連載小説
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脱出にはエッチが必要らしい・・・ってなんだそりゃ!?
「・・・私とエッチしましょ」
「・・・・・・はぁ?」

レイナの提示した提案に意味が分からずに素っ頓狂な返事をあげるハーリストク。

「何を言ってるんだお前・・・」
「まあ普通はそういう反応をするわね、だけど私とエッチをすれば脱出できるというのは本当よ」
「その理由はなんだ?」
「簡単な話よ、私たち魔物は精液を体内に摂取することで魔力に変換することが出来るの。今は魔力を押さえ込まれているから思う存分力が振るえないけど、あなたが私に精をくれればこの忌々しい首輪を破壊できると思うの。そうすれば後は・・・」
「なるほど・・・後はお前がこの結界を破壊して脱出するというわけか」
「そういうこと・・・それでどうする?私とエッチする?」

レイナが言っていることは実に合理的な手段だと思えた。このまま闇雲にぶつかり続けるよりも確実であることは確かだった。だがハーリストクは少し躊躇していた。何故なら彼は女性とそういう経験をしたことが一切なかったのだ。

「かなり魅力的な提案だが・・・その・・・恥ずかしい話だが俺はそういう経験は一度もしてないんだ」
「あら、それは良いことを聞いたわ♪ということはあんた童貞なのね♪」

ハーリストクが童貞だと知ると唐突にニヤニヤとし始めるレイナを見てハーリストクは恥ずかしさから顔を真っ赤に赤らめてしまう。

「わ、わりぃかよ!!!今まで戦うことしか考えたことが無かったからそんな余裕無かったんだよ!!!」
「はいはい♪わかったからそんなに怒鳴るもんじゃないわよ♪ちゃんとお姉さんが優しく導いてあげるからね♪」
「頭を撫でるな!!!」

レイナが一通りからかい終えると唐突にハーリストクの唇を奪い、深い口付けをかわし舌を口内に侵入させる。
からかっていた相手が突然キスをしてきたことに驚き最初は思わず抵抗しそうになるが当初の目的を思い出しなすがままに受け入れる。
口付けを始めて数分たったころにようやく口を離すレイナ。
あまりに長い口付けについ腰を抜かしその場に崩れてしまうハーリストク。

「はぁはぁ・・・」
「ふふふ、あなたの初めて奪っちゃったわ♪」
「・・・そうか、これも初めての内に入るんだな・・・」
「そうよ・・・でもあなたの童貞はちゃんと取っといてあげるわ」
「え?」
「あなたはドラゴンを助けたいんでしょ?それも命を懸けてでも。だったら初めてはその娘のために取っといてあげなさい」
「べ、別に俺はそいつとエッチしたいわけじゃないぞ!!!ただ、なんていうか・・・その、そう!ほっとけないだけだ!ただそれだけだぞ!」
「はいはい、そういうやせ我慢は体に毒よ」

そう言うとレイナはハーリストクの下半身に手を伸ばし股間のふくらみをさすり始める。

「うっ!」
「ほら、こんなに張り詰めて・・・・・・ふふふふふ♪」

ハーリストクの反応に気を良くしたレイナはズボンに手をかけ、ゆっくりと降ろしていく。するとレイナの顔に熱くて硬いものが勢いよくぶつかってくる。

「どうやら体は正直なようね♪」
「ば、バカ野郎!これは、アイツのことを思ってなったんじゃなくて!」
「あら?誰もさっきのドラゴンの娘のことは指摘してないわよ。ただこれからやることに対して指摘しただけだし♪」
「くっ!!!」
「もう真っ赤になっちゃって可愛い♪」
「くそ!!!からかってないで、やるならさっさとやれよ!!!」
「はいはい♪これ以上苛めたら可愛そうだしね、それじゃいくわよ♪」

ひとしきりからかったレイナはハーリストクの肉棒をそのか細い手で優しく握りこみゆっくりと上下に動き始める。その優しく甘い快楽に思わず声を出しそうになり、体を強張らせてしまうハーリストク。
レイナはそんな彼の様子を一つ一つ楽しみながら肉棒を擦りあげていく。

「凄いわ・・・あなたのココ、すっごい熱くて、硬くて、激しく脈うって、今にも暴発してしまいそう♪」
「うう・・・や、やめて、くれ、っ!!!・・・は、はず、かしい、だろう」
「声もうわずって、もう今にもイッちゃいそうなのね・・・いいわ、イカせてあ・げ・る♪」

そういうとレイナはスピードをあげてイカせるための動きに変える。主にカリ首といった、性感帯を中心に擦り確実に射精に導いてゆく。あまりの快感にさらに体を強張らせ、石の床を必死に掴もうと指はせわしなく動き、どんどん弓なりに体を仰け反らせてゆく。

「っ!!!も、もう、ダ、ダメ!!!っ〜〜〜〜〜!!!」

ついに限界を向かえ射精をしそうになった瞬間だった。
レイナはすばやく肉棒を口に入れ、玉袋をやんわりと揉みしだきながら口に含んでいない根元の部分を激しく擦り、その先端を口の中で嘗め回したのだ。

「がっ!!!っ〜〜〜〜〜!!!!!」

一瞬目から火花が出たかと思うほどに激しい快感に襲われ、ハーリストクは限界まで反り返り、レイナの口の中に勢いよく射精してしまう。
その量はレイナの想像を超えていたのか少しむせてしまいくぐもった声をだしてしまうのだが、それでも口を離すことなく壊れた蛇口のごとく出てくる精液を飲み込み続けた。
ようやく精液が出て来なくなったのがわかるとレイナはまだ残っている残り汁を吸いだすべく、思い切り吸い込みチューという音を立て始める。
快感を吐き出し恍惚に浸っていたハーリストクは新たな快感に体を震わせ声にならない悲鳴を上げてしまう。
永遠に続くのではないかと感じられた快感もそれは唐突に終わりを迎える。全ての精液を吸い尽くしたレイナが肉棒から口を離したのだ。

「ん。はぁ〜、凄い量ね。思わずむせちゃったわ」
「はぁはぁはぁ、お、終わった、のか?」
「そうね〜」

レイナは静かに目を閉じる。すると空間が一瞬歪むような感覚に襲われたと感じた瞬間。

バリン!!!

レイナの魔力を押さえ込んでいた首輪があっけなく砕け散ったのだ。

「どうやら、成功のようね♪」
「そいつはよかった」
「でも、まさか一回で事足りるとは思わなかったわ。あと2、3回は絞る予定だったのに」
「いや待て、お前は俺を殺す気か?こんな強烈な快楽あと2、3回も受けたら楽に死ねるぞ」
「いやね〜こんな美味しい精を持ってる奴を殺すわけ無いじゃない♪それに案外人間ってしぶといもんでそう簡単に死にはしないわよ♪」
「本当か?」
「・・・たぶん」
「目をそらすなー!」
「まあ、いいじゃないとりあえずこれで目的は達成出来るんだし、ね♪」
「・・・まあいい、それじゃ早いとこやってくれ」
「はいはい・・・でもいきなり破っていいの?」
「はあ?何言ってんだこっちは一秒でも時間が惜しいんだ!さっさとやってくれ!」
「だって」
「だって?」
「そんな格好のまま脱出する気?」

そうハーリストクは忘れていたのだ。自分の下半身が情けなく露出してるということを。

「それを早く言えー!!!!!」

自分の失態に全開で赤面し、やり場のない怒りの咆哮が地下牢に木霊した瞬間だった。


  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


所変わって、ここは地下牢の看守室。
そこには暇を持て余したのか一つのテーブルを4人で囲いカードゲームを楽しんでいる兵士達がいた。

「よし、ショーダウンだ」

全員が頷きカードを順にさらけ出していく。

3カード
2ペア
ストレート
4カード

「ちっ、またお前の勝ちかよ」
「ツイてるな」
「へっ、まあな」
「なんでその運を別に生かせないんだよ」
「それを言うなよ」

どうやら一人バカヅキで勝っている者がいるようだ。

「しかし、この仕事は暇だよな」
「ああ」
「いいじゃねえか、ここに居るだけで金がもらえるんだからよ」
「そりゃそうだが、こんだけ暇だとさすがにな」
「お前の強運で何か面白いことでも引き起こせないのか?」
「無茶言うなよ」

そんな他愛も無い雑談をしている時だった。

ドガーン!!!!!

『!!!!!』

突然の爆音に一斉に振り返り、廊下を見つめる。
突然の事態に思考が停止していた兵士達だが我に帰ると血相を変えて看守室を飛び出し爆音のした方に向かう。
すると特別牢の入り口が粉々に破壊され、砂塵が浮き上がっているのが伺えた。

「な、なんだ!?何が起こってんだ!」

兵士の一人が疑問を口にした後だった。

「ば、ば、ば、ば、バカ野郎!!!!!いきなりなんつーことしてくれてんだ!」
「だって、この方が早いんだもん」
「早いんだもん・・・じゃねえよ!あんな狭いとこでエクスプロージョンなんて使ったら俺まで巻き添え食らうじゃねえか!」
「大丈夫よちゃんと防護結界張っておいたんだから」
「だから!そういう問題じゃねえーんだよ!」
「じゃあ!どういう問題なのよ!」

いきなり現れて口げんかを始める2人に初めはポカーンと眺めていた兵士達も元凶が目の前のバカ2人だと判ると一斉に剣を抜き放ち、警戒心をあらわにして近づき始める。

「お前達だな牢を爆破なんて不届きなことをしたのは!」
「そこには凶悪な罪人を閉じ込めているんだ勝手に爆破してもらったら困るんだよ!」
「いったいいつのまに俺達の目を盗んで忍び込んだのかは知らないが見つけた以上悪いが捕縛させてもらうぞ」
「今日の俺はツキにツキまくってるんだ!逃げられるとは思わないことだぜ!」

そう言いながら兵士達は捕縛を試みようとしていたが。

「誰が・・・」
「誰を捕まえるですって?」

兵士達は一つの選択ミスをしていた。相手が賊では無く、先ほど言った凶悪な罪人だということに気づかず近づいたというミスを。
それは一瞬の出来事だった。警戒していたとはいえ不用意に近づきすぎた先頭の兵士にハーリストクは即座に身を翻して近づき、無防備な顔面に右ストレートを打ち込んでいた。

「げはっ!?」

あっけなく後方に吹き飛ぶ兵士に気を取られる兵士達。
その隙を逃すわけは無く、返す左で殴りもう一人を壁に叩きつける。

「ぶがっ!?」
「野郎!」

ハーリストクの後ろにいた兵士が我に帰り、即座に剣で切りつけようと振りかぶった瞬間だった。

「あら、おいたはダメよ」

目の前にいつの間に来たのかレイナが割って入ってきていて、兵士の顔を優しく両手で掴み、妖艶な瞳で兵士の目を見つめて口付けをする。
兵士は剣を掲げてはいるものの、得体の知れない快楽に支配されてだんだんと力が抜けていき剣を後ろに落としてしまう。

「いい子ね♪それじゃお眠りなさい」

それだけいうと、兵士の目蓋はゆっくりと閉じていきそのまま床に崩れ落ちて眠ってしまう。

「おまえって、そんなキャラだっけ?」
「いきなり失礼ね。私の今の行動にどっか変な所があったかしら?」
「いや、だって俺のときはあれだけ派手に破壊系の魔法を連発してきたじゃねえか」
「あのね、私これでもサキュバスなのよ。たしかに破壊系も得意だけど基本的にはこういう魅了系の魔眼を使うのが普通よ」
「そうなのか」
「まあ、あんたの場合は精神力が無駄に高かったから全然使えなかったわけだから、しかたなくボロ雑巾にすることにしたのよ」
「仕方なくで俺は殺されかけたのか・・・つうか、今ボロ雑巾にっていいやがったなこの野郎!」
「いや、実際にそれくらいの勢いでやらなかったらこっちがやられていたわけだし、ここはお互い様ということで」
「ふん、まあいい。それよりもだ」
「あ、あ、あ・・・」

ハーリストクが目の前をみると、足がすくんでいるのか動けずに固まっている兵士が居た。

「おいお前!」
「は、はい!」
「今この教団はどんな動きをしているか知っているか?」
「は、はい!現在は北の農村地帯に住むというドラゴンの討伐に向かうため遠征中でございます!」
「兵力は?」
「守備隊10名を残しほぼ全隊で遠征されました!」
「なっ!?ほぼ全隊でだと!!!」

セルリアン教団支部は総勢200人ほどで構成されている支部であり、今の話の通りだと約190人はサラナの元に向かったということである。

「あの野郎が!何考えてやがるんだ!!!いくらドラゴンとはいえ、あんなドジな奴になんでそんなにつれていく必要があるんだよ!!!」
「恐らくは、その娘をとてつもなく強い存在として噂を流し、教団が全力で戦い殲滅をしたという武勇伝の材料にするためじゃないかしら」
「とことん性根の腐った野郎だぜ!」
「これは急いだほうが良さそうね、いくらドラゴンでもさすがに数の暴力はキツイ者があるわ。それにドジなんでしょう?」
「ああ、間違いなくドジだ」
「余計にキツイわね。仕方がないわ私の転移魔法で送ってあげるわ」
「いいのか?」
「ええ、できれば一緒に行ってあの太っちょにお灸をすえてあげたいけど少し魔力不足で一人が限界なのよね」
「そいつは残念だが、俺一人でも行けるならそれでもいい飛ばしてくれ」
「装備はどうするの?」
「こいつを持っていくから大丈夫さ」

そういうとハーリストクは先ほど殴り倒した兵士から剣を取り示す。

「そんな装備で大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない。俺はいつもこういった安物の装備しか使わせてもらえなかったからな」
「鎧くらい着けていってもいいんじゃない?」
「ダメだな、こいつらがつけてる鎧じゃ動きが遅くなるだけ出し、第一俺にサイズが合ってない」
「それじゃしょうがないわね。それじゃ送るわよ」
「ああ、頼む」
「それじゃ、行き先をイメージしておいてね。そのイメージを読み取って転送するから」

言われたとおりにハーリストクは行き先をイメージして転送に備え目を閉じる。

『空間と共に過ごす妖精よ、我の契約に従い、彼の者に空間を転移する力を行使したまえ テレポータ!!!』

レイナが詠唱を唱えるとハーリストクの体は淡い桃色の光に包まれその場から消失した。

「ふぅー、これでOKね。さてと・・・」
「えっ?」
「ちょっと魔力の補給に付き合ってもらうわよ。他の皆も起こして・・・ね♪」

残っていた守備隊が地下牢の異変に気づき到着したのは交代の時間になってもこないことに不審に思ったことによるものだったのだが、その時にはすでにレイナの姿も無く、4人の下半身が露出して幸せそうに気絶している姿があっただけであった。
12/11/09 00:23更新 / ミズチェチェ
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■作者メッセージ
久しぶりのドジドラの投稿です!お久しぶりです皆様、お元気ですか?まあたぶん元気だと思うんで恒例の感想返しにいこうと思います。

>zio様へ
もはやこれ感想ってレベルじゃねえよ。
こういうのはちょっと勘弁してください。

>ヒバゴン様へ
一気読みお疲れ様です。
というわけで長らくお待たせいたしました。
エロ展開ですが、今回は軽めです。
ここで本番に入ったらたたかえなくなっちゃうし。


さて無事に牢破りに成功したハーリストクはサラナを救えるのか、ほぼ無策のまま勝てるのか、気になる展開は次回を待て!
というわけで次回にお会いいたしましょう!
ではでは〜

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