公園
今日も仕事を終え、俺は帰りの電車に揺られていた。一月前までは残業とは無縁だったというのに急に仕事が増えた。
もう誰も乗っていないガラガラの電車を降り、帰り道の途中にある公園を横切るために入る。
この公園は比較的大きい公園で、朝から夕方まで子供達が居たり、犬の散歩をしている人たちが居たりする。……がもう流石にこんな時間には誰も人はいない。
「はぁ、このペースで仕事が続いたら潰れるのも時間の問題だよな」
俺は独り言をつぶやく。
「アイツらは飲み会か、元気だなぁ」
同僚はほとんどが飲み会に行った。俺は断ったのだが、はっきり言ってこの時間から飲む方がおかしいとしか思えない、明日も平日だというのに。
「まず、どこにそんなお金があるんだよ」
段々と声が大きくなってくる。
「あー今日も夕食食べて風呂上がったらもう寝る時間だ」
会社の人は飲み会などに出席しているからか彼女持ち、もしくは結婚している人が大半だ。
何故真面目に働いた方が損している気にならなければいけないのだろうか。
「あーもう」
俺は足下にある石を片手に握りしめ、
「やってられるか!」
全力で投げた。
投げた石は放物線を描き少し遠くの草むらに入った……瞬間。
「ッワウ!」
……何かの鳴き声がした。
(やば、野良犬に当たってしまったか)
「ガルルル……」
草むらの奥からうなり声が聞こえる。逃げた方が良さそうだ。
後ろを向きゆっくりと歩き出した。
「――オイ、待て」
後ろから女性の低い声がした、振り向くと鳴き声がした草むらに人影が見える。
(飼い主か? 野良犬じゃなくて、飼い犬だったのか?)
「この石を投げたのはオマエだな?」
草むらから続けて声がした。
普段なら謝りに行くところだが、今日はもうそんな気力もなく、早く帰りたかった。悪い気はしたが、嘘をつくことにした。
「ち、違う、ここにいた子供が投げたんだ、その子は驚いてもう逃げてしまったよ」
――言い終えた瞬間顔の横を高速で何かが通り過ぎ、後ろで鈍い音が鳴る。見てみると俺が投げた石が木にめり込んでいる。
「ひっ……」
「もう一度聞くぞ、この石を投げたのは オ マ エ だな?」
人影が段々近づいてくる。
「は、はい、ごめんなさい」
どうやらとんでもない人を、怒らせてしまったかもしれない。
「痛かったんぞ、どうしてくれるんだ」
「ごめんなさい、け、怪我したのなら、なんでもします……か……ら……え、」
近づいてきて姿が見えた。
全身真っ黒でところどころ毛に覆われている。頭には犬のような耳が生えており、手足も犬や狼のように爪がついている。そしてこちらを見ている瞳も真っ赤に燃えていて、立ち方は人間らしいが、全体を見て人間とは思えなかった。
「……なんでもしてくれるんだな?」
「え、あ、」
パニックに陥り頭が回らない。
「なら……オマエのこと食べさせて貰うぞ」
彼女は白いギザギザした歯を見せながら言う。
その姿を見て、腰が抜け座り込んでしまった。
「ひぃ! 食べないで!」
普通の人間に食べるぞと言われても、恐いことはないだろう。だが彼女はどうだ、あの鋭い歯で食い千切られてしまうところが、容易に想像できてしまう。
「急におびえだしてどうした?……まぁ良い食べさせて貰うぞ」
そう言ってワイシャツのボタンを外し出す。
「や、やめて」
「やめない」
「ご、ごめんなさい、許して」
「すぐ謝るならまだしも、逃げて嘘をついたんだ、許さない」
――彼女が目を合わせてきて顔を近づけた瞬間、恐怖からか意識が遠のいた。
――――目が覚めると見知らぬ天井が見えた。スーツだったはずだがスウェットに着替えているようだ。状況がよく掴めない。
「お、起きたか?」
自分の胸の当たりから声がする。見てみると、気絶させてきた本人が胸に顔を擦りつけていた。
「ひっ……」
「良い匂いだなオマエ……くんくん……我慢できないぞ」
彼女が服をめくあげる。
「やめっ……こ、ここは?」
「ん? アタシの部屋だ」
どうやら確実に食べるために部屋に連れ込んだらしい。そう考えると震えが止まらない。
「た、助けて!」
「んー? アタシ以外にここには誰もいないぞ?」
そこそこな大声で助けを呼んだはずだが、周りで物音さえしない。周りにはだれもいないのだろう。
「俺なんか美味しくない、た、食べないでくれ」
彼女を説得しなければ、食べられてしまう。どうにかしなければ。
「やだ、こんな良い匂いのヤツ美味しくないわけないだろう?」
……どうやら気に入られてしまったみたいだ。どうすればいい。
「じ、持病があるんだ、今俺を食べたらき、君も病気になるぞ!」
もちろん嘘だが、何もしないよりましだろうと思い声にだした。
「そうなのか?……うーん」
彼女が少し迷っている。
「ほ、ほらさっき気絶したときも急に苦しくなって」
「そ、そうだったのか、今は大丈夫なのか?」
まさか心配されると思わなかった、少し心が痛いが命には変えられない。この嘘を突き通すしかない。
「今は大丈夫だけど、い、いつ悪くなるかわからない。だから、こ、ここから出して?」
……なぜか彼女は笑顔でこちらを見てきた。
「なら、アタシがオマエの病気が治るまで看病してやる」
「えっ」
俺の話を聞いていたのだろうか。まぁ嘘なのだが、完全無視としか思えない反応だった。
「ほら、そうと決まればこれをつけてやる」
と言って彼女は机の引き出しを開け、首輪を出し、俺に付けた。……これじゃ看病ではなく飼育じゃ。と思ったが何を言われるかわからないので黙っていた。
「……あ、ありがとう」
心にもないお礼を言う。
「別になんてことないぞ、あ、この部屋から逃げるなよ、逃げたらお仕置きだからな……と言うより病人ならここで寝てたほうがいい、人間はか弱いからな」
……これはもしや飼育でもなく監禁なのでは、と思ったがもちろん言えるはずもなく、肯定の返事をする。
「…は、はい」
「よし、そしたら何か作るってくるからな、待ってろ」
なんとか死は免れたみたいだが、看病兼飼育兼監禁生活が始まったのだった。
――この生活が始まって約一週間が経っただろうか、俺はまだ解放されず続いていた。
一週間も経つと、人間何事にも慣れてきてしまう。これの生活も、例外でなくだんだんと慣れてきていた。
彼女は魔物娘のヘルハウンドというものらしい。
彼女曰く魔物娘は案外人間と接触していて、結婚している者もいるとのことだ。
この地域では人間にばれないようにしている者が多いが、場所によっては完全に共生している所もあるとも言っていた。
最初こそ怯えていたが、彼女は案外優しかった。
3食全て作ってくれて、肉料理がやたら多い
が味は悪くない。
病気と嘘をついたせいか、苦しくないか、具合はどうかなど気を遣ってくれてもいる。
寝るとき抱き枕のように扱われるのだが、その時かみつく様子もなく、俺の体を冷やさないように、大事そうに抱きしめてくれるのだ。
それに――恐くてあまり見ていなかったが……彼女は人間ではない肌色、目の色をしているが、顔立ちは整っていて、スタイルも良い。こんなこと食べれる立場から言えることではないが、風呂場まで一緒には来ないでほしい。流石に意識してしまう。
今日も夕食の時間が近くなっていた。
「お、もうこんな時間か。なんか作ってくるからな」
「はい、ありがとう」
「……やけに素直だな、何かする気か?」
彼女がジトッとこっちを見てくる。
「しないよ」
俺は笑って返す。
「ふぅん、ま、いいかアタシもお腹がすいたからな。作ってくるよ」
彼女は部屋を出て行った。
さて、ここからだ。先ほどの会話の『しないよ』あれは嘘だ。今日ここから脱走する。彼女との生活、それが苦痛だから逃げるわけではない。むしろ最近は少し楽しくすら感じていた気もする。
だが俺はまだ死にたくはないのだ。彼女の優しさはそれこそ俺を食べるため。家畜が病気になったから看病してくれているのと変わらないだろう。
それに、会社のこともある。ケータイも全てとられているため一週間も無断欠勤しているのだ。正直何を言われるかわかったものじゃないがこの話をするしかない。
「よし」
さぁ脱走するために窓を開ける。ここは二階、飛び降りられない高さではない。
彼女も夕食作りは少なくとも30分はかかるだろう。それまでは帰っては来ない。
「いくぞ……はっ」
窓から飛び降りる。
ズシャッと音がなったが着地は無事に成功。ばれないうちに家から離れるためゆっくりと歩く。
まず周りを見渡して、ここがどこなのか、把握しなければならない。
太い道に出るとあの日襲われた公園が遠くのほうに見えた。
(しめた! これならすぐに家に帰れる!)
俺は自分の住むマンションに向かって一目散に走りだした。子供達の遊ぶ中公園を通り抜け、自分のマンションに着く。
鍵がないが暗証番号を覚えていた。それを打ち込み、中に入る。エレベーターが八階にあることを確認したため、舌打ちをし、階段を駆け上がる。部屋は六階だが階段のほうが早いだろう。
六階につきすぐさま部屋に入る。
ガチャンとドアが閉まると同時に鍵を閉める。
「ふぅ……はぁ……はぁ、逃げ切ったか?」
かなりの距離を走ったため息が上がっている。
「なにか、飲み物は……」
冷蔵庫を開け、中からとりだしたお茶をコップに移す。――とても冷えていて美味しい。生き返る。
「はぁ……あ、会社に連絡だ!」
俺は会社の番号がわからないため名刺を探す。大体はスーツの中に入っていたが、家にも少しあるはずだ。……あった。机の中に何枚か入っていた。
「頼む。許してくれよ」
手を前で握りお祈りをしながら固定電話を手に取り、番号を打つ。
電話が繋がった。
「もしもし、一週間ほど前から休んで――
――ありがとうございました……」
俺は電話を置きベットに倒れ込む。
結果から言うと……全く許して貰えなかった。
「なんの反論聞きたくない」と、「この忙しい時期に休みやがってふざけるな」と、何度も何度も言われた。そして最後に「君はもう来なくて良い、クビだ」はっきり伝えられた。
「あんなブラックこっちから願い下げだ、このやろー」
口ではこう言うが、また仕事を探すのか、見つかるのだろうか、そんなマイナスな事を考えていた。
「くそ……」
正直、結構なダメージを受けていた。飲みに行かなかったのは暇もなかったのだが、金もなかったのだ。収入源を失い、財布をあそこに置いてきた今、銀行から引き出したとしても、かなり人間としてギリギリな生活をすることになる。
「……だめだ。マイナスなことしか考えられない。」
逃げ切った安心からか、睡魔に襲われる。首輪はとろうとしたが鍵が付いていた。
「……寝るか。起きてから考えようか」
そう考えて目を閉じると、やはり疲れていたらしくすぐに眠りに落ちた。
――突然ガラスの割れる音で目が覚める。
「な、なんだ!」
焦って飛び起きる、時計を見る。
もう暗くなっている時間だろう。割れたのは窓の方だ。急いで向かい、窓のある部屋に行くと――
「なんだ、はこっちの台詞だぞ」
見覚えのある人が聞き覚えのある声で話しかけてきた。
「ひ、ひぃ! どうして!」
「どうしてもこうしても、オマエの住所が書いてあるものがあったからな」
そう言って彼女は名刺をこちらに見せてくる。
「あ、な、ならどうやってベランダに……」
「この部屋からオマエの匂いがしたからな、駆け上がってきただけだ」
六階を体一つで上がってきたのか、そうだ、最初も目にもとまらぬ早さで石を投げ返してきた。身体能力は人間の比ではないのだろう。
震える声を抑え、近づいてくる彼女に向かって言う。
「お、おい!」
「なんだ?」
俺はもう、やけくそで強気に出ることにした。
「オ、オマエが監禁するせいで、仕事くびになったんだぞ! ど、どうしてくれるんだ!」
すると彼女は笑いながら、
「そうなのか。なら好都合だな! オマエがいなくなっても気付く人が減ったわけだな?」
俺はどうやらもう少しでこの世にないものにされるらしい。
「く、来るな!」
近くにあったゴルフクラブを手にとり、構える。闘える気がしないが抵抗はしなければ。
「なにする気だ? そんなモノ持ったら……危ないぞ!」
そう彼女が言った瞬間、距離を詰めてきて、ツメを立てた。俺は焦り、ゴルフクラブを振ったのだが――考えられないほど軽い、手元を見てみると、グリップの部分しか持っていなかった。
……そのほかの部分は粉々になり床に落ちてカランカランと音を鳴らしていた。
「……えっ」
「それで殴る気だったのか? ふふっ遅いなぁ?」
彼女は笑顔でこちらをじーっと見てくる
「ひぃ……」
「逃げたらお仕置きだっていったよな?、それにこんな事までして」
「やめてっ……」
抵抗したいのだが、頭のどこかでわかった。『なにをしても敵うはずが無い』と。また腰が抜けて立てなくなる。
「逃げる力があるって事は病気も嘘なんだろ?」
「え、い、いや」
「嘘 な ん だ ろ ?」
「ひっ……は、はい」
肯定すると彼女はニヤリとして俺に手を伸ばしてくる。
「ほらお仕置きだぞ、ベッドはそっちか?」
腰が抜けた俺を彼女はひょいと持ち上げ、ベッドのある部屋まで運ばれる。そしてベットに投げられ、上から組み伏せられる。
「くんくん……やっぱし良い匂いだな。」
「…………」
震えながら、考えていた。――もう、どうしようも無いのかと。ここで俺の人生は終わってしまうのかと。
「それじゃ、オマエのこと食べるとするかな」
そう言いながら彼女は爪を使い俺の衣服を切り裂いて下着だけにした。
「ね、ねぇ……」
彼女を見て話しかける。
「……痛くしないで、ください」
もう、死ぬのは避けられない。ならせめて楽に死にたかった。
「もちろん、痛くなんかしないぞ?」
彼女は、笑顔でこちらを見てくる。そしてその返事を聞きほっとする。
「なら……少し待って……死ぬ、心構えをさせて」
「死ぬ? オマエは死ぬのか?」
彼女はきょとんとしている。
「え、だって、た、食べるんでしょ……」
そう言うと彼女は、固まり、んーっ悩んだ後、何かに気付いた顔して、
「あっはっはっ! あーそうだよ、ほら目をつむって準備しな」
と、言ってきた。
俺は彼女の言うとおり目をつむって深呼吸をする。そしてそのまま……
「――いいよ」
彼女にそう伝えた。
「はい――いただきます」
唇に何かが当たる、恐がりながらも薄目を開けると彼女の唇が俺の唇に当たっていた。そしてそのまま彼女は舌を入れてきて、俺の口の中を蹂躙するかのように舐め回す。
頭がぼぅっとする。なんだろうこれは、食べるというよりか愛撫のような……
「ぷはぁ……わかったか? 食べるって意味」
彼女が話しかけてくる。
「……えっ……っな」
意味がわからず目を開けると彼女は服を全部脱ぎ捨て裸になっていた。
「アタシらの食べるは、オマエが考えてるのとは違う。性的な意味だぞ?」
何を言われたのかわからずきょとんとする。
「なら……」
「だからオマエを殺したりしないぞ?」
……なら俺は一体何を怖がっていたのだろうか。なんの覚悟をしたのだろうか。
「ぽかんとしてるな、オマエ。……まぁいい、とりあえず襲わせて貰うぞ、もうアタシが我慢でそうにないからなっ!」
そう言ってツメで器用に使い、俺の下着を切り裂きどちらも裸になる。
そしてまた彼女は唇を重ねてきて、先ほど以上に口の中を舐め回してくる。また、彼女の大きな胸が俺に当たる。痺れるほどの深いキスで
体は動かないが、下半身は反応してしまう。
「ぷ、はぁ……はぁ……」
「はぁ……はぁ……オマエも興奮してるのか?」
顔を反らしながら頷くと、
「勘違いさせたからな、お詫びをしてやる」
彼女はそういいながら、俺の横に座り、その大きな胸を俺の口のほうに近づける。俺は迷い無くその胸の先に吸いつく。
んっ、と彼女は声を上げると同時に俺の固くなったモノをツメがあたらないように、もふもふとした手でしごき始めた。
「んっ、んふぅ……んっ……」
手コキが気持ちよすぎて声が出そうになるが、母乳が出ているわけでも無いのに、彼女が美味しすぎて吸い付くのをやめることができない。
「……よーしよーし」
彼女はもう片方の手で頭をなでてくる。……不思議と安心感を覚える。
俺はもっと強く彼女の胸を吸う。
「んっ……はぁ……」
彼女は甘い声をあげながらそして手コキを速くしてきた。また頭がぼぅっとして何も考えられない。
「ほら、……んっ……我慢せずイって良いんだぞ? コレはお詫びだからな」
そう言いながら俺のモノを上下だけでなく、強く握ったり、先をいじめたりと、激しくしてくる。
「んっ!……ふはぁ!んっっ……」
もちろんそんなの長く我慢できるはずも無く。彼女胸を吸いながらの手コキでイかされてしまった。
「……気持ちよかったか?」
彼女はにっこりこちらを見て聞いてくる、俺はまた無言で頷く。すると彼女はまた頭をなでてくれた。
手コキの興奮が残る中息を整えて、起き上がろうとすると、彼女にまた押し倒された。
「……えっ?」
「今のがお詫びだ、こっからはアタシから逃げたお仕置きだ。忘れたか?」
そういい彼女は激しく手コキを始める。
「あっ、でたばっかりは! だめっ!」
敏感な先っぽを触られ、でた直後なのにもかかわらず、すぐに固くなってしまった。
「よし……固くなったな挿入るぞ」
「え、や、っ! めっ!」
彼女はお構いなしで俺の上に跨がり腰を落とした。挿入ったと同時に物凄い強さで俺のモノに絡みついてきた。。
「んっ…挿入ったな……オマエははじめてか?」
「う、あ……そう、だよ、」
「そうか、アタシもだ。安心しろ手加減してやる」
「よし…動くぞ」
そう言うと彼女が腰を振り出す。……だがそれは手加減というモノを感じられない、身体能力を生かし物凄い早さでだ。
「や!はっ、はっ、はや……すぎっ!」
「はっはっはっはっ……オマエ気持ちいいぞ!」
全く話を聞いてくれていない。スピードは緩めるどころか、速くなっていく。
「あ、あぁ!……うぁ!」
「はっはっ……ワォーン!いいぞ!」
彼女が吠えてから中の締まりがキツくなり、頭が真っ白になるほどの暴力的な快楽が迫ってくる。
「う……ぁ!……もう、む……り」
「はっはっはっ……ぁ!でてるぞ!んんっ……やっぱり予想通り美味しいなオマエの精液は」
あっけなく彼女の中で今日、二回目の射精をした。……のだが。
「も、もぅ!……ぅ、うごか……ないでぇ!」
彼女は動くことをやめないのだ。それも中に出してから更にキツく更に速くだ。
「はっはっ……お仕置きだっていっただろ。はっ、はっ、はっ、日が昇るまで止めないぞ。」
絶望的なことを聞いてしまった。
「ぇ、そ、そんな! オカシくなる!」
「ワォーン! オカシくなれ、面倒は見てやるからな。ほらこっからは手加減無し、だっ!」
今までに無いほど速く腰を振られる。俺のモノがもげてしまうのではないかと思うほどだ。
俺は段々と意識が遠くなり――ガブッと首筋に噛みつかれた。
「ふぁ……いてっ!」
「気絶なんか、はっはっ、させないぞ! 意識飛びそうになったらまた首にかみついてやるからな!」
高速で腰を上下させながら彼女は言う。
「ひっ……ひぃぃ……」
「ワォーン!はっ、はっ、はっ、はっ……安心しろ甘噛みだから……っな。怪我はさせないぞ」
――彼女のお仕置きは次の日の日の出では満足せず。日の入りまで続き、疲れ切ったかのように彼女も俺も寝てしまった。
――――目が覚めると自分の家では無いが見覚えのある天井が見えた。裸だったはずだが何か着ているようだ。状況はなんとなく掴めた。
「お、起きたか?」
自分の胸の当たりから声がする。見てみると、また胸に顔を擦りつけていた。
「お、起きたぞ」
「良い匂いだなオマエ……くんくん……我慢できないぞ」
「ちょっと待て!」
このままではまずい流れなので話を無理に変える。
「……どうした?」
「な。なぁ家に帰してくれないか」
そう聞くと彼女がニヤッと笑い
「まだ帰りたがるなら、もう少しお仕置きしてあげなきゃな。」
「……え、い、いや、そ、それはやめてくれ、ふ、二日連続は……」
「ならもう帰りたいと言わない。脱走をしない。約束できるか?」
彼女はこちらをほぼ0距離でみつめながら言ってきた。この状況でノーと言えるはずも無く。首を縦に振る。
「よし、でも前科が有るからな、これをつけてやる。」
そう言いながら彼女は俺の首輪に鍵つきのチェーンをつけを反対側をベッドにつけ鍵をかけた。
「えっ……」
「よしコレで逃げられないな。邪魔だろうからな、寝るときになったら外してやるよ」
長いチェーンではないため、ベットから降りることすらも許されない。
「オマエの病気は嘘だったんだろ?それなら拘束ぐらい問題ないよな?」
彼女はこちらを睨むように見てくる。
俺は黙って首を縦に振る。
「よし……夕飯を作ってくる。大人しくしてろよ。してたらご褒美をやるからな」
「ご、ご褒美?」
気になったので尋ねてみた。
「あぁ、静かにしてたら、ご褒美に夕食のあとに優しく交尾してやる」
「……えっ」
「あ、逆に暴れたりしたら昨日見たく、体力が無くなるまで交尾をたっぷりしてやるからな」
……どうやら何をしようと交尾する気だ。
「け、結局、お、襲われるの?」
彼女はニタッと笑いながら答えた。
「あぁそうだ。オマエを襲いたくて体がウズウズしてるからな。」
「ひ、ひぃ……」
「まぁ、我慢してアタシは料理してくるぞ、オマエは静かに心の準備でもしてろよな」
そう言いながら彼女は部屋の外に出て行った。
――彼女との監禁生活は終わること無く続きそうだ。仕事も無くなった今、人外だが美人の彼女に大事に飼育されるのも良いかもなと思ったのは秘密だ。
もう誰も乗っていないガラガラの電車を降り、帰り道の途中にある公園を横切るために入る。
この公園は比較的大きい公園で、朝から夕方まで子供達が居たり、犬の散歩をしている人たちが居たりする。……がもう流石にこんな時間には誰も人はいない。
「はぁ、このペースで仕事が続いたら潰れるのも時間の問題だよな」
俺は独り言をつぶやく。
「アイツらは飲み会か、元気だなぁ」
同僚はほとんどが飲み会に行った。俺は断ったのだが、はっきり言ってこの時間から飲む方がおかしいとしか思えない、明日も平日だというのに。
「まず、どこにそんなお金があるんだよ」
段々と声が大きくなってくる。
「あー今日も夕食食べて風呂上がったらもう寝る時間だ」
会社の人は飲み会などに出席しているからか彼女持ち、もしくは結婚している人が大半だ。
何故真面目に働いた方が損している気にならなければいけないのだろうか。
「あーもう」
俺は足下にある石を片手に握りしめ、
「やってられるか!」
全力で投げた。
投げた石は放物線を描き少し遠くの草むらに入った……瞬間。
「ッワウ!」
……何かの鳴き声がした。
(やば、野良犬に当たってしまったか)
「ガルルル……」
草むらの奥からうなり声が聞こえる。逃げた方が良さそうだ。
後ろを向きゆっくりと歩き出した。
「――オイ、待て」
後ろから女性の低い声がした、振り向くと鳴き声がした草むらに人影が見える。
(飼い主か? 野良犬じゃなくて、飼い犬だったのか?)
「この石を投げたのはオマエだな?」
草むらから続けて声がした。
普段なら謝りに行くところだが、今日はもうそんな気力もなく、早く帰りたかった。悪い気はしたが、嘘をつくことにした。
「ち、違う、ここにいた子供が投げたんだ、その子は驚いてもう逃げてしまったよ」
――言い終えた瞬間顔の横を高速で何かが通り過ぎ、後ろで鈍い音が鳴る。見てみると俺が投げた石が木にめり込んでいる。
「ひっ……」
「もう一度聞くぞ、この石を投げたのは オ マ エ だな?」
人影が段々近づいてくる。
「は、はい、ごめんなさい」
どうやらとんでもない人を、怒らせてしまったかもしれない。
「痛かったんぞ、どうしてくれるんだ」
「ごめんなさい、け、怪我したのなら、なんでもします……か……ら……え、」
近づいてきて姿が見えた。
全身真っ黒でところどころ毛に覆われている。頭には犬のような耳が生えており、手足も犬や狼のように爪がついている。そしてこちらを見ている瞳も真っ赤に燃えていて、立ち方は人間らしいが、全体を見て人間とは思えなかった。
「……なんでもしてくれるんだな?」
「え、あ、」
パニックに陥り頭が回らない。
「なら……オマエのこと食べさせて貰うぞ」
彼女は白いギザギザした歯を見せながら言う。
その姿を見て、腰が抜け座り込んでしまった。
「ひぃ! 食べないで!」
普通の人間に食べるぞと言われても、恐いことはないだろう。だが彼女はどうだ、あの鋭い歯で食い千切られてしまうところが、容易に想像できてしまう。
「急におびえだしてどうした?……まぁ良い食べさせて貰うぞ」
そう言ってワイシャツのボタンを外し出す。
「や、やめて」
「やめない」
「ご、ごめんなさい、許して」
「すぐ謝るならまだしも、逃げて嘘をついたんだ、許さない」
――彼女が目を合わせてきて顔を近づけた瞬間、恐怖からか意識が遠のいた。
――――目が覚めると見知らぬ天井が見えた。スーツだったはずだがスウェットに着替えているようだ。状況がよく掴めない。
「お、起きたか?」
自分の胸の当たりから声がする。見てみると、気絶させてきた本人が胸に顔を擦りつけていた。
「ひっ……」
「良い匂いだなオマエ……くんくん……我慢できないぞ」
彼女が服をめくあげる。
「やめっ……こ、ここは?」
「ん? アタシの部屋だ」
どうやら確実に食べるために部屋に連れ込んだらしい。そう考えると震えが止まらない。
「た、助けて!」
「んー? アタシ以外にここには誰もいないぞ?」
そこそこな大声で助けを呼んだはずだが、周りで物音さえしない。周りにはだれもいないのだろう。
「俺なんか美味しくない、た、食べないでくれ」
彼女を説得しなければ、食べられてしまう。どうにかしなければ。
「やだ、こんな良い匂いのヤツ美味しくないわけないだろう?」
……どうやら気に入られてしまったみたいだ。どうすればいい。
「じ、持病があるんだ、今俺を食べたらき、君も病気になるぞ!」
もちろん嘘だが、何もしないよりましだろうと思い声にだした。
「そうなのか?……うーん」
彼女が少し迷っている。
「ほ、ほらさっき気絶したときも急に苦しくなって」
「そ、そうだったのか、今は大丈夫なのか?」
まさか心配されると思わなかった、少し心が痛いが命には変えられない。この嘘を突き通すしかない。
「今は大丈夫だけど、い、いつ悪くなるかわからない。だから、こ、ここから出して?」
……なぜか彼女は笑顔でこちらを見てきた。
「なら、アタシがオマエの病気が治るまで看病してやる」
「えっ」
俺の話を聞いていたのだろうか。まぁ嘘なのだが、完全無視としか思えない反応だった。
「ほら、そうと決まればこれをつけてやる」
と言って彼女は机の引き出しを開け、首輪を出し、俺に付けた。……これじゃ看病ではなく飼育じゃ。と思ったが何を言われるかわからないので黙っていた。
「……あ、ありがとう」
心にもないお礼を言う。
「別になんてことないぞ、あ、この部屋から逃げるなよ、逃げたらお仕置きだからな……と言うより病人ならここで寝てたほうがいい、人間はか弱いからな」
……これはもしや飼育でもなく監禁なのでは、と思ったがもちろん言えるはずもなく、肯定の返事をする。
「…は、はい」
「よし、そしたら何か作るってくるからな、待ってろ」
なんとか死は免れたみたいだが、看病兼飼育兼監禁生活が始まったのだった。
――この生活が始まって約一週間が経っただろうか、俺はまだ解放されず続いていた。
一週間も経つと、人間何事にも慣れてきてしまう。これの生活も、例外でなくだんだんと慣れてきていた。
彼女は魔物娘のヘルハウンドというものらしい。
彼女曰く魔物娘は案外人間と接触していて、結婚している者もいるとのことだ。
この地域では人間にばれないようにしている者が多いが、場所によっては完全に共生している所もあるとも言っていた。
最初こそ怯えていたが、彼女は案外優しかった。
3食全て作ってくれて、肉料理がやたら多い
が味は悪くない。
病気と嘘をついたせいか、苦しくないか、具合はどうかなど気を遣ってくれてもいる。
寝るとき抱き枕のように扱われるのだが、その時かみつく様子もなく、俺の体を冷やさないように、大事そうに抱きしめてくれるのだ。
それに――恐くてあまり見ていなかったが……彼女は人間ではない肌色、目の色をしているが、顔立ちは整っていて、スタイルも良い。こんなこと食べれる立場から言えることではないが、風呂場まで一緒には来ないでほしい。流石に意識してしまう。
今日も夕食の時間が近くなっていた。
「お、もうこんな時間か。なんか作ってくるからな」
「はい、ありがとう」
「……やけに素直だな、何かする気か?」
彼女がジトッとこっちを見てくる。
「しないよ」
俺は笑って返す。
「ふぅん、ま、いいかアタシもお腹がすいたからな。作ってくるよ」
彼女は部屋を出て行った。
さて、ここからだ。先ほどの会話の『しないよ』あれは嘘だ。今日ここから脱走する。彼女との生活、それが苦痛だから逃げるわけではない。むしろ最近は少し楽しくすら感じていた気もする。
だが俺はまだ死にたくはないのだ。彼女の優しさはそれこそ俺を食べるため。家畜が病気になったから看病してくれているのと変わらないだろう。
それに、会社のこともある。ケータイも全てとられているため一週間も無断欠勤しているのだ。正直何を言われるかわかったものじゃないがこの話をするしかない。
「よし」
さぁ脱走するために窓を開ける。ここは二階、飛び降りられない高さではない。
彼女も夕食作りは少なくとも30分はかかるだろう。それまでは帰っては来ない。
「いくぞ……はっ」
窓から飛び降りる。
ズシャッと音がなったが着地は無事に成功。ばれないうちに家から離れるためゆっくりと歩く。
まず周りを見渡して、ここがどこなのか、把握しなければならない。
太い道に出るとあの日襲われた公園が遠くのほうに見えた。
(しめた! これならすぐに家に帰れる!)
俺は自分の住むマンションに向かって一目散に走りだした。子供達の遊ぶ中公園を通り抜け、自分のマンションに着く。
鍵がないが暗証番号を覚えていた。それを打ち込み、中に入る。エレベーターが八階にあることを確認したため、舌打ちをし、階段を駆け上がる。部屋は六階だが階段のほうが早いだろう。
六階につきすぐさま部屋に入る。
ガチャンとドアが閉まると同時に鍵を閉める。
「ふぅ……はぁ……はぁ、逃げ切ったか?」
かなりの距離を走ったため息が上がっている。
「なにか、飲み物は……」
冷蔵庫を開け、中からとりだしたお茶をコップに移す。――とても冷えていて美味しい。生き返る。
「はぁ……あ、会社に連絡だ!」
俺は会社の番号がわからないため名刺を探す。大体はスーツの中に入っていたが、家にも少しあるはずだ。……あった。机の中に何枚か入っていた。
「頼む。許してくれよ」
手を前で握りお祈りをしながら固定電話を手に取り、番号を打つ。
電話が繋がった。
「もしもし、一週間ほど前から休んで――
――ありがとうございました……」
俺は電話を置きベットに倒れ込む。
結果から言うと……全く許して貰えなかった。
「なんの反論聞きたくない」と、「この忙しい時期に休みやがってふざけるな」と、何度も何度も言われた。そして最後に「君はもう来なくて良い、クビだ」はっきり伝えられた。
「あんなブラックこっちから願い下げだ、このやろー」
口ではこう言うが、また仕事を探すのか、見つかるのだろうか、そんなマイナスな事を考えていた。
「くそ……」
正直、結構なダメージを受けていた。飲みに行かなかったのは暇もなかったのだが、金もなかったのだ。収入源を失い、財布をあそこに置いてきた今、銀行から引き出したとしても、かなり人間としてギリギリな生活をすることになる。
「……だめだ。マイナスなことしか考えられない。」
逃げ切った安心からか、睡魔に襲われる。首輪はとろうとしたが鍵が付いていた。
「……寝るか。起きてから考えようか」
そう考えて目を閉じると、やはり疲れていたらしくすぐに眠りに落ちた。
――突然ガラスの割れる音で目が覚める。
「な、なんだ!」
焦って飛び起きる、時計を見る。
もう暗くなっている時間だろう。割れたのは窓の方だ。急いで向かい、窓のある部屋に行くと――
「なんだ、はこっちの台詞だぞ」
見覚えのある人が聞き覚えのある声で話しかけてきた。
「ひ、ひぃ! どうして!」
「どうしてもこうしても、オマエの住所が書いてあるものがあったからな」
そう言って彼女は名刺をこちらに見せてくる。
「あ、な、ならどうやってベランダに……」
「この部屋からオマエの匂いがしたからな、駆け上がってきただけだ」
六階を体一つで上がってきたのか、そうだ、最初も目にもとまらぬ早さで石を投げ返してきた。身体能力は人間の比ではないのだろう。
震える声を抑え、近づいてくる彼女に向かって言う。
「お、おい!」
「なんだ?」
俺はもう、やけくそで強気に出ることにした。
「オ、オマエが監禁するせいで、仕事くびになったんだぞ! ど、どうしてくれるんだ!」
すると彼女は笑いながら、
「そうなのか。なら好都合だな! オマエがいなくなっても気付く人が減ったわけだな?」
俺はどうやらもう少しでこの世にないものにされるらしい。
「く、来るな!」
近くにあったゴルフクラブを手にとり、構える。闘える気がしないが抵抗はしなければ。
「なにする気だ? そんなモノ持ったら……危ないぞ!」
そう彼女が言った瞬間、距離を詰めてきて、ツメを立てた。俺は焦り、ゴルフクラブを振ったのだが――考えられないほど軽い、手元を見てみると、グリップの部分しか持っていなかった。
……そのほかの部分は粉々になり床に落ちてカランカランと音を鳴らしていた。
「……えっ」
「それで殴る気だったのか? ふふっ遅いなぁ?」
彼女は笑顔でこちらをじーっと見てくる
「ひぃ……」
「逃げたらお仕置きだっていったよな?、それにこんな事までして」
「やめてっ……」
抵抗したいのだが、頭のどこかでわかった。『なにをしても敵うはずが無い』と。また腰が抜けて立てなくなる。
「逃げる力があるって事は病気も嘘なんだろ?」
「え、い、いや」
「嘘 な ん だ ろ ?」
「ひっ……は、はい」
肯定すると彼女はニヤリとして俺に手を伸ばしてくる。
「ほらお仕置きだぞ、ベッドはそっちか?」
腰が抜けた俺を彼女はひょいと持ち上げ、ベッドのある部屋まで運ばれる。そしてベットに投げられ、上から組み伏せられる。
「くんくん……やっぱし良い匂いだな。」
「…………」
震えながら、考えていた。――もう、どうしようも無いのかと。ここで俺の人生は終わってしまうのかと。
「それじゃ、オマエのこと食べるとするかな」
そう言いながら彼女は爪を使い俺の衣服を切り裂いて下着だけにした。
「ね、ねぇ……」
彼女を見て話しかける。
「……痛くしないで、ください」
もう、死ぬのは避けられない。ならせめて楽に死にたかった。
「もちろん、痛くなんかしないぞ?」
彼女は、笑顔でこちらを見てくる。そしてその返事を聞きほっとする。
「なら……少し待って……死ぬ、心構えをさせて」
「死ぬ? オマエは死ぬのか?」
彼女はきょとんとしている。
「え、だって、た、食べるんでしょ……」
そう言うと彼女は、固まり、んーっ悩んだ後、何かに気付いた顔して、
「あっはっはっ! あーそうだよ、ほら目をつむって準備しな」
と、言ってきた。
俺は彼女の言うとおり目をつむって深呼吸をする。そしてそのまま……
「――いいよ」
彼女にそう伝えた。
「はい――いただきます」
唇に何かが当たる、恐がりながらも薄目を開けると彼女の唇が俺の唇に当たっていた。そしてそのまま彼女は舌を入れてきて、俺の口の中を蹂躙するかのように舐め回す。
頭がぼぅっとする。なんだろうこれは、食べるというよりか愛撫のような……
「ぷはぁ……わかったか? 食べるって意味」
彼女が話しかけてくる。
「……えっ……っな」
意味がわからず目を開けると彼女は服を全部脱ぎ捨て裸になっていた。
「アタシらの食べるは、オマエが考えてるのとは違う。性的な意味だぞ?」
何を言われたのかわからずきょとんとする。
「なら……」
「だからオマエを殺したりしないぞ?」
……なら俺は一体何を怖がっていたのだろうか。なんの覚悟をしたのだろうか。
「ぽかんとしてるな、オマエ。……まぁいい、とりあえず襲わせて貰うぞ、もうアタシが我慢でそうにないからなっ!」
そう言ってツメで器用に使い、俺の下着を切り裂きどちらも裸になる。
そしてまた彼女は唇を重ねてきて、先ほど以上に口の中を舐め回してくる。また、彼女の大きな胸が俺に当たる。痺れるほどの深いキスで
体は動かないが、下半身は反応してしまう。
「ぷ、はぁ……はぁ……」
「はぁ……はぁ……オマエも興奮してるのか?」
顔を反らしながら頷くと、
「勘違いさせたからな、お詫びをしてやる」
彼女はそういいながら、俺の横に座り、その大きな胸を俺の口のほうに近づける。俺は迷い無くその胸の先に吸いつく。
んっ、と彼女は声を上げると同時に俺の固くなったモノをツメがあたらないように、もふもふとした手でしごき始めた。
「んっ、んふぅ……んっ……」
手コキが気持ちよすぎて声が出そうになるが、母乳が出ているわけでも無いのに、彼女が美味しすぎて吸い付くのをやめることができない。
「……よーしよーし」
彼女はもう片方の手で頭をなでてくる。……不思議と安心感を覚える。
俺はもっと強く彼女の胸を吸う。
「んっ……はぁ……」
彼女は甘い声をあげながらそして手コキを速くしてきた。また頭がぼぅっとして何も考えられない。
「ほら、……んっ……我慢せずイって良いんだぞ? コレはお詫びだからな」
そう言いながら俺のモノを上下だけでなく、強く握ったり、先をいじめたりと、激しくしてくる。
「んっ!……ふはぁ!んっっ……」
もちろんそんなの長く我慢できるはずも無く。彼女胸を吸いながらの手コキでイかされてしまった。
「……気持ちよかったか?」
彼女はにっこりこちらを見て聞いてくる、俺はまた無言で頷く。すると彼女はまた頭をなでてくれた。
手コキの興奮が残る中息を整えて、起き上がろうとすると、彼女にまた押し倒された。
「……えっ?」
「今のがお詫びだ、こっからはアタシから逃げたお仕置きだ。忘れたか?」
そういい彼女は激しく手コキを始める。
「あっ、でたばっかりは! だめっ!」
敏感な先っぽを触られ、でた直後なのにもかかわらず、すぐに固くなってしまった。
「よし……固くなったな挿入るぞ」
「え、や、っ! めっ!」
彼女はお構いなしで俺の上に跨がり腰を落とした。挿入ったと同時に物凄い強さで俺のモノに絡みついてきた。。
「んっ…挿入ったな……オマエははじめてか?」
「う、あ……そう、だよ、」
「そうか、アタシもだ。安心しろ手加減してやる」
「よし…動くぞ」
そう言うと彼女が腰を振り出す。……だがそれは手加減というモノを感じられない、身体能力を生かし物凄い早さでだ。
「や!はっ、はっ、はや……すぎっ!」
「はっはっはっはっ……オマエ気持ちいいぞ!」
全く話を聞いてくれていない。スピードは緩めるどころか、速くなっていく。
「あ、あぁ!……うぁ!」
「はっはっ……ワォーン!いいぞ!」
彼女が吠えてから中の締まりがキツくなり、頭が真っ白になるほどの暴力的な快楽が迫ってくる。
「う……ぁ!……もう、む……り」
「はっはっはっ……ぁ!でてるぞ!んんっ……やっぱり予想通り美味しいなオマエの精液は」
あっけなく彼女の中で今日、二回目の射精をした。……のだが。
「も、もぅ!……ぅ、うごか……ないでぇ!」
彼女は動くことをやめないのだ。それも中に出してから更にキツく更に速くだ。
「はっはっ……お仕置きだっていっただろ。はっ、はっ、はっ、日が昇るまで止めないぞ。」
絶望的なことを聞いてしまった。
「ぇ、そ、そんな! オカシくなる!」
「ワォーン! オカシくなれ、面倒は見てやるからな。ほらこっからは手加減無し、だっ!」
今までに無いほど速く腰を振られる。俺のモノがもげてしまうのではないかと思うほどだ。
俺は段々と意識が遠くなり――ガブッと首筋に噛みつかれた。
「ふぁ……いてっ!」
「気絶なんか、はっはっ、させないぞ! 意識飛びそうになったらまた首にかみついてやるからな!」
高速で腰を上下させながら彼女は言う。
「ひっ……ひぃぃ……」
「ワォーン!はっ、はっ、はっ、はっ……安心しろ甘噛みだから……っな。怪我はさせないぞ」
――彼女のお仕置きは次の日の日の出では満足せず。日の入りまで続き、疲れ切ったかのように彼女も俺も寝てしまった。
――――目が覚めると自分の家では無いが見覚えのある天井が見えた。裸だったはずだが何か着ているようだ。状況はなんとなく掴めた。
「お、起きたか?」
自分の胸の当たりから声がする。見てみると、また胸に顔を擦りつけていた。
「お、起きたぞ」
「良い匂いだなオマエ……くんくん……我慢できないぞ」
「ちょっと待て!」
このままではまずい流れなので話を無理に変える。
「……どうした?」
「な。なぁ家に帰してくれないか」
そう聞くと彼女がニヤッと笑い
「まだ帰りたがるなら、もう少しお仕置きしてあげなきゃな。」
「……え、い、いや、そ、それはやめてくれ、ふ、二日連続は……」
「ならもう帰りたいと言わない。脱走をしない。約束できるか?」
彼女はこちらをほぼ0距離でみつめながら言ってきた。この状況でノーと言えるはずも無く。首を縦に振る。
「よし、でも前科が有るからな、これをつけてやる。」
そう言いながら彼女は俺の首輪に鍵つきのチェーンをつけを反対側をベッドにつけ鍵をかけた。
「えっ……」
「よしコレで逃げられないな。邪魔だろうからな、寝るときになったら外してやるよ」
長いチェーンではないため、ベットから降りることすらも許されない。
「オマエの病気は嘘だったんだろ?それなら拘束ぐらい問題ないよな?」
彼女はこちらを睨むように見てくる。
俺は黙って首を縦に振る。
「よし……夕飯を作ってくる。大人しくしてろよ。してたらご褒美をやるからな」
「ご、ご褒美?」
気になったので尋ねてみた。
「あぁ、静かにしてたら、ご褒美に夕食のあとに優しく交尾してやる」
「……えっ」
「あ、逆に暴れたりしたら昨日見たく、体力が無くなるまで交尾をたっぷりしてやるからな」
……どうやら何をしようと交尾する気だ。
「け、結局、お、襲われるの?」
彼女はニタッと笑いながら答えた。
「あぁそうだ。オマエを襲いたくて体がウズウズしてるからな。」
「ひ、ひぃ……」
「まぁ、我慢してアタシは料理してくるぞ、オマエは静かに心の準備でもしてろよな」
そう言いながら彼女は部屋の外に出て行った。
――彼女との監禁生活は終わること無く続きそうだ。仕事も無くなった今、人外だが美人の彼女に大事に飼育されるのも良いかもなと思ったのは秘密だ。
16/06/23 16:04更新 / ポルックス