知れない
俺は逃げる前に彼女に捕まり、自分が行った行動が常に逃げの姿勢であり…結果的に、逃げてばかりでは自分にいい事があまり無いって現実に気づかされたんだ

その日、俺は酒を飲み…その町から故郷がある方向を向いて、母のことを思っていたんだ…
人は生きている限り死ぬ…そんな当たり前な現実から人は逃げることなんて出来ない…だったら、どうして人は逃げようとする?
答えは自分の中では分かっている…怖いからだ…
だが、その恐怖から逃げてばかりで、本当に…俺は後悔しないのかって…
若いながらに真剣に考えたんだよ
それから、俺は酒はあまり飲まないことにした…
そして、極力逃げたいって感情を表に出さないようにもしたんだ…

俺だって人間だ…神様なんかじゃないから、当然のことだが怖いって感情はある…これは、俺はしつこいくらいに言ったからわかるよな?
だが、その感情を表に出してしまうと…人間はその感情に流されてしまうんだ
だから、俺は怖くても逃げないと言い切るんだ

…さて、昔の話はそろそろ終わりだ
俺は心のそこでそう思うと、初めてミカルドの他の連中が作ったって武器を箱から取り出してみたんだ…
これは…ガトリングガン…?それに、軽い…
なるほど、あいつら…自分の武器の長所を俺にも分けてくれたんだな…?
……本当に、いい仲間を持ったもんだぜ…俺はさ…
今では、そんな臆病者の自分も、メガロス帝国の英雄とまで呼ばれるほどになった…
まぁ、俺は名声に興味は無いから、正直どうでもいいんだが…な?
だが、メガロス帝国の国民からそう呼ばれる…つまり、俺のことをそれだけ思っていてくれるみんなの期待には答えたい…
英雄になったつもりは無い…だが、それでも俺はメガロス帝国の国民全員の為に英雄を演じてやる!!

「…さぁ、行くぞ!!」

俺はそういうと、さっそくクラウィスが調合してくれた薬を飲み、彼女達の方を向いたんだ…
俺だってただの人間…彼女達魔物娘に生身で勝てるなんて思っていないからさ
この薬は…ただの反射神経を活性化させるだけの薬で、筋力が上昇するとか、そんな能力は無いから安心してくれ
彼女達はまるでピクニックでも始めるかのような軽い足取りでこっちに向かってきているわけだが…正直、俺の心境はそんな軽いものじゃない…

「ねぇ…あの大きな建物って、メガロス帝国の城…なんだよね?だったら、やっぱり警備とかって凄いのかなぁ?」
「分からないわよ…行ったこと無いんだから…でも、今はあまりいないわね」
「そうだねぇ…って、あれ?あそこに男の人が一人いるよ?武器を持っているみたいだけど…」
「あら…?まさか、彼一人でこんなに大勢いる私達を相手にするつもりなのかしら…?まさか…まさかね…?」

「……ここから先は通すことはできない…帰ってくれると、俺たち的にもうれしいんだけど?」

「それは出来ません!!だって、リーダーの妹さんが捕まっているって…」

……リーダーの妹さんが捕まっている…?
そうか、フェルス興国に働き手を集めに行かせたときに兵士の一人が連れてきた彼女がそうか…?
俺達からしても、彼女を帰してあげたいが…彼女は自分の意志で今、研究ポットに入っているからな…?
プログラムが暴走でもしない限り、彼女はあと1ヶ月は研究ポットから出せないんだよな
特定の手順を踏まないと、中にいる彼女にどんな危険が降りかかるか分からないし、防衛システムだって起動してしまうかも知れないからさ…
どうしてそんなに厳重に彼女をポットに入れておく必要があるのか…
それは、彼女達魔物娘の血液には特定の効力が含まれており、それがメガロス帝国ではやっている帰心病の特効薬作成の為に必要だからさ!!
俺達だって、理由もなしに彼女を連れてきたわけじゃないからな…
それに、彼女の同意はちゃんと得ている…同意を得ることが出来なかったら、俺たちは彼女をすぐにフェルス興国に送り届けていたはずだし…

……まぁ、過ぎた事は何も言えないわけだが…な?
今、確実に分かっている事は一つ…彼女達と俺たちは戦う運命にあるって事だけだ…
話し合いで解決できればいいが…彼女たちのリーダーの妹を俺達が保護しているとなってはそれも無理だろうし…
まったく、本当に…世の中ってのはわからない事だらけだぜ…

「仕方が無い…来い!!メガロス帝国の英雄と呼ばれた俺が相手をしよう…」

「え、英雄っ!?ま、また…凄い強そうじゃないですか…」
「怖がらないの!!いくらそう呼ばれていたとしても、彼は一人よ?それに…彼がどう呼ばれていようが、それはそう呼ばれているだけなんだから…」
「それもそうですね…じゃあ…」
「そう!!私達に勝てない理由は無い!!」

……来たか…
正直に言えば、彼女達は近距離攻撃を主体に…俺は遠距離攻撃を主体にしているわけだから、近づかれると非常にまずい…
だが、彼女達は今…俺の実力を読み間違えている状況のはずだ…
だったら、自分の状況を一番よく分かっている俺が彼女に負けるはずが無い!
それに…俺は今、クラウィスの薬のおかげで彼女達が凄く遅く見える!!
これなら…いけるはずだ!!

「てぇいっ!!」
「やぁっ!!」

………この速度ならっ!!

「遅いなっ!!」

カカンッ!!カンッ!!

俺は彼女達のナイフを左手グローブで殴りつけてはじくと、彼女達のすぐ真後ろに回りこみ、彼女達に当身を当てたんだ…
正直、この程度で眠ってくれるとは思っていない…だがっ!!

「これならどうだ…?このガトリングガンの弾は…ザボルグの銃の弾と同じ速度で飛ぶらしいぜ?それに、ガイウスの銃と同じ性能で…どこからでも飛んでくる…たとえば、真上とかな!!」

ダダダッ!!

「きゃっ!?」
「ふみゅう…」

うん…強い武器だ…さて、お次はあそこにいる彼女達30人を相手にするとしようか…?
大丈夫、眠らせるだけだ

「来たわよ!!みんな…油断はしないように!!」
「おぉーーっ!!」

まず、俺は彼女達のうち何人かが混乱するように色々な場所から銃弾を発生させる…そして、彼女達の陣形が少し崩れた時、一気に攻撃を仕掛けたんだ
まずは三人…そして、その後すぐに俺の近くで剣を振ってくる彼女達…
刃を横に倒して攻撃を仕掛けてくれるところを見ると…優しいんだな彼女達は…だが、俺は本気で倒すつもりでかかってこないと…勝つのは難しいと思うぜ?
自分が言うのも…なんだけどなっ!!

ガンッ!!バキィッ!!

「なっ…!?銃で私のバランスを崩したかと思うと…そのまま私の手を取り、剣を地面に思い切りたたきつけて折った!?」
「わ、私の剣も!?ほ、本当に彼は人間なの…!?」

「本気で来ないと…少しの間寝ることになるぜ?俺は…普通のザコじゃないはずだからな?」

「て、てやぁぁっ!!」

後ろからの攻撃か…やるじゃないか…
だが、少し遅いなぁっ!!

「おらよっ!!遅すぎだぜ?」

カンッ…カキィンッ!!

おっ…?俺のこの体勢での足技を剣ではじくとは…やるなぁ…
だが、俺の攻撃は足技が主体じゃ…ないんでねぇっ!!

ダダダダダダダッ…

「うぅっ…がくっ…」

ふぅ…まぁ、こんなところって、油断していたら何かが飛んできているな…
あれは…ナイフか…?遂に、俺を倒すつもりで彼女たちも攻撃を始めたって事か…
だが、クラウィスの薬を飲んだ俺には、少々そのナイフが飛んでくる速度は遅く見えるな…
飛んでくるのが見えるのなら…

パシッ…パシッ…

手で掴むのはとっても簡単ってね?

俺がそう思いながら彼女達が投げて来たナイフを捨てようとした時だ…
なんと、彼女達は魔法で作った火の玉を俺に飛ばしてきたんだよ!!
しかも…大きさは結構大きいと来た…
俺一人にあの火の玉の数と大きさはオーバーじゃないか?
だが…それでも別にいいんだけどな!!

俺はそう思うと、手に持ったナイフをあの火の玉に向かって投げたんだよ!!
昔、俺が兵士をしていた頃、噂で聞いたことがあるんだが…
炎系魔法は即発系が多いらしいぜ?だから、戦闘では何か衝撃を与える手段で攻撃を防げば、全然怖く無いってことだ…
その魔法は俺には通用しない…残念だったな?
だが、魔力を使って攻撃を仕掛けてきたその行為は…褒めてやるぜ?
お礼ってわけじゃないが…いい眠りについてくれ!!

ダダダッ…

それから1時間…俺は彼女達相手に一歩も引かず、逆に彼女達を押し始めてきていたんだよ!!
どうやら…俺やミカルドのみんなの性能が凝縮された銃は彼女達にも匹敵するようだな…
だが、これで終わりじゃないはずだ…きっと、そろそろまだまだ強い奴が出てきてもいい頃合だろ?

「てやぁっ!!」

はっ!?危ないっ!!

俺はいきなり声が聞こえてきたと思うと、遠くから剣撃を飛ばしてくる女性を見て、とっさに体を横に移動させて攻撃を避けたんだ…
早い…!?それに、何て数だ……
どうやら俺は、遂にボスクラスの女性と出くわしたようだな…

「あれを避けるとは…敵ながら見事だ!!貴殿の名前は何と言う?」

「……人に名前を尋ねるときはまず自分から…じゃなかったか?」

俺はこう言い返しては見るけれど…正直、内心はこんなに穏やかではなかった
逆に焦りに焦っていた状況だ…
本能的に相手がどれほどの実力者か…わかってしまったってところかな?

「ふむ…確かにそうだ…私の名前はアイネ…アイネ・ハルムーンだ」

「俺の名前はナッカーサー…フルネームは長いので省略させて貰うよ?」

「さて…自己紹介もすんだことだし、対戦としよう!!一騎打ちで私と勝負だ!!いいか?」

………この状況、一騎打ちを回避しても俺にいい事は無さそうだな…
俺は心のそこでそう判断すると、彼女に一騎打ちを行うって言ったんだ
勝てるかは分からない…だが、やるしかない!!

「初めに私からいかせてもらう!!【余り捨てるほどのデュランダル】!」

なっ…なんて速度の剣撃だ…!?
俺がクラウィスから反射神経を向上させる薬をもらっていなかったら、俺はあの技が何発も連続で放たれている攻撃だって気づくことも出来なかっただろうな…
だって、今の俺のこの状況でもあの技は早く見えるんだからさ…

「うおっと!?ちっ…早いじゃないかよ…」

「私の技をよけるとは…やるな…だが、そんなに大げさに攻撃を避けるものじゃないぞ?大げさに動くとそれだけ…隙もあるのだからな!!」

ヒュンッ…ヒュンッ…

なにっ!?ちぃっ…俺が避けた場所を攻撃してくるか…
やばいな…彼女、戦いなれている…
それに、攻撃をしながらもあの隙の無い構えを維持しているところから見ても…近距離の方が彼女は強い…
俺もつくづく運が無いな…

「そこまであんたのペースで戦闘を進ませてやるものかよ!!ほらよ!!」

このペースを変えるために俺は彼女に向かって、落ちていた石を投げたが…恐らく意味はないだろうな…
だったら、これからどうする…?
彼女の攻撃を避け続けても、あまり意味はないと思うし…
やっぱり、攻めるしかないか…

俺は彼女が石を剣で弾き飛ばす音を聞くと同時にガトリングガンを連射しながら彼女に特攻を仕掛けたんだ…
さすがの彼女も、どこから出てくるか分からない攻撃を避けるのは…

俺がそう思っていると、彼女は俺の攻撃を…飛んできたほうを見ずに剣ではじき飛ばしたんだよ!!
ありえないよな…だって、俺の攻撃速度は光とほぼ同じのはずだぜ…?
それを普通の顔して弾き飛ばす彼女…なんて奴だ…

「悪くない…この攻撃ならば、私もその攻撃に報いた攻撃をしなければなるまい!!行くぞ!!」

彼女はいきなり、剣を柄にしまったかと思うと腰を低くしてきたんだよ…
あの構えは昔…兵士時代にどこかで…
まさかっ!?彼女がジパングスタイルのあの技を身に着けていた…?
まずいな…この状況は…

居合い切りが来る…
物凄く隙のない攻撃…彼女が使うとなれば、速度はおそらく…今の俺でも捕らえる事はできないだろう…
何か…何かいい手は…
俺はそう思いながら、自分の周りを見たが…一つ、肝心な事を忘れていた…
俺のこのガトリングガンには…シールドがついているんだったな…
正直、彼女の居合いを防ぐことが出来るかは分からないんだが…
いや…俺はケイが作った盾の硬度を信じよう…

「てやぁっ!!」

来たか…うおぉぉぉぉぉっ!!

ガキィィィィィンッ!!

くぅっ…!?なんて振動だ…だが、彼女の攻撃を途中で防ぐことが出来て、今の彼女は隙だらけだ…
攻撃を仕掛けるなら、今しかない!!
今仕掛けなくて、何時仕掛けるんだ!!

「なっ…わ、私の剣を止めた…!?」

「驚くのはまだ早いぜ…」

スチャッ…

「顔に攻撃を仕掛けさせてもらうぜ?あんたは強すぎる…ここで眠ってくれ?目覚めたら、俺たちの事はもう無視してくれよ?お休み」

ドドドドドドドドド…

そして、容赦なく俺は彼女の顔にガトリングガンを乱射したんだ…
大丈夫…催眠弾だから、死んだりはしないさ

「くっ…ふ…かく…」
「よ、よくもアイネさんを!!」

キィンッ…バキィッ!!
ドドドドドドド…

「うぅっ…」

悪いな…今は少し、全力で戦わないといけないときなんだ…
容赦なく剣を破壊させて貰ったぜ?

ヒュヒュヒュッ…

ん…?またナイフか?まったく、少しも俺を休ませてくれないんだな…
まぁ、戦場ってのはそんなものだって知っているからいいんだけど…
俺はそう思いながら彼女たちが投げてきたナイフを足で器用にはじくと、そのナイフを手にとって、刃の部分を少し折ったんだよ…
まぁ、こんなもんだな…

「じゃあ…これは返すぜ?お嬢さん方?」

〜〜〜メリィサイドに移動します!!〜〜〜

「リーダー!!た、大変です!!先攻した部隊が…ある一人の男性に食い止められています!!それに…アイネさんが…やられたって…」

……まさか、そんな事って…
私はアイネが倒されたって報告を受けた時、思わず自分の耳を疑ったのよ…
彼女はモンスターラグーンのメンバーの中で一番強いはずなのに…
多分、私よりも強い彼女が…負けた?
メガロス帝国にまさか…それほどの猛者がいたなんて…

くっ…お、落ち着くのよメリィ…あなたはリーダーなんだから、ここで動揺をしてしまっては…
で、でも…これでは私が考えていた侵攻作戦が…
ど、どうしようかしら…?

正直、私は自分が思ってもいなかった出来事には弱いと思うの…
でも…まさかこれほどまで思い通りにいかないなんて…
正直、デメトリオが私達の元から離れていった時から、私の計画は狂いっぱなしなのよ…
あの時、デメトリオが馬鹿みたいに私達を裏切ってさえいなければ…私の計画はもう少し上手く言っていたはず…そう思うと、複雑な心境が胸を締め付けるわ…
サリィ…無事なのかしら…?サリィの身の安全はもちろん心配だけど…
まずは、アイネをも倒した彼をどうやって退けるか…これが問題ね…

「おーい…ちょっといい?」

まず、アイネを倒したって事は大勢で攻めていっても恐らく意味はないだろうし…

「聞いてるーー?」

かといって、アイネとほとんど同じ…またはそれ以上の実力を持つメンバーなんて恐らく、今のモンスターラグーンにはいないし…

「……聞いているの?」

ん…?あら…ミーシャ…どうしたのかしら?

「どうしたんですか?ミーシャ?」
「メリィ、押されているって聞いたんだけど…アイネを倒した人物がいるって本当なの?それってつまり…強者なのよね…?」
「まぁ…そうなるわね…って、どうしたの?ミーシャ」

そもそも、ミーシャが私に話しかけてくること自体が珍しいんだけど…
ミーシャ…確か、ジパングに言っていた時にデメトリオの宿屋に泊まりに来た時に私が強者のおーらを感じて…困った時に助けに来てくれるように頼んだ…
正直、謎が多い人物なのよね…
まぁ、どこ出身かとか私達にはあまり関係の無いことではあるんだけど…
そんな彼女が…いきなりどうしたのかしら?

「強い男かぁ…正直、私より強いとは思えないけど…そろそろ身を固めてもいいころよね?ちょっとだけ…見て判断させてもらうけど…ね?」

まぁ…好きにすればいいと思うけど…彼女、そんなに強いのかしら?

〜〜〜ナッカーサーの視点に戻ります!!〜〜〜

戦いが始まって早数時間…俺は今、敵である彼女達30人に周りを囲まれつつ、彼女達と互角…いや、それ以上の戦闘を繰り広げていた…
彼女達のうち、剣で攻撃を仕掛けてきた奴の手首を少し捻って剣を取り落とさせた後、その剣の柄を蹴って剣を打ち上げその剣を手に取る…
そして、彼女達のうち、槍を持っている奴の槍を切り刻むと斧を持っている奴の懐に飛び込み、体に触れないように注意しつつ斧の刃を切り取る…
そして、彼女達が無力化したときにスライディングで彼女達の包囲網から脱出すると、ガトリングガンを撃って彼女達を眠らせる…
まぁ、俺一人で出来るのはこれくらいが限界かな?

まぁ…こうやって表記すれば、俺は凄い強い奴って思われるかもしれないが…
俺だってそこらへんにいるただの男だよ?
クラウィスの薬を飲んで彼女達の攻撃が遅く見えるだけで、俺が異常に強いわけじゃない…
英雄ってメガロス帝国のみんなに言われてはいるが…俺もあいつらと同じただの人間だよ

そう思いながら、次の敵を待っていたときだった…

バキィンッ!!

「ぐはぁっ!?お、俺の…特注のアーマーが…砕けた…!?なにが起こった!?」

そう…いきなり俺の左肩の部分にあったアーマーが砕け散ったんだよ!!
俺はあまりに急に物事が起こったので、凄く困惑してしまったんだが…
まさか、整備不良か?そんなはずは無い…このアーマーは俺のお気に入りで、普段着にもしているんだから、俺が整備を怠るはずが無い…
だったら、どうして俺のアーマーはいきなり砕けた…!?

バシュッ…

な、なんだっ!?この音は…弓矢か!?馬鹿な…でも、何も飛んできていないぞ?
ま、まさか…俺の今の状態でも把握できないほどの速さの弓矢が飛んできたって言うのか!?
音よりも早い…そんな弓矢が飛んできた!?くそっ…
彼女が最強じゃなかったのか…

「ぐぅっ…!?」

気がつくと、さっき砕け散ったアーマーの場所に弓矢が深々と刺さってきた…
やっぱり、間違いない…さっき、一瞬のうちに俺の左肩が吹き飛んで行きそうな衝撃が肩を走り抜けたが…
痛みが俺に訪れるよりも先に俺が弓矢の存在を確認できた…!?
今回の敵は、今までの敵とは格が違うぞ…
しかも、確実に俺のアーマーの破損部位を貫くことが出来たって事は、恐ろしいほど正確な攻撃が出来るって事だ…

この弓矢が刺さっている方向から考えて、俺から北北西12度の位置にいるってのはわかるんだが…何時飛んでくるのか…
唯一の救いは攻撃している奴は俺を殺すつもりが無いって事か?
殺すつもりなら、初めから頭を狙ってきているだろうし…ね?
だが…俺が圧倒的に今、やばい状況に直面しているって事実には何のかわりもない!!
………クラウィスの薬をラスト2つ…飲む時が来たか…
クラウィスにはあまり飲まないように言われているんだけどな…仕方がない…
遠くから弓矢を飛ばしてきている謎の敵の攻撃に対応するには、一時的に人間離れした反射神経を身につけるしかないだろ?
クラウィスがどうして飲むなって言ったのか…理由は気になるところだけどな?

ゴクッ…

これは……何か変わったのか?周りの風景はほとんど同じように見えるが…
ってか、動くものが近くにいないから俺の体にどんな変化が起こったのかわからないな…
何かが動いてきてくれないと…

俺がそう思ったとき、遠くの方から物凄い速度で動く物体が飛んできたんだよ!
俺は慌ててその飛んできた物体を避け、手に持ってそれを掴んでみたが…
これは…矢か?
まさか…これが飛んできていた矢じゃないだろうな…?

バキィッ!!

しまったっ…矢に気を取られすぎたか…
俺がそう思うと、右肩の部分のアーマーが砕け散っていくのが見えたんだが…やけにアーマーが砕け散っていく速度が遅く感じたんだ…
なんだろうか…?まるで、スローモーションのような…そんな感じか?
それに、早く動ける気がする…
なるほど、俺は特殊な能力はこの薬には無いと思っていたが、普通にあったわけか…
早く動ける…っていっても、個人的にはいつもの速度と変わらないけどな…
まわりが遅く見えるだけなんだからさ…

それに…なんだろうな…?なんだか、微妙に体がだんだんだるくなっていっている気もする…
まぁ、大した事は無いんだろうけどさ…

おっと…大量の弓矢か…
音がするよりも早く飛んでくるから、不便なんだよな…っと!!

「ふぅ…この状態の俺なら、この速度にもついていけるぜ?弓矢なんて、当たらなければ怖くも無いからな…」

俺がそう思っていると、遂に弓矢を撃っている女性が俺のいる戦場の近くに急に現れたんだよ…
そう…俺の表現に間違いは無いぜ?急に現れたんだからな…
はっきりと言うと…俺は今の状態で彼女がここにやってくるのがギリギリ目で把握できたんだ…
あのエルフの女性が弓矢を打ってきた張本人…か…
中々、可愛いと思う…
だが、勝負事に私情は禁物だな…その油断が命取りだってシチュエーションはゲームでしっかりと把握済みだ!!

「あなた…やるじゃない、わたしの弓矢を避けることが出来た男なんて…あなたが始めてよ?と・く・べ・つ・にわたしが直接相手してあげるわよ?」

「…傲慢だな、だが…その傲慢さは自分の負けを呼ぶことになるぜ?」

なんて、偉そうな台詞を言ってみてはみるが…傲慢でいることが出来るって事は、強いって事だからな…
だって、傲慢って事は自分に自信があるって事だ…
自分が強いって思っているから、傲慢は生まれる…つまり、自分が強いって自覚していなければ彼女は傲慢な発言をしないんだ

「言ったわね…これが、避けられるかしら?」

そう言って、彼女は弓矢を構えて撃ってくるんだが…
弓矢の軌道は単純だからな…避けるのは今の俺なら…簡単だとおもうが…
そう思いながら、至近距離で彼女の弓矢をかわしたんだ…

「……ちょっと、甘いわよ!!攻撃を避けたとしても、追撃が来る可能性を考えなかったのかしら?」

「なっ…!?ぐはぁっ…!!」

ドゴゴゴゴゴゴゴ…

ちぃ…細い体つきをして、何て攻撃力だ…
やっぱり、彼女はとてつもなく強い…だが、俺は守るべきものがある…
ここで彼女が強いからと言って…諦めるわけには…いかねぇんだ!!
俺は必死に体勢を立て直し、攻撃に転じたんだ…
守ったら負ける状況だ…攻めるしかない!!

「いいのかしら?見たところ、あなたも遠距離が主体のようだけど…」

「へっ…あいにくだが、俺は近距離も…できるんだよ!!」

俺はそう言いながら、彼女に向かってガトリングガンを振りかぶる…
彼女は当然避けるが…それが狙いだ!!
ここですかさず回し蹴り…このタイミングなら、彼女の不意をつける!!

「きゃっ…!?わ、私に当てた…?この…この私に…?」

「へっ…ざまあねぇな…傲慢は負けを生むって言ったろ?」

「……本気で、行ってあげるわ!!光栄に思いなさい!!」

「俺は退けねぇんだよ!!来い!!」

俺はそういうと、彼女の動きに合わせて動いたんだよ…
薬で強制的にこんな反射神経を身につけている俺に対して、彼女は薬なんて飲んでいないからな…
正直、卑怯だと思える強さだよな…
だが、俺は彼女がいくら強いとしても…戦うしかないんだ!!

キィンッ!!カァンッ!!

彼女の攻撃にあわせて俺もガトリングガンを器用に使い応戦するが…
このまま戦いが長引けば…戦いは俺に不利かな…
どうにかして、彼女を倒さないといけないわけだから…するとしたら、隙を突く…かな?
だが、彼女には隙と呼べる隙が無いから…きつい状況だよな…

「てやぁっ!!はぁっ!!」

「こらっ!!弓矢を使って近距離攻撃をするんじゃない!!」

……くぅっ、押され始めて来たんだが、やっぱり守ってばっかりじゃダメなのか…?
攻めるしか…攻めるしかないか…だが、どうやって攻める…?
待てよ…彼女の考えの裏をつくことが出来れば…
その場合…あの方法しかないな…

「今度は俺から行くぜ…?オラァッ!!」

「あなたも遠距離武器で攻撃を仕掛けてきているじゃないの…でも、あなたが私の近距離攻撃を防ぐことが出来たのと同じで、私だってあなたの攻撃を防ぐ事はできるのよ?」

確かにな…その意見は凄く正しいよ…でもなぁっ!!
それは俺の攻撃がただの近距離攻撃だったらの話だ…そして、俺はこの攻撃で確かに近距離攻撃としてガトリングガンを用意した…
だが、それで終わりじゃないんだよ!!俺はこの時…彼女の不意をつくためにあえて近距離攻撃を仕掛けたように見せかけたんだ!!
実は俺は常にガトリングガンを撃てる状態にしていたんだよ!!
そして…俺のガトリングガンの弾はガイウスのテレポーテーションシステム(弾だけ)って特性を備えているからな…
彼女が近距離に集中している…その隙をつけるんだ!!

ダダダダダダッ…

「きゃっ!?い、いつの間に遠距離攻撃を私の後ろから仕掛けたの!?」

コンボを仕掛けるなら…今しかない!!
俺はそう思うと、彼女に足払いを仕掛けたんだよ…
俺の全力のコンボで…相手をしてやるぜ!!

「足元がお留守ですよ?そして…すかさず追撃だ!!」

足払いからつなげる回し蹴り…まずは初手だな…
そして、次の手だ!!

「まだまだ行くぜ?オラオラオラッ!!てりゃあっ!!飛んでいけーーっ!」

次の手は…連続蹴り、左手でパンチ…そして、この俺の速度を利用した蹴りだ
このコンボで終わりじゃないぜ…?彼女が飛んでいった場所に…ガトリングガンの弾の洗礼攻撃だっ!!

ダダダダダダッ…

そして、ガトリングガンの弾の威力に押されて彼女がこっちに飛んでくるのを確認して…蹴り上げる!!
蹴り技が多いとかいったらダメだぜ…?

「くはぁっ!?す、隙が無い…きゃぁっ!!」

「これで終わりとさせて貰うぜ…?せめて、今回は俺達に勝ちを譲って貰うとしようか…【ツインサテライトディメンション】!!」

俺はそう言いながら、自分のガトリングガンをフルスロットルで連射しようと思っていたんだが…
いきなり、目の前の視界が一瞬…ほんの一瞬だけ途切れたんだ…
そして、次の瞬間、体のあちこちに走る激痛…

な、なんだ!?俺が攻撃を仕掛けているのに…どうして俺がこんな痛みを味わっているんだ!?
一体…なぜだ…?

俺がそう思って考えてみると、クラウィスがどうして薬を全て飲んではいけないといったのかを思い出したんだよ…
薬を全て飲むと、自分が少しでも動くと体に普通では考えられない負担がかかる…だから、命を大切にするのなら絶対に全て飲むのはやめろって言われたんだった…
くそぉっ…その負担が、このLVの痛みかっ…?

「ふぅっ…もう…服がボロボロじゃない…覚悟してよね?この服のお礼はしっかりとして貰うんだから!!」

「あいにく…俺は、お金が無くてね……200年後に払うから…」

「……そうね、お礼はわたしとの…ごにょごにょ…でいいわよ?」

んっ…?上手く聞き取れなかったんだが…?
そして、俺がそう思うと同時に彼女の動きが目で捉えにくくなってきたんだ…
薬の効果が切れ始めているのか…?
全く、こんなに嫌なことが連続して起こるとはな…

「行くわよ…てやぁぁぁっ!!」

……圧倒的に状況は俺達が不利だ…だが、俺はここで状況が不利だからといって退く事はできない…
出来るわけが無いんだよ!!
俺は…あいつらの希望であり…英雄なんだからな!!
俺はメガロス帝国のみんなの為に…そして、デメトリオに逃げなくても戦うことが出来るって事実を伝えるために…戦うしかない!!

「くそっ…くそったれぇぇぇぇっーーー!!おらぁぁぁぁぁっ!!」

そして、次の瞬間俺は彼女の体の一部に拳をかすらせることができたが…
彼女の胸のふくらみを感じた次の瞬間、顔面に物凄い衝撃を受けていたんだ…

ドガガガガガガガガッ…

「くっ…うおぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

物凄い速度で地面を削りながら飛んでいく俺…
くそっ…体勢を取り戻すことも出来ない…だとぉっ!?
そんな馬鹿な話が…あってたまるかよぉっ!!

俺は心でそう思うと、無理やり自分の体制をその状態から動かしたんだよ…
限界を迎えているからだが痛みという名のアラームを鳴らすが…そんなのに気をとられている場合じゃない…
くぅっ…痛いな…
痛い…痛いさ…痛いけどなぁ…

「俺は…この俺は…メガロス帝国の希望であり…みんなの心の英雄なんだ…まだ、まだ負けるわけには…いかねぇんだよぉぉぉぉぉぉっーーーー!!」

俺はそう叫びながら、自分の持っていたガトリングガンを連射したんだ…
あまりの無茶な行為に、体のあちこちが限界を迎えている…
だが…俺は…俺は…まだ、終われない…
しつこいって言いたいか…?なら、言えばいいさ…

そして…俺は彼女に殴り飛ばされてある程度した場所で…強引に体勢を持ち直したんだ…
だが、体を動かす事は愚か、自分の意識を保つことすら難しい…
その状況でも、俺はあいつらの為に戦わないといけないんだよ!

「まだだ…俺があいつらにとって希望…俺があいつらの中で英雄なんだ…俺はまだ倒れない…俺はまだ…寝ない!!」

俺が口でそう言っていると、彼女が薬がすっかり切れた状態の俺でもわかるくらいの速度でこっちに歩いてきたんだ…
くそっ…動け…動け、俺の体…!!

「あなた、本当に凄いわよ…それだけ仲間を想えるなんて…それで、お礼の件だけど…あなた、私と…私と…け、け、け、けっこ…そ、その…ええいっ!!あなたは仲間のことを第一に考えているけど…あなたにも幸せになる権利はあるわ…この世界にいる全員にそれがいえるんだから…当然私にもね!」

「……なにが…いいたい…?」

「あなたは頑張ったんだから、そろそろ少し眠ってもいいんじゃない?限界…なんでしょ?」

「……へっ…どうか…な…?」

「意地を張らなくてもいいわ…あなたと戦った私なら分かるから…いいから、今は少し眠りなさい…?じゃないと…」

「じゃないと…?どうするんだ?無理やり眠らせるか…?」

「あなたにお礼として…結婚して貰えなく…なるじゃないのよ…」

……!?
け、結婚…だと…?俺はさっき、聞き間違えたのか…?
確かに、彼女は美しいと思うが…戦いをしていたんだぞ…!?
本気で言っているのか…!?本気で敵だった奴と結婚したいと思っているのか…?
は…ははっ…目がまっすぐしているって事は…彼女は本気なんだな…

「へへっ…うれしいな…だが、俺のような男は結婚するのに…ふさわしくないさ…誰もがそういうと…俺は思うぜ…?しかし、その気持ちは…うれしいな…愛…ねぇ…悪くない…か…」

俺はそういいきると、なぜか変に安心した気持ちになって、その場にようやく倒れこんだんだ…
負けたか…みんな、本当に…すまないな…
王様…あんたは国民のことを思うことが出来る珍しい王だ…
彼女達は、メガロス帝国の人たちに危害を加えないから…どうか賢い判断を…
よろしく…頼んだぜ…?

デメトリオに…俺の覚悟は通じただろうか…?
ダメだな…今の俺には、わかんねぇや…
12/11/08 20:16更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!

ついにメガロス帝国の英雄も敗れましたが…
デメトリオに彼の覚悟は通じたのでしょうか…!?
そして、デメトリオの心境に何か変化があったのでしょうか!?

本当に物語の最後が近づいてまいりました!!
次ものんびりと…楽しみに見てくださるとうれしいです!!
ありがとうございましたーー!!

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